アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8at ANICHARA
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 - 暇つぶし2ch164:『真偽』と『真意』~危うい■■~  ◆WcYky2B84U
07/11/12 00:27:21 Ae5T4DkO
気分が、悪い。
ここはどこだ?辺りは薄ぼんやりとしている。足元が覚束ない。自分が立っているのか、寝ているのかすらわからない。
何もかもがはっきりとしない、それが何よりも自分を苛立たせる。
ああ、いや。二つだけはっきりとした感覚がある。痛みと熱。……どちらも忌々しい。より一層、心の中をかき乱す。
最悪だ。頭がフラフラする。痛い。焼け付くような痛みだ。いや……実際に、焼けているのか?
意識が薄い。思考力が低下している。ああ、腹立たしい。憎らしい。
何がだ?痛みが。それだけか?この痛みを俺に刻み付けた、あの蛇が。まだあるんじゃないのか?
下水道で俺と戦った、あのハダカザルが。他にもだろう?最初に俺をコケにしてくれた、あの二匹。

忌々しい。忌々しい。忌々しい。忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい
忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい
忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい忌々しい!!!!!!!!

この実験に参加してから、この殺し合いに参加してから、人間どもは俺を苦しめ続けている!
俺は何度尻尾を巻いて逃げ出した!?俺は何度手痛い反撃をこの身に受けた!?そして、奴らは何度俺を追い詰めた!?
この結果はまるで……まるで……ふざけるな!!人間どもが獣人よりも勝っている筈が無い!!!
だが……だが……ならば何故だ?何故俺は、人間どもを仕留められない?
今までに五匹ものハダカザルと戦っておきながら、始末できたのはたったの一匹だけ!
どうしてだ?どう言う事だ?この身が……人間に近しい物となったからとでも言うのか!?
いや、違う、そんなはずは無い!その改造を施したのは、螺旋王自身!!
かの偉大な螺旋王が、獣人の能力を弱めるなどというミスを犯す訳が無い!!
じゃあ何故だ?何故俺は………人間どもに………?
わからない。何の理由があって…理由など、無い…のか……?
わからない………俺は……俺は……?頭の熱が、冷めていく…寒い……
ただ、傷跡だけが熱く、苦しい。この苦しみだけは、一生消えないとでも言うのか。
出口は、どこだ。俺は、いつこの苦しみから解放される?この、歪んだ苦しみから抜け出せる?出口は……
…………そんな物は……どこにも…?


――――――――――――――――――――――――ふわり。


……この感覚は、なんだ?体が、少し楽に……痛みはまだあるが…?
俺は……どうなって……寝かされているのか……?
………暖かい。頭に、熱が戻っていく。…誰かがいるのか?

『今……すから………願…………の風…』

声が聞こえる。何を、しているんだ?………風?
これは、風なのか?微かな、ほんの僅かにしか感じられない…だが、これもまた暖かい。
何だこれは…ん……?……痛みが、引いていく………。

『…う、大……だか………う少し……我慢し…』

暖かい。心を苛んでいた痛みと熱が、少しずつ消えていく。段々と気分が落ち着いていく。
そして、それに伴って徐々に俺の体に感覚が戻っていくのを感じる。ふわりふわりと、少しずつ浮き上がっていくような感覚。
……そこにいるのは誰なんだ?



ゆっくりと、瞳を開く。その精神は未だまどろんだ状態のまま、それでも彼はそこにいる誰かを見た。
膝の上にヴィラルの頭を乗せているその人物の表情は、緊迫していたようだった。だが、それも徐々に綻んでいく。


「………よかった」


安心しきったその声を聞きながら、ヴィラルは久しぶりに感じたこの感情の正体に気付く。
それは…………この場所に来てから始めて感じる、心からの『安らぎ』だった。


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