07/03/29 23:53:11 7hQoO70u
ガラガラ……ピシャーン!!!
ドアが激しく開かれる。
「WAWAWA、忘れ物~♪レナは~豪快にぃ~鞄ごと忘れ物しちゃったんだよぉ~、だょ?」
(れ、レナぁ? こ、こんないい瞬間に……そ、そんな?)
「れ、レナぁ!? こ、コレはだなぁ……あの」
「わっ? 圭一くんと魅ぃちゃん、プロレスごっこしてるんだよ、だよ?」
確かにこの体勢だけを見るとチョークスリーパーをしているように見えないこともない。
私はふっと力を抜き、落ちた演技をした。
「わっ? 魅音ッ!?」
「あれれ、魅ぃちゃん落ちちゃったね! 圭一くんの勝ちなんだよ、だよ?」
「あぁ、そうだ。俺の勝ちだ!正義は勝つんだ!」
ははははは、と二人の笑い声が聞こえる。
「そういえば圭一くん?さっき亀田君が圭一くんのことを探してたよ?『今日はKとデザふぇに行く日なのにぃ~』って」
「あぁ!? す、すっかり忘れてた! れ、レナ、魅音のことは頼んだぞ! 俺ちょっと行ってくる!」
そう言って圭ちゃんのものらしい足音がドタドタと遠ざかって行くのが聞こえた。
「さぁてと、魅ぃちゃん、そろそろ起きたら?」
ギクッ!
しかしここでいきなり起きてしまうと、色々分が悪い。
「……」
「早く起きなって、魅ぃちゃん~」
レナが私の体を激しく揺するが、起きるわけにはいかない。
「起きろって言ってるんだろぉがよぉおお!!」
どすッ!!
「ぃだぁああぁあ!?」
レナの蹴りがわき腹に突き刺さるッ!
どんなことをされても起きるつもりはなかったが、悲鳴を出してしまったため、気絶のフリを続けるわけにもいかない。
「あ、あはははは」
怒るべきだったのかもしれないが、なんと言っていいかもわからず笑うしかなかった。
「ねぇ、魅ぃちゃん……」
「な、なにかな、レナ?」
「私も魅ぃちゃんの肉まん食べたいなぁ~?」
「っーーーーーーーーー!?」
私の貞操はどうなってしまうんだろう……?
その日を境に私はレナのことをお姉様と言うようになっていた……
終