アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8at ANICHARA
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 - 暇つぶし2ch50:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/09 22:00:16 z4qUGTXj
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                            ゙ヽ、,,,_,,{゙、i,l |:.i,  ,. 、`ー‐' ,.   ヽ=' i   聞きやしないよ
                         _,,,,,.-''":l゙、'-'.:.゙、 ' ´i'ヽ、__ノi_   l、 /       そいつらは
                    ___,,,,r''":::::::::::::::::::::!:.:゙、.:.:.:| i l i'、   `ヽ,ノi/ ̄ ̄` ''ヽ、
                  ,,.-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\.'i, ! ! `、二ニニソ/ ノ       ̄ヽ、_
                  r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-.,,_::::::::::ヽゝ,    ‐‐  |r'      ,.-'"/::::::ヽ、
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51:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 20:57:41 0FtEezOM
「……言ったろう、スザクくん。その矛盾が、いつか君を殺すってね」
放送で枢木スザクの名を告げられたとき、ロイド・アスプルンドはそう呟いた。
真剣な面持ちである。今まで取り続けてきたような躁病的な軽い雰囲気は消え去
っている。
ロイドはスザクが何故死んだかは知らない。
だが正義感が人の二倍も三倍も強い彼のこと、ここに来ても変わらず誰かのため
に行動し、死んだのだろう。
人の死を嫌いながら死に近い場所にいようとする矛盾を抱えながら。

(結構強そうに見えたアニタくんもそうそうに脱落。
ジェレミア卿だって失脚してからは散々だけど、無能って訳じゃあない。
こりゃあ、ぼくなんかはうかうかしてらんないかなぁ?)
たとえ相手がかよわい女の子だったとしても、殺意を持って襲い掛かられればおめおめと殺される自信がある。
銃を持ってはいるが、荒事は苦手だし、多少でも心得のあるものには通用しないだろう。
(死んじゃうのは勘弁だなぁ。
ここにはまだいろいろ面白いものがいっぱいあるだろうし、シンヤ君の持ってくる首輪はぜひ解析したい。
まぁ、駄目なときはそれまでだろうけどね)

退廃的なことを考えながら廊下をうろつく。放送は既に終了していた。
熱心にいじっていた携帯電話は、放送が開始されたのにあわせてデイパックの中に戻した。
ふらふらと、校舎内を彷徨い歩き、黒板を見て回った。
『いいですとも!』
『2月2日』
『あんたの思った通りだよ、諸岡さん』
びっしりと書き込まれた黒板の落書きは結構な量だが、別に覚えきれない程ではない。
幾つ目かの教室を見終わり次の教室への移動中、ロイドはある教室の名前に目を留めた。

(んん?何か、新しい発見があるかなぁ?)
好奇心が押さえきれない、といった様子でにんまり笑う。
ロイドは鼻歌混じりに、足早にその教室の中へと入っていった。
その教室の名を示すプレートには「理科準備室」と記されていた。





52:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 20:59:41 0FtEezOM


何故だが勝手に流れていた涙がひとまず止まり、それが完全に乾ききった頃に鴇羽舞衣は学校に辿り着いた。
体中にこびりついた血は臭いがつくのがいやだったので途中できる限り拭った。
重たい足取りで校庭に踏み入る。
その心中もまた、重く沈んだ虚ろな状態であった。
思考をできるかぎり単純化することで、何とか精神の均衡を保っている。
出会った人を殺し、大切なものを奪う。
今まで散々自分がされてきたことを、今度は自分がする側へと回るのだ。
それが正しいのだ、当然のことなのだと思う。思い込もうとする。
そうすればする程涙が溢れてくるのは奇妙だったが、その理由を考えるのが面倒くさくなる頃に涙は止まった。

おかけで、今は邪魔されることなく思考に集中できる。
ひとまずはエレメントの代わりとなるような武器の調達だ。目的地に学校を選んだ理由でもある。
調理実習室に行けば包丁程度の刃物ならば入手できるだろう。
包丁。
そういえば巧海や命にはよくご飯を作ってあげた。
特に命は舞衣のご飯はおいしいっていつもとても嬉しそうに言っていた。
そんなことを、思い出した。
奪われていったもののことなど、もうどうでもいいのに。
舞衣は心底うっとおしげに頭を振って、心中に浮かんだものを振り払った。
そうしたら、顔を上げた際に一つの教室が目に留まった。
校庭から眺める限り、どこもかしこも人のいる様子のない校舎だが、その教室にだけは人影が見えた。

よく目を凝らすと、ひょろひょろとした眼鏡をかけた男が、何か作業をしている。
へらへら笑いながら手を動かす様は、いかにも理系のもやしっ子という感じで、武器を持っている可能性はあるにせよ当人はとても強そうには見えない。
最初に殺すのはあいつでいいか、と舞衣は思った。
善良な人間のふりして接触してみて、隙を見て殺そう。
ついでに持ち物も奪ってしまおう。
光沢を失った瞳の奥でそのようなことを考えながら、舞衣は校舎の中へと姿を消した。




53:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:00:58 0FtEezOM



「おいおいおいおいおいおいおい!
俺ってば今空飛んじゃってるよ!何でだろうなぁ、どうしてこんなことになってんだろうなぁ!おい!!
つーか何だこの乗り物はよぉ!羽虫かっつーの!あと、羽が近ぇよ!どっか切っちまったらどうしてくれんだっての!」
頭上で喚くラッド・ルッソの声を聞き流しながら、東方不敗マスターアジアは思案していた。
「そんときゃもちろん俺がぶち切れるんだけどなぁ!あぁ!?何か今上手いこと言っちまったかぁ!?
つーか、ジジィ!手前ぇ、俺が気持ち良く人殺しやってる真っ最中に邪魔してくれるたぁ、どういうつもりだぁ!?
おかげでこっちは鬱憤がたまりまくってんだけどなぁ!?」
この男は野に放っても問題あるまい。
自らの欲望のままに闘争を繰り返すこの男なら、赴いた先々で混沌の種となるだろう。

「ていうかあんた何?何でそんな細い糸指でつまむだけでぶら下がってられんの?
せめて手に巻き付けるぐらいはしなきゃ駄目だろぉ!普通はよぉ!」
となればこれ以上ここで時間を浪費する必要はない。
再び地に降り立ち、争乱の火種を求めて駆け回らなければならない。
武道家の血をたぎらす猛者がいれば、手合わせするのも良いだろう。
しかし、と白髪交じりの弁髪を風に踊らせながら、東方不敗は市街地を見下ろす。
ちなみに、弁髪はお下げ部分以外の毛髪を剃り落とすのが正しいスタイルであり、東方不敗のそれを弁髪と呼ぶのは不正確なのだが、そんなことはどうでもいい。
「無視かよ!
ところでなぁ!俺ってば段々分かってきちまったよ!
つまりこのレバーを動かしゃ、この羽虫を俺の好きに動かせるってことなんだよなぁ!?」
それ程の距離を移動してきた訳ではない。判断を下すにはまだ早いかも知れない。
だが、川を一本越えてからというものぱったりと人影が途絶えていたのもまた事実だった。
やはり、より多くの人物と出会うためには人の集まりやすい施設などを狙うのが得策か。このまま人が見つからないのであればしばし休息するのも一案。
東方不敗がそのように考えたとき、フラップターが学校らしき建物の上空に差し掛かった。

「ほらこうすりゃ右だろ、んでもって左!
おいおい、俺ってばもう乗りこなしちゃったよ!
これって結構すげぇんじゃねぇの!?やっぱ才能ってやつかぁ!」
そして、その校庭を歩く一人の少女を発見したとき、東方不敗の口元が怪しく歪んだ。
絶望の淵に生きる幽鬼の如き雰囲気を纏いながら歩く少女。
そこに、東方不敗は己が目的達成の一助となる可能性の芽を見出した。
「まぁそれはそれとしてだ!
かくして俺は自由にこいつを動かせるようになっちまったって訳だぁ!
こいつの意味が分かるかぁ!?」
だが、弛まぬ修業と長年の人生経験で鍛えぬかれた東方不敗の眼力は、同時にその少女の奥底に未だ燻る迷いをも見て取った。
そして、それが今にも消えそうなほどに弱弱しくなりつつも、確かにその娘を支えているということも。
ならば、最後の一押しをしなければなるまい。
「つまり、俺がむかついちまってどうしようもねぇ手前ぇを、じっくり上からなぶり殺しにすることができるように……って何でいなくなってんのぉ!?
この高さから飛び降りるとかマジありえねぇっての!ヒャーハハッハッハッハ!」

ラッドの高笑いが響く中、フラップタ-から延びる金属糸が、風を受け激しく揺れ動いていた。





54:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:02:30 0FtEezOM


舞衣は調理室で苦もなく包丁を入手することができた。
何本か見比べ、鞘つきで一番切れ味の良さそうなものを選ぶと、スカートの背中に差し挟んだ。
調理室の黒板はよく分からないいたずら書きで埋め尽くされていた。
『我の拳は神の息吹!』
『“堕ちたるたる種子”を開花させ、秘めたる力をつむぎ出す!!』
『美しき
滅びの母の力を!』
そんな言葉が目についた。

「……わっけ分かんない」
掃除くらいちゃんとしなさいよね、そうとだけ言って舞衣は調理室を後にした。
首尾よく調理室で包丁を手に入れ、男のいる教室を目指す。
「いらっしゃいまぁせぇ」
教室の扉を開けた舞衣を出迎えたのは、そんな言葉だった。
「あぁ、そんなあからさまに警戒した顔されると傷つくなぁ。
僕はロイド・アスプルンドっていいます。殺し合いをするつもりはないよ?
女性の扱いは心得てるつもりなので、リラックスしてもらって構わないよ」
「ああ…いや…」
甲高い声と調子っぱずれの抑揚ででまくしたてる男、ロイドに舞衣は生返事を返すことしかできなかった。

ロイドが言うような警戒した顔をしていたつもりはない。
扉を開ける前にできるだけ平静を装えるように、心の準備は済ました。
舞衣は教室に入ってすぐ視界に飛び込んできた、部屋の余りに雑然とした様子に思わず目的も忘れて息をのんでしまっただけである。
教室には大きな長机が一つと、左右に棚が一つずつ置かれている。
しかし、器具や薬品の保管用と思われる棚は空っぽであり、そこに収められていたと思われる物達は現在、机の上といわず床ののあちらこちらにまで、無節操に展開していた。
足の踏み場は何とか残されているが、気を付けないと危険な薬品をぶちまけかねない。
そして、ロイドと名乗った男はそんな部屋の中で悠々と椅子に腰掛け、火を灯したアルコールランプで焙ったパンを口に運んでいた。

「ああ、失礼。食事しながらっていうのが気に障っちゃったのかなぁ?
それなら申し訳ないけど、いきなり部屋に入ってきたのは君だしこの件に関してはそっちが折れてくれるとありがたいなぁ。
ま、何にせよすぐに済ませます」
言葉の通りにパンを食べきり、ランプの火を消す。
「い、いや、それはいいんだけど。この部屋って全部あなたが…?」
舞衣はあきれ顔で部屋を見回した。
誰にいつ襲われるかも分からないこの状況下で、この男はずっと、珍しくもない理科室の道具達をひっぺがえしいたというのだろうか。
普通の神経では考えられないが、ロイドの締まりのないにへら顔を見ているとありえなくもない、と思えてしまう。

「いや~お恥ずかしい。ちょっとした捜し物のつもりだったんだけどねぇ。
いつの間にか止まらなくなっちゃって」
「捜し物って…そのアルコールランプのこと?」
「んんん。まぁ、そんなとこだねぇ」
何を考えているのか分からない。
舞衣はロイドとの会話で毒気を抜かれそうになっていることに気が付いた。
落ち着け、と心中で喝を入れる。
おかしな男だが状況もろくに分かっていないただの馬鹿だ。襲い掛かれば今すぐにでも命を奪うことができる。


55:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:02:58 wk78nrYt


56:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:04:19 0FtEezOM
「ちょおっと待ってねぇ、その辺どかすから。
これだけ散らかしてちゃ、座ってって言っても無理だよねぇ」
「ええ…ありがとう。名前、まだ言ってなかったわ。鴾羽舞衣よ」
「舞衣くんだねぇ。りょ~かい」
ロイドは慣れた手つきで床に散らばっている瓶や実験用具などをほいほい片付けている。
顔は下を向いており、舞衣は視界に入っていない。
今なら、と舞衣は思った。
だが、舞衣が背中に手を伸ばしかけたとき、ロイドはそれを察したかのようなタイミングでひょいと顔を挙げた。
そして、奇妙なことを言った。

「一つ言い忘れてた。
断っておくけど僕はイレヴンに対して差別的な感情は別に持ってないからね。
大切なのはそれが僕にとって興味深いかどうか。その前には全ての物事は平等なんです」
「…はいぃ?イレヴン…って何?」
「イレヴンを知らない?本当に?それは…実に面白いねぇ!」
「うぇっ!?」
舞衣の発言のどこに興味をひかれたのか嬉々とした表情でロイドが迫ってきた。
目に宿るあやしげな光が、そこはかとなく怖い。
舞衣は思わず、包丁に伸ばし掛けた手を戻し、身を庇っていた。
「君日本人でしょう?イレヴンが何か分からない何てありえないなぁ。
でもそれが真実だとすると…あ~、想像が膨らむなぁ。
ちらっとはそういう可能性も考えてたけど。シンヤくんにも聞いておけば良かったなぁ。うふふ」

訳の分からないことを言いながら、一人で身悶えしている。
舞衣は軽く引きながらも、ロイドの注意がそれた今がチャンス、と慎重に手を後ろに回そうとした。
しかし。
「おぉほっ!」
「ひいぃ!」
奇声を挙げて飛び付いてきたロイドにその手を捕まれてしまった。
気付かれたかという焦りと生理的嫌悪感が合わさってもの凄く気持ち悪い。
しかし、ロイドはそのまま何をするでもなく、好奇心に満ちた気色の悪い視線を舞衣の手に注いでいる。
どうやら殺そうとしているのに気付かれた訳ではないらしい。

「…この指輪、見せてもらえる?」
「へ?」
一瞬何のことを言われているのか分からず、少ししてから支給品の指輪をはめっ放しにしていたことを思い出した。


57:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:05:07 wk78nrYt


58:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:06:08 0FtEezOM
「どうかな?僕にとっては君の話と同じくらい興味があるんだけど。
これは君の私物?」
「し、支給品よ。ちょっと待って、今外すから」
どうせこの状況ではただの指輪になど何の価値もない。
舞衣は手を振り払い、残った感触に寒気を覚えながら指輪を外すしてロイドに渡した。
眼鏡を外し興味津々と言った様子で指輪の観察を始めたロイドに言う。
「そんなに珍しい?ただの指輪でしょう」
「ただの指輪?馬鹿言っちゃいけない。
詳しく解析してみないとはっきりしたことは言えないがおそらくこの指輪は、宝石部分まで含めて僕が知っているどの材質とも、違う」
「ふ~ん…」

舞衣は興味のなさを隠しもせず、気の抜けた返事をした。
舞衣の思考は今、全く別のところに向いていた。
ロイドが、指輪の観察に熱中する余り、舞衣に背中を向けている。
自分の指にすぽすぽ指輪をはめてみたり、相変わらずよく分からない男だが、がら空きの背中は舞衣に、突き刺して下さいと言っているように見えた。
ゆっくりと包丁を取出し、構える。
即死させられなくてもいい。どうせこの校舎に他に人はいない。
泣き叫ばれたなら、叫び声もあげられなくなるまで刺し続ければいいだけの話だ。
奪われる側でいるのはもう御免だと、自らを鼓舞する。
舞衣は、背を向けたままぶつぶつと何事か呟いているロイドに向けて一歩足を踏み出した。
息が荒くなるのを自覚した瞬間、腰溜めに構えた包丁を一気に突き出そうと足に力を入れ、
「ざぁんねんでした」
くるりと振り返ったロイドが放り投げた何かによって突進を阻まれた。
舞衣が認識できたのは自分の額に何か固いものがぶつかったことと、振り向いたロイドが相変わらず気持ちの悪いスマイルを浮かべつつ、目だけはしっかりと覆い隠していることの二つだけだった。
次の瞬間、舞衣の目の前で閃光が放たれた。

「あ…あぁぁぁあ!!」
突如放たれたまばゆい光をまともに目にくらってしまい、舞衣は視界を奪われた。
かちかち明滅する暗闇の中にロイドの声が響く。
「簡単な閃光弾だよ。マグネシウムの燃焼ってやつだね。
お粗末なつくりで申し訳ないが、生憎この部屋にあるものは色々けちられていてそれが精一杯なんだぁ。
この場合は結果オーライかな?
勝手に反応が開始しないようにする工夫が、一番苦心した点です」
「うるさいうるさい!何なのよぉ!あんたも!あんたもそうやって私を…!」
耳障りな声のする方向を頼りに、半狂乱になりながら滅茶くちゃに包丁を振り回す。
だが手応えはなく、包丁は何かに中途半端に食い込んだ拍子に手からすっぽ抜けた。
舞衣はバランスを崩し、前のめりに転倒した。
床に散乱している物にぶつかりちゃがちゃとやかましい音をたてる。硬い物が顎を打った。

「何があったかは知らないが、あれだけ死んだ目をしていれば誰だって警戒するよ。次からは改めることをお薦めする。
あ、君の話やこの指輪に興味があるのは本当だから、これちょっと貸してもらうよぉ。じゃあね、さよぉ~なら~」
「殺してやる!あんたなんか絶対殺してやる!!」
遠ざかっていく声に、舞衣は倒れ伏したまま、ありったけの憎しみを込めて叫んだ。




59:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:06:17 lGzdFHk0
 

60:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:06:55 wk78nrYt


61:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:08:14 0FtEezOM
ロイドが自分でお粗末なつくりと言っていたとおり、視力が回復するのにそれ程の時間はかからなかった。
完全に回復するまで待って、舞衣はのっそりと身を起した。
辺りを見回す。ロイドの言ったままの、死んだ魚のような目をしながら。
ロイドの姿はもうどこにも見えない。
教室の床に割れた瓶の破片が散らばっている。
破片の一つが肩口を傷つけ、浅く血が流れていた。
おぼつかない足取りで教室を出て、そのまま校舎の入り口まで戻る。
包丁は回収しなかった。
何だかそれが、とても惨めなものに思えたので。

「う…う…うぅ」
込み上げてくる嗚咽が押さえきれなくなって、舞衣はグラウンドの土に倒れこんだ。
情けなさに涙が出てくる。
「どうしろって…言うのよぉ…」
武器となるエレメントが出せなくなり、それでも加害者の側に回ることを決意した。
だが、実際は妙な男のペースにはめられ、まんまと出し抜かれている。
指輪も持ち逃げされてしまった。
所詮、忌まわしいHIMEの力に頼らなければ自分は何もできないのだと、舞衣は思った。
何の力も持たない、小娘に過ぎない。
「もう…駄目かも、私」
どうしていいか分からなくなって、呟いた。
このままずっとここで寝転んでいようかとさえ思う。

「エレメントも無しに、何も出来る訳…ないじゃない…!」」
「ならば、ワシが代わりの力をくれてやろうか?」
「…え?」
突如として声が響いた。
左右を見渡して見ても誰もいない。

「どこを見ておる。ワシはここだ。ここにおる」
「ここって…はいぃ!?」
声をたどった先で目に入ったものを見て、舞衣は驚愕した。
校庭に建てられた二宮金次郎の銅像。
読書に励む少年を模したその銅像の頭上で、がっしりした体格の初老の男が腕を組み、直立不動の姿勢で佇んでいた。
その眼光は鋭く、射貫くような視線で舞衣を見据えている。
大真面目な顔をして銅像の頭上から舞衣を見下ろす男、という光景はともすれば滑稽に思われかねないものだったが、そのような感想など吹き飛ばし、これでいいのだと思えるような威厳がその男からは発せられていた。


62:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:09:26 wk78nrYt


63:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:10:45 0FtEezOM
「な、何…アンタ?」
疲れ切った舞衣の精神では、そう聞くのが精一杯だった。
「ワシの名は東方不敗マスターアジア。娘よ、随分と荒れておるようだな?」
「何言って…」
「力が欲しくはないかと問うておるのよ。つぇい!」
気合いとともに東方不敗を名乗る男はデイパックから何かを取り出した。
だがそれは、水や食料のように簡単に出てきた訳ではない。
明らかにデイパックの容量を十数倍はオーバーしているであろう物体が、たっぷり十秒程の時間をかけて舞衣の眼前にその姿を現したのである。
引きずりだされたものが、ずしんと重たい音を響かせて、グラウンドに足を下ろす。

「ロ、ロボット…?」
舞衣がそれに対してまず抱いた印象は、そのようなものだった。
白を基調にした武骨なフォルム。
人型でありながらも、その体躯は舞衣よりも二回りも三回りも巨大である。
右肩から、砲身が一門突き出されている。
それは、舞衣がテレビの中で見た、所謂戦闘ロボットと呼ばれるのもの達に極めてよく似ていた。
「ソルテッカマン一号機という。ワシの支給品よ。これをお主にくれてやろう」
「ソル、テッカマン…?」
HIME同士の戦いの中ではまるで機械のように金属質なチャイルドもいた。
だが舞衣の知るチャイルドはどれも動物のような形状をしており、ソルテッカマンと呼ばれたもののように人型をしているものなど見たことがない。
にも関わらず、そのフォルムを見て舞衣はある記憶を連想していた。それも、つい最近の記憶である。

「ふん、最初に螺旋王によって爆破されたあの馬鹿者を思い出しおったか。
マニュアルによると、これは奴らのような生物を模して作った機械だとか。
つまりは、この機械は奴らに準ずる性能を持っておるということ。
奴の放った光線の威力はお主も見たであろう?
螺旋王には通じずとも、人の身には過ぎた力であることに変わりはない」
「人には過ぎた力…」
さっきの男に負けず劣らず奇妙であるはずの東方不敗の言葉は、不思議な程にすんなり舞衣の精神に染み込んでいった。

「そうだ。この力があれば並大抵の者に遅れをとることはあるまい。
それを貴様にくれてやろうと言うのだ」
「何でそんなこと…て、ていうかいきなりこんなもの渡されても使える訳ないじゃない!」
「ふん!」
舞衣の理性が行った精一杯の反論は、東方不敗が放った裂帛の気合いにかき消された。
気迫と共に投げ付けられたものが舞衣の目の前の地面に突き刺さる。
それは数枚の紙束だった。ただの紙でしかないはずのそれらが、固いグラウンドの土に深々と突き刺さっていた。


64:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:11:02 lGzdFHk0
 

65:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:11:53 wk78nrYt


66:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:12:39 0FtEezOM
「マニュアルだ。読めい。
これをワシに与えた螺旋王もその辺りのことは考えておるようでな。
全くの素人でも問題なく扱えるように、操縦系統はかなり簡略化されておる。
最初の質問にも答えておこうか。まずこのような物はワシにとっては無用の長物。
そしてワシが望むのは戦乱、ただそれのみよ。
貴様のように他人を蹴落とそうと狙う者が多ければ多い程、ワシにとっては都合がよい」

「これに乗れば…私でも戦えるってこと…?」
振って湧いたように目の前に提示された、戦うための力は蠱惑的な魅力で以って舞衣を誘っている。
その誘いに乗ることはとても簡単で、そして魅惑的であるように舞衣には思えた。
東方不敗の言うとおり、一度乗ってしまえば手足のように動かせる仕組みになっているらしい。
かなり高機動で動くようだが、そのような戦闘を舞衣は経験済みだった。
熱にうなされたような顔でマニュアルをめくる舞衣の心は、着実に一定の方向に傾いて行った。
もはや乗ることを決意したのも同然の様子である舞衣を見て、東方不敗は満足気に笑う。
そして、最後の一押しと言うかのように口を開いた。

「さっき貴様が取り逃がした男だがな。北の方角へ逃げていきおったぞ」
はっとしたように舞衣が顔をあげた。その目はどうしてそのことを知っているのかと言っている。
「お主達のやりとりは一部始終見させて貰った。
お主があの男を取り逃がすところまで含めてなぁ。
おそらくは今頃どこぞの民家にでも身を隠しておろう。
このソルテッカマンでも用いねば、見つけだすのは不可能の一語に尽きる。
だが逆に、これを使えば奴を葬り去ることなど赤子の手を捻るも同じことよ」
東方不敗がソルテッカマンに顔を向ける。
それにつられて、舞衣もまた同じように視線を移した。
白亜に輝く巨体を見ていると、それに乗って戦う姿が不思議なくらい自然に想像できた。
這うように、ソルテッカマンの前に進み出る。
そんな舞衣の目の前に、東方不敗が降り立ち手を差し伸べた。

「どうした?何を迷うことがある。
ワシらの利害は一致しておる。お主はこれを用いて破壊の限りを尽くせばよい。
それこそ、お主が本当に望んでいたことであろう。
ワシの手を取れ。そして揺るぎない力を手に入れるのだ」
泥に汚れ涙も枯れ果てた顔を起こしながら。
舞衣は、自らの手を東方不敗の手に重ねた。





67:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:13:44 D2FI3R70
 

68:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:14:06 0FtEezOM


舞衣の手を逃れたロイドは、学校の北側から市街地を抜け川べりにたどりついたところで、足を止めて息を吐いた。
「追いかけてはこないみたいだね。いや~、あぶなかったぁ」
背後を確認しながら言う。
手に舞衣に投げ付けたものと同形の、瓶型の手製閃光弾を持っている
その指には舞衣から拝借した指輪がはめられていた。
「早速役にたったねぇ。残り一個になっちゃったけど」
手のひらで多少もて遊び、手製の閃光弾をデイパックに戻す。

ロイドは理科準備室に入ってからずっと、護身用の武器の調合をしていた。
あわよくば未知の物質を、という期待もないではなかったが、残念ながらそういったものは発見できなかった。
それどころか、そう簡単に爆弾などの強力な武器は作らせないという意図か、理科準備室と名乗りながらそこにはろくなものが置かれていなかった。
そのため、部屋にあるものとロイドの知識、技術を用いても粗悪な閃光弾を二つ作るのが限度だった
そのうちの一つは早くも失われてしまった。

「良く頑張った方だとは思うけどねぇ?んふふ、あの子結構本気で面食らってたなぁ」
携帯電話からの情報で、ロイドは部屋に入ってきた人物が鴾羽舞衣という名前だと気付いていた。
相手の名乗るに任せていたのは扉を開けたときの舞衣のただならぬ表情、本人は隠しているつもりのようだったが、を見て変な刺激を与えるのはまずいと判断したためだ。
「ん~それにしても困ったなぁ。
できればシンヤくんが帰ってくるまで学校にいたかったんだけどなぁ。まだあの子近くにいるよねぇ。
今戻ったら今度こそ殺されちゃうよぉ、僕ぅ。いや~すんごく怒ってたもんなぁ、あの子」
軽い調子で笑う。いたずらが成功したことを喜ぶ子供のようだった。

シンヤとの合流を優先し、しばらく指輪の観察でもして時間を潰してから学校に戻るかと、ロイドが考え歩きだそうとしたとき、
「おい、あんた!」
何やら必死な声に呼び止められた。
声のした方を向くと、どういう訳か全身ずぶ乗れの少年が声の印象と違わぬ必死の形相でこちらに駆け寄ってきていた。
けがをしているのか歩き方がどこかぎこちなく、速度はそれ程ではない。
衛宮士郎、とロイはその僅かな時間に携帯電話が表示した名前を思い出していた。
「おい、あんた、教えてくれ。ここは地図のどのあたりなんだっ!
早く戻らないと玖我が、う…!」
掴み掛からんばかりの勢いでまくしたてたかと思うと、突然頭を押さえて崩れ落ちる。
軽い脳震盪、とロイドは当たりを付けた。
よく見れば肩には銃創がある。手当てをした様子はない。
結構大変な体験してきたところらしい。

「まぁまぁ落ち着いて。ひどいけがだね、君。そこの川を泳いできたの?頑張ったねぇ。
ここはB-6エリアの真ん中あたりだよ。
僕はロイド・アスプルンド。君はお名前聞かせてくれないのかなぁ?」
少年の様子から危険人物ではないと判断したロイドはとりあえず少年を落ち着かせるようと既に知っていることを敢えて隠して名前を尋ねた。
パニックに付き合わされて無駄に時間を使ってしまってはたまらない。


69:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:15:04 lGzdFHk0
 

70:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:15:28 0FtEezOM
「あ、あぁ悪い。俺は衛宮士郎…ってB-6!?
くそ、結構流されちまった。急いで助けに戻らないと」
「あら?もう行っちゃうの?まぁ、止めないけど。
でもその傷の応急処置と、ふらふらの足が回復するくらいの休憩をとった方が移動するにはかえって効率がいいと思うよ?」
「そんなことしてられるかっ!玖我…俺の知り合いが襲われてるんだぞ!」
めまいを起こしてふらつく体を無理やりひきずりながら、ロイドを怒鳴り付けてくる。
自分のことを完全に度外視して他人のために奔走する姿は、一瞬だけロイドにスザクの姿を思い出させた。
すぐに、その考えを否定する。

(違うね。スザクくんとは違う。
正義感が強いと言っても、この子のそれからはもう少し破滅的なものが含まれている)
未だロイドが殺人者であるか確かめようとしないのもそのせいか、とロイドは推測した。
それが合っているか気になったので聞いてみることにした。
「ところで君さぁ。
僕が人殺しで自分が襲われるかもとかそういう可能性は考えなかったのかい?」
士郎はやはりろくに移動できず、すぐ先の電柱にもたれかかり、肩で激しく呼吸していた。
さすがにしばらく歩くのを断念したのか、そのままずるずると座り込む。
そして、顔だけをロイドに向けて質問に答えた。
「あ…うっかりしてた。
あんた、そうなのか?そりゃあ、その、ちょっと、困るっていうか…」
「うっかりときたか!あ~っははははは!」
予想外といえば予想外の答えにロイドは大爆笑した。それを見た少年の表情が憮然としたものに変わる。

「何だ違うのかよ。ていうかそんな笑うとこじゃないだろ」
「いやいやいや!君が自分の安全なんてものにまるで価値を感じちゃいないてことが分かって可笑しくってねぇ。
気に障ったなら謝ります。あっはっはっは!」
「何か前にもそんなこと言われたような…。ん、あんた…その指輪!」
なおも笑い続けようとしたロイドを、士郎の真剣な声が止めた。
少年はロイドの手をつかみ、指にはめられた指輪を食い入るように見つめている。
それは先程ロイドが舞衣に対してしたことと全く同じだった。
こんなこと自分はしてたのかこりゃあ気持ち悪いなぁ、とロイドは思った。

「魔術礼装だ…!あんた魔術士だったのか!
魔術が使えるんなら心強い、あんた、玖我を助けるのに協力して…」
「なになになになぁ~んだってぇっ!?
今とっても気になる単語が聞こえたんだけどぉ~!」
「いぃっ!?」
士郎の言葉を完全に遮って、ロイドはぐいと顔を近付けた。
多少引かれたようだ構いはしない。
ロイドは一瞬で指輪を抜き取ると、何か知っている様子である士郎の手に握りこませた。


71:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:16:39 erGWqauD
 

72:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:17:02 0FtEezOM
「君はこれが何なのか知ってるみたいだねぇ。
是非とも詳しく聞かせてもらいたいなぁ。今魔術って言った?」
「だから魔術礼装…ってもしかしたこれあんたのじゃなくて支給品か何かか?じゃあ何も知らずに見につけてたって訳か」
「おう!俺も聞かせて貰いてぇことがあるんだがよぉ!」
「まぁ、僕のだと思ってくれ構わないよ。それで?『魔術礼装』って何?」
「魔術士が使う魔術をサポートする道具みたいなもので…そうか、あんた魔術士じゃなかったのか。ぬか喜びだ」
「趣味の悪ぃ、紫色の服着た俺が殺したくて殺したくて殺したくて殺したくて殺したくてたまんねぇジジィがこの辺にいるはずなんだがぁ!」
「んっふふぅ。『魔術』という言葉がさも常識であるかのような口振りだねぇ。
その指輪だけじゃなく、君自身にも興味がわいてきたよぉ」
「いや近い!顔近いから!何も見えないから!」
「ああ!あとそういや女みてぇに長いお下げをしてたっけなぁ!」
「是が非でも話を聞きたいなぁ。君の知ってることを洗いざらい全部、ねぇ?」
「いや目ぇ!目ぇ恐いから!顔笑ってるけど目が笑ってないから!」
「アンタらぁ!あのクソジジィがどこにいるか知らねぇか!?」
「うるさいな。その人ならこの道を東に五千メートル程歩いたところにいましたよ」
「そうか!サンキューな!」
ロイドはいつの間にか割り込んでいた声に無意識にかつてない程不機嫌な声で答えた。
去っていく気配に満足し、再び尋問を始めようと冷や汗をかく少年に顔を近付け、
「…ってぇ、んな訳ねぇだろうがあああああああ!!」
何ものかが投げ付けたデイパックに弾き飛ばされた。

「あっら~~!?」
ロイドは軽やかに吹っ飛び、コンクリートの地面に強かにその身を打ち付けた。
起き上がる間もなく、近寄ってきた乱暴な足音に胸ぐらを引きずり起こされる。
「あのジジィがいなくなったのはこっから南だっつ-の!適当な返事するにも程があるんじゃねえのぉ!
せっかく俺がぶち切れつつも着地が上手いこといってちょっと上機嫌になってたってぇのに、アンタ何水差してくれちゃってんのぉ!?」
はち切れんばかりの怒りを顔中に漲らせ、ぐいと顔を突き出してくる。
それは先程ロイドが士郎に対してしたことと大体同じだった。
こんなこと自分はしてたのかこりゃあ気持ち悪いなぁ、とロイドは思った。
すぐそばでは、少年が助かった、と呟いていた。

「あれ、僕そんなこと言ったかなぁ?
…ごめん、覚えてない」


73:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:18:08 D2FI3R70
 

74:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:18:34 0FtEezOM
ラッド・ルッソ、と男の顔を見ると同時に携帯電話の情報を思い出した。
ラッドはロイドの答えがえらく気に入らないようだった。
「よぉ-し分かったぁ!まず手前ぇからぶっ殺す!
あのジジィのために取っとくつもりだったが、手前ぇのおかげで少しぐらい使ってもお釣りが出るぐらいに俺の殺る気は今最高潮だ!
つーわけで死ね!今すぐ死ね!」
「ちょ、ちょっと待て!いくら何でもやりすぎだ!」
本気で殺すつもりで殴ろうと腕を振りかぶったラッドを見て、士郎が慌てて止めに入った。
抱き抱えるようにしてラッドの剛腕を押さえ込む。

「ああ!?何なのお前?何かこいつといい感じになってたみたいだけどぉ!?」
「どこをどう見たらそうなる!いいからその手を放せ!」
「放すよぉ!
つ-か、今から俺がこいつをぼこってぼこってぼこってぼっこぼこにするからよぉ!?
最終的に持つとこ無くなって自然に放れるんだけどなぁ!?」
「無茶くちゃ言うなって!?ああもう、こんなことしてる場合じゃないってのに…!」
「あの~…すみません…くび、しまってます。…先にそっちで死んじゃいそう…ぼく」
息も絶え絶えのロイドの訴えは、二人の耳には届かなかった。
「ああああああ!!もう面倒くせええええぇぇぇ!!」
そして、ついに業を煮やしたラッドが、腕に士郎をぶら下げたままロイドを殴り付けようとした次の瞬間。

三人のから最も近い位置にある民家が、跡形もなく消し飛んだ。
「あぁん!?」
「何だぁ!?」
「KMF…いや、違う…!」
爆風が轟く中、三人が三様の言葉を発する。
熱波が吹き荒れ、降り注ぐ火の粉がたちまち3人の額に汗を浮かび上がらせた。
びりびりとした振動が、大地を揺らした。
そして、それらが収まると同時に三人の周囲を、太陽が消え去ったかのような黒い影が覆った。

静かに、全く同じタイミングでそれぞれ顔を上げる。
三人の正面には、数階建ての鉄筋のビルがあった。
その屋上。
日の光を遮るように、白い威容を誇る巨体が、三人を見下ろしていた。
肩に設置された砲身に真っ直ぐ三人に向けられていた
「おいおい、マジかよ。あんなのもいちゃうわけ?」
「ロ…ボット…?まさか…」
呆然とする士郎とにやつきながらも未だにに手を放してくれないラッド。
二人の対照的な表情を見ながら。
ロイドはぽりぽりとこめかみを掻いて、言った。
「もしかして、僕達だぁいピンチぃ?」





「…うん。射撃はまだあんまり上手くいかないな」」
ソルテッカマンのコックピットの中で、舞衣は一人呟いた。
舞衣にソルテッカマンを授けた後、東方不敗をはどこかへ去っていった。
計器類の放つ淡い光しかないその場所で、舞衣はこれまでにない安堵を感じていた。
これで、もう何も奪われずに済む。
これで、全てを焼き尽くすことができる。
これで、絶望を感じずにいることができる。
「カグツチは出せないんだから…代わり、頼むわよ」
沈みきった声で、乗機に対し言う。
舞衣は静かに照準を眼下の男たちに定めた。
中心にいるのは、にやけ顔のあの男。
忌々しい、ロイド・アスプルンド。
ぎっ、と音が鳴るほど強く歯を食いしばりながら、舞衣はレーザーライフルを発射した。
たとえ涙を流したとしても、鋼の鎧の中では誰にも見えはしなかった。


75:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:19:35 0FtEezOM


【B-6左の川沿い/一日目/昼】
【ロイド・アスプルンド@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康
[装備]:ニードルガン(残弾10/10)@コードギアス 反逆のルルーシュ
[道具]:支給品一式、携帯電話 閃光弾×1
[思考]
0:ソルテッカマンに対処
1:シンヤが戻ってくるまでに学校に戻る。
2:携帯電話と黒板に書かれた落書きをもっと詳しく調べてみる。
3:シンヤが持ってくる首輪を分解してみる。

【携帯電話】
①全参加者の画像データ閲覧可能。
②地図にのっている特定の場所への電話番号が記録されている(どの施設の番号が登録されているのかは不明)。
全参加者の現在位置表示システム搭載。ただしパスワード解除必須。現在判明したのはロイドの位置のみ。
パスワードは参加者に最初に支給されていたランダムアイテムの『正式名称』。複数回答の可能性あり?
それ以外の機能に関しては詳細不明。


【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康。
[装備]:、超電導ライフル@天元突破グレンラガン(超電導ライフル専用弾20/25)
[道具]:支給品一式(ランダム支給品0~1を含む)、ファイティングナイフ フラップター@天空の城ラピュタ
[思考]
基本方針:自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる(螺旋王含む)
0:ソルテッカマンに対処
1:東方不敗を探す。
2:清麿の邪魔者=ゲームに乗った参加者を重点的に殺す。
3:基本方針に当てはまらない人間も状況によって殺す


【衛宮士郎@Fate/stay night】
[状態]:疲労(大)、腹部、頭部を強打、左肩に未処置の銃創
[装備]:クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS
[道具]:なし
[思考]
0:ソルテッカマンに対処
1:玖我を助けに戻る
2:イリヤの保護。
3:できる限り悪人でも救いたい(改心させたい)が、やむを得ない場合は―
4:18:00に図書館へ行く
※投影した剣は放っておいても30分ほどで消えます。
 真名解放などをした場合は、その瞬間に消えます。
※本編終了後から参戦。
※チェスに軽度の不信感を持っています
※なつきの仮説を何処まで信用しているかは不明


76:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:20:05 erGWqauD
 

77:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:20:19 wk78nrYt


78:くずれゆく…… ◆10fcvoEbko
07/11/10 21:21:19 0FtEezOM
【鴇羽舞衣@舞-HiME】
[状態]:精神崩壊、全身各所に擦り傷と切り傷
[装備]:ソルテッカマン一号機@宇宙の騎士テッカマンブレード
フェルミオン砲11/12 レーザーライフル20/20 機体エネルギー100%
[道具]:支給品一式
[思考]:かなり短絡的になっています。
1:大切なものを奪う側に回る(=皆殺し)。
2:もう二度と、大切なものは作らない。
[備考]
※カグツチが呼び出せないことに気づきましたが、それが螺旋王による制限だとまでは気づいていません。
※エレメントが呼び出せなくなりました。舞衣が心を開いたら再度使用可能になります。
※静留にHIMEの疑いを持っています。
※チェスを殺したものと思っています。


【B-6学校/一日目/昼】
【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:疲労(小)。全身、特に腹にダメージ。螺旋力増大?
[装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム
[道具]:支給品一式、
[思考]:
基本方針:ゲームに乗り、優勝する 。
1:一時休息を取るが気になることがあればそちらを優先。
2:情報と考察を聞き出したうえで殺す。
3:ロージェノムと接触し、その力を見極める。
4:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける。
5:できればドモンを殺したくない。


79:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 21:23:34 s47h+uDw


80:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/10 22:20:44 rCMPTanK
                                    ,,r'':::::::::::::::::::::::;i::::::::::::::::i、
                                   ,r'::::::::::::::::::::;::r;:r l::::::::::::::::::l!
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       r‐、                          'i;i::::::l_,,,_    __,,,_ ヾ::::::::::l!
       人 ゝ,,_  ,,_,,,、                    'i;:::,,i´ ゙̄l‐'i´ ̄`i!、_l::::::::;;;l!
        (○) ̄  ̄ i‐、-l、                       !i`'‐''゙l _`‐-‐'゙   `;´!;;;l!
       ``'‐二i ‐`-'__ ))                      ゙l       ,  ノ,/;l!'' >>50
          l l! `-' ,r'i {_,,,_                   l  -===・''   ノ`'l!   過去の議論も全部無視とは
           l l!  ̄ l! /,_ )                       l!  ´     / :l''     上等じゃないか
            /l l!/゙,=-,(こ)丿,,_     _,,r‐‐--‐ー‐-- ,,__,,,r}ゝ__,,, 、  -'  l、
             l、__l :l!__,(_ソ ̄) l;;;;;; ̄ ̄ ̄;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;l;;;;;;;ヽ_ ̄``''‐- 、 , -‐}
            } ヽ-~__,,,' -‐i/》;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;l;;;;;;;;;;;ヽ ̄`''‐- 、l!//{`‐-、
           l!  ___,,, -‐{ l l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;`''=‐- \‐-ッ'´ ', ' ,ヽ;;;;ヽ\_
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             l! ヽ`‐-、/ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`'‐ /     ,   ' ヽ/;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
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               ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;-‐`‐-‐i''‐-、   _ ,, l;;;;;;;;;;;l::::::::::::l
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81:明智健悟の耽美なるバトルロワイヤル――幕間 ◆1sC7CjNPu2
07/11/11 10:45:08 mWl4Einr

 モノレールの車内は、明智が考えていたものより広々とした印象を受けた。
 それが無人の車内に一人きりという状況だからなのか、それとも本当に車両自体が広いのかは判断しかねるところだが。

 「元の世界に戻ったら、もう少し列車について勉強することにしましょうか」

 明智は語り聞かせるように呟く。
 反応がないということは分かっているが、何もしないよりはマシだろうという考えの元だ。
 ―それにしても、このままではクセになってしまいそうですね。
 明智は苦笑した。

 改めて、明智は車内を見渡す。
 座席は進行方向に交差する形で並んでいる。クロスシートという、二人がけの座席を中央の通路を挟んで複数列配置する形式だ。
 シートは、ボックスシートという前後の二列が向かい合わせになる形で固定されている。
 座席と床の間には、僅かに空間が開いていた。横幅は広いが高さが低く、子供ならまだしも大人では通れそうにはない。
 ―つまり、子供なら潜むことぐらいはできるというわけです。

「おかげで、いちいち覗き込まないといけないんですよ。……楽しいですか?人の這い蹲る姿を見るのは」

 愚痴をこぼしながらも、明智は確認を怠らない。
 ひょっとしたら、怯えて隠れている子供がいるかもしれない。殺し合いに乗った子供が、息を潜めているかもしれない。
 また、魔法や錬金術といった特殊な能力を持つ者が潜んでいるかもしれない。
 不安の種は、考え出したら切りがない。しかし、明智は今いるこの会場が常識外のもので溢れていることを知っている。
 自身の常識が通用しない以上、ある程度の警戒は必要だった。

 ■


82:明智健悟の耽美なるバトルロワイヤル――幕間 ◆1sC7CjNPu2
07/11/11 10:48:39 mWl4Einr

 明智は最初に乗り込んだ先頭車両から最後尾の車両を調べ、もう一度座席の下を調べながら先頭車両に戻った。
 幸いと言っていいのか、人影は見当たらなかった。
 手間はかかったが、モノレールの中のひとまず安心を買えるとしたら安いものだろう。

 「つかの間の休息といった所ですか、……なら、今のうちに食事にでもしますか」

 デイパックから支給品の食料を取り出し、手早く口に含む。
 あまりの味気なさに眉をひそめるが、しかたがなく咀嚼する。

 「まったく、カロリーメイトでももう少しマシな味ですよ」

 味わうことなく水で流し込み、文句を言う。
 その時に食べかすが少しこぼれ、生乾きのシャツに付着した。
 明智はため息をつくと、ネクタイを外しシャツを脱ぎ始めた。


 以下蛇足。

 明智の体は筋骨隆々とは言わないが、無駄な贅肉がなく引き締まっていた。
 胸は鍛えられた筋肉によってうっすらと盛り上がっており、生乾きのシャツを着ていたせいか薄っすら湿っている。
 腹筋も見事なもので、よく見れば割れているのが分かる。しかもボディビルダーのような暑苦しさはなく、むしろ清涼感を感じさせるものだ。
 腕や肩などのパーツも、筋肉が皮膚を押し上げていて理想的な形だ。
 注目すべきなのは、全体のバランスがよくまるで彫像のように美しい体だということだ。
 本人の美貌とも相まって、『美しい』という言葉を体現しているようである。

 以上蛇足終了。


83:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 10:50:10 Rq0QKBen
 

84:明智健悟の耽美なるバトルロワイヤル――幕間 ◆1sC7CjNPu2
07/11/11 10:50:31 mWl4Einr

 食べかすと僅かに残った湿り気と塩分を振り飛ばすつもりで、明智はシャツはパンッと払う。
 スラックスも同様にやってみようかとも考えたが、流石に止めておいた。
 監視されているかもしれない状況で裸を晒すのには流石に抵抗があった。

 改めてシャツに腕を通し、少し迷ってからネクタイをデイパックに仕舞った。
 もう一度ネクタイを巻くのには、少々首輪が邪魔だったからだ。
 トントン、と首輪を指で叩く。

 「まさか、これの解除にも『螺旋』が絡んでるとかいうことはありませんよね」

 螺旋博物館の螺旋尽くしを思い出し、思わず辟易する。
 結びつけるにはやや安直すぎる気もしたが、そうであってもおかしくない気がした。
 もっとも、現状では手の出しようがないため確認することすらできない。
 そもそも解除できるように出来ているのかすら分からないのだ。

 「やはり、一度首輪を調べてみないといけませんか」

 明智の目的であるこのゲームから脱出するためには、首輪の解除は必須の条件だ。
 ゲームが始まった当初から、考えていたことではる。
 しかし目視できない自分の首輪に手を加えるのは危険だし、手を誤れば爆破してしまう可能性がある首輪を他人が易々と触れさせてくれるはずがない。
 そう思って、保留にしておいたのだ。―死者が出るまでは。

 「……死者を弄ぶ趣味は無いんですがね」

 死者から、首輪を回収する。
 道徳的にどうかと思われる手段だが、殺し合いの乗るつもりのない明智が首輪を手に入れるにはそれぐらいしかない。

 ―私にはこの首輪を解除するスキルはありませんが、機会があったら回収することにしましょう。



85:明智健悟の耽美なるバトルロワイヤル――幕間 ◆1sC7CjNPu2
07/11/11 10:55:43 mWl4Einr

 他にも考えることはあったが、それは中断されることになった。
 考え事をしているうちにモノレールはD-1の駅についたからだ。
 無人の車掌室は自動的に操作され、安全にモノレールを駅に止める。
 扉が開き、明智はプラットホームに足を踏み出した。

 「モノレールが再出発するまで三時間二十分、その間に何か見つかればいいのですが」

 残してきたクロスミラージュのことも気がかりだ。
 彼は必ず説得すると言っていたが、それを愚直に信じるわけにはいかない。
 ―最悪の場合も、考えておかないといけませんしね。
 ティアナという少女が殺し合いに乗ったなら、恐らく明智をD-4の駅で待ち伏せするだろう。
 確実に来ることが分かっている獲物を逃すはずがないし、何より明智は予備のカートリッジを持っている。

 「どちらにしろ、彼女は駅を動けないはずですしね」

 今は、クロスミラージュを信じることしかできない。
 明智は機能していない駅の改札を通り、空を見上げた。
 もう朝日とはいえない太陽が、馬鹿みたいに眩しかった。


【D-1・駅/一日目・朝】
【明智健吾@金田一少年の事件簿】
[状態]:若干疲労、右肩に裂傷、服も乾いてきた頃(上着喪失)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(一食分消費)、ジャン・ハボックの煙草(残り16本)@鋼の錬金術師、参加者詳細名簿、予備カートリッジ8
    ダイヤグラムのコピー
[思考]
基本思考:犯罪芸術家「高遠遙一」の確保。ゲームからの脱出。
1:ゲームに乗っていない人間を探しつつ施設を回る。
2:D-1駅に到着次第、付近を調査(水族館かドーム球場を回りたい)
3:D-1駅から10:50発のモノレールに乗ってD-4駅へと戻り、クロスミラージュと合流。
4:金田一、剣持を探す。
5:明日の正午以降に博物館の先に進む。信頼できる人物にはこのことを伝える。
6:もし死体を見つけた場合、気が進まないが首輪を回収する。

[備考]
※参戦時期はアニメ最終回(怪奇サーカスの殺人)後
※リリカルなのはの世界の魔法の原理について把握しました。


86:野蛮召喚塔 ◆RwRVJyFBpg
07/11/11 13:30:14 mg28eVtp
白い床に煌びやかな照明。立ち並ぶ人型は色とりどりの衣装を纏い、思い思いのポージング。
ガラスの中の貴金属はどれもこれもが眩い光を反射して、キラキラと価値を主張する。
飯麓百貨店婦人服売り場。
時が時ならば、有閑な奥様方が連れ立って、ショッピングに興じるであろうこの場所は今、静寂に包まれていた。
もはや日も高いというのに、店内には商品のチェックをする売り子一人見当たらない。
本来ならば、開店間際の喧騒に包まれていなければいけないそこには今、代わりに少女がただ一人。
白い肌。キメ細やかな髪。華奢で柔らかなボディ。
どことなく高貴な感じを漂わせるその少女は、少し幼すぎることを除けば
十分にこの場に似つかわしいキャラクターを持ち合わせている。
しかし、彼女がその手で行っている所業は、とてもこの場にマッチしているとは言えなかった。

少女の両手には抱えきれないほどの布の山があった。
よく見ればその山は、この売り場の主役、買い手のない婦人服たちでできている。
彼女は一枚何万円という値段がついたそれを一枚ずつ無造作に掴み出し、床へと落とす。
一枚落とせば、もう一枚。次を落とせばさらに一枚と、少しづつ間を空けながら、服を床に広げていく。
そんな作業をしばらく続け、腕に抱えた服を全て撒きおわると、少女は次に周りのラックから
服をひっぺがし、さっき落としたものの周りに配置していく。
床のうちの少なくない部分が布に覆われたことを確認すると、少女はほっと一息。
一瞬の間を置いた後、止まっているエスカレーターに向かって走り出し、駆け下りて行ってしまった。

少女の去った後には、布の山と、鼻を衝くような刺激臭だけが残っていた。



長い影が道路に広がる朝のビル街。
スーツを着たビジネスマンも、着飾った若い女性もいないそこ、広い道路の中心に、一人の恰幅のよい老婆が立っていた。
老婆の手には黄色いペンキがたっぷりついた刷毛が握られている。
彼女は、傍らのペンキ缶の中にそれを突っ込み、一、二度まさぐった後、刷毛の先を道路へと向けた。
たちまちのうち、黒いコンクリートに黄色い線が3本刻まれ、それが矢印(←)の形を成す。
周りを見渡せば、前後の道路には、これと同じような矢印がいくつか描かれている。
老婆は自ら作り出した記号の群れを一瞥すると、満足そうに頷く。

「おばさま~こっちも全部終わりました~」

作業を終え、老婆が道具の片付けに入るのと、正面の豪奢な建物―デパートから少女の声が聞こえるのとはほぼ同時だった。

「なかなか、いいタイミングだ。こっちもちょうど終わったとこだよ」

老婆は少女に応えると、もう一度、何かを確かめるように周りを睥睨する。

「さぁて、それじゃあお待ちかねのショー・タイムといこうかね」

懸案事項がないことを確認すると、彼女は支給品のランタンから即製のたいまつに火を移し……








そのままそれを、デパートの中目掛けて放り込んだ。





87:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 13:31:21 Ktq0rQif
 

88:野蛮召喚塔 ◆RwRVJyFBpg
07/11/11 13:32:48 mg28eVtp



「念の為だ。もう一度だけ手際を確認しとくよ!」
「はいっ!お願いします!」

ドーラが受話器に怒鳴ると、向こうからは威勢のよいニアの声が返ってくる。

彼女達は今、デパートの大通りを挟んだ向かい側、六階建てのオフィスルビルにいた。
目の前のデパート一階は、既に赤々と燃える炎の前にその体を首まで没している。
この調子で燃え広がれば、二階、三階と陥落していくのはほぼ間違いないだろう。
言うまでもなく既に自明のことではあるが、この火災は、ドーラとニアによって人為的に起されたものである。
何故、彼女達はこの殺し合いの場で、何もない、誰もいない建物にわざわざ火を放つような真似をしたのか?
それにはもちろん、理由があった。

「まずは、この作戦の狙いだ。もちろんちゃんと分かってるだろうね?」
「はいっ!今回の作戦の狙いは、できるだけ安全に、かつ、効率的に人を集めることです!」

そう、今回の放火、その目的は人集めにある。
この殺し合いが始まってから既に十数時間。
にもかかわらず、彼女達はまだ、お互い以外の人間を影も形も目撃していない。
ここが血で血を洗う蠱毒の壷中であることを考えれば
それはある意味で幸運なことかもしれなかったが、そうこうしているうちに、大切な仲間が死んだと聞かされては話が違う。
ヨーコ。シータ。そしてパズー。
人と接触し、情報を集め、一刻も早く会場にいる残りの仲間と合流しなければならない。
シモンのような悲劇が、また繰り返されるその前に。
だから彼女達は、そのための方法を考えねばならなかった。

「よし。
 ……これだけの建物が燃えりゃあ、随分、遠くからでも煙が見えるはずだ。
 あそこで何かが起こってるとなりゃ、多少、危険なことが分かっていても、見たくなるのが人情ってもんさ。
 今回みたいに知り合いとちりぢりにされてんなら、なおさらだ。
 このデパートは言ってみりゃあ、大きな狼煙みたいなもんさね」
 
この計画を発案したのはもちろん、ドーラの方だ。
九人もの人間の死亡を伝えた放送は、彼女の方針を変更させるに十分なできごとであった。
当初の予定では、市街地を慎重に探索しながら、信用できそうな人間を吟味して接触するつもりだったが
殺し合いが予想以上に速いスピードで遂行されつつある以上、グズグズしてはいられない。
そう考えたドーラは、穏当な従来のやり方を投げ捨て、代わりに、荒っぽい海賊のやり方を採用することに決めたのだ。


89:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 13:33:14 Ktq0rQif
 

90:野蛮召喚塔 ◆RwRVJyFBpg
07/11/11 13:34:44 mg28eVtp
「だけど……本当に燃やしてしまってよかったのでしょうか?」
「構やしないよそんなこと!どうせこのビルもあのハゲ親父の持ちモンだろうしね。
 アイツがアタシたちにしたことを考えりゃ、この街全部、焼け野原にしてもまだ足りないくらいさ」

何やら物騒なことを言っているが、勿論これは冗談で、ドーラとてこの街を焼き尽くすつもりなどない。
むしろ、火が必要以上に広まって、探すべき人をバーベキューにしてしまわないよう、最大限の注意を払っている。
燃やす建物としてこのデパートを選んだのも、気づかいの一環だ。
このデパートは、四方を幅の広い道路で囲まれているので、延焼の心配が少ない。
煙を目立たせるため、盛大に燃やしても、ここなら被害を拡大させることもないだろう。

「でも、本当によく燃えますね。あんなに大きな建物なのに、もう全体に火が回って……」
「あったりまえさね!アタシを誰だと思ってるんだい!?
 本業は海賊だから、さすがに本職には負けるが、そんじょそこらの素人とは経験が違わぁ!」
「海賊?海賊って何ですか?」
「ア"?」

実際、ドーラの手際は見事なものだった。
まず、巨大な建物を燃やすには燃料が必要だと見るやいなや、道路に散在している自動車に目をつけた。
入念に車体を調べ、ガソリンタンクを見つけると、その中にデパートで調達した服を突っ込む。
するとたちまち布が油を吸い、あっという間に固形燃料のできあがりだ。
彼女はその手順で発火元を量産すると、今度はニアに命じてそれを建物内に敷き始めた。
建物の構造、各階にある品物、火が広がる仕組み。
燃え盛る百貨店は、それらに配慮したドーラの指示が的確だったことを雄弁に語っている。
ちなみに余談ではあるが、店内を見てまわっているときに、貴金属店を見つけた彼女は
嬉々としてショーウインドーをぶち壊し、その中身を拝借していた。
余技の放火だけではなく、本職の泥棒もきちんとこなしていたというわけだ。
職業犯罪者は逞しいのである。

「……あー、何だか話が逸れちまったね。まあいい。おさらいの続きだ。ニア、アンタの仕事を言ってみな」
「ハイッ!私の仕事は、ここ―六階の窓から、この建物に誘導されてくる人を見張ることです。
 人の姿を見つけたら、その人の特徴と動きをこの電話でおばさまにお教えします。
 その人がビルの中に入ったら、とりあえず私の仕事はおしまい。おばさまに交代です」

派手な焚き火で人を集めるにしても、ただ口を開けて待っているだけというのでは芸がない。
せっかく仕掛けをうつならば、できるだけ確実に、かつ安全に接触したいと考えるのが自然の成り行きだ。
そのためにドーラが考えたギミックが、道路に多数刻まれた黄色い矢印である。
これらの矢印は、デパートの周りを隙間なく囲むように配置されている。
そして、矢印の頭は全て同じ一方向、すなわち、ドーラとニアが潜むこのビルの入り口に向けてある。

「上出来だ。覚えのいい子は嫌いじゃないよ。
 矢印に従ってビルに入ってきた相手とは、一階にいるアタシが話をする!
 こっちは相手の動きが分かってるが、相手にはこっちの正確な位置すら分かりゃしないんだ。
 お客さんが殺る気だろうが、そうでなかろうが、交渉をする上で不利ってことはないはずだよ。
 まあ、招待の仕方がずいぶんと露骨だから、ひっかかってくれるかどうかは五分五分だが
 それでも、まあ、入り口の前までは来る奴がほとんどだろう。姿が見えりゃ、最悪、話はできるからね」

ちなみに、正面の入り口を警戒されて裏に回られるのを防ぐため、他のところは全て施錠してある。
姿を見失った上に、側面を衝かれては、この計画が台無しになるからだ。

「それから、分かってるとは思うが、殺す気マンマンの奴が来た場合、戦いになるかもしれない。
 そうなったときは、電話か、それが無理なら手榴弾を爆発させて知らせるから、すぐに裏の階段から逃げるんだよ」
「……あの、やっぱりおばさまを残していくのは……」
「自惚れるンじゃないよ。足手まといだといってるのさ。
 あんたのことに気を回しながら戦って、隙を突かれておっ死にましたじゃあ、コメディにもなりゃしない。
 逃げた後はD-8の古墳まで行って待ってな。アタシも後からそこへ行く。
 ……分かったね!?」
「……ハイ、わかりました」


91:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 13:35:12 Ktq0rQif
 

92:野蛮召喚塔 ◆RwRVJyFBpg
07/11/11 13:35:59 mg28eVtp
そのやりとりが終わると、ドーラは受話器をはずしたたまま、床へと置いた。
いざというとき、すぐに上のニアと連絡がとれるように、回線は繋ぎっぱなしにしておく。
仲間の居場所、首輪への対処、脱出の算段。
人と会って話し、手に入れなければならない情報は無数にある。

(いけ好かない王様に、外せない首輪を嵌められて、見たこともない街で、聞いたこともない殺し合いをさせられてる。
 どう見たって大いにややこしい話なのに、アタシが持ってる情報はほぼ素寒貧……か。
 やれやれ、頭痛がしてくるね)

ドーラは自分が置かれている状況をもう一度認識し、少し嘆いた。
はやる気持ちを抑え、彼女はまだ見ぬ何かの来訪を待ちわびる。

天衝く炎が召喚するは幸運の女神か?それとも無慈悲な死神か?





【E-6/デパート向かいのオフィスビル/1日目/昼】



【ニア@天元突破グレンラガン】
[状態]:健康 
[装備]:釘バット
[道具]:支給品一式 毒入りカプセル×3@金田一少年の事件簿
[思考]:
1.ビルの六階から外を見張り、人を見つけたらドーラに報告する
2.ヨーコ、シータ、パズーを探す
3.カミナの名前が気になる(シモンの言うアニキさんと同一人物?)
4.お父様(ロージェノム)を止める
※テッペリン攻略前から呼ばれています。髪はショート。ダイグレンの調理主任の時期です。
※ドーラの知りうるラピュタの情報を得ました。
※ドーラとはぐれた場合には、D-8の古墳で落ち合う約束をしました。


【ドーラ@天空の城ラピュタ】
[状態]:健康
[装備]:カミナの刀@天元突破グレンラガン
[道具]:支給品一式 食料品(肉や野菜など) 棒付手榴弾×3@R.O.D(シリーズ)大量の貴金属アクセサリ
[思考]:1.ビルの一階で来訪者を待つ
    2. 来訪者が来たら接触して情報収集したい
    3.シータ、パズー、ヨーコを探す
    4.ムスカを警戒
    5.ゲームには乗らない。ニアに付き合うが、同時に脱出手段も探したい
※ニア視点でのグレンラガンの世界観について把握しました。
※ニアとはぐれた場合には、D-8の古墳で落ち合う約束をしました。



[補足]
※デパートが炎上しました。
※火事の煙がどのエリアから観測可能なのかは、後の書き手さんにお任せいたします。

93:修正版状態表 ◆10fcvoEbko
07/11/11 17:45:27 Oxy4X0ob


【B-6左の川沿い/一日目/昼】
【ロイド・アスプルンド@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康
[装備]:ニードルガン(残弾10/10)@コードギアス 反逆のルルーシュ
[道具]:支給品一式、携帯電話、 閃光弾×1
[思考]
0:ソルテッカマンに対処
1:シンヤと会うために学校に戻る。
2:士郎の話しに強い興味
3:携帯電話をもっと詳しく調べてみる。
4:シンヤが持ってくる首輪を分解してみる。

【携帯電話】
①全参加者の画像データ閲覧可能。
②地図にのっている特定の場所への電話番号が記録されている(どの施設の番号が登録されているのかは不明)。
全参加者の現在位置表示システム搭載。ただしパスワード解除必須。現在判明したのはロイドの位置のみ。
パスワードは参加者に最初に支給されていたランダムアイテムの『正式名称』。複数回答の可能性あり?
それ以外の機能に関しては詳細不明。


【ラッド・ルッソ@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:超電導ライフル@天元突破グレンラガン(超電導ライフル専用弾0/5)
予備マガジン(超電導ライフル専用弾5/5)×4@天元突破グレンラガン
[道具]:支給品一式(ランダム支給品0~1を含む)、ファイティングナイフ
フラップター(+レガートの金属糸@トライガン)@天空の城ラピュタ
[思考]
基本方針:自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる(螺旋王含む)
0:ソルテッカマンに対処
1:東方不敗を探してぶち殺す。
2:清麿の邪魔者=ゲームに乗った参加者を重点的に殺す。
3:基本方針に当てはまらない人間も状況によって殺す。
※フラップターの操縦ができるようになりました。


【衛宮士郎@Fate/stay night】
[状態]:疲労(大)、腹部、頭部を強打、左肩に未処置の銃創、軽い貧血
[装備]:クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS
[道具]:なし
[思考]
0:ソルテッカマンに対処
1:玖我を助けに戻る
2:イリヤの保護。
3:できる限り悪人でも救いたい(改心させたい)が、やむを得ない場合は―
4:18:00に図書館へ行く
※投影した剣は放っておいても30分ほどで消えます。
 真名解放などをした場合は、その瞬間に消えます。
※本編終了後から参戦。
※チェスに軽度の不信感を持っています
※なつきの仮説を何処まで信用しているかは不明


94:修正版状態表 ◆10fcvoEbko
07/11/11 17:46:46 Oxy4X0ob


【鴇羽舞衣@舞-HiME】
[状態]:精神崩壊、全身各所に擦り傷と切り傷
[装備]:ソルテッカマン一号機@宇宙の騎士テッカマンブレード
機体状況:無傷、エネルギー100%、フェルミオン砲11/12 レーザーライフル20/20
[道具]:支給品一式
[思考]:かなり短絡的になっています。
1:大切なものを奪う側に回る(=皆殺し)。
2:もう二度と、大切なものは作らない。
[備考]
※カグツチが呼び出せないことに気づきましたが、それが螺旋王による制限だとまでは気づいていません。
※エレメントが呼び出せなくなりました。舞衣が心を開いたら再度使用可能になります。
※静留にHIMEの疑いを持っています。
※チェスを殺したものと思っています。

※フェルミオン砲の衝撃が周囲に響き渡りました。


【ソルテッカマン一号機・加具土】
テッカマンブレードのデータを元に軍が作り上げたパワードスーツ。
本ロワにおいては誰でも扱えるよう、操縦系統が簡略化されている。身長は2~2.5メートル程度。
脚部ローラーでの移動の他、同じく脚部のスラスターで空中移動も可能。が、常時飛行は厳しい。
武装はフェルミオン砲(非拡散タイプ)とレーザーライフル。


【B-6学校/一日目/昼】
【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:疲労(小)全身、特に腹にダメージ。螺旋力増大?
[装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム
[道具]:支給品一式
[思考]:
基本方針:ゲームに乗り、優勝する 。
1:一時休息を取るが気になることがあればそちらを優先。
2:情報と考察を聞き出したうえで殺す。
3:ロージェノムと接触し、その力を見極める。
4:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける。
5:できればドモンを殺したくない。
※舞衣と分かれた直後の行動については不明。


95:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 20:46:23 lQ+dgo30
気付いたら私は草原にいた。
視界いっぱいに広がる鮮やかな緑色の絨毯とどこまでも続く透き通るような青空。
草原を走る風が爽やかな匂いを届けて、ぽかぽかした陽気が体を暖めてくれる。
そんな心地いい世界で、私は草原に背を預けごろんと寝転がっていた。
ふと隣に気配を感じて、首を横に向けるとそこには私と同じように寝転がる“お姉ちゃん”の姿があった。
といっても年の離れた実の姉のゆいお姉ちゃんじゃなくて、私にとってのもう一人の“お姉ちゃん”。
血縁的に言えば従姉で、今は一つ屋根の下で暮らすこなたお姉ちゃんだった。

「やっほー、ゆーちゃん元気ー?」

いつも通りの声で私に笑いかけるお姉ちゃん。

「うん、元気だよ、こなたお姉ちゃん」

信じられないほどに体の調子がいい。
やはり空気のいいところにいると体の調子もいいものなのかな?

「うんうん、そりゃ何よりだよ」

そう言うお姉ちゃんは言葉とは裏腹にニヤニヤと笑みを浮かべている。
こういう場合は大抵かがみおねえちゃんをからかっている時なのでちょっと不安だ。

「それにしてもゆーちゃんがいい人とめぐり合えたみたいで私は安心したよ」

そう言われて脳裏に浮かぶのは顔の左側に大きな傷を負った男の人。
徒でさえ強面で―時々ほんとうに怖い顔になるけれど、私は知っている。
自殺しようとしていた自分を落ち着かせてくれて、行動を一緒にしてくれている優しい人だ。

「うん、Dボゥイさんはいい人だよ」
「そうだね、結構カッコイイし。
 でもちょっとそこは意外かな? ゆーちゃんのタイプって純朴そうなのかと思ってたからさー。
 まさか男ツンデレを攻略するとは……ゆーちゃん、GJ!」

えええええええええええ! い、“いい人”ってそういう意味!?
そ、そうじゃない! Dボゥイさんはそういう相手じゃないよおねーちゃん!
確かに抱きしめられてドキドキしたりもしたけど!
その時にちょっと「男の人の匂いってこんな感じなんだ……」とか思ったりもしたけど!

96:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 20:49:18 lQ+dgo30
「……まさかゆーちゃんがそこまで進んでたなんて……ショックだよ……」

だから違うよ! 『ホントにショック受けた』って顔で言わないでよ!
お、お姉ちゃんこそどうなの! 男の人の影がないって言ってたじゃない!
でも、私がそう返すとお姉ちゃんはちょっと困ったような表情で。

「んー、私もいい人たちと出会えたかな。
 ただちょっと……リアルLUCが足りなかったみたいでさ、そこで運が尽きちゃったみたい。
 もしかしてレバ剣拾ったときに使い果たしちゃったかなー?」

その人たちとケンカでもしたのだろうか?
そう訊くとお姉ちゃんは首を横に振った。

「ううん、ケンカはしなかったな。
 でも、ここで“終わり”だと思うと残念かなって」

そう言って私を見る目はどこまでも穏やかで、不安になる。
だってなんでそんな―『遠く』から私を見るのだろう?

「な、に……言ってるの?」

お姉ちゃんの言うことが理解できない。
ねえ、“終わり”ってどういうこと?

「ははは……現実は非情なのにさ、こういうところは漫画みたいなんだね。
 もしかしたらあっちには神様もいるかも……できれば綺麗な女神サマがいいんだけどね~」

そんな空っぽな笑い方、らしくないよ。
こなたお姉ちゃんはもっと明るい笑顔が似合ってるよ。

「ん……ありがとね、ゆーちゃん。
 ……さてと、そろそろ行かなきゃ。
 つかさも待ってるだろうし……もしかしたらお母さんにも会えるかもしれないしね」

97:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 20:51:17 lQ+dgo30
体が動かない。声が出ない。何で? どうして?
言いたいことがあるのに。聞かなきゃいけないことがあるのに。

「あ、そうそう。お父さんに伝えといて。“『俺より先にいくな』って約束守れなくてごめん”って」

自分で伝えればいいよ。じゃないと叔父さんも悲しむよ。

「あはは、うん、でもね私、ここでバッドエンドみたいなんだ。
 いやーセーブ&ロードが使えないってユーザーフレンドリーじゃないよね。
 一昔前ならともかく今ならクソゲー呼ばわりだよ」

言ってることはいつも通りなのに私の中の不安は消えない。
それどころか不安がどんどん膨れ上がっていって体ごと破裂してしまいそう。

「でも大丈夫! ゆーちゃんならノーコンテニューで最後までいけるって!」

そう言いきった姿はいつも通り、自信満々なお姉ちゃんの姿。
でも、何処か寂しげで。その理由を訊こうとした瞬間、

「こなたー!」
「おーい、そろそろ時間だってよー」

声のした方に目を向けるとそこには中学生ぐらいの男の子とさっき会ったお姉さんと同じ服を着た眼鏡のおじさんがいた。
その時、私には何故か見覚えの無いその二人がお姉ちゃんを連れて行っちゃう存在に見えて、
失礼にも程があるのに『あの人たちについてっちゃだめ』と言いかける。
でも声が出ない。指も動かせない。動かなきゃいけないのに体の境界線が滲んでしまったみたいにあやふやで動かせない。
そんな感覚に戸惑う私の体を暖かさが包み込む。
そして―理解する。
ああ、抱きしめられてるんだ、私。

98:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 20:53:33 lQ+dgo30
「春にゆーちゃんがうちに来てから色々会ったよね。
 夏祭りも行ったし、文化祭で踊ったの楽しかったね」

うん、楽しかった。だからもう一度―ううん、何度でもやろうよ、こなたお姉ちゃん。

「今はつらいけど、未来には楽しいことが色々待ってるから、挫けちゃダメだよ。
 みなみちゃんやひよりん、パティ達とも仲良くね」

そこにはお姉ちゃんもいなきゃダメだよ。かがみおねえちゃんやつかさおねえちゃん、高良先輩たちもいっしょじゃなきゃヤダよ。

「私、一人っ子だったから、ゆい姉さんとゆーちゃんがホントの姉妹みたいで嬉しかったよ」

私だってそうだよ。お姉ちゃんが二人もいるなんて幸せだよ。

「もっと沢山話したかったよ。もっと色々遊びたかったよ。もっとずっと一緒にいたかったよ。
 でもさ……私はここまでっぽいや」

耳元から聞こえる声は、優しくて、暖かくて。
なのに―なんで涙が溢れて止まらないんだろう。

「ゆーちゃん、泣かないで。いつもみたいに可愛い笑顔を見せてよ」

頬にやわらかい感触。お姉ちゃんの指が涙を拭き取ってるんだ。

「私が思うにゆーちゃんの笑顔はいわゆる一つの萌え要素ってやつでさ、きっと色々な人に癒しと幸せを運ぶと思うんだ。
 これからさ、辛いことや悲しいことが沢山あると思うし、泣きたいときは泣いてもいい。
 でもさ、笑うことだけは忘れないで。私には出来なかったけど、ゆーちゃんなら出来るよ」

99:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 20:55:23 lQ+dgo30
笑うから、きっと笑うから。だから―いかないで。

「じゃあね、ばいばいゆーちゃん。
 ホントに……ホントのホントに大好きだよ。私の……自慢の従妹で、素敵な友達で、かわいい妹だったよ」

どんどん意識がぼやけていく。
気を失うのとは違う、夢から覚めてしまうような感覚。
ああ―そうか、これは夢なんだ。
覚めないでと願っても、夢だと気付いた瞬間にどんどん指からすり抜けてしまう幻みたいな記憶。
だから願いとは裏腹に温もりが、大好きなこなたお姉ちゃんの温もりが消えていく。

「もう……いいのか?」
「……うん、言い出したらきりが無いし。それにゆーちゃんはああ見えて強い子だから大丈夫だよ」
「こなたが言うならそうなんだろうね。僕も応援するよ」
「ああ、俺たちにできるのはもうそのくらいしかないしな。スバルの奴もきっと大丈夫だろうよ」
「そうそう、だってスバルもゆーちゃんも“萌え要素”の塊だもん」
「“モエ要素”?」
「んー、あっちに行ったらアル君たちにも教えてあげるよ。
 “萌え”の真髄ってやつをさ―」

そう言いながら二人と一緒に歩いていくお姉ちゃんの背中を最後に、私の意識は光の中に落ちた。

100:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 20:57:13 lQ+dgo30
***

「……たか……ゆたか!」

ゆたかの瞳に映るのは自分を心配そうに見つめる二つの瞳。
顔の左側に大きな傷―ああ、そうだ私はこの人を知っている。

「D……ボゥイ……さん……?」

Dボゥイは心配そうに自分の顔を覗き込んでいる。

「大丈夫か、ゆたか」
「え……何が……」

そう言われて頬を伝う冷たい感触に気付く。
そういえば、何かとても悲しい夢を見た気がする。
でも指の間から水が零れていくみたいに、夢の記憶が無くなっていく。
大切なことだったのに―思い出せない。

「―本当に大丈夫か?」

より深くゆたかの顔を覗き込むDボゥイ。
その距離はゆたかにしてみれば密着状態といっても過言ではない距離で
男性に免疫の無いゆたかは顔に血が上ってしまい、顔を背けてしまう。
そこで気付く。周りの光景が先程までいた公園ではないと。

「あれ……ここはどこですか?」
「地図でいうD-6の端……総合病院の裏側から少し離れたところだ」

101:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 20:59:00 lQ+dgo30
***


Dボゥイも最初はゆたかが目覚めるまで自然公園に留まっているつもりだった。
だがゆたかが気絶してから1時間ぐらいたった頃だろうか。
北の方から連続した銃声と建物が倒壊する音が連続して聞こえてきたのだ。
しかも

―今、戦闘に巻き込まれるわけにはいかない
そう考えたDボゥイはその視界から消えるため、ゆたかを抱えたまま移動するという分の悪い賭けに出た。
周囲を警戒しつつ、喧騒から逃げるように南下。
そして物陰に隠れながら慎重を期しつつ、E-5から回り込むようにして
直線距離で言うとたったの1キロを1時間以上かけて移動した。
そして幸運なことに誰にも会わずに病院に辿り着いたのだが―

「あの……何で病院に入らないんですか?」

目的地が目の前にある以上、それは当然の疑問と言えた。
その疑問に対してDボゥイは僅かに迷った後に、その理由を端的に答える。

「病院には……危険なやつがいる」

***


その原因を説明するには、時間を約1時間ほどさかのぼることになる。

Dボゥイがゆたかを抱えて病院近くに到着したのは午前9時前のことだった。
そして見通しのいい道を避け、裏口から入ろうとしていたDボゥイを押し止めたのは、
内部から響いた何かが割れる音とその直後に病院から出てきた中年男性の姿だった。
男は身を隠したDボゥイたちに気付く余裕もないようで、全身がボロボロの状態で北に向かって行き、
その直後、またもや病院から―明らかに人間を超えた速度―二人組の男が中年が逃げた方向に走っていった。
その態度にただならぬものを感じたDボゥイが建物の影に隠れるようにその後の様子を伺っていると、
『ぎゃああああああああああああ!?!?』
そこには右腕を切り落とされ、さらに全身を何らかの電撃で焼かれ絶命する中年男の姿があった。
それは遠目に見ても圧倒的な実力差で、“嬲り殺し”という表現が一番しっくり来るように思えた。

102:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 20:59:19 BX9g5lAr


103:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 21:00:30 jeVdDyyD
 

104:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 21:00:55 lQ+dgo30
その光景を見てDボゥイは自分の迂闊さを呪う。
病院ならば治療器具がある……そう考えるのは怪我したものだけではない。
そう考えた手負いの者を狙って動く殺戮者も存在するのだ。
恐らくはあの全身が青い男と東洋風の格好をした男もそうなのだろう。
男を殺した二人組が男の死体に何かをしている隙に病院から離れたが、これからの予定は白紙に戻ってしまった。
―せめてあいつらがいれば。
Dボゥイの脳裏に浮かぶのはアキやノアルを初めとしたスペースナイツの仲間達。
信頼できる彼らがいれば、この少女を彼らに預けてあの危険人物たちと戦えるのだが―
だが、そこまで考えてDボゥイは己の思考をあざ笑う。

(まともな“人間”なら、まずこの殺し合いの戦場に彼らの名が無くて良かったことを喜ぶべきだろう。
 ……所詮俺もあの悪魔達と同類なのか)

その証拠に今もしもシンヤと……エビルと会ってしまえば、自分はきっとゆたかを見捨てて殺しあうだろう。
そんなネガティブな思考を止めたのは自分の手を握る小さい手の感触だった。
すでにかつての仲間を殺した、血塗られたこの手を包み込む少女の柔らかな両手。

「Dボゥイさん……怖い顔してます。
 その……辛いときこそ笑いましょう。きっと……大丈夫だって思えるはずですから……」

―これが先程まで知り合いの死を嘆いていた少女の姿だろうか。
絶望の中で笑顔を作るのは難しい。それはDボゥイが誰よりも知っている。
だからこそ、この笑顔には確かな力がある。
儚げで、今にも消えてしまいそうだがそれでも咲き続ける一輪の花のような笑み。
その笑顔を見て、感じていたネガティブな思考が霞のように消えていく。

「ああ……そうだな。ありがとう、ゆたか」

ゆたかの笑顔に応えるように、Dボゥイは唇の端を持ち上げる。
それは微かであまりにも不器用だったが、彼がこの戦場に連れてこられてから初めて見せる笑顔だった。

105:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 21:02:13 jeVdDyyD
 

106:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 21:03:06 mg28eVtp
 

107:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 21:03:20 BX9g5lAr


108:Beautifull Dreamer ~Smile Again  ◆DNdG5hiFT6
07/11/11 21:03:29 lQ+dgo30
【D-6/総合病院から少し離れたところ/昼】
【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:左肩から背中の中心まで大きな裂傷(出血は治癒、裂傷に伴う痛みは若干残っている)、吹き飛ばされたときに全身に打撲、中度の貧血
[装備]:テッカマンアックスのテックランサー(斧) @宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:支給品一式、月の石のかけら(2個)@金色のガッシュベル!!   
[思考]
1:しばらく潜伏した後、何処に向かうかを決める
2:テッカマンエビル、相羽シンヤを殺す
3:2を果たすためなら、下記の思考を度外視する可能性あり
4:兎に角、ゆたかと自分が休める場所(ある程度安全でベッドや布団のある場所)を探す
5:ゆたかを知り合いか信頼できる人物にゆだねる、つもりだったが迷い中。
6:仲間を探すべきか? だがこの戦場で本当に信用できる人間がいるのか?
7:ゲームに乗っている人間を殺す

[備考]
 :殺し合いに乗っているものはラダムと同じだと結論しました
 :テッカマンアックス撃破後、身体が蝕まれる前ぐらいを意識しました
 :ヒィッツカラルドの簡単に埋葬された死体の上にフィーロの帽子@バッカーノ! が置かれています。
 :六課メンバー、クロ達、リザの仲間達の情報を入手。
 :紙の詰まったトランクケースはD-7に放置されたまま。
 :青い男(ランサー)、及び東洋風の服装の男(戴宗)を危険人物として認識しました



【小早川ゆたか@らき☆すた】
[状態]:肉体的疲労小、精神的疲労中
[装備]:COLT M16A1/M203@現実(20/20)(0/1)、コアドリル@天元突破グレンラガン
[道具]:支給品一式、鴇羽舞衣のマフラー@舞-HiME、糸色望の旅立ちセット@さよなら絶望先生[遺書用の封筒が欠損]
      M16 アサルトライフル用予備弾x20(5.56mm NATO弾)、M203 グレネードランチャー用予備弾(榴弾x6、WP発煙弾x2、照明弾x2、催涙弾x2)
[思考]
1:辛くても笑わなきゃいけない気がする
2:なんで私泣いてたんだろう……?

[備考]
 :コアドリルがただのアクセサリーではないということに気がつきました。
 :夢の内容は今のところぼんやりとしか覚えていません

109:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 21:03:54 C0h99hcl


110:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 22:32:37 J9CfREN6
4 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 21:10:50 ID:???0
>>1
ラッド「自分は死なねぇっておもってんだろあぁ?」
糸色望「そんなワケないじゃないですか……
     人は、自分が想像だにしなかった展開が来るとGJと無責任にのたまいます。
     だから、『死なない、死なない』と思ってる人ほど死んで行くのです……」
     泥棒一家の最強剣士            → 即、図書館で消し炭に
     書き手補正付き人気作の主人公二人  → 粉砕 玉砕 大喝采
     あんまり活躍してない不人気主人公   → 不人気なまま昇天
     鋼のアニキ                  → ネタキャラの強武器で一撃死
     行動方針独特な忍者            → 方針を殆ど未遂で死
     得意武器、強武器を支給された異能者 → 強武器まさかの暴走
     最強サイボーグ猫              → 死に掛けにボカンと一発
     フラグを撒いて逃げたトップマーダー   → フラグを折られてカウンター死
     マーダーの僕になって生存フラグ     → 新しい僕が加入して捨てられる
     参加者を直接葬りに出た最強主催    → 蘇生したキャラの罠に嵌って死
     強い対主催と合流しようとした対主催   → 対主催の火炎に巻き込まれて死
     誤解フラグを振りまいて周辺を固めた人気ギャグ作品の主人公
                           →
           同作品内で唯一非マーダー。マーダー優遇の流れの中で死亡フラグ
糸色望「絶望した!超展開に絶望した!」
ラッド「……」
5 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 21:43:41 ID:???0
>>1
ところでラッドをこのロワで初めて知ったんだが
ラッド自身は自分の生死についてどう思ってるんだ?
「自分は死なない」と思ってる強者に平然と仕掛ける様子から、ラッドこそ自分が死なないと思ってるようなんだが
6 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 21:45:23 ID:???0
「自分は死なない」と思ってる強者に喧嘩を売り、それが自分より強くても。
「死んでも殺す」と本気で思ってたりする。
7 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 21:48:02 ID:???0
>>5
死んでもいいやと思ってるわけではないが、
命がけだからこそ殺し合いを心底楽めるって人みたい。
8 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 21:50:15 ID:???0
でも何だかんだで絶望先生はラッド好みな気がする俺
だってあの人、自殺未遂とか何度もしてるけど結局死ぬ気なんざさらさら無い構ってちゃんな訳だし
9 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 21:55:42 ID:???0
1934とかから、ラッド的に重要なのは『覚悟の有無』らしい。
戦場で子供を助けるタイプでも、背中を撃たれる事を覚悟した上でならよし、覚悟してないなら死ね、ってことで。
だから、ラッド本人は死ぬことを覚悟の上で喧嘩売ってるっぽい。どう見えるかは兎も角。
10 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:06:50 ID:???0
殺す殺されるのスリルを楽しむのがラッドの趣味みたいだなあ。
どっちかじゃないとイライラする王蛇の朝倉みたいなタイプ? と理解してた。
ラッドと、巻き込まれマーダーの絶望みたいなネタを最初に考えてた。
11 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:10:13 ID:???O
アニメ観ただけの感想だとスリルを求めるタイプに思えた
「やべーじゃん、俺殺されるかも」と危機感を認識しながらも笑顔で死地に飛び込むスリルジャンキー
12 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:13:50 ID:???0
純粋に『自分が殺されるとは夢にも思わない、緩み切った奴』限定の快楽殺人者、ってのが一番近いかなあ。


111:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 22:34:10 J9CfREN6
13 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:17:18 ID:???0
このロワでは割と無差別なスタンスだけどね
14 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:18:20 ID:???0
ラッドが仲間の死体踏みつけるシーンって原作になかったよね?
……たしか。
あれ解釈にちょっと困るのだけれど。
15 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:19:56 ID:???0
白服がやられても全く動じないどころかむしろハシャいでたから……まあ、解釈としてなくはない。
16 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:21:54 ID:???0
おそらく、スタート地点は>>12なんだとは思うよ。
でも、いざ殺し合い始めちゃったらもう楽しくて何でもいいや、ってなっちゃってる臭い。
17 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:22:55 ID:???0
自分は殺されない、と思ってるやつがごろごろしてるからなあ。このロワは。
だから命をかける覚悟を決めた正統派少年マンガなキャラは射程外?
18 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:24:53 ID:???0
そういう奴はむしろ尊敬する、って原作で言ってたな。
19 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:26:17 ID:???0
ギル相手なら即噛み付きそうだな
20 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:26:28 ID:???0
だがそういう奴はラッドとは無関係に早死にする罠
21 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:27:01 ID:???O
アニメだけだとちと微妙
22 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:27:17 ID:???0
エリオのことかー!
23 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:28:34 ID:???0
叔父貴に銃突き付けた時に、「傭兵みたいに覚悟がある奴を馬鹿にするなよ叔父貴ぃー」的な台詞なかったっけ?
24 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:36:08 ID:???0
>>22
やべえ。エリオ、ラッド、ランサー三人での会話妄想したら愉快過ぎるww
25 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:44:03 ID:???0
あと備考。
死んだ目をした男は苦手だから適当にあしらって射程外。
死んだ目をした女は好き。というのがある。
26 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:52:49 ID:???0
ああ、しまった。
ルーアはともかく、医者はアニメじゃ出てなかったっけか。
27 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:55:52 ID:???0
>>14
あれは、血溜りの上で足踏みしてただけだ。
>>23
アニメ版ではカットされた台詞だな。
「死ぬことを覚悟して戦っている連中を殺しても何も面白くない」って。
28 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 22:58:56 ID:???0
や、一番最初に死んだ白服。名前忘れたけど。めっさぐりっと踏んづけて通ってたけど。
29 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 23:01:57 ID:???0
出来るだけアニメで分かる情報だけでお願い
原作を理由に修正要求されても難しいし
30 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 23:03:18 ID:???0
目玉踏んづけてたな。
アニメは見て無いけど、もしクレア戦で死んだ仲間の敵討ちの台詞がなければ、
死体は物でしかない、とか思ってそうだ。


112:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 22:35:50 J9CfREN6
31 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 23:06:11 ID:???0
つまり覚悟完了していればラッドに狙われることはないのか
32 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 23:07:35 ID:???0
ピッキーのことか。
そういえば、仲間と言えど死体は随分ぞんざいに扱っていたな。
あまり死体に対して敬意を払うタイプじゃないんだろうなラッドは、多分。
33 :やってられない名無しさん:2007/11/04(日) 23:25:35 ID:???0
意外に衝動的な殺しはしてないからな。クレアに対しては敵意むきだしだったけど。
死体に関してもかなりシビアそうだ。
34 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 00:33:10 ID:???0
感想で言うべきな気もするが、どうもこっちで発言してしまう……イカンなあ。
そろそろ皆で移住すべきだよなあ……帰巣と言うか……まあいいや。言っちゃえ。
現状、「朝」で止まってるパートが多いけど、その実「午前」と言ってしまってもいい組が多いと思う。
例えば、絶望組みは「朝」だけど、ミー君とのすったもんだで時間が経過した、ということで次のSS始まりを「午前」に出来る、というように。
時間ワープ(?)が出来る組がそれなりにあるんだよね。
とはいえ、未だ早朝のロイド、朝の時点でイベントが始まったカミナとかはワープ出来ないんだけど。
逆に言えば、そういう作中時間で取り残されてる奴、ってのを探してサルベージしてやるのも大事かな?
35 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 00:38:47 ID:???0
>>34
大事すぎるから困る。
通称つなぎという作業なんだけど、大きく変動するわけでもないから書き手にとっては
ロイドみたいなパートは倦厭されがち。
ロイドしらないんだよなあ。
36 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 00:44:30 ID:RW2Uopyc0
せめて「ロイドが何か作業をし続けている」みたいな描写があれば、放置してても問題少ないんだけどなあ……
放置の最大の問題ってのは、その空白の時間、そのキャラが一体何をしていたのか? って事だから。
その理屈で言えば、海を漂う不死者や、重症死にかけで意識不明の無能大佐なんかは、まだまだ放置されても問題無さそうだったんだがなw
37 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 00:47:13 ID:???0
ロイドが倦厭されてると思われる理由
・口調や思考が独特で、単純にキャラとして描写が難しい(コードギアスに精通していてもなかなか書けるものじゃない)
・現状待機、周りに人も居らず、絡めそうなのは学校に向かっている舞衣だけ(ネタがないと『おもしろい話』が書きづらい)
・単純な繋ぎなら書けるだろうが(スザク死亡のリアクションを取らせるだとか)、それだけに終わってしまうため、誰かが率先して書こうとはしない。なぜなら書き手はおもしろさを追及する生き物だから。
エドもロイドと同タイプなはずなんだけど、あっちは周りに人がいるからなぁ……
せめてシンヤがサラマンダーしてなきゃ今頃は首輪解析話の一つでも作れたのに。
38 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 00:51:51 ID:???0
ここで言うには重過ぎる意見っすね。死亡者数考えるとそんなに繰り上げていいもんか考えもの。
焦るようなものかどうかよくわからない。
まあ繋ぎだったら俺が書くし。とかいってみる。
39 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 00:55:35 ID:???0
南の方の学校にあった『各参加者の伝記』みたいなのを図書室で読み続けていたというのはどうだろうか?
40 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 00:59:46 ID:RW2Uopyc0
まあ、実際は「寝てました」ってのでも別に良いんだけどね。
パロロワの参加者共は、幾ら極限状態だからって不眠不休で動きすぎだ。
労働条件の改善を要求します!!
41 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 01:04:12 ID:???0
問題は解析が早く進みすぎても展開的に困るということ。技術者系が専念し始めちゃったら逆に大変だなあ。
さて、性格把握は難しいけどネタ帳だして書きはじめるかな。
42 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 01:27:41 ID:???0
学校と言えば、金ピカと悪徳神父の方もどうしたものか……。
10年来の付き合いがあるって設定だけど、こいつらアニメでは一言も言葉を交わしてないんだよなー。

113:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 22:37:25 J9CfREN6
43 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 01:34:09 ID:???0
>>37
>・口調や思考が独特で、単純にキャラとして描写が難しい(コードギアスに精通していてもなかなか書けるものじゃない)
個人的にはこれに尽きるな
見てる分には面白いんだが、いざ書くとなるとお手上げだ…
ギアスは見てたし、ルルやカレンやマオならまぁ書ける自信はあるんだが、ロイドは独特すぎて
ああ、グレンラガンのリーロンだったらもう少し扱いやすかったのに…今更言っても詮無き事だけどさぁ
ネタ的には、携帯電話とか黒板とかあるけどやっぱ難しい所さね
44 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 01:42:39 ID:???0
とりあえず、今のうちに解析技能持ちとかを上げとかないかい?
科学者スキルを持つロイドが扱いにくいとかいう理由でズガンされないうちに把握しておきたい。
とりあえず、アルとエド(ビバップ)しか自分は知らない。
45 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 01:43:28 ID:???0
彼にだいぶ有効に使えそうな素材が多くあるからこそ、逆に扱いが難しい。
解析関係はもう少し手順を踏まないと、バランスブレイカーとなりかねない。
エドはまあちょうど脱出には関係なさそうな部分からのアプローチだからなあ。
46 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 01:47:06 ID:???0
まあ俺は不遇なキャラ好きだから、ズガンする気はさらさらないけどね。
47 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 03:07:20 ID:???0
1stのグリフィスのように、いつ何時空気キャラが化けるかはわからない。
>>43みたいな意見が、書き手全員の悲鳴だというんならまずいけど。
48 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 03:22:02 ID:???0
また現状空気でも化ける素材がいくらでもいるから面白い。終盤まで生き残れるのはほんの僅かだけど。
そういう奴を動かしやすくするのも面白い。
49 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 06:23:48 ID:???0
ロイドのネタが無かったらこんなのあるよ。首輪解除要員だし。
放送でロージェノムが『幼き少女が、螺旋の力に目覚めたのを、この目で見られたのだからな』
と言ってて、この目で見られたのだから、ってことは当然なんらかの方法で見ていると。
そしてOPで、実験に支障を来たす様な行動を取れば、首輪が爆発するとあり、
首輪を外そうとする行為はこれに該当すると思われ、その点はしっかり監視されているはず。
つまり首輪を解除するには監視の目をくぐらないといけない。
一体どんな方法で見ているのだろうか。
こんな感じ。自分では初心者すぎて書ききれない。
50 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 06:41:07 ID:???0
理論的な解析は出来そうだが、不器用な清麿
自力で強力なブーメランや爆弾を作成するマタタビ
普段からゴーくんの手伝いをしてそうなミーくん
テッカマン組も多少の工学には精通してるかな、宇宙船の乗り組員だし
51 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 08:33:10 ID:???0
アニメ未見なんだけど、シロウは設計図把握が異常に得意って特技がなかったっけ?
解除の状態まで持っていくのは難しくても、内部構造の把握には十分役立つはず。
52 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 08:47:29 ID:???0
アニメでもやってるな
構造を三次元的なビジュアルとして把握するって感じだった
あれはまんま立体スキャンだな
53 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 09:25:44 ID:???O
東方不敗なら爆発するより速く引きちぎれるような気がする
54 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 09:37:15 ID:???0
>>53
いや、それできないように能力制限するんだよ。
55 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 09:37:25 ID:???O
つ制限
56 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 09:59:52 ID:???0
地図見てて思ったんだが
元消防車組の位置おかしくない
あの位置のままだと
消防車が止まってる道路は西よりにあるはずだから
ジン達は埃の立ち込めてる間に300m近く移動したことになるし
シンヤは東方が襲撃した間も逃げてるはずが100mも移動してないことになる

114:金ぴかと本と熱血格闘家とあたし ◆tu4bghlMIw
07/11/11 22:39:28 rQrx3fVv
「ねぇ、金ぴか」
「何だ蜘蛛女」
「そろそろ……さ。掘り出して貰いたいんだけど」

この<<蜘蛛女>>という呼称にも大分慣れて来た体感時間でいう多分九時くらい。
あたし―結城奈緒は暗闇の中、本のベッドに寝転んでいた。
あーいや、訂正。
うん、正直相当に意味の分からない話だと思うんだけど、落ち着いて聞いて欲しかったりする。

ぶっちゃけ本の山の中に『埋れて』いる。
……いや、マジで。



全方位三百六十度。四方が闇。
別に宇宙空間に一人取り残された訳でもないし、少しぐらい光明があっても良いものだがソレさえ皆無。
隙間から漏れてくる筈の光さえ別の本に掻き消され、どうしようもない状態だ。
パズルみたいにきっちりと足の間やら手の上に本が積み重なって身動きも取れない。

しかも逆さまである。
体位的には倒立というかその、えーとアレだ。
なんかあの古い映画のワンシーンを思い出す。主役の名前は……えーと何だっけ。
ああ、金田一! そういえば、名簿にも同じ苗字の奴がいた気がする。確か【金田一一】だったか。
一が二つも重なってバランスの悪い名前だと鼻で笑った記憶がある。

さて、こんな最悪な状況である。とりあえず金ぴかに助けて貰わない事には始まらない。
とりあえずは下手に出て様子を見るべきか。


「だが断る」
「な―ッ!? まだそんな事言う訳!?」


あたしはどこに居るかも分からないアホに向かって、声を荒げた。頭に血が昇る。
ソフトに対応しようなどと言う意識は一瞬で霧散した。
というか、何故あたしがこれ程気を遣わなければならないのだろう。
大体、こんな事になったのも、全てゴールデン馬鹿ことギルガメッシュが悪いのだから。


検分などと称して、いきなりデイパックの中身を床にぶちまけたのが事の始まり。
四角形の口から飛び出してきたのは本本本本本本本本本本本、とにかく本。本の嵐だった。
この四次元何とかにも似た荷物入れにはどうも、中に入っている物の体積を調整する力があるらしい。
金ぴかは命の愛剣である巳六なんかもココに入っていたと言っていたし、今現在あたしのデイパックの中にも何か変なものがゴテゴテ付いた趣味の悪い巨大十字架が入っている。

本の波に飲まれたあたしは今、腕や足をまともに動かす事も出来ない。
エレメントを起動してあたり一面微塵切りにしてやってもいいが、そんな事をすれば本の崩落で下敷きになってしまうのは火を見るよりも明らかだ。
故に最善の脱出策は金ぴかに掘り出して貰う事。コレは譲れない。
それなのに、この王様と来たら……、


「貴様は我の家臣だろう。なればこの程度の逆境、自らの力でどうにか出来て貰わなければ困る。
 そもそも書物の濁流に飲まれるなど油断していた証拠。恥を知れ」



115:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/11 22:39:39 J9CfREN6
57 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 10:42:49 ID:???0
>>56
そういうのはしたらばの方で突っ込んだ方がよくないか?ここ書き手は見ていない、って建前だし。そういう書き手もいるだろうし
58 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 11:37:59 ID:???O なんか移動方向が決まってるキャラが多くて展開に幅が出しにくいなぁ。
59 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 11:48:10 ID:???0
本人達からすればどこに向かおうか、というのはワリと死活問題だから。怪我人がいたら病院。建物が近くにあったらとりあえず行ってみよう。端っこなら中央へ。そういった具合に行動しちゃう。
はやてなんかはモノレレールを使わないと判断しているから
完全に移動手段が限られてるし。
60 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 12:01:33 ID:???O微妙に毒。 そいつら四人で予約したらますますロイドが孤立して空気になるじゃん……
61 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 15:22:57 ID:???0空気キャラが出てしまうのは仕方のないこと
62 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 15:29:46 ID:???0 ロイド
マオ
アレンビー
ニア
奈緒
が投票数で言うボーダーラインギリギリの12票だな
マオとアレンビーと奈緒は良い位置をゲットした印象
63 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 15:43:54 ID:???0
>>61
空気キャラが後半大活躍とかはよくあること。
それを期待しているロイドスキーがここに。
……読み専だがね!
64 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 19:40:33 ID:???0
士郎、なつき、ウルフウッド、衝撃のアルベルト
士郎オワタな展開しか思いつかんwww
65 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 19:43:00 ID:???O
逆に考えるんだ
誰が士郎をオワタさせるのかを考えるんだ
66 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 19:43:47 ID:???0
>>64
むしろ俺は空気化しそうななつきが気がかりで気がかりで
67 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 19:44:02 ID:???0
俺は逆だな
後ろ二人がどうにも相容れない感じでぶつかりそうだ
68 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 19:46:56 ID:???0
最近マーダー優遇されすぎって意見が出てるから士郎生き残れるかもわからんよ。
痛み分けで因縁だけつけても面白いかも。とりあえずwktkして待っとくか。
69 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 19:48:00 ID:???0
この面子でなつきだぜ?
どう考えても足を引っ張るか、見てるだけ
70 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 19:58:55 ID:???O
では俺はこの面子でなおエロ担当の務めを果たすと予想しておく
71 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 20:07:56 ID:???0
こんなことを言ってるとなつきが逝きそう。
72 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 20:11:51 ID:???0
なつきが逝けばもれなく会長がマーダーになりV様ピンチ。
と、久々の戦闘の臭いにwktkするのはわかるが、展開予想はほどほどにしておこうぜ。
73 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 20:13:03 ID:???O
大丈夫、書き手は見てないという設定だから。
74 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 21:12:53 ID:???0
俺はマーダーの活躍に期待してwktkして待っていよう
75 :やってられない名無しさん:2007/11/05(月) 21:17:32 ID:???0
>>73それはギャグで(ry
あー……ギャグじゃないとしてもだ、「書き手が見てない」という建前を一々盾にして、好き放題語るのは自重すべきだと思うよ。っていうか、実際ほとんどの書き手見てるだろうし。書き込んでもいるだろうし。
毒吐きだからって展開予想が許容されるのはまずい。詳しく1stツチダマの過去ログで。
……これも定期的にループする話題だなぁ。
感想雑談スレよりこっちのが全然レス数多いし、どうにかならないものか。


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