【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 5【一般】at ANICHARA【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 5【一般】 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト378:Rozen Maiden LatztRegieren Ⅲ:喪失 The lost 07/06/24 23:30:52 fnSXDuAG 「私最近思い始めたの - アリスゲームのルールはそんな簡単なものではない。何か恐るべきからくりがある。 "自由度が高すぎる"。一対一で闘うものでなければ、真紅みたいに敗者の雛苺に力を供給することも出来る。 第七ドールみたいにいつまでも姿を隠し続けることも出来れば、そもそも同じ時代に全員目覚めないと意味がない!」 二人は急激に高度を下げ始めた。隕石のように猛スピードで落下していく。 「どう思う?死に際のあなたの口から聞きたいの。うふっ、そのような条件下ではアリスゲームが何世紀にも長引いても当然。 なぜお父様はアリスを待ち焦がれながら、そのようにしたのか」 蒼星石は水銀燈の言葉に聞き入ってる余裕などほとんどなかった。むしろこの会話もまた罠だ。会話に集中させ、抵抗力を奪う。 「第七ドールはアリスゲームについて、何か知っている。私の直感がそう告げているの」 水銀燈は続けて言った。 「ローザミスティカについての秘密もね。真紅が"アリスゲーム以外の道"と口に出したとき雪華綺晶は怖がっていた」 蒼星石は無視した。"好奇心は猫を殺す"。興味の沸く話だったが、今の状況を忘れてはならない。 いま、水銀燈の話に受け答えなどしていれば自らの鋏が体を貫く。 必死に身を乗り出し、水銀燈を下に覆そうと試行錯誤するも全く効果が無い。見る見るうちに地面が迫ってくる。 その上で水銀燈が敗者を見下すように笑った。 突然、二人の横からバイオリンの演奏する音が鳴り響いた。 「追撃のカノン!」 何処かしらから声がすると、水銀燈と蒼星石の二人を目掛けて音波の竜巻が何本も蛇のように伸びてきた。 「チィ!」 水銀燈は舌打ちしてから蒼星石を手放し、翼を力いっぱい羽ばたかせて高度を上げた。 そのすぐ下を竜巻が伸びてゆきそばの建物の壁に突っ込む。衝撃音がして建物が真っ二つに砕かれる。 砂埃の塊が花火の様に散り散りに飛び、そのあとバラバラと断片や瓦礫がそこから土砂崩れの様にして流れ落ちてきた。 「金糸雀か!一体何処から!?」 水銀燈は飛んでくる砂を被りながら周辺の建物を見回した。金糸雀の姿は何処にも見当たらない。 なるほど。漁夫の利を狙っている訳か。 自分は身を隠し、他のドールが戦いに夢中になってるところを横からまとめてすくい取る。 いかにも金糸雀らしい戦い方だ。 水銀燈から手放された蒼星石は依然として地で待ち受ける鋏の先に向かって一直線に落下していた。 幸いにも、あれは僕の鋏だ。水銀燈に抑えられてさえいなければ鋏は主人の言うことを聞いてくれる。 「レンピカ!」 蒼星石は鋏に向けて手を伸ばして叫んだ。 水色の人工精霊が蒼星石をはるかに超えるスピードで降下してゆき、鋏の周辺を舞う。 鋏が独りでに地面でカチャカチャと震え始め、やがてフッと飛んだ。そして主人の手元に納まった。 無事地面に降り立った蒼星石はふうと息をついた。 「ふ、惜しかったのかしら。」 二階建ての建物の中、金糸雀は伏せの体制で、バイオリンを手に持って壁にあいた穴から水銀燈と蒼星石を見下ろしていた。 「戦いを続ければいいわ。二人とも…!そして薔薇乙女一の頭脳派この金糸雀が、 まとめてあなた達のローザミスティカを奪ってやるわ!」 自分は決して蒼星石を助けたつもりはない。ただその時を狙って攻撃を繰り出しただけのことだ。 どちらかが勝利を確信する瞬間。その時こそが隙を突くのに最も適したタイミング。今回の場合は水銀燈が標的だった。 「しかしまぁ、さすがは翼を持っているだけあって、交わされてしまったのかしら。ふふ、別の建物に移動した方がいいかしら」 金糸雀は呟いて穴から体を引っ込ませると、立ち上がって建物の中を移動し始めた。 既に位置を感づかれた可能性すらあるので、出来るだけさっきとは逆の方角へと移動したい。 角度を大きく変えれば変えるほど気付かれにくくなる。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch