07/03/26 22:22:41 1LgVQ7tH
素敵だこのスレ。いろんな意味で素敵だこのスレ。というわけで投下( ・ω・)
…飴玉。紛れもない飴玉。たくさんの綺麗な色。…空っぽの弁当箱。
「…ちゃんと洗ってる……。」
指を置いてみると、きゅっきゅっとした音がした。
…ぴかぴか光る弁当箱の中に、飴玉が転がる。…一つ手に取る。
ここは学校だ。学校の体育倉庫。…誰にも分からない場所である。
…でも、心が抑えきれない。
開けて、…ぱく、と口に含んだ。…甘い。甘酸っぱい。
…ころころと口の中で転がす。何故か脳裏に、彼の顔が浮かんだ。恥ずかしそうな、そんな顔。
体が熱くなって、ずるずると壁伝いに落ちる。後ろの壁が冷たくて気持ち良い。
ころころ。ころころ。口内に広がる甘酢っぱい味。…圭ちゃんがくれた、大切な味。
ふと目を瞑る。…圭ちゃんの顔しか浮かばない。顔が熱い。きっと赤い。
ふと飴玉を出してみた。…その色も真っ赤。甘酸っぱい味は苺。…私みたいに赤いのかもしれない。
もう一度口に含んで、また目を閉じた。
「…圭ちゃん……。」
圭ちゃん、圭ちゃん、圭ちゃん。
何度呟いても足りない。…どうか、どうかこの飴を舐め終わるまでは。
…舐め終わるまでは、…こんな“魅音”で居させてください。
「…だい、すき。」
呟いた言葉があまりにも恥ずかしくて、頭を下に向けた。
熱い。熱い。あつすぎる。
この熱で、飴さえとけてしまいそうだった。
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ミオンSS。圭一からおべんとばこを貰った後の話。
…ノリで入れた。何か否定があればもうしないorz
想像とは言葉に出来ないものだよ…(´・ω・`)