07/03/04 23:51:16 1WI6uG23
七つの大罪とは以下のようなものである。
傲慢 … ラテン語:superbia. 英語:pride, vanity. 司る悪魔は、ルシファーまたはベリアルであると言われる。
嫉妬 … ラテン語:invidia. 英語:envy, jealousy. 司る悪魔は、レヴィアタン(リヴァイアサン)であると言われる。
憤怒 … ラテン語:ira. 英語:wrath, anger. 司る悪魔は、サタンであると言われる。
怠惰 … ラテン語:acedia. 英語:sloth, accidie, acedia. 司る悪魔は、ベルフェゴールまたはアスタロスであると言われる。
強欲 … ラテン語:avaritia. 英語:avarice, covetousness, greed. 司る悪魔は、マンモン(マモン)であると言われる。
暴食 … ラテン語:gula. 英語:gluttony. 司る悪魔は、ベルゼブブであると言われる。
色欲 … ラテン語:luxuria. 英語:lust. 司る悪魔は、アスモデウスであると言われる。
姉妹の順番で当てはめてみても、けっこう一致しているようなしていないような。
55:名無しさん@お腹いっぱい。
07/03/06 18:36:27 8uZfiC41
>>54
いやがっちりあってるだろ
56:名無しさん@お腹いっぱい。
07/03/06 19:19:44 iNGvmgRa
自分なりにはこうだと思う
傲慢 …真紅
嫉妬 …蒼星石
憤怒 …水銀燈
怠惰 …翠星石
強欲 …雛苺
暴食 …きらきー
色欲 …金糸雀
銀様と蒼の子のどちらを嫉妬にするのかを迷った
カナは数合わせで・・・
57:名無しさん@お腹いっぱい。
07/03/06 20:24:52 BxXzgaZE
色欲 …金糸雀
萌え狂うのも色欲の範疇なら、俺にとってこれ以上のベストマッチは他に無いわけだが・・・。
58:名無しさん@お腹いっぱい。
07/03/06 20:33:29 IwcHs0YI
カナに色気はな(ry
59:名無しさん@お腹いっぱい。
07/03/07 23:29:23 qkEkC2J6
こうだと思う。
傲慢 …真紅(女王様気質)
嫉妬 …翠星石(ジュンと真紅の関係を見て)
憤怒 …金糸雀(烏に卵焼きを奪われて)
怠惰 …雛苺(アニメ版なら最後まで遊んでいたと思う)
強欲 …水銀燈(ローザミスティカに執着)
暴食 …雪華綺晶(人食いつながりでフランス人が絡んだのか?)
色欲 …蒼星石(ムッツリ)
60:名無しさん@お腹いっぱい。
07/03/12 02:28:13 0DTlW2+9
「誰かに死ねって命令されて、はいそうですかって死ねるほど、私は軽く考えていない!
そんな簡単に死ねるなら、とっくの昔に何百回も死んであげてるわよ!
こんな……ゴロゴロ転がってるありふれた死にかたなんて、同化できない!
私にとって死ぬってことは……特別なの!
手の届かない高い場所にひっそりと咲いて……散る……誰にも……」
「不愉快だわ!私の領域に、こんな雑草みたいな連中が土足で入ってきて!
昔から知ってたみたいな顔して!ばたばた死んでいって大迷惑!」
「あなたの死なんて、ありふれたものよ!死にたいけど怖くて死ねない。
そんなヒョロヒョロしたあなたの志と同類項でくくってもらっちゃあ、汚れるの!
私の……死の神聖さが……おとしめられる!
あなたなんて、そこらへんの……この下に積み重なっている連中と一緒!
平積みの『完全自殺マニュアル』読んで?
『自分には最終手段が残されているって思うことが勇気になる』とかいって?
気取るな!現実と戦う覚悟がない世捨て人気取りが!そんなのみんな一緒!
私があなたを案内したのは……私の領域の端っこに招いたのは……同列の存在を作るためじゃない!
あなたは道具!いい、道具なのよ?!死の儀式に必要不可欠な……道具!
いい、あなたは条件なの。わたしが死んでいい状況を形作るための条件でしかないんだから
……あなたは過去のわたしなの!
今の私じゃない。なんでもなかった頃の私で………………………………………………
……………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………思い上がるなッ!」
61:shinku
07/03/18 23:44:34 QVnusoNf
「ジュン、紅茶をいれてきてちょうだい」
「ノリにやらせれば良いだろ?なんで僕がそんな事…」
「人間のくせに、口答えするな!ですぅ…とっとといれやがれ!ですぅ…」
「この性悪人形…」
「ジュン」
「なんだ!」
「騒々しいわ、速くいれてきなさい?」
「…くそ、なんで僕が…」
…ジュンって微Mなんだろうか…
62:名無しさん@お腹いっぱい。
07/04/01 19:55:57 EiYu4etK
わ。
63: ◆vJEPoEPHsA
07/04/03 22:53:24 QWbgSr4h
>住人のみなさん
お知らせ:
サーバ乗り換えのため、保管庫移転します。
しばらく移転リンクを残すのでブックマークの変更とかよろしくです。
64: ◆vJEPoEPHsA
07/04/04 07:29:44 ypwhmDEY
URL貼り忘れていました、すみません。
URLリンク(library.s12.dxbeat.com)
65:名無しさん@お腹いっぱい。
07/04/07 11:39:52 z+1iMsZc
原作では、実はRMだけでなく、相手の身体も喰ってしまわなければならないという設定
なのかもしれないと、ふと思った。
1つの器に2つのRMは窮屈であり、力をコントロールできなくなると。
相手の身体も取り入れることで、RMを複数コントロールできるようになり
また、身体的にもアリスに近づくとか。
66:名無しさん@お腹いっぱい。
07/04/07 21:19:03 WHIXlRdk
人形を喰ってでかくなる人形…
67:名無しさん@お腹いっぱい。
07/04/07 21:58:05 PsRr8Mnx
元々、原作には陰惨な雰囲気が漂っていたから、
水銀燈が蒼星石の身体を貪り食らうシーンがあってもいいね。
68:名無しさん@お腹いっぱい。
07/04/08 00:13:35 OByCCJ57
ローゼンメイデンのアニメまたはじまらないかな?
その前に漫画がね・・・
69:名無しさん@お腹いっぱい。
07/04/08 01:38:05 WP2xc1jW
漫画は我慢
70:名無しさん@お腹いっぱい。
07/04/10 10:16:34 xrWvVS+k
漫画は我慢
逆さ読みが出来そうで出来ない
71:名無しさん@お腹いっぱい。
07/04/10 21:19:40 MOl/iguo
逆さ
━→
逆さ
←━
72:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/03 09:06:20 1U9VHx5Q
後々使うつもりでいるので一応あげとくか
73:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/27 15:34:22 fqV6z3O2
★
74:名無しさん@お腹いっぱい。
07/06/16 08:25:31 ubEV2kpF
{:::.:::.:::>.::´ ̄ヽ、 ,. -一 ヽ_
,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ノ::.Y:;___.:.:./.:.:.:.:.ヽ
(.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:、;:;∠二:.ヽ`ヽ.:.:.:.:.:.:.:∟、
):.:::.:::.:::.:::.:::.; '´ //〈.:.:.:.:\ \.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
r''".:::.:::.:::.:::.:::/ / / / ハ `ー‐┐\ ヽ:.:.:.:.:.:.:ノ=ニ):\
{ ::.:::.:::.:::.:::.; ′ / | {_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二`V/^):、
 ̄つ.:::.::/ / ,′ | |  ̄ヽハ. i.:.:.:.:.`i!ヽ.!_/:./
(:.:::.:::.::!l! l i |l! | ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ト、;:ノ
`7:.::|l| | ハ ;'| し-、| |:.:..:_ノ.|.:| |
ヽ|H | | l__, / | / / ノ|/:.:ん. l |:.| |
|l!ヽ. 代「 ヽ. , / `ト、/! ,イ. く:.:/:.; -┘| L」 !
| l N.--ミ ヽ/ソ _レ'´ lメ // |/ | | |
| ! |l,ィ^h.、 ´ ̄ ヽ 1 | | | |
| !( { { | | ' _, """ ノ!| | | | |
!.| |_\ ヽ、 _,. <._| ! |ヽ. | | |
!/〈.:.:.Y_>、 }、 ̄´;:;:;:;:;:;://| |:.:.::', l l |
ム-レく.:.:.:_}ノ:@;:ニ、;:;:;//;:;! 、|:.:.:.:.:L_ ! ! |
_,.∠=ニ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ニ V;〈〈_;/| ヽ:.:.:.:.:.:L_l ! |
`ーニ二_‐ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:(゙こ /'^ヘ V:.:\ \:.:.:.:.:{! | !
<:.:.:. ̄} .:.:.:.:.:.:.:`} ノ:.:..:.ハ V:.:_>- ヽ.:.:.:.} | i
|_>'7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.::.:>'" /:.:r‐'´〉、 i
らき☆すたメイデン2
翠星石登場! なぜか真紅は人間サイズなのだわ クスクス
URLリンク(www.nicovideo.jp)
75:名無しさん@お腹いっぱい。
07/06/25 00:54:17 hYQCQBHz
ももたねさんブログ更新ですよ
URLリンク(blog.p-pit.net)
今後どうなるんでしょう。。。
76:名無しさん@お腹いっぱい。
07/07/07 17:08:04 FcSuOqj7
今更ですがローゼンメイデンが女子高生だったら
スレリンク(news4vip板)
77:名無しさん@お腹いっぱい。
07/07/14 06:24:06 Fx31oIxq
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 5【一般】
スレリンク(anichara板)
がそろそろ容量オーバーです。
ところで、どうしてスレが2つも…
78:名無しさん@お腹いっぱい。
07/07/14 12:04:18 arOF9UHn
総合スレで揉め事が起きてその結果総合スレとノーマルスレに別れた筈(原因は虐待厨の投下した作品だったような)
よく覚えていないので上手く説明できなくてスマン
79:名無しさん@お腹いっぱい。
07/07/14 12:21:22 kuhIOXXI
統合するのかな?
80:名無しさん@お腹いっぱい。
07/07/14 19:57:22 +N5OHbhs
こういうのはあれだけど、それほど活気が無いのにスレが2つもあるのはどうかと思う。
(虐待厨が酷いようならまた分ければ良さそうなもんだけど)
81:名無しさん@お腹いっぱい。
07/07/14 22:29:52 q1yxvHbt
これまでの慣習に従い、立てた。
後はよろしく
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 6【一般】
スレリンク(anichara板)
82:名無しさん@お腹いっぱい。
07/07/15 01:56:53 pMvTALmu
. |
‐─┼.=r.r=、ヽ ロ ー ゼ ン メ イ デ ン r 、_ィi _lニ!_
. | .|:.| }:.:) _ ___ __ ーレ'に|:/ィュ:ト, アニメ最萌トーナメント2007
. | .|:Κ:<´ .,ィ'''''ト, |_r ァ:./,イr_、:YT:T"「ヽ __ ヽ,=<_ 今年もローゼンメイデン オーベルテューレキャラに熱き1票を!!
__|:.| \:ヽ__l:.:l l:.:l /∠イ !:ヽニr;._|:.:|_ |:.:|_"|:.:| <こ〈 最萌2007の概要、投票方法、現在の状況などはコチラ↓
. └―‐〈 ゙ー '`''_-_''└―__-! `ー '',r:‐、 ‐┘|:.:| lフト- URLリンク(animemoe2007.hp.infoseek.co.jp)
_/:て、 ト:ヽ /:.:.| _..--.、 >=< ,..--|:.:| ,.-.ト, _...-i_...-、
、ィr:ニヽ_ ,.、__|:.ト、ヽ/:/!:.| 〉=!:.| T:.| f:.f"`|:.:| /:'三:.YT:.:r'''l:.:| 現在一次予選開催中 以下投票日程
ゞツン-レK( |:.|. ヽ:./ |:.:!.{:.゙ーLァ._|:.:|_ヽ.ニイ:ァヘ.゙ー:.ア_|:.:.!__|:.:|_・7月16日(月)一次予選第10組 水銀燈
ソ ー' `,ー|:.|.., ' ,...!:.:!.,  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ・7月18日(水)一次予選第12組 雛苺
 ̄ ̄  ̄ ̄ | ・7月21日(土)一次予選第14組 蒼星石
・7月24日(火)一次予選第17組 サラ
現在までに、翠星石、真紅、金糸雀、柏葉巴(本選出場)
桜田のり、薔薇水晶、柿崎めぐ(二次予選進出)となっています
83:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/03 18:01:55 DV7qxyWi
虐待SS…読みたい。
84:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/05 13:22:50 X7pgVgez
8巻まで読んだのですが
あたらしい漫画はもうでないのかな?
85:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/06 08:55:10 1Td1829y
>>85
今日、9巻発売日。
初回限定は水銀燈のフィギュアが付いてくる!
早く本屋に逝け。
86:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/06 23:43:10 yGntsdPH
>>85
お前が逝けwww
87:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/06 23:48:37 yGntsdPH
>>85
お前が逝けwww
88:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/06 23:49:56 yGntsdPH
>>85
お前が逝けwww
89:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/06 23:51:54 yGntsdPH
>>85
お前が逝けwww
90:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/18 09:45:39 WixwOQfg
test
91:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/18 18:42:59 qyrubsWA
ここってなんでもあり?
92:カプチーノ8世
07/08/20 09:53:26 GwdeXLso
以前に書き込んだが誰も覚えてないだろうし保管庫にもないと思うので
この場で挙げさせてくれ、夏休みのいい暇潰しになることを祈る、長編
ここはnのフィールド。
荒野と化した大地に一体の人形が立ち尽くしていた。
彼女の名は水銀燈。
名工ローゼン初のドールにして、今やドールズ最後の戦士である。
「・・・そろそろ、行かなくちゃね。」
誰にともなくつぶやく。 しかし応えるものはすでにない。
やがて彼女はその翼を広げると最後の戦いに向け飛び立った。
「 行 き 着 く 先 」
あれからどれくらい経ったろう?
思い返せばわずかに数時間に過ぎないことに気付く。
それでも彼女には何年も昔のコトのように思われた。
感覚が狂っているのか? 私はジャンクだ、無理もない
自嘲気味に薄く笑い、今一度過去を振り返る。
93:カプチーノ8世
07/08/20 09:57:59 GwdeXLso
「水銀燈。 貴女の力を貸して頂戴。」
珍しく真紅の方から水銀燈を訪れると、開口一番そう言った。
「あら真紅! ごきげんよう。 一体何の冗談かしら?」
「冗談ではないわ水銀燈。 私は真面目にお願いしているの。」
「お願い? お願いならお願いらしく振舞ったらどうかしら?」
いつもの嘲りの口調でそう言う。 すると真紅は膝をつき頭を垂れた。
「お願いするわ水銀燈。 貴女の力を貸して頂戴。」
「・・・・」
自分の言ったこととは言えこれにはさしもの水銀燈も呆気にとられる。
ドールズの中でも特に気位の高い真紅がここまでするとは思わなかったのだ。
「・・・あらあら、そこまで言うなら貸してあげてもよくってよ?
でも、その代わりの代価を戴けるかしら?」
「代価? 何がお望み?」
「うふふw わかるでしょ? ローザミスティカよ。」
「・・・いいわ、全てが終わったなら持って行きなさい。」
「・・・・」
またしても呆気に取られる。 思わず真紅の真意を探るべくその瞳を覗き込む。
「なにかしら?」
迷いのない澄み切った瞳は水銀燈の目を正面から受け止めた。
「・・・わかったわ。 ではこれからどうするのかしら?」
先に目を逸らしてしまった水銀燈は内心の動揺を隠そうと尋ねる。
「あの人形は12時に来ると言っていたわ。 それまでには来て頂戴。」
「そう。 では12時に伺うわね。」
「あまりレディを待たすものではなくてよ?」
「お互い様ね真紅。 私もレディよ?」
「・・・そうだったわね。」
そのやり取りを面白くもなさそうに切り上げると真紅は鏡の向こうに姿を消した。
「・・・真紅、どういうつもり?」
水銀燈は真紅の消えた鏡をじっと見つめ続けた。
94:カプチーノ8世
07/08/20 10:00:48 GwdeXLso
ローザミスティカを狙う水銀燈は常時桜田邸を監視している。
当然コトの成り行きは見知っていた。
真紅が説明の手間を省いたのも全て承知との暗黙の了解があったからだ。
あの人形は突如彼女らの前に現われた。
ドールズの父ローゼンの作ではない。
日本の人形造形師、上近柳斎の作「瑞樹」。 それが金糸雀と
薔薇水晶の首を携えて来たときはさしも水銀燈も戦慄を禁じえなかった。
宣戦布告として真紅のミーディアムとその姉が殺害され桜田邸は炎上した。
そしていくらもしないうちに先の真紅の訪問である。
「・・・なにを考えているのかしら? 真紅。」
ローザミスティカはドールズの宿願たるアリスへの翼
そして敬愛する父の己らへの愛の証
例え損傷しようとも手放せるものではない。
それが、なぜ?
「行ってみれば、わかるわよね? 真紅?」
水銀燈は配下のジャンク人形達を従えて鏡に入った。
95:カプチーノ8世
07/08/20 10:03:42 GwdeXLso
nのフィールドの一角にはすでに4体のドールズが揃っていた。
緑の服の人形が落ち着きなく歩き回っている。
「・・・それにしても水銀燈はホントにくるですか?」
「さぁ?」
「さぁって!? 来ないんですか?」
「知らないわ。 来るとは言ってたけど?」
真紅は相変わらず読書にふけり、片手間に答えるだけだ。
「まったく、あんなゲス野朗なんてアテにできないです。」
「でも味方は一人でも多い方がいいのぉ~。」
「そうだね。 水銀燈はボク達の中でも一番強いし。」
「そうね。 この戦いには欠かせない存在だわ。」
「うぅ~、来るなら早く来るです!」
「・・・お待たせしたかしら?」
「ひぃっ!?」
突如の背後からの囁きに思わず飛び退く翠星石。
「ごきげんよう。 お久しぶりね?」 優雅に一礼してみせる。
「久しぶりなのぉ~。」
「久しぶり、水銀燈。」
「お、脅かすんじゃないですっ!?」
「・・・よく来てくれたわね、水銀燈。」
真紅は水銀燈に一瞥くれるとまた本に目を落とす。
「まぁ、真紅のたっての頼みだもの。 それで?
まだ時間はあるようだけどどうするのかしら?」
「別に? 時間が来るまで待つだけよ。」
「作戦は立てなくてもいいの?」 驚いたように蒼星石が尋ねる。
「ないわ。 立てようがないもの。」
「じゃ、じゃあどうするのぉ~?」
「各個奮闘努力せよ。 こんなところかしら?」
相変わらずその目は本から外れない。 そして誰もがこれからの
戦いに気を取られ、本が逆さまであることに気付かなかった。
「相変わらずですねぇ真紅は。 先が思いやられるです。」
「・・・」
嘆息する翠星石、そして水銀燈は静かに真紅の横顔を伺う。
不安な沈黙の中、時間だけが過ぎていった。
96:カプチーノ8世
07/08/20 10:07:07 GwdeXLso
「来たわね。」 真紅は本を閉じると立ち上がる。
「い、いよいよです!」
「うん。」 翠星石と蒼星石は如雨露と鋏を構え、宙を睨む。
「こ、怖いのぉ~。」 雛苺は物陰に隠れてしまった。
「・・・」 水銀燈の目は相変わらず真紅の横顔に注がれているままだ。
やがて空が濁り、中心から「何か」が降りてくる。
遠目に判別できないがそれが瑞樹であることはわかる。
大気が歪むほどの「負」の気がここまで伝わってくる。
「待たせたの、西洋人形ども。
うぬらの体と命、我が父の悲願のために使わせてもらうぞえ。」
その姿はジャンクと言うも愚かな不気味な体を成していた。
様々な人形の部位をかなり乱暴に不規則に繋ぎ合わせている。
彼女本来の体が一体どれだけ残っているのだろう?
金糸雀、薔薇水晶の一部もその中に見て取れた。
「醜悪ね。」
「なんじゃと?」
「醜悪と言ったのよ。 そのお耳は飾りかしら?」
「抜かしたの小娘・・・」
「な、なんで私達を狙うですか!?」
「ほっほっほ、希代の名工ローゼンの手になる逸品なれば
必ずや究極の美を生み出す役に立とう。」
「そんなものを生み出してどうするんだ!」
「我が父に捧げるのじゃ。 究極の美こそが我が父の悲願なれば。」
「・・・」
私と同じ? 水銀燈は一瞬奇妙な親近感を覚えるもすぐにその考えを打ち消した。
(違う! 私はこんなジャンクとは違う。 私はジャンクなんかじゃない!)
「ジャンクは・・・ジャンクよ。」
その言葉に水銀燈は思わず真紅を睨む。 彼女のもっとも忌むべき言葉だ。
だがそれ以上に激昂した者がいた。
「・・・愚か者がっ!? すぐに貴様もガラクタに変えてくれるっ!」
叫ぶや否や瑞樹は真紅に襲い掛かる。
無数の手足がいくつもの連なりを見せ、ありえない距離を越える。
「真紅ぅっ!」 ババッ!
雛苺の叫びが響くと同時に真紅のいた場所に土煙が舞う。
しかし真紅は横っ飛びにかわし、ステッキを取り出す。
「はあっ!」 ガキッ!
蒼星石は一飛びで迫るや鋏を大上段に振り下ろし「腕」を切り落とす。
「邪魔じゃ!」 横薙ぎの一閃が蒼星石を弾き飛ばす。
「ぐぅっ!?」 鋏で直撃を防いだものの大きく弧を描いて飛んで行く。
「蒼星石ぃ~!」 雛苺が伸ばした蔓で受け止めた。
97:カプチーノ8世
07/08/20 10:10:17 GwdeXLso
蒼星石の無事を確認した真紅と翠星石は顔をあわせ頷きあう。
「行くわよ、翠星石。」
「はいです!」
正面から突進しつつ花を撒く真紅、如雨露を振りまわす翠星石。
「しゃあっ!」
真紅に飛ばした無数の腕はしかし突如伸び上がった蔓に絡め取られる。
「ぬっ!?」
「はっ!」 真紅は蔓と腕を駆け上り、掛声と共にステッキを繰り出した。
「無駄じゃっ!」 大きく開けた口から放たれた無数の「指」が真紅に降りそそぐ。
「きゃっ!?」
「真紅っ!」 落ちる真紅をすかさず翠星石が蔓で支える。
「たわけが!」
「貴女がね?」
「なに?・・・っ!?」
瑞樹の周囲には桃色の花が舞っていた。 それらは瞬時に針と化し瑞樹に向かう。
「ぬぅぅうっ!?」 腕を体中に巻きつけて針の雨を凌ぐ瑞樹。
「はあああああぁっ!」 間髪いれず蒼星石が宙を舞う。
「てやぁっ!!」
ガキキキッ! 鈍い音と共に数本の腕を切り飛ばす。
「ぐ、おぉぉ・・・」
瑞樹は衝撃に耐えかねその場に崩れ落ちた。
「やったです!」
「やったのぉ~!」
「ふぅっ・・・」
「・・・」
しかし直後無数の黒い筋が蒼星石に巻き付く。
「なっ!?」
「・・・やってくれたの?」
腕を開き再び姿を晒したその顔からは夥しい量の髪がうごめきたゆたっていた。
98:カプチーノ8世
07/08/20 10:11:27 GwdeXLso
「蒼星石を放すです!」「蒼星石!」
如雨露を振り回す翠星石と突進する真紅。
「かぁっ!」 瑞樹は全ての腕を四方八方に振り飛ばす。
蔓は腕と喰い合い、真紅はかわすのに手一杯だ。
「やりおるわな、西洋人形。 だがここまでじゃ。」
「あぐっ!?」 髪を締め上げ蒼星石を圧迫する。
「水銀燈っ!」 真紅の悲痛な叫び。
「・・・ちぃっ!」 逡巡も束の間、水銀燈は瑞樹に向かって飛んでいく。
「かぁっ!」 口から「指」を吐き迎え撃つ瑞樹。
「ふんっ。」 水銀燈は巧みにそれらをかわし一気に瑞樹に肉薄する。
途上で見た真紅の目が何かを訴えていた。
「おのれっ!」 大量の髪を展開し絡めとろうとする瑞樹。
しかし水銀燈は寸前で急上昇をかけ一気に天に舞上る。
「逃げるか小虫めっ!」
「あら失礼ね?」 静止すると翼を大きく左右に広げ竜と成す。
「ぬ・・・?」 思わず構える瑞樹。
「ホーリエ!」
グバッッ!!
「があああぁっ!?」 死角からの突如の衝撃に揺らぐ瑞樹。
「くっ!」 そのスキを突いて蒼星石は髪の毛を切払い縛から逃れる。
「おのれがぁぁ!!」 瑞樹は荒狂い、腕と髪をさらに振り回した。
そして真紅は再びステッキを振るう。
99:カプチーノ8世
07/08/20 10:13:46 GwdeXLso
(なぜなの真紅? なぜ?)
水銀燈は最初から真紅を全く信用していなかった。
どうせ真紅は自分を弾除けにでもするつもりなのだ
水銀燈の心中には常に真紅への疑念が渦巻いていた。
だがいざ戦いが始まると真紅は先陣を切り、勇敢に戦っている。
絶えず一番前に立ち、皆を庇ってさえいるようだ。
(貴女はアリスになりたくはないの?)
――アリス 完璧なる乙女
それはドールズの存在意義であり悲願だ。
それを望まないドールはいない。
しかしこのままでは真紅は無事ではすまないだろう。
その体がわすかでも欠けてしまえばアリスの資格を失うのだ。
この私のように・・・
(本気なの? 真紅! 貴女はどうしてそこまで・・・)
ローザミスティカの話も自分を騙すための嘘だと思っていた。
激戦のさなか、水銀燈は真紅への疑念に埋もれていった。
「しゃあっ!」 無数の手を真紅に伸ばす瑞樹。 しかし真紅は難なくかわす。
「!?」 その軌道の妙に気付いたときはもはや手遅れだった。
勢いを増してそのまま向かう先には・・・雛苺!?
「雛苺! 逃げなさい!」
「ぇう!?」 突然の危機に雛苺は逆に固まってしまう。
「くぉっ!」 攻撃を止めようと鋏を叩きつける蒼星石、だが勢いは止まらない。
「チビ苺っ! あぶないですっ!」
ズンッ
瑞樹の腕が翠星石の腹部を貫く。
「あ・・・が・・・?」
「翠星石ぃっ!?」
「翠星石・・・」
「・・・なっ!?」
「す、翠星石ぃ・・・」
最後の力を振り絞って雛苺を突き放す。
「・・・に、逃げるで、す、チビい、ち・・・」
カクンッ
翠星石の首はそのまま力無く垂れてしまう。
「ひっ、ひえぇ~~ん!」 その場から逃げ出す雛苺。
「よくもぉっ!!」 再度鋏を振るう蒼星石。
「くっ!」 真紅も続いて瑞樹に挑む。
100:カプチーノ8世
07/08/20 10:15:26 GwdeXLso
(翠星石・・・バカな子ね。 他人を庇って死ぬなんて。
蒼星石ならともかくあんな役立たずを庇うなんて、ね。)
心中、翠星石を罵ってはいたものの水銀燈の受けた衝撃は大きかった。
アリスになる
それは姉妹を倒し、己ただ一人が父の寵愛を得ること。
敗者には骸のごときジャンクの末路しかない。 それがアリスゲームだ。
(邪魔者を蹴落とす絶好のチャンスだったハズなのに・・・)
双子である蒼星石ならまだしもなぜ雛苺を? 水銀燈は混乱していた。
水銀燈が援護をしたのはあくまで現状、利害が一致しているからだ。
言わば自分のためである。 皆もそうであるハズだ。 それがなぜ?
しかし物思いに耽っている余裕はもはや無かった。
戦況は一気に悪化している。
攻守の要であった翠星石を失い、真紅も蒼星石も攻め手を欠いていた。
闇雲に突っ込んでも腕や指に叩き落とされ、髪に絡め取られるだけだ。
今は自分が行くしかない!
「・・・ふぅっ!」 水銀燈は翼を広げ瑞樹に向かって羽を撃つ。
「小癪なっ!」 すかさず指を吐き出して迎え撃つ瑞樹。
さらに翼を竜に変じて放つ。
「グゥォオオオオ!!」
「しゃあっ!」 宙で絡み合う腕と竜。
「はっ!」「てやぁっ!」 花を撃つ真紅と飛びかかる蒼星石。
戦いはさらに激しさを増していった。
101:カプチーノ8世
07/08/20 10:16:54 GwdeXLso
(これは?)
真紅は瑞樹の足元から腕が何本も地面に喰いこんでいるのを見つけた。
それはさらに地中に潜りこんでゆく。
「まさかっ!?」
慌てて中空の水銀燈を見る。 瑞樹の腕を必死に支える水銀燈。
その下には瑞樹から水銀燈に向かって大地に筋が這っていた。
(水銀燈っ!) 真紅は全力で走りだす。
「かかったのぉ?」
「? なにかしら?」
「先にそちが使った手じゃ・・・返すぞ!」
シュバババッ
突如地中から無数の腕が飛び出る。 とっさにかわそうとする水銀燈。
「ぐっ!?」 だが自身の翼が瑞樹の腕と絡み合って動けない。
貫手状の繊手が弧を描き水銀燈に迫る!
「っ!」「水銀燈っ!」
バキンッ
「真紅ぅっ!」
蒼星石の叫びに閉じた目を開く。
「?・・・真紅!?」
「水銀燈・・・後は、任せるわ、ね?」
水銀燈は目の前の事態が信じられなかった。
目の前で両手を大きく広げ、胸を貫かれている少女。
・・・真紅が私を庇っている?
「アリスに、なって・・・お父、様、に・・・」
「・・・真紅?」
胴を裂かれ、その体は奇妙にゆっくりと大地に落ちていった。
まるで彼女の振るう赤い花弁のように。
「てやぁっ!」蒼星石が水銀燈の翼と噛みあっていた腕を切り落とす。
102:カプチーノ8世
07/08/20 10:18:47 GwdeXLso
「ジュン、のり、ゴメンね・・・」
まさに死のときを迎えながら真紅の心は不思議と静かだった。
どこかすがすがしい思いに包まれている。
自分は精一杯戦った。 力及ばなかったが二人は許してくれるだろうか?
そして・・・
(水銀燈・・・とうとう貴女に言えなかった。
貴女はジャンクじゃないって、最後まで伝えられなかった・・・)
姉妹の中でも水銀燈の存在は別格だった。
不完全ながら最強
いびつながら秀麗
背徳的ながら高貴
ドールズにとって水銀燈の存在は一つの壁であった。
ローザミスティカの獲得以上に、彼女を
超えることこそがアリスへの絶対条件と言える。
それはドールズ全員の共通認識である。
アリスへの試練、それこそが水銀燈の存在理由だった。
だがその現実を受け入れられるほど水銀燈の心は強くなかった。
水銀燈が他のドールに向ける目には劣等者への嘲りと共に、
常に嫉妬と憎悪があった。
「私はジャンクなんかじゃない。」
繰り返される虚勢の言葉は彼女自身が
その現実を認めている証左に他ならない。
(ずっと言いたかった。
貴女を尊敬してる。 貴女に憧れてる。 そして貴女を愛してるって・・・)
誰よりも優れた水銀燈を誰よりも崇拝していた真紅。
その想いが、言の葉として贈られることはついになかった。
アリスへの執着がなかったワケではない。
父を愛していた もう一度会いたかった
でもできなかった 水銀燈を超えることが
勝てなかったのは瑞樹にではない、水銀燈にだ
(貴女を超え さらなる高みに至る時 私は誰を目指せばいいの?)
(私にはわからない 私にはできない 私には貴女が必要なのに!)
その不安が、心弱さが敗因
でもいい
彼女はきっと勝つ
そして父に会うだろう
そしたら・・・
「・・・お父、様、に・・・今度、こそ・・・
作って、もらって、ね?・・・おねえ、さ・・・」
最後まで言い切ることなく真紅はこときれた。
103:カプチーノ8世
07/08/20 10:20:14 GwdeXLso
「・・・」(なぜ?)
縛から解かれても思考はいまだ混乱の中にあった。
しかしその迷いがさらなる悲劇をもたらす。
「カカッ!」
「うぁっ!?」
水銀燈を解き放つも着地点に這わされていた髪に絡めとられる蒼星石。
「・・・っ!?」
助けなければ! しかしその距離は絶望的に遠かった。
「ぁぁあああああ!!」 おめいて飛び込む水銀燈。
「無駄じゃっ!」 させじと締め上げる瑞樹。
ギリリッ・・・ビキッ
「きゃあああああ!?」グバァァァアアッッ!!
巨大な鎌と化した翼が大地ごと髪を切り飛ばす轟音が
蒼星石の絶叫と重なる。
すかさず蒼星石を抱きかかえ、飛んでいく水銀燈。
「・・・逃げるかぁっ!?」
瑞樹の呪詛を背に受けながら水銀燈は飛び続けた。
104:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 10:41:27 gVtyn88z
>>91
1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/14(土) 22:26:05 ID:q1yxvHbt
ここはローゼンメイデンの一般向けSS(小説)を投下するスレです。
SSを投下してくれる職人は神様です。文句があってもぐっとこらえ、笑顔でスルーしましょう。
18禁や虐待の要素のあるSSの投下は厳禁です。それらを投下したい場合は、エロパロ板なりの相応のスレに行きましょう。
次スレは>>950を踏んだ人が、またはスレ容量が500KBに近くなったら立てましょう。
あとオリキャラは敬遠される傾向にあるよう
105:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 17:28:30 GwdeXLso
交戦地よりはるかに離れた荒野の一角に降り立つと
水銀燈は蒼星石を静かに大地に横たえた。
「・・・うぅ・・・くっ・・・」
「・・・蒼星石。」
あらためてみる蒼星石の姿は無惨なものだった。
あとコンマ数秒遅れていればもはや原型も留めなかったろう。
いまや戦うことはおろか立ち上がることも、
それ以前に命を保ち続けられるかどうかも怪しい。
「水銀、燈・・・」
「しゃっべては駄目よ、蒼星石。」
「い、いの・・・もう、わかってる、から・・・」
「・・・蒼星石。」
なんだろう、この気持ち?
胸が苦しい、なにかが溢れそうな危うい気持ちで一杯だった。
(悲しいの? 私は悲しいと思ってるの? これが悲しい、気持ち・・・)
「これ、を・・・」
外れかけた手を必死に動かす蒼星石。
水銀燈はすぐにその手を取った。
「ボク、の、鋏・・・キミ、が・・・」
「わかったわ、大事に使わせてもらうわね。」
「それ、と・・・これ、も・・・」
そう言って自分の腹部を指す蒼星石。
「・・・?」 じっと蒼星石の言葉を待つ。
「もって、行って・・・ボク、の・・・おな、か・・・」
「なっ!?」 流石にこの申し出には面食らう。
「アリ、スに・・・なっ、て・・・」
「何を言ってるの? そんなことできるワケないじゃない!」
「・・・ボク、も、翠星、石も・・・キミが、好き・・・」
「あ、貴女は何を・・・」
「・・・生き、て・・・」
その目が静かに閉じられると、手も力なく地に落ちた。
「・・・蒼星石?」
もはやいらえはない。
「・・・」
106:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 17:30:38 GwdeXLso
涙が止まらない。 こんなことは初めてだった。
嗚咽こそ出ぬものの涙はとめどなく溢れ続けた。
(どうして私は泣いてるの? いまいましい邪魔者が消えたのに。
おかしいわね? ふふっ、やっぱり私はジャンクなのね・・・)
水銀燈は蒼星石の言葉を思い返していた。
「ボクも翠星石もキミが好き」
信じられなかった。 いや信じたくなかった。
いまさら疑う理由とてもなかったが、それでも信じることを拒んだ。
いままでずっと皆が自分を嫌い蔑んでいると思っていたのだから。
蒼星石の言葉を信じることは今までの自分を否定することでもある。
皆の笑顔が恐ろしかった。
水銀燈にとって、彼女に向けられる笑みは全てが嘲笑だった。
自身が不完全であること、そのコンプレックスは
弱い彼女の心をいとも容易く蝕んでいた。
嘲笑や失望、侮蔑を恐れる余りミーディアムも持てず、一人孤独に彷徨った。
何かを、誰かを憎むことでしか自分を保てなかった。
でも今はハッキリとわかる。
自分に向けられた笑みは嘲りでなく、親愛の証だったのだと。
水銀燈は己の過去と現実に折り合いをつけるため
ただじっと荒野に立ち尽くした。
107:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 17:31:47 GwdeXLso
そして今、彼女は一人最後の地に向け飛び続ける。
すでに配下の人形達は全滅していた。
先に雛苺を狙わんとした瑞樹の気配を感じ、
配下の人形全てをその足止めに投入していたのだ。
後は自分がこの速度を保てば、先に会敵できるだろう。
(よりにもよって貴女が残るなんて、ね。)
これには水銀燈も思わず苦笑してしまう。
雛苺
一番幼く、一番頼りない少女。
妹どころか娘のように思えるほど彼女はかよわい。
アリスゲームに際し、水銀燈にとって彼女は完全に員数外だった。
例え自分に敗れるコトがあろうとも彼女が
勝ち残ることだけはあるまい。 そう確信していた。
よりにもよってその雛苺が最後まで残ろうとは
今まで苦々しく思っていた彼女のあどけない
言動も今となると妙に愛くるしく思える。
(雛苺・・・アリスには、貴女がなってね?)
自分に全てを託して逝った真紅や蒼星石には申し訳なかったが彼女の
意思はすでに決まっていた。 二人もきっと許してくれるだろう。
せめて雛苺と最後の別れをすませたかったがもはやそのいとまもない。
(貴女は私が必ず守る!)
決意を胸に水銀燈は飛び続けた。
108:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 17:34:19 GwdeXLso
規制にひっかかるのでとりあえずこれまで
一時間後くらいにまた
109:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 18:29:17 GwdeXLso
「・・・待たせたわね。」
瑞樹の眼前に舞い降りる水銀燈。
瑞樹はバラバラにされたジャンク人形の残骸の中にいた。
「怖気づかずによう来たの、西洋人形。」
改めて見ると、瑞樹の体は立っているのが不思議なほどに損傷していた。
彼女はただ一人でドールズ7体を相手に戦ったのだ、無理もない。
(・・・執念・・・)
まるでかつての自分を見る思い
どこか気恥ずかしい気持ちに思わず頬が緩んでしまう。
「・・・何がおかしい?」 それを嘲笑と取ったか、語気を荒げる瑞樹。
「フフッ・・・」 そんなところまで似ていることに感動すら覚える。
(おバカさんは、私一人じゃなかったのね・・・)
奇妙な嬉しさを感じ、さらに顔がほころぶ。
その顔はいつもの皮肉な笑顔からは創造も出来ぬほど屈託ない。
「・・・?」
その異様に呆気に取られ、瑞樹は手を出しかねた。
「貴女は、お父上を愛していて?」
「無論じゃ。 我ほどに父を愛する者があろうか?」
「私もよ・・・」
父への愛、しかしそれは呪縛でもあった。
父への愛に全てを捧げた、自分ばかりか他者までも。
それが間違いとは思わない。 だが悔いはあった。
今それを改められるなら・・・
「貴女とは良いお友達になれそうね。」
「・・・今更命乞いか?」
「いいえ、私は貴女を許せるけれど、
雛苺をその手にかけさせるワケにはいかないの。
引いてくださる? さもなくば・・・いまここで終わりよ。」
最前までの笑顔はいまや氷のように研澄まされ、その目は静かに闘志に燃えた。
それを嬉々として迎える瑞樹。
「やらいでか!? その美貌こそ我を成し遂げる最後の鍵!
今こそ父の悲願を叶えようぞ!!」
「ありがとう。 嬉しいわ、本当に・・・」
生まれて初めての賛美
水銀燈の寂しげな笑みも意に介さず、瑞樹は一気に躍りかかった。
110:カプチーノ8世
07/08/20 18:31:16 GwdeXLso
最後の戦いが始まった。
「がぁぁっ!」 これを最後とばかりに猛攻をかける瑞樹。
「あぁぁっ!」 水銀燈も死力を尽くす。
共に帰る道はなく、相手を倒す、ただその一点に全てを注ぐ。
雛苺に全てを託した水銀燈はもはや損傷を恐れない。
一方瑞樹も体の挿げ替えを期し、損傷を意に介さぬ。
駆け引きも何もない力と力のぶつかり合いが繰り広げられた。
「ぐぅぅぅっ・・・!!」「ぬぅぅぅっ・・・!!」
再び絡み合う腕と翼、拮抗する力に戦いは膠着状態に陥った。
「・・・水銀燈、がんばるのぉ~。」
雛苺は物陰に隠れてその様子を伺っていた。
翠星石に救われ、戦場から逃げ出したものの彼女はすっかり途方にくれていた。
やがて彼方にいる瑞樹の敵意が明確に自分に向けられるやパニックを起こす。
だが無数の気配が瑞樹に向かい、その進行を阻んだことから水銀燈の援護に気付いた。
そして、水銀燈の激しく燃えるような気が瑞樹に向かって
行くのを感じ、いてもたってもいられなくなったのである。
水銀燈が倒されれば次は自分。
とてもではないが己一人で立ち向かえる相手ではない。
雛苺はなんとか水銀燈への加勢を目論むも荒狂う巨大な気と
苛烈を極める闘争に竦んでしまっていたのだった。
111:カプチーノ8世
07/08/20 18:32:45 GwdeXLso
「かかったのぉ?」
「なにかしら?」
以前と同じやり取り
「終わりじゃ!」
シュバババッ!
突如水銀燈の真下の地中から無数の腕が飛び出す。
しかし水銀燈は慌てず蒼星石の鋏を構える。
「同じ手をっ!」
「使うかよっ!?」
突如爆ぜ割れる腕、そして飛び出す大量の髪!
「っ!?」
「カカッ! そこまで舐めてはおらぬわえ!」
「うぬっ・・・!」 必死に力を振り絞るも体を縛る髪はビクともしない。
「その首、もらったっ!」
腕を大きく真横に薙ぐ瑞樹。 軌道は正確に首を指す。
ガクンッ
「なぁっ!?」 突如停止する腕。 それには無数の蔓が絡まっていた。
「水銀燈をイジメちゃ駄目なのぉ~!」
「雛苺!?」
「小虫かっ!」
「ひっ!?・・・えぇ~い!」
瑞樹の凶猛な眼光に一瞬ひるむも、雛苺はさらに蔓を展開する。
それは文字通り戦場を埋め尽くした。
「くくっ!?」「ちぃっ!?」
敵も味方も、自身さえも意に介さぬ力の暴走に二人の戦士は舌を巻いた。
その縛鎖から逃れようと一旦腕と翼を緩め合う。
「ふっ!」 水銀燈はその間隙を突き、髪を翼で斬払う。
112:カプチーノ8世
07/08/20 18:33:59 GwdeXLso
「おのれぇっ!?」 絶好の好機を失い激昂する瑞樹。
怒りの矛先は・・・雛苺!
「この・・・小虫があぁぁぁぁ!!」 大地を引き裂きながら突進する瑞樹。
「あぅ・・・う~!」 怯える雛苺はさらに蔓を紡ぎ出す。
結果、それが雛苺を追い詰めた。
「逃げなさい雛苺っ! 雛苺っ!?」
水銀燈は蔓を切り払いながら近づこうとする。
だが次から次へと湧き出す蔓に阻まれ、近付けない。
一方瑞樹は蔓の及ばぬ地中に半ば身を埋ずめ、
文字通り大地を掘り進みながら肉薄する。
負荷に耐えかね、その身はさらに崩れていった。
そして・・・
「死ねぇっ!」「雛苺っ!」
ズグッ
瑞樹の腕が雛苺の体を貫く。
途端に天地を埋め尽くした蔓は霧散した。
「あ・・・ぅ・・・」
「雛苺ぉっ!!」 水銀燈は即座に大鎌と化した翼を振るう。
「くっ!?」 大地を裂くが如き一撃に流石に飛びすさる瑞樹。
グバァァァアアッ!!
大地は裂け土煙が巻き上がり、すべてを隠す。
その絶好の好機にしかし水銀燈は追撃を怠った。
そして雛苺を抱え、その場を離れる
113:カプチーノ8世
07/08/20 18:35:37 GwdeXLso
「雛苺! しっかりなさい!」
「・・・水銀、燈・・・?」
その目はすでに霞み、死期が差し迫っていることを告げていた。
「どうして来たの!? 臆病者の貴女が。」
「・・・だっ、て・・・水銀、燈、が・・・」
「バカな子。 なんで私なんかのために・・・」
雛苺は水銀燈に笑いかけた。
「・・・雛、ね・・・水銀燈、大、好き・・・」
「っ!」
「・・・おねえ、ちゃ・・・」
「雛苺っ!」
「・・・」
そして雛苺は静かに崩れ落ちた。
「・・・」
その様子を感情のこもらぬ瞳でじっと見つめる瑞樹。
水銀燈は雛苺の亡骸を大地に横たえると瑞樹と向き合った。
「・・・待っててくれたの? ありがとう。」
憎い仇でありながら、不思議と水銀燈に怒りはなかった。
むしろその心はこれ以上なく静かに澄んでいる。
「・・・よいかえ?」 問う瑞樹。
「・・・いいわ。」 答える水銀燈。
その身を一条の矢と化して
二人は互いに――飛んだ
次はまた後で
114:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 20:07:03 GwdeXLso
「ぁああぁっ!」
「じゃあぁっ!」
繰り出される鋏と繊手
それらは交差し、互いの急所を突き貫く!
ドンッッ!
鋏は瑞樹の胸、繊手は水銀燈の腹に刺し込まれていた。
「・・・ぁ、う・・・」 苦鳴とともに水銀燈の首は力なく垂れ下がる。
「・・・カカッ! 我の勝ちじゃな西洋人形!」
勝ち誇る瑞樹、しかしその顔はすぐに神妙な面持ちとなる。
「・・・父上、ついにこの時がきました。
長かった我が旅路もようやく・・・」
「・・・終わりね。」
「!?」
突如跳ね上がる水銀燈の顔。 そこに死の翳りはかけらも見えない。
「メイメイ。」 グイッ
「なっ!?」
穿った胸部に精霊を押し込むと同時に両足で瑞樹の胴を挟み縛る。
そして上半身は宙に舞った。
「ばかなっ!?」
事態が飲み込めない瑞樹は空に浮かぶ水銀燈の上半身を驚愕の目で見つめる。
「・・・な、なぜ?」 攻撃も離脱も忘れただ問いかける瑞樹。
「私はね・・・」 ゆっくりと目を閉じる水銀燈。
「――ジャンクなの。」
「・・・。」
「さよなら、メイメイッ!」
ズドオォォッ・・・
115:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 20:08:14 GwdeXLso
炸裂する衝撃をその翼に受け、水銀燈はさらに空へと昇って行く
私は ジャンク
心中に呟いたことはあっても、ハッキリと口に出すのはこれが初めてだ。
「私はジャンクじゃない。」
これが水銀燈の口癖だった。 数え切れぬほど繰り返してきた言葉。
でももういい 私はジャンクで構わない
最後に見た瑞樹の顔が不思議と穏やかであったことが救いだった。
彼女も救われたのだろうか? 最後の最後に
私達はとうとう勝てなかった、でも負けなかった
それで、十分だ
空をゆっくり舞い堕ちながら、やがて彼女の意識は白く溶けていった・・・
116:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 20:09:50 GwdeXLso
―ここは?
再び意識を取り戻した水銀燈は奇妙に見慣れた部屋に転がっていた。
暖炉の明かりが室内を薄く照らしている。
あちこちに見える人形のパーツや衣装・・・
まさか!?
上半身だけで必死に這って行く。
翼は爆風の煽りですでに使い物にならなかった。
しかし目的の場所にはすぐに辿りついた。
さして広い部屋でもない。
「おかえり、水銀燈。」
「・・・」
言葉に詰まる あれほどに思い焦がれた父が目前にいた
「そうか・・・オマエが残ってしまったのだね。」
「・・・あ」
水銀燈の思いをよそに彼は独白を続ける。
「私は敗れたのだな、天に。」
「・・・お父様?」
「よく知らせてくれた。 ありがとう。」
「わ、わたしは・・・」
言葉を挟もうとするももはや彼は聞いてもいない。
「ついに及ばなかったか・・・」
疲れきった声
「我が愛しい娘達を捧げてまでしたこの壮大な賭けもこれで終わりだ。」
そして初めて水銀燈の顔を見る
117:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 20:11:31 GwdeXLso
「さぞや私が憎かろう? オマエにだけ可能性を与えなかった私が?」
「そ、それは・・・」
流石にこれには言葉に詰まる。
不完全な自身への憤りを憎しみにこそしなかったが、恨みがないワケではない。
その逡巡を肯定と取ったか言葉を続ける。
「オマエには私を殺す権利がある。
オマエに殺されるならそれもいい、それこそ私にふさわしい最後だ。」
「待ってください、私は・・・」
「考えてみれば我が最高傑作たるオマエが残るのは、ある意味自然なことだ。」
その言葉は水銀燈にこれまでにない衝撃をもたらした。
「私が・・・最高、傑作・・・?」
「そうだ。 水銀燈。 オマエこそ我が生涯最高の作品だ。」
ローゼンは己ただ一人でアリスを成し得ると考えるほど愚かではなかった。
いかに天を衝く才に恵まれようと
いかに歳月を重ね技量を磨こうと
いかに我身を焼く情念を注ごうと
――アリスは生まれない
アリスゲームは苦悩の末に生み出された一つの賭けであった。
結果として全ての者が倒れ、何一つ残らないかもしれない。
しかし己一人で天に挑むより、まだ希望があった。
そして彼は生み出す、至高の少女を
水銀燈
けしてアリスにはなれない
しかしまぎれもない彼の最高傑作
名工ローゼンが、己ただ一人で成した生涯の頂点
そしてアリスを生み出すための最後の鍵
「愛しているよ、私の水銀燈。 アリス、キミは今どこに・・・?」
彼は再び自身の想念に浸っていく
118:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 20:13:35 GwdeXLso
「待ってください! お父様、私は・・・」
「・・・ん?」
私は、なんだろう?
度重なる衝撃的な事実と悲劇に思考は混沌としていた。
自分は父になんと訴えるつもりなのか?
今 私は何を望む? 私の意味は?
「あぁ、そうだね。 オマエの体を完全にしてやらなくては。
我が最高の作を不完全なままにはしておけない。
すでに腹部はできている。 というより最初からできていた。」
「・・・」
「下半身を失ったようだがそれも問題ない。 せめてオマエだけでも・・・」
「お父様!」
「ん?」
「一つ、お願いがあります。」
「なんだね?」
「みな倒れました。 翠星石、蒼星石、雛苺、真紅、金糸雀、薔薇水晶・・・
お父様のお力で再びあの子達を・・・」
「・・・」
「・・・お父様?」
「残念ながらそれはできそうにない。
いや物理的には可能なのだがな・・・」
「?」
「犠牲無しには、叶うまい。」
「犠牲?」
「オマエと言う、犠牲がな。」
「私?」
「そうだ、我が最高傑作たるオマエを使えば、皆を復元させることは可能だ。」
「・・・」
「どうする?」
「お願いします、お父様。」
「・・・わかった。 それでこそ我が最愛の娘だ。」
水銀燈に向けられた彼の笑顔はこれ以上ない誇りと悲しみに満ちていた。
作業にとりかかる父の目は疲労に濁っていた先ほどとはうってかわり、
健康な生気に満ち満ちていた。
最後にその顔を見られただけで十分だ。
そしてなにより・・・
我が最愛の娘
父の言葉にすべてが報われた
いいようのない幸福感を胸に水銀燈は静かに眠りについた――
119:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 20:19:27 GwdeXLso
とりあえずここまで
あとで後日談らしきものを挙げます
120:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 21:15:51 GwdeXLso
「ウフフッ♪ やっぱこういう自己犠牲モノが受けるのよねぇ~」
自身の書き上げた短編を読み返し、そのデキに満足する
深夜にこっそり起き出し、少しづつ書き続けた力作だ
「これで私の人気もうなぎ登りよねっ!」
これで昼過ぎに起きては冷め切った朝飯をあてがわれるという
今までの辛苦も報われようと言うものである
「なにをしてるのかしら? 水銀燈」
ギクッ
「あ、あ~ら真紅、ごきげんよう。 こんな夜更けにどうしたの?」
思わずPCのモニターを隠す
「最近外が騒がしいようだったので気になってたの」
「そ、そう? そんなことはないと思うけど・・・」
自分の悪癖、独り言を思い出す
「大層な力作ね? 誰が貴女を愛してるって? 冗談もそこまで行くと笑えないわ」
チッ 見てやがったがコイツ、かくなる上は口封じを・・・
「ふむ、裏山ってのはどうかしら?」
「・・・」
駄目だ のりにいらなくなったジャンクどもの処分を命じられて
捨ててきたら廃棄物不法投棄として桜田家は罰金を取られたのだ
おかげで一ヶ月のメシ抜きと町内清掃奉仕の刑を喰らったばかりである
空腹に耐えかね、虫や雀を捕食していた私を見かねた蒼星石は
こっそり食事を分けてくれた くぅぅっ、やっぱアンタはいいヤツねっ!
いつか私が世界を征服したら世界第二の地位をくれてやると言うと
困ったように笑っていた 遠慮してるのか? 相変わらず謙虚なヤツだ
「じゃあお隣の犬に喰わせるってのは・・・」
「・・・」
犬が腹を壊すだけだ、下手すれば死ぬ
それ以前にこんなもん食べてくれないだろう
「庭に埋めようかしら?」
「・・・」
バレたらのりに怒られる、またメシ抜きはもう嫌だ
「いっそ燃やしちゃおうかしら?」
「・・・」
ドールは燃えるような材質ではない
まったく、始末に負えないヤツらだ
「あ、そうだ! 粗大ゴミのタンスの中にでも入れとけばいいわ!」
「・・・」
粗大ゴミなら中身も見ずに即スクラップでバッキバキ!
ナイスアイデア! 私は今日も冴えている♪
121:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 21:17:31 GwdeXLso
「ねぇ真紅? 今度粗大ゴミの日に私と一緒に・・・」
「一人で行けぇぇぇ!?」
ボグッ!―グワッシャァアン!!
真紅の腰の入った右ストレートが水銀燈の頬を捕らえる
虎の咆哮にも似たその一撃は水銀燈を窓ガラスごと吹っ飛ばした
しまった、また声に出してたか・・・
今更ながら自身の悪癖を呪う
それというのもいつも一人で寂しかったからだ
これでもママゴトでは一人で最高七役をこなす
世界タイまであと一歩!
「金メダルも遠くないわね・・・」
「・・・なにを言ってるのかしら貴女は?」
呆れ顔の真紅は背後の気配に後を振り向く
「さっきからうるさいですぅ~」
「ふわぁ、なにかあったの?」
「どうしたのぉ~」
どうやら騒ぎを聞きつけ起き出して来たらしい
「あらあらみんなお目覚めね? 貴女の力作、ぜひみんなにも見てもらおうかしら?」
こいつらにまで知られるのはさすがに不味い
こうなったら証拠隠滅あるのみ!
「仕方ないわね、こうなったら・・・PCごとすべて灰にしてくれるわ!」
「なっ!?」
さいわい元は頭に入ってる
モノはいつでも再現可能なのだ
「あははっ! みんな消えちゃえっ♪」
「オマエが消えろぉっ!?」
ゴギッ!!
「げぶろぁっ!?」
マ、マジ痛い・・・
このガキ、いま本気で入れやがった! しかも木刀って!?
122:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 21:18:42 GwdeXLso
「ボクのPCを勝手に壊すんじゃなぁい!」
「うぅ、でも証拠が・・・」
「んなモン知るかっ! そのPCにはな!
ボクが数十時間もかけて集めたエロ画像が・・・」
慌てて自分の口を抑える少年A
「ケダモノ」
「けがらわしいですぅ」
「最低」
「Hなのぉ~」
「無様ね」
「お姉ちゃん、悲しいわ」
いつの間にかのりまで起き出して来ている、この騒ぎでは無理ないか
「な、なんだよ!? 別にいいだろっ!」
「ジュン君も男の子だもんね、それは仕方のないことだわ。
でもジュン君には巴ちゃんがいるじゃない?」
最近ガキは巴と言う名のGFができていた
なんでも幼馴染とかで復学してから思い切って告ったらしい
「だ、だって、アイツ胸ないし・・・」
「ジュン君のバカぁっ!?」
ゴキッ!
のりの怒りのアッパーが完璧な角度で炸裂する
首が変な方向に曲がっているが平気なんだろうか?
「・・・チビ人間は巨乳好き、と」
翠星石が律儀にメモっている
どうやらまたエロガキをゆする気らしい
今まで一体いくら貢がせたのだろうか?
「・・・ぉごおおおおぅ!?」
なぜか顎ではなく口元を押さえもんどりうっている少年A
あ、舌噛んでら 指の間から大量の血が流れ出ていた
123:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 21:19:49 GwdeXLso
「・・・そりゃあね。 男の人の気持ちもわからなくはないわ。」
でもね? 女の子って、恋にはもっと繊細なものなの・・・」
どうも事態に気付いてないらしく滔々と説教を垂れるのり
相変わらずのマイペースっぷりだ
このままだと救急車をすっ飛ばして霊柩車を
呼びそうな勢いだがどうしたものか?
ま、いいや
証拠隠滅の邪魔者でしかないガキにはさっさと消えてもらうに限る
のりグッジョブ! 私は100万ドルの笑顔で彼女に向かい親指を突き立てる
のりは気付きもしないが気にしない、シカトには慣れている
見てろよ愚民ども! 私が天下を取ったあかつきには不敬罪で処刑してやる!
暗い野望を胸に秘め、ゆっくりとPCに近づく
今こそすべてを闇に葬るとき!
しかし振り上げた手は何者かに掴み取られる
「っ!?」
「ダメです、水銀燈」
「翠星石・・・どういうつもり?」
「そんなことをしても誰も喜ばないです」
「知った風なコトを! 貴女に何がわかるって言うの!?」
思わず語気を荒げてしまう しかし彼女は優しく微笑んだ
「そのPCにはチビ人間の思い出が一杯詰まってるんです」
「・・・」
「それさえあればチビ人間からいくらでもせしめられるです♪」
「鬼ね」
よーするにゆすりのネタを潰されては困る、と言いたいらしい
いいわ 分け前は5:5よ?
仕方ないので、作品項目だけ削除することにした
また打ち直すのははなはだ手間だが背に腹は変えられない
124:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 21:20:56 GwdeXLso
「あ、それ♪ ポチっとな?」
「させるもんかぁっ!?」
ゲシッ!―ガンッ!!
「はげぇぇえ!?」
真紅の矢の如きドロップキックが私の後頭部を蹴り飛ばす
顔はそのままモニターに叩きつけられた
「きさんっ!? なんばすっとかぁっ!!」
言葉がおかしいが気にしてはいけない
間違っても鹿児島在住経験などない
「せっかくの証拠をそうやすやすと消されてたまるもんですか!」
「どこまでも私の邪魔をする気? 真紅、許さないわよ!」
「許さないのはこっちの方だわ。 それをどうする気だったのかしら?」
「知れたことをっ! 全国のお茶の間にお届けするのよ!」
「そんなことは絶対にさせないわ。 私、真紅の名にかけて!」
「何人たりとも私の邪魔はさせないわ! 行くわよ? 真紅!」
こうして二人のとっくみあいが始まった
「・・・ふぇぇ~~ん!」
突然室内に響く雛苺の泣き声
死体予備軍に説教くれていたのりは我に返ると彼女を宥める
ちなみに少年Aは痙攣を始めた
もう長くねーな
「どうしたの? 雛ちゃん」
「雛が、雛が殺されてるのぉ~!」
「ボクも殺されてる・・・」
あ、それ私の創作作品だ
どうも真紅と取っ組み合ってる最中に蒼星石と雛苺が読んでいたらしい
「まぁ、ヒドイことするわねぇ」
「のりも殺されてるよ?」
「・・・なに?」
バカ! 余計なことは言わなくていい!
蒼星石はマウスを操り、冒頭部分に戻す
「ほら? わずか一行で瞬殺」
「・・・」
その顔が青、黄を経て赤に染まる様はまさに信号機そのもの
そうか! 信号機のモデルは人間の顔だったんだ!
私はまた一つ利口になったことを喜んだ
125:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/20 21:22:27 GwdeXLso
「・・・これ、誰が書いたのかしら?」
やっべ! 喜んでる場合じゃない!
私は真紅を突き放すと急いで割れた窓から飛び出した
「まちなさーーーいっ!!」
夜空に響くのりの絶叫、それにしてもこういう場合の人間のセリフはいつも同じだ
「待てー!」 人間は有史以前から同じことを言っている
きっとこれから何千年経っても、やっぱりこういうときは「待て」と言うのだろう
人間とはなんと進歩のない生き物だろうか?
世の無常を憂いながら私は月夜に舞った
まるで月光の精のように―
ゴンッ! 「うげっ!?」
なにかが私の頭部を直撃する
「・・・うるっせーぞ桜田!!」
どうやら深夜の騒動にキレた御近所の投擲物らしい
私はそのまま大地に堕ちる
「うぅ、ちくしょう・・・」
私は大地を掻き毟って泣いた
なんで私がこんな目に?
それもこれもみんな社会が悪いんだ!
いつか世界を支配してやろうと決意を固め
ほとぼりが冷めるまで逃げることにした
ウフフッ♪ 今度は貴方のお宅に御邪魔するわね?
「 行 き 着 く 先 」 は 貴 方 の お 家
完
後日談1終了、残り二つは明後日に挙げます
126:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/22 08:47:21 EuS/YGUz
「 行 き 着 く 先 」アフター1
「真紅ちゃ~ん? はい、御飯よぉ♪」
「・・・」
「あらあら雛ちゃん、またこぼしちゃったのぉ?
もぅ、しょうがない子ねぇ。」
「・・・・」
「翠星石ちゃんも蒼星石ちゃんもすぐ食べさせてあげますからねぇ~」
「・・・・・」
「はい! どう・・・」
ゴギッ!
「ぎゃああああああ!?」
「・・・それは押入れでやれって言ってるでしょ?」
私は木刀を突きつけると押入れを顎でしゃくった。
「うぅ、ごめんなさい巴様。 すぐ行きますから・・・」
散乱したわら人形や色とりどりのてるてる坊主を掻き集めるといそいそ
押入れの中に入っていった。 いちいちうっとうしいヤツだ
「まったく、我が家にはろくな人形が来ないわ。」
私は大きく溜息をついた。
話は3日前に遡る・・・
私は修行のために山篭りをしていた。
熊でも出れば新技のいい実戦テストになるのだがいかんせんここにはいない。
しょうがないので日々、自給自足と鍛錬を繰り返していた。
今日も今日とてエサを求めて山中を徘徊していると無数の壊れた人形達を見つけた。
人形に苦い経験のあった私は思わず眉をしかめたが当然それらは動き出す様子もない。
私は精神修養も兼ね、過去のトラウマを克服すべく一体持ち帰ることにしたのだった。
しかしあるのは壊れた人形ばかりで五体満足なものは一つもない。
恐らく欠けて売り物にならない人形をまとめて捨てていったのだろう。
最後に壊して遊んだのか、どれもこれも酷く損傷している。
仕方なく無事なパーツを組み合わせて作ることにした。
上半身のみの髪の長い人形が目を引き、それに合う下半身を探す。
すぐに見つかり、わずか二つの部品を組み合わせるだけで作業は終わった。
多少違和感がないでもないが十分だろう。
そのデキに満足した私はその場を後にしようとしたのだが・・・
127:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/22 08:49:04 EuS/YGUz
「・・・ぇ~~~」
奇妙にくぐもった声に思わず後を振り返る。
こんな山中に何者が?
私は出来上がった人形を放り出し、愛用の仕込み木刀「綾辻」を構える。
最悪の事態を想定し、親指で留め金を外す。 これでいつでも刃が使える。
注意深く周囲を伺い神経を研ぎ澄ます。 だが何者の姿も見えない。
「・・・ぇ~~~」
再びの声。
それはどうやら積み上げられた廃棄人形の中から聞こえるようだ。
私は慎重に人形を取り除き、声の主を探す。
すると・・・
「おお! 父上っ・・・」 グシャ!
「それ」が何かを言い終わらぬ内に反射的に木刀を振るっていた。
誰が父上だ、私は女だ
ムカツいた私は腹いせに「それ」の残骸を薪の代わりにしてやることにした。
二つの人形を抱え、再び拠点にと作った巣に戻っていった。
「・・・ぉ~~~・・・」
満天の空の下、焚火にくべられた残骸の断末魔が心地よい。
ここしばらく話し相手もいなかったので少し寂しく思っていたのだ。
今夜はこっちの完成品を抱いて寝よう。
少し早いが床につくことにした。
「・・・お父様ぁ~~!」 ゲシッ!
突然抱きついてくる完成品を反射的に蹴り飛ばす。
チッ、コイツもか!? 私は綾辻を手に様子を伺う。
「うぅ・・・お父、様・・・」
ゴリッ!
思わずその頭を踏みにじる。
どいつもこいつも・・・私はれっきとした女だ
その端正な横っ面を木刀の切っ先でぐりぐりこねまわす。
「あぐっ!?」
「・・・だぁれがお父様だって? あぁ?」
「ご、ごめんなさい・・・」
「私は、お、ん、な、よ! わかった?」
「はい、じゃあえ~と・・・お母様?」
ダンッ!
「うごっ!?」
再度頭を踏みつける。 誰がお母様だ 私はまだ13だ
「あぅぅ・・・」
「巴様とお呼び、わかったわね?」
「は、はい・・・巴様。」
「よし。」
嫌な疲労感を覚えた私はすぐに眠ることにした。 とりあえず明日だ
完成品をロープでふんじばり、改めて床についた。
128:カプチーノ8世
07/08/22 08:52:39 EuS/YGUz
「ん~、いい朝ね。」
「おはようございます、巴様。」
「・・・」
「巴様?」
「・・・おはよう。」
しっかりと縛り上げておいたはずが、いつの間にか抜け出していた。
縄抜けとは意外に器用なヤツだ
山篭りも今日で終わりだ
荷物を取りまとめ、下山の準備をする。 次来るのは来年だろう
完成品を伴い、私は山を降りはじめた。
「そういやアンタの名前は?」
「水銀燈です。」
「ふ~ん。」
変な名前だ 「水銀」はまぁいいとして、どこら辺が「燈」なのか?
もしかして見つからなかった下半身がランプ状になっていて明かりが
取れる構造だったのか? んなわけないか
「水銀燈はこれから私の家で暮らしなさい。 いいわね?」
「はい、巴様。」
「言っとくけど私の命令は絶対よ?
逆らったら即スクラップだからね?」
「は、はい・・・」
動く人形は雛苺以来だ。 トラウマの克服にはうってつけと言えるだろう。
また、前回の失敗を反省し、これからは厳しくしつけることにする。
自分が厳しくしつけられた経験から、思わず甘やかしてしまったのが
いけなかったのだ。 子供できたら厳しくしよう
家に帰り着くと案の定、誰もいなかった。 好都合だ
とりあえず薄汚れた水銀燈を風呂に放り込み、ついでに
自分も風呂に入る。 山篭りの垢を落とさなくては
風呂から出ると早速タンスの肥やしになっていた子供の頃の服を
引っ張り出す。 手頃なサイズと言えるだろうそれを水銀燈に渡した。
「とりあえずそれを着なさい。 素っ裸じゃカッコわるいもんね。」
「はい、巴様。 ありがとうございます。」
「サイズは問題ないわね?」
「はい、ピッタリです。 でも・・・」
「? なに?」
「デザインがダサ・・・」
ガゴンッ!
「げぁぁあああ!?」
「・・・殺されたいの?」
「も、もうしわけ・・・」
「次はないわよ?」
「は、はい。」
久々にまともな食事を取ろうと台所に向かう。
食卓に置かれたメモを見つけ、その内容に愕然とする。
なんと桜田邸が炎上し、ジュン君とお姉さんは病院に運び込まれたらしい。
すでに事件より4日が経過していた。
129:カプチーノ8世
07/08/22 08:54:10 EuS/YGUz
「水銀燈っ!? すぐ出かけるわよ!」
「は、はい! 巴様。」
水銀燈を伴い、私は二人の入院先に駆け出した。
勿論お見舞いの品も忘れない。 この辺の細かい気配りで地道に
ポイントを稼ぐのは恋愛の鉄則だ。 お姉さんに対してもである。
リサーチ済みのジュン君とお姉さんの好物を物色しながら
公然とジュン君を訪問する口実が出来たことを私は天に感謝した。
大きく一つ深呼吸すると「桜田」のプレートが入ったドアをノックする。
コンコンッ
「はい、どうぞ?」 お姉さんの声だ。
「お邪魔します。」 音を立てぬようゆっくりドアを開ける。
「あら! 巴ちゃんじゃない。 わざわざ来てくれたの? ありがとう。」
頭には包帯が巻かれ、頬に絆創膏が貼られているが思った以上に元気そうだ。
「お久しぶりです。 あの、ジュ、桜田君は?」
「ジュン君は今寝てるの。 せっかく来てくれたのにごめんなさいね。」
そう言うと彼女はちらりとカーテンに遮られた隣のベッドに目をやる。
「い、いえ、いいんです。 あの、コレ良かったらどうぞ。」
「わぁ! ありがとう! 私の好物もジュン君の好物もあるんだぁ!」
「そ、そうなんですか? 良かった、気に入ってもらえて。」
あえてとぼけてみせる。 これもテクニックだ
「あら? その子は?」
「あっ、え~と・・・しばらく家で面倒見ることになった水銀燈です。
ほら、桜田さんよ。 御挨拶なさい?」
彼女の肩をきつく掴む。 ここで下手打ったら折檻だというサインだ。
「あ、あの・・・はじめまして、水銀燈と申します。」
スカートの裾をつまむと優雅に一礼する。
その場違いなしぐさに思わず眉をしかめてしまう。
後で日本式仕儀作法を叩き込んでやる
また後ほど続きを
130:カプチーノ8世
07/08/22 10:53:59 EuS/YGUz
「・・・う~ん。 誰?」
「っ!?」
カーテンの中から漏れ出る声に思わずドキッとする。 ジュン君の声だ
やった! ジュン君に会える 私は思わず声をかけた。
「あ、桜田君? 私、お見舞いに来たの。」
「・・・柏葉?」
「そうよジュン君。 巴ちゃんがお見舞いに来てくれたのよ?」
やがてそろそろとカーテンが開けられると
お姉さんと同じような姿のジュン君が見えた。
最初は目を細めて私を伺っていたが、断念したのかメガネをかける。
「あの・・・元気?」
「・・・うわぁぁぁぁぁっ!?」
ボンヤリしたその目が私の横に注がれると彼は突如絶叫した。
「桜田君っ!?」
「ジュン君っ!? どうしたの?」
「に、人形が、人形がぁ・・・」
えっ、コイツ?
ズンッ!
私は即座に水銀燈を室外に蹴り飛ばす。
ヤツのくぐもった呻きが聞こえるが気にしない。
「はぁはぁはぁ・・・」 少しは落ち着いたようだがまだ息は荒い。
「ごめんなさいね、巴ちゃん。 最近ちょっと人形でいろいろあって・・・」
「いえ、私の方こそすみませんでした。」
「いいのよ。 ところで水銀燈ちゃんは?」
「今外してます。」 空気も読まずに入ってきたら腕の一本ももぎとってやる
「そう・・・」
「そろそろお暇します。 お騒がせして申し訳ありませんでした。」
「いいのよ、良かったらまた来てちょうだいね?」
「はい、お伺いします。 桜田君? あの、また来るから・・・」
「・・・もう二度と来んな!」
「っ!?」
「ジュン君! なんてこと言うの?」
「いえ、それじゃあ失礼します。」
「ゴメンね巴ちゃん・・・ホントにゴメンなさいね?」
「はい、それではお大事に。」
私は頭を下げると外に出て扉を閉める。
「・・・」
「・・・巴様?」
ゴスッ!
「あぎっ!?」
とりあえず張り倒す。 まだおさまらないが後だ。
怒りと悲しみを胸に私は病院を後にした。
131:カプチーノ8世
07/08/22 10:55:05 EuS/YGUz
「・・・んで? そいつはどうしたのよ?」
家に着くとすきっ腹にエサを詰め込み、早速尋問に入った。
案の定、水銀燈は事情に通じており今までの経緯を語った。
犯人が瑞樹という名の日本人形であることまでは
わかったがそいつのその後が判然としない。
トドメを刺したらしいのだがまだ生きている可能性もあるという。
もし生きていれば良し、そいつの首を手土産にすれば挽回も可能だ。
この失点はなんとしてでも埋め合わせなければならない。
「そ、それがなんとも・・・」
「・・・わからないって?」
「い、いえ、多分私がいた場所にいるんじゃないかと・・・」
「それってあの山のことよね? やたら壊れた人形が一杯転がってたけど。」
「それは多分、私の配下だと思います。」
「配下? そんなのいたの?」
「はい、でも瑞樹の足止めをさせたら全部壊れてしまって・・・」
「よくわかんないけど、あれは全部アンタの関係者なのね?」
「はい・・・」
「まぁ動いてたのはアンタと首だけ日本人形だったけど・・・ん?」
「・・・えっ?」
思わず顔を見合わせる二人。
先に水銀燈はこう言った。 「日本人形」だと。
「そいつの特徴、覚えてるわよね?」
「あ、いえ、それが・・・」
「・・・アンタそいつとやり合ったんでしょ?」
「瑞樹は自分の体に他の人形の部品をかなり強引に
繋ぎ合わせていましたから顔しか覚えてないんです。」
「どんな顔よ?」
「それは、言葉で説明するのはちょっと・・・」
「あぁもう!・・・そう言えばアイツ父上がどうとか言ってたわね?」
「それです! その口調は瑞樹のものです。」
「・・・マジ?」
「ええ。 あの、なにか?」
「・・・」
その人形ならすでに腹いせに火にくべていた。
もはや灰しか残っていないだろう。
挽回計画、初っ端から頓挫!
私は頭を抱えてうずくまった。
仇を討ったのはまぎれもない事実だが、信じてもらえなければ意味がない。
そのためにはどうしても物証が必要なのだ。
とりあえず物分りの良いお姉さんに先に話を通しておこうか?
そのためには事情をさらに詳しく知っておく必要がある。
今度はもっと時間を遡って聞くことにした。
132:カプチーノ8世
07/08/22 10:56:21 EuS/YGUz
どうやら桜田家には6体もの人形が集っていたらしい。
その他もろもろ含めると数十体にはなりそうだがそれはいい。
以前に家でも飼っていた雛苺のクソガキをはじめ、赤色の真紅、
緑の翠星石、青色の蒼星石、日本人形の瑞樹、そしてこの水銀燈だ。
桜田邸はよく観察していたので水銀燈と瑞樹以外は少なくとも一度は
目にしている。 どうやら新参者がはっちゃけた挙句の炎上事件らしい。
その後、5対1のガチバトルが行われ、残ったのがこの水銀燈。
大雑把に言うとそういうことだ。
「・・・なっさけないわね~? 5:1のリンチモードで
逆にそこまでケチョンケチョンにやられたってワケ?」
「はい、ことのほか瑞樹が強く・・・また序盤では約2名が
実質、戦力として機能していなかったものですから・・・」
「誰と誰よ?」
この手の話にのめり込むのは私の悪いクセだ。
親にははしたないと言われるし、友人には変な目で見られる。
間違ってもジュン君やお姉さんに知られるワケにはいかない。
「・・・私と雛苺です。」
「なんで?」
「え?」
「雛はわからなくはないけど、アンタはそこそこデキるんでしょ?」
「はぁ、それが今までいろいろあったので、どうにも共闘しかねて。」
「まぁいいけどさ。 他の3体も大したことないわねぇ。
3:1でのされるなんてどんな役立たずよ?」
「・・・」
なぜかこっちを恨めしそうな目で見つめる水銀燈
「何か文句ある?」
「い、いえ、別に・・・」
「? ま、結局ジュン君の仇は私とアンタで討っちゃったワケだ。」
「巴様が瑞樹を倒したんですか?」
「壊して火にくべた。」
「・・・」
「今は灰しか残ってないわ。 あ~ぁ、知ってたらそのまま持ってきたのになぁ。」
「ジュン君がお好きなんですか?」
ゴンッ
「痛ったぁ・・・」
「ジュン様、でしょ? いずれアンタの御主人様になるんだから。」
「そうなんですか?」
「そうなるのよ。 いえ、そうするの。 どんな手を使ってもね。
アンタも手伝うのよ? いい?」
「は、はい!」
「まずは報告ね。 疲れたし、向こうにも落ち着く時間が
いるだろうから明日にしましょ。 ちょっと昼寝するわ。」
「はい、お休みなさい。」
私は布団を敷くとすぐに横になった。
133:カプチーノ8世
07/08/22 10:57:36 EuS/YGUz
天井を見つめながら私はボンヤリと物思いに耽っていた。
疲れているとは言え、今朝までぐっすり寝ていただけに頭は冴えている。
「雛ちゃ~ん・・・」
「・・・?」
雛のクソガキがどうしたのだろう?
体勢はそのままに顔だけ声の主に向ける。
見ると水銀燈が何かに語りかけている。
「翠ちゃ~ん・・・」
翠星石? あの口の悪い緑の猫被りのことだ
「・・・」
「・・・?」
次の言葉を耳を澄ませてじっと待つ。
「・・・4人足りな~い!?」
「多いわよっ!?」
思わず跳ね起きて突っ込んでいた。
おい○さんだって1/10なのに、半分以上とは図々しいにもほどがある。
見ると水銀燈の前にはわら人形が置かれていた。
壁に掛けてあったのを持ってきたらしい。
「・・・なにやってんのよ?」
「あ、と、巴様? これはその・・・」
「それは雛苺でも翠星石でもないでしょ?」
「・・・」
水銀燈はうつむいてじっとしている。
その顔は今にも泣き出しそうに歪んでいた。
「・・・しょうがないわね。」
私はティッシュと輪ゴムを持ってくるとてるてる坊主を作り始める。
「・・・巴様?」
「ちょっと待ってなさい。」
やがて出来上がったてるてる坊主にスプレーで色を付けていく。
無い色をわら人形に割り振り、とりあえず数を揃えた。
「はい。」
「うわぁ~♪」 途端に水銀燈の顔に笑みが広がる。
「乾くまで触っちゃダメよ?」
「はい! ありがとうございます!」
「あと、うっとうしいからやるなら押入れでやってね?」
「はい、わかりました。」
「それじゃおやすみ。」
水銀燈が押入れに入るのを見届けると再び私は床についた。
134:カプチーノ8世
07/08/22 11:30:31 EuS/YGUz
翌日、結局昼まで待ってメールを打つことにした。
二人のアドレスは無論知っている。
とりあえず仇は私と水銀燈の二人が命懸けで討ち、もう心配は
いらないこと、そして他の人形達は戦いに敗れて壊されたことを伝えた。
返信はすぐに来た。
お礼と先日のお詫び、そして私達ににケガはないかとの心配が記されていた。
私は山篭りで負ったいくつかの傷を瑞樹との戦闘のせいにすることにした。
また今後の付き合いを考え、水銀燈の下半身を損なうほどの健闘と、私が
それを継ぎ足したことを添えて送ると、重ねてお礼と心配のメールが届く。
これで少なくともお姉さんの好感度UPは間違いない。
後はお姉さんからジュン君にそれとなく伝えてもらえれば機嫌もどうにかなる。
いずれにせよ夏休みはまだ20日を残しているのだ。
勝負はこれからである。 ジュン君が正式に復学して来る
二学期までに確固たる関係を築いておかねばならない。
早速勉強机に向かうと夏休みの間の計画を練り始める。
すると、わら人形やてるてる坊主を抱きかかえた
水銀燈が窓辺に腰掛け歌いだした。
「しね♪ しね♪ しねしねしねしねしんじまえ~♪」
「・・・」
「黄色いブタめをやっつけろ~♪」
「・・・・」
「金で心をよごしてしまえ♪」
「・・・・・」
「日本人は邪魔っけだ♪ 黄色い日本ぶっつぶせ♪」
ゴギンッ!!
「がああああっっ・・・!?」
ドサッ
大上段の一撃が水銀燈を庭に転落させる。
よりにもよって日本の伝統を守る我が柏葉家で死ね死ね団の
テーマとは、そのクソふざけた度胸だけは賞賛に値する。
135:カプチーノ8世
07/08/22 11:33:26 EuS/YGUz
窓から庭を見ると散らばった人形達を泣きながら掻き集めていた。
室内の方に散らばったいくつかのてるてる坊主を投げ捨てる。
「いやああああああああああああっ!?」
途端に響く絶叫。 御近所に悪い噂が立ったらどうする!?
やがて人形を抱きかかえた水銀燈が部屋に戻ってきた。
「・・・なにあの歌は?」
綾辻の背でトントンと肩を叩きながら冷たい目で尋ねる。
「あ、あの・・・子守唄です・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・他にレパートリーは?」
「ありません・・・」
「あっそ・・・」
コイツは一体どんな人生を送ってきたのだろう?
「御馳走様でした。」
「ごちそうさまでした。」
食事を終えると揃って部屋に戻る。
前回の失敗を反省し、親に事情を話して飼う許可をもらったのだ。
尿意を催しトイレに向かうと、忘れていた疑問が頭をもたげる。
「そういえばアンタ達のお腹の中はどうなってるの?」
「? どういうことですか?」
「食べた物全然出さないじゃない? 雛もそうだったけどさ。」
「それは・・・ディラックの海に通じているとかなんとか・・・」
「なに、それ?」
「私もよくはわかりませんけれど・・・」
「入ってばかりで出てこないなんて、まるでブラックホールね。」
「ブラックホール? なんですか?」
「面倒だから説明はナシ。 それってなんでも入るの?」
「理論上はそうだと・・・あの、何を? あぐっ!?」
私は水銀燈の髪を引っ掴むと仰け反らせ、口の中に綾辻を突っ込む。
すんなりとはいかず何度か引っ掛かるたびに先端を掻き回した。
「あが・・・おぐっ!?、ぉごご! ぉがっ!?ぁががあっ!!」
「・・・大人しくしなさいよ?」
容赦なく木刀を突き入れる、水銀燈が涙目と手振りで訴えているが気にしない。
やがて、柄までが入るとそこから先に手応えは全くない。
「ぁが~・・・」
しょうがないので木刀を引き抜く、先端は嫌に冷え切っているがそれだけだ。
136:カプチーノ8世
07/08/22 11:34:40 EuS/YGUz
「じゃあ、次はコレね?」
「なんですか?」
「爆竹。」
「・・・」
私は火をつけると水銀燈を引き寄せる。
「そ、それだけはお許しを・・・」
泣き顔で哀願するが容赦はしない。 抵抗する水銀燈を
押し倒し、無理やり開かせた口の中に爆竹を押し込んだ。
バババババンッ!
「ぅぎゃああああああああああああ!?」
「うるさいっ!」
ゴギンッ!
絶叫する水銀燈を思わず殴りつける。
どうやら手間取ってる間に火が本体に達したらしい。
嚥下する前に爆発してしまっていた。
喉の辺りで材質ごしに明滅する閃光が見えた。
「夜中に騒いだら怒られるでしょ?」
「・・・」
どうやら殴られた衝撃で気を失ったらしく、白目を向いて痙攣するばかりだ。
私はほっといて寝ることにした。
そして今朝目覚めると薄気味悪いママゴトを始めていた。
いまだ押入れの中で続行中らしく、くぐもった声が聞こえる。
停電時にしか出番の無い蝋燭に使い道が出来たのはいいのだが・・・
「ふぅっ・・・」
私はもう一度ため息をつくと今後の計画を練り始める。
そして計画に没頭するあまり、押入れの中の奇妙な
やりとりに気付くことはなかった。
137:カプチーノ8世
07/08/22 11:35:46 EuS/YGUz
暗い押入れの中に蝋燭のかすかな光が瞬く。
今にも消え入りそうな明かりを頼りに水銀燈は
わら人形や、てるてる坊主に話しかけていた。
その声は爆竹による損傷のためかしわがれ、
度重なる殴打のために全身はひび割れ、首はかしいでいた。
動く度にきしむ体は油の切れたカラクリのようだ。
そしてなにより
その目にはもはや正気はまったく見当たらなかった
彼女は今度こそ完全に壊れたのだ
体以上に 心が
「本当に怖いお姉ちゃんですねぇ~真紅ちゃん?」
「・・・」
「あらあら、雛ちゃんもそう思うのぉ?」
「・・・」
「まぁ! 翠ちゃんそれはいい考えだわぁ!」
「・・・」
「うんうん、蒼ちゃんにもさせてあげますからねぇ♪」
「・・・」
「そう、今夜にでも・・・
・・・お仕置きしてあげなくちゃあねぇ?」
「 行 き 着 く 先 は ・ ・ ・ 」
完?
138:カプチーノ8世
07/08/22 12:33:57 EuS/YGUz
アフター2
今日もいい天気だ お父様を散歩にお誘いしよう
そう思いながらハーブを一枚むしりとる。
父に淹れる紅茶のために、一人ハーブ園を訪れていた。
本来ならばミーディアムにでもやらせるのだが今はいない。
そして今後、再びミーディアムを持つことがあるかどうかもわからない。
「ねぇ? 今日もいい天気よ。」
真っ赤なドレスに身を包んだ少女が
服に結いつけられた黒い羽に語りかける。
やがて彼女は家を目指し、ゆっくりと歩き始めた。
「 行 き 着 く 先 」 ノーマルルート
再び意識を取り戻したときは心底驚いた。
あれほどまでに思い焦がれた父が目前に居る。
最初は疲れた心が見せる幻だと、冷ややかとも言える
冷静さをもって懐かしい父の顔を見つめていた。
やがて語られる父の言葉からこれが現実で
あることを理解すると、途端に父に飛びついて泣いた。
人前で涙を流すなど、アリスを目指す己にあってはならぬこと
その決意、そして覚悟をこのときはじめて裏切った。
「水銀燈が?」
「そうだよ真紅。 水銀燈はお前こそアリスにふさわしいと言った。
いずれアリスとなる器だと。 一番に作り直し、早く見てやってくれとね。」
これにはさしも真紅も困ってしまう
つい最前に父の胸で赤子のように泣きじゃくったばかりだ。
自身の決意はおろか、水銀燈の期待をも裏切ってしまったことに
どうしようもない情けなさと慙愧の念を覚え、再び涙を流した。
「たくさんお泣き。 そして泣き足りたらまた笑っておくれ。
オマエの笑顔は薔薇の微笑み、この世で一番美しい。」
我が子をあやすようになだめる父の顔にかつての渇望や狂気が
もはやほとんど見て取れぬことに少なからず驚いた。
そして彼女は水銀燈を糧に、再び姉妹が甦ろうとしていることを知った。
139:カプチーノ8世
07/08/22 12:35:36 EuS/YGUz
「ゴメンなさいね。 ジュン、のり。 こんなにも遅れてしまって。」
時刻は深夜
世界が月光に染められる中、真紅は桜田家の墓前を訪れていた。
あれからすでに数ヶ月が経っていた。
鏡を抜けて日本に渡り、桜田邸を訪れたものの
もはや家は跡形もなく処理されたあと。
途方にくれた真紅はその場に居合わせた少女、
柏葉巴の協力でここに辿りついたのだった。
(貴方たちを守れなかった。 私が不甲斐無いばかりに。)
深い悔恨の念
それは己が生きるためにミーディアムを欲した結果でもある。
戦うことを是とする己の身勝手が、
戦いを厭うかよわい彼らを巻き添えにした。
‘ノブレス オブリージュ’
高貴なる者の義務として彼らを守らなければならなかったのに
(水銀燈、貴女は間違ってたのかもしれなくてよ? 私にはアリスなんて・・・)
しかしその気弱な考えをすぐに打ち消す。
彼らはすでに逝ってしまった。 己の挫折は彼らへの冒涜でもある。
やがて真紅の胸を去来する暖かい思い出は彼女の胸を熱くする。
そして流した三度目の涙に誓う。
(私はアリスになる、必ず)
「そしたらまた来るわね? ジュン、のり・・・」
二輪の薔薇を添えると真紅は墓地を後にした。
140:カプチーノ8世
07/08/22 12:36:39 EuS/YGUz
真紅はnのフィールドを訪れ、姉妹達の亡骸を探した。
水銀燈が最後の力でかろうじて己一人は転送してくれたものの、
その他のドールはいまだこの地に眠っている。
早く待っている父の元に送ってやらなくてはならない。
荒野を駆ける真紅は姉妹の亡骸と共に一枚の黒羽を見つけた。
手に取って眺めていると、水銀燈のいつもの皮肉っぽい笑みが思い出される。
自分に向けられる激しい嫉妬の目、そしてどこか寂しげな後姿・・・
(貴女はもう、どこにもいないのね・・・)
心にぽっかり穴が開いたような奇妙な感覚
それを埋めるように黒羽を胸に抱きしめる。
ふと我に返ると、いまだに水銀燈の影を追っている自分に苦笑してしまう。
(こんなことだとまた貴女に笑われてしまうわね?)
でもいい
自分はまだ弱い
しかし決して挫けるワケにはいかない
もし自分に負けそうになってもこの羽が見ていてくれるなら―
「今はまだ甘えさせてね? お姉様・・・」
彼女は羽をそっと懐に収め、父の待つ家へと歩き始めた。
141:カプチーノ8世
07/08/22 12:37:44 EuS/YGUz
「なに?」
「私はアリスになります。 お父様。」
「・・・」
眼前の父の顔は心底複雑、そうとしか表現しようのないものだ。
「・・・もう、よいのだよ?」
たっぷり時間を掛けてようやく絞り出された言葉はそんなお粗末なものだった。
おそらく内心の整理がまったくついていないのだろう。
深い懊悩が手に取るようにわかる。
父の決断を促すため、言葉を続けた。
「水銀燈はアリスを望んでいましたわ。
自身のために、なによりお父様のために。」
「・・・」
「私も同じです。 今度こそ、アリスになりますわ。 必ず。」
「しかしそれは・・・」
「アリスゲームだけがその道だとは思いません。
完璧なる乙女・・・少しだけ、考える時間をくださいましね? お父様。」
「・・・ああ! それがいい。 私も自分が一体なにを追い求めていたのか、
もう一度ゆっくり考えてみよう。」
そういって二人して笑いあった。
思えば、父の理想と己の理想とは本当に同じものだったのだろうか?
そしてそれは容易く言葉にできるようなものだったのだろうか?
まずは「完璧」という言葉、その概念について少し考察してみようと
父の作業を眺めながら静かに思索にふけった。
142:カプチーノ8世
07/08/22 12:39:03 EuS/YGUz
ハーブ園からの帰り道、色とりどりの花を見つける。
赤、白、黄色・・・
思わずのりが歌ってくれたチューリップの歌を口ずさむ
「・・・どの花見ても綺麗だな♪ そうね、本当に綺麗。」
(赤は私、白は水銀燈、黄色は金糸雀ね。
残念ね翠星石? 貴女の色はないみたい。 フフッ♪)
花弁の感触を楽しみながら、一つ一つの色と香りを確かめてゆく。
「本当に、どの花も綺麗だわ。
貴方達、とっても素敵よ?・・・・!?」
自らの独白にハッとする
どの花も・・・
そう、どの花も美しい 醜いものなどない
強いて言えば優劣をつけられるくらいだ
それとて己の主観にすぎない 真逆の評価をする者も居よう
もっとも美しい花とて欠点はある
逆に欠点が例えようもなく愛らしいものもある
まるで我々姉妹のように・・・
では 「完璧」とはなんなのか?
はたして「完璧」とは実現しうるものなのか?
そも「アリス」とは如何なる者だったのか?
なにか根本的な間違いをしていたような奇妙な感覚
少女は自分の思いつきを父に話そうと再び家を目指す
そして風になびく黒羽を見るや、その顔をほころばせる
(それでも一番美しいのは・・・きっと貴女よ? 水銀燈。)
やがて少女はゆっくりと駆け出して行った
「 行 き 着 く 先 」
正史・完
143:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/22 13:05:46 XuWuomY+
最後あたりしか読んでないがいい話だ
144:カプチーノ8世
07/08/22 13:20:56 EuS/YGUz
次はエログロネタです
「早くおいで?」
「はい・・・・」
蒼星石はうつむいたままボクの体を跨ぐと
そそり立ったモノを自分の秘所にあてがった。
「んっ・・・・」
ゆっくり腰を落として自身の中に迎え入れる。
すでに自分で濡らしていたのかすんなりと入ってゆく。
意地悪心を出したボクは慎重に進める蒼星石を
下から突き上げてやった。
グイッ
「んはぁっ!?」
甘い声と共に仰け反る蒼星石。
足はガクガクと震え、その身はいまにも崩れ落ちそうだ。
「トロトロやってないで早くしろよ?」
「は、い・・・・」
促され、再び腰を落としてゆく。
「ふっ・・・んくっ・・・んっ・・・」
切なげな吐息を漏らしながら、とうとう根元まで咥えこんだ。
「さ、動いて?」
「・・・・」
ボクの下腹に手を添えて体を支え、腰をぎこちなく上下に揺すりはじめる。
「うっ・・・うんっ・・・うくっ・・・」
声を出すのが恥ずかしいのか手で必死に口を抑える。
その羞恥心を捨てきれないところがまた愛らしい
再び意地悪心を出したボクは舌で湿らせた指を彼女のお尻の穴に這わせた。
「あぁっ!?」
思わぬ刺激に上がる驚きの声。
145:カプチーノ8世
07/08/22 13:22:55 EuS/YGUz
「どうした?」 ゆっくりと穴のふちをなぞる。
「やぁっ、そこは・・・・ダメだよぉ・・・・」
「ホラ? 腰がお留守になってるぞ?」
彼女の非難も構わず、再び下から突き上げる。
今度は一度では終わらずリズミカルに動かし続ける。
「やんっ!? あぅっ! はんっ! あぁんっ!」
蒼星石はもはや喘ぎを堪えようともせず、その口は甘い声を奏ではじめる。
やがて蒼星石も自ら腰を振りはじめた。
ボクも両手で彼女の乳房をこねまわしながら腰の動きを早めていく。
「蒼星石っ、いいぞっ・・・」
「あぁんっ! ジュンっ! あんっ! 好きぃ! あぁっ!」
高ぶると同時に彼女をきつく抱きしめ、その唇を吸い上げる。
そして欲望のたぎりを深奥に解き放った。
「~~~~~~~~~っ!?」
声なき絶叫が口内で弾け、蒼星石の小さな体はボクの胸で大きく跳ねた。
「っ!? っ!! ~~~っ!!」
注ぎ込まれる度にその体はビクッ、ビクッと跳ね上がり
小さな爪先でボクの体を掻き毟る。
やがて射精を終えると張り詰めていた彼女の体は力なく崩れ落ちる。
ボクはその体をそっとベッドに横たえ、頬にキスする。
「愛してるよ、蒼星石。」
「はぁはぁはぁ・・・」
荒い息をつきながら、その目はボンヤリと霞んでいる。
しかし声は聞こえたのか、必死に声を絞り出した。
「はぁ、ジュン、はぁ、好きぃ、はぁ、はぁ、ジュン、ジュンぅ・・・・」
甘い声でボクを求め、震える手でボクを探し空を掻く。
そのしぐさがたまらなく愛おしく、胸に抱きしめ唇を吸い上げた。
チュゥッ
「んむっ・・・・」
安心したのか、 ボクに体を預けてぐったりしている。
その顔は満ち足りて安からだ。
額にキスすると、布団を引っ張り上げた。
ココに来たときとは大違いだな・・・・
ボンヤリと一週間前を思い返していた。
146:カプチーノ8世
07/08/22 13:25:03 EuS/YGUz
「 被 虐 の 罠 」
「こんにちは! 今日からお世話になるけどよろしく。」
「久しぶり。 元気だったか?」
「うん、ジュン君も元気そうだね。」
「まぁな。 翠星石は?」
「元気だよ。 元気すぎて困るくらい。」
「ははっ、そうだろうなぁ。」
蒼星石は勉強のために都会に出てくることになった。
そこで頼った先が旧知でもあり、
都会で一人暮らしをしているボクの元だった。
巴と付き合ってはいるものの、『お堅い』向こうの都合で
同棲はせず、同じ大学に通いながらも住処は離れている。
姉から連絡を受けたボクは二つ返事でOKした。
そして陰惨な宴はその夜の内にはじめられた・・・・
「お風呂上がったよ?」
タオルを体に巻きつけた蒼星石が部屋に戻ってくる。
「ああ・・・・」
返事をしながら手元の縄を掴みビデオカメラの位置を確かめる。
「パジャマは、と・・・・」
出した荷物の中から寝巻きを探す蒼星石。
ボクは気付かれぬよう蒼星石の背後に忍び寄る。
「あった。」
ガバッ
「っ!?」
蒼星石を押し倒し、素早く後ろ手に縛り上げる。
147:カプチーノ8世
07/08/22 13:26:19 EuS/YGUz
「なっ、なに?」
突然のことに事態が飲み込めないのか暴れもせずじっとしている。
「ジュン君? ねぇ? なにこれ?」
身をよじってこちらを伺うその顔にはいまだ疑いのカケラもない。
本当にお目出度いヤツだ
「ジュン君、早くほどいてよ。 イタズラは無しだよ?」
「・・・・」
前に回りこむと蒼星石の顎に手を添えて持ち上げる。
その顔は『よくわからない』と言う風にキョトンとしている。
「オマエは本当に可愛いなぁ? 蒼星石。」
「・・・・ジュン君?」
薄く開いたその唇に吸い付く。
チュウッ!
「んっ!?」
驚いたのか反射的に顔をそむけ、床に転がる。
「なっ! なにするのっ!?」
怯えたような目で問いかける。
「わからないか?」
「な、なにが?」
近づくと蒼星石はキュッと身を縮こまらせる。
構わず巻きつけられたタオルを剥ぎ取った。
バッ!
「あっ!?」
ボクは股間をさらけだすと、彼女を後ろから抱きかかえて立ち上がる。
子供にオシッコをさせるような格好になった。
何がはじまるのか理解できないのか
蒼星石の顔は恐怖のため、泣きだしそうに歪んでいる。
「ねぇ? どうしたのジュン君? なんだか怖いよ・・・・」」
「怖いことないさ? とっても気持ちいいコトだからな。」
「気持ちいい・・・・?」
148:カプチーノ8世
07/08/22 13:27:43 EuS/YGUz
ゆっくりとその小さな体を下ろし、秘所に自分のモノをあてがう。
「っ!?・・・・な、なにコレ?」
ヌルッ
「あうっ!?」
あらかじめ潤滑油を塗っておいただけに先端はすんなりと潜り込む。
だがすぐに抵抗を感じ動きを止めた。
「それじゃあ・・・・行くぞ?」
「ジュン、君・・・・?」
彼女の体を一気に落とす。
ズルリッ
「・・・・ぁああああああああああ!?」
一瞬遅れて響く絶叫。
その叫びには驚き、恐怖、苦痛のすべてが詰まっていた。
「痛いっ!? 痛いよぉっ! ジュン君!? やめてぇっ!!」
蒼星石はその苦痛から逃れようと必死に身をよじる。
しかしそれがかえって仇となった。
身をよじるたびに自然と自身の体重で喰いこんでゆく。
のたうつ度により深く貫かれ、その悪循環にパニックを起こした。
「あがっ!? やぁっ! ぃぎっ!? あぐっ! あはぁっ! いやあぁっ!!」
もはや言葉にもならず、ただ悲鳴を上げることしかできない。
やがてボクのモノを根元近くまで咥えこんで止まる。
穴は思ったよりはるかに深い。
149:名無しさん@お腹いっぱい。
07/08/22 13:32:32 kzCVJfDR
グロはともかくエロはスレ違いなんじゃないか?
薔薇乙女(ローゼンメイデン)のエロ小説スレにでも投下なおした方がいい
150:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/01 13:40:39 DygJs6Se
~???~
「……ここは…ふふふ、なるほど」
「観せるのはここが良さそうですね……」
………
~桜田家~
「ジュン、紅茶を入れて頂戴」
「はいはいわかりまし「ハイは一回」はいよ」
「あはは~♪ジュン登り~♪」
「うわ!こら!今紅茶作ってんだろ!やけどしたらどうすんだよ…」
「ごっごめんなさいなの…」
「おバカ苺がまた怒られてやがるですw毎日毎日懲りない奴ですww」
「まぁ今のはちょっと間が悪かったね」ピンポーン…
「誰か来やがったです…」
ガチャ…「このロー」バタン
「閉めるなかしら!!」
「お呼びでないです、とっとと帰るです」
「虐めるのは可哀想だよ…こんにちは金糸雀」
「さすが蒼星石!どこかの性悪人形とは訳が違うかしら!」
「なっ!なんですって!このおでこ人形!」
「おっおでこは私のチャームポイントかしら!!」
「まぁまぁ二人とも…」
「お~い何やってんだ?くんくんはじまるぞ~?」
「!ベストポジションは私の物かしら!!」
「部外者の癖に厚かましいです!あそこは翠星石の場所です!」
「はぁやれやれ…」ピンポーン
「また誰かきた」
ガン!!
「!いった~…」
「あっ…」
「薔薇水晶…こんにちは」
「おっぱっぴー……顔ごめんなさい…」
「うん大丈夫…」ピンポーン
「今日はよく人が来るな~」
ガン!!
「…!!?」
「あ~ら?ごめんなさぁい」
「大丈夫です…こんにちは…お姉様…」
「こんにちは水銀燈」「こんにちは~もうくんくん始まってる?」
「あっそうだ!早く行こう」
151:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/01 14:24:03 DygJs6Se
「まさかあのくんくんに偽物が出てくるなんてびっくりです~」
「カナは初めから知ってたかしら!」
「はじめは偽くんくん応援してたくせに何言ってるです」
「うっ嘘じゃないからしら!」
「あ~うるさいな!なんで僕の部屋にいるんだよ!下で話せよ!」
「良いじゃない別に私はジュン君のそばに居たいだけよ~?」
「水銀燈…ジュンにちょっかい出すのは許さないわよ」
「あら~?真紅ヤキモチ~?可愛いわね~w」
「ちっ違うのだわ!こっこれは!しゅっ主人としての!」
「ジュン君…お姉様は私の物…手を出したら…」
「にっ人形に手なんかだすかよ!」
「でも…この前…」
「!!(あれはくんくんマグカップで手を打ったろ?)」
「(そうでした…)」
「みんな楽しそうなの~」
「みんながそろうといつもこうだね」
「「これはこれは皆さんお揃いで……」」
「なんだ!?」
「こんにちは皆々様」
「ウサギさんなの~」
「誰だおまえは?!」
「おや?ここでは私は存在しないのですか…まぁ好都合です」
「いや失礼、私はラプラスの魔っとでも言っておきましょう」
「ラプラスの魔?なにが目的なの?」
「それはただ暇を潰したいそれだけです」
「その暇人がなんのようですか!用がないならとっとと帰りやがれです!」
「用はありますとも…ふふふ、さぁ兎の穴へご招待…」
「「「うわぁー!!?」」」
152:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/01 14:25:46 DygJs6Se
なんかこれキモイな・・・
153:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/04 04:06:38 rg9iIm1C
>>150-151
「…うっ…つぅ……なっなんだここ?」
「どうやらnのフィールドみたいね…」
「ようこそ…我が劇場へ……」
「お~まえなんなんですぅ?!いきなり現れてこんな所に連れ出して!!」
「そうなのかしら!」
「おやおや…そんなに怒らずともいいでわありませんか」
「っで?私たちをこんな所に連れてきた用とやらはなんなの?」
「これはこれは話の分かる方もいるようで…でわ早速…あちらをご覧ください」
「映画のスクリーン?」
「貴方方は平行世界をご存じですか?」
「へいこうせかい?」
「SF映画とかに出てくるパラレルワールドか?」
「僕らの世界と限りなく近い世界…だけどまったく世界…」
「そう…あなた方の別の可能性……観てみたくありませんか?」
「それが用とやらなの?ならさっさと見せて帰って頂戴」
「真紅!あんな奴の話を!」
「危害を加えるつもりならいつでも仕掛けられたわ…でもしてこない…」
「だから大丈夫っと?そんな軽率な…」
「いいじゃない…それに平行世界とやらも興味深いわ…」
「そんな……」
「ふふふ…では上映開始です…ご静聴のほどお願いいたします……」
154:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/04 05:00:56 rg9iIm1C
ジジジッ
「始まった…」
「あっ!真紅なの~!」
「えっ…でもこれは…人間?」
「間接が…球体間接じゃない…」
「これはもしかしてアリスになった真紅なの?」
「色々疑問があるようで…しかしこの世界の中でアリスゲームは行われてはいません
いや厳密に言えばすでに終わっています…」
「アリスゲームをやっていないのに終わってる?どういうことだ…」
「あっ今度は金糸雀なの~!」
「カナも間接が人間みたいかしら」
「…なんか……この中のおまえ等でかくないか?」
「そうねぇ…言われてみれば……」
「あとこれうちの中学の制服じゃないか!?」
「あっ巴もでてきたの~♪」
「巴と身長がほとんど変わらないなんて……」
「真紅たちに何があったんだ?」
「どこかについたみたいなのー」
「うちの中学だ…」
「あっみんないるのよ~!雛もおっきいの~!」
「アリスゲームが行われてはいないのに終わってる……
みんなが人のように暮らしてる…なんでか説明してくれるかしら?」
「聞かれたならば答えましょう…そう厳密に言えばアリスゲームは終わっています
だがこの世界でアリスゲームは行われてはいないなぜ?」
「…すでに終わっているからか?」
「そうです…この世界でのアリスゲームは過去に終わっているのです
そしてその時に貴女達は一度死んでいます…」
「な!?」
「うっうそつくなです!!翠星石たちはそこに映ってるじゃないですか!?」
「そう…これも貴女達です…ですがこれは生まれ変わった貴女達の姿」
「生まれ変わった?人形の私たちが?」
「僕達の魂は迷子にならずに人間と同じ用に転生したと?」
「そうです生まれ変わり人形から人間となった貴女達…ある意味奇跡の存在です」
「……(これがアリスになるということなのか?)」
155:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/04 05:37:53 rg9iIm1C
「うにゅ~?ばらしぃ~に似てる人がいるの~」
「そっくりさん…」
「眼帯までしてますね~反対ですが」
「その方はローゼンメイデン第7ドール雪華綺晶という方です…」
「第7!?私たちは6体しか作られてないはずじゃ……」
「わたしはローゼンの弟子である槐お父様の手によって生まれました…」
「おやおやこの世界は色々他の世界と違うようで…
ここ以外の世界には第7は存在してるというのに…
それにアリスゲームも行っていないようで……」
「翠星石たちはアリスゲームをやれとはお父様に言われてないです」
「アリスゲームで他のドールのRMを奪えばそのドールの能力が手には入る
っと言われたのだわ」
「そして全てのRMを集めればアリスになれるっといってたかしら」
「でもそのアリスがなんなのかわからないの~」
「みんな断片的にしか覚えて無いけどまとめると意味の分からないアリス目指して争うより仲良くしましょって事になったの」
「だからアリスゲームはやらない意味がないから」
「なるほど…やはり他の世界と違うようで……では続きをご覧ください」
「…あっちび人間です」
「あらメガネをしてないのだわ」
「それに…なんか本当にジュン君小さいわね…」
「おまえ等がでかくなり過ぎなんだろ……」
「なんかしゃべってるかしら」
「気になります……」
「では音声も流しましょう…」
<おはようみんな>
<ジュンおはよーなの♪>
<おはようー♪ジュン君♪>
「雪華って奴雛苺みたいなノリだな」
「みた感じと違うみたいですね」
<あぁら?みんな集まって何やってるの?>
<お姉様おはようございます…>
<おはようなのだわ銀姉>
<銀ちゃんおはよー♪>
「「「「銀ちゃん…」」」」
「なっなによ?」
「今度からそう呼ぼうかしら…」
「だっだめに決まってるじゃない!!それに貴女は中では銀姉じゃない!」
「つまんないわね…」
156:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/04 20:59:22 rrSH4Vu3
会話ばっかりだな
157:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/06 20:16:32 xaFW5XjA
ラヴクラフト全集でも読んでろ
158:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/11 19:16:43 nzpZCWjv
んあっ!!
159:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/24 23:31:01 ayGzUH0k
オリキャラ
(俺)傍観&会話とかでも敬遠されそうだなぁ
160:名無しさん@お腹いっぱい。
07/09/24 23:44:11 ptbcHRum
そりゃ叩かれるけどね。投下できるなら投下しろ
161:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/06 22:05:34 2wsNfK4j
宣伝
アニメキャラバトルロワイアル
URLリンク(www23.atwiki.jp)
ローゼンが出てるし、SS好きなら見といて損なし
面白かったら、
アニメキャラバトルロワイアル2nd
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
こっちもよろしく
162:名無しさん@お腹いっぱい。
07/10/20 14:43:29 laJF9GsN
過疎ってるな
163:名無しさん@お腹いっぱい。
07/11/04 16:45:29 UbFd0IR4
過疎とかそんなLvじゃねえな