アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8at ANICHARA
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 - 暇つぶし2ch277:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/17 22:14:44 wI8lpl1G
 

278:『蛇』のアクロバットをためつすがめつ ◆hNG3vL8qjA
07/11/17 22:15:47 hX+5vXw4







 な つ き !!!







【F-7/道路/1日目/昼】


【藤乃静留@舞-HiME】
[状態]:健康 、衣服が半乾き
[装備]:雷泥のローラースケート@トライガン、サングラス@カウボーイビバップ
[道具]:支給品一式、マオのヘッドホン@コードギアス 反逆のルルーシュ、 巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING、
    ジャグジーの首輪、包丁、不死の酒(不完全版)@BACCANO バッカーノ!
[思考]:
基本思考:なつきを守る。襲ってくる相手には容赦はしない。
1:全速力でE-6のデパートに向かう。
2:デパートになつきがいたら全力で助ける(いなかったら、なつき、なつきの事を知っている人間を探す)。
3:万が一の時は不死の酒に望みをかける?
4:F-5の駅、ビクトリーム、温泉に向かった集団、豪華客船にゲームに乗っていない人間を集めるのは後回し。
5:首輪を詳しく調べられる技術者を探す。
6:あまり多人数で行動するつもりはない。

【備考】
※「堪忍な~」の直後辺りから参戦。
※なつきがデパートの火災に巻き込まれているのではと考えています。
※ビクトリームとおおまかに話し合った模様。少なくともお互いの世界についての情報は交換したようです。
※マオのヘッドホンから流れてくる声は風花真白、もしくは姫野二三の声であると認識。
(どちらもC.C.の声優と同じ CV:ゆかな)
※不死の酒(不完全版)には海水で濡れた説明書が貼りついています。字は滲んでて本文がよく読めない模様。
※不死の酒(不完全版)は海を流れてG-1からF-8とG-8のあたりにワープしたようです。

【サングラス@カウボーイビバップ】
Section4で登場。ジェットとスパイク兼用のサングラス。
賞金首の照合やズーム、サーモグラフィーなどの機能を持つ。ちなみに公式の名前もサングラス。

279:ツ能性あり? それ以外の機能に関しては詳細不明。 【衛宮士郎@Fate/stay night】 [状態]:疲労(大)、腹部、頭部を強打、左肩に未処置の銃創、軽い貧血 [装備]:クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS、バリアジャケット [道具]:なし [思考] 0:ちくしょう…… 1:玖我を助けに戻る。 2:舞衣に殺人をやめさせたい。 3:イリヤの保護。 4:できる限り悪人でも救いたい(改心させたい)が、やむを得ない場合は―― 5:18:00に図書館へ行く ※投影した剣は放っておいても30分ほどで消えます。  真名解放などをした場合は、その瞬間に消えます。 ※本編終了後から参戦。 ※チェスに軽度の不信感を持っています ※なつきの仮説を何処まで信用しているかは不明 【ロイド・アスプルンド@コードギアス 反逆のルルーシュ 死亡】 【残り61人】  ◇ ◇ ◇



280:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:05:30 X6h7z9C7
 

281:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:06:24 Z6db3XAr



282:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:06:47 d6XnAJKw
         

283:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:06:51 UVM1PEYm
 

284:崩落 の ステージ(後編) ◆LXe12sNRSs
07/11/22 23:07:13 rparoU/e
   壱/9―

 舞衣が放った最後のフェルミオン砲は、ロイドの機体から漏れていたフェルミオン粒子に反応を起こし、大規模な爆発を起こした。
 反動で吹き飛ばされた彼女は、倒壊した家屋の中に叩き込まれ、そのまま気を失った。
 大切なものを奪う―かつては死にたいとさえ思っていた少女は、歪んだ方法で生きる意志を手に入れた。
 それに操られるがまま、過ちを繰り返し、それでも運命は、彼女に死を許さなかった。
 本当、イラつく。
 自らの境遇に悪態をついて、それでも舞衣は生きて奪うほうを選択した。


【C-6中央部/市街地跡/1日目-昼(放送直前)】

【鴇羽舞衣@舞-HiME】
[状態]:精神崩壊、気絶、疲労(大)、全身各所に擦り傷と切り傷
[装備]:ソルテッカマン一号機@宇宙の騎士テッカマンブレード
機体状況:ほぼ全壊、エネルギー10%、フェルミオン砲0/12 レーザーライフル1/20
[道具]:支給品一式
[思考]:かなり短絡的になっています。
1:大切なものを奪う側に回る(=皆殺し)。
2:もう二度と、大切なものは作らない。
[備考]
※カグツチが呼び出せないことに気づきましたが、それが螺旋王による制限だとまでは気づいていません。
※エレメントが呼び出せなくなりました。舞衣が心を開いたら再度使用可能になります。
※静留にHIMEの疑いを持っています。
※チェスを殺したものと思っています。
※瓦礫の山に埋もれているため、簡単には発見されません。


 ◇ ◇ ◇


   弐/5―

 全ての戦いに決着がついた後、その男は遅れてやって来た。

「―英霊か、はたまたあのおっさんの言ってたエキスパートって奴か……どっちにしろえらい化け物がいたもんだ」

 蒼き槍兵―ランサーは、騒ぎを聞きつけ戦地跡に訪れた。
 崩壊した大地、破壊しつくされた住居郡を見て、他人事のように頭を掻く。
 誰かは知らないが、派手な殺し合いをしていた輩がいる。思うところはそれだけで、収獲がなさそうだと判断すると、その地を後にしようとした。
 ランサーが求めるもの。それは愛用するゲイ・ボルグであり、あるいはその情報源となる参加者だ。
 ここで誰かが争っていたとして、情報の得られなさそうな殺戮者や、死体には用はない。
 生きた参加者ならば、まぁ接触する意味はある。そういう意味では、なんとも微妙な発見だった。

「……」

 無言で立つランサーの眼下には、一人の女性が転がっていた。
 軍服を纏い、軍靴を履き、そのいたるところに血痕を宿した……金髪の女性。
 橋で襲撃するかどうか迷った女、そしてエリオに致命傷を与えた男の、おそらくは同僚。
 言うなれば、敵になるやもしれぬ女。それが、気を失って目の前に転がっている。

「軍人ってのは、決まって口が堅いもんだがな」

 試しに鉄槍で小突いてみるが、反応はない。重傷というわけではなかったが、かなり疲弊しているようだ。
 ランサーは女の身を小脇に抱え、乱暴に運び出した。

285:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:07:57 tVLBffFM
                                     

286:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:08:40 X6h7z9C7
 

287:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:08:43 Z6db3XAr



288:崩落 の ステージ(後編) ◆LXe12sNRSs
07/11/22 23:08:48 rparoU/e
「まぁ、こいつが本当にあの男の仲間だとしたら……いろいろ恨みもある」

 慈愛が働いたわけではない。ランサーは冷徹な憎悪を持って、眠る女に接した。
 労わるべき患者ではなく、単なる情報源として。


【C-6南部/市街地跡/1日目-昼(放送直前)】
【ランサー@Fate/stay night】
[状態]:疲労(中)、強い決意
[装備]:鉄槍(折ったポール+アサシンナイフ@さよなら絶望先生×1本)
[道具]:デイバック×2、支給品一式×4、ヴァッシュの手配書、防水性の紙×10、
    不明支給品0~2個(槍・デバイスは無い)、偽・螺旋剣@Fate/stay night、暗視双眼鏡
    M500ハンター(0/5)@現実、ダーツ@現実(残り23本)、タロットカード@金田一少年の事件簿、USBフラッシュメモリ@現実
    泉そうじろうのデジタルカメラ・説明書付@らき☆すた(※マタタビの勇姿(後ろ姿)を撮ったデータが一枚入っています)
[思考]
基本:このゲームに乗った者、そして管理している者との戦いを愉しませてもらう
1:女(リザ)を病院に運び、軍服の男(ロイ)等について尋問する
2:どこかにあるかもしれないゲイ・ボルグを探す
3:↑のために他の参加者を探して接触する
4:言峰、ギルガメッシュ、ヴァッシュと出会えれば、それぞれに借りを返す
5:衝撃のアルベルトと出会えれば戴宗からの言伝(一時的な休戦の申し込み)を伝える
6:エリオの知り合いと出会えたら事の経緯を伝える
7:日が暮れたら、戴宗と合流するため一旦温泉へと向う
最終:エリオの遺志を尊重し、螺旋王を討ち倒して彼の仲間を元の世界へと帰す
[備考]
※エリオ、戴宗と情報交換をして、それぞれの世界についての知識を得ました

【リザ・ホークアイ@鋼の錬金術師】
[状態]:気絶、疲労(大)、精神的ショック、全身各所に擦り傷
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考] 基本:ここから脱出する。殺し合いをするつもりはない
0:……
1:北上し、警察署で更なる銃器を調達する
2:ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟(アル)を探し合流する
3:2日目の0時頃に温泉へと戻り、マタタビに協力を要請する
4:トンネルで見た化物を警戒す
5:ゆたかを心配
 ※リザ・ホークアイの参加時期はアニメ15話辺り。彼女の時間軸では、マース・ヒューズはまだ存命しています
 ※トンネルで出会った人物より、『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』の名前を聞きましたが、
  それが名簿に記載されていないことにまだ気づいていません
 ※マタタビと情報交換をしてません。また、マタタビを合成獣の一種だと考えています
 ※Dボゥイとゆたかの知り合いについての情報を得ました。
 ※穴の空いたデイパックは、めぐみの消防車の運転席に放置。
 ※ルールブレイカー@Fate/stay nightは、パズーの遺体とともにC-6のどこかに放置。


 ◇ ◇ ◇



289:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:09:06 UVM1PEYm
 

290:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:09:40 d6XnAJKw
           

291:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:09:50 tVLBffFM
                

292:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:09:51 Z6db3XAr



293:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:09:57 DqWok9XA


294:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:10:21 UVM1PEYm
 

295:崩落 の ステージ(後編) ◆LXe12sNRSs
07/11/22 23:10:56 rparoU/e
   参/3―

 全ての戦いに決着がついた後、その二人は遅れてやって来た。

「ひどい……街がめちゃめちゃ」
「……卑劣な」

 その破壊が、ソルテッカマンによって齎されたものなどとは露とも思わず、Dボゥイは憤る。
 ゆたかも、テレビなどで見た震災の映像を思い出しながら、珍しい光景にただただ息を飲んだ。
 二人もまたランサーと同じく、騒音に引き付けられやって来た者。
 騒乱に直接関わることはなかったが、惨事の大きさは、容易に想像ができた。
 粉々に砕け転びやすくなったアスファルトを踏みしめながら、二人は破壊された街々を行く。

「あっ、あれ見てください」

 そのとき、Dボゥイの背中に縋るように歩くゆたかの瞳に、微動する瓦礫の山が映った。
 何者かが埋もれていると直感したDボゥイは、ゆたかの身を長身で隠し、声を発した。

「誰かいるのか!? 返事ができるようなら―」

 瓦礫の山に向かって―Dボゥイは、すぐさま異変に気付いた。
 埋もれているのが騒乱の被害者であるならば、助ける余地はある。
 だが加害者であるならば、それなりの戦力を持った危険人物であるのは必至。
 前者ならともかく、後者なら即座に対応しなければならない。ゆたかを守るための最善策を。
 そしてその異変の正体は―どうやら後者のほうであるようだった。

 瓦礫の山が、崩れる。中から、人が出てきた。

「……やあ、久しぶりだね。兄さん」

 埃に塗れた姿は、どこか狂気染みたオーラを纏う青年で―顔つきは、どこかDボゥイに似ていた。

「シンヤ……」

 強張った形相で、Dボゥイは埋もれていた男をねめつける。

「Dボゥイ……さん?」

 この二人の因縁などまったく知らないゆたかは、ただ首を傾げることしかできなかった―
 ―その胸に、得体の知れぬ不安を抱えて。

 放送が、流れた。



296:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:11:17 Z6db3XAr



297:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:11:25 tVLBffFM
                         

298:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:11:52 UVM1PEYm
 

299:崩落 の ステージ(後編) ◆LXe12sNRSs
07/11/22 23:11:59 rparoU/e
【C-6南西部/市街地跡/一日目/昼(放送開始)】

【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:左肩から背中の中心までに裂傷(傷は塞がったが痛みは若干残っている)、全身打撲(中)、貧血(中)
[装備]:テッカマンアックスのテックランサー(斧) @宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:デイバック、支給品一式、月の石のかけら(2個)@金色のガッシュベル!!   
[思考]
基本:テッカマンエビル(相羽シンヤ)を殺す
1:シンヤに対処。ただしゆたかの安全を最優先
2:病院に戻り、二人分の代えの服や薬品、治療のための道具を集める
3:病院に戻ったら、一度食事と休憩をすませる
4:次の目的地を定め、速やかに病院を離れる
5:信頼できる人物にゆたかを預けたい……だが(?)
6:極力戦闘は避けたいが、襲い掛かってくる人間に対しては容赦しない
[備考]
※殺し合いに乗っている連中はラダム同然だと考えています
※情報交換によって、機動六課、クロ達、リザの仲間達の情報を得ました
※青い男(ランサー)と東洋人(戴宗)を、子供の遺体を集めている極悪な殺人鬼と認識しています

【小早川ゆたか@らき☆すた】
[状態]:疲労(小)、心労(中)
[装備]:COLT M16A1/M203@現実(20/20)(0/1)、コアドリル@天元突破グレンラガン
[道具]:デイバック、支給品一式、糸色望の旅立ちセット@さよなら絶望先生[遺書用の封筒が欠損]
    鴇羽舞衣のマフラー@舞-HiME、M16アサルトライフル用予備弾x20(5.56mm NATO弾)
    M203グレネードランチャー用予備弾(榴弾x6、WP発煙弾x2、照明弾x2、催涙弾x2)
[思考]
基本:元の日常へと戻れるようがんばってみる
0:なんだろう、この不安は?
1:Dボゥイが帰ってきたら、一緒に食事と休憩をすませる
2:Dボゥイの指示にしたがって行動する
[備考]
※コアドリルがただのアクセサリーではないということに気がつきました
※夢の内容は今のところぼんやりとしか覚えていません

【相羽シンヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:全身各所に擦り傷
[装備]:カリバーン@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、ファウードの回復液(残り700ml)@金色のガッシュベル!!、首輪(パズー)
[思考]
1:まずは兄さんに“挨拶”
2:ロイドの下に首輪を持っていく。
3:制限の解除。入手した首輪をロイドに解析させ、とりあえず首輪を外してみる。
4:テッククリスタルの入手。
5:Dボゥイの捜索、及び殺害。


※B-6の一部、C-6のほぼ全域が崩壊しました。一部まだ火災が続いてる場所もあり、煙が昇っています。

300:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:12:33 tVLBffFM
                         

301:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:13:02 X6h7z9C7
 

302:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/22 23:26:34 9AnamKD/


303:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:04:53 RFxWyhu3
>>338-454

アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ1
スレリンク(asaloon板)

したらばの方は
仰られていた通りに移動先作りましたのでそちらに移動してください

304:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:36:17 aOp3zC+i
やだ。

305:鉄の、無敵の、 1 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:39:27 PKjTl46f




『くだらん』


それが結論だ。
地図の枠に沿って位相差ゲートがあるのかどうか。
そのようなオーバーテクノロジーが存在するのかしないのか。
この枠の外へ踏み出せば何が起こるのか、起こらないのか。
あの女が不可思議な技を使うのか使わないのか。
今、あの女が何処にいるのか。
生きているのか、死んでいるのか。
その全てが、自分にとっては取るに足らない、下らない問題なのだと再確認する。

科学的な検証は物理学者がすれば良い。
理解不能な事象を無理に理解しようとする必要も無い。
可能性は、可能性として留め置けば良い。
あの女が生きているなら、見つけ出して殺せば良い。
怪しい技を使うのならば、使わせる前に殺せば良い。
自分の知らない情報を知っているなら、吐かせれば良い。
そう、全ては極めて単純なことである。

俺が今、思い悩む必要など、無い。

そして、目に見えない境界線へと向けていたその眼を、街の方へと向け直す。
その視線の先では、この閉じた世界に囲われた、虫けらの如き人間共が、殺し合いをしているのだろう。
そう、是は極めて簡単な状況だ。
俺は、前に進む。
障害は、排除する。
邪魔をするものは、殺す。
そして、俺は、俺自身が行きたい場所に行き、成りたい物になる。
ただそれだけの事だ。
それは、何時だろうが、何処だろうが、変わることなど無いだろう。
これまでも、そしてこれからも。

まどろっこしい真似などする必要はない。
進み、奪い、屠る。
虱潰しに。
ただ、それだけだ。

毒蛇は、人を呑み、他の蛇を呑み、そして、龍をも呑み込む。


そして、獲物を求めて、前へと進みだした。




 @ @ @ @ @ @


306:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:40:10 yJ606T4k
   / ./i        `、
  / ィ/ ヾ,,、       }
  lノ、i゙, , _,.r'`ゝ、r-、  |
    ゝ,、( o) ̄'v'6,l  i
    ヽソ.  ̄    ,r'、 ノ   ぶっちゃけ、したらばがこのスレを荒らしてるんじゃないか
      ', -‐'`  ノ ヾr、._
       ', `  / ,r‐'゙/ \_
      ゙ フヾ゙,r''´,r/  /
     _,,r'ヽ',~,r''/__/
   ‐''´ ‐''" !/  \

307:鉄の、無敵の、 2 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:40:31 PKjTl46f


「わぁ! こんどはおっきい観覧車だぁ!!」
「おいおいイリヤ、地面も見ないと転んじゃうぞ!」
「ハァ……“また”か……一難去ってまた一難…・・・欝だ……」

やあ、全世界60億の老若男女即ち僕のファン達、元気かな?
ご存知、全人類のスーパースター、フォルゴレさ!
僕達、フォルゴレ、イリヤ、ねねねの3人は、
昨晩一夜をエキサイティングな思い出で満たしてくれた水族館を後に、
ミス・ねねねご所望の、図書館へと向かって歩き出した所だぜ。
もうお日様もずいぶん昇り、ちょいと小腹が空いてきたって頃合かな?

「つーか、どんだけ牛歩なんだよこの集団は……
 お前ら、目に付くモノ全てに興味示してるんじゃ無いよ……
 なんでン時間も経ってるのにこの程度しか進んで無いんだよ……」
さっきからご機嫌斜めのねねね嬢を笑顔にしてあげられない、自分の無力さが残念極まりない。
そもそも、折角仲良く(?)なったラセン君との別れを惜しんだりと、水族館を離れるまでにも、それなりの時間が必要だった。
それに、道中で見たワンダースポット、モノレールやドーム球場に心奪われるイリヤが居ては、
僕としてもそれを無下にあしらうことなど出来はしない。
近代的かつ展望の良さが期待できるモノレールには、当初からイリヤが目を付けていた事もあり、
その使用の是非を巡って中々な熱戦が繰り広げられた。
しかし、図書館に行くには遠回りになる、次のモノレールが来るまでに時間がありすぎる、と言うねねねによって、
結局、モノレールを利用するという案は却下になった。
そして、次に我々を虜にしたのがドーム球場だったが、
これも、誰も試合をしていないドーム球場なんて殺人事件の起きない推理探偵モノのようなものだ、という、
ミステリー作家に恨みでもあるのか? と言いたくなる様なねねねの暴論によって、その探索は却下となった。
そして、そういった諸所での出来事が積み重なることにより、
僕とイリヤのテンションは上がり、それと反比例するようにねねねの表情は曇って行ったのだった。
「僕のやり方が、ねねねにはお気に召さなかったみたいで残念だなあ。
 でも、そんなに暗い顔してたって、何も良いことなんかありゃしないぜ?
 ほら、スマイル、スマイル!」
「いや、お気遣いはありがたいんだが……もうちょっと、こう、緊張感というか……」
「ハハハ、そんなにツンツンしてたら、逆に相手も構えちゃうだろう?
 そういうのって損だと思うよ。壁を作って周りを拒絶してたって、何も良いことなんか無いさ。
 それに、誰だって心を割って話し合えば、理解しあえないことなんて無いよ!
 だからホラ、ねねねもスマイル、スマイル!」
「世界中がお前みたいなのだけなら、戦争も起こらないんだろうなあ……」
「おいおい、褒めても何にもでないぜ?」
「褒めてねえ……」

「ちょっと、二人とも、早く―!! 置いてっちゃうわよー!!」
前を行くイリヤが叫んでいる。
「おのれちびっ子め……ここまでのタイムロスを誰のせいだと……」
「ハハハ、過去なんて、あんまり気にするもんじゃないよ?」
「過去ってか今さっきだし! つか、お前も同罪だし!!」
「よーしイリヤ、あの観覧車まで競争だー!!」
「あー、フォルゴレずるーい! ちゃんとヨーイドンしなよー!」
「……逃げたな……」



308:鉄の、無敵の、 3 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:41:33 PKjTl46f
そんなこんなで、観覧車直前の橋まで来た時だった。
先頭はぶっちぎりでこのフォルゴレ。後にねねねとイリヤが続いている。
先に橋を渡って待とう、そう考えた僕が、橋を渡りかかったその時に、ふと気付いた。

橋の上の真ん中に、誰かが立っていたんだ。
失礼ながら、オバケとか悪魔とか、そういうのを連想してしまう雰囲気の人だ。
杖代わりの棒を持っているようだけれど、長い距離を歩いて疲れているのだろうか。

僕達以外で巻き込まれてしまった人だろう。そう思った。
だから、僕の取る行動は、決まっていた。

「やあ! そこの人! 君もこのパルコ・ファルゴレの仲間にならないかい!?」

何時ものスマイルで、そしてビシッ!とポーズを決めながらの一言!
よし、今回も決まった、完璧に……!


「…………って、アレ?」
しかし、眼前の男の人は、仏頂面のまま、眉一つ動かさない。
は、ハズしてしまったか……!?
だ、だが慌てない、スーパースターはこの程度では慌てない!
僕にはまだ、掴みのテクニックは無数に―

「おーい、フォルゴレー、待ってー」
と、後方から2人が追いついて来た様だ。
これで仕切りなおし、といったところだろうか。
「ああ、紹介しよう、彼女らが僕らの仲間の―」
そう言いながら振り向いた、その時。
「フォルゴレ、危ないっ!」

―ヒュン

「うわぁっ!」
僕の眼前を、黒い鉄塊が通り過ぎていった。
男が手にした鉄パイプの一撃……と、瞬時に理解する。
かわせたのは、偶然と、咄嗟の反射のおかげだった……だけど。
「ぐほッ!」
切り替えしの一撃が、鳩尾に直撃する。
一撃目はフェイント代わりで、本命はこちらだったのだろう。
しかし、これは確かにねねねの言う通り、もう少し緊張感を持っておいた方が良かったかもしれない。
食らった一撃の重さに悶えながらも、うっすらとそう考える。
……うん、それぐらいの余裕は、まだある。

「フォルゴレ、離れろ! ソイツはヤバイって!」
後ろで叫ぶ、ねねねの声が聞える。
そういえば、彼女が持っている、特別な“名簿”があったっけ。
全参加者の情報が載っているという名簿。
ソレを読んだねねねがそう言うってことは、相当ヤバイ人だったんだな、この男。
でも、ねねねに言われるまでもなく、この男のヤバさは肌で感じ取れる。
緩んでいた僕のネジが、高速回転で締まってゆく。


309:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:42:04 kksn+1nD
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない

書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
   その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。

書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

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いらない文章本当に多すぎだな。何度も見てるけど

310:鉄の、無敵の、 4 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:42:53 PKjTl46f
僕も、昔はちょいとヤンチャが過ぎる頃があった。
でも、だからこそ分かる。子供の遊びと、大人の仕事の間にある、確固たる隔たりを。
僕らが無意識の内に持っている大事なものを、とっくの昔に捨ててしまったような人種というのは、確かに居る。
そういう人間って言うのは、特有の目をしているんだ。
そう、この男のような。

男が、無表情のまま、ねねねとイリヤのほうを見た。
ああ、いけない。
この男は、全員殺す気だ。
そのためには、僕を放って置いて、逃げられると厄介な2人を先に始末した方が効率的なんじゃないかと、
冷静に計算しているんだ。
ダメだ、それだけは、なんとしても、ダメだ……!

「待ってろファルゴレ、いま助けに―!」
ダメだ、来ちゃダメだ。
こいつは、相手が女子供だからって、容赦どころか、意にも介さない。
冷静に、淡々と、ノルマをこなす様に……殺される。
ダメだ、、ダメだ……!

「ダメ……だ……! 二人とも、来ちゃダメだ……!」
痛むお腹を押さえつつ、やっとの思いでその言葉を捻り出す
「おまえ、その状況で何カッコつけてんだよ!」
「格好も……付ける……さ。な、何たって僕はスーパースター、だからね。
 それよりもねねねは……イリヤを、頼むよ」
僕の言葉を聞いたねねねは、はっとしたようにイリヤを振り向く。
イリヤも緊張した、張り詰めた顔をしている。
そう、今にも僕を助けようと、駆け出しそうな表情だ。
イリヤを、こんな危険な事に巻き込んではいけない。
子供を守るのが、大人と、お兄さんの役目だろう?
「で、でもっ、それじゃあフォルゴレが、フォルゴレが!」
そんなイリヤの悲痛な叫びを、優しく、窘めるように、言ってあげるんだ。


「ハハハ、僕を誰だと思っているんだい? 僕は、鉄の、無敵のフォルゴレだぜ?」


その時、おもむろに、男が2人の方へと歩き出した。
2人に狙いを定めたんだ!
「ねねね! 今なら間に合う、いや、“調度良い時間”だ! 行けっ、行くんだ!!」
絶叫にも似た僕の声に突き飛ばされるように、ねねねの体が飛んだ。
イリヤの腕を掴んで。
「何するの、ねねね! ダメ、ファルゴレを助けないと!!」
「黙ってろ! 黙って、走れ!!」
嫌がるイリヤを、ねねねが無理やりに連れて、走り出す。
ねねねは、ちゃんと僕の“キモチ”を察してくれたみたいだ。
「そうだ、行くんだイリヤ! 大丈夫、僕も直ぐ行く!」

「……逃がさん」

その2人を追おうとする男の背中に向けて。

「待てッ!!」

懐にしまっておいた、ソレを出し、

「動くと……撃つぞ!!」

狙いを、つける。

311:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:43:55 7p+gSPoE
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。

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話し合いの結果、移動することがきまったんですがねー

聞いてないというし、荒らしだともいうし

312:鉄の、無敵の、 5 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:43:56 PKjTl46f


 @ @ @ @ @ @


ああ、くそ、イライラする。
私が敵前逃亡? あいつにビビッたっての?
ふざけんな!
クソッ、クソッ、クソッ!!

感情的には、不本意極まりない。
でも、理性的には、こうするしかないって分かっている。
あそこで私たちが加勢して、いったい何が出来たっていうのか?
私たちが持っている武器といえば。イリヤのマッハキャリバーぐらいだ。
ちびっ子の、正体不明の不思議アイテムを頼って、あのマフィアと殺し合いをさせる?
死んだアニタのように?
……あり得ない。
それに、ここは離島。袋小路だ。
このままでは、遅かれ早かれ、あのマフィアに追い詰められてしまう。
―“あの時間”を逃してしまっては。

その時間は、しっかり覚えている。
それを逃せば、次のチャンスは数時間後。
だから、このチャンスを逃すことは出来ない。
しかし、時間的には、かなり際どいタイミングのはずだ。
だからこそ、まごまごしている暇は無かった。
迷っている時間を惜しんで、走りださなければ、間に合わない。
それが、分かってしまったから、
アイツの言葉で、気付いてしまったから、
私は走り出した。

理性では分かっている。
イリヤを巻き込んじゃいけないってことも、分かっている。
でも……感情は、理屈だけではどうにもならない。

イライラする。
どうにもならないことが、むしょうにイライラする。


でも、どうにもならない。


クソッ!



@ @ @ @ @ @

313:鉄の、無敵の、 6 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:45:04 PKjTl46f

「動くな! そのまま、そのパイプを捨てろ!」

銃を両手でしっかりと支え、男にそう叫ぶ。
気迫で呑まれてしまう訳にはいかない。
でも、この男は……とりたて慌てる素振りすら無い。
2人を追おうとした足を止め、ゆっくりとこちらを振り向いた。

「アンタも見れば分かるだろう? この銃はオモチャじゃない!
 撃たれたくなかったら、僕の言うとおりにしろ!」

必死にそう叫ぶ僕を見る男の目は、あくまで冷静で、冷ややかだ。
しばしの間、静かに僕を見据えた男は、
そのまま、ゆっくりと、
一歩。
また一歩。
無造作に、まっすぐに。
僕に向かって、歩いてきた。

「と、止まれ! 撃たれたいのか!?」
慌てる僕。冷静な男。
銃を向けているのは僕だというのに、まるで立場が逆だ。
男はなんの躊躇もしない。
くそっ、本当は撃ちたくなんか無いけれど……
男を止めるために、足を撃つか!?
そう思い、ぐっと指に力を入れ―、


「安全装置が付いたままだぞ」


「えっ―!?」


慌てて手元の銃を見た、次の瞬間。
強烈な衝撃が、銃を握る両手を襲った。
銃が宙を舞う。
次に僕が見たのは、自分の顔面へと滑り込む、鉄パイプの鈍い光沢だ。
痛みを感じたのは、その後だった。

地面に倒れる僕を余所目に、男は銃を拾い上げる。
そのまま、銃のマガジンやグリップをかちゃかちゃといじる。
品定めでもするかのようだ。
「……まあ、良いだろう」
そして、改めて、僕を見下ろした。

「……無駄弾を使うことも無いな」




314:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:45:33 6lbOSQCD
>その時間は、しっかり覚えている。
>それを逃せば、次のチャンスは数時間後。
>だから、このチャンスを逃すことは出来ない。
>しかし、時間的には、かなり際どいタイミングのはずだ。
>だからこそ、まごまごしている暇は無かった。
>迷っている時間を惜しんで、走りださなければ、間に合わない。
>それが、分かってしまったから、
>アイツの言葉で、気付いてしまったから、
>私は走り出した。


こんな文書で楽しんでるとか、ウソじゃない?


315:鉄の、無敵の、 7 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:46:09 PKjTl46f
鉄パイプが振り下ろされる。
鈍い痛みが、全身を貫く。
呻きとも、呼吸音ともつかない音が、口の中から漏れ出てくる。
立ち上がろうにも、脚が言うことを聞いてくれない。
残念ながら、今の僕にできることと言えば、僅かに体を捩り、ダメージを僅かに和らげることぐらいだ。

でも、それにだって、意味は有る。
男は、銃を使わないつもりだ。
鉄パイプで殴り殺すつもりのようだ。
だから、ここで僕が、一分でも、一秒でも長く生きていれば、
それだけ2人と男との距離が開き、
2人が逃げるだけの時間が稼げる。

だから、僕は、必死に耐える。
今にも燃え尽きそうな命の火を、必死で守る。
たとえちっぽけなことだとしても、それには確かな理由があるのだから。
だから、僕は、必死に今を生きる。
今、この瞬間を。

なあに、大丈夫さ。
こう見えても、タフさには自信があるんだぜ?
それに、あの歌を聴けば、僕には力が沸いてくるんだ。



ほら、あの歌が聞えてきた……






【パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュベル!! 死亡 】


     @ @ @ @ @ @

316:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:47:16 liUYVXgF
無駄な文章多すぎ

317:鉄の、無敵の、 8 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:47:20 PKjTl46f


発車ベルが鳴り響く。
その音が、自分の徒労をあざ笑うかの様に聞え、うんざりしてしまう。

先にこの場所を訪れたのが、凡そ2時間前。
それから、私は速やかに行動を開始した。
螺旋博物館に続く施設の捜索―それが、私の目的だった。

水族館と、ドーム型球場。
時間的な問題もあったため、その2つの内のどちらか一方に探索は絞るべきだろう。
そう考えた私は、ドーム型球場に足を向けた。
螺旋……くりかえす円循環と、そこから別次元への前進……それを思わせる、円。
まあ、結局は唯の山勘だった訳だが、それは完全に外れてしまったようだ。
もしや、“ドーム内に何かを隠蔽しているのでは……?” とも考えたが、
そこにあったのは、がらんとした無人の球場だけだった。
もっと細部に至るまで調べれば、何かを発見できたのかもしれないが……
残念ながら、そのブレイクスルーが起きる前に、タイムリミットが訪れてしまった。

「結局、他の参加者とすら会えなかったか……」
そう呟いて、モノレールに乗ろうとした、その時。
ふと改札口の方を見ると、こちらに向かう人影が目に飛び込んだ。
物凄い形相で走ってくる、女性と、その女性に腕を捕まれている女の子。
彼女達は確か……

「やあ、こんにちは、はじめまして。
 私は警視庁の明智と申します。
 出来れば少しお話を聞かせて頂けますか? 薫川ねね―」

「うっさい!」

どがっ

相手の心情と微妙な間合いを計る私の言葉も聞こうとせずに、
彼女のタックルが私を直撃する。
そして、3人の体がモノレールの中に吸い込まれたのを確認したかのように、
そのドアが、ゆっくりと閉じていった。





【C-1/1日目/昼】
【ビシャス@カウボーイビバップ】
 [状態]:健康
 [装備]:鉄パイプ、ジェリコ941改(残弾16/16)@カウボーイビバップ
 [道具]:支給品一式、マガジン(9mmパラベラム弾16/16)×1
 [思考]
  基本:参加者全員の皆殺し。元の世界に戻ってレッドドラゴンの頂点を目指す。
  1:皆殺し。
  2:武器の補充、刀剣類の獲得。
[備考]
※地図の外に出ればワープするかもしれないと考えています




318:鉄の、無敵の、 9 ◆P2vcbk2T1w
07/11/23 01:48:24 PKjTl46f
【D-1・駅/一日目・昼】
【明智健吾@金田一少年の事件簿】
[状態]:右肩に裂傷(応急手当済み)、(上着喪失)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(一食分消費)、ジャン・ハボックの煙草(残り16本)@鋼の錬金術師、参加者詳細名簿、予備カートリッジ8
    ダイヤグラムのコピー
[思考]
基本思考:犯罪芸術家「高遠遙一」の確保。ゲームからの脱出。
1:ゲームに乗っていない人間を探しつつ施設を回る。
2:ねねねとイリヤと会話
3:D-4駅へと戻り、クロスミラージュと合流。
4:金田一、剣持を探す。
5:明日の正午以降に博物館の先に進む。信頼できる人物にはこのことを伝える。
6:もし死体を見つけた場合、気が進まないが首輪を回収する。
[備考]
※リリカルなのはの世界の魔法の原理について把握しました。



【菫川ねねね@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:苛立ち
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(一食分消費)、詳細名簿+@アニロワオリジナル、手書きの警戒者リスト
   :ボン太君のぬいぐるみ@らき☆すた、『フルメタル・パニック!』全巻セット@らき☆すた(『戦うボーイ・ミーツ・ガール』はフォルゴレのサイン付き)
[思考]:
1:イリヤの安全確保
2:図書館に行く。誰も見つけられなければ本がある場所へ。
3:読子、スバル、ティアナ、エリオ、はやて、シャマル、清麿、ガッシュ、士郎を探す。
4:詳細名簿を参照に、危険人物、及び死亡者の知り合いを警戒する
5:柊かがみに出会ったら、ボン太くんのぬいぐるみと『フルメタル・パニック!』全巻セットを返却する。
6:読子が本当に自分の知る人物なのか確かめる。※
最終行動方針:打倒タコハゲ
[備考]:
※詳細名簿+はアニタと読子のページだけ破り取られています。
※思考7、パラレルワールド説について。
 富士見書房という自分が知り得ない日本の出版社の存在から、単純な異世界だけではなく、パラレルワールドの概念を考慮しています。
 例えば、柊かがみは同じ日本人だとしても、ねねねの世界には存在しない富士見書房の存在する日本に住んでいるようなので、
 ねねねの住む日本とは別の日本、即ちパラレルワールドの住人である可能性が高い、と考えています。
 この理論の延長で、会場内にいる読子やアニタも、ひょっとしたらねねねとは面識のないパラレルワールドの住人ではないかと考えています。



【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:健康
[装備]:マッハキャリバー(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式(一食分消費)、ヴァルセーレの剣@金色のガッシュベル、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル、支給品リスト@アニロワオリジナル
[思考]:
基本行動方針:シロウに会うまで絶対生き残る
1:フォルゴレを助けに戻りたい 。
4:マッハキャリバーを使えるようにしておく。
5:放送で呼ばれた死亡者の知り合いを警戒する。
[備考]:
※フォルゴレの歌(イリヤばーじょん)を教えてもらいました(イリヤ向けに簡単にしてあります)。
※チチをもげ!(バックコーラスばーじょん)を教えてもらいました(その時にチチをもげ!を完璧に覚えてしまいました)



※キャンチョメの魔本@金色のガッシュベル!! の入ったデイバックは、フォルゴレの遺体の傍に放置されています。

319:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:48:35 sAOCcjaa


320:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:48:56 bovCFUvU
>>ID:PKjTl46f

アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ1
スレリンク(asaloon板)

移動ね

あとでそのSS全部削除依頼出しとくから

321:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 01:57:07 /OTFu3Yv
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>ID:PKjTl46f

2chのスレで決められた運営ルールは守りましょう。
したらばでいくらテンプレを作って強引にスレ立てしたってこのスレの住人は納得しませんよ

移動はあなた方の代表と話し合って決めて、しかもそれに対して何度も通告してます。
削除依頼を出せというのは、あなたがたの代表のお話です。

十二分に時間は与えた筈です。

アニメサロンに自ら行くと仰られたのですから、その自己の発言には責任を持ちなさい


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322:読書の時間 ◆Wf0eUCE.vg
07/11/23 02:37:33 s2H/XUtY
太陽は高く、時刻は時期正午。
ここは端っこジーワン駅。
人気はなく喧騒もなし。
ただページを捲る音だけが響いていた。
本当にここが戦場なのかと疑いたくなるほどに静かな世界。

駅のベンチに座りあたしは本を読んでいた。
そのすぐ隣で、同じく金ピカに輝く男が本を読み漁っている。

あたし達はモノレールを待っていた。
駅に到着したのは10時になろうとか言う時刻だった。
時刻表によれば次の到着は正午。
待ち時間は長く、歩いたほうが早いんないかと言うあたしの意見は、モノレールに乗りたいという意見(わがまま)に却下され。
こうして、待ち時間を潰すため、何故か大量にある本を読み漁っているのだった。

あたしが今読んでいるのは金ピカがすぐさまほぽらかした『BATTLE ROYALE』という本。
持ち辛いったらない位の分厚さに、重々しいまでの黒の外装。
黒の外装に似つかわしく、その内容は――殺し合い。
とある国の中学校から選ばれた一クラスの生徒達が、隔離された小島に集められ、最後の一人になるまで殺し合いを強要される。
殺戮。虐殺。疑心暗鬼。
あらゆる最悪が詰め込まれたバトルロワイアルから果たして主人公は生き残れるのか?
まあ、だいたいストーリーはそんな感じだ。
それを読み耽りながら、あたしの頭に思い浮かぶ感想は、主人公の性格が気に食わねぇなぁ、とか、面白いとか面白くないとかいうモノではない。
なんと言うか、それ以前にこれは…………。

「ねぇ金ピカ……」
「なんだ、蜘蛛女。その本の感想でも述べたいのか?
 語りたいのであれば勝手に語れ。面白ければ耳を傾けてやらん事も無いぞ」
本を読む手を止めるでもなく、興味なさげに相槌を返す金ピカ。

「そうじゃなくて。いや、全然違うってわけでもないけど。
 この話って、さあ………なんか今の状況と似てない?」
あたしの言葉に耳を傾ける気になったのか、金ピカは本を読む手を止めて目を細める。

「ほう……どこが似ているというのだ?」
「どこって、まんま殺し合いって状況に、この首輪でしょ?
 あと禁止エリアとかルールは大体いっしょじゃない。
 だから――」
「――だから、この物語がこの遊戯のモデルなんじゃないか?
 そう言いたいのであろう?」
「あ、うん。その通りだけど」
金ピカは少しだけ愉快そうな顔をしながら、こちらの意図など見透かしたような言葉を放つ。
そう言えば、こいつは先にこの本を読んでいるのだから、同じ考えに至ってもおかしくはないわけか。


323:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:38:51 RYHpF7lS
 

324:読書の時間 ◆Wf0eUCE.vg
07/11/23 02:39:16 s2H/XUtY
「そうだな、これを見たなら大半のモノがそう思う。
 そして、こう擦り込まれるワケだ。
”殺し合いの話をモデルにしているのだから、この状況も殺し合いに違いない”と。
 それだけの話だ。その小道具がここに存在することに、それ以上の意図は無い。
 意図が読み取れたのならば、それ以上読んでも無駄というものであろう?」
「いや、擦りこまれるもなにも、実際殺し合いじゃないの、これ?」
金ピカの口ぶりだと、まるでこの状況が殺し合いじゃないと言っているように聞こえる。
今のところ金ピカという安全圏にいるあたしは呑気なものだが、実際すでに死者も出てる列記とした殺し合いだ。

「ああ、そうだな。本質がどうあれ、殺し合いに違いはあるまいよ。
 そしてこの話を参考にしているのも確かだろう。だが本質は別にある。
 聖杯戦争と同じだ。殺し合いなど本質を隠すための隠れ蓑に過ぎん。
 よいか? この場合、考えるべきは共通点ではなく相違点だ」
「相違点……?
 この本の話と今の状況と違う点ってこと?」
「そうだ。例えば相違点の一つに能力制限があるか。
 この一点だけを取っても、この実験の本質がある程度は見えてくる。
 この実験は一見すれば壺毒に近い。だが、その実まるで違う。
 壺毒は死にこそ意味がある。能力制限などは死を遠ざける足かせにしかならん」
「まあ……たしかに。てか逆効果じゃん」
こっちからしても無駄に動き辛いし、あのオッサン、何でこんな制限つけてんだ?

「その通りだ。端からつまらん制限などつけずにおけば、半刻と待たずこんな遊戯は終わっている。
 そうなっては困るのだろう。
 つまり、この実験の”死”に意味はない。
 意味があるのはその過程なのだろう」
「過程って……」
呟いてみて、すぐさま思い至る。
死の過程、そこにあるもの。
なんてことはない、それはあたし達には慣れ親しんだものに過ぎない。

「……そっか、戦いか」
こんな場所で病死や老衰もあるまいし、死ぬとしたら戦って死ぬ以外にはありえない。
あたしの答えを聞いたギルガメッシュは満足げに口の端を吊り上げる。

「そうだ、我とお前が最初に出会ったときを思いだせ。
 本来戦いにすらなりはしないこの我と貴様ですら”戦い”になったであろう?
 能力制限はそのためのモノだ」
力の差がありすぎれば、それは戦いではなくただの虐殺にしか為り得ない。
確かに、力の差が縮まれば戦いは生まれるだろう。

325:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:39:56 RYHpF7lS
 

326:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:39:57 mDpQkLrO


327:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:40:41 oAD50PRX



328:読書の時間 ◆Wf0eUCE.vg
07/11/23 02:41:13 s2H/XUtY
「さて、時に蜘蛛女。貴様の能力制限はどうなっている?」
「どうって、エレメントは少し強度が落ちてる感じがするけど……。
 そう言や、チャイルド至っては完全に出せないわね」
よくよく考えれば、エレメントは出せるのにチャイルドだけ出せないのもおかしな話だ。
本来セットのはずのモノが片方だけ出せなくとはどういうことだ?

「その”チャイルド”とはどういったものだ?」
「どうって聞かれても、あたしも詳しくは知らないわよ。
 エレメントと同じでHiMEの能力と言うか……なんと言うか……」
チャイルドがなんなのかと聞かれても答えられるはずも無い。
そこらへんの詳しい事情は凪かチビッ子学園長辺りに聞いてほしい。

「当ててやろうか? チャイルドとは大方、召還獣のようなものであろう?」
「あ。そうそう、そんな感じ。
 って、何でわかったの?」
「簡単な話だ。能力制限が”戦い”を生み出すためのモノとして。
 なぜこれに限って”制限”ではなく完全に”禁止”されているのか。
 その理由を考えてみろ。
 そうすれば自ずと推察できる話だ」

「えーっと……強すぎて戦いにならない、とか?」
ジュリアや玖珂の犬コロはともかくとして、藤野や鴇羽のチャイルドは桁が違う。
あれに暴れられては会場は一瞬で火の海、瓦礫の山だ。

「ほう。大きく出たな蜘蛛女。
 それはこの我を相手取っても同じ事が言えるのか?」
「…………あ」
そうだ、ここにはチャイルド並の、それ以上の化け物がゴロゴロいるワケだ。
強さと言う点なら、チャイルドだけ封印される謂れはない。
むしろ化け物相手ならチャイルドが在ったほうが、まだ戦いになるだろう。

「では何故それに限っては弱体化ではなく封印なのか?
 他の能力とそれの違いは何か?
 答えは簡単だ。
 それが本人とは別の意志を持つモノを生み出す能力だからだ。
 つまり、それに戦わせては意味がない。
 きっと”本人”が”戦う”ことに意味があるのだ」

329:読書の時間 ◆Wf0eUCE.vg
07/11/23 02:42:19 s2H/XUtY
「なにそれ、結局のところ戦ってなんの意味があるの?
 っていうか、そんな理由でHiMEだけ能力封印だとか、なんか不公平じゃない?」
「たわけ、そのようなこと我が知るか。
 だが、なにか目的のために封印されているのなら。存外、目的が達成されれば封印は解かれるかもしれんぞ?
 まぁ、どうでもいい話だが」
ふん、と興味なさげにギルガメッシュは吐き捨てる。
いやいや、こちらにすれば死活問題なんですが。

「さて、他の相違点と言えば、禁止エリアがあるか」
HiMEの死活問題には本当に興味がないらしく、早くも次の話題に移る金ピカさん。
……まあ、いいけど。チャイルドよりもこいつに戦ってもらったほうがとりあえずは安全だし。

「って、ちょっと待って。禁止エリアはあるじゃない、この本のルールにも」
「名目と効果は同一だろう。だが宛がわれる意図と役割が違えば別物だ。
 そもそも、この禁止エリアとはいったい何のために存在するのだ?」
「何んでってそりゃ、動ける場所を限定して遭遇率を上げたり、隠れてるやつ等をあぶりだすため、とかそんなんじゃないの?」
まあ、この本の受け売りだけど、そんな感じで間違いはないだろう。

「ああそうだ。我も始めはそう思っていた。
 だが、蓋を開けて見ればどうだ?
 まるで無意味な場所ばかりを指定し、人が集まるような拠点は放置だ。
 適当に決めているワケでもあるまいし、これでは炙り出しも何も無いだろう」
あまり気に止めてはいなかったけど、確かに、言われて見ればそうだ。
まだ禁止エリアは三箇所、偶然で片付けられる範疇とは言え、一つも施設は封鎖されていない。
それどころか施設を避けているようにも思える。

「これは見方によっては、参加者を誘導しているようにも見える。
 さて、奴は参加者をどこに誘導し何をさせたいのか。
 はたまた、何を見つけさせたいのか。
 まあこれに関しては次の放送を聞けばよりハッキリとすることか」
金ピカは誰に話しかけるでもなく一人、自らの言葉に頷く。
自己中ここに極まれりといったところか。

「ああ、放送と言えば、奴はこんな事を言っていたな。
”一人、螺旋の力に目覚めた”と。
 何故わざわざご親切にもこんなことを明かす必要がある?
 嬉しさのあまり口を滑らせたか?
 それこそまさかだ。これ程の事を行う輩がそんな迂闊な阿呆でもあるまい」
何が楽しいのか。
語りながら、ギルガメッシュは口元に笑みを張り付かせている。

330:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:42:24 mDpQkLrO


331:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:42:47 RYHpF7lS


332:読書の時間 ◆Wf0eUCE.vg
07/11/23 02:43:28 s2H/XUtY
「大体これほど書物が支給されている時点でおかしな話だ。
 これを凶器にする訳でもあるまいし
 大体本当に殺し合いをさせたいのなら本など支給する必要はあるまい。
 では本とは何だ?」
「いや、なにって本は本でしょ?」
「たわけ。本とは情報だ。
 この舞台。施設といい、図書といい。奴の発言といい。
 あからさまなまでに参加者を釣る情報と言う餌がばら撒かれいる。
 まるで何かに気付いた下さいと言わんばかりにだ。
 は。これでは釣堀か何かのようではないか。
 ここまで露骨過ぎては釣られてやる気にもならん。
 もっとも、釣り餌に喰らいついた者(さかな)の末路など語るまでもないだろうが」
嘲笑うかのような冷笑。
それはきっと、ギルガメシュの言うところの釣られた魚に向けられたモノだろう。
あのオッサンがキャッチ&リリースするようなエコロジストでもない限り、釣られた魚はまな板の上ということか。

「結局のところ奴は情報を開かしてなにがしたいのか?
 何故明かす? 何故見せる?
 何を明かす? 何を見せる?
 その意図は? その意味は?
 いったい奴は、何を期待している?」
矢継ぎ早にギルガメッシュは問いを投げる。
その問いかけは誰へ向けたモノか。
あたしに対してか、己に対してか。
それとも、ここいない誰かへか。
少なくとも答えを知らないあたしは押し黙るしかない。

「まあよい、残りは宿題だ。己で考えて置け」

元から答えなど期待していなかったのか、それとも、既に答えを得ているのか。
金ピカはあっさりと問答に見切りをつけ読書を再開する。
先ほどの話で色々気になるところはあったのだが、こうなってはもう駄目だろう。
こいつに一度失った興味を取り戻させるなど、この殺し合いを生き残ることより困難だ。

333:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:44:03 mDpQkLrO


334:読書の時間 ◆Wf0eUCE.vg
07/11/23 02:44:34 s2H/XUtY
金ピカが先ほどから熱心に読み耽るのはやたらと分厚い一冊の本。
ティム・マルコー著『今日の献立一〇〇〇種』。
本を読み進めながら、ギルガメッシュは満足げな笑みを浮べている。
献立見ながら笑う様はなんかアレだ。

「……ねぇ。面白い、それ?」
「悪くはない。
 生きた人間を材料に錬金術を用いた”賢者の石”とやらの創り方が書かれているが。
 この錬金術も、我の知る―穴倉の輩が使う―錬金術とも形態が異なるようだ」
…………スゲエ献立だな、ティム・マルコー。

「足りぬものを一から創るのではなく、既にある余所から持ってくるのは効率的だ。
 増えすぎた余分なものから使える部分を抽出して、道具を生み出すこのやり方は理想的とも言えるだろうよ」
本当に感心したような声でそう呟くギルガメッシュ。
だが、さっきこいつは、その材料が、なんであると言ったか?

「余分なモノって……人間がってこと?」
「そうだ。今の世は余計なモノで溢れている。
 我の時代の話なのだがな。
 十人の奴隷を選び、その中で“いなくともよい”モノを殺そうとした事がある。
 どうなったと思う?」
我の時代、という謎発言はスルーして。
無視する訳にもいかないので、一先ず考えて見る。

「そうね……全員殺した、とか?」
奴隷なぞ皆殺しだぁ、とか言って。
こいつの性格ならやりかねない。
だが、ギルガメッシュはあたしの言葉に頭を振る。

「いやいや。それがな、一人も殺せなかった。
 いかな人足とは言え無駄なモノなどいなかったのだ、かつての世界には。
 だが、現界してみればどうだ?
 今の世ならば十人どころか何千という人間を選んだところで、殺せない人間など出てこまいよ。
 なんとも人間に優しい世界になったものだ」
そう言ってギルガメッシュは皮肉げに肩をすくめる。
その様は酷く残念がっているようにも見えるし、酷く楽しんでいるようにも見える。

「ただ無価値なものが数ばかりが溢れている世界なぞ、見ているだけで気色が悪い。
 わかるか? 多いという事は、ただそれだけで怖ましい。
 怖ましきは一掃するが正義というものだろう?
 我は豪勢な物を許す。装飾華美など最も愛でるべきものだ。だが余分なモノに与える意義などない。
 そんな無意味で無価値な余分なモノなぞ、生きる権利をすら持ったいない。
 せめて穢れた生の苦より救うために死を遣わせるのが、情けと言うものであろう?」

驚くほど冷たい赤い瞳。
こいつは本気で多いというだけで人を無価値と断じている。
そしてこいつは、本気でそんな理由だけで人が殺せるのだろう。

335:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:44:57 RYHpF7lS


336:読書の時間 ◆Wf0eUCE.vg
07/11/23 02:45:46 s2H/XUtY
「まあ、この場所に集められたものはある程度の人選はされているようだ。
 多少の小石はあれど、無価値なものは少なかろう。その点はよい。
 だが、 選定はあくまで我が行う。奴の定めた人選なぞ、畜生にも喰わせてしまえ。
 弱者はいらん、我が統べるに値するはあくまで強者のみだ。
 この程度の事態で脱落するような輩は我が統べるに値しない。
 蜘蛛女。我の従者となれたこと、もっと喜んで良いのだぞ」

あーそーっすか。光栄すぎて涙がでそうだ。
モノレール早く来ねーかな。

「まあ、このままこの実験とやらが進めば、必然的に我が統べるに値する強者が生き残るだろうが。
 こんな遊戯は早めに潰すに限る。これ以上おめおめと人間が殺し合うのを放置しておくのも性にあわぬからな」

正直、驚きだ。いや、マジで。
この自分のこと以外考えていない、散々人を無価値と断じてきた男から、まさか、他の参加者を心配をするような発言が飛び出すとは。

「……どういう風の吹き回しよ。アンタがそんなこと言うなんて?」
「驚くことはあるまい。我は、我以外の者が人を殺める事を善しとせん。
 人が人を降せばつまらぬ罪罰で迷おう。その手の苦しみは楽しくもないからな」
本に目を落としたままギルガメッシュはそう言った。
むちゃくちゃな奴だけど、こいつにはこいつなりの正義心があるのかもしれない。
まあ、その正義心もむちゃくちゃなのが問題なんだけど。

「さて、モノレールも見えて見たか、直に放送だ。準備しておけよ蜘蛛女。
 定時内容の他に、きっと奴がつまらんことを抜かすぞ」
くっ、と喉を鳴らしながら、ギルガメッシュは本を(あたしの)リュックに仕舞い込む。
「つまらんことって、何よ?」
「さてな。聞けばわかることだ。
 精々聞き漏らさぬようにすることだ」
そう言ってギルガメッシュはベンチから立ち上がった。
あたしも同じく席を立つ。

太陽は高く、時刻は時期正午。
ここは端っこジーワン駅。
人気はなく喧騒もなし。

モノレールが駅に到着する。
静寂に鳴り響くブレーキ音。
それを掻き消す様に天上から声が響いた。

337:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:46:00 mDpQkLrO


338:読書の時間 ◆Wf0eUCE.vg
07/11/23 02:46:52 s2H/XUtY
【G-1 道路/一日目 昼】

【結城奈緒@舞-HiME】
[状態]:健康、眼帯を外したい
[装備]:衝撃のアルベルトのアイパッチ@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
[道具]:支給品一式、パニッシャー@トライガン、全てを見通す眼の書@R.O.D(シリーズ) 、奈緒が適当に集めてきた本数冊 、『原作版・バトルロワイアル』 、『今日の献立一〇〇〇種』
[思考]
基本思考:面倒なのであまり戦いたくない。ヤバくなったら真面目にやる。
1:とりあえず金ぴかと一緒に行動する
2:攻撃してくる人間を殺すのに躊躇いは無い
3:藤乃にはあまり会いたくない

※本の中の「金色の王様」=ギルガメッシュだとまだ気付いていません。
※ドモンの発した"ガンダム"という単語と本で読んだガンダムの関連が頭の中で引っ掛かっています。

【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:健康
[装備]:巳六@舞-HiME 黄金の鎧@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、シェスカの全蔵書(1/2)@鋼の錬金術師
[思考]
基本思考:打倒、螺旋王ロージェノム。【乖離剣エア】【天の鎖】【王の財宝】の入手。
1:モノレールを用い、北上する。出会えば衛宮士郎を殺す。具体的な目的地のキーワードは【高速道路】【河川】
2:異世界の情報を集めておく。
3:宝具、それに順ずる道具を集める
4:目障りな雑種は叩き切る
5:ドモンに不快感
6:エレメントに興味

※学校の図書館には様々な異世界の歴史を記した本があります。
(ただしどれだけ関係ない話があるか、どこまで詳細かは不明。
 少なくとも参加者の名前や能力については述べられていない。
 また1stガンダム~ガンダム00まで全黒歴史を紹介するなど、関係ない情報も相当数紛れている)
※主催者による監視を警戒しています
※今日の献立一〇〇〇種はシェスカの全蔵書から出てきた物です。
※参戦時期は原作死亡時。


339:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 02:47:06 RYHpF7lS


340:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 09:37:53 QiW7zeOh
>>472-473
荒し仲間として教えてあげよう。
ここは投下専用スレ。そのルールを守ろうとする人が、ここで議論するわけがない。
2ch側とかしたらば側とか自称しても、証拠も何もない。
荒し同士で議論してるフリをして、議論に参加しなかった人を追い出す、という策は脆くも崩れたわけだ。
ご愁傷様。

341:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 14:03:14 vEVFUrx/
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>ID:s2H/XUtY

2chのスレで決められた運営ルールは守りましょう。
したらばでいくらテンプレを作って強引にスレ立てしたってこのスレの住人は納得しませんよ

移動はあなた方の代表と話し合って決めて、しかもそれに対して何度も通告してます。
削除依頼を出せというのは、あなたがたの代表のお話です。

十二分に時間は与えた筈です。

アニメサロンに自ら行くと仰られたのですから、その自己の発言には責任を持ちなさい


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342:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 14:05:49 NUBfvQ8P
>>492
ここに住人がいるって事がなによりの証拠やん

何寝言言ってるんだ?

343:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 16:37:09 aOp3zC+i
ほらほらー、お前が正しいと思ってんなら言ったとおりにSS削除依頼だせよー♪
できるもんならなーw

まぁ、SS職人が認めないんじゃ議論も無効だね、それで終わり。

344:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 16:41:18 aOp3zC+i
493君ことゴッキー君無駄だよーーん、どんなにがんばってもテンプレ変更はないし、書き手は移動しないよーんw

永久にがんばってね、ばーかw

345:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 17:39:18 YMLA8Y3Q
なるほど、今度は荒らしにかまってる住人がいるふりをしようという腹か
IPチェックこの間の削除の時にされてるだろうから、IPに気を使えよ

とりあえず、皆さん
荒らしは今まで通りスルーで。
>>495>>496の発言は9割9分Gです。Gは削除を逃れるために何でもやってきます。
ここを乗り切れば終わりでしょうし。とりあえず自分の発言ごと削除依頼出してくる。

346:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 19:15:14 PToDQVX7
495 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/11/23(金) 16:37:09 ID:aOp3zC+i
ほらほらー、お前が正しいと思ってんなら言ったとおりにSS削除依頼だせよー♪
できるもんならなーw

まぁ、SS職人が認めないんじゃ議論も無効だね、それで終わり。


↑完全な荒らし宣言じゃんwwwwwwwwwwwwwwwwwww



347:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 19:55:21 PEbwyM/i
                      , - ─- 、_
                /        `丶
                rー‐<::/ ン-―ー- 、   、 \
           {(こ 〆.:::/  ____ \ ヽ..::::ヽ
           __/'´/  〃7了.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.j ::ヤ¬寸
         /,イ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,イ
         レ/,イ ::/ :{:ハ\{ ::、::ヽ ::::::}::_|_: :::::l >::|
          {/::| :!{.::ィ'f坏ト\{ヽ ,><ム:!:::::::: Kヽ:ト、
            |::::ヽ::i:ヽi. r'_;メ  ヽ´ イ圷ハ|::::::::::|\/ヽ>
            |i:::::::トl::ハ.     ,    r';ン´j::::::::: l: V  したらばSSに
            |i::::::::!:::: ヘ  {>ーァ   /:!::::::::/::/    削除依頼だしてきたわ
            lN:ヽ:ヽ::',:::ヽ、ヽ _,ノ  ,.ィ::/::::::/ /
              ヾ /}::}八::::ヽ>.-‐か/7::/∨
          r<¨ リ\`ヽ、\__ {  〉/イ l  )}  もう我慢も限界でしょ?
          f⌒ \ \ヽ  )' \ニニ∧ | |!彡ヘ
          |    \ ヽム    ヽ‐' .| | }ヘ,__,イ
         r-ヽ     ̄ )\     Vrj/ ̄ヽ ヽ
         |  \     // /)ミ ー-∨   / ̄ ヽ
         |   (>―‐'/ /勺ヽ¨ア    /    }
         |   \三三‐'ノ ^ヽ/   /-―一 '


348:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/11/23 21:35:06 LAqBoxeM



「だからその紙を置け、紙を」

スパイク・スピーゲルは温泉に入りながら微妙に命の危機を感じていた。
目の前には紙を構えた読子・リードマンがおり、その紙がなぜかは不明であるが鋭利な刃物となることを知っていたからである。
混浴だからと言って一緒に入ったのが問題であったらしい。
とはいえ、リードマンの裸などに興味はない。

「水着着てるんだから、見られて困るようなモンはないだろ」

それにリードマンは混浴だということを事前に知っていたため何処かから調達した水着を着ていたのだ。
これでは裸を見られるも何もあったものではない。それを知っていたが故に自分は混浴の温泉に入っているのだ。
流石に、裸婦のいる浴場に突入して紙手裏剣や風呂桶が飛んでこないことを予測できないわけがない。

「……むぅ」

読子は膨れっ面で紙や本を入れている風呂桶を持って湯から上がり、

「俺も上がるか」

スパイクも重い腰を上げ後に続く。
H2Oという空間からスパイクの裸体が介抱され、周囲に晒される。
手ぬぐいという邪魔なものなど一切身に着けてはいない。
正真正銘の丸裸である。
その体は180を超える長身を誇り、普段の鍛錬で引き締まった筋肉は女性を魅了するに相応しい。
また、無駄な贅肉が付いていないため男が憧れるのも無理はないと言うべき姿である。
だがこの場に唯一存在する女性にはまったく魅了の効果を発揮せず、
逆に背中を向きスパイクの方を見もせずに顔を背けさせる効果しか持たなかった。

「スパイクさんには恥じらいが足りません」
「わりぃ、貧乏なんだ」

スパイクの方に振り向こうともしない読子の非難に、彼は至極あっさりとした冗談を返した。




349:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/11/23 21:36:38 LAqBoxeM


「なあ、機嫌直そうぜ」

体を拭き服を着たスパイクと読子は廊下を歩いていた。
だが読子の機嫌は斜め右下に進んでいた。
30というおばさん呼ばわりされても不思議ではない年齢の彼女とて、スパイクの無神経ぶりには御立腹なのであった。

「俺が悪かったからさぁ」

図太い神経を持つスパイクでも流石に調子に乗りすぎたと考え、
なんとか機嫌を直してもらおうと浴場を出てから何度か謝罪の言葉を紡ぐがいっこうに効果は上がらない。
読子がスパイクの先を歩いているため彼に彼女の表情など窺えないが、背中越しからでも考えていることが理解できる。
ああ、流石のこいつでも怒るんだ。と。
数時間ほどの付き合いで流石も何もあったものでは無いが、
これまでの行動からスパイクはリードマンのことをあまり怒らない人種の人間だと判断していた。

「もういいッ!! 全員黙れッッ!!!!」

そんな二人が廊下を当ても無く歩いているときだった。玄関先から聞こえた若い青年の声が耳朶を振るわせたのは。
スパイクと読子はお互い顔を見合わせ疑問符を浮かべる。
いったい何が起こっているのか?
二人は無言で小走りに廊下を歩き、曲がれば何かが起こっているであろう場所の手前で立ち止まり壁に隠れながら玄関の様子を窺う。

「突然だが、ここはゼロを筆頭とする、反螺旋王組織『黒の騎士団』の指揮下に置かれる!
 以降は、そこに居られるゼロが全ての指揮を取る! 異論は認められない!!」

玄関では複数の人間と猫達がいた。
先ほどまで共に行動していたはやて達である。
他にも見知らぬ学生達にどこぞのヒーロのコスプレにメカメカしい猫、と奇人変人のオンパレードである。
いったい何をしているのか?
スパイクは読子と共に様子を窺うことにした。自分でも知らず知らずの内に銃を握り締めながら。
だがスパイクが予想していたような血なまぐさい展開は起こってはいなかった。
ただ青年が声を張り上げ演説をし、全員の注目を集めているだけであった。
しかも内容は非常におざなりなものと言わざるえない。目的だけ駆け足で言っているだけだ。
あれならば、まだビシャスの方が口が達者だ。案の定はやて達からは非難の声が聞こえる。

350:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/23 21:37:55 /k0aZ8/S


351:読子達がみてる  ◆UCRiZtpozI
07/11/23 21:38:25 LAqBoxeM
だがたった一声で、非難の声が突然止まる。こちらに背を向け全員の注目を集めている青年の一言で。

「やって欲しいことはこれだけだ。 エリア中心部に行き、他の参加者に接触し、使えそうならば我々の仲間に誘う。
 我々に害を為すようなら排除する。それだけだ。頼む。協力してくれ」

青年がそう言い放った瞬間、その場にいたほぼ半数の者達が同意する。
そのままはやて達は屋外へと出て行ってしまった。なぜか倒れた青年を無視して。

「……なんだぁ?」

スパイクには何が起こっているのか理解できない。声を掛けるという発想すら思いつけないほどに奇妙な状況であった。

「スパイクさん、ちょっとこちらへ」

だがそんなスパイクの困惑を無視するかのように読子は彼の腕を掴み、以外な力を発揮してその場から離れようとする。

「おい、痛いって……」
「静かにお願いします」
「どこに連れて……」
「黙っていて下さい」

スパイクは言葉を紡ごうとは思ったが、読子から発せられる何かに押しとどめられ黙ってしまう。
リードマンからは先ほどまで発せられていた朗らかな空気は消え去っており、
逆に自分のようなカウボーイたちが発する硝煙の臭いに似た何かに取って代わっていた。
リードマンは真剣な表情でそんな気配を纏いながら、自分を手近な部屋へと連れて行く。

「スパイクさん、たぶん非常に厄介なことになっていると思います」

部屋の扉を閉めると、開口一番に何を言おうとしているのか分からないことを言い放つ。
何が厄介なのか、この女の一言ではまったく分からない。

「いや、いきなり厄介なことになったと言われても……」
「あの男の子は特殊能力を持っているんですよ」
「ハァ?」
「だから、相手の行動を操る類の能力を持っているんですよ。一般には催眠術と呼ばれるようなものを」

リードマンの答えは予想を遥かに超えた珍解答であった。
とりあえず黄色い救急車を呼んで、病院に連れて行くのが一番だろう。

「いいかリードマン。温泉に入ったからといって脳までふやけるのは人間としてどうかしているぞ」
「ふざけないで下さいスパイクさん」
「ふざけているのはお前だろうが」
「スパイクさんも見たはずです、いきなりはやてさん達の行動が変化したのを。あれは彼の仕業です」
「……たまには人間変わったことをしたくなるもんさ」
「それでもおかしすぎます。温泉に入っていた私達を放っておいてどこかに行くものでしょうか?」
「そりゃあ……」

そこで言いよどむ。たしかにリードマンの言うとおり、あっさり自分達を放って一言もなしにどこかに行くのは妙である。
猫と男の方は我が強く人の言うことを簡単に聞くとは思えず、はやての方も何か一声ぐらいは掛けそうな性格だ。
それに、はやてはたしか自分が風呂に入る前にリードマンに鞄を返したいなどと言っており、
その時にはリードマンが風呂に入っていたために、上がってから返すつもりだったはずだ。
あの少年が青臭い正論を吐いたからと言って、彼の言葉を第一目標にするのはおかしい。
そうするにしても、相談の一つぐらいあっても良さそうなものなのだ。
しかし、人を操る超能力をあの少年が持っているなどと言われ簡単に信じるのは馬鹿がやることだ。


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