07/05/16 20:53:59 VedIeOTP
巴が雛苺と契約を続けていたと仮定しての小ネタ
とあるファミレスに中学生とおぼしき少年と少女が座っている。
注文はドリンクバーとデザートが少々、それだけでかれこれ30分以上はいるだろうか。
この若さにして将来を誓いあった仲なのか、お互いの左手の薬指には
薔薇をかたどった同じデザインの指輪がはめられていた。
しかし、二人の間に流れている空気はとても恋人同士のそれではない。
二人とも沈黙を続け、少年は落ち着きなくコーヒーを何度も口元に運んでいる。
少女の方は俯きながらテーブルに指で「の」の字を書いている。
まるでこれから別れ話でも始まりそうな、そんな重苦しい雰囲気だった。
「あの、これ…」
つと、少女が重い沈黙をやぶり、まるで離婚届けでも差し出すように、少女は鞄からおずおずと書類を差し出した。
「私の口からは何も言わないから、これで察して…」
まさかこの齢にして結婚していたのか、いやまさか。
興味本位の野次馬が見守る中、少年が口を開いた。
「…っておい、これ」
その紙はなんのことはない、ただの宿題のプリントだった。
「こんなもん届けるためにわざわざファミレス来てこんな雰囲気つくる必要ないだろ!
普通に渡せよってゆーかいつも通り図書館で会えばよかったじゃないか!
じゃなきゃウチに来てくれれば雛苺にも会えたし!」
「ごめんなさい、これ渡すの忘れてて…今まで渡すタイミング逃しちゃってて」
「答えになってなーい!っていうか僕柏葉にまで突っ込みたくないんですが!」
「そんな…ひどいよ、桜田くん…私だけのけ者なんて」
「確かにお握りに苺入れたりとか、天然かましてた時もあったけど!
そんなキャラじゃないだろあーた!」
オチはない