アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ4at ANICHARA
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ4 - 暇つぶし2ch150:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/17 21:29:21 emsjPCrd
どうせだからロワ関連スレは全部ここで統合で

151:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/17 23:31:04 pADnguAf
したらばで議論・雑談するのが嫌ならここをリサイクルすればいいんじゃないの?
スレリンク(anichara板)

152:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/18 00:21:58 eziOqogY
別にここでもええし

153:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:22:49 OTWEkYez


 病院の薬品保管庫の中で、ムスカは椅子に座り、頬に手を当て机に肘を立てながらうつらうつらと舟を漕いでいた。
彼がここに入った理由は簡単だ。病室より人に見つかり難い病院の奥でなら、休息を取れると思えたからだ。
戴宗との戦いは彼に多大な疲労を与え、それにともなう睡魔を誘発していた。
故に彼の体は休息を訴え、夢の中へと意識を誘っていた。
ああ、眠い。このまま放送のことなど忘れて寝入ってしまおうか?
ムスカはそんなことを思いつつ、睡眠欲へと溺れようとしていた。
だからだったのかもしれない。
力を抜いた体は逆に感覚が鋭敏化し、ムスカの耳にとある音が聞えた。
いったいなんの音か?
ムスカは意識を半場覚醒させ、耳をすませる。
その音は風きり音だった。何かが風を斬るような速さでこちらの方に近づいてきている音だった。
そして、ムスカはその音に聞き覚えがあった。
あいつだ。あの男だ。自分をコケにし、膝を尽かせた無礼な男だ! 自分の背後に立ったときあの音が聞えたのだ!
意識を完全に覚醒させ、冷や汗をながしながらムスカはそう確信する。
どうするか? まずそれを考えた。
おそらく自分の逃走を知り、病院内を探し回っている最中なのだろう。隠れれば見つからないかもしれない。
几帳面な男には見えない。ならば、雑に探し回っていても不思議ではないのだ。
だが、今の自分が武器を持っていると相手は気付いていないはずだ。
今が屈辱を晴らす最大のチャンスであることを考えれば仕掛けるべきだろう。


しかし、銃一丁であんな化け物を倒せるのだろうか?


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

154:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:24:33 OTWEkYez



 朝日が昇る中、今だ暗闇が支配する病院内を梁山泊の九大天王の一人、神行太保・戴宗は駆けていた。
理由は至極簡単。何処かへと逃げ出した眼鏡の男を捕まえるためだ。
自分の迂闊な行動でこれ以上犠牲者を出したとあっては、あの世に先に逝った仲間達や弟分である鉄牛にすら笑われてしまうだろう。

「さて、いってぇどこに消えた?」

戴宗は意識を集中させ、辺りの気配を探る。
そして、彼の鋭敏な知覚は男の気配を察知した。それと同時に自身を狙う強烈な殺気も。

「いやがったか!」

戴宗は叫び、その場から飛び跳ねる。その瞬間彼が一瞬前まで走っていた場所に轟音と共に、隕石が直撃したかのような大穴が空いた。
床に鮮やかに着地し、殺気の放たれた方向に目を向ける。
そこには吹き飛ばされ破砕したドアだったと思われるものの残骸と、扉を失った入り口から現れた眼鏡の男がいた。
いつのまにか銃らしき物を手に入れている。かなりの破壊力だ。おそらく自身の捻り出せる力より数段上の力は持っているだろう。
どうやらあの男はよほど運に恵まれているらしい。
こちらは本と鏡の欠片以外は、死体と一緒に拾った剣とナイフしかないと言うのに、
あちらは自分の力を無力化したばかりか、電気を発する葛篭や銃などの武器を簡単に手に入れてしまう。

「死ね!?」

男は憎悪を隠そうともせず、戴宗の頭上に向かって何かを投げつける。
投げつけられた物を確認するまもなく、戴宗は後ろに向かって飛び跳ねた。
ムスカの放った弾丸がビンに当たり、中に入っていた液体が床に飛び散る。
液体が床一面に広がり、油が煮立つ音と共に辺りにうっすらと白い煙が立ち込める。
酸だ。敵は硫酸か何かを投げつけるつもりだったのだ。
だがこのような手に戴宗は引っかかるわけでもなく既に退避済みである。

「もう終わりか?」

戴宗は男に問いかける。

「さあな?」

だが男はうっすらと見るものを苛立たせる笑みを浮かべたまま、余裕とも取れる表情で答えた。

155:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:25:54 OTWEkYez
いったい何を考えているのか?
戴宗はそれを考える。罠があるのか、それともハッタリなのか?
だが関係ない。罠があろうとなかろうと力づくで食い千切るまで。
今やるべきことは、あのにやけた顔面に一撃を加えることだ。

「ハァ!」

掛け声と共に地を蹴り噴射拳を併用し疾走。
男が弾丸を何発も連射する。
だがそれらの凶弾を戴宗は紙一重で全て回避しながら、酸の海を飛び越え男に向かって真直ぐに突撃する。
あたらなければどうということもない。
男の目では戴宗の体を捕らえることは不可能だ。
弾丸の威力は尋常ではなくても、男の銃の腕前は精々B級エキスパート程度でしかない。


だがムスカも自分の弾丸が当たるとは思ってはいなかった。


突然に戴宗の足が滑った。

「なんだと!?」

戴宗の心が驚愕に染まる。目の前で眼鏡の男のにやけ顔がさらに深まった。
そして戴宗は理解する。今までの男の行動はこのための布石だと、油か何かの液体を地面にばら撒き
自分を滑らすことが目的なのだと。床を溶かし煙を出す酸はこのためのカモフラージュだったのだ。
勝利を確信した男の銃が、自分の心臓に狙いをつける。あの威力を防ぐ手段は自分は持ってはいない。
横に滑った体では男の狙いを外せない。ならば、避けずに受け止めるのみ。
戴宗はデイパッグの中に右手を入れる。求めるものは奇妙な形をした剣。
剣士ではないものの、拾った剣を大業物だと理解していた戴宗はそれで弾丸を受け止められると確信していた。

ムスカの銃口が戴宗の心臓に垂直を結び、戴宗がエアを取り出す。
戴宗は乖離剣・エアを振るい、同時にムスカが引き金を引いた。
エアの軌跡と弾丸の軌道が交差する。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

156:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:28:40 OTWEkYez



 アニタ・キングは死んだ。


それはいったい何故か? 客観的に見れば、剣の暴走によりその見を切り刻まれたからである。
剣の暴走という死に方は事実だ。 だが真実は少し違う。
アニタ・キングの本当の死因、それは彼女の持つ強大な資質が剣を通したために発動し、押しつぶされたからだ。
ジェントルメンという老人がかつて存在していた。
彼は50万年ほど古より存在し、イギリスを中心として古代から現代において、老死に至るまで世界を支配し続けた最高権力者。
だが、その多種多様な人格に異能や能力を持つ人類を権力だけで支配はできない。
その答えは単純、全人類の力を扱いやすいように彼自身が制御したからだ。
気の長くなるような永い時をかけて、ジェントルメンは人類に多種多様な固定観念を植え付けていった。
人は螺旋力を持たない、空を飛べない、水中で息ができない、火で炙られれば皮膚は焼ける、100年程で命は尽きる、錬金術など理解できない、
魔術等はフィクションでしかない、肉体を変態させることはできない、視線だけで他人を支配できない、生命を生き返らすことはできない、
無から武器を生み出せない、物の怪を召還できない、炎や雷に衝撃波といった力を放出できない、悪魔を呼び出し契約などできない、
ただの蹴りでビルを持ち上げられない、気功など体得できない、紙を意のままに操れない、鳥が口から光を吐き出すことなど夢物語だ。
故に人は人であるしかなかった。
さらにジェントルメンが作り上げた大英図書館や大英博物館が正史以外の歴史を内包することにより、真実はジェントルメンの定めたものとなった。
故に人は、ジェントルメンの物語の住人でしかなかった。
だがあるとき、そんな中からルールを破る者たちが現れた。俗に言う異能者達である。
そして、その中のもっとも代表的な者達を挙げるとするならば、ジェントルメン自身が作り上げた組織が多数保有する紙使いが有名であろう。
紙使い、それは紙を自分の意のままに操る異能を持つ人間。その大半は本という存在を愛しており、
周囲の人間も本を愛するからこそ紙を使えると思っていた。
だがそれは違う。本が好きなだけで紙を操れるなら世界中の大半は紙使いになれるだろう。
紙使いである彼女ら彼らは本を読むうちに知ったのだ。
紙は自分の意のままに操れると。紙は信じれば答えてくれると。
そうやって異能者達は、ジェントルメンの作った現実という名のルールを破っていったのだ。
アニタ・キングはそんな異能者達の中でも、強大な力を持つ紙使いの遺伝子を掛け合わせて作られた少女だ。
D・Nの精子とY・Rの卵子によって、この世に生れ落ちた彼女は7歳という異例の若さで紙を扱えるようになるほどの資質を持つに至った。

157:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:29:51 OTWEkYez
ジュニア死亡と大英図書館に認知された際はジェントルメンを復活させる候補にも選ばれたほどだ。
現代になるとジェントルメンは急速に老い、その強大な力も弱くなり老死した。
だが老死する以前から、彼に再び寿命と力を取り戻させる計画が大英図書館の手によって発足していた。
それがジェントルメン再生計画である。その計画は彼の精神から肉体における全てを7冊の本に纏め上げ、別人へとコピーするといった内容であった。
コピー先は誰でもいいというわけではなく、強い資質や器を持つ人間が必要ではあったが、
ジュニアやアニタといった優秀な素材があったために、その問題は解決していた。
後は素材が成熟するまで多少の時間が必要ではあり、ジェントルメン復活は問題なく行なわれるはずであったが、
大英図書館の保有するエージェントであるザ・ペーパーの暴走により計画は頓挫し、再計画を余儀なくされることとなった。
それほどの力を持つジェントルメンの支配から抜け出し、その器にも選ばれた少女である。
人間が紙を元々操れる力を持つことを知っていた以上は、魔術を操れる道具から人間は元々魔術を使えることを知ることができてもおかしくなかった。
そう、アニタが乖離剣・エアを扱えたのは紙使いとしての能力が一種の魔術回路として機能したからでもなく。
はたまた、螺旋王がこの実験によって探し出そうとしている新たな螺旋力を生み出しているからでもない。
気付いたからだ。人間は元々魔術を使えるということに。現代の人間がそのことを知らないのは、知ることができていないということに。
それほどの資質を持つアニタの力は、剣の巻き起こす力がアニタを切り刻んだように、剣に何の影響も与えていないはずがなかった。
剣の持ち主であるギルガメッシュすらも一見すれば全くの無傷としかいえない状態を保ってはいたが、
その実はアニタの引き出した出力と制御ミスに耐え切れず金属疲労に似た現象を引き起こしていたのだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

158:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:31:47 OTWEkYez


 エアの軌跡と弾丸の軌道が交差した瞬間、エアは戴宗の目の前で飴細工のように粉々に砕けた。
金属疲労に似た現象が起こり、折れる一歩手前の剣だったのだ。
この結果は想像に難くない。

「なっ!?」

しかし戴宗にとっては予想外の事態であったために彼は驚いた。
だが彼には、驚く暇も事態に対処する暇もなかった。
エアが粉々に砕けた瞬間、弾丸が心臓の前にある左胸に直撃していたのだから。

「ぐぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁ!!」

戴宗は弾丸を喰らい後ろへと数m吹き飛ばされた。デイパッグとエアの柄が彼の体を離れる。
デイパッグは軽い音を立てて地へと落ち、エアの柄は甲高い音を立てて地面に激突し崩壊した。
戴宗の体は床を激しくすべり壁に追突し、動かなくなった。
ムスカは恐る恐る、仰向けに倒れ動かなくなった戴宗を数分眺める。
だが、彼はいくら待っても動かなかった。

「ハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタの勝利の高笑いが、死者を侮辱する哄笑が病院内に響き渡る。
ひとしきり笑い終えたあと、ムスカは戴宗のデイパッグを拾い上げ、今だ薄暗さを残す廊下を移動し始めた。
恐怖の象徴が逝った今、彼に恐れるものなど何もない。

「これは私に逆らった報いなのだよ。さようなら名も知らぬ東洋人」

最後にそういい残しムスカは戴宗を残し、その場を後にした。
薬臭い倉庫など神がいるべき場所ではない。目指すは病院内のどこかにあるVIPルーム。そこで休息を取るのだ。




そして、そこには砕けた剣と胸を撃たれた男と幾つもの破壊痕だけが残された。
神を名乗る男が生き続ける限り、この光景は幾度となく繰り返されるであろう。

159:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:33:41 OTWEkYez



【D-6/総合病院内/1日目/早朝(放送数十分前)】
【ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ(ムスカ大佐)@天空の城ラピュタ】
[状態]:精神・肉体共に激しく疲労、背中に打撲
[装備]:ダブルキャノン@サイボーグクロちゃん (残弾18/30)
[道具]:デイバック×2、支給品一式(食料-[大量のチョコレート][紅茶][エドの食料(詳細不明)])、葡萄酒の空き瓶、
     アサシンナイフ@さよなら絶望先生×11本、『涼宮ハルヒの憂鬱』全巻セット@らき☆すた(『分裂』まで。『憂鬱』が抜けています)
     魔鏡の欠片@金色のガッシュベル!!、食料-[握り飯、3日分][虎柄の水筒(烏龍茶)]
[思考]基本:すべての生きとし生ける者に、ラピュタ神の力を見せつける。
1.VIPルームで休息をとりたい。
2.パズーらに復讐する。
3.出来れば『平賀源内のエレキテル』のような派手な攻撃が出来る武器も欲しい。
  最終:最後まで生き残り、ロージェノムに神の怒りを与える。



160:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:36:45 OTWEkYez




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 神行太保・戴宗の体は放置されていた。心臓の上にある部分の衣服は激しく破れ、ダブルキャノンの威力を物語っていた。
ダブルキャノンの一撃は彼の周囲にある破壊痕から分かるとおり、人間など当ればひとたまりもない。
故に生存することなど不可能だ。なんらかの防御手段を用いなければ。

「ガハッ! ゲホッ!」

突然に、死んだと思われた戴宗は血を吐きながら咳きをした。
ムスカが去るまで本当に心臓は停止していた。
なんとか蘇生できたのは普段から絶やさぬ鍛錬の成果と、過酷な任務に就き磨かれた精神力故であった。
だが、それらだけでは彼の復活はありえないことだ。分厚い鉄板を胸に仕込んでいたとしても、簡単に彼の胸を貫通しているはずだからだ。
戴宗は起き上がり、壁にもたれかかりつつ自分の懐から何かを取り出した。足元に、弾頭が平らになった弾丸が転がる。
取り出した物、それは本だった。丁寧な装飾がされているわけでもなければ、タイトルがついているわけでもない茶色い分厚い本だった。
唯一表紙には6つの点を結ぶように六角形が刻まれており、中央に7つ目の点が刻まれていた。
その本が『涼宮ハルヒの憂鬱全巻セット』、『魔鏡の欠片』に続く戴宗の最後の支給品だった。
戴宗はその分厚い本を弾除け代わりにするつもりで懐に忍ばせたのだ。

「……傷一つ……ついて……いないとは……ねぇ」

戴宗は喋りずらそうに文句を言う。さすがの彼も心臓に多大な衝撃を受けたとあっては疲弊するのは当然であった。
だが、これ以上は文句を言わない。本が自身の心臓を守らなければ死んでいたことを理解していたからだ。
とはいえ、大砲の弾丸に匹敵する弾に耐えられる本など戴宗の理解の範疇外ではあったが。
しかし、ここにザ・ペーパーと呼ばれるエージェントがいれば、この事態を納得しただろう。
なぜならその本は、ジェントルメンを7分割した内の一冊である『全てを見通す眼の書』なのだから。
強大な力を持つジェントルメンそのものと言えるその本は、簡単には破壊できない。

「……さて、どうす……っかなぁ?」

戴宗は懐に本を戻しながらそう呟く。彼自身はとてつもない倦怠感と疲労感に包まれていた。
ゆえに休息を取る事を選ぶ。強敵との戦いに備えるために、今は失った体力の回復をするべきだ。
戴宗はとりあえずムスカから離れることにした。
死を恐れるわけではないが、この体では返り討ちが関の山でしかない。
まだ十傑集も残っているのだ。せめて殺し合いに乗った連中に対し、相打ちぐらいには持っていきたい。
せめて一子報いるまでは死んでも死にきれない。



161:Gentleman  ◆bsSjhtXYP2
07/10/18 10:38:41 OTWEkYez



【D-6/総合病院内/1日目/早朝(放送数十分前)】
【神行太保・戴宗@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:疲労、心臓に多大な衝撃
[装備]:全てを見通す眼の書@R.O.D(シリーズ)
[道具]:無し
[思考]:
 基本:不義は見逃さず。悪は成敗する
 1.眼鏡の男から離れ、傷ついた体を休めたい。
 2.どこかで酒を調達したい。
 3.菫川ねねねを捜し、少女(アニタ)との関連性を探ってみる。
 4.死んでいた少年(エド)の身内や仲間を探してみる。
 最終:螺旋王ロージェノムを打倒し、元の世界へと帰還する


162:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/18 10:56:06 Czht6a3f


403 名前:名無しセカンド 投稿日: 2007/10/18(木) 00:12:47 ID:I8NWlGSQ0
10/20(土)に期限が切れる予約

◆LXe12sNRSs氏 菫川ねねね、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、パルコ・フォルゴレ
◆bsSjhtXYP2氏  戴宗、ムスカ
◆hsja2sb1KY氏  スパイク・スピーゲル、読子・リードマン、八神はやて

404 名前: ◆bsSjhtXYP2 投稿日: 2007/10/18(木) 10:21:32 ID:TL3AiN5E0
投下します。

405 名前: ◆bsSjhtXYP2 投稿日: 2007/10/18(木) 10:40:06 ID:TL3AiN5E0
投下終了。
自分の中の問題点としては小説版R.O.Dの設定流用と、
病院の中の薬品の扱いかな?


平日朝10時に投稿たあいいご身分ですな

163:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/18 20:11:45 Z+CcJxbm
2ndの連中がしたらばで勝手に進めたって事なら、
こっちが2ちゃんで3rdを始めちゃっても問題無いって事だよなぁ?

164:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/18 20:30:18 HMG9VAlb
まあ、名前は2ndでしょ

165:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:05:58 git5T9ze
 

166: ◆LXe12sNRSs
07/10/19 22:07:53 vWxFrcJv
 突然だが、水族館とは、海や河川、湖沼などの水中や水辺で生活する生き物を収集、展示している施設である。
 魚介類や無脊椎動物、両生類、海産獣類、爬虫類といった動物や、水草などが主な展示物であり、
 水族館を訪れる客は、多くがその生体の観察を目的として来るものである。
 しかし近年、旧世紀から受け継がれてきた水族館の様式美も、様変わりをするようになってきた。
 それは、エンターテイメント性の追求である。
 ただ『魚が観れる』だけのアミューズメントではパンチが弱いのか、集客数は年々減る一方。
 水族館側の人間はそんな状況をなんとか打開すべく、イルカやアシカといった人気の動物によるショーを開いたり、
 水族館にちなんだオリジナルグッズを開発したり、動物に特殊な芸を仕込ませマスコットキャラとしてアピールしたりなど、
 試行錯誤を繰り返す内に、昨今の水族館は、ただ魚と水槽を置きそれを見せるだけの施設ではなくなった。

 そこで疑問に思うのが、『このE-1に位置する水族館は、いったいどの年代をベースにして作られたのか』ということである。
 疑問の観点は水族館のみならず、会場全域にも言える。ドーム球場に観覧車などのアミューズメント施設から、
 灯台や空港といった産業の基盤になる公共施設まで、各施設の充実ぶりは目を見張るものがある。
 住まう分には不自由なく暮らせる快適な街……というのは客観的な論。では、殺し合いの舞台としてはどうか。
 そもそも、殺し合いに相応しい会場とは如何なる場所が言えるのだろうか。
 安易に脱出できない環境は当然として、敷地面積は広すぎず、隠れ家となるような施設は最大限排除したほうが効率的なような気もする。
 つまり、この『暮らすには快適すぎる街』は、殺し合いをするに相応しい場所とは到底言えない。
 だが、この殺し合いはただ人と人が殺し合うだけでなく、『優秀な螺旋遺伝子を選出させるための実験』という意味も孕んでいる。
 むしろ、本来の目的こそがこの実験であり、殺し合いはそのための方法でしかない。
 話は戻るが、この、『現代日本のそれと非常に酷似した水族館』は、どういった意味が込められこの場に配置されたのか。
 主催者である螺旋王ロージェノムは、話していた言語こそ日本語だが、とても日本人と思える外見ではなかった。
 いや、日本人どころか、外国人ですらない。そもそも人間なのかも謎。そんな人物がなぜ、実験の会場を日本に模したりなどしたのか。
 なぜ、多種多様な施設を配置したのか。この水族館に、どこまでの狙いが潜められているのか。

「とまぁ、水族館一つでここまで考察できるわけだ、が」

 ―重苦しい印象を放つ男性モノの眼鏡を光らせ、菫川ねねねが言う。

「あいつら見てると、なんか馬鹿らしくなってくるな」

 客席に腰掛けながら、ねねねは遠方ではしゃぐ二人組をみて思う。
 実験、殺し合い、表現の仕方は色々あれど、このような危機的状況でなぜあの二人は、ああも楽しそうにしていられるのだろう……と。

「ハハハ、よーしイリヤ、次はイルカさんと遊ぶぞー!」
「遊ぶぞー!」

 水族館内、直径約20メートルはあるかと思われる円形の巨大プールに、ねねねとイリヤとフォルゴレの三人組はいた。
 ここは水族館内のパンフレットによると、「イルカのプール」と呼ばれる当館の看板スポットらしく、
 バンドウイルカのダイナミックなジャンプや、カマイルカのスピード感あふれる泳ぎなどが、
 音楽と照明に合わせたオリジナルな演出で華麗に繰り広げられ、さらに客席数は1350席でプールを囲むように配置されているので
 どの席からでもイルカたちの迫力あるパフォーマンスは見逃すことなく堪能できる……らしい。本来ならば。
 当然ながら、上記のようなパフォーマンスは、客が目の前にいるからといってイルカが勝手にやってくれるものではない。
 スタッフが指示をして、初めてイルカは芸をする。いかに知能が高くとも、イルカはそこまで万能ではない。
 そして根本的な問題として、このプールにはイルカはいれど、彼らに芸を指示する係員はいない。
 それどころか、この水族館はまったくと言っていいほどの無人。飼育係も清掃員もいない、いるのは動物たちだけだった。
 世話をする者もいなければ、訪れる者もいない廃れた水族館。ゆくゆくはどうなってしまうのか、考えると鬱になる。
 しかし、今は自分たちのことで手一杯な状況だ。いくら愛らしく鳴かれても、ここにいる動物たちの面倒まで見る気にはなれない。
 生きるか死ぬか、それが今の最重要問題だ。

167:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」
07/10/19 22:09:01 vWxFrcJv
「なのに、目の前の男とちびっ子ときたら」

 プール内を悠々自適に泳ぐラセンちゃん(♀、推定4~6才)を追いかけ回し、黄色い声を上げている。
 心の底から楽しそうだ。まるで危機感が感じられない。バカか、バカなのか。ねねねは自問し、勝手に自答した。

 ―イリヤの先導で水族館を探索し、衛宮士郎他それぞれの知人を捜してみたが、収獲は当然のごとくゼロ。
 理論的に考えて、こんな端っこの施設にそれほど人が集まるはずもない。三人いるだけでも不思議なくらいだ。
 ならさっさとここを離れて他の場所に移ろうとしたのだが、イリヤの好奇心がそれを阻む。
 子供の扱いに慣れているらしいフォルゴレもそれに同調し、結果、ねねねを放って水族館内を遊び回る始末だ。
 付き合いきれん。一人で勝手に出て行こうとも考えたが、これも何かの縁。
 二人に他意はないという考えが先行して、今一歩薄情になりきれない。
 詳細名簿を確かめるまでもなく、あの二人は人畜無害なお人好しだ。一応、信頼はできる、と判断した。
 その確固たる証拠として、ねねねの座る座席の両横には、フォルゴレとイリヤ、二人分の荷物が鎮座している。
 ライフラインとも言える荷物を預けたということはつまり、相手もねねねを信頼している証拠だろう。
 単に危機感が足りてないだけかもしれないが。

「他の連中も、あの二人くらい平和ボケしててくれたら話は早いんだけどねぇ」

 そんなにうまい話があるはずない、とねねねは心中で打ち消す。
 空想の物語を綴る小説家という職業に就く彼女だが、その性格は健全なリアリストだ。
 これが実験という名目の殺し合いであり、それに賛同している輩が既に何人か行動を起こしており、その被害にあった人間も少なからずいる。
 そう、当たり前のように考えていた。実験が開始して数時間、まだ窮地らしい窮地に対面していない自分たちは、運がいいだけなのだ、と。
 もうすぐ流れるだろう放送とて、何人の参加者の名前が、何人の知人の名前が呼ばれるか分かったものじゃない。
 紙使いだから、天才中学生だから、魔物だから、シロウだから―などといった根拠は、まるで意味を成さない。
 覚悟は万全にしておかなければならない。心を打ちのめされたままでは、いざというときに対処が追いつかなくなるからだ。

「というわけで、私はあの二人に目をやりつつ、当てになるかどうかも分からない考察を練ることしかできない」

 ぼやくように吐き捨て、ねねねは自分のデイパックを探った。
 取り出したるは、全19冊の文庫小説セット。表題はそれぞれ違うがどうやら連作モノらしく、シリーズ名は―『フルメタル・パニック!』。
 イラスト付きの表紙から察するに、どうやら中高生をターゲットにした小説らしく、
 アニメ化決定!などと書かれた帯で括られているところを見ると、それなりの人気作であることが窺える。
 ちなみにこれは、元はフォルゴレの支給品だ。荷物を預かる際、ねねねが支給品を見せてくれ、と申し出ると、

『おいおい、私の支給品が欲しいって!? ホラ、受け取りな! プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!』

 などと言って、頼んでもいないのにわざわざサインを添えて謙譲してくれた。なんというありがた迷惑。
 フォルゴレの温厚は置いておくとして、気になったのはこの本の発行所だ。
 富士見書房。ちなみに作者は賀東招二、イラストは四季童子、単行本は富士見ファンタジア文庫からの刊行。
 ……どれもこれも、聞いたことすらない名称ばかりだった。
 著作者の賀東、イラストの四季の名は置いておくとしても、富士見書房などという出版社はまったくの初耳だ。
 自らの知識を過信するわけではないが、ねねねはこれでも現役の小説家だ。日本の出版業界にはある程度精通している。
 そのねねねが、名前も知らないのだ。これはただ事ではない。

(考えられるとしたら……まぁ、マッハキャリバーが言うような異世界の産物なんだろうけど、これは明らかに日本語だ。
 出版社の名前も、作者や発行人の名前も、物語の舞台も。……つまり、考えられるとしたら。
 マッハキャリバーの言う異世界の概念をさらに超越したパラレルワールド、私の知らない別の日本、この本はそこで生まれた)

168:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」
07/10/19 22:10:10 vWxFrcJv
 世界が複数存在するのではなく、日本が複数存在する。そしてこの会場には、その異なる日本からの参加者が集められている。
 ねねねが『フルメタル・パニック!』から導き出した推理は、現実味がなく、だからといって否定もできない。
 この推理が真実だと考えるならば、この名簿に名を連ねている読子・リードマンやアニタ・キングは、まったくの別人である可能性すらある。
 パラレルワールド説……世界の構造はまったく同じだが、そこに存在する人や物は、もう一方の世界とはまるで違う。
 この『フルメタル・パニック!』が存在する日本に菫川ねねねなどという作家はいないかもしれないし、彼女の本を発行している読仙社も存在していないかもしれない。
 この会場内にいる読子やアニタも、ひょっとしたら、ねねねとは面識を持たぬ『パラレルワールドの住人』かも知れないのだ。

「ま、そこは実際相手と会ってみないとなんとも。次いこ、次」

 文庫小説のセットをデイパックにしまったねねねは、次いでイリヤの荷物への手をつける。

「念のために言っとくが、一応本人の了解は得てるからな」

 誰にともなく呟いて、ねねねはイリヤに支給された物資を確認する。
 中から出てきたのは、二等辺三角形の刀身に柄を付けただけのやたら不恰好な剣。用途不明の鏡の破片。そして、

「なんじゃこりゃ? ショッピングカタログか?」

 と思えるような、小冊子の三つ。
 ねねねは一番興味を引かれた小冊子をパラパラと捲り、流し読みしていく。
 目に入ったのは、銃火器や刀剣、車やバイク、さらにはぬいぐるみやメロンといった、実に多種多様な写真とその注釈。
 それが全ページに渡って綴られているのを確認して、ねねねは冊子を閉じる。
 どこからどう見ても、通販のカタログだった。

「……って、どこに本物の拳銃売る通販会社があるんだ。だいたい値段も電話番号も書いてないし。つーとあれか、これ……支給品のリストか」

 推理するまでもなく、冊子の表紙には『支給品リスト』と書いてあった。盲点。
 今一度じっくり中を覗いてみると、殺し合いの道具足りえる物品の数々が、写真と説明書き、本来の所有者の名前付きで載っている
 その数百点以上。イリヤのバッグに一緒に入っていた『ヴァルセーレの剣』、『魔境の欠片』なども、事細かく掲載されていた。
 これさえあれば、相手の持つ武器の性質を瞬時に把握でき、対処もしやすくなるだろう。
 しかし融通が利かないことに、これらの支給品のどれが誰の手に渡ったのかまでは、書かれていなかった。

「軍が開発したパワードスーツだとか、小型の高性能爆弾だとか、やたらと物騒なもの多いな。ま、殺し合いなんだからあたりまえか。
 お、マッハキャリバーのお仲間もいるじゃん。他には……マタタビとかブリとか、なんに使えって言うんだ。食うのか」

 ねねねの知識では図れない未知の技術を用いた兵器から、ただの食い物まで、この支給品の山々だけでマーケットが開けるほどだった。
 ザーッと冊子を読み進めていくと、先ほどフォルゴレから譲り受けた『フルメタル・パニック!』の項目も発見する。
 付属の説明書よりも詳細に書かれている説明文を読んでみるが、やはり単なる文庫小説のようだった。
 そして文末には、『柊かがみからの提供。』とある。どうやら、柊かがみというのがあの本の本来の所有者らしい。

「柊かがみ……たしか、名簿にもあったわね」

 詳細名簿を取り出し、柊かがみの項目をチェックしてみる。
 柊かがみ。7月7日生まれ。血液型はB型。身長は159cm。左利き。埼玉県在住。陵桜学園高等部の三年生。
 家族構成は両親に姉が二人、双子の妹が一人。この実験にも参加している柊つかさはその双子の妹であり、泉こなたは親友。
 読書が趣味で、特にライトノベルを愛読。主な愛読書は、フルメタル・パニック!シリーズ、涼宮ハルヒシリーズ等……

(なるほど。あの文庫小説は、このかがみって子の愛読書なわけだ)

169:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:11:52 git5T9ze
 

170:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」
07/10/19 22:12:11 vWxFrcJv
 再び支給品リストのほうへ目をやると、『フルメタル・パニック!』の次の項に、ねねねに支給された『ボン太くんのぬいぐるみ』があった。
 これはどうやら、フルメタル・パニック!シリーズに登場するボン太くんというキャラクターのぬいぐるみらしく、こちらの文末にも『柊かがみからの提供。』との一文が。
 これらから推察できることはただ一つ。この、柊かがみという女子高生は―『フルメタル・パニック!』の大ファンだということだ。
 まったくの偶然によるものだが、ねねねの手元には今、柊かがみの所有品が二つも並んでいることになる。
 他意はないとはいえ、ねねねは少し居た堪れない気持ちになる。もしこの地で巡り会いでもしたら、ぜひ二点ともお返ししたい。
 それに、今どき珍しい読書家の女子高生(と勝手に想定)というのも、少し興味がある。
 ビブリオマニアというほどではないだろうが、ひょっとしたら、読子とも話が合うかも……などと思いつつ。

「マッハキャリバーに詳細名簿に支給品リスト、ぬいぐるみに文庫小説に鏡の欠片……武器になりそうなのは今のところこの剣だけか」

 ねねねとイリヤとフォルゴレ、三人はこれからチームとして動く、いわば運命共同体だ。
 できることなら自分たちの身を守れる武器らしい武器が欲しい。正直、あの振りにくそうな剣だけでは心許ない。
 ねねねは望みを託してフォルゴレのデイパックを物色するが、出てきたのは見たこともない文字で綴られた黄色い本のみ。

「本づくしか、あいつの支給品は」

 使えない、もとい、運が悪い男だとぼやきながら、デイパックに突っ込んだ右手が何かを探り当てた。
 指が捉える、武骨でひんやりとした感触。ねねねは若干の緊張感を覚えつつも、一気にそれを引き抜く。
 手が掴んでいたのは、一丁の拳銃だった。

「……なんか、一気に現実に引き戻された感じだな」

 グリップのサイズは、やや手に余る。子供の頃握っていた水鉄砲などとは重量の桁が違う。
 異能を持たぬ者でも、簡単に相手を死に至らしめることができる、お手軽殺傷兵器。
 あればあったで安心できる物ではあるが、いざ握ってみると、引き金に触れることすら恐ろしく思えてくる。
 遠くない未来、この引き金を引くことが、黒光りする銃口を誰かに向けるときが、必ずやってくるのだろう。
 大切なのは、そのとき臆さないことだ。敵を敵と割り切り、早々に安全を確保するために、相手を撃つ。
 それさえできればいいのだが、それが難しい。

「ま、こりゃそもそもあいつのモンだし、私が覚悟したところでどうしようもないか」

 溜め息とともに吐き捨て、ねねねは拳銃をフォルゴレのデイパックに戻した。
 銃などは自分の柄じゃない。いや、フォルゴレの柄でもないだろうが、少なくともねねねが持っていて重宝するような代物ではない。
 銃を向けるくらいなら、とりあえず殴る。相手がマシンガンがだろうが戦車だろうが、とりあえずぶん殴って鎮圧する。これが一番。
 彼女は、そういう人間だ。

「……手持ちの武器は、とりあえずこんなところか。あとはまぁ、あのちびっ子に危ない行動は控えるよう注意しとけば―」

 チーム全体の支給品確認を終え、ねねねはプールのほうへ視線を移し―ギョッとした。
 数分前までそこでイルカと戯れていたはずのイリヤとフォルゴレ、その二人に、思わぬ異変が訪れていたのだ。
 客席から腰を上げ、大慌てでプールに駆け寄る。まさか、のんきに考察を練っている間にこんなことになっていようとは。
 子供たちやイルカの楽園だったはずのプール、そこで起こっていた異常事態とは―!?


 ◇ ◇ ◇



171:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:12:18 aZ6r5Qda
   

172:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:13:47 git5T9ze
 

173:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:14:45 aZ6r5Qda


174:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」
07/10/19 22:14:57 vWxFrcJv
(休み話)

 作家性、という言葉の意味を知っているだろうか?
 読んで字のごとく、作家の持つ性質……培ってきた経験ではなく、元々秘めていた才能やら、人間性やらを指す。
 バラエティに富んだ展開を生み出すアイディア、キャラクターに芝居をさせる上での役の分配、これらは才能の賜物であるように思われがちである。
 しかし、ある作家は言った。作家性など、どれほど大事にしたところでそのうち消えてしまう、いわば消耗品だ、と。
 作家性よりも大事なものは経験の蓄積であり、重視すべきはそれを育む環境の有無である。
 一例として、13歳でデビューし、以降6年間天才作家としてヒット作を飛ばすも、19歳以降まったく小説を書かなくなったある女流作家を挙げよう。
 彼女が執筆をやめてしまったのはなぜか。評論家の目から見れば、作家性の衰退、経験不足、といった酷評で捉えられることだろう。
 しかし、人の人生など何が起こるか分からないものだ。彼女の事情を知らない第三者の論などでは、正解が搾り出せるはずもないのだ。
 実際は何者かに拉致監禁されて母国を離れていただけかもしれないし、腱鞘炎などで筆を握れない事態に陥っただけなのかもしれない。
 あるいは家族関係、交友関係でトラブルが起きただとか、女性ならば結婚を機に引退することだってあり得る。
 作家が筆を手放す理由など、それこそ実際にあったケースで考えても、山のような数だ。ひとえに、作家性の衰退などという結論は下せない。
 だが、一つ致命的ケースがある。それは、なんらかの理由により、作家から創作意欲が失われてしまうことだ。
 小説の執筆に限らず、意欲―やる気という概念は、物事をやり遂げる上で最も必要とされる、前提的な要素だ。
 これがなければ話にならず、書き始めることも、最後まで書ききることも、全てはこの創作意欲によって左右される。
 これは、作家性も経験も関係ない。作家の意識の問題である。
 前述した生活上のトラブルにより削がれることもあれば、原因不明のスランプによって失われることもままあるのが、創作意欲だ。
 あるいは、そういったしがらみを全てかなぐり捨てでも書こうとする者もいるかもしれないが、それは恐らく作家性の範疇だろう。
 この創作意欲を復活させる方法だが、実生活で起こった刺激的な体験、それに対して抱いた感情を、創作意欲に転化させるというやり方がある。
 世に名を連ねる文豪の中には、波乱万丈な人生を送り、その実体験を小説として綴り大成した者がいる。夏目漱石や太宰治がそうと言えるだろう。
 彼らは何も、小説のネタにするために意図的に波乱万丈な人生を歩んできたわけではない。実体験を文に起こす技能に恵まれていただけの話だ。
 彼らの創作意欲がどれほどのものだったのかは知るよしもないが、史実を見ても、これらは彼らだからこそ持ちえた作家性の賜物であると解釈できるだろう。
 だがそれは同時に、人生を振り返り、それを文章に転換できる、経験の賜物であるようにも思える。
 結論など、解釈をする人間の数だ。ただ、一番大切なことは、書くという意志。これは揺ぎないものだと思う。

 余談の、さらに余談になるが―13歳でデビューした天才女流作家は、4年間活動を停止するが、それ以後再び作家として躍進する。
 失われた創作意欲を取り戻したのか、それとも小説よりも比重を置いていた物事が片付いたのか、それは誰にも分からない。
 しかし―今、その彼女の書くという意思が、再び失われようとしている。

(休み話 中断)


 ◇ ◇ ◇



175:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:15:48 git5T9ze
 

176:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:16:36 aZ6r5Qda


177:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」
07/10/19 22:17:20 vWxFrcJv
「……で、今度はなんの遊びだ?」
「アレが遊んでるように見える!? むしろ遊ばれてるのよ! フォルゴレが……ラセンちゃんに!」

 現場、もといプールに駆け寄り事情を把握したねねねは、思わず脱力した。
 目の前に聳える円形のプール、その水面は荒々しい波濤によって飛沫を上げており、俄かには近寄りがたい。
 飛び跳ねた水飛沫がねねねの眼鏡を濡らし、若干不快になりながら、頭を抱えた。
 プールの中で、金髪の男がイルカと戯れている。否、訂正。金髪の男が、イルカに戯れられている。

「おぐっ!? ま、待つんだラセンちゃん! バンビーナである君がファッ!? 絶景の美男子である私に……ノォ!
 好意を抱くのは分か……ゴボッ!? ……るが、これはスキンシップとしては些か激し、アーッ! すぎて……
 あ、あ、あ……ダメ、ダメ、股間は……股間は弱いのよォォォォォッ!?」

 奇声を発しながら、フォルゴレが宙を回転しながら舞ったり、落ちてプールに沈んだり、イルカから逃げ惑って鼻血を吹いたり。
 まるで曲芸に用いられるビニールボールのように、イルカの鼻先で、尻尾で、フォルゴレはボコボコになるまで振り回されていた。

「最初はフォルゴレがラセンちゃんの背中に乗るって言い出したの。でもラセンちゃん、臆病なのかフォルゴレを攻撃しちゃって。
 それでも諦めずに再チャレンジしたんだけど、やっぱりダメで。フォルゴレがあんまりにも頑丈だから、それが何回か続いて。
 次第にラセンちゃんもフォルゴレが気に入ったのか、ああやって体全体でスキンシップを取るように……!」
「説明ありがとう。そして私からのコメントはたった一つだ。バカめ」

 呆れを超越した蔑むような目で、ねねねはフォルゴレを見やり、すぐに目を背けたくなった。
 イルカは知性が高い動物として有名だが、その裏で、実はなかなかに獰猛な一面も秘めている。
 フォルゴレを襲っているラセンちゃんはマレー湾などでよく見られるバンドウイルカという種で、
 彼らはよく、自分たちよりもサイズの小さいネズミイルカを群れ単位で襲撃し、噛み殺したりする。
 その愛らしい外見的特長に騙され、イルカに噛み付かれる観光客もしばしば。
 こういった水族館に属するイルカも例外ではなく、飼育係やトレーナーが襲われるという件数は多い。
 同じ水族館の仲間から突き放され、こんな場にたった一頭だけ拉致されたともなれば、気も立っていることだろう。
 それを面白おかしく背中に乗ろうなどと考えれば、当然襲われる。

「よし、もう一度言ってやろう。バカめ」

 呆れて怒鳴る気にもなれず、ねねねは小言のように繰り返す。
 やがてイルカも飽きたのか、フォルゴレを宙高く飛ばすと、自らも同様にジャンプ。
 そこから尻尾を翻し、フォルゴレに叩き付けてプールの外へとぶっ飛ばした。
 ねねねとイリヤは思わず「おお~」と感嘆し、ラセンちゃんに拍手を送る。
 トレーナー抜きでこれほどの芸ができるなら大したものだ。この殺し合いの場でも、きっとたくましく生きていけることだろう。

「強いね、ラセンちゃん。イルカってこんなに強いんだ」
「イルカは頭もいいしね。可愛いからって喧嘩売っちゃいけないよ。返り討ちにあるのが関の山だ」
「あら、わたしならあんなバカな真似はしないわ。イルカはこうやって、遠くから眺めて愛でるものよ」
「なんだ、分かってるじゃないかちびっ子」

 部外者のいなくなったプールをスイスイ泳ぎ回るラセンちゃんを見て、ねねねとイリヤがハハハッと笑い合う。
 イルカは本当にたくましい。たくましい上に、見ていると癒される。すごい動物だ。本当にすごい動物だ。すごい動物だ。

「ってコラー! 二人とも、少しは私の心配をしたらどうなんだー!」

 ねねねとイリヤの二人がプールのほうに意識を奪われていると、ふと後ろの客席から、ズタボロになった男の憤慨が聞こえた。
 ラセンちゃんによってぶっ飛ばされたフォルゴレである。さすがは無敵を名乗る男、再起も早い。

178:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」
07/10/19 22:19:25 vWxFrcJv
「あれ、あんたあの歌がないと立ち上がれないんじゃなかったっけ?」
「え? いや、たしかにそういう設定ではあるが……こ、細かいことはいいじゃないかー! 今からでも遅くはない、イリヤ、あの歌を―」
「イヤ」
「どうしてぇー!? さっきはあんなに楽しそうに歌ってくれたのにぃぃぃ!?」

 割れ目の入った顎先まで鼻血と涙を垂れ流し、所々破けた服を纏うフォルゴレの姿は、もはや絶景の美男子などとは呼べなかった。
 見ている分には笑えるが、これから先この男に銃を預け、チーム唯一の男手として頼ることになるかと思うと……正直、げんなりする。
 イルカに襲われてまだバカやれるほど頑丈なら、あるいはこの先の死線も突破できるだろうが、逆に容易く散りそうな気もする。

(ま、不安要素が多いのは今に始まったことじゃないし……言ってもしょうがないか)

 ねねねは未来に対する不安を飲み込み、現在の時刻を確認する。
 水族館内を遊び回っているうちに、夜は去った。そろそろ朝食の傍ら、脱落者と禁止区域が発表される定時放送を聞く時間だ。
 結局、実験開始から現在に至るまでの六時間、殺し合いらしい緊迫感とは無縁な環境にいたが……それも、いつまで続くかは分からない。

「よーしおまえら、もう十分遊んだでしょ? 放送聴き終わったら、そろそろこの水族館から退散するわよ。今のうちにラセンちゃんともお別れ言っておきな」


 ◇ ◇ ◇


 場所を移し、水族館玄関口。
 荷物を整理し朝食を取る傍ら、三人の手元には会場の地図と参加者名簿、そしてペンが置かれている。

「朝食は一日を乗り切るエネルギーになるからね。ちゃんと取っておくこと」
「ネネネ、これ美味しくなーい。シロウの作ったご飯が食べたい~」
「わがまま言うなちびっ子。世の中には、朝飯さえ満足に食べられない子供だっているんだぞ」

 支給食料のお粗末さに不満を漏らすイリヤを、ねねねが宥める。すっかり引率者気分だった。

「いい? もう一度確認するわよ。まずこれから流れる放送を聴いて、脱落者と禁止エリアをチェック。
 聞き漏らしがないよう、ちゃんとメモしておくこと。って言ってもまだ六時間しか経ってないし、そんなに心配することはないかもしれないけど……
 ひょっとしたら、私たちの知る誰かの名前が呼ばれるかもしれない。酷なこと言うけど、いざというとき取り乱さないよう、覚悟だけはしておくんだよ」
「大丈夫よ、シロウは強いもの!」
「ハハハッ、ガッシュと清麿がそんな簡単に死ぬはずないじゃないか~」
「いや、だからそういう思い込みが危険なんだって……」

 詳細名簿をチェックした限りでは、逡巡する間もなく殺し合いに乗りそうな人間は少なからずいる。
 そういった人間がこの六時間のうちに誰かを殺め、その被害がねねねたちの知人に及ぶ可能性も、否定できない。
 そう、読子・リードマンにアニタ・キング……紙使いという異能者であるあの二人とて、無敵ではない。
 魔術師である衛宮士郎、魔物であるガッシュ・ベル、IQ190を誇る高嶺清麿、六課メンバーもまた同じく。
 これより数分後、この中にいる誰かが失意に溺れ、涙を流しているかもしれない。
 それがこの先の道を進む足枷にならないよう、せめて意志だけは強く持つ必要があった。

「放送聴き終えた後は、道路を道なりに歩いて図書館まで行く。もし途中でトラブルが起きたとしても、各々で図書館を目指すこと」
「図書館には、ネネネの仲間がいるかもしれないのよね。シロウはどこにいるのかなぁ……」
「ガッシュと清麿はどこにいるのだろうか……ああ、二人とも早く私を見つけてくれないかなぁ」

 そうこうしているうちに、食事は終了。あと数分足らずで、第一回目となる放送が流れる。
 そこで誰の名が呼ばれるかは―このときの三人には、知り得もしないことだった。

179:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:20:10 Chw5Fa/n
 

180:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:20:35 aZ6r5Qda


181:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:20:39 6ujeBntO
 

182:「プレ(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/19 22:20:54 vWxFrcJv
【E-1・水族館玄関口/1日目/早朝(放送直前)】

【ねねね先生と愉快な仲間たち】
【菫川ねねね@R.O.D(シリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:マッハキャリバー(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
[道具]:支給品一式(一食分消費)、詳細名簿+@アニロワオリジナル、支給品リスト@アニロワオリジナル
   :ボン太君のぬいぐるみ@らき☆すた、『フルメタル・パニック!』全巻セット@らき☆すた(『戦うボーイ・ミーツ・ガール』はフォルゴレのサイン付き)
[思考]:
1:この場で放送を聴く。
2:イリヤ、フォルゴレとともに歩いて図書館に行く。誰も見つけられなければ本がある場所へ。
3:アニタ、読子、スバル、ティアナ、キャロ、エリオ、はやて、シャマル、清麿、ガッシュ、士郎を探す。
4:とりあえず、クアットロや詳細名簿に載っていた危険人物と思しき面子には気をつける。
5:柊かがみに出会ったら、ボン太くんのぬいぐるみと『フルメタル・パニック!』全巻セットを返却する。
6:読子ら知人が、本当に自分の知る人物なのか確かめる。※
最終行動方針:打倒タコハゲ、そしてハッピーエンド。
[備考]:
※詳細名簿+はアニタと読子のページだけ破り取られています。
※思考6、パラレルワールド説について。
 富士見書房という自分が知り得ない日本の出版社の存在から、単純な異世界だけではなく、パラレルワールドの概念を考慮しています。
 例えば、柊かがみは同じ日本人だとしても、ねねねの世界には存在しない富士見書房の存在する日本に住んでいるようなので、
 ねねねの住む日本とは別の日本、即ちパラレルワールドの住人である可能性が高い、と考えています。
 この理論の延長で、会場内にいる読子やアニタも、ひょっとしたらねねねとは面識のないパラレルワールドの住人ではないかと考えています。

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(一食分消費)、ヴァルセーレの剣@金色のガッシュベル、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル
[思考]:
基本行動方針:シロウに会うまで絶対生き残る
1:この場で放送を聴く。
2:ネネネ、フォルゴレとともに歩いて図書館に行く。誰も見つけられなければ本がある場所へ。
3:アニタ、読子、スバル、ティアナ、キャロ、エリオ、はやて、シャマル、清麿、ガッシュ、士郎を探す。
[備考]:
※フォルゴレの歌(イリヤばーじょん)を教えてもらいました(イリヤ向けに簡単にしてあります)。

183:「プレ(ry ◆LXe12sNRSs
07/10/19 22:22:27 vWxFrcJv
【パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュベル!!】
[状態]:全身ズタボロ
[装備]:ジェリコ941改(残弾16/16)@カウボーイビバップ
[道具]:支給品一式(一食分消費)、キャンチョメの魔本@金色のガッシュベル!!、マガジン(9mmパラベラム弾16/16)×1
[思考]:
基本行動方針:殺し合いは恐いがイリヤとねねねを守る
1:この場で放送を聴く。
2:イリヤ、ねねねとともに歩いて図書館に行く。誰も見つけられなければ本がある場所へ。
3:アニタ、読子、スバル、ティアナ、キャロ、エリオ、はやて、シャマル、清麿、ガッシュ、士郎を探す。
[備考]
※その姿は見るも無残ですが、本人の耐久力もあって、割りと元気です。



【支給品リスト@アニロワオリジナル】
参加者に配られた全支給品が、写真と詳細な説明、本来の所有者の名前付きで掲載されている冊子。
どのアイテムが誰に支給されたかまでは書かれていない。

【『フルメタル・パニック!』全巻セット@らき☆すた】
柊かがみの愛読書の一つ。
『戦うボーイ・ミーツ・ガール』『疾るワン・ナイト・スタンド』『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』『終わるデイ・バイ・デイ(上・下)』
『踊るベリー・メリー・クリスマス』『つづくオン・マイ・オウン』『燃えるワン・マン・フォース』『つどうメイク・マイ・デイ』
『放っておけない一匹狼?』『本気になれない二死満塁?』『自慢にならない三冠王?』『同情できない四面楚歌?』『どうにもならない五里霧中?』
『あてにならない六法全書?』『安心できない七つ道具?』『悩んでられない八方塞がり?』『音程は哀しく、射程は遠く ―サイドアームズ―』
『極北からの声 ―サイドアームズ2―』の全19冊セット。

【ジェリコ941改@カウボーイビバップ】
IWI社によって開発された自動拳銃、そのカスタム。スパイク・スピーゲルの愛銃。
基本となる9mmパラベラム弾だけではなく、.41Action Express弾や.40S&W弾も使用可能。

184:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:29:19 XZ9LxxpZ
3082 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 00:36:57 ID:???0
sage忘れごめん
3083 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 00:37:22 ID:???0
参加した時点で死亡がほぼ決定的だから、本人たちとしては招かれてなくて安心だろうけどw
3084 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 00:37:31 ID:???0
原作だと、
ナイヴズ→融合した自立種としての無尽蔵の力をどこまで効率よく使えるかを追求して、『数億に及ぶ平面化したゲートの刃』に至った。
ヴァッシュ→百年以上磨き続けた銃の腕と『力の弾丸化』を組み合わせ、圧倒的な力の差を埋めようとした。
って感じだったなあ。アニメだとどうなんだ?
>>3080
フィーロ&エニスが出ないのはアニメではまだ出てないからだよな?
原作でも(最新刊以外)やたら影薄いからじゃないよな?
3085 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 00:48:50 ID:???0
シャーネのスルーっぷりに全クレアが泣いた
3086 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 00:55:29 ID:???0
>>3079
原作じゃヴァッシュはナイブズと再会するまで力の使い方知らなかったしな
3087 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 00:59:21 ID:???0
管理人さんに返答頂いたので、駄目もとで提案してみる。
こういう風に雑談で盛り上がっているときはいいとして。
作品が投下されたとき、それについての毒吐き・指摘等はage進行ID表示で一貫したい。
印象操作やら下手な勘ぐりでスレが荒れるのは、いくら毒吐きとはいえ好ましくない。
最近は個別書き手に対する中傷や原作信者を貶めるような発言も多く、
毒吐きなら何言っても問題なし。企画の運営には関係ない。と思われている空気はマズイ。
毒吐きの流れを読んでの修正、破棄宣言も出ている以上、これを徹底していけば少しはマシになると思うんだ。
>>3080
カップルじゃないが、ダラスとイヴ……妹のために奮闘するダラス兄さんorワカメばりにヘタレ街道まっしぐらなダラス兄さんが見たかった
3088 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 01:00:01 ID:ZFbSzOLk0
提案した本人がsageてどうするorz
3089 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 01:04:54 ID:???0
トライガンは原作しか知らんって人が多そうだな。
オレもそうだし。
誰か台風氏とテロ牧師の紹介書いてくんないかな。
できれば原作とアニメの相違点を中心に。
3090 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 01:06:55 ID:j9Yw02kU0
>>3087
ツチダマ行きだな、で誰もツチダマ行かないしなwww
とりあえず賛成、たまに暴論とかもあったような気がするし
>>3084
うろ憶えだがなんか地味だった気がする
最終決戦だったのに


185:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:31:05 XZ9LxxpZ
3091 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 01:07:02 ID:???0
ツチダマに毒吐き立てて貰えばよくね?
ここは誤爆の隔離所なんだからここでID出して誤爆に流れたらまた迷惑かけるぞ?
3092 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 01:08:28 ID:???0
ここをあえてつぶしてもらってツチダマ移住でいいのでは?
3093 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 01:10:39 ID:???0
>>3092
たまにそういう意見が出るんだが、ここは誤爆スレがアニロワ2ndの話題で埋め尽くされるから
立てられた隔離スレなんだよ。
3094 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 01:27:11 ID:???0
2nd毒吐きが立つ前の誤爆スレは工作当たり前の超無法地帯でしたよ?
そりゃあうざがられもする。明らかにヲチ目的の煽り屋もいたしね。
まあ、工作牽制まみれなのはここも変わりないけどな。初期よりはまだマシだが。
3095 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 02:10:44 ID:???0
>>3087
>>3073
ですませてもいいんだが一つだけ。
> 毒吐きなら何言っても問題なし。企画の運営には関係ない。と思われている空気はマズイ。
何を勘違いしているのか知らないが、毒はきって言うのはそういうものだぞ。
まあ、話をまとめたい人はがんばって客観的な意見にまとめて、議論スレにもっていってもいい。
そこで初めて意味のある意見として取り上げられるわけ。
イロイロ問題のある作者だったけど、」毒はき見て破棄したことがあの作者の最もダメだったところだと思うよ。
3096 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 04:05:10 ID:???O
>>3084
アニメだとナイブズもヴァッシュと同じエンジェルアーム(銃)と銃の腕前で勝負
百年以上実戦とトレーニングを積み重ねてきたヴァッシュと、互角にやり合えるナイブズ・・・
うろ覚えな漫画とアニメの相違点は
・原作でいうマキシマム一話までの物語展開はそこまで違いない
 (細かい違いはあるけど)
 それ以降はかなりオリジナル展開
 というか原作がそこまでしか進んでなかった為だと思う
・エレンディラ、リヴィオ、テスラ、クロニカなどは登場してない
・レガートを殺してショック→復活→ナイブズとの決戦へ。という流れ
・ラストでヴァッシュは気絶してるナイブズを背負ってメリル達の所に戻る
・専用の銃さえあればエンジェルアームは自由に撃てるっぽい(ナイブズのと相殺したり)
・黒髪化、羽、力を弾丸に込めるとかは無い
・ミカエルの眼の設定や薬も無い、銃弾一発で死んだウルフウッド
・ウルフウッドの師匠はチャペル・ザ・エバーグリーンというオリジナルキャラ
・師匠に勝ち、殺すか殺さないかで迷うがヴァッシュの言葉「殺さないでも済む方法」に感化され見逃す
・見逃した直後、レガートに操られたエバーグリーンの銃弾を受けてウルフウッド死亡

186:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:32:43 XZ9LxxpZ
3097 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 08:40:13 ID:???0
>>3095
ツチダマであげられたのが月厨からの指摘だったのがまずかったのかもしれない。
その間感想は毒破棄にあれだけいた人間は誰も書き込まなかった。
投下した時間は10時、破棄宣言は5時。いろいろ状況が悪すぎたかな?
3098 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 08:46:53 ID:???0
ちなみに、ここがたぶん一種の感想掲示板として機能している風潮で、
本来の感想よりも居心地がいいのが、毒吐きとして機能していないのもあれなんじゃ
ないのかと。
3099 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 08:51:20 ID:???0
それは君の勘違いだよ。
みんな弁えてるんだよ。当たり前でしょ?
3100 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 08:56:03 ID:???0
>>3097-3098
何を言いたいのかがよく分からんのだが
3101 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 08:56:14 ID:???0
>>3098のリクエストに応えて毒吐きらしいことでも言ってみますか。
ほんの一部の人間しかルールに則って議論スレにいかない時点で、
ID隠さないと何も出来ない人間がどれほど多いか知れるってもんだ。
あっちに書かないと何の意味もないって言うのにね。
弁えてるって言うよりID出ないのに甘えてる奴の方が多いだろうよ。
3102 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 10:04:18 ID:???0
とりあえずこの流れを受けて反省しつつある俺がいますよ
今度からツチダマに行きますか。荒れるのも味だとは思うけどそう見たいものではない
3103 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:31:52 ID:???O
というよりあの一連の流れにおいて、ここのカキコミの大半は自演の厨ばかりで大して人はいなかったと思われる。
そのへんの認識が甘いヤツは、C騒動でなにも学んでないのかね。
3104 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:37:41 ID:???0
以上ここまでのレスは全て俺がお送りしました。
3105 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:41:12 ID:???0
>>3103
まだそんなことを言ってるバカがいるとは思わなかった。
修正だのNGだのと物騒な話にするつもりはないけど文句は言いたい、ってのを
ここで吐いたらいかんのか。

187:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:35:16 XZ9LxxpZ
3106 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:46:51 ID:???0
そういうのばっかりならいいんじゃない? 物騒な話をしていなかったようには見えないけど。
3107 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:47:23 ID:???0
>>3105
>>3103は「自演ばっかで大して人がいないんだろうに」と言っているのになぜ
「毒吐くなとか言うな」とか言い返すのか全く以って理解できないね。
3108 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:51:19 ID:???0
ここ:書き込みいっぱい
議論スレ:書き込み少ない

ここは自演厨の溜まり場だったんだよ!
…なんていうアフォな釣りに食いついた人がいるってだけの話しだろ?
3109 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:52:04 ID:???0
>>3107
この流れの中で一番読解力が足りないのは間違いなくお前さんだと思う
3110 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:55:07 ID:???0
自演の好例乙です
3111 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 11:57:47 ID:QtNwzGQY0
自演自演言う方がID出してないのはどうかと思うぜ
3112 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 12:07:38 ID:???0
以上泥沼な毒吐き現場でした
以下もうそろそろこの話題飽きたので別の毒吐きをどうぞ
3113 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 12:08:38 ID:???O
毒で自演はいくらしてもいいと思う。
それを多数派だとか勘違いするアホが問題なだけ。
あと、IDなんか出しても出さなくても自演し放題、というのもC騒動から学ぶべきことの一つなんだぜ。これは誰か前に言ってたな、携帯だとレス見返すのめんどいから探さないけど。
3114 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 12:10:22 ID:???0
>>3113
どっちかって言うとそれで多数派と見せかけて扇動できると勘違いしているアホの方が問題かと。
3115 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 12:52:11 ID:???0
しかしようやく毒吐きらしくなってきたな。
数日前まで何故か感想スレとして機能してたしこっちの方が正常、か。
3116 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 13:07:15 ID:???0
毒なンぞ、無いに越したことはない。
3117 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 13:40:37 ID:???0
正常って…本気で思ってそうなのが怖いな。
3118 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 14:27:20 ID:aGM8c3WU0
なあ、今更かもしれんが、ツチダマの議論スレで毒を吐くのはやめないか。
毒吐きとNG議論を同じ場所でするのはあまりにマズイと思うんだが。
「いや、でもIDが……」って話があるなら、管理人さんの言っているとおり
常時age進行でsageる奴はスルーすればいいわけだし。
それに、ここの他に毒吐きを作ったら
ツチダマに馴染めない奴が誤爆スレに書き込む→アニロワの書き込み増える→ウザー
という問題が再発しかねない。
3119 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 14:29:09 ID:???O
一部の馬鹿がここのノリと切り替えられず煽ってるだけ
スルーしとけばいい
3120 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 14:50:01 ID:???O
荒らしだろそりゃ。
スルー→ひどければアク禁でなんの問題もないさ。
3121 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 16:55:01 ID:???0
>>3117
皮肉ってんだよw
3122 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 17:03:49 ID:???0
毒吐きなんかは居心地が悪いぐらいで丁度いい。
いままでが温過ぎたんだ。
3123 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 17:56:06 ID:???O
まあ、吐かれた“毒”でいっぱいの場所が心地好い方がおかしいわな
3124 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 18:05:03 ID:???0
それがいいんじゃないか…ヒヒヒ

188:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:38:08 XZ9LxxpZ
3125 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 18:09:50 ID:???0
今作品投票すればるろ剣が入ってくる気がする。
そして左ノ助がアーーー
3126 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 18:29:41 ID:???O
さすがにそれはない
3127 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 18:29:48 ID:???O
さすがにそれはないw
3128 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 18:39:17 ID:???O
フタエノキワメナイ
3129 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 18:39:26 ID:???0
>>3126-3127
これがほんとのフタエノキワミってオチですか
3130 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 18:56:10 ID:???O
投票時期が今ならカイジが入ってたな
3131 :やってられない名無しさん:2007/10/19(金) 20:59:00 ID:???0
う~む。R.O.Dの予約がたぶんそろそろ投下される。
あの騒動の影響を受けていなければいいんだけど。


             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ また粛清→
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i| 
         レ!小l●    ● 从 |、i|   2ch追い出し→
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│ 
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !    荒らし認定→
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |      削除依頼コンボの予感
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |


189:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:48:13 MvHU1y0H
また天安門事件来るなこりゃwww

190:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:53:50 NImPjp9H
               >>188
                 ↓
             , '´ ̄ ̄` ー-、
            /   〃" `ヽ、 \     ? ? ?????■??〓?? ? ? … .
           / /  ハ/     \ハヘ    .??■? ? ? ?¨ ∵? ? ・
.             |i │ l |リノ    `ヽ}_}ハ  ???? ¨???????■■〓????
            |i | 从 ○    ○l ? ?????????■〓?? ?? ∴ ? .
           |i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂l?????????? ? ∴ ….? ?  ??
           | i⌒ヽ j  (_ ???????????????  ? ??????
           | ヽ  ヽx>、 __, イ ?  ¨ ???■??? ? ?

191:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 22:55:05 NImPjp9H
ありゃ

192:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/19 23:05:46 WXN4dVLT
不満が大きくなる

自演が多くなると住人が判断  ←いまここらへん

疑わしきを罰するの原則発動

C認定大規模アク禁

2chに難民流出

したらばの粛清削除依頼




193:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 00:12:30 Fc0o1EzF
みんな遊びでやってるのに
なんでそんなに規制したがるんだろうな

194:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 11:27:25 eDYJPCcI
あ。

195:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 12:24:24 QNW5+3R8
支援します。でもこない。
事故でも起こったのだろうか?

196:倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY
07/10/20 12:28:14 eDYJPCcI
 うらぶれた、いかにも下町風情といった感じの場末のラーメン屋、『倉田屋』。
 古今東西あらゆる人たちから愛される場所、それがラーメン屋のはずである。
 だがここは今や、殺し合いの舞台にあまりにもそぐわなさ過ぎる、なぜここにあるのかもよく分らない意味不明な場所と化している。
 ささくれ立った参加者達の心を慰めようと存在しているのかも知れないし、特に深い意味を考えてしまうことこそきっと無意味なのかも知れないが。

  その店の玄関口に一人の女性が立ちはだかっていた。その女性は銃を片手に構え、もう片方の手は玄関にかすかに触れ、今にもラーメン屋に踏み込まんとする姿勢でいる。

 だが動けない。動かない。ぴくりとも身動きひとつとれないでいる。
  それはラーメンを食べたいのに我慢している女性公務員というわけでは決してない。
 怪しげな男が若い女性を人気のないラーメン屋に強引に引きずり込む現場に居合わせた、機動六課課長・八神はやて。
 これは犯罪現場に間違いないと彼女は確信し、普段の彼女ならすかさず止めに入っていたに違いない。
 もじゃもじゃ髪の怪しげ極まりない神父の説教に惑わされ、すでに彼女の正義感は完全に揺るがされていた。困惑と切迫感がはやての心を支配する。
 手に持った銃がじっとりと汗に滲み、硬直と膠着状態に陥っている。

(どうする、どうするんや、はやて!?)
 焦りが混乱を助長し、判断を鈍らせようとしている。いまだかつて冷静な頭でこれほど混乱したことはあったろうか。なかったろうか。
 例えば仲間達を助けるために。例えば大きな惨劇を食い止めるために。目の前で起きているであろう事件を見過ごして先を急ぐのか。
 そんなことができるはずがない。そんなことができるはずがないというのに、まだ彼女の心には先ほどの神父の言葉が毒蜘蛛の様に執拗に絡みついてくる。
 自分の信念が正しいのかという迷いが生じ始めている。

 むしろ正義がどうのと御託を並べず、この玄関を開けて中に踏み込みさえすればいい。けれど中に踏み込んでしまうと、見てはならないものを見てしまいそうな気がする。
 あの神父の言句のように、覗き込んではいけない禁じられたエデンの園の甘美な果実の様な。



197:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 12:29:57 vo0p1JNz



198:倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY
07/10/20 12:31:06 eDYJPCcI
(もの凄い取り返しのつかんことになってたらどないしよう?)
 硬直しているにも関わらず、ぼっと顔を赤らめる。妄想が加速を始めようとする。あまりに過激な内容すぎて思考がほんの一瞬だけ一時停止する。
 なぜか穏やかなBGM付きでお花畑の風景が脳裏に映像として浮かびあがる。『しばらくお待ちください』とのテロップ付きで。

(そないなことになってたら、私にはもうどうしたらええのかわからへん……)
 彼女には、それ、がどれぐらい時間が掛かるものなのかわからない。万が一取り返しのつかない事態になっていたとしたら。
 下手をしたらとんでもなく厄介な事態に巻き込まれてしまうかも知れないし、その遅滞した分、もっと取り返しのつかない事態が起きてしまうかも知れない。
 実際には数分程度しかたっていないのだが、迷い混乱しきり、妄想が暴走気味の彼女には数時間のように感じられた。
 
 ふと我に返る。

(そ、そや!迷ってても時間のムダムダ!早くどうするか決めんと!)
 無理矢理気を取り直す。銃身でこんこん、と頭を叩く。少し冷静さを取り戻す。

(落ち着いて考えるんや、はやて!余計な言葉にも他の状況にも!気を惑わされずシンプルに考えるべきや!)
 胸に手を当てる。すう、と小さく深呼吸をする。COOLになれ。何も迷うことはない。必死で自分に言い聞かせる。
(この店の中で女性が助けを求めてるかも知れへんのや……)
 銃を握っていない方の手に青スジをたてながらギュッと拳を握る。心の奥底で覚悟を決める。
(そうや、女の敵は倒さなあかん!)
 くわり、とはやての目が見開かれた。微妙に明後日の方向にではあったのかも知れないが。

    □

 玄関を開ける。



199:倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY
07/10/20 12:32:59 eDYJPCcI
 薄暗く人気のない店内に踏み込んだ。
 
(あれ……?)
 はやてはだいぶ拍子抜けする。そこそこ広めの店の中には誰もいない。
 周囲を見渡す。テーブルもイスも整然と並べられており、荒れた形跡もない。

(どこ行ったんやろか……まさか……もう全部終わって裏口から出て行ってしもたんやろか……)
 不安がよぎる。だが、まだカウンターの奥の厨房を見ていない。二階もまだ見ていない。
 とりあえずカウンターに向かってゆっくりと歩を進める。
 その時、厨房の方から大きく金属音が鳴り響いて彼女の注意を引く。

(あかん、急がんと!)
 はやては厨房に向かって走りだしていった。

     □

「クソ、やっぱりロクなもんがありゃしねー」
 じっとりとした目で冷蔵庫の中を漁りながら、スパイクはぼやく。
 食べ物がある、と勇んでラーメン屋にはいったものの、スパイク・読子双方共に激しく料理権を押し付け合い、痛み分けに落ち着いていた。
 料理するならまともな食事にありつけただろうが、生憎スパイクと読子の怠惰二人は料理を全くしない。二人とも現在のところは衣食住は関心の対象外。
 ならばと手分けして、それぞれの場所でなんとか食べられそうな物の調達を行っていた。

 スパイクは厨房を探索中。ぼやきながらも、実はすでに目敏く食べられそうな食べ物を見つけてある。
 スパイク基準で二日分ぐらいは持ちそうな量をデイパックに放り込んである。
 読子に預ける分は大して残されていなかった。その浅ましき姿はまるで餓鬼の如きであった。

「さて、そろそろアイツの様子も見てくるか……と、うぉわ!」

200:倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY
07/10/20 12:34:33 eDYJPCcI
 立ち上がろうとしたとき、台に乗っていた中華鍋にぶつかってしまう。そのまま中華鍋は床に落ち、ぐわんぐわん、と大きな金属音をたてた。

「びっくりさせんな、よ」
 スパイクは中華鍋に文句を言いながら拾い、元の場所に戻した。が、その次の瞬間の刹那にその出来事は全て起こった。

「動かへんといてやっ!!」 
 厨房に駆け込んできた女性の声に空気が止まる。
 スパイクは、奇妙にゆっくりと時間が進むような感覚の中で駆け込んできた女性が銃を構えているのを見た。
「クソ!」
 スパイクは、毒づきながら自分の拳銃をとろうと腰に手を伸ばす。
 しかし、はやては声を掛けながらすでに自分の銃の引き金を引き終えていた。
(クソ……)
 スパイクの目の前が真っ暗になる。

(やられた!スマン、ジェット。後を頼……む……)
 一瞬相棒の顔を思い出す。
 ついでに女と子供と犬と、チンジャオロースーと宇宙船の修理代を思い出す。
 そのまま一言も発することすら出来ず、彼は……………苦しさに、悶えた。


(やってしもうた……)
 男の見るも無惨な姿を見て呆然とする。

 はやては周囲を見渡す。他に誰の姿も見えない。犯行の最中ならば女性も一緒にいる筈だ。
(もう手遅れやったんか……)
 はっと気づく。
(まさか殺されてしもうたんか……?)
 彼女の脳裏に婦女暴行殺人事件をうつす大阪の報道番組の一シーンがぐるぐると浮かぶ。
―私が!私がもっと早くに踏み込んでいたら彼女は!彼女は!
 泣き叫びながらインタビューに答える、なぜか自分自身のモザイクがかかった姿が目に浮かぶ。

 身動きひとつ取れずに立ちすくむ。
 その時、店の方から暢気そうにとんとん、と階段を二階から降りてくる足音がした。
 読子が厨房にひょっこりと顔を出して朗らかに言う。
「あの~スパイクさ~ん、上で食パン見つけましたよ~!」


 目を丸くする。その時読子は見た。


201:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 12:36:21 QNW5+3R8


202:倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY
07/10/20 12:36:42 eDYJPCcI
「―――!!」「―――!!」「―――!!」
 銃を握りしめながらあっけにとられて自分を見るはやての姿。
 顔にへばりついたトリモチを取ろうと見苦しく悶絶する窒息寸前のスパイクの姿を。


―その後、スパイクが三途の河原を渡りかけたのと、はやてと読子が必死でスパイクの顔からトリモチを剥がして奇跡の生還を果たしたのは、ささやかな美談に違いない。

     □

「これ、ほんのおわびや」
「悪いな」
「ごちそうさまです~!」

 二人に簡単なサンドイッチをつくって出す。自分の分も用意してある。
 たいしてロクな食材は残ってなかったので、少し不満だったが手軽な食べ物にした。
 ほとんどスパイクが採り尽くしてしまったのだと知る由もない。
 スパイク本人もそれを自己申告してわざわざ提供するつもりは毛頭ない。

 三人で並んでカウンターに座る。

「本当なら、窃盗罪と不法侵入罪で警察に突き出すところなんやけどなー」
 自分を棚に上げて言う。
「しょーがねーだろ。どこもかしこも誰もいやしねえんだから」
「食べ物も食べる人がいたほうが喜びますよ」

 軽く会話をしながら三人で軽食をとる。

「お二人はとりあえずどちらさんまで行こうとしとるん?」
「俺たちは温泉観光の途中だ」
「スパイクさんが連れて行ってくれるって言ったんですよ~」
 やる気なさそうに頬杖をついて言うスパイクと、それに合わせて満面の笑顔を見せる読子。

「……そーかいな……」
 やる気なさそうに言うスパイクとそれに合わせて笑顔を見せる読子。苦笑いをして、はやては思わずツッコミを入れそうになる。

 が、その選択は悪くないと思う。この二人は殺し合いに乗らないつもりのようだ。温泉は地図の端にある。
 あまり寄りつく人間はいないだろう。病院や警察署ならともかく、殺し合いを望む者にとっても無意味な場所でもある。
 考えれば考えるほど、身を隠すには最高の場所に思えてくる。
 実際はこの二人、現状を深く考えていないどころか全く把握していない。

「私も東回りやけど人との約束で北のほうへ行くんで、別々やね」
「そか」
「残念ですね~」
 片隅の方に行って動かないでいてくれるのなら、お互いの情報交換は必要あるまい、とはやては早計に判断を下す。


203:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 12:38:12 vo0p1JNz



204:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 12:38:12 QNW5+3R8
 

205:倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY
07/10/20 12:38:43 eDYJPCcI
 殺し合いに参加するつもりも毛頭なさそうやしと。それに今は積極的に活動を行える気分ではない。お互いの名前のみを確認した。
     □


「んじゃ、俺たちもう行くわ。ごちそーさん」
「あの、ごちそうさまでした~!」
 スパイクが全部きれいに食べ終わって言った。それに合わせたように読子も食べ終わる。二人は立ち上がる。

「はい、お粗末さんでしたー」
 はやては座ったまま、ひらひらと手を振る。
「あ、そうだ。あんたも途中までだったら同じ道だろ?そこまで行かないか?」
「あ、そやね。……あ……でも……私は少し休んでから行くんで、先に行っててくれるか?ごめんな」
「ん、そか」
「わかりました。でも、できれば後から来てくださいね~」
 スパイクと読子はかすかに残念そうな顔を見せる。
 ちなみにスパイクには、読子のようなビブリオマニアよりは、気の利きそうなはやての方を伴ったほうがはるかにマシ。
 あわよくば温泉まで同伴を、という魂胆があった。……どうでもいいが。


 ガラガラと戸を開けて二人は出て行く。はやてはボンヤリと座って戸が閉められるのを見ていた。
 人気のなくなったカウンターにもたれかかる。
(ごめんな。少し考え事したかったんや)
 心の中で二人に謝る。正直今だけはあのマイペースな二人と積極的に一緒に行動する気になれなかった。

 あの神父の言葉。少し考えてみたかった。

―――自分の願いを叶えるということは、誰の願いを妨げるということだろう?―――

 認めてはならないと思う。自分は大切な人達を守るために今まで努力を重ねてきた。人を選ぶつもりはない。それが誰であろうと変わりはないはずだ。
 認めたら、今まで自分が努力して掴んできたものを否定してしまう。だとしたら何故こんなに心が揺らぐのか。何故こんなに心が騒ぐのか。
 それがあの神父の言葉が持つ魔力なのか。もう少しここで考えていたら何か答えが分るかも知れない。そう思った。
 ふうっと溜息をつく。




206:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 12:39:12 QNW5+3R8
 

207:倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY
07/10/20 12:40:26 eDYJPCcI
(あれ……?)


 ふと、カウンターの下に何か置いてあるのに気づいた。ひっそりとデイパックが置かれていた。
 そういえば読子は出て行くとき、手に一冊の本しか持っていなかったと思い至る。
(うっかりさんやなあ。私も気がつかへんかったわ。まあ、すぐに気づいて慌てて取りに戻って来るやろな)
 取りに戻ってこなくても、さっきスパイクが言っていた通り、途中まで同じ道なのだから急いで渡しにいけば充分間に合うだろうかと考える。

 はやてはデイパックを見る。

(どないしようかコレ……)

     □

―放送が始まる。


 第一回放送開始。
 それが彼女にとって何を意味するものなのか、まだ誰にもわからない。






208:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 12:42:07 QNW5+3R8
 

209:倉田屋で会いましょう ◆hsja2sb1KY
07/10/20 12:42:28 eDYJPCcI
【G-4ラーメン屋店内 一日目・早朝】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
 [状態]:健康、迷い・困惑
 [装備]:トリモチ銃@サイボーグクロちゃん
 [道具]:支給品一式 、レイン・ミカムラ着用のネオドイツのマスク@機動武闘伝Gガンダム 、読子の支給品一式と拡声器
 [思考]
1.読子の支給品をどうしようか迷う。
2.自分の信念が正しいのかという迷い。困惑。
3.東回りに観覧車へ。クロと合流する。
4.主催者を逮捕するのは、果たして正しいのだろうか?
※ムスカを危険人物と認識しました
※シータ、ドーラの容姿を覚えました。
※モノレールに乗るのは危険だと考えています。
※言峰については、量りかねています。



【G-4ラーメン屋の東側。少し離れたところの路上 一日目・早朝】
【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
 [状態]:健康
 [装備]:デザートイーグル(残弾8/8、予備マガジン×2)
 [道具]:支給品一式
 [思考]
1.とりあえずオンセンに行ってから帰る。
2.読子と一緒に行動してやる。



【読子・リードマン@R.O.D(シリーズ)】
 [状態]:健康
 [装備]:○極○彦の小説、飛行石@天空の城ラピュタ
 [道具]:なし
 [思考]
1.○極○彦先生の本を読破する。
2.スパイクと一緒に温泉に行ってから帰る。
※荷物を置き忘れたことに気づいていません。。



210:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 14:01:26 e/bpIicw
キモヲタの巣窟ですね
現実に妄想を持ち込まない様に気をつけてね

211:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 15:13:54 gxU6ce6w
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない

書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
   その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。

書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
 本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
 紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
 携帯からPCに変えるだけでも違います。

で、ここらへんどうかえるわけ?まず最初からだけど

212:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 23:42:29 eOZD7xN0
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします

ここまで厳しくする必要はない

・無理して体を壊さない。

この1文、なに?

・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。

→2chの基本的な禁止事項があるんだからそれで十分

・完結に向けて決してあきらめない

→無理して完結させようとしない

・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。

→意識する必要性なし、ことさらにいう必要はない

・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。

→もっと気楽にかこうぜwww

・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。

→おまいらが既に迷惑なんだがww

・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。

→爆弾だとかなんだとかを判断するのは、一人一人であって審査会じゃない

・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。

→余計なお世話

・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
   その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。

→修正なんてどんどんしていいです。推敲はしたけりゃしろ

・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!

→こんな臭い文章いらない

・叩かれても泣かない。

→おまいが言うな

・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。

→なんで運営はここに顔ださないの?


213:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 23:45:14 eOZD7xN0
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。

→細かすぎ。好きにしていいです

・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。

→ノリで決めていいんじゃないですか?

・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。

→余計なお世話細かすぎ

・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
 本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。

→やかましい。アクセスできない。書き込めない。市ね

・『展開のための展開』はNG
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。

→意味不明。ゲームみたいなもんなんだからチェスのこまでも何でもいい

・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
 紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
 携帯からPCに変えるだけでも違います。

→天プレにいれる必要あるの?

214:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 23:51:01 a5IuY6Bw
テンプレ8レスとか、多すぎだろ常考

215:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 00:01:01 g6wys2Ef
そもそも、テンプレいる?

216:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 00:24:36 kHa3o7LJ

したらばのやってることやそのテンプレって、「排他的馴れ合い」にならないの?
2chの書き込みをすべて禁止して、自分たちの運営する掲示板に持っていって、
それで書き込みを規制するんだから排他的行為なのは明らかなんだが


----------------------------------------------------------------------------------------------
4. 投稿目的による削除対象

スレッド
 掲示板の趣旨に関係があり、論理的で主観だけではない批判は残します。
 掲示板の趣旨に関係があっても、利用者の気分を害するため・利用者を揶揄するために作られたと判断したものは削除対象になります。掲示板自体の事象や参加者に関するもので、議論にならないと判断した場合も同様です。
 番組や試合や事象などをリアルタイムに中継する・大量な書き込みを目的としている・等、サーバに負荷が高い行為を目的・実行しているものは移動対象になることがあります。
 雑談系以外の専用板では、全く情報価値の無いもの・真面目な議論や話し合いを目的としないもの・板の趣旨よりネタを優先するもの・客観的な意見を求めないもの・等の、複数の状態に当てはまる時、削除または移動対象になることがあります。

レス・発言
 議論を妨げる煽り、不必要に差別の意図をもった発言、第三者を不快にする暴言や排他的馴れ合い、同一の内容を複数行書いたもの、過度な性的妄想・下品である、等は削除対象とします。




217:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 00:25:22 HV7wRSzT

したらばのやってることや、そのテンプレって、禁止されている「排他的馴れ合い」にならないの?
2chの書き込みをすべて禁止して、自分たちの運営する掲示板に持っていって、
それで書き込みを規制するんだから排他的行為なのは明らかなんだが


----------------------------------------------------------------------------------------------
4. 投稿目的による削除対象

スレッド
 掲示板の趣旨に関係があり、論理的で主観だけではない批判は残します。
 掲示板の趣旨に関係があっても、利用者の気分を害するため・利用者を揶揄するために作られたと判断したものは削除対象になります。掲示板自体の事象や参加者に関するもので、議論にならないと判断した場合も同様です。
 番組や試合や事象などをリアルタイムに中継する・大量な書き込みを目的としている・等、サーバに負荷が高い行為を目的・実行しているものは移動対象になることがあります。
 雑談系以外の専用板では、全く情報価値の無いもの・真面目な議論や話し合いを目的としないもの・板の趣旨よりネタを優先するもの・客観的な意見を求めないもの・等の、複数の状態に当てはまる時、削除または移動対象になることがあります。

レス・発言
 議論を妨げる煽り、不必要に差別の意図をもった発言、第三者を不快にする暴言や排他的馴れ合い、同一の内容を複数行書いたもの、過度な性的妄想・下品である、等は削除対象とします。




218:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 00:27:16 HV7wRSzT
あれ?ID変わった
何でだろ

219:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 00:35:39 nIHaj5Az
ルーターが半分死んでるかも

220:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 00:53:48 uiG5m7zQ
●排他的にならないようにする
●外部掲示板に依存しない体制をつくる


このふたつはいるかな

221:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 01:53:27 AcsNdgnA
多重自演投票&矛盾SSをごね通そうとするキャプテンや、全く生産性のない一行連荒らしのGが来たらどー対処すんだよ。
と本人に聞いてみるテスト。

222:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 02:15:49 nIHaj5Az
矛盾を埋めればいいだけ

223:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 02:30:04 GBpjYp2p
アニキャラ総合板での企画なんだから
アニメキャラならみんな登場する権利があるわけで
投票で数を制限してマイナーキャラを切り捨てるのはおかしい

224:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 02:46:53 SqwgBVF0
投票しなければいいんじゃね?

選挙しなければ多重自演投票なんて起こりようがないだろ

225:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 02:54:17 O7nAP1gj
これからのスケジュールは以下の通りです。

 投票しなけりゃいいんじゃね?
 ↓
 アニロワなんて企画しなけりゃいいんじゃね?
 ↓
 アニキャラなんて板なくしちゃえばいいんじゃね?
 ↓
 2chなんてなくなればいいんじゃね?
 ↓
 ネットなんてなくなればいいんじゃね?
 ↓
 ネットする人間なんていなくなればいいんじゃね?
 ↓
 人間がいなくなればいいんじゃね?
 ↓
 地球いらなくね?
 ↓
 宇宙いらなくね?
 ↓
 アンチスパイラル派歓喜wwwwwwwwww

226:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/21 03:09:27 IcEWMBUp
投票せずに作品を選別する方法?

・アニメ雑誌などの公式の人気投票で一定以上の人気を取ったアニメキャラ
・2006年1月から12月までに開始されたアニメ限定
・放送局限定(TBSだけ)

…とか?

227:蒼い狗 1/4  ◆AZWNjKqIBQ
07/10/21 07:43:12 zxawWyZs
地図で言うところの「6」のライン。
そこを北から南へと流れ市内と市街を分断する河。
その河には市内と市街を繋ぐいくつかの橋が架かっており、E-6エリアに架かっている橋はその中でも最大であった。

「飯禄橋(イイロクバシ)」―そう名前のついた橋がそこにあり、その東端にリザ・ホークアイとパズーの二人は立っていた。

昇り始めた朝日に照らされた大きな橋を前に立ち、そして―そこから先へと進めないでいた。


「どうしたのさ? おば……いや、おねーさん。あそこに行くんだろ?」
パズーが指差す先―橋の向こう側には、こちらへと正面を向けた立派なデパートが建っている。
建物として大きいだけではなく、壁に施されたロココ調の装飾も華美かつ豪奢で、訪れる者の期待を煽る赴きがそこにある。
そして、その立派なデパートの入り口の前より一直線に河を跨ぎ対岸までへと伸びている橋は、
太い鉄鋼が幾重にも曲線を描いて支える美しいアーチ橋で、これもまた立派な作りの橋だった。
余裕を持って確保された幅広い歩道と、それに両脇を挟まれた四車線の道路。
アーチ橋であるがゆえに橋の上には無粋な柱は立っておらず、あるのは夜の闇を払うためのいくつかの街灯のみだ。
今は人も車も全く通ってはいないため、その広い橋の上の端から端までがよく見渡せた。
ゆえに―、

「(―通れない)」

それが、橋を前にしてリザ・ホークアイが出した結論だった。


類稀なる射撃の名手にして、狙撃にも通ずるリザ・ホークアイ中尉。
彼女のはこの場所に達しそのシチュエーションを確認した時、それを確信した―自分ならここで狙う、と。

デパートの屋上か高い位置からならば、見通しのよい橋の上へと狙撃するには絶好のポジションだ。
橋の真ん中まで誘い込んでから射撃を始めれば、まず間違いなく逃げられる前に仕留める事ができる。
陽が昇っているというのも好材料。
デパート側から見れば逆光だが撃ち下ろす分には問題はなく、むしろ巨大なデパートの影が橋に落ちない分有利。
逆に、橋側からだとデパートの窓に反射する光が目くらましになって、そこに潜む狙撃主を探す妨げとなる。
そして、さらにそれよりもこの橋には地理上において重要な要素がある。
地図を見れば、南から南東、さらに東の端からスタートした場合、市内へと進むには十中八九この橋を経由することになる。
実際に、南の山中からスタートしたパズーも、南東のトンネルからスタートした自分もここを進むことを選んだ。
名簿を見れば参加者は82人。
それが、均等に地図上に配置されたとすれば、この範囲内におおよそ20ぐらいが存在すると想定できる。
それらの内何人かが、知人や標的を探すなどの目的を持って市内へと進入すると考えれば……、

「(……最低でも3人。多ければ、その倍は仕留める事ができる)」

自分ならそれぐらいはできる―と、彼女は考える。
仮に狙撃に適した武器が手元にあり、躊躇なく殺すという方針を取っていたならばそうしていただろうと……。


螺旋王と名乗った人物が実験と称したコレは、簡単に言えば生き残りゲームである。
それを単純に捕らえれば、どこかに引き篭もるなり逃げるなりして生き残り、漁夫の利を狙う方法が有利だ。
だが、逃げ隠れるよりも積極的に人を探し殺し回った方が有利だという部分もある。
それは、支給品―つまりは殺せば相手の武器を奪取できるという事。
ある程度有用な物が支給品というカタチで限られた数しか存在しないと言うならば、
それを早い段階から掻き集めておくことは終盤において圧倒的なアドバンテージを得ることになるだろう。

そういう考えに至り、またここで待ち伏せをするに必要な条件が揃った者。
そういった人物が見据える橋の向こう側にいる―という可能性をリザ・ホークアイは考える。
あくまでそれは現段階ではただの可能性にすぎない。ただ自分ならそういう戦略も思いつくというだけのことだ。
全てはただの杞憂で、そんな人物は存在しないという可能性も十分にある。

228:蒼い狗 2/4  ◆AZWNjKqIBQ
07/10/21 07:44:35 zxawWyZs
しかし、その可能性に賭けると言うには今賭けている生命という代価は重すぎる。ならば……、

「引き返すわよ、パズー君。先に北上して警察署を目指すわ」

言って、リザ・ホークアイは踵を返す。
ともすれば臆病と取られかねない選択。だがしかし、無為無策であることと勇気があるということもまた別の話。
殺し合いである以上、遵守すべきは己の命。抑えるべきは己の感情。機を計り、理で以って動かなければならない。
リスクは最低限に、取れるだけのものを取るべき場合においてのみ取る。それが戦場で長生きする方法論だ。

「ねぇ、どうしたってのさ? あの橋を渡るんじゃなかったの? ねぇってば、聞いてるのおばさん! ―アダッ!」
「……おばさんはやめなさい。理由は、後で話すわ。ともかくここを離れるわよ」

パズーはゲンコツの落ちた頭を、リザは落としたゲンコツをさすりながら橋より離れる。

この判断。全くの仮定の上でのものだったが、結果としては正解であった。
二人はこの場で死ぬという可能性を回避することに成功。

―そして、その命をしばらく永らえる。


 ◆ ◆ ◆


「……勘のいいヤツだ」

リザ・ホークアイとパズーの二人が踵を返した後、デパートの屋上。その物陰から一人の男が姿を現した。
全身を蒼で包んだ男―ランサー。彼の手には去った二人の命を狙っていた一本の鉄棒が握られている。

槍と言うには程遠いただの先端が尖っただけの鉄棒。
デパートの屋上に立っていた旗を揚げるためのポール。それを力任せに断ち切っただけのものである。
その先端に下がっていた旗は、今は後ろのベンチに寝かされたエリオを包むためのシーツとなっている。
これが傷の処置として正しい判断なのかは解らないが、ないよりはいいだろうとランサーはそう判断した。
そのエリオの容態は芳しくない。なにより腕一本を失っているのだ。すぐにでも適切な処置を施す必要があった。
そんな一刻を争う状態なのに一時でもランサーがこの場所に留まったのは、
旗を下ろした際に、そのエリオに傷を負わせたあの男と同じ軍服を着た女を目に捉えたからだ。

つい先刻、刃を交わしたばかりである。見間違えるはずもない。女はあの男を同じ格好をしていた。
考えてみれば、エリオもランサーも見知った者が同じようにこの殺し合いに参加させられているのだ。
ならば、あの軍服の男に同郷の仲間がいるというのも当たり前のことであった。
見つけたからには、敵である者をただで見過ごすわけにもいかない。ましてや合流されては事だ。
幸いなことに場の状況はこちらに有利。ならば、せめて一矢報いてからこの場を去ろうとランサーは考えた。

だが、結局あの二人は来た道を引き返しランサーは無為の時間を過ごす事になる。

それでよかったのかもと、ランサーは思う。
あの軍服の男とは遺恨を残したが、仲間といえどあの女とはまだやりあったという訳ではない。
それに功を得るためとは言え、女子供に不意打ちを仕掛けようとは……らしくないと思わざるを得ない。
恐らくは先刻の戦いで実感した、己が十全には程遠いという現状―それがこの焦りを呼んだのであろう。

「……いけねぇな」

首を振りながらランサーは寝かしていたエリオの元へと戻る。

229:蒼い狗 3/4  ◆AZWNjKqIBQ
07/10/21 07:45:46 zxawWyZs
僅かではあるが、無駄に時間を過ごした分だけ彼の容態もまた悪い方向へと進んでいた。
すでに意識を失っており、顔色も蒼く呼吸も浅いエリオに残された猶予はあまり多くない。
そして、無事に病院に辿り着いたとしても、そこに彼を救う手立てがあるとは限らない。
最悪―その場で彼が息を引き取るのを見取る事になるのかも知れない。だが―、

「―死なせねぇからな。もう少し辛抱してな」

結果とは言え、少年を囮にしてしまった事にランサーは責を感じている。
そしてなにより、彼が見込みがあると認めた少年なのだ。

「(―まだ槍の振り方の一つも教えちゃいないんだ。なのにこんな所で死んでもらっちゃあ困るぜ。坊主)」

ランサーはエリオを抱えあげると、デパートの屋上を蹴り、目的の病院へと向うため朝の市街へと飛び出した。




 【E-7/市街地/1日目-早朝】

 【リザ・ホークアイ@鋼の錬金術師】
 [状態]:健康
 [装備]:ダーツ23本
 [道具]:デイバッグ、支給品一式、
      泉そうじろうのデジタルカメラ・説明書付@らき☆すた(※マタタビの勇姿(後ろ姿)を撮ったデータが一枚入っています)
 [思考]
  基本:ここから脱出する。殺し合いをするつもりはない
  1.まずは北上し、警察署で銃器を調達する
  2.ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟(エド、アル)を探し合流する
  3.パズーが仲間と合流するまでの間、彼を保護する
  4.2日目の0時頃に温泉へと戻り、マタタビに協力を要請する
  5.トンネルで見た化物を警戒する

 ※リザ・ホークアイの参加時期はアニメ15話辺り。彼女の時間軸では、マース・ヒューズはまだ存命しています
 ※トンネルで出会った人物より、『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』の名前を聞きましたが、
   それが名簿に記載されていないことにまだ気づいていません
 ※ディバッグに穴が開いてしまったので、持ち運びが不便。歩行速度に影響が出ています
 ※マタタビと情報交換をしてません。また、マタタビを合成獣の一種だと考えています
 ※マタタビの温泉再建については、まだパズーに話していません


 【パズー@天空の城ラピュタ】
 [状態]:健康だが右頬と頭頂部に鈍い痛み
 [装備]:ルールブレイカー@Fate/stay night
 [道具]:デイバック、支給品一式、タロットカード@金田一少年の事件簿、USBフラッシュメモリ
 [思考]
  基本:螺旋王を倒し、みんなを救う
  1.シータを探し出し合流する
  2.リザ・ホークアイと同行する
  3.六課メンバー、クロ達、リザの仲間を見つけたら声をかける

 ※言峰により揺さぶりをかけられましたが、反発しています
 ※六課メンバー、クロ達、リザの仲間達の名前、容姿をある程度覚えました

230:蒼い狗 4/4  ◆AZWNjKqIBQ
07/10/21 07:46:56 zxawWyZs
 【E-6/市街地/1日目-早朝】

 【ランサー@Fate/stay night】
 [状態]:疲労(中)、全力疾走中
 [装備]:鉄棒(折ったポール)
 [道具]:デイバック、支給品一式(-地図、-名簿)、ヴァッシュの手配書、不明支給品0~2個(槍・デバイスは無い)
 [思考]
  基本:このゲームに乗ったもの、そして管理している者との戦いを愉しませてもらう
  1.エリオを病院へと連れて行く
  2.戦闘準備を整える(体力の回復、まともな槍の調達)
  3.言峰、ギルガメッシュ、ヴァッシュと出会えば、それぞれに借りを返す
    言峰とギルガメッシュは殺す。ヴァッシュに対してはまだ未定
  4.ゲームに乗っていなくとも、強者とは手合わせしたい

 ※まともな槍が博物館にあるかも知れないと考えています


 【エリオ・モンディアル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
 [状態]:気絶、右腕欠損、右半身に火傷
 [装備]:偽・螺旋剣@Fate/stay night、大きな旗で全身を包まれています
 [道具]:デイバック、支給品一式、防水性の紙×10@現実 、暗視双眼鏡@現実
 [思考]
  基本:仲間と合流し、このゲームを破壊する。
  1.………………
  2.体調の回復
  3.ランサーと同行
  4.仲間を探し合流する

 ※敵ならば殺す―という覚悟を決めました 
 ※頭の先からつま先まで、右の半身がまんべんなく火傷を負っています
 ※今すぐに命に関わる状態ではないものの、そのままだと危険な状態へと悪化してしまいます
 ※焼き落とされた右腕の付け根は、完全に焼かれているため出血はしません

231:第一回放送 ◆oRFbZD5WiQ
07/10/21 09:23:12 h9ervEco
 孔雀のような羽を纏った青年であった。
 長身であり、顔の造形も整っている。惜しむらくは、服装が奇抜すぎるところだろうか。
 もっとも、そのマイナスを以ってしても、青年の頭に『美』がつくであろうが。
 ―彼の名はシトマンドラ。螺旋王四天王、神速のシトマンドラだ。
 
「怖れ、狂い、嘆くといい。脆弱な人間風情が!」
  
 孔雀の羽飾りを―否、自身に生えた翼をなびかせ、シトマンドラは哄笑する。
 ……最初、螺旋王にこの事を教えられた時は、驚愕すると同時に苛立ったものだ。
 並行宇宙。無限に存在するIFの世界。
 その中には、自分たち獣人は存在せず、人間どもが繁栄している世界もあるのだという。
 真に、真に馬鹿馬鹿しい話だ!
 人を超越した獣人を差し置き、地上を支配している―それも、自分たちが見えない場所でだ!

 だが、と笑う。笑う笑う笑う! 高らかに、そして見下すように。
 彼の手にあるのは、複数の映像メディアだ。
 そう、それは首輪や監視カメラを用いて撮影した映像。それらを、一つ一つの世界で再生できるメディアに記録した。
 そう、それらを参加者に親しい者に送りつけてやるのだ!
 参加者に与える絶望では、まだ足りぬ。足りぬ、足りぬ、足りぬ! 
 自身の親しい人物が、争い、狂い、死に絶えるその姿―それらを、映像で見る事しか出来ない自分自身。
 ああ、苦しいであろう! なぜ自分が、そして知り合いがこんな目に遭わねばならぬのだ、と大いに嘆く事だろう。

 されど知れ、人間よ。
 貴様らは暗く、狭い穴倉に住まう事が相応しい。地上に出た事、それが貴様らの罪なのだ。
 ……無論、これは螺旋王が望んだ事ではない。完全なシトマンドラの独断だ。
 だが―どうせこの会場は、外部からでは壊せないだろう。

(しかし……)

 ふと、シトマンドラは眉をひそめた。
 人間同士の殺し合い。初めて聞いた時、心躍ったものだ。
 だが、螺旋王が行った事と言えば、参加者を集め、舞台に放り込んだくらい。後は、ほとんど何もしていない。
 そう。このゲームに乗らぬ、という愚者どもすら、なぜだか満足気な眼差しで見やっているのだ。
 シトマンドラは思う。螺旋王は、本当に殺し合わせる気があるのか―と。
 実験というからには、何らかの要素を見出したいのだろうが。それにしても手ぬるいのではないか、と思うのだ。
 
「なにをしておる、シトマンドラ」

 粘着質な声に振り向くと、二足歩行のアルマジロが瞳に映った。
 螺旋王四天王の中では、一番の古株である男、グアーム。不動のグアームである。

「少し、な。それよりも、なにをしに来たのだ?」
「ロージェノムが呼んでおる。放送を行う、とな」


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