07/09/29 19:20:41 vIUuePqu
森の中を歩く言峰綺礼は上機嫌だった。
それはあの真っ直ぐな瞳の少年に出会ったこと、この様な自身の嗜好を満足させてくれる場に招かれたこと、その舞台で十分に当たりと言える槍を手に入れたこと・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ではない。
代行者として死地を巡り、聖杯戦争を駆け抜けた彼にとってそのような場は飽きるほど見た。
自身が言った「最凶で最低で最悪の災厄」もそれに比べればさしたる事ではないのだ。
神父にとってその理由足りえたのは一つの書物。
調べてみれば其れは奇妙で・・・しかし言峰には興味深いものだった。
知識を収集し、魔力を吸収し「何か」を引き起こす漆黒の書。
いささか損傷が激しく、本来の機能は持ち得まい・・・・そう判断した言峰はその魔道書に手を加えた。
異界の物ゆえに確実性は無い。
しかし言峰には霊体干渉の技術がある、聖杯を扱ったこともある。
十全の自信を持って言峰はそれに挑んだ。
そして手の中の魔道書は力を取り戻し始める、本来の役割に立ち返るために。
「ふむ、あの少年はいささか勿体無かったかもしれないな・・・・・」
とは言え無理に集めることも無い、そう思考を打ち切り森の外へ向かう。
この書物は何かを見せてくれる──その期待を抱きながら。
・・・がちがくね?テンプレ違反だろ