07/05/13 20:39:34 4jnp7bW0
今日は特にすることが無かった。と言うよりなぜか体がだるくてしかたない。何もやる気が起きないほどだ。疲れたのかな…
「あ~」
俺は畳の上で、扇風機の前で涼んでいる。
エアコンなどというハイテク機器は無かった。戸全開だ。庭から中が丸見えだ。
銀ちゃんは縁側で本を読んでいた。
「ちょっと、静かにしなさい」
「はぁ~~い」扇風機で声が震える。
「ん?」
やけに目が霞む。擦っても擦っても治らない。なんだ?力が出ない。
しばらくするとだんだんと意識が朦朧としてきた。視界が曇り、グルグルと回転し始めた。
「ん~なんか体が…」
「あら、」
本を読んでいた水銀燈がこちらにやってきた。
「銀ちゃん…?」
眠くなってきた。
「なんだか…眠いんだ」
「でしょうね」水銀燈は微笑んでいる。でしょうね?どういう意味だろう。
「へ?」俺は銀ちゃんに尋ねた。
「あなたはね、今から私に殺されるの。」
「は?」意味が分からない。
「私は自分の目的のためにあなたを利用したの」
「利用?」声に力が入らない。
「そう。私はあなたの命を奪って力を得るの」
一体なんの話だ。
「何を言ってる…んだ?…今まで…」
「今まで一緒に仲良く暮らしてきたって?そんなの演技よ。あなたから確実に力を得るためのね。あなたってホント馬鹿ね。
私は昔から人間が大嫌いなの。残念だったわね。騙されるあなたが悪いわ。」俺は必死に水銀燈を見つめた。
「私にはね、あなたと違ってアリスゲームに勝つという宿命があるの。
その目的を達成するためにあなたを利用したの。馬鹿なあなたは私の思ったとおりの反応をしてくれたわ。
おかげで簡単に契約にこぎつけ、あなたのエネルギーを私に送るための回路を作れた。」
よくわからない。ちょっとした事を考えるのでも一苦労だ。
簡単に言えば、銀ちゃんは俺の命を奪って自分が生きるための糧とすると言っているのだな。