アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8at ANICHARA
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 - 暇つぶし2ch350:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 21:37:55 /k0aZ8/S


351:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/11/23 21:38:25 LAqBoxeM
だがたった一声で、非難の声が突然止まる。こちらに背を向け全員の注目を集めている青年の一言で。

「やって欲しいことはこれだけだ。 エリア中心部に行き、他の参加者に接触し、使えそうならば我々の仲間に誘う。
 我々に害を為すようなら排除する。それだけだ。頼む。協力してくれ」

青年がそう言い放った瞬間、その場にいたほぼ半数の者達が同意する。
そのままはやて達は屋外へと出て行ってしまった。なぜか倒れた青年を無視して。

「……なんだぁ?」

スパイクには何が起こっているのか理解できない。声を掛けるという発想すら思いつけないほどに奇妙な状況であった。

「スパイクさん、ちょっとこちらへ」

だがそんなスパイクの困惑を無視するかのように読子は彼の腕を掴み、以外な力を発揮してその場から離れようとする。

「おい、痛いって……」
「静かにお願いします」
「どこに連れて……」
「黙っていて下さい」

スパイクは言葉を紡ごうとは思ったが、読子から発せられる何かに押しとどめられ黙ってしまう。
リードマンからは先ほどまで発せられていた朗らかな空気は消え去っており、
逆に自分のようなカウボーイたちが発する硝煙の臭いに似た何かに取って代わっていた。
リードマンは真剣な表情でそんな気配を纏いながら、自分を手近な部屋へと連れて行く。

「スパイクさん、たぶん非常に厄介なことになっていると思います」

部屋の扉を閉めると、開口一番に何を言おうとしているのか分からないことを言い放つ。
何が厄介なのか、この女の一言ではまったく分からない。

「いや、いきなり厄介なことになったと言われても……」
「あの男の子は特殊能力を持っているんですよ」
「ハァ?」
「だから、相手の行動を操る類の能力を持っているんですよ。一般には催眠術と呼ばれるようなものを」

リードマンの答えは予想を遥かに超えた珍解答であった。
とりあえず黄色い救急車を呼んで、病院に連れて行くのが一番だろう。

「いいかリードマン。温泉に入ったからといって脳までふやけるのは人間としてどうかしているぞ」
「ふざけないで下さいスパイクさん」
「ふざけているのはお前だろうが」
「スパイクさんも見たはずです、いきなりはやてさん達の行動が変化したのを。あれは彼の仕業です」
「……たまには人間変わったことをしたくなるもんさ」
「それでもおかしすぎます。温泉に入っていた私達を放っておいてどこかに行くものでしょうか?」
「そりゃあ……」

そこで言いよどむ。たしかにリードマンの言うとおり、あっさり自分達を放って一言もなしにどこかに行くのは妙である。
猫と男の方は我が強く人の言うことを簡単に聞くとは思えず、はやての方も何か一声ぐらいは掛けそうな性格だ。
それに、はやてはたしか自分が風呂に入る前にリードマンに鞄を返したいなどと言っており、
その時にはリードマンが風呂に入っていたために、上がってから返すつもりだったはずだ。
あの少年が青臭い正論を吐いたからと言って、彼の言葉を第一目標にするのはおかしい。
そうするにしても、相談の一つぐらいあっても良さそうなものなのだ。
しかし、人を操る超能力をあの少年が持っているなどと言われ簡単に信じるのは馬鹿がやることだ。


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