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412 :通常の名無しさんの3倍:2005/07/04(月) 06:48:01 ID:e/RQq/uo
病院で夜勤をしていると、急に彼の様子が気になりました。
巡回の時間では無いけれど彼の病室に行ってみたんです。
そこではいつもと変わらない様子でスヤスヤと眠る彼の姿がありました。
コン コン
その時ノックの音が聞こえたんです。
扉を開けて廊下を見渡しても誰も居ません。
空耳かと思って扉を閉めて彼のところに戻りました。
コン コン
またノックの音です。空耳ではありません。
すぐに駆け寄って扉を開けましたが、またしても誰も居ませんでした。
段々と怖くなって私は扉の鍵を閉めて彼の傍に寄り添いました。
コン コン
またしてもノックの音。
「誰なの!?」
私は声を荒げました。
コン コン
相手はノックを繰り返すだけです。
「死んでいる人? だったらノックを一回して」
コン
一回。死んでいる人です。
「まさか、戦場で亡くなった人? そうだったら一回。違ったら二回して」
コン
一回。戦死した人です。
「何の用なの? まさか、カミーユを連れて行く気?」
コン
そんな事はさせまいと、私は彼の身体を強く抱き締めました。
「誰なのよ!? 男の人!?」
……
返事が有りません。私は質問を変えました。
「一人なの? だったら一回、二人だったら二回―」
ゴン! ゴン! ゴン! ゴン! ゴン! ゴン! ゴン! ゴン! ゴン! ゴン!