【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その44at ANICHARA2
【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その44 - 暇つぶし2ch103:ハルキョン SS 距離
07/03/25 00:32:43 FJ05XjjT
「キョン!!」
そんなに顔近づけなくても聞いてやるからネクタイを引っ張るな。つばが飛ぶ。声がでかい。

一通り喚いてどっかいっちまった。中心地でも暴風雨なぶん台風より性質が悪い。
まったく、何か思いついたらすぐにこれだ。俺を何だと思ってるんだ。
…視線を感じる。古泉か。なんだ、なんか用か。
「いえ、少し疑問に思っただけです」
…お前わざと気になる言い方してるだろ。いいから言ってみろ。
「では、お二人の距離についてなんですが…」
「距離?」
「はい、とても近いですね」
だからなんだ。というか近いのはあいつで俺は近づいてなぞいない。
「確かに。でも拒否しないでしょう?僕のときは嫌がるのに」
男に近づかれて喜ぶ趣味はない。
「まあ僕のことは冗談ですが、近づいたのが朝比奈さんや長門さんですらあなたは少し身を引くでしょう」
「どうだかな」
「わかりますよ、そのくらい。あなたはパーソナルスペースにめったに人を入れないタイプだと思いますから」
「なんだそりゃ」
「個人的な空間ですよ。それ以上はプライベートだという距離。人間は他人がそこに入られるとストレスを感じます。
 当然親密なほうが範囲は狭い。つまり他人>友人>家族>恋人といったふうに狭まります。家族と恋人の順番は個人個人ですが」
「で?俺のそのパーソナルなんとやらがどうだって?」
「あなたにとってのパーソナルスペースが一番狭い、つまり一番近くにいられるのが涼宮さんなのではないか、ということです」
「ハルヒが?冗談はやめてくれ。一番近い普通家族とか恋人だろ。ハルヒがそういう存在だってのか?」
「はい。違いますか?」
「くだらない。単にあいつが強引過ぎて逃げられないだけだ。あいつはそんな距離気にしないだろうしな」
「そうですか…」
古泉は急に立ち上がり長門の元へ歩き、なにやら密談。…嫌な予感がする。
逃げようと思いたちあがろうとしたら、まさに瞬間移動のように長門が目の前に現れた。
俺の目前数センチ。少し近づけばキスできそうな距離。
「なっ!ばっ!ち、近い!長門、ちょっと離れろっって!」
長門の肩を押して引き離す。
「というわけです。あなたと親密な長門さんですらそうなんですよ。涼宮さんはそれ以上に親密ということに…」
反論しようとした矢先、ハルヒが飛び込んできた。
「キョン!聞きなさい!すっごい情報手に入れたの!これはすごいわよ~、なんと!」
「わかった、わかったから落ち着け、ちゃんと聞いてやるから」
「落ち着いてなんていられないわ!さあ、さっさと準備しなさい!SOS団出動よ!」
だからそんな近くで言わなくても………はっ!ハルヒと数センチという距離で俺は普通に話していた。拒否することなく。
古泉がいつものさわやかスマイルを浮かべてやがる。「やはり」といわんばかりに。
いや、確かに引き離しはしなかったが、それはいつものことで俺も慣れてしまっていただけで、深い意味はなく…。
「涼宮さん」
ハルヒが返事する前に古泉がハルヒに急接近。
ハルヒからすれば振り向いたらそこに古泉の顔があったという状態だろう。近すぎだバカ。ぶっ飛ばすぞお前。
「わっ!、な、なに古泉君。どうしたの?」
ハルヒは驚いて後ずさった。そのせいで俺に背中から体当たりしてくる形となった。
ハルヒの肩に手を置き支えてやる。古泉の意図はわかるがハルヒだって一応女の子なわけだからそういうのはやめろ。
「すいません。でもどちらにとっても特別な距離だということはわかって頂けましたよね?」
頭を抱える俺とさわやかすぎてムカつく笑顔を浮かべる古泉。そしてわけがわからず俺と古泉の顔を交互に見比べるハルヒ。
ほら、だんだんハルヒが不機嫌になってきた。こういう風に置いていかれるのを嫌うからなこいつは。
結局問い詰められるのは俺なのだろう。いつもの触れてしまいそうなほど近い距離で。
厄介な距離だよホント。俺はだんだんと怒りに染まりつつあるハルヒの瞳を眺めつつそんなことを思ったのだった。


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