アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8at ANICHARA
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 - 暇つぶし2ch146:金ぴかと本と熱血格闘家とあたし ◆tu4bghlMIw
07/11/11 22:51:34 rQrx3fVv

それは小さな遊び心だった。
男の実力を見極め、負の方向へと背中を押す―その一点においては、男と同じ舞台に立った方が最適だと思えたのだ。
あそこまで面と向かって拳の道を説く程の拳闘狂だ。
つまり拳を介して行われる戦闘こそが奴の矜持。それを完膚なきまでに叩き折ってこそ、絶望への道は開かれる。

だが―


「……くっ!?」
「もらったぁぁぁああああ!!」

フェイントだと……!?
自らの顔面が驚愕に歪む事を意識する。
男は完全に足が伸び切った―少なくとも私の眼にはそう見えた。


非常識な体勢から蹴りの軌道が完全に変わる。
そして狙うは左脇腹。蛇の尾のように撓る強烈な蹴撃が一直線に飛来する。

私はすぐさま迎撃の構えを防御の構えに変更。
左腕を下げ、肘骨を用いた瞬間的な動きで奴の目標点を保護する。


「うぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!」
「な……に―っ!!」


完全にガードし切れると判断した私の認識がまだ間違っていたのか。
ドモン・カッシュの蹴りは私の右肘を見事に跳ね上げ、そのまま脇腹に突き刺さった。


これはつまり、一瞬の私の"甘さ"だったのかもしれない。
なぜならあの時点で私は左腕を右肘と交差させ、更に安定性に優れたクロスガードに移る事も可能だったからだ。
だが―私はソレをしなかった。
クロスガードは確実に相手の攻撃を捌き切る。その一点においては非常に有効だ。
だが次の動作、つまり攻撃・防御・移動のどの動作に移行するとしても若干のタイムロスが生じてしまう。

戦闘の状況は明らかにこちらの不利。
スピードや手数、加えて流派不明の見かけぬ拳術を用いる相手に水を開けられているのは理解出来ていた。
全ての打撃を丁寧に受け流す事が出来ていれば、このような思考にさえ至らなかったかもしれない。
しかし縦横無尽に繰り出される乱撃に私は若干の焦燥感を覚えていたのだろう。
故に常識通りの防御で済ませてしまった―これが敗因だ。

加えてそこには「明らかに私の方が体格で勝っている」という驕りが存在したようにさえ感じる。
いや、驕りと言う程のものではないか。
ただ純粋に私がドモン・カッシュの実力を完全に評価出来ていなかっただけの事。


結果として―私の防御は打ち抜かれ、身体ごと数メートル吹き飛ばされた訳だ。
私は無様にも地面に膝を付き自らの状態を分析する。
肋骨を数本持っていかれたか? 行動に支障が出るレベルには到底思えないが。

しかし、あの細身の身体のどこにこれほどの力が眠っているのだろう。
ドモン・カッシュ、奴は―超一流の武道家だ。




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