アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ5at ANICHARA
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ5 - 暇つぶし2ch88:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:32:08 ESJ1iZlh
「う~ん、おかしいなぁ……」
「どうしたんですか、アイザックさん?」
「この地図さ。いいか、俺たちが今いるのはこのC-3ってところだろ。で、俺たちが目指してのはこの右下にあるE-4にあるゴミ処分場だ。
 最短ルートでゴミ処理場に行くには、この青い橋を渡ればいいんだろうけど、その橋が見当たらないんだよなぁ」
「ああ、それなら上ですよ、上。私たちの上にあるあれが、地図上の青いライン、つまり高速道路です。橋じゃありません」
「上? ……ああ、あれか! あんな高いところにあるから、俺はてっきり、鳥が羽を休めるための休憩所だと思っていたよ!
 いやぁ、アメリカの国道と比べて随分変わってるんだなぁー。カフカの国じゃあれが普通なのかい?」
「日本じゃ普通ですけど、アメリカでも普通だと思いますよ」
「え、そうなのか? つい最近リンカーンハイウェイが国道に変わったばかりだと思ってたのに、時代が進むのは早いんだなぁ」
(高速道路も知らないなんて、きっとその辺の記憶もなくなっちゃってるんですね)
「なにはともあれ、あそこを渡っていけばD-3まで行けるんだな!
 そんでD-3まで行った後はぁ、また高速道路を降りてゴミ処理場まで行けばいいわけだ!」
「ええ、そのとおりです!」
「ん……でも待てよ、あんな高い場所にある道路、いったいどうやって上ればいいんだ?」
「簡単です、入り口から入ればいいんですよ」
「おいおい、入り口って言ったって、道路にドアなんか付いてるはずないだろ?」
「入り口が全てドアというわけではありませんよ。高速道路の入り口は坂になっているんです」
「坂? もしかして上り坂か?」
「そうです。ほら、ちょうどあそこに曲がりくねった勾配が見えるでしょう?」
「おぉ、ホントだ! スゲーな、坂道まで螺旋型になってるのか! 俺の親父って、かなりの凝り性なんだなぁ」
「あそこから高速道路に上れるようになってるんですよ。アイザックさん、走りましょう!」
「おー! ……いや、でもちょっと待ってくれ。俺たちが渡ろうとしているのは道路なんだろう?
 でも俺たちは車を持っていない。つまり、歩くことしかできないんだ。そんな俺たちが、道路を渡っていいのか?」
「なるほど、その疑問はもっともですね……でも問題ないですよ! ポロロッカ星規定の高速道路が車両限定とは限りません!
 もし誰かに怒られても、アイザックさんはポロロッカ星の王子様なんですから、全然大丈夫です!」
「そっか、そうだよな! よーし、そうと決まればさっさと行こうぜカフカ!」
「はい!」

 こうして、風浦可符香とアイザック・ディアンは螺旋状に上る勾配を目指す。


 ◇ ◇ ◇



89:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:32:16 KO9R9VJe
たしかに、したらばの中ですら空気よめてねーなこの親父はwwwwwww

90:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:32:58 ifGa1j2e
 

91:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:33:43 SQ05BcgQ
 

92:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:33:47 ESJ1iZlh
「九人、か……知った名前が呼ばれなかったのが幸いだけど、クソッ、もう九人も犠牲者が出ちまったのか」
「チェス君たちやケンモチさんたちも無事みたいだね。きっとみんな、悪い奴らを成敗して回ってるんだよ!」
「う~ん……まぁ、オッサンや明智さんが殺し合いに乗るはずもないだろうし、高遠は活発に動き回るタイプじゃないしな……
 とりあえずみんなの無事は確認できたけど、また六時間したら放送がやってくる。
 その前にミリアさん、早く知り合いたちを捜して、ここから脱出するための作戦を考えましょう」
「頼れる仲間たちだね! 力を合わせて悪い奴らをやっつけるんだね!」
「……うん、まぁ、間違っちゃいない……かな。というわけで、早く映画館に向かいましょう!」
「どうやって行くの? 地図を見ると途中に川があるみたいだけど、泳いで渡る?」
「ボートでもありゃ渡れるだろうけど、もしそんなところを狙われでもしたら対処しようがないしなぁ。
 よし、ここは高速道路を経由しよう。人通りが少ない道を選んだほうが、何かと安全だ」
「でもでも、街を捜しながら歩いたほうが、アイザックたちに出会えるかもしれないよ?」
「それはそうだけど、殺人者に遭遇する危険もありますから……天秤にかけたら、リスクが低くてより速く辿り着けるこっちのほうがいいですよ」
「ナンバーワンよりオンリーワンってことだね!」
「はは、それはなんか違うような……」
「でもでも、高速道路って私たちの頭の上にあるあのでっかい道路でしょ? あそこまではどうやって行くの」
「それは……もちろん、飛んで行くんですよ!」
「すっごーい! ハジメ君、実はスーパーマンだったんだね!」
「わー! うそうそ、嘘です! 今のはほんの冗談、飛べなんかしませんって!」
「えー……なんだぁ」
(軽い冗談でも、すぐ真に受けるんだなこの人……純真っていうか)
「じゃあ、どうやって上るの?」
「俺の推理……ってほどじゃないか、勘だと、もう少し進んだ先に入り口があるはずです。
 高速道路ってのは車のための交通ルートだし、わざわざ殺し合いの会場に設置する意味が掴めない。
 車を運転できる人間がそんなにいるとも思えないし、そもそも車がそんなに簡単に入手できるはずもない。
 俺たちが普通に利用できるよう、入り口は多目に作ってあると思います。たぶん最低、1エリアに一つくらいは」
「へぇ~……あ、見て見て! ハジメ君の言うとおり、あそこから高速道路に入れるみたいだよ!」
「ビンゴ! よっしゃ、行きましょうミリアさん!」
「レッツゴ~!」

 こうして、金田一一とミリア・ハーヴェントは螺旋状に上る勾配を目指す。


 ◇ ◇ ◇



93:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:35:25 SQ05BcgQ
 

94:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:35:47 nW0/cS3c
 

95:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:35:52 ESJ1iZlh
 二つの磁石は全身が同極同士であるかのように、偶然に、いやむしろ必然的に、いやもしかしたら運命的に。
 互いと互いを引き寄せ合い、そして―出会う。

「おーい、どうしたんだよカフカ! そんなスピードじゃ、マフィアからも警察からも逃げられないぜ!」
「待ってくださいアイザックさん! 前のほう、私たちと同じように、高速道路の入り口に走ってくる人影が見えます!」

 片方の磁石が前を走り、それに付き添う少女がもう片方の放つ磁力に気付く。

「スゴイね~あの坂、うずまきみたいにクネクネしてるよ! 上ったら目が回らないかな!?」
「待ってミリアさん! 前! 俺たちと同じように、高速道路に向かって走ってくる奴らが……な、裸の変質者!?」

 片方の磁石が前を走り、それに付き添う少年がもう片方の放つ磁力に気付く。

「前? まさか、門番の人が見張ってるのか!?」

「裸? 大変! こんな寒空の下で裸なんて!?」

 そして、二つの磁石は互いの放つ磁力に気付き―自然と。


「ミィィィリィィィアァァァ~!」

「アァァァイザァックゥゥゥ~!」


 …………こうして、仮装泥棒の名で知られる二人のカップルが再会を果たした。
 それは運命の再会などという陳腐なものでも、引き離された二人の愛の力などでもなく、ただの偶然である。
 ゴミ処理場と映画館という近くの施設を目的地に定めたこと、移動ルートに高速道路を選んだこと。
 小さな偶然が幾重も重なった結果が、二人の男女を再び引き合わせた。ただ、それだけのこと。


「あの人がミリアさん! ポロロッカ王子であるアイザックさんの婚約者! 不幸なジュリエットですね!」
「…………あ、あの男の人がアイザックさん? つーか……なんでハダカ?」

 二人の同行者は、見せ付けるようなカップルの抱擁に、片や感動し、片や唖然としていた。


 ◇ ◇ ◇



96:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:35:58 UbBIuMAz
 

97:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:37:02 SQ05BcgQ
 

98:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:37:09 nW0/cS3c
し、支援なんてしてあげないんだから!

99:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:37:07 elrLNWTS
「う~ん、おかしいなぁ……」 「どうしたんですか、アイザックさん?」
「この地図さ。いいか、俺たちが今いるのはこのC-3ってところだろ。で、俺たちが目指してのはこの右下にあるE-4にあるゴミ処分場だ。

( ここになんか説明入れたほうがいいですよん)

 最短ルートでゴミ処理場に行くには、この青い橋を渡ればいいんだろうけど、その橋が見当たらないんだよなぁ」


「ああ、それなら(ここにも説明)上ですよ、上。私たちの上にあるあれが、地図上の青いライン、
つまり高速道路です。橋じゃありません」

(自分で見ていればわかるでしょうけど、人にはこの説明じゃわかりませんよ


「上? ……ああ、あれか! あんな高いところにあるから、俺はてっきり、鳥が羽を休めるための休憩所だと思っていたよ!

(んなわけないだろ?もうちょっとかんがえろ)

 いやぁ、アメリカの国道と比べて随分変わってるんだなぁー。カフカの国じゃあれが普通なのかい?」
「日本じゃ普通ですけど、アメリカでも普通だと思いますよ」
「え、そうなのか? つい最近リンカーンハイウェイが国道に変わったばかりだと思ってたのに、時代が進むのは早いんだなぁ」
(高速道路も知らないなんて、きっとその辺の記憶もなくなっちゃってるんですね)

(心情の説明は鍵括弧で逃げるな)

「なにはともあれ、あそこを渡っていけばD-3まで行けるんだな!
 そんでD-3まで行った後はぁ、また高速道路を降りてゴミ処理場まで行けばいいわけだ!」

(何がそのとおりなんだかわからないぞ♪)

「ええ、そのとおりです!」
「ん……でも待てよ、あんな高い場所にある道路、いったいどうやって上ればいいんだ?」
「簡単です、入り口から入ればいいんですよ」
「おいおい、入り口って言ったって、道路にドアなんか付いてるはずないだろ?」
「入り口が全てドアというわけではありませんよ。高速道路の入り口は坂になっているんです」
「坂? もしかして上り坂か?」
「そうです。ほら、ちょうどあそこに曲がりくねった勾配が見えるでしょう?」
「おぉ、ホントだ! スゲーな、坂道まで螺旋型になってるのか! 俺の親父って、かなりの凝り性なんだなぁ」
「あそこから高速道路に上れるようになってるんですよ。アイザックさん、走りましょう!」
「おー! ……いや、でもちょっと待ってくれ。俺たちが渡ろうとしているのは道路なんだろう?
 でも俺たちは車を持っていない。つまり、歩くことしかできないんだ。そんな俺たちが、道路を渡っていいのか?」
「なるほど、その疑問はもっともですね……でも問題ないですよ! ポロロッカ星規定の高速道路が車両限定とは限りません!
 もし誰かに怒られても、アイザックさんはポロロッカ星の王子様なんですから、全然大丈夫です!」
「そっか、そうだよな! よーし、そうと決まればさっさと行こうぜカフカ!」
「はい!」

 こうして、風浦可符香とアイザック・ディアンは螺旋状に上る勾配を目指す。


 ◇ ◇ ◇


100:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:37:22 ESJ1iZlh
 同極同士の磁石は互いに引き合い、当たり前のようにその身を重ねる。
 だが忘れてはならない。磁石とは本来、鉄や金属など周囲の物質を引き寄せる性質を持ったものだ。
 合わさった磁石は、これまでにも色々なものを引き寄せてきた。

 あるときは、駄目な兄を真摯に慕う小さく健気なお嬢様を―
 あるときは、どうしようもない人間のクズとその同類等を―
 あるときは、某錬金術師によって作られたホムンクルスを―
 あるときは、若輩ながらカモッラの幹部に昇進した少年を―
 あるときは、弱気なリーダーの率いる不良グループたちを―
 あるときは、恐れから全てを敵として見る不死者の少年を―

 彼と彼女が二人一緒にいるだけで、周囲の環境は目まぐるしいほどに変化する。
 まるで、世界が彼と彼女を中心に回っているかのように。
 もちろん本人たちにそのような自覚などないが、特に問題ではない。
 ある者には幸福を、ある者には改心の機会を、ある者には笑いを。
 強盗でありながら、やっていることはまるで天使のような、そんな二人。

 アイザック・ディアンとミリア・ハーヴェント。
 二人が今後、周囲の人間たちにどのような影響を与えるかは―まあいい。

 そんな先のことを思うより、この二人にとっては、なによりも『今』が大切なのだ。
 引き離された惨劇の舞台、それを僅か六時間足らずで再会に至らせた。
 今は、素直にこの喜びを噛み締めるべきだろう。


 ◇ ◇ ◇



101:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:38:38 elrLNWTS
 二つの磁石は全身が同極同士であるかのように、偶然に、いやむしろ必然的に、いやもしかしたら運命的に。
 互いと互いを引き寄せ合い、そして―出会う。 (無駄な比ゆは余計に心情をこんがらせるぞ♪)

「おーい、どうしたんだよカフカ! そんなスピードじゃ、マフィアからも警察からも逃げられないぜ!」
「待ってくださいアイザックさん! 前のほう、私たちと同じように、高速道路の入り口に走ってくる人影が見えます!」

 片方の磁石が前を走り、それに付き添う少女がもう片方の放つ磁力に気付く。
 (せりふおおすぎだ♪)

「スゴイね~あの坂、うずまきみたいにクネクネしてるよ! 上ったら目が回らないかな!?」

(お前はなにをいってるんだ?)

「待ってミリアさん! 前! 俺たちと同じように、高速道路に向かって走ってくる奴らが……な、裸の変質者!?」

 片方の磁石が前を走り、それに付き添う少年がもう片方の放つ磁力に気付く。

「前? まさか、門番の人が見張ってるのか!?」

「裸? 大変! こんな寒空の下で裸なんて!?」

 そして、二つの磁石は互いの放つ磁力に気付き―自然と。

(だから磁石とか妙なたとえはいらないよ)


「ミィィィリィィィアァァァ~!」

「アァァァイザァックゥゥゥ~!」


 …………こうして、仮装泥棒の名で知られる二人のカップルが再会を果たした。
 それは運命の再会などという陳腐なものでも、引き離された二人の愛の力などでもなく、ただの偶然である。
 ゴミ処理場と映画館という近くの施設を目的地に定めたこと、移動ルートに高速道路を選んだこと。
 小さな偶然が幾重も重なった結果が、二人の男女を再び引き合わせた。ただ、それだけのこと。


「あの人がミリアさん! ポロロッカ王子であるアイザックさんの婚約者! 不幸なジュリエットですね!」
「…………あ、あの男の人がアイザックさん? つーか……なんでハダカ?」

 二人の同行者は、見せ付けるようなカップルの抱擁に、片や感動し、片や唖然としていた。


 ◇ ◇ ◇



102:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:38:58 SQ05BcgQ
  

103:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:39:00 ESJ1iZlh
 しばしの抱擁が終わり、寒空に裸身を晒す男アイザックと、それに微塵の嫌悪感も抱かず受け止める女ミリアが、改めて再会を喜び合う。

「ずいぶん捜したんだぞミリア~! 俺はもう、六時間もミリアに会えなかったのが寂しくて寂しくて……」
「私もだよアイザック~! でもでも、私はそんなには寂しくなかったよ! だって、アイザックならすぐに私を見つけてくれるって信じてたから!」
「もちろん、俺もすぐにミリアが見つかるって信じてたさ! なんてったって、俺とミリアは長いなが~い紐で繋がってるんだらからな!」
「運命の赤い糸だね!」
「そう、それだ! まぁ途中、柄の悪いマフィアたちに襲われたりしたけど、そこは俺の自慢の百丁拳銃で見事撃退さ!」
「すっごーい! さすがアイザックだね!」
「あ、でも命は取ってないなぜ。悪い奴ををやっつけるのも大事だが、ミリアを早く捜すほうがもっと大事だったからな!」
「殺さずの精神ってヤツだね! そして愛は地球を救うんだね!」

 嬉しそうに互いに手を取り合い、でたらめなステップでダンスを踊るカップル二人。
 その幸せすぎる空間は絶対の不可侵領域で、好んで立ち入る者など、地球上を探しても存在しないだろう。
 いい例が、ミリアの同行者であった金田一一だ。
 殺し合いの舞台で、裸身の変質者と初遭遇。
 普通なら警戒して然るべき場面だったが、ミリアの浮かれぶりが想定外すぎて、口を開けてポカーンと立ち尽くしていた。
 一方、アイザックの同行者であった風浦可符香は、常の性格もあって唖然とはしなかったものの、空気を読んだのか、しばし二人の踊りを傍観していた。
 そして二人が舞踏を中断し再び抱擁を始めると、タイミングを計ったかのように目を輝かせた。

「あなたがミリアさんですね! 事情は聞いています、だから安心してください!
 ポロロッカ星の王子であるアイザックさんと愛し合い、泣く泣くポロロッカ王さんに引き離された不幸なジュリエット!」
「ジュリエット? 違うよ。私はミリア、ミリア・ハーヴェントだよ?」
「かわいそうに! やっぱりミリアさんもアイザックさんと同じように、記憶を失っているんですね!」
「記憶を失っている? 私が? アイザック、いったいなんのこと?」
「実はなミリア、話せば長くなるんだが…………かくかくじかじかごにょごにょごにょ…………」
「…………えぇえぇー!? アイザックって、実はえいりあんだったのぉ!?」
「ああ。実はそうだったらしいんだ……いやぁ、ビックリだよな! これが実は、俺の親父が課した愛の試練だったなんてさ!」
「まるで映画みたいだね!」
「どこかでカメラが回ってるかもしれないな!」
「銀幕デビューだね!」
「それはそうとミリアさん、あちらの方はどなたですか? 見たところ、私と同じ日本人みたいですけど」

 快活すぎるアイザックとミリアの会話に、可符香はナチュラルに介入して言う。
 可符香に指差された一は未だこの現場に順応できておらず、一人ローテンションのまま取り残されていた。

「あの子はキンダイチハジメ君! 一緒にアイザックを捜してくれてたの! すごいんだよ~。いーっぱい事件を解決した、名探偵なんだって!」
「め、名探偵だって!? ……おいおいミリア~、それはちょーっとマズイんじゃないか?」
「え? どうして?」
「だって、名探偵っていったら正義の味方だろ? シャーロック・ホームズみたいなのだろ? でも俺たちは強盗だぜ?
 強盗は悪いことだ。彼がホームズだとしたら、俺たちはモリヤーティ教授だ。もしバレたら、捕まっちゃうかもしれないぜ?」
「だいじょーぶだよアイザック! たしかに私たちいろんなものを盗んだけど、この前イブちゃんの悩みを解決してあげたじゃない!」
「ああそうか! 罪滅ぼしってことで、最近は悪いヤツらからしか盗んでなかったもんな! それで俺たちの罪もチャラってわけか!」
「そういうことだよ!」
「そういうことか!」

 腹の底から大笑いするアイザックとミリアの二人は、見るからに楽しそうだった。いや、実際楽しくてしかたがないのだろう。
 生まれながらに笑い上戸だったり、職業柄笑顔が見に染み付いてしまっている人間はたまにいるが、この二人はそのどちらでもない。
 物事を決して悲観的に考えず、考えようとしても片方が楽観的意見でカバーする。そんな絶妙なコンビ具合。
 その調和が見事に嵌っているからこそ、ああやって殺し合いの最中でも大笑いすることができる。
 こういうのを、なんと言い表せばいいのだろう……ああ、そうだ、バカップルだ。

104:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:39:48 elrLNWTS
 同極同士の磁石は互いに引き合い、当たり前のようにその身を重ねる。
 だが忘れてはならない。磁石とは本来、鉄や金属など周囲の物質を引き寄せる性質を持ったものだ。
 合わさった磁石は、これまでにも色々なものを引き寄せてきた。

(だからレベルのひくい比ゆならいらないよ)

 あるときは、駄目な兄を真摯に慕う小さく健気なお嬢様を―
 あるときは、どうしようもない人間のクズとその同類等を―
 あるときは、某錬金術師によって作られたホムンクルスを―
 あるときは、若輩ながらカモッラの幹部に昇進した少年を―
 あるときは、弱気なリーダーの率いる不良グループたちを―
 あるときは、恐れから全てを敵として見る不死者の少年を―

 (高いレベルと自負するのはわかるけど、しろうとめにも― が多すぎじゃねーか?)

 彼と彼女が二人一緒にいるだけで、周囲の環境は目まぐるしいほどに変化する。
 まるで、世界が彼と彼女を中心に回っているかのように。
 もちろん本人たちにそのような自覚などないが、特に問題ではない。
 ある者には幸福を、ある者には改心の機会を、ある者には笑いを。
 強盗でありながら、やっていることはまるで天使のような、そんな二人。

 アイザック・ディアンとミリア・ハーヴェント。
 二人が今後、周囲の人間たちにどのような影響を与えるかは―まあいい。

 そんな先のことを思うより、この二人にとっては、なによりも『今』が大切なのだ。
 引き離された惨劇の舞台、それを僅か六時間足らずで再会に至らせた。
 今は、素直にこの喜びを噛み締めるべきだろう。


 ◇ ◇ ◇



105:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:40:19 UbBIuMAz
 

106:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:40:26 ESJ1iZlh
「つまり、金田一君は今回の入国試験が始まってから、ずっとミリアさんと一緒だったわけですね?」
「うん、そうだよ」
「なるほど……わかりました! アイザックさん、ミリアさん、お二人はしばしの間、再会の喜びを分かち合っていてください!
 私はその間、金田一君と大事なお話をしなくてはなりません!」
「大事なお話? 俺たちは混ぜてくれないのか?」
「お二人には秘密の内緒話です。秘密で内緒だから、お話できません」
「そっかぁ……秘密で内緒なお話なら、仕方がないね」
「まぁ、秘密で内緒なら仕方がないな。…………あそうか! ミリア、ちょっと耳を貸すんだ」

 ハッと閃いたアイザックは、可符香に聞こえぬよう、そっとミリアに耳打ちする。

「いいか? たぶんカフカは、ハジメと一緒に俺たちの再会を祝ってくれようとしてるんだ」
「お祝い? ひょっとしてパーティーの準備かな?」
「たぶんそれだ。で、カフカは俺たちをビックリさせるために、ハジメと協力して秘密裏にパーティーの準備を進める気なんだ。
 秘密で内緒な話ってのは、きっとその計画の内容について話すつもりなんだよ」
「わぁ! サプライズパーティーってヤツだね!」
「だからミリア、俺たちはカフカたちの計画に気付かないフリをするんだ。もし気付いてるってバレたら、向こうがガッカリしちゃうからな」
「うん、わかったよアイザック。気付かないフリをしておいて、こっそり楽しみにしておくんだね」

 などという強引かつハッピーな解釈も、二人の間では極自然なものだ。
 その大胆などという言葉を超越したぶっ飛んだ思考は、彼ら以外誰も理解し得ないだろう。
 この場の四人の中では群を抜いて常識人に分類される一に、アイザックとミリアの思考が読み取れるはずもなかった。

 そして、一にとってはある意味―アイザックとミリアの二人より厄介な思想理念を持った少女が、ここに。

「というわけで、はじめまして金田一君! 私のことは風浦可符香と呼んでください!」
「あ、ああ。俺は金田一一。よろしく……」

 このとき、一が風浦可符香に抱いた第一印象は、ミリア並みにテンションの高い変な女の子、程度のもの。
 しかし、この生易しい認識も、数分後には崩れることとなる。
 一は可符香の内緒話とやらを聞くため、アイザックとミリアから少し離れた路地裏へと場所を移す。


 ◇ ◇ ◇



107:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:40:30 1u1WrggD
          

108:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:41:00 SQ05BcgQ
  

109:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:41:10 elrLNWTS
 しばしの抱擁が終わり、寒空に裸身を晒す男アイザックと、それに微塵の嫌悪感も抱かず受け止める女ミリアが、改めて再会を喜び合う。

「ずいぶん捜したんだぞミリア~! 俺はもう、六時間もミリアに会えなかったのが寂しくて寂しくて……」
「私もだよアイザック~! でもでも、私はそんなには寂しくなかったよ! だって、アイザックならすぐに私を見つけてくれるって信じてたから!」
「もちろん、俺もすぐにミリアが見つかるって信じてたさ! なんてったって、俺とミリアは長いなが~い紐で繋がってるんだらからな!」
「運命の赤い糸だね!」
「そう、それだ! まぁ途中、柄の悪いマフィアたちに襲われたりしたけど、そこは俺の自慢の百丁拳銃で見事撃退さ!」
「すっごーい! さすがアイザックだね!」
「あ、でも命は取ってないなぜ。悪い奴ををやっつけるのも大事だが、ミリアを早く捜すほうがもっと大事だったからな!」
「殺さずの精神ってヤツだね! そして愛は地球を救うんだね!」

 嬉しそうに互いに手を取り合い、でたらめなステップでダンスを踊るカップル二人。
 その幸せすぎる空間は絶対の不可侵領域で、好んで立ち入る者など、地球上を探しても存在しないだろう。
 いい例が、ミリアの同行者であった金田一一だ。
 殺し合いの舞台で、裸身の変質者と初遭遇。
 普通なら警戒して然るべき場面だったが、ミリアの浮かれぶりが想定外すぎて、口を開けてポカーンと立ち尽くしていた。
 一方、アイザックの同行者であった風浦可符香は、常の性格もあって唖然とはしなかったものの、空気を読んだのか、しばし二人の踊りを傍観していた。
 そして二人が舞踏を中断し再び抱擁を始めると、タイミングを計ったかのように目を輝かせた。

「あなたがミリアさんですね! 事情は聞いています、だから安心してください!
 ポロロッカ星の王子であるアイザックさんと愛し合い、泣く泣くポロロッカ王さんに引き離された不幸なジュリエット!」
「ジュリエット? 違うよ。私はミリア、ミリア・ハーヴェントだよ?」
「かわいそうに! やっぱりミリアさんもアイザックさんと同じように、記憶を失っているんですね!」
「記憶を失っている? 私が? アイザック、いったいなんのこと?」
「実はなミリア、話せば長くなるんだが…………かくかくじかじかごにょごにょごにょ…………」
「…………えぇえぇー!? アイザックって、実はえいりあんだったのぉ!?」
「ああ。実はそうだったらしいんだ……いやぁ、ビックリだよな! これが実は、俺の親父が課した愛の試練だったなんてさ!」
「まるで映画みたいだね!」
「どこかでカメラが回ってるかもしれないな!」
「銀幕デビューだね!」
「それはそうとミリアさん、あちらの方はどなたですか? 見たところ、私と同じ日本人みたいですけど」

 快活すぎるアイザックとミリアの会話に、可符香はナチュラルに介入して言う。
 可符香に指差された一は未だこの現場に順応できておらず、一人ローテンションのまま取り残されていた。

「あの子はキンダイチハジメ君! 一緒にアイザックを捜してくれてたの! すごいんだよ~。いーっぱい事件を解決した、名探偵なんだって!」
「め、名探偵だって!? ……おいおいミリア~、それはちょーっとマズイんじゃないか?」
「え? どうして?」
「だって、名探偵っていったら正義の味方だろ? シャーロック・ホームズみたいなのだろ? でも俺たちは強盗だぜ?
 強盗は悪いことだ。彼がホームズだとしたら、俺たちはモリヤーティ教授だ。もしバレたら、捕まっちゃうかもしれないぜ?」
「だいじょーぶだよアイザック! たしかに私たちいろんなものを盗んだけど、この前イブちゃんの悩みを解決してあげたじゃない!」
「ああそうか! 罪滅ぼしってことで、最近は悪いヤツらからしか盗んでなかったもんな! それで俺たちの罪もチャラってわけか!」
「そういうことだよ!」
「そういうことか!」

 腹の底から大笑いするアイザックとミリアの二人は、見るからに楽しそうだった。いや、実際楽しくてしかたがないのだろう。
 生まれながらに笑い上戸だったり、職業柄笑顔が見に染み付い中でも大笑いすることができる。
 こういうのを、なんと言い表せばいいのだろう……
ああ、そうだ、バカップルだ。

(ところで、これ、誰視点?www)



110:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:41:33 UbBIuMAz
 

111:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:41:45 ESJ1iZlh
 二人きりの空間で語られる内緒話の内容は、当然、アイザックとミリアを祝福するためのパーティーの算段などではなかった。
 まず、これは殺し合いなどではなく、ポロロッカ星へ至るための入国試験だということ。に始まり、
 アイザックが実は地球人ではなく、ポロロッカ星の王子で、螺旋王はアイザックの父親だということ。と続いて、
 アイザックは地球人のミリアと愛し合っており、これはその愛の深さを試すための実験でもあるということ。とさらに続き、
 ポロロッカ星に入国するためには、二人の結婚を螺旋王に認めさせ、自分たちはそのための手助けをするのが一番だ―と締めた。

「…………」

 沈黙。可符香の切り出した突拍子もない話に、一は口を閉ざす他なかった。
 アイザックが実は宇宙人で、しかも殺し合いだと思っていたものは地球外惑星への入国試験で、その近道は二人の結婚だという。
 なんたる衝撃の事実! これほどの超展開が許されるものなのだろうか!? ―と、一がアイザックとミリアよりの人間だったら思っただろう。
 しかし実際のところ、一はこの可符香が語った衝撃の事実を、冗談、もしくは戯言、もしくは妄言、としか受け止めなかった。
 考えてもみてほしい。宇宙人だとか、殺し合いの皮を被った入国試験だとか、そんなものが少女の言一つで信じられなどしようか。
 アイザックが宇宙人であるという根拠は何か? 入国試験を殺し合いと偽る真意は何か? なぜ無関係の人間たちを巻き込むのか?
 考えればそれこそ、疑問点は無限に出てくる。この時点で、考察するのも馬鹿らしいくらい決定的に、彼女の話は『嘘』と解釈できるのだ。
 いや、既にこのような未曾有の事態に陥っている以上、無碍に否定はできないかもしれないが……それでも、可符香の考えはファンタジーすぎる。
 そもそも、普通の人間ならこんな馬鹿げた発想には辿り着けない。
 彼女がそれほど変わっているだけなのか、それともそう確信させるほどの何かがあるのか。

「どうですか金田一君? 理解していただけましたか?」
「……一つ教えてくれ。アイザックさんをそのポコロ……なんだっけ?」
「ポロロッカ星人です」
「そう、それ。ポロロッカ星人だと思う、根拠はなんなんだ?」

 彼女の瞳に浮かぶ清純さから窺うに、悪意のある嘘や冗談というわけではなさそうだ。
 だとしたら、この妄言にも何かしらの意図があるはず。一はそれを掴もうと、可符香にさらなる説明を求めた。

「まず初めにお話したとおり、この実験は、殺し合いという手段を用いた入国試験です。
 途中で殺されれば入国試験には不合格。現実に戻り、ポロロッカ星には辿り着けません。
 最後まで生き残った一人だけが、ポロロッカ星に入国できます。ここまではいいですか?」
「ああ」

 いいものか。ツッコミどころが満載すぎて、待ったをかけるのも馬鹿馬鹿しいくらいだった。
 だが、逐一ツッコンでいては、一番知りたい情報を入手することができない。
 スマートに話を進めるため、一はあえて疑問を飲み込み、可符香の次なる言を待った。

「私はそのルールに則り、ポロロッカ星に入国するため他のみんなを『殺して』回っていました。
 ですが、さっき出会ったアイザックさんは―なんと、私が殺しても死ななかったんです!」
「ちょっと待った! 今、なんて言った……? 人を、殺して回ってた?」

 しばらくは可符香の論を静聴するつもりでいた一だったが、可符香の聞き捨てならない一言に、感情を露にした。

「はい。私と同じくらいの歳の女の子を一人殺しました」
「馬鹿な! 自分が何をしたのか分かってるのか!? ポロロッカとか、そんなデタラメな理由で殺人を―」

 本人の口から語られた無視しようのない犯歴に、金田一は声を荒げる。
 殺し合いをポロロッカ星の入国試験だと解釈、いや、思い込む―このことに関しては、彼女の性格に一端があるのだろうと思い、ひとまずは棚に置いておくつもりだった。
 だが、そんな妄想に身を駆られ、既に犯行を犯してしまった後だというならば、黙って静観できようはずもない。
 一の血脈に流れる純粋な正義感が、可符香を断罪しようと奮い立つが、

112:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:42:04 nW0/cS3c
 

113:アイザックとミリアの二人は知らず世界の中心となる
07/10/26 22:42:22 elrLNWTS
「つまり、金田一君は今回の入国試験が始まってから、ずっとミリアさんと一緒だったわけですね?」
「うん、そうだよ」
「なるほど……わかりました! アイザックさん、ミリアさん、お二人はしばしの間、再会の喜びを分かち合っていてください!
 私はその間、金田一君と大事なお話をしなくてはなりません!」
「大事なお話? 俺たちは混ぜてくれないのか?」
「お二人には秘密の内緒話です。秘密で内緒だから、お話できません」
「そっかぁ……秘密で内緒なお話なら、仕方がないね」
「まぁ、秘密で内緒なら仕方がないな。…………あそうか! ミリア、ちょっと耳を貸すんだ」
「いいか? たぶんカフカは、ハジメと一緒に俺たちの再会を祝ってくれようとしてるんだ」
「お祝い? ひょっとしてパーティーの準備かな?」
「たぶんそれだ。で、カフカは俺たちをビックリさせるために、ハジメと協力して秘密裏にパーティーの準備を進める気なんだ。
 秘密で内緒な話ってのは、きっとその計画の内容について話すつもりなんだよ」
「わぁ! サプライズパーティーってヤツだね!」
「だからミリア、俺たちはカフカたちの計画に気付かないフリをするんだ。もし気付いてるってバレたら、向こうがガッカリしちゃうからな」
「うん、わかったよアイザック。気付かないフリをしておいて、こっそり楽しみにしておくんだね」

--------------------------------------------------------

せりふだけで話進めるな

114:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:42:52 SQ05BcgQ
  

115:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:43:41 1u1WrggD
                

116:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:44:08 elrLNWTS
16 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/10/26(金) 01:24:00 ID:1u1WrggD
      


18 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/10/26(金) 01:25:00 ID:1u1WrggD
            


21 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/10/26(金) 01:27:01 ID:1u1WrggD
         


25 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/10/26(金) 01:29:14 ID:1u1WrggD
             


29 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/10/26(金) 01:30:19 ID:1u1WrggD
                   


32 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/10/26(金) 01:31:56 ID:1u1WrggD
           


107 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/10/26(金) 22:40:30 ID:1u1WrggD
          


115 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/10/26(金) 22:43:41 ID:1u1WrggD
                



117:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:44:26 ESJ1iZlh
「殺人……? やだなぁ、殺人事件なんて、実際に起こるわけないじゃないですか」

 罪悪感の欠片もない、飄々とした態度でそう返され、一は勢いを削がれてしまった。

「私が殺した女の子は、本当に死んじゃったわけじゃありません。入国試験に脱落して、現実に生還しただけです!」
「まだそんなことを……その女の子の死体は? 現実に戻ったっていうんなら、死体も残ってるはずは」
「いえいえ、これは夢の世界のようなものですから、現実と体は別々ですよ。つまり、脱落した女の子は意識だけが現実の体に戻り、こっちの死体はそのままです」
「そんなのヘリクツ―」
「いいえ! ヘリクツなどではありません! その証拠がアイザックさんです!
 ポロロッカ星の王子である彼は、私が聖剣で刺し貫いてもすぐに生き返ったんです!」

 一のキツイ口調にまったく動じもせず、可符香は己のペースで論を徹底した。
 そして、話は『なぜアイザックがポロロッカ星人になるのか?』という一点に戻る。
 この際、腑に落ちないが可符香が人を殺したという事実は一旦置き、一はアイザックの蘇りについて言及することにした。

「生き返ったって、具体的にどんな風に?」
「私が剣でブスリと刺したんです。血も出ました。その時点でアイザックさんは、入国試験に脱落したのだと思いました。
 ですが、私が剣に付いた血を洗おうとしたら、刺したはずのアイザックさんが無傷で立ち上がったんです!」
「つまり、刺した傷が自然に治ったっていうことか?」
「はい、そのとおりです!」
「……見間違いとかじゃなくて?」
「見間違いじゃありません! なんならアイザックさん本人にも訊いてみてください!」

 一は頭を抱え、心中で唸る。ああ、この少女の脳内にはどんな色の花が咲いているんだろうな、と。
 彼女に対するイメージ云々はこの際置いておくとして、この話の信憑性はいかほどだろうか。
 考えるまでもなく、ゼロである。死んだと思ったら生き返った、人が刺されて無傷だなど、信じられるはずもない。
 最もあり得る可能性としては、可符香が剣でアイザックを刺したという『錯覚』に捉われているケース。
 これまでの言動からも窺えるように、この少女はどこかおかしい。それしきの思い込みは十分あり得る。
 だが、仮にこの話が真実だとしたらどうか。アイザックに確認を取り、それをアイザックが認めたとしたら。
 いや、アイザックとて、いわゆる常識人の枠からは飛び出た思考の持ち主であるように思える。
 真実がどうであれ、可符香が「そうですよね!?」と問えば、「そのとおりだ!」と返しそうな気さえする。
 ならば一番手っ取り早い解決策、『実際にアイザックを刺して確かめる』というのはどうか。
 可符香の話が真実ならば、アイザックは何事もなく蘇生するだろう。
 が、もし嘘だったとしたら、アイザックは致命傷を負い、ご臨終だ。
 人道的に、そのような手段で確かめられるはずがない。この案は却下だ。
 そもそもこのような戯言、真偽を問うまでもなく否定して然るべき話なのだ。可符香が一と同じ、常識人であるならば。
 人の耐久力と剣の殺傷力、命の重さを説くだけで、話は済む。
 しかしやはり、この少女はそれしきでは自己の解釈を枉げたりしないのだろう。

 つまり、いくら頭ごなしに否定したとしても、証拠を突きつけない限り、可符香は現実を受け入れない。
 そしてその証拠を得る術は―今のところ『アイザックの死』という論外な方法しか思いつかなかった。

「アイザックさんがポロロッカ星人だと思った根拠は、つまりその……不死身の能力を見て、ってことか?」
「はい! 彼は元々ポロロッカ星人だったので、この世界で殺されても戻る現実がないんです! だから、アイザックさんはこの世界じゃ絶対に死にません!」

 不死身イコールポロロッカ星人。そもそも前提がメチャクチャだが、道理は通っている。

「じゃあ、二つ目の質問。君はこれから先、アイザックさんたちをどうする気なんだ?
 君の目的がポロロッカ星に入国することなら、この試験で優勝しなきゃいけない。
 でも、ポロロッカ星人であるアイザックさんを殺す……つまり、脱落させることはできないわけだ。
 アイザックさんという存在がいる限り、君が優勝してポロロッカ星に入国することは不可能ってことになるけど?」

118:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:45:30 1u1WrggD
    

119:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:46:00 elrLNWTS
>>115
ところで、あんたずっっとあのしたらばにしがみついてるの?

暇人だねー

120:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:46:04 UbBIuMAz
 

121:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:46:15 2sRolWIL
 

122:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:46:24 ESJ1iZlh
「そこはアイザックさんが、お父さんである螺旋王を説得してみせます!
 螺旋王さんが息子のアイザックさんと地球人のミリアさんの結婚を認めれば、それを手伝った私の功績も評価してくれるはずです!
 全てが上手くいけば、最後の一人などとは言わず、私たちもポロロッカへの入国資格を得ることでしょう!」

 物は考えようだなぁ……と一は失笑を漏らす。その顔には、次第に疲れが見え始めてきた。

「つまり、君は今後、アイザックさんとミリアさんの結婚を螺旋王に認めさせるための手助けをすると?」
「はい! それが、ポロロッカ星へ入国するための一番の近道です!」

 自信満々で断言する可符香の表情は、やはり平常。
 罪の意識も、自分の考えが間違っているかもなどという虚偽の意識もない。
 自らの思想が正解だと信じて疑わない、どこか、人智を超えて完成された自我の片鱗が窺えた。
 ―と、たいそうに評したが、世間一般ではこのような性格の人物のことを、『バカ』と呼ぶ。

「三つ目の質問。もしこの先、アイザックさんとミリアさん以外の参加者に遭ったら、君はどうする?」
「お二人の邪魔をするようなら、私の手で排除させてもらいます」
「君の知り合いでも?」
「先生と千里ちゃんの二人でもです」
「アイザックさんの知り合いだっていうジャグジー・スプロットやチェスワフ・メイエルは?」
「お二人の知り合いだというなら、この試験についても把握していることでしょう。もし記憶を失っているなら、私が説明します」
「……じゃあ、この殺し合いを入国試験だと知らず、単純に生き残りたい一心で、アイザックさんたちに交友を求めてきた相手は?」
「排除します!」

 屈託のない笑顔で、可符香は即答を返す。一は若干青ざめた顔で、奥歯を噛み締めた。

「どうして?」
「これは気付きのゲームです! この殺し合いを試験だと、アイザックさんがポロロッカ星の王子だと気付けない人に、入国の資格はありません!
 それに死ぬのを怖がっているなら、なおさら試験から退場させて、現実に返してあげたほうがいいです!」
「それはまぁ……そうかもしれないけど」

 前提がまず間違ってるんだよ、とは口に出さず、一は可符香に対する理解をさらに深めていく。

「これで最後、四つ目の質問だ。君は今、アイザックさんとミリアさん以外の参加者は排除するって言ったけど……
 なら、俺はどうなんだ? 俺は、アイザックさんがポロロッカ星人だなんて分からなかった。
 今こうやって君から聞いた話も、正直言って全部は信じちゃいない。こんな俺を、君はいったいどうする?」

 そう、一は警戒心を身に纏いながら尋ねた。
 これまでの話から推察するに、可符香はアイザックとミリアをポロロッカ星へ入国するための最適手段、それ以外を邪魔者として認識している。
 ならば、こうやって可符香に疑心を抱き、その考えを否定すらしている金田一一はどう扱われるのか。
 彼女の返答次第では、一も自己のスタンスを応変しなければならない―排除しようと襲ってくるなら、抵抗する。つまりはそれだ。
 しかし、可符香は一に対してすぐに剣を向けるようなことはせず、含みのある顔で笑うことしかしなかった。

「なるほど。やっぱり、金田一君もそうだったんですね。いえ、大丈夫です。あなたの務めはきっと果たせますよ!」

 と、また胸中で自分に都合のいい解釈をしたのだろう。
 可符香は金田一の手を握り締め、満面の笑顔で言葉を続けた。

「金田一君、あなたはここに来てから、まず最初にミリアさんに出会ったんですよね?」
「ああ、そうだけど」
「そのミリアさんをどうしようと思いましたか? 殺そうと思いましたか?」
「まさか! ミリアさんはか弱い女性だ。ここから脱出するために、協力を申し出たさ」
「つまり、あなたはミリアさんを守ろうとしたわけですね! やはり、そういうことだったんですね!」

 なにやら核心を掴んだらしく、可符香は淀みのない双眸をさらなる自信の色で満たし、こう断言する。

123:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:46:30 SQ05BcgQ
  

124:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:46:36 1u1WrggD
           

125:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:47:09 elrLNWTS
ID:1u1WrggDもすこしぐらい芸見せたらどうだ?
◆LXe12sNRSsの携帯なのかもしれないけどww


126:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:48:02 UbBIuMAz
 

127:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:48:07 2sRolWIL
 

128:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:48:17 SQ05BcgQ
 

129:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:48:32 elrLNWTS
てか、駄文の癖に無駄に長いな
このSS

130:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:48:41 IvcqhHfW
 

131:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:48:51 1u1WrggD
         

132:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:48:59 ESJ1iZlh
「金田一一君―あなたは、ミリアさんの付人だったんですよ!」
「―え?」

 と。
 可符香の発言は予想の斜め上を―ある意味では予想通りかもしれないが―いくものだった。
 ろくなリアクションも取れないまま、可符香の論述は続く。

「あなたは螺旋王さんに殺し合いをやれと言われたのに、ミリアさんを見ても殺そうとはせず、逆に守ろうとした!
 これは、あなたの本来の役職……ミリアさんの付人としての本能がそうさせたんです!
 たとえ一時的に主のことを忘れていたとしても、あなたはミリアさんの顔を見て、自分の使命を思い出した!
 ああ、なんということでしょう! 離れ離れになった主人と従者は、悲劇の舞台で再び邂逅するのですね!」
「ちょ、ちょっと待った! つまりはあれか? 俺は実は、ミリアさんを守っていた付人で……
 アイザックさんたちと同じように、俺はその頃の記憶を失っているってことか!?」
「そのとおりです! 記憶は失ってしまいましたが、あなたのミリアさんを思う心が、運命的な巡り会わせを齎したんです!」

 一は愕然とした。
 名探偵金田一耕助の孫とされ、高校生ながらも数々の難事件を解決してきた金田一一。
 それが実は仮初の記憶で、本当は宇宙人に恋するお嬢様の付人だったなんて……誰が予想できようものか。

「そうか、そうだったのか……俺、なんかやっと夢から覚めた気がするよ。俺の本来の姿は、高校生探偵なんかじゃなかったんだ」
「そうです! あなたはミリアさんの付人として、彼女を守ることに人生を懸けていたんです!」
「でも、失われた記憶が戻ったわけじゃない。だから教えてくれ、俺は、これから先どうすればいいんだ……?」
「簡単なことです。付人たるもの、付き従う主人の幸せを第一に考えるのが当たり前。
 これまでどおりミリアさんの安全を守りつつ、アイザックさんとの結婚を成就させる手助けをすればいいんですよ!」
「俺に、できるかな?」
「できますとも! 金田一君一人じゃ無理だとしても、私もいます! みんなで力を合わせれば、きっと上手くいきます!」
「そうかな?」
「そうですとも!」
「そう、だな」
「そうですそうです!」
「よーし、やってやろう!」
「やりましょう!」


「「おー!」」


 …………といった具合に。
 一は己の使命を思い出し、改めて、ミリアの幸せのため可符香の意に同調することを決意した。
 二人の結婚を螺旋王に認めさせ、邪魔者は排除する。そして行き着く先は、ポロロッカという名のパラダイス。
 羽が生えたような、今すぐ飛び出していきたいくらい清々しい気分だった。
 探偵という殻を脱ぎ捨て手に入れた使命感。これからの人生を歩む上での、新しい原動力となるもの。
 こうして、金田一一の第二の人生が始まる。事件だらけの日常から異星間恋愛に舞台を移しての、超絶スペクタクル。
 しかし舞台が変わろうとも、彼の成すべきことは変わらない。
 これからは事件解決のためではなくミリアの幸せのため、彼のIQ180の頭脳が冴え渡るだろう―


 ◇ ◇ ◇



133:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:49:17 nW0/cS3c
 

134:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:49:25 ifGa1j2e
 

135:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:49:51 1u1WrggD
             

136:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:49:52 elrLNWTS
>>130

◆ZJTBOvEGT.

お前も人のこといえねえなw

137:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:50:26 UbBIuMAz
 

138:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:50:44 nW0/cS3c
 

139:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:50:44 ESJ1iZlh
 ……なんて馬鹿な風に可符香に同調してはみたが、もちろんこれはこの場を乗り切るためのポーズにすぎない。
 一は至って冷静だった。自分が実は記憶喪失で、本当はミリアの付人であるなどといった戯言は、これっぽっちも鵜呑みにしてはいない。
 それなのに、可符香のはちゃめちゃな論に同調し、道化として立ち振る舞って見せたのには、やはり理由がある。

(風浦可符香……初めは、殺し合いっていう異常な空間に立たされて精神が病んでしまったのかとも思ったけど……違う。
 この子は、元々こういう子なんだ。病的なくらい妄想が激しい。たぶん、精神疾患を患っているんだ)

 傍から見ればありえない考察を揺るがぬ真実だと確信し、殺人という形でそれを実行すらしてしまう。
 単に妄想癖があるだけの少女なら、実際に人を殺した時点で現実の状況に気付けるはずだ。
 それができないということはつまり……元々脳に異常があるということに他ならない。
 精神疾患とは、脳、いわゆる『心』の機能的、器質的障害によって引き起こされる疾患のことだ。
 統合失調症や躁うつ病といった重度のもの、パニック障害や適応障害などといった中~軽度のものまで、様々な病状がこの疾患に含まれる。
 彼女の『物事を強引に楽観的な方向に考える』という症状も、この精神疾患の一端だろう。
 殺し合いを入国試験、死亡を不合格、謎の主催者をポロロッカ王、死なない男をポロロッカ星人にと……ただ妄想癖が強いだけならば、ここまで酷い解釈はしない。

(だとしたら、理詰めで納得させるのは不可能だ。俺がいくら理論で現実を突きつけても、彼女はどうあったってそれを曲解する。
 彼女の妄想が病的なものだとするならば、俺の言葉は起爆剤にすらなり得る。だから、ここは彼女に同調したフリをする)

 本当に可符香が精神疾患患者だとすれば、下手に口論しても意味はない。むしろ彼女の心を悪戯に刺激してしまうだけだ。
 彼女に現実を理解してもらう方法があるとすれば、ただ一つ。医師、それも精神科医に診てもらうこと。
 心の病など、いかなる証拠を持ったとしても看破できるものではない。
 探偵は事実と口頭の矛盾点を突き、相手にそれを認めさせることを得意とするが、その相手が聞く耳を持たないのでは、まるで歯が立たない。
 つまり、可符香と一では、住まう土俵が違いすぎるのだ。これでは、勝負が成り立つはずもない。

(できる限り彼女を刺激しないように、彼女をどうにかできる人物を捜す。
 ここにカウンセラーなんかがいるのかどうかは疑問だけど……それでも、彼女をこのまま放っておくことなんてできない)

 同調といっても、可符香の言葉通り、アイザックとミリア以外の人間を排除……殺すわけにもいかない。
 重要なのは、いざというとき彼女を抑制できるだけの行動力、そして、納得させられるだけの説得力。
 ここで殺人を犯すべきではないと、可符香に納得させられるだけの材料を入手し、それを彼女に受け止めさせる。
 これまでの会話を考えれば、それすらも不可能なようにも思えるが……いざというときはアイザックとミリアがいる。
 可符香にとって、今のあの二人の存在は絶対的なものだ。彼らの言うことなら、彼女もある程度は従うだろう。
 いくら周りに流されやすそうな性格(馬鹿とは言わない)をしている二人でも、殺しを容認したりはしないはずだ。

(……たぶん。そう、信じたい)

 心中で力なく未来を案じつつ、一と可符香は、アイザックとミリアが待つ高速道路の入り口へと戻ろうとしていた。
 これからアイザックは、螺旋王がいるというゴミ処分場に向かうらしい。おそらくはミリアもそれに賛同するだろう。
 螺旋王を説得し結婚を認めてもらう、という考えも荒唐無稽ではあるが、そもそも螺旋王がゴミ処分場にいるという推理も、一に言わせれば馬鹿な根拠だ。
 どちらにせよ、ここは監視の意味も含めて、可符香たちに同行する他あるまい。などと考えながら歩いていると、

「あー! 大変です金田一君!」
「え? ど、どうしたんだ!?」

 帰路の途中、不意に可符香が、高速道路の坂の入り口を指差して叫んだ。
 その指が指し示す先を目で追っていき、遅れて一も口をあんぐりさせた。

「アイザックさんとミリアさんがいません!」
「な、なんだってー!?」


 ◇ ◇ ◇



140:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:50:47 SQ05BcgQ
 

141:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:51:34 JV2Gm5KD
 

142:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:51:57 elrLNWTS
>>139

まだ続くの?!正気?

無駄に長いし箇条書きみたいだしいかにもフラグたちすぎてるし
ひどすぎなんだけどさあんた

143:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:51:57 ESJ1iZlh
 一と可符香が秘密の内緒話をしている間、当のアイザックとミリアは、こんな会話をしていた。

「なぁミリア、俺、今たいへんなことに気付いてしまったんだ」
「なぁにアイザック?」
「今頃ハジメとカフカは、俺たちを祝うパーティーの準備について話してるんだよな?」
「秘密で内緒な話だから、きっとそうだろうね」
「でも考えてもみてくれ。俺たちはこれから、ゴミ処分場に親父を説得しに行く。もちろんハジメとカフカも一緒だ」
「四人で一緒だね」
「親父を説得した後は、二人が計画してくれたパーティーをやるだけだ。
 だけど俺たちが一緒にいたら、二人ともパーティーの準備がやりづらくなるんじゃないか?」
「そっかぁ! 秘密で内緒な計画なのに、私たちが側にいたら、向こうもバレちゃうと思ってやりづらくなるね!」
「ああ。そこで俺は考えた。親父の説得は、俺たち二人で行こう。元々俺たちの問題だしな。
 で、俺たちが親父を説得している間に、ハジメとカフカにはパーティーの準備を進めてもらうのさ」
「役割分担だね! 私たちが見てないところなら、二人も気兼ねなく準備ができるね!」
「そういうことさ! ってなわけで、ここに置き手紙を残しておこう。
 勝手にいなくなったらまずいけど、手紙を残しておけば俺たちの考えも伝わるだろうからな!」
「アイザックあったまいぃ~!」
「いやいや、それほどでもあるけどさ!」
「じゃあ、二人が戻ってくる前に高速道路を抜けちゃおう!」
「ああ! 二人が戻ってくる前にゴミ処分場へ向かおう!」

 ……そしてアイザックとミリアの二人は、一枚のメモ書きを残し、一と可符香に内緒で逸早くゴミ処分場に向かった。
 その辺の小石を重石とし、地面に放置された一枚のメモ書き。
 その文面には、たしかにアイザックとミリアの意が書き込まれていた……のだが。


 ◇ ◇ ◇



144:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:52:19 1u1WrggD
       

145:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:52:25 IvcqhHfW
 

146:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:52:42 SQ05BcgQ
  

147:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:53:04 nW0/cS3c
 

148:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:53:21 ESJ1iZlh
「『先にゴミ処分場へ行きます。二人はその間に準備を進めていてください』……か。
 どうやらアイザックさんとミリアさんの二人は、俺たちを置いて先に行っちまったみたいだ。でも、準備ってなんのことだろう?」

 アイザックとミリアが残したメモ書きを手に取り、考え込む一。
 あの二人のことだ、きっとまたなにか、常人では思いつきようがない自己解釈をしたのだろうが……。
 一はアイザックとミリアの性格、直前にしていた会話などから推理して、二人の真意を探り寄せようとするが、

「ふむふむ。なるほど……わかりました!」

 その傍らで、一よりも速く、可符香が答えを導き出した。

「アイザックさんとミリアさんが言う準備とはつまり……ポロロッカ星へ入国するための資格を持った人間の選定! これに違いありません!」

 が、その答えは案の定、一の推理とは百八十度ベクトルが違う、「そんな馬鹿な」と口にしたくなるようなものだった。

「お二人は、既に結婚した後のことを視野に捉えています!
 結婚後、一緒にポロロッカ星へ入国するに値する人間がどれほどいるのか……お二人は、その検証を私たちに託したに違いありません!」
「えっと……つまり、螺旋王の説得は二人に任せて、俺たちは……」
「他の方がポロロッカ星に入国する資格を持っているかどうか、見極める!」
「その方法とは……?」
「この殺し合いがポロロッカ星への入国試験だと気付けたか気付けなかったか!」
「もし、気付けなかったら?」
「ポロロッカへの入国資格はありません! 残念ながら不合格ということで、私たちで現実に返してあげましょう!」

 ああ、事態がどんどんややこしい方向に……。
 可符香の処遇はデリケートに行うと定めた手前、一は反論の言葉が出てこない。
 いや、風浦可符香という少女の言に対し、金田一一という名の常識人が返せる言葉など、いくら探しても見つかりはしないだろう。

 ―風浦可符香のどんなことでもポジティブに解釈する性格は、一の推理するような精神疾患によるものではない。
 ―強いて言うならば、キャラクター。風浦可符香というキャラクターは、元々そういう存在なのだ。
 ―二人の住まう世界をジャンル分けするならば、一はミステリー、可符香はギャグ。
 ―可符香と一では、住む世界が違いすぎた。それだけの話だった。

「やりましょう金田一君! 二人で、アイザックさんとミリアさんの恋をサポートするんです!」
「あ、ああ……がんばろう……がんばろう俺……」

 金田一少年の受難は、まだまだ始まったばかり―

149:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:53:30 elrLNWTS
>>143

「なぁミリア、俺、今たいへんなことに気付いてしまったんだ」
「なぁにアイザック?」
「今頃ハジメとカフカは、俺たちを祝うパーティーの準備について話してるんだよな?」
「秘密で内緒な話だから、きっとそうだろうね」
「でも考えてもみてくれ。俺たちはこれから、ゴミ処分場に親父を説得しに行く。もちろんハジメとカフカも一緒だ」
「四人で一緒だね」
「親父を説得した後は、二人が計画してくれたパーティーをやるだけだ。
 だけど俺たちが一緒にいたら、二人ともパーティーの準備がやりづらくなるんじゃないか?」
「そっかぁ! 秘密で内緒な計画なのに、私たちが側にいたら、向こうもバレちゃうと思ってやりづらくなるね!」
「ああ。そこで俺は考えた。親父の説得は、俺たち二人で行こう。元々俺たちの問題だしな。
 で、俺たちが親父を説得している間に、ハジメとカフカにはパーティーの準備を進めてもらうのさ」
「役割分担だね! 私たちが見てないところなら、二人も気兼ねなく準備ができるね!」
「そういうことさ! ってなわけで、ここに置き手紙を残しておこう。
 勝手にいなくなったらまずいけど、手紙を残しておけば俺たちの考えも伝わるだろうからな!」
「アイザックあったまいぃ~!」
「いやいや、それほどでもあるけどさ!」
「じゃあ、二人が戻ってくる前に高速道路を抜けちゃおう!」
「ああ! 二人が戻ってくる前にゴミ処分場へ向かおう!」


せりふ多すぎ

150:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:53:37 UbBIuMAz
 

151:アイザックとミリアの二人は(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/26 22:54:32 ESJ1iZlh
【D-3/高速道路/1日目-朝】
【アイザック・ディアン@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:ボロボロになったパンツ一丁
[道具]:支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師、ずぶ濡れのカウボーイ風の服とハット(※本来アイザックが着ていたもの)
[思考]
基本:螺旋王の試練を乗り越え、ミリアと結婚してポロロッカの王様になる
1:まずは螺旋王(親父)に会って、話し合いで解決できないか挑戦してみる。
2:そのためにゴミ処分場に向かい、そこに隠された王城への入り口を探す。
3:親父の説得が終わったら、赤い宝石はミリアへ結婚指輪として贈ろう。
4:パーティー楽しみだなミリア!
[備考]
※アイザックの参戦時期は1931年のフライング・プッシーフット号事件直後です。
※殺し合いの意味を完全に勘違いし、終了条件は全員に(手品で)殺される事だと思っている。
※自分はポロロッカ星の王子で、螺旋王は父親。それを記憶喪失で忘れていたと思い込んでいます。
※この殺し合いの儀は、自分に課せられた試練だと思い込んでいます。

【ミリア・ハーヴェント@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:拡声器、珠洲城遥の腕章@舞-HiME
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:アイザックと一緒に行動
1:ゴミ処分場に向かい、アイザックのお父さんを説得する。
2:ジャグジー、チェス、剣持、明智を探す。
3:パーティー楽しみだねアイザック!
※少なくとも「悲恋湖伝説」「雪夜叉伝説」「瞬間消失の謎」については把握済み。
※可符香とアイザックの話を全面的に信用しています。

【C-3/高速道路入り口/1日目-朝】
【金田一一@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康
[装備]:ドーラの大砲@天空の城ラピュタ、リボルバー・ナックル(右手)@魔法少女リリカルなのはStrikerS(カートリッジ6/6)
[道具]:支給品一式、大砲の弾3発、予備カートリッジ数12発
[思考]
基本:ジッチャンの名と自身の誇りにかけて殺し合いを止める。
1:可符香の殺人を抑制。ただし正面から対立する形ではなく、あくまで彼女の協力者を装いながら接する。
2:可符香を治療できる人物(カウンセラーやセラピストなど、精神疾患に詳しい人物)を捜す。
3:剣持や明智、ジャグジー達他、志を同じくした参加者を探す。
4:高遠が芸術犯罪を行おうとしているのなら阻止する。
[備考]
※高速道路の入り口は、最低でも1エリアに一つはあると推理しています。
※アイザックの不死については信用していません。もちろん、ポロロッカ星人であるとも思っていません。

【風浦可符香@さよなら絶望先生】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、私立真白学園制服(冬服)@らき☆すた
[道具]:デイバック×2、支給品一式(食料-[全国駅弁食べ歩きセット][お茶])、支給品一式
    ライダーダガー@Fate/stay night、アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION、血塗れの制服(※元から着ていた物)
[思考]
基本:優勝してポロロッカ星に入国する
1:アイザックとミリアの伝言に従い、ポロロッカ星入国のための『準備』を進める。
 (各参加者がこの殺し合いをポロロッカ星の入国試験だと気付いているかどうかチェックし、
  気付いていない者は片っ端から排除。気付いている者は、入国資格アリとして仲間に加える)
2:全参加者のチェックが終わったら、ゴミ処分場でアイザックたちと合流する。

152:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:54:35 IvcqhHfW
 

153:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:54:58 SQ05BcgQ
 

154:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 22:54:59 elrLNWTS
「『先にゴミ処分場へ行きます。二人はその間に準備を進めていてください』……か。
 どうやらアイザックさんとミリアさんの二人は、俺たちを置いて先に行っちまったみたいだ。でも、準備ってなんのことだろう?」

 アイザックとミリアが残したメモ書きを手に取り、考え込む一。
 あの二人のことだ、きっとまたなにか、常人では思いつきようがない自己解釈をしたのだろうが……。
 一はアイザックとミリアの性格、直前にしていた会話などから推理して、二人の真意を探り寄せようとするが、

(くだらないところで比ゆ使ってないでこういうところで比ゆ使えよ)

「ふむふむ。なるほど……わかりました!」

 その傍らで、一よりも速く、可符香が答えを導き出した。

「アイザックさんとミリアさんが言う準備とはつまり……ポロロッカ星へ入国するための資格を持った人間の選定! これに違いありません!」

(だからなんで?)

 が、その答えは案の定、一の推理とは百八十度ベクトルが違う、「そんな馬鹿な」と口にしたくなるようなものだった。

「お二人は、既に結婚した後のことを視野に捉えています!
 結婚後、一緒にポロロッカ星へ入国するに値する人間がどれほどいるのか……お二人は、その検証を私たちに託したに違いありません!」
「えっと……つまり、螺旋王の説得は二人に任せて、俺たちは……」
「他の方がポロロッカ星に入国する資格を持っているかどうか、見極める!」
「その方法とは……?」
「この殺し合いがポロロッカ星への入国試験だと気付けたか気付けなかったか!」
「もし、気付けなかったら?」
「ポロロッカへの入国資格はありません! 残念ながら不合格ということで、私たちで現実に返してあげましょう!」


155:長い!!長すぎ!無駄多すぎ!せりふ多すぎ!
07/10/26 22:57:00 elrLNWTS
【D-3/高速道路/1日目-朝】
【アイザック・ディアン@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:ボロボロになったパンツ一丁
[道具]:支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師、ずぶ濡れのカウボーイ風の服とハット(※本来アイザックが着ていたもの)
[思考]
基本:螺旋王の試練を乗り越え、ミリアと結婚してポロロッカの王様になる
1:まずは螺旋王(親父)に会って、話し合いで解決できないか挑戦してみる。
2:そのためにゴミ処分場に向かい、そこに隠された王城への入り口を探す。
3:親父の説得が終わったら、赤い宝石はミリアへ結婚指輪として贈ろう。
4:パーティー楽しみだなミリア!
[備考]
※アイザックの参戦時期は1931年のフライング・プッシーフット号事件直後です。
※殺し合いの意味を完全に勘違いし、終了条件は全員に(手品で)殺される事だと思っている。
※自分はポロロッカ星の王子で、螺旋王は父親。それを記憶喪失で忘れていたと思い込んでいます。
※この殺し合いの儀は、自分に課せられた試練だと思い込んでいます。

【ミリア・ハーヴェント@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:健康
[装備]:拡声器、珠洲城遥の腕章@舞-HiME
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:アイザックと一緒に行動
1:ゴミ処分場に向かい、アイザックのお父さんを説得する。
2:ジャグジー、チェス、剣持、明智を探す。
3:パーティー楽しみだねアイザック!
※少なくとも「悲恋湖伝説」「雪夜叉伝説」「瞬間消失の謎」については把握済み。
※可符香とアイザックの話を全面的に信用しています。

【C-3/高速道路入り口/1日目-朝】
【金田一一@金田一少年の事件簿】
[状態]:健康
[装備]:ドーラの大砲@天空の城ラピュタ、リボルバー・ナックル(右手)@魔法少女リリカルなのはStrikerS(カートリッジ6/6)
[道具]:支給品一式、大砲の弾3発、予備カートリッジ数12発
[思考]
基本:ジッチャンの名と自身の誇りにかけて殺し合いを止める。
1:可符香の殺人を抑制。ただし正面から対立する形ではなく、あくまで彼女の協力者を装いながら接する。
2:可符香を治療できる人物(カウンセラーやセラピストなど、精神疾患に詳しい人物)を捜す。
3:剣持や明智、ジャグジー達他、志を同じくした参加者を探す。
4:高遠が芸術犯罪を行おうとしているのなら阻止する。
[備考]
※高速道路の入り口は、最低でも1エリアに一つはあると推理しています。
※アイザックの不死については信用していません。もちろん、ポロロッカ星人であるとも思っていません。

【風浦可符香@さよなら絶望先生】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、私立真白学園制服(冬服)@らき☆すた
[道具]:デイバック×2、支給品一式(食料-[全国駅弁食べ歩きセット][お茶])、支給品一式
    ライダーダガー@Fate/stay night、アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION、血塗れの制服(※元から着ていた物)
[思考]
基本:優勝してポロロッカ星に入国する
------------------------これ以下要らない----------------------------------------------
1:アイザックとミリアの伝言に従い、ポロロッカ星入国のための『準備』を進める。
 (各参加者がこの殺し合いをポロロッカ星の入国試験だと気付いているかどうかチェックし、
  気付いていない者は片っ端から排除。気付いている者は、入国資格アリとして仲間に加える)
2:全参加者のチェックが終わったら、ゴミ処分場でアイザックたちと合流する。

156:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:02:24 YP6eRpfW
                       ,.rヽ
                     /   '.,
       ,,..,,            /     ヽ、
       |  `'' ‐ 、       /        ヽ
       /      ヽ、    /          ' ,
     /        ヽ   /           ヽ
   , '           ヽ  .l             ',
   /             ',_,.| ,           ,.、'
  /        \   ,.r‐レ          ,.r'´
  .|           ヽ,,/  ./______,,,,,.... --‐ 'ヽ´
  l         ,,..... --'‐'''´          ヽ
  ヽ.....,,,,..__,.-‐''            /      ゙i,  ヽ
     j                ,ィ/        |  |
     lィ'             ,ィ/j/          | iリ
    |         /l /          '"` | j
    リ!      /,ノ           _,、-''''` /リ
      |   _.._ l/   ,.--;==ミ 、 ___,.ノ /{.○-゙‐rV  ◆LXe12sNRSs君
     ヽ,/`ヽヽト、 ´  {,.○-`‐‐ 、,.-ト|    ,ノ   実にハイレベルなSSだ
      ∧  ゙i,   `ヽ,r'´      ノ.  ゙、--‐''´|     みしまゆきお以来の天才だ!!
    ,,.く  ヽ   ゙i     ヽ、 __,,、-'"     〉   /
  ハ'´  |  ゙i   |           ' '     iヽ''" ̄ ̄ ̄`゙
  ゙、゙i,_r'シニZ`ー┬ト'i       _____ ,  |  \
    _゙V  ヽ,.レ''ヽヽ     `ー─''''"´   /    \
  /./ ヽ/     ,」ヽ     __,,、-─‐-、j       ヽ
   / r'´  --‐‐'''"´ ヽ \   (.r‐'''""゙゙`ヽ,`)     /
    l .|     __,,、--`ヽ \ ___ヽ     /´|    ∠__
   j |           ,⊥`ー 、 ゙!    レ' |      |
  |  |        -‐''"´   ヽ、⊥ヽ|    |彡'|      |

157:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:05:06 as+XLNX3
…ほめられてよかったな







一生したらばに引きこもってろ。な

158:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:09:58 e0xGQWyC


3664 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 21:42:48 ID:???O
逆に中盤まで欠けナシで進めて合流時一気にぶち壊すのも面白い

3665 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 22:03:11 ID:???0
じわじわと一人ずつ脱落していく展開も面白い

3666 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 22:05:52 ID:???0
>>3661
Fateを忘れるなんてー!
それはそうと、6人生存でなかなか死なないなーという状況だったバッカーノから、放送直後ついに一人脱落。
この状況は1stのアレを思い出す……さて、絶賛予約中の方々は大丈夫だろうか?

3667 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 22:06:47 ID:???0
予約があと3つ。
放送後も全キャラが出るまで予約禁止ルールだっけ?

3668 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 22:17:04 ID:???O
とくに規定はないけど、今回は動いたら確実にキャラが会うだろうって場合が多いからな。自然にそういう流れになりそう

3669 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 22:24:02 ID:???0
そおいや、高遠なにやってんだろ?

3670 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 22:39:36 ID:???0
すまん、毒を吐きたい、吐かせてくれ……。
◆hsja2sb1KY氏の「剣持警部は忠実に職務を遂行する」についてなんだが……


ちょっと、コレを見て欲しいんだ……

【E-3 北東 高速道路の東側出入り口近くの岸辺 一日目 朝】
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!】
[状態]:健康、おでこに少々擦り傷
[装備]:ガッシュの魔本@金色のガッシュベル!!
[道具]支給品一式、ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム   ←コレ
[思考]基本:螺旋王を見つけ出してバオウ・ザケルガ!!
【D-4 南西端 一日目 朝】
【D-4 南西端 一日目 朝】
【アレンビー・ビアズリー@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康
[装備]:背中にブリ
[道具]:支給品一式、ブリ@金色のガッシュベル!!(鮮度:生きてる)
     爆弾生物ポルヴォーラ@王ドロボウJING                   ←コレ
     注射器と各種薬剤、スコップ
……ポルヴォーラとチョコレートを引き裂きやがったあぁンの野郎~ゥゥゥーッ!
ポルヴォーラがクリクリの瞳で板チョコを笑倣江湖なネオホンコンなんだよォォォーッ!
い、今に見ていろ……必ず、必ずやポルヴォーラとチョコを再会させて……見せるッ!!
3671 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 22:44:25 ID:???O
なにこのユルい毒w
3672 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:00:57 ID:???0
専ブラいれるか……
3673 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:01:00 ID:???0
>>3670
そっちかよ
え―――と、再会フラグってことにしといてくれ。
3674 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:03:48 ID:???0
どうでもいいが、何で「比喩」じゃなく「比ゆ」なんだ?
--------------------------------------------------------------
ゆるいんだって

159:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:11:39 as+XLNX3
こんなの毒でもなんでもないだろ
普通の感想だ

160:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:13:04 0WZ2EjKB
3671 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 22:44:25 ID:???O
なにこのユルい毒w
3672 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:00:57 ID:???0
専ブラいれるか……
3673 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:01:00 ID:???0
>>3670
そっちかよ
え―――と、再会フラグってことにしといてくれ。
3674 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:03:48 ID:???0
どうでもいいが、何で「比喩」じゃなく「比ゆ」なんだ?


この4匹はどうみても保守屋と本人

161:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:14:49 ETrvSIO6
どうでもいいが、本当にこんな小説がレベルが高いと思ってるのか?

162:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:19:14 KmtS8+zD
……ポルヴォーラとチョコレートを引き裂きやがったあぁンの野郎~ゥゥゥーッ!
ポルヴォーラがクリクリの瞳で板チョコを笑倣江湖なネオホンコンなんだよォォォーッ!
い、今に見ていろ……必ず、必ずやポルヴォーラとチョコを再会させて……見せるッ!!


どうしてこう…とか!!!とかッ!とか感嘆符系多いですか

163:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:24:19 zv05fxrU
1234 名前:ツチダマな名無しさん :2007/10/26(金) 18:12:45 ID:ddZgJrwY0
発議します。

仮投下スレに投下された◆1vqUwy6meQ氏のSS「悲しみよこんにちは」に関して、
誤字脱字、句読点抜け等が多数見られます。
これが、以下の要件に抵触し得るのではないかと考えます。

NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)

せめて、書き手氏にはテンプレ中の
「書き手の心得その2(実際に書いてみる)」の項を熟読の上、再度の推敲を行っていただきたいと考えています。
現在修正作業中かと存じますが、何卒御一考して頂きたい次第です。

       ,.. - ..,_,.. - 、.、
      , ‐''f:ff:ff:ff:ff:ff:ff:f'ヽ::ヽ
    /f:ff:ff:ff:ff:ff:ff:ff:ff:ff:ff:ff:f:\
  _,ィ:f:f:f:f:f:f::f:f:f:f:f:f:f:f:f:f:f:f:f:ァ:ァ、
  ,イ彡'´ ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ̄´ ̄ ̄}ニミi
 ムヲ                   }二ミi
 .}三     ,,=-、j ハ _,,    {三.|
 }ニj   ,,,,,,__、-t-f ,,,,''r'"三二=- ヾニ-、
 -ヾj  ''"_,,,、-y、=ji  l-ャ、ーiテ、_,,  iニ|`|
 |`j,I  ''"ー`='~ノl  ;;`  ̄''"~   liフリ
 .} |(|    "" .,r'   ;;;i `''     |i/'{
  l ヾ  ,、'"  ,」 ,__  ,_. j、     ミ|_/
    f      イ,、 ,.、)ヽ      T 「
    {     ノ __ ヽ、     ! l
    {      イ-─‐‐-ゝ }    ! }
    ヽ ヽ             ノ   ノ_ノ
      「|ヽ|ll||||||||||||||||| /i |::::\
     /:::::\`!!||||||||||||!!'   |::::::::\


 オマエッガー・イウナー[Omaegger Eunner]
      (1843~ イギリス)

164:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:26:26 8IZrN98N
719 : ◆1vqUwy6meQ:2007/10/26(金) 21:31:56 ID:8mb9thS60
すみません。
現在修正中ですが急用ができたため月末までネットにつなぐこと自体無理になってしまいました。
よって破棄します。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
720 :名無しセカンド:2007/10/26(金) 21:52:26 ID:UaCjYT0s0
了解
721 :名無しセカンド:2007/10/26(金) 22:58:09 ID:dFVbzf6E0
◆LXe12sNRSs氏投下乙。
…なんじゃこの怪電波わぁぁぁ!
不憫だ、不憫すぎるぞ金田一。
殺されることは当面なさそうなものの、
ある意味死んだ方がマシかもしれんぞ。
722 :名無しセカンド:2007/10/26(金) 22:58:30 ID:DlcVHvKY0
投下乙です
…ってキwンwダwwニwwwwお前何やってんのwwwwwwww
何となくその選択は間違ってる様な気がするけど頑張れ
723 :名無しセカンド:2007/10/26(金) 23:01:11 ID:R1dDZNFQ0
「これはちょっとした恐怖ですよ」って感じだ…
いやしかし誰も死なずにすんでよかったよかった。
下手したらみんな仲良く一緒に死者スレごあんな~い、とかなるんじゃないかと
724 :名無しセカンド:2007/10/26(金) 23:01:33 ID:vB8CTuTA0
投下乙!
金田一生存おめw
そして、これからの苦労南無……。
725 :名無しセカンド:2007/10/26(金) 23:08:19 ID:XWzKRfNs0
なんという馬鹿*3と苦労人www
頑張れ金田一!
そこのソレは精神病じゃないから治せないけど!
726 :名無しセカンド:2007/10/26(金) 23:10:47 ID:0GNXIc3s0
投下乙です
金田一カワイソス




165:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:29:33 rU5w3g3C
大体、保守した人数3人×携帯でその数のID出せるな

166:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:38:14 i7bsGwT8
3676 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:24:24 ID:???O
しかし、言われてるようにLX氏にしてはちょっとアレな文だよな。わざとやったのかな?

3677 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:25:02 ID:???O
そういえば言峰って神父なんだっけか
対不死者のホープになりえる……?

3678 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:26:38 ID:???O
バカップルとカフカ、電波三人の話だからしゃーない

3679 :やってられない名無しさん:2007/10/26(金) 23:28:36 ID:???0
>>3676
だって、アイザックとミリアに加えて可符香だぜw
その分金田一の考察パートとギャップが生まれ、映えるんじゃないかと。


             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ  
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|  
         レ!小l●    ● 从 |、i|   したらば名物傷のなめあい
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│ 
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i ! 
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│ 
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |

167:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:42:42 I1y34qUJ
電波だろうがなんだろうが愛情もって書かないと
いけないんじゃなかったんじゃなかったっけなな?かな?(棒読み)




※ふつうは、2次元キャラの遊びに愛情なんてかけないから適当に書くし
  それに全力をかけるヤツこそが痛いんだが

168:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/26 23:51:55 rBxyDLqR
                , -‐‐‐‐-、、
              ,ィ´:.:.:.:.:.:, 、:.:.:.::.`ヽ、
              !:.:.:.:,r'''´ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:|
              t,:i´_   ,=ニ `ヾ:.:.:.:.| ←◆B0yhIEaBOI  
               `f´`r‐t___ノーレ‐,:ノ 
                !~´i      リ;'
                   ! =='  /ニ'
                ヽ___ノ |
                ,ィト---、,r‐‐^i
           ,,,r‐'''´/;;;|二ニフ^!ヽニ!;;;;`iー、___
        ,,,ィ'''´;;;;;;;;;;;/__,;;;ヽ/ ,  ! `Y、;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'ヽ;;/     :: ヽ;;;`>;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`i
      !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|__     ,r';;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
      };;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`―-‐''´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;;;;;;;;;{
      |;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;|
      !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;i
      |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;|
      |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;,...、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;|
      |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~``>'  _`ヾメ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;_,ィ'´`、_
      !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/', _  ヾ、`v,r、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||;;;;/7´ /  l
     λ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|〉 、_ `` 、,>'´〉>`‐、___;;〉y'^'~ヒ_, ィ'   !
       ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;`;、t_フ'", 〉`// / `、___ノ´〉`/ ,ト-‐'´,ノ
         ` >,,,,,,,,,,;;;;;;;;/::::::::〉 / } {:::::::::::::::::::::/ )::::`‐t'´
         /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`i:::::::〈 '! ( |::::::::::::::::::/ ,ィ:::,::::::::::|

    愛情のあるなしなんて気に食わないSSをつぶすための方便なんでね
    私が気にくわなければ愛情がないことになるし
    私が気に入れば愛情があることになる
    駄文と名文の差も実際はありゃしない
    要は私たちが気に入るかどうかだ

169:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 00:03:21 PuITopz0
駄文とか名文とか判断するというんだったら
したらばの運営の中に最低でも高校国語の教師の資格持ってる人間くらいいて当たり前だよな

そんな専門教育もうけてないヤツが国語をどうとかいう資格ないだろう

170:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 00:32:34 Bwpi5akz
でも、─とか、誤字脱字とかも、枝葉末節な話だと思うんだけど


誤字脱字が気がついたんだったら気がついたヤツで修正しろよ
それ、ある意味では編集の仕事だろうが

まちがってもそんなもんで「駄文」認定にはならないと思うよ?常識的に

171:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 00:51:09 +OYNClbC
そんなこと言ってたら日本語おかしい
奈須きのことかどうすんの?

172:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 00:59:49 QsxDoStp
何が楽しくてSS書いてるんだろうね

173:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 01:04:55 JRhXXhkV
学校提出用の読書感想文なんて書いたら面白そう



「◆LXe12sNRSsは一生懸命にこの作品を書くことによって、
 この作品から何を世の中に訴えかけたかったのでしょう?
 そしてこの作品からあなたは何を学びましたか?(800字)」






174:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 01:10:25 XtcPENcH
>>173
ちょwwそれ無理だろww

175:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 01:27:45 SJ0iwNNZ
    _  、_                                           ,.  ,./i,.
   、ヽ、 `ヽi、゙ヽ、                           ,,.-‐'''""'''- 、        /i/ '"´'´''"i,
  ,r''´'        ゙、                      ,.-'".:.: : :       `ヽ、     /        ノ'i'
. <´           ゙、  _,,.-- 、   __,,,_          /:.:.:.:.:.:. : :  __,,,. -- .,,,_ゝ、_,,,.-'、__       'ノ,
`フ         ./`'''7´    `y´   `ヽ、,.-‐''""'‐y'.:.:.:.:.:.:.:.:._,.-'"__,,. -''^ヽ、,_ヾ ヽ  ヾ、       ソ
〈、_...... . . . .  . ....:.:.〉、_l:..             /''"     l:.:.:.:.:.:.:.:.:/-‐''´       _,゙i      |'':.. . ....:.:.:.:>
  >.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::/   ゙、:.:.:.:.:....:.:..              i'ニヽ.:.:.:./  ,.== 、    i ,.=、'l  ノ:.:.ノ-、.:.:.:__=‐'"
   ̄´-ニ',,. -'"     `‐ --''゙、`.:.:.:.:.:.:.:.:.:..    . . ..l | | |.:.:.ノ  ,.=-=、`' ' ' _二, i'.:.:.:ノ'"     ̄
                   ヽ、,,__,,,.-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ! | |.:/ '‐‐(  Oi ゙i r' Oノ/_,ノ  単にガキな作者のバカどもが
                            ゙ヽ、,,,_,,{゙、i,l |:.i,  ,. 、`ー‐' ,.   ヽ=' i    凄惨な表現と殺し合いを
                         _,,,,,.-''":l゙、'-'.:.゙、 ' ´i'ヽ、__ノi_   l、 /     みたいだけに決まってるじゃないか
                    ___,,,,r''":::::::::::::::::::::!:.:゙、.:.:.:| i l i'、   `ヽ,ノi/ ̄ ̄` ''ヽ、
                  ,,.-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\.'i, ! ! `、二ニニソ/ ノ       ̄ヽ、_
                  r'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-.,,_::::::::::ヽゝ,    ‐‐  |r'      ,.-'"/::::::ヽ、
              /`'''‐- .,,,_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` ‐- .,,_゙、__,,,,. -'ー‐'    _,,.-'" /::::::::::::::::::゙、
              /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`''- .,,_::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.              '" _,,.-'":::::::::::::::::::::::::::i,
            /;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙''‐-.,,,_:::::::::__::.:.:.:.            _,,,.-'":::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::ヽ,
              i';;;;;;;;;;;;;;;;;;;!/;;;,.-─''''''ヽ、,.. -、;:;:__,r''"'ヽ,,,,____,,,,,,. -‐''''":::::::::::::::::::::::::::\;:;:;:::::::::::::::::::i、
            ,i;;;;;;;;;;;;;:;:;:/;/ _,.r== 、'y'´ ̄.) ゙̄、__,ノ:::::::::::::ヽ;;;;;;;/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;:;:::::::::::::::::::::\
            ,l;;;;;;;:;:;::::::/;;| ,.   __,. -、lヽ-‐'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙、/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙、:::::::::::::::::::::::::ヽ
             /;;;;;;;:;:;::::::i';;;;| " ,.    __ ):::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'i,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i,:::::::::::::::::::::::::::
         /;;;;;;;;:;:;::::::::l;;;;;|     ''´  ゙、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|;;;:;:;:::::::::::::::::::
         i';;;;;;;;;:;:::,,. --'" !    '   r‐ ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::,,. -─‐-、!;;;;;:;:;:::::::::::::::::

176:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 01:33:01 OBDVrHLP
つ〔お決まりの泣き話〕

177:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 01:41:40 OvfsY/P4
だいたい話なんて出尽くしてるんだよ
主催者が考えるパターンもな

178:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 01:45:43 rf19XsGk
          |,,r''´ ̄ `''‐|_                              ,-‐‐- ,,__,, -‐ 、
         r´``'‐-=-‐'"´`':、                            {,, -‐r‐ 、__r‐、>ノ
           `-ト(ミ)‐(ミ)t,,ri'´         ,, -‐''''''''''‐- 、            lj ̄`- ' l`‐' リ
          ゙i ,,┴‐-,,  'ノ         ,ィ´: : : : : : : : ノ、:\              レ  _,,.`´,,_ l´
              l "''"゙''''''゙ /~        /:::: : : : : : :;' ツ  ゙i: :i,             lヽ     l
            ヽ__∠_|           |::::: : ; ''' ´       l: :l          l__i、,,-‐-,,ノ_
       __ 〉二ヽ/こ-、|_       l  i ,. --、__, -- 、 l ノ     _,, -‐ ''''〉,,- ,,__V_,,-'::l``''‐- 、,,_
   _,, -‐'' _,, -‐''}:::::::○:::::::::l   ⌒゙i- ,,_   `>l‐'、:::::ノ l、::::::ノ〈i  , -‐ '''´  /   l`l:::::::::::○:::::::}   ヽ :::::::`''‐ 、
 /::: ''  '‐--ッ ゙i`‐'´ `''‐''ノ < ̄   `''‐- 、{ j    ' '    /l/      '--‐ッ ゙i `‐ '´  `'‐' }<⌒    ::::::ヽ
/::::: ,    <´   \   /   >    _  \l  -‐ー‐-  l'´        /  \     丿  `>     :::::::l
:::::: :l     `'‐ 、_ y''´_, -‐ '"´     l    } l    `  /l     ,     `'‐ 、,_ \__ /_, -‐''     ,   ::::l
:::  ::l        ``'´           l    rl_`'‐-ー--'__),    l         `‐-/‐''         :l   ::::l
  :::l         ○        __,,,,,, ,-‐''´{‐- ,,_ミv彡_,,-‐l`'‐、_ l            ○         ::l   ::::::l
  :::::l              , -‐''  ̄   /   l`''ッ‐'´' ; \ /    \`''‐- 、,,__                ::l   ::::::l
  ::::::l            /       /     〉' ,'   ',  ヽ  ___〉     \,              :::l    ::::::l
___ :::::l           /     ,    ̄フ  /  ,'    ;    l \_          \           :::::l    ::::::l
   :::::l         /     /    `'‐- /      ;    l_,, -''      l    l            ::::::/‐-   :::::l
   :::::ヽ      ( ノ     /       ,l  ,, -‐''-、'    ,,-l         l    `l ○      ::::::/     :::::l
   l::::::::     /     /     -='´‐' ̄`‐-‐ '''`、_,, -''-‐'         l     ヽ       :::::::l     :::::ノ
   /:::::     /        /    , -、                 , -、     l     ヽ       ::::::l   ::::::ノ
  /:::::    /        l     `- '                 `- '      l     \      ::::::l  _,,-''
  l::::::    /         l                                l       ヽ     :::::::l'´
 l::::::    /          l                                l        ヽ     :::::::l
. l::::::  _,,ィ',, -‐ '''‐-     l                                 l           l     :::::::l

                      だが、したらばさんは大喜びだ。

179:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 01:56:52 C0dzq2lu
178 名無しさん@お腹いっぱい。 sage あいつらが心底厨なだけか 2007/10/27(土) 01:45:43 ID:rf19XsGk

                | ̄``''- 、
                |      `゙''ー- 、  ________
                |    ,. -‐ ''´ ̄ ̄`ヽ、_        /
                |, - '´ ̄              `ヽ、     /
              /               `ヽ、ヽ   /
             _/                    ヽヽ/
           / / /   /  /  /            ヽハ
          く  / /!   |   〃 _/__ l|   | |   |  |  | | ||ヽ
           \l// / |  /|'´ ∧  ||   | |ー、||  |  | l | ヽ
            /ハ/ |  | ヽ/ ヽ | ヽ  | || /|ヽ/!  |/ | ヽ
            / |  ||ヽ { ,r===、   \| _!V |// //  .!   |
            | ||   |l |ヽ!'´ ̄`゙   ,  ==ミ、 /イ川  |─┘
            | ハ||  || | """ ┌---┐  `  / //  |
            V !ヽ ト! ヽ、    |     !    / //| /
               ヽ! \ハ` 、 ヽ、__ノ    ,.イ/ // | /
    ┌/)/)/)/)/)/)/)/)/)/)lー/ ` ー‐┬ '´ レ//l/ |/
    |(/(/(/(/(/(/(/(/(/(/│||      |\  〃
  r'´ ̄ヽ.              | | ト    /    \
  /  ̄`ア             | | |  ⌒/     入
  〉  ̄二)            | | |  /     // ヽ
 〈!   ,. -'                | | ヽ∠-----', '´    ',
  | \| |   .そ の 通 り   | |<二Z二 ̄  /     ',
  |   | |               _r'---|  [ ``ヽ、      ',
  |   | |             >-、__    [    ヽ      !
  \.| l.              ヽ、      [     ヽ    |
    ヽ|              \    r'     ヽ、    |

180:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/27 02:11:21 PRHpnslS
     ,、r'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`';,、
    /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
.   /;;/´         `' 、;;;;;;;ヽ
.  ,';/              ヽ;;;;;;;l
.  |;|┌--‐フ  ┌----、、   |;;;;;;;|
.  |l ~~__´ 、   ``'__''''┘  |;;;;;;;;|
  _|. <,,O,> 〉   <,,O,,>    |;;;;;⊥
  | '|.    /   、       |;/ ィ |
  | |    (    )       .ソ /ノj
  ヽ |    _,ニ ニ,,,,,_       ソ./
   `| ,、ィ-‐''__'''‐-`,、     '' /
.   ',   :i゙''''''''''`l'  `    ,‐'"
    ヽ.   L__」      /
     ヽ.  -、、、、 '    /|
.     ハ        /  |、
    /|ヽヽ、___,,,,、 '    l ',
   ノ. | ヽ          / |`ー-、

なんだかよくわからないけど隈部置いておきますね

181:Ashes to ashes. 1  ◆P2vcbk2T1w
07/10/27 08:31:08 2QZkBNsx
目が霞む。
思考がぼやける。
体が重い。
呼吸をすることすら億劫だ。
少しでも気を緩めれば、この朧げな意識はすぐに失われてしまうだろう。
だが、そうなれば全てが終わる。終わってしまう。

それは、出来ない話だ。

だから、歩く。
そして、目の前の敵を、燔く。
ただそれだけ。それだけでいい。
他の事をする力も、考える余裕ももうない。
残された力で出来ること。それをただ淡々と行うのみだ。
そう、いつものように。

燃えろ。


 @ @ @ @ @


場所はフィールド中央近く。E-5エリア内。
時間は朝6時を少し回ったばかり。
そこにいるのは、2匹と一匹。
つい今しがたまで流れていた放送を聞くために、一行は歩みを止め、休憩を取っていた。

放送が終わってから、お互いがお互いを探り合うような、妙な空気が場を満たす。
その空気を破ったのは、金髪の赤コート。
「ええと……なんと言うか、聞くのが憚れるんだけどさ……
 どう、だった? 誰か知ってる人、呼ばれた中に居た? 僕は居なかったんだけど……」
「私は居ませんでした」
そう答ながら、ふと、自分がまだ名乗ってすら居ないことに気付く。
男の方は私の名前よりも肩の怪我の方を気遣うのに忙しく、
猫の方はというと、早く暴れたいの一心なのか、私のことなどほぼ眼中に無い。
ドの付くお人よしに、おつむの弱そうな食肉類。
御し易い事この上ない。
と、そこで猫が口を開いた。
「俺は……直接の知り合いは無事みたいだな。
 ただ、知り合いの知り合い……はやての言ってた知り合いの一人にキャロってのが居たと思うんだけど……
 死んじまったみたいだな……」
「そうか……でも、もう9人も人が死んでしまっているなんて……クソッ、急がないと……!」
「心中お察し致します……」
思わず歯が浮きあがって飛んでいきそうになった。

この2人は、ここまで大した警戒心も払わずに、既に様々な情報を私にさらけ出していた。
そのなかで最も興味を引いたのが、はやて―機動六課部隊長、八神はやて―という人物の名前だった。
偶然にもこの猫は彼女と接触し、その行動予定をも把握していた。
この情報をどう使うかは後に考えるとしても、それは予想外の収穫と言える。
接触を避けるか、敢えて積極的に接触するか……

その時、思い出したかのように金髪が口を開いた。
「ああ、そういえばまだ聞いていなかったね、君の名前は―」
だが、男の言葉はそこで止まる。
そして、その場の全員が全身を硬直させる。

遠くから、爆音が轟いて来たのだ。



182:Ashes to ashes. 2  ◆P2vcbk2T1w
07/10/27 08:32:27 2QZkBNsx
「これは……一体何処から!?」
「見ろ、あっちだ!」
見れば、西の湾の向こうで、濛々と粉塵が立ち上っている。
あそこで何らかの爆発が起こったようだ。
戦闘? 事故? 
どちらにせよ、物騒な何かが起こっていることは明らかだ。
賢明な人間ならば、好んで近づこうとは思わないだろう。
だが。
「まさか、あそこでも戦闘が!? 
なら、止めにいかないと……ああ、でも彼女を襲った黒服が……」
「なあ、その黒服ってのが、まだソコにいるとは限らないだろ? 
でも、あそこに居る奴は、今暴れてる。
先にコッチを片付けてからのがいいんじゃねえか?」
「……うん、確かにクロの言うとおりだ。彼女には悪いけど、あそこで暴れてる人を止めに行こう!」
「ああ! こっちのが確実に暴れられそうだしな!!」
こいつらは、馬鹿だった。

「君はここで隠れているんだ! 大丈夫、直ぐ戻る!!」
そういうと、2人は爆煙の立ち上る方へと走りだす。
馬鹿は御しやすいが……過ぎたるは及ばざるが如し、ということなのだろうか。


 @ @ @ @ @


その爆発が起こった現場は、ごみごみとした街の一角だった。
海沿いだというのに風の通りが悪く、空気が淀み、粉塵が中々晴れて行かない。
しかし、その煙の合間から覗き見える爆発の規模は凄まじい。
ガス爆発か何かなのだろうか?

「ゲホ、ゴホッ、おい、煙が多すぎてなんも見えないぞ! 爆発もあの一発きりだし……どういうことだ!?」
「わ、わからないよ! でも、僕らと入れ違いになったとも思えないし……爆風で海に落ちたのかな?」
「でも、これだけドでかい爆発なら、海に落ちたとしても生きちゃいないだろうなー」
視界も、状況も、限りなく不透明だ。
だが、それでも凡その推測は行える。
爆発の規模は大きいが、周囲に爆発の原因となり得る可燃物は無い。
ということはつまり。
この爆発は、何者かの能力、もしくは特殊な道具によって生じたものである可能性が極めて高い。
そして、死体、すくなくともその一部すら発見できない。
ということは……だ。
この爆発を起こした張本人が、まだ生きてこの辺りをうろついている、という可能性を示唆しているのだ。
「見て! 地面に血の跡がある! あっちに続いてるみたいだ!」
「……待て、何か動いた! 誰かいるぞ!!」
……と、どうやら対象を捕捉したようだ。


―幽霊? 
柄にもない事だが、その男を見て、最初に連想した単語がそれだった。
その黒い服は血で汚れ、足取りは覚束無い。
何処へ向かっているのか、何をしようとしているのかは分からないが、その肉体からは生気を感じ取れない。
正に、死体が歩いている、という表現がぴったり当てはまる。
ゾンビ、という奴なのだろうか。


183:Ashes to ashes. 3  ◆P2vcbk2T1w
07/10/27 08:33:51 2QZkBNsx
「ちょっと、そこの人! 待ってくれ、話がしたいんだ!!」
金髪赤コートが男に向かって呼びかける。
だが、男は何の反応も示さない。耳が聞えているのかどうかも怪しいところだ。
「僕は敵じゃない! 教えてくれ、君がこの爆発を起こしたのか? それとも君は巻き込まれただけなのか!?
 頼む、返事をしてくれッ!!」
それでも金髪は呼びかけをやめない。ご苦労なことで。
だが、その熱意が届いたのかどうか、男がゆっくりと二人の方を振り向いた。

男の目は―冥い。
まるで、死者のそれの様だ。
だが、死人の目にはないものが唯一つ、その目の中でギラギラと燃えている。
これは……そう。
『殺意』だ。

「……おい、こりゃあ話が通じるようにゃあ思えないぞ?」
猫が、かちゃりと銃を構える。
「待って、まだ話を―」
だが、男は二人が言い合っているのを意にも介さないといった風に、
ゆっくりと、その右手を二人の方に向けて掲げる。
「握手を求めてる……ワケじゃないよね、やっぱり」
「アホか! どう考えても『なんか攻撃始めますよ!』ってポーズだろうが!
 もう悠長に待ってる場合じゃねえだろ!!」
そう言うが早いか、猫が男に向かって走り出す。
「待ってクロ! 怪我させちゃいけない! あくまで平和的に―」
「黙ってろ! つーか、ちゃんと『優しく』やってやるよ! アイツが反撃してきたら知らねーがな!」

その猫に向かって、男がパチン、と指を鳴らした。
「うおおおおっ、これで大人しく――」
猫が、銃の引き金を引く。




その瞬間、世界は光に包まれ、音という音が消え去った。



恐らく、猫はそれを爆発だと認識する暇さえ無かっただろう。



 @ @ @ @ @



184:Ashes to ashes. 4  ◆P2vcbk2T1w
07/10/27 08:35:08 2QZkBNsx
これは事後的に得られた推論の一つなのだが、一応ここで纏めておくこととする。
あの男の技というか、能力は……恐らく、「気体の操作」だったのではないかと思う。
詳しい手段は不明だが、爆発を引き起こすような、何らかの可燃性ガスを操って、敵を爆殺する。
そういった戦闘スタイルだったのではないだろうか。
だが、見るにこの男、既に満身創痍、息も絶え絶えといった様子だった。
まともな意識を保てていたかどうかすら怪しいものだ。
だが、気体の操作自体は何とか行っていたようだ。それは、爆発の存在自体が証明している。
しかし、である。
この男は、ガスは操れても……果たして、その“起爆”は出来たのだろうか?

見たところ、この男は発火装置―火種になりうる道具を何一つ持っていなかった。
そう、“ランタンの一つ”さえも。
そして、朦朧としたこの男の意識。
風通しの悪い、淀んだこの地形。
不自然なほどに大きな爆発。
そこから導かれる推論は―私の主観的な憶測が大きく入っているが―つまりはこういうことだったのではないだろうか?

男は、微かに残った意識で、敵と認識したモノを、それも、虚実を分け隔てることなく、攻撃し続けていたのではないか?
そう、彼が何時もそうするように。
だが、彼の手には発火装置は無い。だが、彼はソレすらも自覚はできていなかったのではないだろうか?
そして、一つ一つの攻撃自体は不発に終わるが、彼が呼び寄せた“可燃性ガス”は、この場に留まる。
淀んだ空気の中で、拡散せずにガスは残る。
(補足して置くが、一部の可燃性ガス、例えば酸素等は空気よりも重く、地表に留まる性質を持っている)
そして、男の攻撃は続く。
その結果、この場には非常に大量の可燃性ガスが充満することとなってしまう。
そして、それが何らかのきっかけで着火してしまえば……大爆発が起こる。
それが、我々が最初に聞いた、一度目の爆発だったのだ。

そして、“二度目”である。
今度も、ガスの蓄積は相変わらず行われていたのだろう。
そして、更に二度目では、一度目の爆発の残渣―大量の粉塵が、その場に残っていた。
粉塵というものは、可燃物である。一つ一つが発火によって生むエネルギーは少なくとも、
それが大量に連鎖していけば、決して侮れない威力を生み出す。
それが粉塵爆発だ。
つまり、大量の可燃性ガスに、大量の可燃物。それらの発火によって生じる大爆発。
それが、その時起こった現象なのではないだろうか。


これが、その“一部始終”を観察していた、私ことクアットロの出した結論である。


 @ @ @ @ @



185:Ashes to ashes. 5  ◆P2vcbk2T1w
07/10/27 08:36:12 2QZkBNsx
湾を挟んだ地形。飛行能力を持つ私が先回りするのは非常に容易かった。
そして、彼らに見つからないように、身を潜める。
今度は気付かれないように、十二分に距離をとり、注意を払った。
観察の目的は二つ。
あの二人と、敵の見極めである。
利用できそうなら使い、使えないのであれば捨てる。
その評価は極めて重要と言えるのだ。

再度立ち上る噴煙の中心地に、私はゆっくりと舞い降りる。
その爆心地には、変わり果てた姿の猫がその体を横たえていた。
まだ余熱の残った首輪をつまむと、炭化したその首がボロリと零れ落ちた。
その手には銃がその形をとどめてはいるが……その機能が残されているかどうかは甚だ疑問ではある。
一応念のため、それらを自分の荷物の中に収めておく。

周囲を見渡すと、少し離れた場所に、金髪の男が倒れていた。
気を失っているようだが、目立った外傷はない。悪運の強い男だ。
だが、今はこの男のことはどうでも良い。
今は―もう一人の男の方に用がある。


その男は、しかしながら、かろうじて生きていた。
軌跡の範疇だといえるかもしれない。それほどに、その男の置かれた状況は悪かった。
はた目にも重症と分かるその体は、先ほどまで自律歩行していた事実さえ疑いたくなる程だ。
このまま放っておけば、この男は、ものの数分の間にその生命活動の全てを止めてしまうだろう。

だからこそ、良い。

私は、あるものを求めていた。
それは、私の左肩を治療する為の、何らかの手段。
この世界では、中々に手強い人間が多数居る。その中で手負いのまま居ることは、極めて好ましく無いと言える。
だが、螺旋王が支給した道具の中には、数々の不可思議な道具が含まれているし、この場に居合わせる能力者達の技術力は低くない。
だからこそ、自らの傷を癒す手段がどこかにあると考えることは、決しておかしくないはずだ。

実際、その可能性を秘めたアイテムは、既に私の手の中にある。

最初に私が殺した女の支給品であるそれを取り出す。
銀色に輝く小さな金属片。
だが、それは、恐るべき性能を秘めた生物兵器そのものであると言う。

“DG細胞”

その説明書きを額面どおりに受け取るならば、それは正に人知を超えた超兵器であると言わざるを得ない。
まさかそこに書かれた通りの機能を有するとはとても信じがたいが、かと言って完全なブラフであるとも言い切れない。
貴重なサンプルである、とは思う。
だが、今の自分に必要なのは、当面の間の生存確率を上げること。
だから、私が知りたいことは、ただ一つ。
『コレは、私の怪我を治癒するだけの能力を持っているのかどうか?』

しかし、その効果をいきなり自分の体で確かめる、などということは出来ない。
幾らなんでもリスクが高すぎる。
だから、私は今から“実験”を行うことにする。



次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch