07/05/13 20:42:11 4jnp7bW0
「そう…よかった…ね」皮肉を込めて言ったわけでは決して無い。
「はぁ?あなたってホント馬鹿ね。私はあなたを殺そうとしているのよ。わかる?あなたは今から死ぬの。」
俺にとって、水銀燈と出会うまでの人生は本当につまらない物だった。何の夢も希望もなかった(持たなかった)
俺は大学なんか行く気は全く無かった。しかし、親に行かされていた予備校の先生や学校、両親に猛烈に進学を勧められ、
気付けば大して何もせずに某国立大に入学していた。法学部に入った理由はただなんとなくだ。
そして大学生活は「つまらない」の一言で片付けることができた。
何の目的もない勉強は苦痛でしか無かった。退学を真剣に考えた程だ。俺にとって人生はすべてが物足りなかった。
何をしてもすぐに飽きた。前の彼女とも、彼女が高校の時、一方的に接近してきたので、ただなんとなく付き合いはじめただけだ。
やはり俺は何とも思っていなかった。その証拠に別れた時は何のためらいも無かった。そんな時だ。彼女か表れたのは。
たった一ヶ月程だったが彼女は俺に一生分の喜びを与えてくれた気がした。いや、俺の場合、それ以上かもしれない。
「キミに…殺されるなら本望だよ…俺の命をキミが…使ってくれる…の・・・だろう?
俺が…キミの…幸せに役立つなら…こんな命…いくらでも…差し出せる…よ」
今のこの俺があるのは彼女の存在があったからなのだから。
水銀燈は驚いた顔をした。そして…
「ハハハッ!なぜ!?なんであなたはそんなに馬鹿なの!?」
水銀燈は口を大きく開け、笑っている。
「…」