07/11/22 23:09:51 Z6db3XAr
293:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:09:57 DqWok9XA
294:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:10:21 UVM1PEYm
295:崩落 の ステージ(後編) ◆LXe12sNRSs
07/11/22 23:10:56 rparoU/e
参/3―
全ての戦いに決着がついた後、その二人は遅れてやって来た。
「ひどい……街がめちゃめちゃ」
「……卑劣な」
その破壊が、ソルテッカマンによって齎されたものなどとは露とも思わず、Dボゥイは憤る。
ゆたかも、テレビなどで見た震災の映像を思い出しながら、珍しい光景にただただ息を飲んだ。
二人もまたランサーと同じく、騒音に引き付けられやって来た者。
騒乱に直接関わることはなかったが、惨事の大きさは、容易に想像ができた。
粉々に砕け転びやすくなったアスファルトを踏みしめながら、二人は破壊された街々を行く。
「あっ、あれ見てください」
そのとき、Dボゥイの背中に縋るように歩くゆたかの瞳に、微動する瓦礫の山が映った。
何者かが埋もれていると直感したDボゥイは、ゆたかの身を長身で隠し、声を発した。
「誰かいるのか!? 返事ができるようなら―」
瓦礫の山に向かって―Dボゥイは、すぐさま異変に気付いた。
埋もれているのが騒乱の被害者であるならば、助ける余地はある。
だが加害者であるならば、それなりの戦力を持った危険人物であるのは必至。
前者ならともかく、後者なら即座に対応しなければならない。ゆたかを守るための最善策を。
そしてその異変の正体は―どうやら後者のほうであるようだった。
瓦礫の山が、崩れる。中から、人が出てきた。
「……やあ、久しぶりだね。兄さん」
埃に塗れた姿は、どこか狂気染みたオーラを纏う青年で―顔つきは、どこかDボゥイに似ていた。
「シンヤ……」
強張った形相で、Dボゥイは埋もれていた男をねめつける。
「Dボゥイ……さん?」
この二人の因縁などまったく知らないゆたかは、ただ首を傾げることしかできなかった―
―その胸に、得体の知れぬ不安を抱えて。
放送が、流れた。
296:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:11:17 Z6db3XAr