いくつになっても結婚してないシャアは駄目オトコ9at X3
いくつになっても結婚してないシャアは駄目オトコ9 - 暇つぶし2ch2:通常の名無しさんの3倍
05/12/08 23:04:05 fQg8xDng
アクシズの愉快な仲間たち。主食はスパム、おやつはプリン。

シャア・アズナブル…アクシズ一家の転落王。
 この歳にして手に入れた友人と幼女に囲まれた生活に、人生をやり直している気分との発言も飛び出す元総帥。
 でもアクシズ弾劾裁判だけは勘弁な!

アムロ・レイ…アクシズ一家の良心。
 シャアに人生を狂わされている機械オタの元ヒッキー(連邦軍エースパイロット)。
 腐れ縁が続いて一緒にアクシズで漂流生活を送る羽目に。
 技術力を生かして今日もアクシズのどこかで修理作業中。家事万能、漂流一家の大黒柱。

プル達…ニュータイプの少女エルピー・プルをベースにグレミー・トトが兵器として作り出した12人のクローン。肉体年齢は10歳。
 プルA~Lとぞんざいな命名でモルモット扱いされていた上に、アクシズの冷凍睡眠カプセルに6年間も放置されていた。
 漂流中のシャアとアムロに解放され、騒々しくも平和な毎日を送っている。

3:通常の名無しさんの3倍
05/12/08 23:04:26 fQg8xDng
プルA…多分姉妹で一番オリジナルの「プル」に似た性格(甘いものとお風呂が大好き。天真爛漫)
    喫茶店跡でみつけたレシピが宝物。いつかチョコパフェ食べたいな。
プルB…姉妹中では最もプルツーに似ている(責任感が強く、独立独歩を愛する)
    たまには一人になりたくて散歩します。 12姉妹中ではあまり目立たないけど、やる時はやります。
    アムロが遭難しかけた時救出した功労者の1人。
プルC…おとなしくて無口。恥ずかしがりや。お裁縫はじめました。
    ちょっとだけアムロを意識してますが、まだまだコドモです。
プルD…オヤジっぽい。豪快に笑ったり人情話で泣いたり。はっきり物を言う。
    メカの扱いも得意。難しい事を考える前にまず手を動かしてみるタイプか。
    でも裁縫なんかは苦手らしく、他の娘に袋を作ってもらったりしている。
プルE…無口無表情。ア○ナミ系。ママに潜在的甘えッ子。
   「バカなの?」とか天然でマジメに訊いてしまうところはまだちょっと年齢の割に幼いかも。
   「がんばれ」「まけるな」のくじけない魂も持つ、12姉妹の白眉(実は「お父さん」も結構気に入っているらしい)。
プルF…辛口お姉さん系(セイラ風)。ちょっと寒がり。優しさ装いつつトゲがある。昨今名言増大中。
   (実は閻魔帳(ガクガクブルブル)をつけている・・その中身を知った者は(あうあうあうあうあうあ))
プルG…普通の「プル」の性格だが、男言葉で喋る俺女。Eと仲良し。
    星座に夢見る少女らしい面も。シャアの王子様らしい面をちょっとだけ意識。
    星座事件でも、某ミュージック事件でも(笑)、シャアの方が悪いのに
    きっぱり流したり、「ワルカッタヨ(TT)」と、謝ったりする所は好漢。竹を割ったような娘かな。
プルH…やり手の電波娘。NT能力12人中最強。実は策略家か!?
    時々ララァになっていた(笑)が、最近は本人も段々目覚めつつある(恋するIなどの影響か)。
    成長して、だんだん死者たちの業を乗り越えつつあるかも。
プルI…マジメで理路整然と喋る。シャアと日夜壮絶なディベートを繰り広げるプチギレン。
    シャアの得体の知れない面や怖い面をちょっと知りながらもダメ男と急速接近(笑)、
    自分の心が自分で割り切れないのに戸惑う乙女。
プルJ…軍人気質。シャアを「大佐」と呼ぶ。不器用に大佐ラブ、恋のためなら命賭けます。
    IやHと違って、演技や計算で自分や他人を誤魔化す事が全然出来ない分、恋はいつも体当たり。
    でも自分の気持ちに素直な分、恋の悩みも少ないかも。最近Iと結んだ淑女協定でちょっと複雑かな?
プルK…人当たりがよく落ち着いている(ミライ風)。誰に対しても敬語で喋る。
    伝記作者のように、日常生活を静かに送りながら全てを見ているヒトになるのかも。
プルL…怖がりですぐに泣く。末っ子系。マイナス感情に敏感。宝物の「お父さん」をいつも抱いている。
ハロ部隊…度重なる改造を加えられ、今その機能を正確に把握してるのはアムロのみ。

4:通常の名無しさんの3倍
05/12/08 23:15:08
スレ立て乙

5:通常の名無しさんの3倍
05/12/09 00:01:25
乙!
次はスレタイ二桁突入か・・・

6:通常の名無しさんの3倍
05/12/09 00:49:42
ここまで来たか…
アクシズの行程、道未だ通し。

7:通常の名無しさんの3倍
05/12/09 03:38:10
このスレまだあったの?
漏れも参加してみよ…

8:通常の名無しさんの3倍
05/12/09 05:22:50
>>1乙!
最近職人さんも戻ってきたり、新しく生まれたり、まだまだ旅は続きそうですな。
シャアが赤いちゃんちゃんこが似合う歳になるまで続いてほすい。

9:ハロハロ 1/2
05/12/09 19:30:22
 今日も今日とてアムロは趣味の発明に精を出していた。
 奥のモニターはスクリーンセイバーが起動しており黒雲と稲光がマッドな雰囲気を演出していた。
「出来たぞ、これでアクシズの生活は数倍楽になる! 地球連邦軍バンザーイ!」
 徹夜のしすぎでだいぶ壊れつつあるようだが、まあ、いつものことだろう。
「ははははははははは!」
 狂気が張り付いたようにも見える顔をモニターの光が照らしていた。

「みんな、すごいものが出来たぞ!」
 珍しく、誰にも起こされることなく起きてきた(そもそも寝ていなかっただけだが)アムロが、朝食の席で声を張り上げる。
「なに? チョコパフェとか?」
「新しいMS?」
「裁縫マシン改?」
「分かった、新型の工作機械だ!」
「通常の3倍のスピードで野菜が育つ農耕プラント?」
「シャア専用お仕置き道具とかですか?」
「シミュレーターの新しいプログラム?」
「そちらの眼鏡のおじ様が持っている古そうな回路ですか?」
「量子コンピュータでも作ったのか?」
「たい…あ、いえなんでもないです」
「何かしら? 図書室の蔵書管理システムとか?」
「お父さんの新しい服?」
「サザビーの性能が数倍に跳ね上がる回路とかか?(バキッ)ごぶぉ!!」
 アムロはシャアを鉄拳で制裁し、
「全然違ーーう!!」
 と大声で叫ぶ。
 まったくもう、とかいいながら発明品を取り出すアムロ。
「これだ!」
 ジャン!
 取り出したのは一見何の変哲もないハロだった。
「ただのハロじゃん」
 その台詞を予期していたようにアムロは笑う。
「甘いな、ただのハロとはハロが違う! 自己再生、自己増殖、自己進化。三つの機能を搭載した究極のハロ。名付けて、「アルティメットハロ」だ!」

10:ハロハロ 2/2
05/12/09 19:31:16
.       ,. -─‐- 、
      /。 。    r\   チーン
    / ,.-─- 、   ヽ、.ヽ
     !/     ヽ、._, ニ|
.    {   Ultimate     ,'
     ヽ          /,ソ
.     ヽ、.____r',/
「そんなにすごいものには見えんのだが(ドカッ)ぎょぶぅ!!」
「馬鹿野郎!」
 再びシャアを鉄拳で制裁したアムロが叫ぶ。
「こいつは工作用マニピュレータを装備し、自分で自分を作ったり、さまざまな役に立つ道具を全自動で資源から作ってくれる「オートマン」タイプのハロなんだ!」
 聞いていた全員「?」を頭に浮かべる。撃ち抜けば記憶をなくしそうなくらいに。その様子に寝不足でテンションがおかしいアムロはじれったそうに頭を掻き毟る。
「ああ、もう! とにかく見てろ!」
 アムロはハロの起動スイッチを入れる。
     ,r‐、       , -、
      !  ヽ      /  }
     ヽ、 ,! -─‐- 、{  ノ
   ((/。 。    r`'、´ ))  ピコッ!!
    / ,.-─- 、   ヽ、.ヽ
     !/     ヽ、._, ニ|
.    {   Ultimate    ,'
     ヽ          /,ソ
.     ヽ、.____r',/
 ハロはかすかに身震いすると、手近にあった机を解体し、ものの数分で自らの分身を作り上げた。
 そして二体になったハロは手近なものを解体し2体が4体、4体が8体といった具合に増えていく。瞬く間に部屋は穴だらけになり始めた。
 自分の服まで解体しようとするハロを蹴っ飛ばしながらシャアが口を開く。
「増殖を抑制する機構は入っているのか? このままではアクシズはすべてハロになってしまうぞ」
「あ…」
 その後、一家総出でハロを捕まえ、機能を停止させ宇宙追放処分とした。
 そして、当然だがアムロはアクシズ弾劾裁判にかけられた。

プルズ「ま さ か の 時 の
      ⌒⌒ヽ     ⌒⌒ヽ    ⌒⌒ヽ
    (γ ノ|ノ)从 ) (γ ノ|ノ)从 ) (γ ノ|ノ)从 )
     ∥*`∀´ノ  ∥*´ー`ノ  ∥*^∀^ノ
     丿~ † ~ヾ  丿~ † ~ヾ   丿~ † ~ヾ
     ん  八  ) ん 人  )  ん 人  )
     んU~Uゝ  んU~Uゝ   んU~Uゝ
           ア ク シ ズ 弾 劾 裁 判!」

 このハロが数奇な運命を経て別世界へと辿り着き、いずれアルティメットガンダム細胞の基となり、その世界を混乱に陥れるのだが、それはまた、別のお話。
 さらに、一部が数奇な運命を経て外宇宙に流れ、そこで機能解析と超小型化が行われ、機動兵器に搭載。後に地球圏へと舞い戻り「月光蝶」となって文明を灰燼に帰すことになるのだが、それもまた、別のお話。

11:通常の名無しさんの3倍
05/12/09 23:04:47
GJ!!
前スレでも新スレでもSSが続出してるよ…

12:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 03:52:08
ハ…ハロすげー……

13:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 10:16:24
アムロもすげー

14:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 11:42:31
プルズもすげー

15:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 11:43:33
シャアはすけべー

16:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 17:41:47
アムロが弾劾裁判受けるの初めてジャマイカン?
だれが弁護人になるんだろ?

17:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 17:59:16
Fだとおもわれ

18:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 19:08:57
内容は覚えてないけど以前受けた気がする。
内容は覚えてないけど。

19:前スレの「サナギの少女」こと新人さん
05/12/10 19:12:50
>>9-10さん、GJです。大笑いさせていただきましたw

SS投下します。前スレ終盤の例の本の謎がいよいよ明らかに…。

20:シャア・アズナブルと秘密の部屋(1/8)
05/12/10 19:15:23
「確かそこの突き当たりを右、だったな…。」
アクシズ内部のとある区画に、金色のノーマルスーツに身を包んだ我らが赤いダメオヤジ
ことシャア・アズナブルの姿があった。
「懐かしい、とでもいうべきかな。」
シャアは目的の部屋の前に立つと、装飾が施されて一際壮麗なつくりの扉に鍵がかかって
いないことを確認し、ゆっくりと開けた。

アクシズにおけるシャアの主な仕事は三つある。
アクシズの航路計算および調整。
植物栽培プラントの管理および生産。
そして、今回のようなアクシズ内部の探索である。

ただ、最近はアクシズの探索作業はほとんど行われていない。
なぜならば、下の二つの仕事の目的は食料の確保であり、植物栽培プラントの生産量が順
調に推移していること、そして安全に探索できる区画をほとんど調べ尽してしまったこと
が現在の状況であるからだ。
もはや探索していない区画は、隔壁や天井が崩落し、なおかつMSはおろかプチモビすら
入り込めず人の力ではどうしようもないところに限られている。
そのような状況ではあったが、シャアが以前探索しようとして分厚い土の壁に阻まれた箇
所の一つをしばらくぶりに再び見に行くと、さらに崩落が進行し大人一人がやっと通れる
程度の穴がぽっかりと空いていることを発見した。

「今日は気になる区画を調べに行ってくる。少し遅くなるかもしれないが心配は無用だ。」
朝食の席でシャアは皆にそう言うと、ノーマルスーツを着て颯爽と出て行った。
その際、今まで入れなかった区画に行くと聞いて、シャアを慕い心配するプルIとプルJ、
また、興味をもった行動派のプルBやプルGがそれぞれ連れて行ってくれと頼み込んだ。
「その先がまた行き止まりだったら残念な結果になるだろう?それに諸君らには私の大事
な農園を預かっていて欲しい。」
行動派と親シャア派それぞれの要望を見事にかわす一言である。
もちろん、実際は目的の区画まで到達できることを確認済みなのは言うまでもないが。
なお、シャアがノーマルスーツを着込んでいたのは、目的の区画を目前とした通路の一部
が著しい減圧状態だったからである。
仮面の奥に素顔を隠して闘った時代には、自分はノーマルスーツは着ない主義だと嘯いて
いた伊達男も、さすがに真空に近い空間を生身で挑むようなことはしないらしい。

21:シャア・アズナブルと秘密の部屋(2/8)
05/12/10 19:17:03
「やはり、変わってないな。」
天蓋を備えた小さなベッド、ちょっとした筆記に適した背の低い机、丁寧に背もたれの部
分が編みこまれた安楽椅子などなど、どれも格調高い様式の高価なアンティークが配置さ
れている。
ここは一年戦争の終盤、ソロモンにおいて連邦の白い悪魔と戦い、壮絶な戦死を遂げたド
ズル・ザビの忘れ形見、ミネバ・ザビが幼少期に過ごした部屋である。
なお、アクシズの残存兵力がネオジオンを結成し、その総帥としてミネバが祭り上げられ
た際にこの部屋は打ち棄てられた。
「ん?システムがまだ生きているのか。」
シャアは携帯していた小型の測定器で酸素濃度を確認すると、ヘルメットを脱いだ。
ここはアクシズにおける最重要区画の一つであったため、独立して電力と酸素が供給され
るシステムが備わっていた。
主を失った今でもなお、そのシステムは稼動を続けていたのである。
「ミネバ…。」
シャアは改めて部屋を見渡すと、感慨深そうにこの部屋の主だった少女の名を呟いた。

ジオンのエース、赤い彗星ことシャア・アズナブルは一年戦争の終結後、ジオン残党が数
多く集うアクシズに身をよせた。
そこで彼は、彼のカリスマ性を危惧した勢力によって、宮廷警護官という閑職を任される
ことになった。
彼のそれまでの人生の目的であったザビ家への復讐を遂げる―その時点でザビ家の血筋
のものは、公式にはミネバ唯一人であった―には絶好の立場であったが、彼はミネバを
手に掛けることはなかった。
ガルマ・ザビを謀殺し、ドズル・ザビ、デギン・ザビ、ギレン・ザビの死を見届け、最後
にキシリア・ザビを自らの手で討ち取ったことで彼の復讐は終わったのである。
そして、生きる目的を遂げてしまった彼の心は空虚なものとなった。
そんな彼の心を癒したのがザビ家の血を引く乳飲み子の屈託のない笑顔であった。
ザビ家の血を引くものとはいえ、普通の子供として育って欲しい。
彼はそんな想いを胸に、年の離れた兄として、また、若い父としてその子の成長を見守ろ
うとしたのである。
さまざまな思惑によってアクシズを離れるまでは…。

22:シャア・アズナブルと秘密の部屋(3/8)
05/12/10 19:18:09
「これは…、日記だな。」
部屋の隅にある机の引き出しを開けると、少女向けのデザインの日記帳が入っていた。
「ハマーン…。」
シャアは内容を確認しなくともその持ち主が誰であるか察しがついた。
当時ミネバの部屋に立ち入ることができ、そのようなデザインを好む年代の少女と言えば、
今シャアが口に出した少女しかいなかったからだ。
「大佐。」
シャアは、ふとその少女に呼びかけられた気がした。

当時のアクシズの指揮官、マハラジャ・カーン提督の娘。
桃色の長い髪をツインテールにしてたなびかせていた、活発で可憐な少女。
シャアとともにミネバの世話に励んだ、幼さの残る侍女。
そして、シャアに恋心を抱いていた、純粋で控えめな少女。

彼がアクシズを離れ、数年の後に再会を果たしたとき、乳飲み子は人形のような少女に、
そして少女は冷徹な女性へと成長していた。
そのときの彼は、その現実に驚き、憤るばかりで、その原因や経過に思いをめぐらすこ
とをしなかった。

23:シャア・アズナブルと秘密の部屋(4/8)
05/12/10 19:19:03
「私がアクシズにとどまれば、あるいは…。」
歴史にifがあれば…、誰もが一度は願うことである。
「ふ、私らしくないな。それに、あの頃の私は何も分かってはいなかった…。だから結
局は何も変わるまい。」
シャアは自分の中に沸きあがった、万人を虜にする詮のない願望を即座に否定した。

少女が自分に好意を寄せているのは知っていた。
しかし彼は、少女の想いは思春期によくみられる年上の異性に対する憧れにすぎないと、
正面からきちんと受け止めることも拒絶することもしなかった。
ただ、彼のその思わせぶりと言えなくもない態度は、図らずも彼女自身と周囲の人間に
誤解を与えることになった。
そして彼は何も言わずに彼女の前から姿を消した…。

今のシャアにはその少女の味わった悲しみや絶望がなんとなく分かる気がした。
数奇な運命によって再び生活を送る場となったアクシズにおいて、12人の少女と出会い、
本当にひとを愛するとはどういうことかを教えられたから。
愛するものを失いたくないという感情を12人の娘に対して抱くようになったから。
愛するものが突然目の前からいなくなったら、そればかりか自分と敵対する存在になった
ら…、それを考えるとやりきれない思いになる。
「ハマーン…、すまなかった…。」
今まで一度も言えなかった、言うつもりもなかったあの少女への心からの贖罪の言葉を、
シャアはようやく素直に口に出すことができた。
(そうか、私はハマーンへの償いがしたかったのだな。)
この部屋への道が閉ざされているのを発見したときは何も思わなかった。
しかし、この部屋への道が再び通じていることを発見したときは、何故か居ても立っても
いられずに、この部屋に行かなければという気持ちになった。
あの少女への贖罪を実際に口に出して初めて、シャアは自分自身の気持ちを理解すること
ができた。
この部屋こそが、かつて青年将校と可憐な少女がその人生において最も長い時間をともに
過ごした場所であったから。

24:シャア・アズナブルと秘密の部屋(5/8)
05/12/10 19:20:11
「む、もうこんな時間か。そろそろ戻らないと心配をかけてしまう。」
シャアは時計を確認し、帰りにかかる時間を計算すると夕食の時間に遅れてしまうことに
気付いた。
「とはいえ、こんなに時間を費やして何もありませんでしたでは格好がつかないな。」
やはりこういう場面でも己の体面を気にする男、シャア・アズナブル。
「ゼナ殿、ありがたく頂戴する。」
シャアはクローゼットを開くと、ミネバの母、ゼナのものと思われるドレスを何着か手に
取った。
上等なドレスで、プル達には少しサイズが大きいが、裁縫の得意なプルCが喜んで手直し
しそうなものばかりである。
「ん?これはなんだ?」
クローゼットの片隅にみかん箱程度の大きさの頑丈そうな箱がしまってあった。
取り出して中身を確認すると、ジオンの勲章やアルバム、旧世紀の演歌のレコードやタイ
トルに必ず「男」の文字が含まれている数冊の本が見つかった。
「これは…。」
シャアはすぐにその箱の中身の本来の持ち主の顔が浮かんだ。
一瞬躊躇したが、とりあえず実用性のありそうな本を何冊か選んで持ち帰ることにした。
そしてその中には後日大活躍(?)する本も含まれていた。

25:シャア・アズナブルと秘密の部屋(6/8)
05/12/10 19:21:09
「盗み見とは関心せんな。」
シャアは土産にするものをまとめると、扉の方へ向かってそう叫んだ。
「き、気付いていたのか、シャア。」
「申し訳ありません、大佐…。」
扉の陰からノーマルスーツを着たプルIとプルJが気まずそうに姿を現した。
「私を見くびってもらっては困るな。扉の陰から注がれる視線に気付かぬほど衰えてはお
らんよ。それに…。」
「うまく気配を消していたつもりなのだがな。」
シャアのきっぱりとした物言いを受けて、プルIは少し落ち込んだ様子で呟く。
「やっぱり私が少し声を出してしまったから…。」
プルJが申し訳なさそうに言う。
「やはりさっき私を呼んだのはプルJだったか。」。
先ほど聞こえた声の主は確認できた、が、やはりあの声はあの少女のものだったとシャア
は思いたかった。
あの少女もあの頃自分のことを大佐と呼んでいたから。
「すまんな、プルJ」
シャアは二人に聞こえない程度の声でひっそりと謝罪した。
「二人とも何故ここへ来たのだ?」
シャアは気を取り直して少し強めの口調で尋ねる。
「大佐の様子が少しいつもと違うようでしたから、すごく気になってしまって…。」
「それにシャアのことだ、きちんと下調べをして確実に目的の場所に行けることを確認し
てあったのだろう?」
やはりこの二人は自分のことをよく分かってくれている、そのことについてはシャアは嬉
しく思ったが、この場を誰にも見られたくなかったというのがより強い本音だった。
「私は諸君らに私の大事な農園を任せておいたはずだが?諸君らの気持ちは嬉しいが、い
かなる理由であれ命令違反にはペナルティを課さなければならん。」
シャアはあえてそのような言い方で婉曲的に不快感を表した。
(ここは軍隊でもなければ、私達は君達の上官でもない、だから私達は君達に命令も強制
もしない。)
以前シャア自身が軍人気質に染まりきってしまっていたひとりの少女に言った言葉である。
シャアは己の心を侵されてしまったと感じたため、あえてその言葉を選んだ。
「大佐、申し訳ありませんでした…。」
「シャア、すまなかった…。」
二人の少女は、シャアとの約束を破ったこと、そしてシャアの覗いてはならない心の奥を
垣間見てしまったことを深く反省し、精一杯の償いの言葉を口にした。
このような二人の少女の素直な反省の態度を見て、シャアはすぐにわだかまりなく許すこ
とにした。
本当の意味での寛容の心というものも12人の娘達に与えてもらったものであるから。

26:シャア・アズナブルと秘密の部屋(7/8)
05/12/10 19:22:07
「それでは今日ここで見たこと、聞いたことは全て私との秘密にしてもらおう。皆には内
緒だぞ。それがペナルティだ。いいな?」
シャアは微笑を浮かべながら、得意の芝居がかった口調で二人の少女へ処罰を宣告した。
この二人の少女を許したとはいえ、やはりシャアにとっては余人に知られて欲しくないこ
となのだ。
「もちろんだ、誰にも言わない。」
「秘密は厳守いたします、大佐。」
プルIとプルJはシャアの雰囲気が普段のものに戻ったと感じ、許してくれたのだと分か
ると、いっぱいの笑顔で元気良く返事をした。
(大佐と私だけの秘密…。ふふふ。)
さまざまな意味で間違ってるプルJはこっそり頬を赤らめていた。

「シャア、何をしているんだ?」
携帯端末を取り出して何かの操作をしているシャアを見て、プルIが尋ねた。
「ここの生命維持システムをシャットダウンさせる。誰も住んでいないのエネルギーが消
費されるのは勿体無いからな。」
シャアは壁面のコントロールパネルに自分の携帯端末を接続し、システムにアクセスしな
がら説明した。
シャアはアクシズの主要な施設のほとんど全てのシステムを熟知していた。
ちなみにアクシズの生命維持システムはほとんど全ての区画で重複式―いくつものシス
テムが相互にパックアップし、仮にあるシステムに不具合が生じてもすぐに別のシステム
に切り替わる―が採用されているが、ミネバ・ザビの部屋のように一部の最重要区画で
は外部から一切干渉されないように独立式が採用されている。
そのため独立式を操作する必要がある場合は内部から行わなければならない。
なお、独立式とは言うものの、電力や酸素が不足する場合は外部から供給している。
つまり、インフラは他と同様だが、その管理システムが他から独立しているのである。
そのため、独立式のシステムをシャットダウンさせることで、この区画への電力と酸素の
供給が止まり、アクシズ全体から見ればわずかではあるが、エネルギーの節約になるので
ある。
「まもなく電気と酸素の供給が止まる。二人ともヘルメットをかぶってライトを準備しろ。」
システムのシャットダウンを終えると、シャアはそう指示した。
もちろん酸素の供給が止まったとしても、それなりの広さをもつ空間であるからすぐに酸
素不足になるわけではない。
要するに帰り支度をしろという意味だ。
ただ、酸素の供給が止まると、途端に空気が固まったような気がした。
この空間の時間が止まった、そんな感じさえもした。

27:シャア・アズナブルと秘密の部屋(8/8)
05/12/10 19:23:17
三人が部屋を出ると、シャアは机の引き出しで見つけた扉の鍵で確かに施錠した。
そしてその鍵を力任せにねじ曲げ、使えないようにした。
「昔の恋人との別れは済んだみたいね。」
シャアの一連の行動から、シャアが二度とこの場に戻るつもりはないことを理解したプル
Iが率直な感想を述べた。
「…、ああ、そうだな。」
恋人という言葉にシャアは一瞬ためらった。
しかし、あの少女との楽しく過ごした日々、そして辛く悲しい訣別を想うと、その言葉の
響きも悪いものではないと感じられた。

ハマーンへのせめてもの償いとして、地球圏に帰ることができたらこの12人の娘たちを
連れてミネバに会いに行こう。
この娘たちなら、年齢も近いし、きっとすぐに仲良くなれるはずだ。
そもそもミネバは、私とハマーンの大事な娘なのだから。


おまけ
この日、シャアが持ち帰ったお土産は、本は書庫の蔵書になり、ドレスはプルCに与えら
れることになった。
しかし、結局プルIとプルJを連れて行った形になったことで、不満爆発のプルBとプル
Gを筆頭に、ほくほく顔のプルCを除いてまともなお土産にありつけなかった他のプル達
からシャアは期待外れと言わんばかりの冷たい視線を向けられるのであった。
「ええい、完璧な作戦にならんとはな。」
むしろ何も見つからなかったことにしておけば良かったと後悔するシャア。
翌日、持ち帰った本を読み漁り、また新たな作戦を考える赤いダメオヤジの姿があった。

28:「秘密の部屋」こと新人さん
05/12/10 19:31:52
本当は前スレに投下したかったんですけど、レス数が足りないので
こちらに投下しました。
なお、前スレ>>941さんの設定を参考にさせていただきましたw

次はクリスマス時期にクリスマスネタを投下する予定です。

29:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 20:14:07
新たな職人降臨
アクシズは再び加速する・・・!

30:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 20:28:17
今計算してみたが、前スレは地球の引力に引かれて落ちる、貴様ら職人の頑張り過ぎだ

31:通常の名無しさんの3倍
05/12/10 22:03:05
頑張りすぎだった頃は容量オーバーで700台で書き込み不可になったな

32:通常の名無しさんの3倍
05/12/11 03:30:15
>9
そのうち第一世代のハロがグランパとか呼ばれて眉毛書かれたりするのかとか
オモシロ設定考えちゃったじゃないか。

33:通常の名無しさんの3倍
05/12/11 07:47:49
>>27いい話だった。
最近IはBよりプルツーに似てると感じた。

34:通常の名無しさんの3倍
05/12/11 19:24:10
今計算してみたが、このスレは2chの引力に引かれて落ちる、貴様ら職人の頑張り過ぎだ

35:通常の名無しさんの3倍
05/12/11 19:24:40
誤爆った・・・

36:通常の名無しさんの3倍
05/12/11 19:53:35
ガンガレ

37:新人さん改めアクシズの囚人
05/12/12 23:45:37
ふと思いついたので新SS投下です。

38:冬の定番(1/4)
05/12/12 23:47:29
プルA「またやってるね。」
プルE「…、定番…。」
プルJ「アムロ、大佐、やめてください。」
プルF「プルJ、夫婦喧嘩は何とかってね。放っておきなさい。」
プルB「そのうちアムロがマウントポジションとって終わりでしょ。」

アクシズの何でも屋ことアムロと、赤いダメオヤジことシャアがいつものように些細な
ことで言い争いをしているのを見て、プル達が一言ずつ感想を述べている。

アムロ「なんでアクシズの設定温度を下げる。これでは寒くなってプル達が凍えてしまう。
    アクシズの冬が来るぞ!」
シャア「プル達は一年中快適な温度で暮らしているから、自然の厳しさというものを考え
    ていない。だから設定温度を下げると宣言した。」
アムロ「ひとがひとに寒さを与えるなど…。」
シャア「私、シャア・アズナブルが季節感を演出しようと言うのだ。邪魔をするな!」
アムロ「意味不明だよ!それは。」
シャア「プル達に冬の寒さを教えねばならんときが来ているのだ。」
アムロ「人類の知恵はそんなものだって乗り越えられる!」
シャア「ならば今すぐプル達にこたつを授けてみせろ!」
アムロ「貴様をやってから…、え、こたつ?」

通常、アクシズの気温は年間を通してほぼ一定に保たれている。
アクシズ一家が活動する時間―いわゆる昼の時間―はおよそ摂氏20度前後が目安と
され、アクシズ一家が寝静まる時間―いわゆる夜の時間―はおよそ摂氏15度前後が
目安とされている。
これは、プル達が着られる厚めの衣服がほとんど確保できていないため、常に薄着でいる
プル達が快適にすごせるよう配慮されているためである。
なお、アクシズの環境を調整しているのはシャアである。
今回の言い争いの原因も、この赤い男がその立場を悪用したちょっとした悪ふざけ(?)に
よるものであった。

39:冬の定番(2/4)
05/12/12 23:48:35
ここ数日、アクシズの気温が著しく低下していた。
アムロは、シャアが一時的な出力制限か何かをしたのだと解釈し、しばらくは何も聞かず
に我慢していた。
本当に深刻な状況であればシャアは皆に対して必ず伝えることをアムロは知っていた。
しかし、三日経っても四日経ってもシャアはその事情を一向に説明しようとしなかったの
で、ついに五日目の朝にアムロはシャアに問いただしてみた。
その後の流れは先に記したとおりである。

「こたつ…?また妙な言葉を持ち出して…。」
アムロは赤いダメオヤジがまたも耳慣れない言葉を口に出したことにうんざりした。
(またこの男は何か企んでいるな…。)
「ほう、機械には深い造詣をもっているアムロ君がこたつを知らないとはな。」
シャアはおどけたようにわざとらしい大きな動作をつけながら言った。
「そうやって貴様は永遠に他人を見下すことしかしないんだ!…で、今度は一体何を企ん
でいるんだ?」
アムロはシャアの意図を全く読めず、半ば投げ槍な態度で話を促した。
「企むとは無粋な物言いだな。まぁよかろう。」
シャアは懐から一冊の本を取り出し、説明を始めた。
(以前もこんなシチュエーションがあった気がする…。)
アムロはすっかり呆れきっていたが、黙ってシャアの話を聞くことにした。
「こたつというのは、旧世紀の東アジアで開発されたもので、テーブルと暖房器具が一つ
になった一石二鳥のすぐれたものだ。」
シャアは先日持ち帰ってきた「男」の本―通称、ドズル文庫―のうちの一冊を片手に
得々と語った。
どうやらシャアの最近の愛読書のようだ。
「馬鹿なことを言っていないでさっさと温度設定をもとに戻せ。」
シャアの説明を聞いて、シャアがただこたつを使いたいばかりにアクシズの温度を下げた
のだと悟ったアムロは素っ気なくその提案に反対した。
「はっはっは、先日計算してみたが、アクシズの空調の通常の設定よりも、温度を10度
下げてこたつを使用した方がエネルギーを節約できるのだ。これならば文句はあるまい。」
それに対し、シャアはもっともらしい理屈で説得を続ける。

40:冬の定番(3/4)
05/12/12 23:49:33
「なんかおもしろそうだね。」
傍らで二人の話を聞いていたプルCが突然口を挟んだ。
「たまには寒いのもいいかもな。そのこたつがどれくらい暖かくなるかも知りたいし。」
「冬ってこんなに寒いんですね。」
プルCが二人の間に割って入ったことで、それまで黙って聞いていた他のプル達も一斉に
口を開いた。
こたつというものに興味をもったプル達は、珍しくシャアに全面的に味方した。
「…。その計算というのは何台のこたつを想定しているんだ?」
プル達の要望に押され、アムロは渋々こたつをつくることに同意した。
「1メートル四方のテーブルをベースにしたこたつを5台、一日あたり16時間稼動させ
た場合の計算結果だ。」
シャアの言ったデータを聞いてアムロはなにやらぶつぶつと暗算を始めた。
「よし、そのサイズのこたつを3台作ろう。いずれもプル達の部屋に設置する。」
現在、アクシズ一家のプライベートルームは5部屋使われている。
その内訳は、アムロとシャアが1部屋ずつ、プル達は4人で1部屋すなわち全員で3部屋
となっている。
シャアの計算は当然それを前提になされたものであった。
「む、それでは私の分がないではないか。」
アムロが一瞬で立てた製造計画を聞いて、直ちにシャアは反論した。
「貴様は基本的に寝るとき以外は部屋を使わないだろう?それにオレはそれほど寒がりじ
ゃない。第一、プル達に冬の寒さとこたつの暖かさを教えるのが今回の貴様の目的だろう?」
アムロはシャアの本音に気付いていたが、あくまでもシャアの建前に沿ってシャアを説き
伏せた。
(ええい、だが私の目的はプル達と一緒にこたつに入ることだ。プルIやプルJならば寒さ
で震えている私を見て誘ってくれるはずだ。)
「オレが作ると言った以上、世界最高のこたつを作ってやる!」
アムロはそう言ってシャアが持っていた本を奪い取ると、自分の部屋に籠もった。
「またマッド・サイエンティストを召喚しちゃったな…。」
アムロの狂気じみた眼光に戦慄を憶えたプルGが力なく呟いた。
「あらあら、血は争えないわね。」
アムロの父と面識(?)のあるプルHがひっそりと囁いた。

41:冬の定番(4/4)
05/12/12 23:50:58
数時間後、自分の作品の出来に大満足のアムロがリビングに戻ってきた。
「できたぞ!みんなついてきてくれ。」
アムロはプル達を自分達の部屋に誘導した。
ドアを開けると、できたばかりのこたつが既に設置されていた。
「わー、凄いねー。」
プル達は一斉に自分たちの部屋のこたつに滑り込んだ。
「いいかい、これは使われていない部屋にあったテーブルに、調理用オーブンの赤外線
ヒーターをつけて、さらにハロに使われいるAIを改造し、常に最適の温度になるよう
に調整され、きわめつけに消し忘れ防止機能まで…。」
アムロは誰も聞いていないことに気付かず、夢中で自分の作品について解説した。
「アムロありがとー。」
「暖かいね。」
「ぬくぬく…。」
プル達は、シャアの発案だということをすっかり忘れて、それぞれアムロにだけ感謝の
言葉を述べた。
「ええい、完璧な作戦にならんとはな。だがまだ終わらんよ。」
誰にもかまってもらえないシャアは哀愁を漂わせながらその場を立ち去った。

数日後、大好評のこたつは意外にもすぐに撤去されることになった。
実は、プル達が誰一人こたつから出ようとしなくなっていたのだ。
その結果、アクシズの家事は滞り、シャア農園は収穫の時期を逃した作物をいくつも廃
棄せねばならなくなった。
この事態を深刻に受け止めたアムロは、すぐにこたつの撤去とアクシズの設定温度の再
設定を決定し、シャアもそれに同意する他なかった。
最終的に、こたつは2台が解体され、残りの1台は非常用の暖房器具としてアムロの部
屋で保管されることになった。

なお、結局シャアは一度もプル達と一緒にこたつに入ることができなかった。
「やはりこの本の記述通り、こたつには人を虜にしてしまう魔力があるようだな。使い
方次第では役に立つと思ったんだが…。」
シャアは『世界の冬を熱くしろ!~男の冬にこたつはいらない~』(民明書房)の該当箇
所を見直すと、残念そうに呟いた。

ちなみに、プルCやプルEといった夜中に頻繁にアムロの部屋を訪れる一部のプル達に
よってこたつが引っ張り出され、アムロが一緒に入っているという事実を、赤いダメオ
ヤジは知らない…。

42:アクシズの囚人
05/12/12 23:54:54
某幼女スレでおなじみのアイテムですが、このスレでは登場してなかったので
書いてみました。
次回は、宣言通りクリスマスの話を投下しますのでよろしくお付き合い下さい。

43:通常の名無しさんの3倍
05/12/13 00:05:22
とことんまで駄目男ぶりのシャア・・・見事だ。

44:通常の名無しさんの3倍
05/12/13 00:07:09
>>38-42
CCAの台詞に忠実なやり取りに吹きましたw
シャアの駄目親父っぷり、
アムロのマッドサイエンティスト振りがよく描写されていてすばらしい作品。
クリスマス編も期待してます、がんばってくださいな


45:通常の名無しさんの3倍
05/12/13 00:21:53
>>42
GJ!クリスマス話も楽しみに待ってるよ

そのこたつは、どこかのこたつと次元が繋がってたりしt

46:通常の名無しさんの3倍
05/12/13 02:18:03 4JfdOo1R
季節に合わせてコタツネタとは・・・やるな?ブライト!

47:通常の名無しさんの3倍
05/12/13 08:23:08
まだ掘り炬燵は終わっちゃあいない!

48:通常の名無しさんの3倍
05/12/13 22:01:37
>>42
み…民明書房…。

49:通常の名無しさんの3倍
05/12/13 22:28:38
ちくしょう、最近のスレの速度について行けないぜ…

皆様方、VGJ!!

50:通常の名無しさんの3倍
05/12/16 00:44:08
何となく初期のスレを読み返していたら、
3年もスレ続くわけねーよってレスあったけど余裕で続いていて
今またこうして新しい職人も出てくる駄目オトコスレは凄いよなと思った
駄目オトコ達とプルズGJ

51:アクシズの囚人
05/12/16 13:04:26
長文作成中の気分転換に思いついたのでSS投下します。

52:国語の時間(1/4)
05/12/16 13:06:05
今日は不定期に開かれる「学校」の日。
もともと戦闘の道具として造られたプル・シリーズは戦闘教練しか受けておらず、一般常
識を持ち合わせていなかった。
そのため、娘たちの将来を憂いたアクシズPTAによって「学校」が設立されたのである。
日々の雑務の合間にまとまった時間がとれると開かれるという、全くの不定期のものであ
ったが、プルたちの持ち前の人並み以上の好奇心と大人二人の巧みな授業がうまく組み合
わさって、概ねカリキュラムは順調に進んでいた。
本日の教師、シャアが張りきって教鞭を振るう。

「…という訳で、淑女たるものウィットに富んだ会話もこなせなければならん。次はその
練習として皆に『回文』を作ってもらいたい。」
シャアは教室に見立てたブリーフィングルームの大型ディスプレイに、手元の端末を操作
して板書をしていく。
「先生、『回文』って何ですか?」
プルBが手を挙げて質問する。
学校では二人の大人を「先生」と呼ぶのが一応の約束事である。
ちなみにもうひとりの「先生」は、今日は最後列の席から授業の様子を観察している。

53:国語の時間(2/4)
05/12/16 13:07:11
「『回文』とは前から読んでも後ろから読んでも同じになる単語や文のことを言う。有名
な例で言えば、単語なら『新聞紙』、文なら『竹やぶ焼けた』などがある。」
「じゃあ『トマト』もそうだ!」
シャアの説明を受けて、プルAがすぐに新たな一例を挙げた。
「その通りだ、プルAは賢いな。では諸君らに最低一つずつ考えて発表してもらおう。考
えついたら挙手をしてくれ。」
シャアの指示を受けて、プルたちが一斉に考え出す。
「はい、『在りしキシリア』。」
小難しい表現を使ったのはプルIである。
回文としては成立しているが、その意味にシャアは少し顔が引きつった。
もちろん、プルIに悪意がないのは分かっていたが。
「じゃあ『キシリア力士』!」
プルIの答えを参考に、プルDが発表する。
すぐに、意味が分からない、という全員のつっこみが入る。
しかもよく見ると回文になっていない。
しかし、これをきっかけに活発な雰囲気になっていく。
「『大佐居た』。」
「それなら『た、大佐イタタ…』の方がいいんじゃない?」
その場の空気に触発されてプルJが答えたが、またしてもプルDがひねりを利かせる。
「ここはひとつ、大人っぽく『キスが好き』なんてのはいかがかしら?」
プルFがいたずらっぽい表情でシャアに向かって少し唇を突き出す。
もちろん彼女の場合は100パーセント悪意である。
「プルF!!!」
そのプルFを横目に見ていた直情娘プルJ―もちろん直情的なのはシャアに関すること
だけであるが―がすぐに声を荒らげた。
「まぁまぁ、プルJもシャアに言ってやったらいいんだよ。『好きよ!キス~』って。」
プルDはそう言うと、わざとらしく合わせた両手を固く握り締めて、目を閉じてタコのよ
うに唇を尖らせる。
「プルDも!!!」
すっかり熱くなってしまったプルJ。
その後も『怪しいシャア』など、シャアをからかう回文が次々と作られていった。

54:国語の時間(3/4)
05/12/16 13:08:02
プルたちの発想に辟易するばかりのシャアであったが、教師の務めとして誰が何回発表し
たかはきちんとチェックしていた。
「プルE、君は一度も答えてないようだが。」
本日一度も発表のないプルEに、シャアは発言を促した。
すっかり大騒ぎの教室であったが、プルたちはプルEの答えに注目するため一瞬で静かに
なった。
しばらくの静寂の後、プルEがシャアの顔をじっと見ながら徐に口を開く。
「…『ロリコン、懲りろ!』…。」
「!?」
プルEの発言にシャアは絶句した。
今日発表された回文の中にシャアをからかったものは数多くあったが、その中で一番の衝
撃をその男に与えたのは間違いない。
「ぎゃっはっはっはっは…。」
本日一番の笑いのビックウェーブが起こった。
プルJも、こればかりは否定できないかな、と複雑な表情を浮かべるばかりであった。
―キーンコーンカーンコーン―
程なくしてハロの内臓スピーカーから終業を告げる鐘が鳴る。
「今日の授業はこれで終わり。みんなおやつの時間だよ。」
最後列で授業を見守っていたアムロが言った。
一方のシャアは開いた口が塞がらず、情けない顔を晒したままだった。
「はーい。」
プルたちはアムロの指示に従い、勉強道具をまとめてぞろぞろと食堂へ向かって行った。
「プルC、………って言ってみたらどうだ?」
「イヤよ。絶対にイヤ!」
その途中、本日大活躍(?)のプルDが何かをプルCにそっと耳打ちしているようだった。

また、最後に席を立ったプルHが教室の片隅に向かって呟いていた。
「『あら、ララァ』…。」
それがその名をもつ人物に対するあいさつなのか、それともただの回文なのかは本人しか
知らない。

55:通常の名無しさんの3倍
05/12/16 13:09:52
いらん

56:国語の時間(4/4)
05/12/16 13:20:17
その夜…

「それにしても、プルDがあんなに言語能力が長けているとは思わなかった。」
「ああ、発想が豊かというか、応用力があるというか。」
いつものように大人二人がアムロの部屋で晩酌を酌み交わしている。
今日の肴は、スパムの薄切りと、今日の授業の話である。
「まぁほとんど私をからかうためだったのだろうがな。」
「違いない。」
予想外に自分が攻撃されたため、シャアは苦笑するばかりであった。

「おや?こんな時間にどうしたんだい、プルC?」
不意にドアが開く音がしたため振り返ると、入り口にプルCが立っていた。
「あ、あのね…。」
いつになくプルCの声が震えている。
それに心なしか顔が赤くなっているようだ。
(具合でも悪いのか?)
そう思ったアムロはプルCの前に行き、その場にしゃがみこんだ。
身長差で無意識的に威圧にしないように相手より目線を下にするためだ。
「どうしたんだい?プルC」
アムロはプルCの顔を見上げて微笑みながら優しく頭を撫でた。
「あの、その…。」
プルCの顔はシャア専用と冠された幾多の機体よりも真っ赤になっていた。
「…『ほう、いい大尉!ウホ!』…」
プルCはアムロの顔を見てそれだけ言うと、通常の3倍という特殊能力を持つ赤い男です
ら全く話にならない速さでその場から消え去った。
「はっはっは、貴様も隅に置けんな。」
その様子を見ていたシャアが、グラスを傾けながら上機嫌でアムロを嘲笑う。
アムロは直接的にシャアが悪いのではないのは分かっていた。
今日のシャアにはそんなことを吹き込む余裕はなかったからだ。
そもそもプルCはシャアに言われたくらいでこんなことを言う娘ではない。
しかし…
「シャア!もとはといえば貴様が!!!」
「ちょ、アムロ?え、ま、うわなにするやめr…」
白い悪魔は自分の中に沸きあがる何ともいえない感情をシャアにぶつけるしかなかった。

57:通常の名無しさんの3倍
05/12/16 14:30:01
GJ!!
笑わせてもらった。

自分も何か書きたいんだが、こんな上手くいかんよ。


58:通常の名無しさんの3倍
05/12/16 16:04:04
書いて下さい

59:通常の名無しさんの3倍
05/12/16 18:54:47
んー…なんでだろ?
なんだかGJといいたくない気分…
半過疎スレで投下してくれるのは非常にありがたいんだが…
ごめん、スルーしようと思ったけど思わず書き込んでしまった。
今は反省してる

60:通常の名無しさんの3倍
05/12/16 19:06:53
何がそんなに気に入らんのか言いたい事ハッキリ述べるか、書かなきゃいいだろ

職人さんGJ!H、何を見たんだ・・・

61:通常の名無しさんの3倍
05/12/16 19:17:18
GJ!
あの台詞の次の瞬間シャアが真白になったような気がしましたよ。

62:通常の名無しさんの3倍
05/12/16 20:50:14
漏れは普通に面白かったが?

63:通常の名無しさんの3倍
05/12/17 00:12:13
むしろどこがダメだったのかに興味があるんだが。
あんまりプルズがシャアを弄るのはイヤとか?

つか、よくそんなにガンネタ絡みの回文考えたなw


64:通常の名無しさんの3倍
05/12/17 00:19:17
そういや昔、カイ・シデン、弟子以下。ってスレあったな
今はもうああいうスレないのかね
優れた回文のオンパレードですごいスレだった

65:通常の名無しさんの3倍
05/12/17 01:39:20
ずっと昔、ジャンプ放送局に、たけやぶやけたというPNで投稿してた常連がいたのを思い出した。
それだけ。

66:通常の名無しさんの3倍
05/12/17 11:35:28
      r'⌒⌒⌒'、    な~ん~で~も~3倍で
   \( ミ""メ""ミ ) ./ 解決するぜ
    \▼Д▼ノ/    クワトロジンジンジン♪
      ⊃ \ |⊃
     丿\ 丿
     ∪  つ  
     /     ヘ 

夢見る14歳、体は3x歳♪
ザンダクロスが何で白色か知ってるか?金だと百式だからー!
お若い人今日は泊まっていきなはれ、旨そうな肉が手に入ってねぇ、ん?何の肉かって?それはなぁ…
SPAMだよ!
普通、普通、普通!

あーあ何処いっちゃったんだろアルテイシア

はいクワトロテレホン、何ぃあと5秒でアクシズが落ちてくるって?早く言ってよね。
それを防ぐためには青年に手品をさせるしかない?
よし、何でもいい、手品を、4、3、2、1…
グワー、グワー、グワー!
(コロニーレーザー内でも)死んでなーい!
まったく、この怪傑クワジンが通常の3倍で解決したからよかったものの。


…ごめんなさい、友人がこんなものを作っていたのでつい貼ってしまいました。

67:通常の名無しさんの3倍
05/12/18 21:21:18 4d0/BhiM


68:通常の名無しさんの3倍
05/12/18 23:30:01
しゅ

69:通常の名無しさんの3倍
05/12/19 00:12:00
このスレのシリーズをROMってて思ったこと、それは・・・
良スレにも程がある!

70:通常の名無しさんの3倍
05/12/19 01:02:57
いや!無いね

71:通常の名無しさんの3倍
05/12/19 03:19:34
いい話が多いな…感心したよ。
νガンにプル乗ってるとか言うスレはクソだが

72:通常の名無しさんの3倍
05/12/19 09:47:44
そーいう他を貶めるような発言は控えた方がいい。荒れるもと。
実際二行目は蛇足。

73:通常の名無しさんの3倍
05/12/19 13:35:12
スマソ
以後気を付けます…

74:通常の名無しさんの3倍
05/12/20 02:09:13
おれ、そこの姉妹スレだと思ってた。
今はあまりないけど昔はちょこちょこリンクネタあったし。

75:通常の名無しさんの3倍
05/12/20 02:14:38
デフォで姉妹スレかと思ってますた

76:通常の名無しさんの3倍
05/12/20 02:32:31
もともとは二つともSSスレじゃなくて関係も全くなかったけど、
SSが投下されるようになると月光蝶氏がまとめサイト作ってくれて
そのサイト上でリンクが貼られるようになったのがきっかけだと思う。
一応そのサイト上では姉妹スレという紹介になってるし、コアなネタ
がリンクしてるから姉妹スレという理解でいいんじゃない。
そういえば月光蝶氏は何をなされているのだろう…?


77:通常の名無しさんの3倍
05/12/20 02:40:51
最近、密室に閉じ込められたプルツーとシャアも面白かったりした。

78:通常の名無しさんの3倍
05/12/20 05:53:41
月光蝶氏、忙しいみたい。
早く帰ってきてくれないかなー

79:通常の名無しさんの3倍
05/12/20 22:39:37
でもここって恵まれてるスレだよなァ
職人は殆ど途切れないし、上質な保管庫もあるし、ネタを振る住人も多い

80:通常の名無しさんの3倍
05/12/21 07:12:46
しかしその一方でネタが出なくて苦しんでる人間もいるのですよドゥーフフフ
…いやまぁ無理してひねり出すもんでもないってのはわかってるんですけどね。

81:通常の名無しさんの3倍
05/12/21 21:17:19
それはそれで!!
いつか書いてくれるであろう職人のストックがあると考えれば!!

82:通常の名無しさんの3倍
05/12/23 15:38:45
X・マス「・・・にいさん・・・」

83:通常の名無しさんの3倍
05/12/23 22:58:12
クリスマスネタwktk

84:アクシズの囚人
05/12/24 00:11:58
クリスマスSS投下です。
なつかしい小ネタを幾つか使わせていただきました。
長文ですが、よろしければお付き合いを。

85:虹色のクリスマス(1/15)
05/12/24 00:13:58
U.C.009X 12/24 PM15:00 プロローグ

「突然だが、諸君らに残念なお知らせがある。」
心地よい喧噪に包まれた食堂に、突如我らが赤いダメオヤジことシャアの声が響き渡った。
おやつのプリンを美味しそうにほばっていたプル達が、驚いて一斉にその声の主であるシ
ャアに注目する。
シャアは深刻そうな表情を浮かべている。
アムロも力なくうつむいているようであった。
それを見たプル達はいいようのない不安を憶えたが、シャアの次の発言に備え、息を呑む。
「諸君らも知っての通り、ここアクシズは漆黒の宇宙の中を漂っている。もうしばらくす
れば木星圏に到着するが、言うまでもなく地球は遥か彼方にある…。」
シャアの発言内容とその言い回しに、プル達はいっそう不安を強くした。
食糧危機、エネルギーの枯渇、アクシズ航路の重大な障害…。
プル達の頭の中に、さまざまな深刻な事態が駆け巡った。
あまりの不安に、涙をうっすら滲ませるプル達も少なくなかった。
シャアは重苦しい雰囲気の中、言葉を続ける。
「実は…。」
シャアはためらいがちに一瞬の間を置く。
プル達ももう一度ごくりと唾を飲み込む。

86:虹色のクリスマス(2/15)
05/12/24 00:14:58
「実はアクシズが地球から遠すぎるので、今年はサンタクロースがやって来ないとの連絡
を受けた。」
シャアは一転していつもの軽い調子で言った。
「は…?」
プル達は思いも寄らないシャアの言葉にそろって目を丸くした。
すぐに気を取り直したプル達の反応はさまざまである。

「紛らわしい言い方をしないで下さい。」
「余計な心配してバカみたいだわ。」
【サンタクロースは現実にはいない】派のプルKやプルFが呆れたように呟く。

「えー、サンタさん来ないのー?」
「…、残念…。」
「マジかよ…。」
一方の【サンタクロースはいる】派のプルAやプルE、プルG、が口々に不満を漏らす。
どうやら彼女らにとってはサンタクロースが来ないことも深刻な事態らしい。

「今更そんなこと言われてもねー。」
「いつものことでしょ。」
【サンタクロースはいるけどアクシズのサンタはシャアとアムロが代わりにやっている】
派のプルDやプルBは分かりきっていると言わんばかりに囁く。

「わ、私は大佐がいれば…。」
【サンタクロースよりシャアが大事】派筆頭のプルJはぽっと顔を赤らめる。

「あら、7代目のサンタクロースさん、どうぞゆっくりしていって下さいな。」
電波娘プルHは誰にも見えない相手とクリスマスの話題で盛り上がっていた。


87:虹色のクリスマス(3/15)
05/12/24 00:16:02
「一応プレゼントは預かってあるんだが、運んでいる最中にうっかりいろいろなところに
ばら撒いてしまった。そこで諸君らに手分けして探してもらいたい。」
そう言うとシャアは名刺程度の大きさのメモをプル達全員に配った。
「そこにはプレゼントの在り処のヒントになる言葉が記してある。それを手掛かりにプレ
ゼントを探して欲しい。」

要するに昔懐かしい宝探しゲームである。
なぜこんな展開になったかというと、幾つかの深刻な―シャアにとってだが―理由が
あった。
限られた物資しかないアクシズにおいて毎年クリスマスプレゼントを用意するのは非常に
困難なことである。
アムロはジャンクに手を加えてそれぞれのプルの嗜好に合ったものを作ることができるが、
シャアはそのようなスキルを持ち合わせていない。
そのため、毎年シャアは探索で見つけたものや簡単に手作りできるものをプレゼントして
いる。
しかし今年は人数分用意できる見込みがなかった―正確に言えば数はなんとか確保でき
たが、それをプレゼントにするのはシャアのプライドが許さなかった―ため、アムロと
協力してプレゼントを用意することにした。
そこで、アムロがプレゼントを製作し、シャアはそのプレゼンターとしてできるだけ面白
い方法でプル達に渡す役割を果たすことになった。
そうして考え出された方法が宝探しゲームである。

「なお、クリスマスパーティーは18時に始めるからそれまでに必ず戻ってくること。
もし時間までに見つけられなかったら今年のプレゼントは諦めてもらうので、是非とも頑
張って見つけて欲しい。ちなみに、キッチンと食堂はアムロがパーティーの準備をするの
で邪魔をしないように。」
プル達がじっとメモに目を通しているのを確認しながらシャアが補足説明をした。
「それは少なくともキッチンと食堂にプレゼントは置いていない、という解釈でいいの?」
姉妹きっての理論家のプルIがシャアの微妙な言葉尻を捉えて質問した。
「プルIは賢いな。その通りだ。他に質問はないか?」
シャアは一同を見渡し、今回の「作戦」のルールがきちん伝わったかを確認する。
「それでは現時点を以て本作戦を開始する。作戦終了時間には必ず帰還すること。では解散。」
シャアは指揮官然とした口調で「作戦」の開始を宣言した。

88:虹色のクリスマス(4/15)
05/12/24 00:17:12
PM15:10 作戦開始

シャアの開始宣言を受けて、プル達はそれぞれ動き出した。
メモを見てすぐ分かったものはそのまま正解の場所に向かい、すぐに分からないものは自
分の部屋に一度戻ったり、食堂の椅子に座って考えたりした。

そんな中、プルEが赤いダメオヤジの正面に立ってその顔をじっと見上げていた。
「プルE、何か質問かね?正解は教える訳にはいかんがな。」
シャアは優しく話しかけたが、プルEは相変わらず無言でシャアを見つめ続けた。
(ええい、あいかわらずまったく読めないな…。)
シャアはプルEの考えが全く分からないまま苦笑いでプルEの前に立ちすくんでいた。
視線を移し、しばらくシャアの腹部をじっと見ていたプルEは突然シャアの上着を捲りあ
げた。
「な、何を!」
シャアは突然の出来事に言葉を失った。
「…、ない…。」
プルEは残念そうに呟いてすぐに食堂を後にした。
プルEの後ろ姿を見ながら、シャアはプルEに渡したメモの内容を思い出した。
「あ、『赤い彗星の腹の中』…。」
シャアはヒントを捻りすぎて、ある意味直球だったことに今更ながら気付いた。
ちなみに、シャアが素っ頓狂な声を発したのとほぼ同じタイミングでキッチンからも悲鳴
が上がった。
『白い悪魔の腹の中』というメモを握り締めたプルCが顔を真っ赤にしながらアムロのシ
ャツを捲りあげたのである。
プルCも、プレゼントがないことを確認すると気恥ずかしそうに猛スピードで食堂から出
て行った。
なお、ヒントの内容を知らされてなかったアムロがすぐにシャアに恒例のマウントポジシ
ョンで制裁を加えたのは言うまでもない。

89:虹色のクリスマス(5/15)
05/12/24 00:18:07
PM15:30 二人の少女と二つのハロ

「あ、ハロいたー。」
プルAは廊下を転がっていたハロを見つけるとすぐに抱きかかえた。
「ねえハロ、虎ハロはどこにいるか分かる?」
プルAと行動を共にしていたプルBが尋ねた。
「トラハロ、トラハロ、コッチ、コッチ。」
ハロはハロ同士で使われている通信回線を開くと、虎ハロの現在地をすぐに確認し、二人
を案内した。
なお、二人が渡されたヒントは、プルAが『緑色の球体』、プルBが『縞の球体』であっ
た。
まだまだ時間に余裕があるので、ハロのゆっくりとした動きに焦ることもなく、二人は先
導するハロにのんびりと談笑しながらついていった。
1時間ほどして、ようやく虎ハロを見つけることができた。
プルBは虎ハロを抱きかかえると、プルAと目を合わせる。
正解の場所に辿り着いたら大きな声で正解を発表せよ、先ほど受けたシャアの説明を思い
出す。
二人はゆっくりと大きく息を吸うと、声を合わせて叫んだ。
「正解は『ハロ』」
「正解は『虎ハロ』
すると、それぞれのハロは耳の部分(?)を開けて、マニュピレータで掴んでいる小さな箱
のようなものを差し出した。
「なんだろう、これ?」
二人はそれぞれのハロから受け取り、メッセージカードで自分宛てのものだと確認すると
包みを開けた。
「『E』…?間違ってるよ、これ…。」
プルAは中身の小さな金属製のプレートを手に取ると、そこに大きくかたどられた『E』
の文字を見て不満そうに呟いた。
「わたしのは『R』だよ。」
同じく小さな金属製のプレートを手にしたプルBが、隣で不満そうにしているプルAに不
思議そうに言った。
少なくともイニシャルではないということは分かったが、二人は首をかしげながら、とり
あえず食堂に戻ることにした。

90:虹色のクリスマス(6/15)
05/12/24 00:19:04
PM15:50 恋する乙女の憂鬱

プルJはヒントのメモを握り締めながら真剣な顔である場所に立っていた。
その場所とは、赤い独身ダメオヤジの住むボロアパート、ではなく、シャアの部屋のドア
のすぐ目の前である。
プルJはヒントを見た瞬間にその答えがわかった。
『世界一素敵な男のプライベートルーム』
むしろプルJ以外にはわからないヒントであるが…。
プルJは「作戦」の開始を告げられると一目散にシャアの部屋に向かった。
しかし、緊張のあまり立ち入ることができず、ドアの前でかれこれ30分は立ち尽くして
いるのだ。
意外なようだが実はプルJはひとりでシャアの部屋に入ったことはなかった。
プルたちの中でシャアの部屋には絶対にひとりで立ち入らない、ということが暗黙のルー
ルになっていたし、プルIと淑女協定を結んでからは、どちらかが用事があるときは必ず
二人でシャアの部屋に入ることにしていたからである。
今回はシャアが部屋にいないことは明白なので淑女協定に反することはないが、ひとりで
入ることにひどく緊張していたプルJはためらっていた。
ようやく決心がついてドアを開けるにはそれからさらに30分要する事になった。

意を決して正解の『大佐の部屋』を口にして中に入る。
すると、机の上にメッセージカードの添えられた小さな包みが置いてあった。
もちろん、プルJ宛てのプレゼントである。
包みを開けるとまたしても小さな金属製のプレートだった。
「『T』…?」
記された文字の意味に全く検討がつかないまま、プルJはシャアの部屋を後にした。

91:虹色のクリスマス(7/15)
05/12/24 00:20:04
PM16:00 格納庫にて

先ほど食堂で騒動を起こしたプルEとプルCは、MSの格納庫に来ていた。
食堂をほぼ同時に後にした二人は、似たようなヒントを持つもの同士、知恵を出し合うこ
とにした。
そしていろいろと相談した結果、アムロとシャアの愛機のコクピットではないかという結
論になったのだ。
まず先にプルEがサザビーの腹部のコクピット―本来のコクピットは頭部だが、修復す
る際にプル達用の予備のコクピットがつけられた―の開閉レバーに手を掛ける。
「…、開かない…。」
手順に間違いはないはずなのにコクピットが開く気配がない。
無言で何度も試しているプルEを見て、プルCはシャアの説明を思い出した。
「プルE、正解を大きな声で言わないといけないのよ。」
「『サザビーのコクピット』…。」
プルCのアドバイスを受けて、プルEは正解の言葉を口にした。
いつもよりは大きいが、他のプルが普通に喋るよりも小さな声で。
「…、あった…。」
プルEは小さな包みを手に取るとすぐに中身を取り出した。
「…、『C』…。」
プルE宛てのプレートにはその文字が刻まれていた。
「わたしのと間違えて逆になったのかしら。」
プルEのプレートを見てプルCが呟く。
しかし、プルCの予想は外れていた。
νガンダムのコクピットから自分宛ての小さな包みを取り出して中身を確認すると、
「わたしのは、『R』?」
金属製のプレートにはそう刻まれていた。

92:虹色のクリスマス(8/15)
05/12/24 00:20:55
PM16:30 悩める少女

「ダメだ。全然わかんない…。」
プルGは自分のベッドに座ってヒントのメモを穴が開くほど見ながら、悔しそうに呻いた。
自分に与えられた「仕事」には全力を尽くす、それがプルGの信条だった。
そんなプルGだから、なんとか自力で解決しようと部屋に誰もいないことを確認して部屋
に籠もって考えているのである。
しかし、考え始めてから優に一時間は経っているが、一向に解ける気配がなかった。
ちなみにプルGに与えられたヒントは『シャタアノウエタン』、その言葉の傍らには狸の
顔が描いてあった。
旧世紀の小学生ですら考えないなぞなぞである。
「シャッター・ノー・エタン…、エタンのないシャッター?シャッターの上に痰?」
プルGは思いついたことを次々と口に出していく。
どうやら難しく考えすぎているようである…、彼女の体面のためにもそういうことにして
おこう。

しばらくすると、それぞれ小さな包みを手にしたプルDとプルLが部屋に入ってきた。
「二人とももう見つけてきたのか?」
プルGが少し悔しそうに尋ねる。
「うん。」
「ええ。」
プルDとプルLが口をそろえて答える。
ちなみにプルDのヒントは『アクシズNo.1アミューズメントエリア』で正解は『シュミレ
ータールーム』、プルLはヒントが『ガラクタ置き場』で正解は『アムロの部屋』だった。
なお、この二人が手に入れたプレートの文字は、プルDが『Y』、プルLが『A』である。
「可愛いタヌキの絵だね。」
プルLがプルGのヒントを見て呟いた。
「タヌキ…?あたしはてっきり不細工なネコか何かだと思ってたよ。あ!!!」
プルGは話しながらようやく絵の意味に気付いた。
「プルL、ありがとう!」
プルGはそう言うと足早にある場所に向かった。
その場所はもちろん『シャア農園』である。

プルGはシャア農園に入るとすぐに自分宛ての小さな包みを発見した。
そして彼女のプレートには、またも『R』の文字が刻まれていた。


93:虹色のクリスマス(9/15)
05/12/24 00:21:47
PM17:00 聖夜の星空

プルHは静かに星空を眺めていた。
「素晴らしい眺めだと思わない?」
すっかり仲良くなった7代目のサンタクロースに、プルHはそう話しかけた。
彼は優しく微笑みかけると、ゆっくりとうなずいた。
彼はそれからまたいろいろな話を始めた。
一晩で世界中を回らなければならないという苦労話。
新人時代、ベテランのトナカイに叱られたり諭されたりしたときのエピソード。
そして、自分の人生を世界中の子供達の笑顔にささげたという自負。
彼はひと通り話し終えると、プルHに丁寧に礼を述べて満足そうな表情で消えて行った。
「こちらこそ、楽しいお話をどうもありがとう。」
プルHは、他の姉妹はもちろん、シャアやアムロにも見ることのできない存在に礼を述べ
ながら見送った。
(どうして自分だけにしか見えないものがあるのだろう…?)
プルHは星々の弱い光が差し込む静寂な空間で、改めて自分の能力とアイデンティティに
ついて思いを巡らせてみた。

「あ、そろそろ戻らないと。」
しばらくしてから時計を見るとパーティーの時間が迫っていた。
(久しぶりに独りきりになったせいね…。)
少し感傷的になっていたプルHはそう独り言ちると、『I』と刻まれたプレートの入った
小さな包みを手に、『星の見える場所』の『天体観測室』を後にした。


94:虹色のクリスマス(10/15)
05/12/24 00:22:42
PM17:45 史上最大の謎 

「全く子供だましもいいところだわ。」
「まぁまぁ、シャアもいろいろ考えてくれているわけですから。」
それぞれ小さな包みを手にしたプルFとプルKがそう話しながら食堂に入ってきた。
なお、プルFは『選択する場所』―いうまでもなく「洗濯」とかけている―の『ラン
ドリー』で『H』のプレートを、プルKは『かつての銀世界』こと『第2シャア農園』で
『M』のプレートをそれぞれ見つけてきた。

「プルIのプレゼントは何でした?」
プルKは食堂の椅子に黙って座っているプルIに声を掛けた。
「いや、まだ…。」
アクシズの姉妹きっての才媛にして、雄弁なシャアと互角に渡り合える理論家のプルIは
珍しく力ない返事をした。
実はなんと、プルIはヒントが解けず2時間半以上その場を動いていなかったのである。
「プルI、よろしければ私にもヒントを見せていただけないかしら?」
どれほど難しいヒントなのか気になったプルFがプルIからメモを受け取った。
「何かしら…?」
プルFの頭の上にも大きなクエスチョンマークが浮かんだ。
「ふふふ、確かにこれは難しいかもしれませんね。」
一方の、プルFの脇から覗き込んでいたプルKが、どことなく上から見ているような態度
で言う。
「たくさんの本を読んでいる博識な貴女なら分かると思うんですけど。」
プルKは切れ者のプルIが手こずっていたヒントを一瞬で分かったことに少し誇らしさを
感じながら言葉を続けた。
「プルK、分かっているなら教えて。お願い。」
普段なら自分で納得するまで思考するプルIだったが、タイムリミットが迫っていたので
形振り構っていられなくなっていた。
「プルIなら分かると思いますけど…。」
プルKは答えを教えて良いものか迷った。
「お願い、あとで必ず何かお礼をするから。」
「分かりました…。答えは『お風呂』です。」
プルIの必死の懇願で、結局プルKは答えを教えることにした。
「ありがとう、プルK。」
プルIはそう言いながら大急ぎでお風呂場に向かった。
ちなみにプルIに与えられたヒントは『上は洪水、下は大火事』だった。

95:虹色のクリスマス(11/15)
05/12/24 00:23:37
PM17:55 プルIの決断

「どうしてお風呂なの?」
すぐ隣で答えを聞いたプルFは納得していない様子だった。
「アクシズではお風呂は専用のヒーターで温めているけど、もともとお風呂は水を溜めた
大きな鍋を下から火を焚いて温めたものですから。」
「なるほど、上は洪水のように大量の水があって、下は大火事のように火が燃えているっ
てことね。」
文学が好きで実は地球の文化に詳しいプルKの説明を聞いて、プルFはすぐに納得した。

プルIは全速力でお風呂場に走ってきた。
時計を見ると17時55分、どうやらギリギリ間に合ったようだ。
正解を言ってすぐにプレゼントを手に入れようとしていたが、少し息を整えると次第に落
ち着きを取り戻してきた。
(自分で答えを見つけられなかった私には、プレゼントを受け取る資格なんてない…。)
呼吸も落ち着き、完全に冷静さを取り戻すと、今度は無性に悲しくなってきた。
涙に滲んだ瞳を通して時計を確認する。
17時59分50秒。
(今年の私はいい子じゃなかったからサンタさんにプレゼントがもらえないんだ。)
珍しく子供っぽい考えがプルIの頭の中をいっぱいにする。
…56、57、58、59、18時―作戦終了時刻―
(早く帰らないと。パーティーに遅れたらみんなに迷惑をかけてしまう。)
振り返ってお風呂場のドアを背に一歩踏み出した瞬間、後ろからドアが開く音がした。

「シャア!?」
背後の音が気になって振り向くと、お風呂場の入り口にサンタクロースに扮したシャアが
立っていた。
「18時になると自動的に開くようにしてあったのだ。」
実は今回の宝探しゲームを円滑に進行するため、ある装置が用意された。
プル達が手当たり次第に探してほかの姉妹の分のプレゼントを偶然見つけてしまわないよ
うに、正解の場所全てにアムロ特製音声認識式マルチ錠前がセットされていたのだ。
このため、正解の場所で答えを口に出さないと開かないようにしてあったのである。
なお、ゲーム終了後に正解に該当する場所が使えないと不便であるので、18時には自動
的に解除される仕組みになっていた。

96:虹色のクリスマス(12/15)
05/12/24 00:24:29
PM18:00 サンタのお願い 

「シャア、どうしてここに…?」
「プルIが最後のひとりだったからな。折角だから手渡ししてあげようと思ってな。」
シャアはそう言うと、背負っている白い大きな袋から小さな包みを取り出した。
実際、シャアはプル達全員の様子をこっそり陰から見守り、プルIを除く11人がプレゼ
ントを手にしたのを確認すると、プルIに先回りしてお風呂場で待ち構えていたのだ。
「もちろんこれはプルIのためのものだ。」
シャアはその包みをそっと差し出した。
「いらない…。私はもらう訳にはいかない。」
プルIは悲しそうな表情で目の前のものを拒んだ。
「ひょっとして時間切れを気にしているのか?なに、所詮は遊びだからそれほど固く考え
る必要はない。」
「私は自分では正解に辿り着けなかった…。だからもらう資格がない。」
なだめるシャアに対し、プルFがさらに強く拒む。
「もらってもらわねば困るな。プルIに解けないヒントを与えて困らせてしまったのは、
この私だ。だからこのままでは、プルIにだけ意地悪してプレゼントを渡さなかった私は
サンタクロースに悪い子だと思われてプレゼントをもらえなくなってしまうのだ。」
シャアは、意固地になっているプルIに対してわざと子供っぽく言ってみた。
「仕方ない。シャアのためにもらうことにする。」
プルIは笑顔でその包みを受け取った。
もちろん、シャアのうわべだけで引き下がるプルIではない。
ヒントが解けないプルIが悪いのではなく、解けないヒントをつくった自分が悪い、と別
の結論を示すことで、ようやくプルIは納得してくれたのだ。
「『S』?」
プルIは包みからプレートを取り出すと不思議そうにそこに刻まれた文字を読んだ。
「プルI、そろそろ戻らねばパーティーに遅れるぞ。」
シャアはいろいろと思案しているプルIの肩を叩いて、食堂へと急いだ。

97:虹色のクリスマス(13/15)
05/12/24 00:25:33
PM18:20 本当のプレゼント

プルIとシャアの戻りが遅かったため、クリスマスパーティーは予定から少し遅れて始ま
った。
いつのまにか壁や天井にクリスマスの飾りつけがなされ、食卓にはアムロお手製の豪華な
食事が並んでいた。
スパムハンバーグ、スパムシチュー、スパムサラダ、スパムとトマトのオープンサンド、
さらにプル達には缶詰の高級食材がふんだんに使われた豪勢な料理も供されている。
「おいしーねー。」
「うまい。」
「毎日がクリスマスならいいのにね。」
プル達は普段とは比べ物にならない豪華な料理に夢中になってかぶりついている。
「なんとか第一段階は完了したな。」
「ああ。」
大人二人はプル達に聞こえないようにひっそりと今後の確認をしていた。

食事があらかた片付くと、プル達はクリスマスソングを歌ったり、互いのプレゼントを見
せ合ったりした。
そこで見せ合ったプル達は、バラバラなプレートの文字にさらに頭を混乱させてしまった。
「さて諸君、こちらに集まって欲しい。」
不意に、リビングのソファに座っていたシャアがプル達を呼んだ。
「実はこれからが本当のクリスマスプレゼントなのだ。」
プル達はシャアの言葉に期待を膨らませて、揃ってシャアの前に集まった。
「諸君、プレゼントのプレートは持っているな?」
シャアはそう言って全員がプレートを取り出すのを確認する。
「ではそのプレートをもって、名前の順に並んでもらいたい。プルAが私の隣だ。」
シャアがそう指示すると、プル達は素直に迅速に整列した。
シャアを基点として隣にプルA、そして最後尾のプルLの隣にはアムロがやってきた。
アクシズ一家14人が一列に並んでいる、非常に珍しい光景である。
「次は文字の刻まれている側を手前にして、そのプレートをつなげてくれ。」
シャアの指示に、たちまち12枚の小さなプレートが1枚の細長い板になった。
同時に、シャアとアムロがそれぞれプル達のもっているプレートと同じサイズのプレート
を取り出す。
ただ、金メッキされているプル達のとは異なり、シャアのは赤、アムロのはシルバーでカ
ラーリングされていた。
「手に入る物資の差が、プレゼントのありがたさの決定的な差でないことを教えてやる!」
シャアが微妙に分かりづらいことを口走ると同時に、大人二人はプレートをそれぞれ「板」
の両側に接続し、さらに照明を落とす。

98:虹色のクリスマス(14/15)
05/12/24 00:27:10
一瞬の暗闇の後、壁に光輝く文字が映し出される。
「わー。」
プル達はそこに浮かび上がった文字を見て、ようやくプレートの意味を理解するとともに、
幻想的な光景にうっとりとなって歓声をあげる。
「さ、自分のプレートの文字を読んでごらん。」
プル達の反応に大満足のアムロがそっと促す。

シャア「M」
プルA「E」
プルB「R」
プルC「R」
プルD「Y」
プルE「C」
プルF「H」
プルG「R」
プルH「I」
プルI「S」
プルJ「T」
プルK「M」
プルL「A」
アムロ「S」

「MERRY CHRISTMAS!!!」
二人の大人も含め、全員が自分のプレートの文字を読み終えると、最後にそろってクリス
マスのあいさつを交わした。
「綺麗だね。」
壁に映る、間断なく七色に変化している文字を見て、プル達の誰かが感嘆の言葉をあげる。
「あたしのとプルCの取り替えても同じだね。」
隣同士、同じ文字であることに気付いたプルBがプルCにそっと呟く。
「いや、実は順番通りに並べないと光らない仕組みにしてあるんだ。」
耳聡くプルBの話を聞いていたアムロが口を挟む。
むしろ誰かがその話題を口に出すのを待っていたのだ。


99:虹色のクリスマス(15/15)
05/12/24 00:27:58
「いいかい、このアクシズでは…。」
「ここ、アクシズでは我々家族14人全員が力を合わせないと生きていけない。」
アムロが話し始めた矢先に、シャアが強引に話の主導権を奪う。
驚いたアムロはシャアを睨みつけたが、シャアの後で出番をつくるからここは自分に任せ
てくれと懇願するような目を見て、この場は引き下がることにした。
「14人全員がそれぞれの力を発揮することで、このアクシズの生活は成り立っている。
ただ、当然その中には他の者と同じような役割で貢献している者もいる。だからと言って
その者たちに代わりは利くと言えるだろうか?答えは否である。同じ役割とは言え、それ
ぞれが個性を発揮してその者にしかできない貢献をしてくれているのだ。そこで、このよ
うな想いを込めて、今回のプレゼントを用意したのである。」
シャアは満足気に得意の大演説を披露した。
「つまり、オレたちは14人でひとつの家族だけど、誰一人代わりをすることができない、
ひとりひとりが大切な存在だって気持ちをこのプレゼントに込めたのさ。」
アムロが優しい口調で分かりやすく補足する。
「もちろん、このプレートを作ったのはオレだけど、発案したのはシャアだからオレがそ
んなに偉そうなことは言えないけどね。」
アムロにおいしいところを持っていかれたと感じたシャアの恨みがましいプレッシャーを
察知して、アムロは慌ててフォローを入れた。
普段はシャアのフォローをほとんどしないアムロであるが、クリスマスくらいはシャアに
も良い事があっていいだろう、そんな気持ちもあったためだ。
「アムロ、シャア、ありがとう!!!」
本当のクリスマスプレゼントに大感激のプル達は、アムロとシャアに一斉に飛びついた。

ずっとこの娘たちと一緒に過ごしたい…。
彼女たちに外の世界へ羽ばたいてもらいたい…。
二人の父親はこの相反する感情で複雑な気分を抱えながらも、とりあえず今日のところは
年に一度の聖なる夜の宴を楽しむことにした。
「メリー・クリスマス。」


U.C.009X 12/24 PM21:00 アクシズ航路に異常なし


100:アクシズの囚人
05/12/24 00:29:40
アクシズ一家の人数とクリスマスのあいさつの文字数が偶然ぴったりだったのでこのネタ
が思いつきました。
ちなみに、アムロが『S』でシャアが『M』になったのも全くの偶然ですw
せっかくのクリスマスなので全員に登場の機会を、と思いましたがかなり偏りがでてしま
いました…。
次回作は未定ですが、ネタはあるのでそのうち投下できると思います。

それではアクシズスレ住人の皆様、Merry Christmas!

101:通常の名無しさんの3倍
05/12/24 00:36:50
>>84-100
途中でひょっとしてとおもったのですが、こんなに綺麗に収まるとはクリスマスの奇跡ですね。
アクシズの囚人さん有り難う。
そして、このスレ住人の皆様にメリークリスマス。

102:通常の名無しさんの3倍
05/12/24 00:43:56
面白かった!! GJ!!
ありがとう、アクシズの囚人氏

そしてMerry Christmas、お前ら!!

103:102
05/12/24 00:45:28
リロードせずに書き込んだら101とほぼ同じ内容だった(・∀・)

104:通常の名無しさんの3倍
05/12/24 00:57:07
>>84->>100
相変わらずの敏腕ですね!!
素晴らしいネタでした!
アクシズとこのスレの住人にちと早いがメリー・クリスマス!

105:通常の名無しさんの3倍
05/12/24 01:06:20
>>84-100
ネ申

106:通常の名無しさんの3倍
05/12/24 21:56:40
すごく素敵なクリスマスプレゼントを貰った気分
GJ!>>100

107:通常の名無しさんの3倍
05/12/25 17:44:06
Gj

108:通常の名無しさんの3倍
05/12/25 19:35:17
素晴らしい作品をありがとう職人さん、最高です。
一人で過ごしたクリスマスですが、この作品に出会ってそれも
報われた気分です。ありがとう!

109:通常の名無しさんの3倍
05/12/26 07:25:08
なんかクリスマスも過ぎて言うんもなんだけど…GJ!!

110:通常の名無しさんの3倍
05/12/26 19:02:38
こんな大作の後じゃ気が引けるほどの大作だった、GJ!!

111:通常の名無しさんの3倍
05/12/26 20:04:07
>>110
スレッガーさんかい?意味が分からないよ!!

112:通常の名無しさんの3倍
05/12/26 23:20:15
シャア「プルG、アムロのマウントに対策を練っているのだが、
少し練習相手になってくれないか?」
プルG「おっ面白そうだな、よし付き合うよ。」

・・・・・・・
プルG「痛たた!ギブギブ!」
シャア「む、すまんな。フフフしかしこれでアムロ如きに易々と
マウントポジションを取られはせん、
シャア専用マウント抜けとでも名付けようか…フフフ」
アムロ「シャア、いるか?献立と野菜の事で……シャアァ!きっさまぁぁあっ!」
プルG「ア、アムロ!これは違うって…!」
シャア「心配無用さプルG!来いアムロ!私の新必殺技の威力を教えてやる…
ってうわなにするやめ…ぐはぁっ!」



シャア、またもや逆襲ならず

113:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 00:03:00
プルH「新スレになってほとんどAAがなくて少し物足りないわね。」
プルJ「プルH、なんの話?」
プルH「ううん、なんでもないわ。(ボソ)マウントポジションのAAとかね、シャア(チラ)」
シャア「まぁ職人さんたちも忙しいのだろう。(なんだこのプレッシャーは…)」

114:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 00:06:38
我々の期待を裏切らない総帥GJ。

シャアズ ビリービング アワズ プレイ プレイ!!

115:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 01:00:04
 / ̄ ̄/_7_7 __/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7
..  ̄ .フ ./  /__  __  / ./__  __  / ./__  __  /  /__  __  / /__  __  /    _
 __/  (_ _./  //  /  ._./  //  /  _./  //  /   _./  //  / . _./  //  / _7_7 / /
/__.ノゝ_/ |_ノ |_/.    |_ノ |_/  . |_ノ |_/   |_ノ |_/   . |_ノ |_/    ノ_/
             \\\              //
             \ \ \\\  r'⌒⌒ヽ    ///  //
              \ \  (⌒\ ( rνyy'ソ⌒レm)///          ご期待にお答えするッ!
             \\ (mJ \ ヽヽヾ#゚Д゚ノ/ レm)レm)/    
             \\ \\(mJ(mJ∩]¶[ イレm)レm)レm)/     
           (´⌒;; \\ (mJ(mJ(mJ| .|/ノハλ) //レm)/;;⌒`) ;;⌒`)
 (´⌒;;   (´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;/(mJ(mJ#Д▼||l レm)/;;⌒`);;⌒`)       ちょwwwさっき殴ったばっqあwせdrftgyふじこlp」
  (´⌒;; (´⌒;; \从从从从从(___へ_ノ ゝ__ノ从从从从从//;;⌒`);;

116:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 01:10:37
プルJ「アムロ、理由もなく大佐を修正するなんてひどすぎます!」
プルD「おー、やってるねー。」
プルE「なんか懐かしい…」
プルH「(ぼそ)やっぱりこのスレはこうじゃないとね。うふふ…。>>115さん、ありがとね(ちゅ!)」
プルC「また電波飛ばしてる…」

117:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 04:37:34
ええい! やられてばかりではないのだよっ!
        _, -=''"" ̄ ̄""=―,.、    
      _〆、              ̄=.、
     /                    - ,
     >                     丶                   '
    :"  .__=__             ヽ         r'⌒⌒'、  /
   /  /   | |r'⌒  ̄=--_         ゞ   .'  /,(  rν),;:"
  /〆" /E).| |(ミ"""メ""ミ  `ヽ        |; .∴ '    ( ヾ ゚ノ
 /   ( /_/ |ヾ#▼Д▼ノ     \      ミ ・,‘`,;:;"ノ"  _/ /`,;:+"
     ヽ ミ  |ヽ,-  ⌒ヽ ,_     ミ     |i`,";:*`,.`゚y'⌒  ⌒ヽ`;:,"`;:,
       ̄| ミ   人ヽ Y(三)   ヽ    |:";:;+,`;:,ゞ,; /  ノ |  丶
        |  |   / \_ノ     》   ij  `,;:",`,+;:"、,/´ヾ_ノ,;`,、,.`;:
        ヽ ヽ  |          i|   |i   ./ ,"+,:`,;:":,+`;:;,`"`+ゞ丶
        "ー- 、 |         i|   ミ / / /  ”‘`;:
           ヽ ヽ        ノ  / / / ,'       丶
            ヽ ヽ      / / /  /|  |         ヽ
            /  )     .//  !、_/ /   〉
          / /     /        |_/
         .| .|    ./
          \_|
              '
            /

   .\ゝ从//∠


118:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 12:31:14 RMkiXIEh
>>117
ジェノサイドカッターカッコヨス!

119:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 12:38:35
ハゲの作品てウジウジした男ばっか出てくる・・・
その代表が赤いおじさん・・・

120:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 12:46:16
スレタイに引っかかったのは久しぶりじゃないか?

121:通常の名無しさんの3倍
05/12/27 14:17:24
>>117
それはシャアが今はの際に見た幻だった…。
生涯の宿敵の容赦ない鉄拳の嵐の中で、彼は徐々に苦痛から解放されていく。
ある刹那を境に、彼は一切の負の感覚から解き放たれる。
いつか感じた暖かさ。
夢にまでみた宿敵への勝利。
そして、彼がその一生の最期において得た本当の家族の優しさ。
彼はかつてない穏やかな笑顔で次の世界へと旅立っていった。


プルF「こんなものかしらね。我ながら完璧!」
プルK「また閻魔帳ですか?」
プルF「今日はちょっと違うわ。最近作家になろうかな、って思って。これはその練習。」
シャア「何?プルKが作家になりたいだと?それならばこの私の輝かしい人生をモデルにしたまえ!」
プルK(何も知らないって残酷なことですね…)

122:通常の名無しさんの3倍
05/12/28 16:39:47
URLリンク(fd2.n1e.jp)

123:通常の名無しさんの3倍
05/12/28 17:43:53
>>122
▼Д▼ノハァハァ

124:通常の名無しさんの3倍
05/12/28 18:09:46
      r'⌒⌒⌒'、
     ( ミ""メ"ミ )
     ヾ#▼Д▼ノ
    /      )          _  /
   / ,イ 、  ノ/    ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _
  / / |   ( 〈 ∵. ・(   〈__ >  ゛ 、_
  | |  ヽ  ー=- ̄ ̄=_、  (/ , ´ノ \
  | |   `iー__=―_ ;, / / / >>122
  (!、)   =_二__ ̄_=;, / / ,'
      /  /       /  /|  |
     /  /       !、_/ /   〉
    / _/             |_/
    ヽ、_ヽ


125:通常の名無しさんの3倍
05/12/28 22:48:58 LUKV1Gf8
>>122
 / ̄ ̄/_7_7 __/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7__/ ̄/_/_7_7
..  ̄ .フ ./  /__  __  / ./__  __  / ./__  __  /  /__  __  / /__  __  /    _
 __/  (_ _./  //  /  ._./  //  /  _./  //  /   _./  //  / . _./  //  / _7_7 / /
/__.ノゝ_/ |_ノ |_/.    |_ノ |_/  . |_ノ |_/   |_ノ |_/   . |_ノ |_/    ノ_/
             \\\              //
             \ \ \\\  r'⌒⌒ヽ    ///  //
              \ \  (⌒\ ( rνyy'ソ⌒レm)///     
             \\ (mJ \ ヽヽヾ#゚Д゚ノ/ レm)レm)/    貴様は、貴様って奴は今年も終わりだというのに!!
             \\ \\(mJ(mJ∩]¶[ イレm)レm)レm)/     
           (´⌒;; \\ (mJ(mJ(mJ| .|/ノハλ) //レm)/;;⌒`) ;;⌒`)
 (´⌒;;   (´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;/(mJ(mJ#Д▼||l レm)/;;⌒`);;⌒`)   ちょwww待て書いたのは私じゃなあwせdrftgyふじこlp」
  (´⌒;; (´⌒;; \从从从从从(___へ_ノ ゝ__ノ从从从从从//;;⌒`);;


126:通常の名無しさんの3倍
05/12/29 00:35:08
>124
さりげに駄目男が父親してるじゃないか(´Д⊂ホロリホロリ

127:プルCの日記
05/12/30 00:08:51
U.C.009X 12/30

今日はみんなで協力して大掃除をしました。
いつもは31日に大慌てでやるんだけど、今年は31日にシャアが何か作ってくれるっていう
から早めに済ませたの。
12月31日は「オオミソカ」っていって、必ず食べないといけないものがあるんだって。
何かは教えてくれなかったし、シャアが作るからちょっと不安…。
でもアムロも笑顔で大丈夫だって言ってたからきっと大丈夫だよね。

そうそう、この前シャアからもらった立派なドレスの直しがやっと終わったよ。
4着あったから今月中に終わるか分からなかったけど、仕上がって良かった。
実は1着だけはわたしが大人になったときに着たいから、はさみを入れなかったけどね。
わたしもあんなドレスが着られるような立派な大人の女性になりたいな…。
そうだ、せっかくだから、元旦にわたしとプルEとプルLで新しいドレスのお披露目しようかな。
アムロはわたしを綺麗って言ってくれるかな…?うふふ。

明日も楽しい日だといいな。

128:通常の名無しさんの3倍
05/12/30 01:45:29
たしかにソレは痩せた土でも育つ…さすがに出汁は粉だろうな。

129:プルA
05/12/30 01:52:17
           チカラ
ねぇねぇ、オオミソ力って何?


130:通常の名無しさんの3倍
05/12/30 14:41:51
シャア専用室内にて…

シャア:えぇい!!出汁をとるのがこんなに難しいとは…だが、やってやれん事はない!!

131:プルCの日記
05/12/31 00:13:42
U.C.009X 12/31

今日で今年も終わり…、今年もいろいろあったなぁ。
さっきアムロに教えてもらったんだけど、「オオミソカ」って「大晦日」と書くんだってね。
「晦日」は月末って意味で、年末だから「大」をつけるって何か面白いよね。

そんなことより、今日は食べ過ぎちゃった…。
大晦日には「年越しそば」を食べるんだっていって、シャアが「そば」を作ってくれたの。
本当はそば粉で作るらしいけど、アクシズではそば粉が手に入らないからミノ粉で代用し
た「ミノそば」だったけどね。
シャアの話では、「年越しそば」は夜の12時までに108杯食べないといけないんだって。
108っていうのは「ボンノウ」っていう人間のもつ良くないものの数で、それを全てその
年の内に退治するために「年越しそば」を108杯も食べるらしいけど、誰がそんな風習を
考えたんだろう?
わたしも含め、ほとんどの姉妹は10~20杯くらいしか食べられなかったけど、仕方ないよね。
一応、4杯で1人前っていう量だったけど、108杯は普通無理よね。
アムロも、数よりも「年越しそば」を食べることそのものに意義があるって言ってたし。
まぁでもプルGは苦しそうなのにがんばって半分の55杯も食べてたし、プルEは平気な顔して
108杯ぺろりと食べてたから、できる人にはできるみたいだけど…。
来年はわたしも…、やっぱりやめとこう。
それにしても今日は珍しくシャアがいろいろがんばってたな。
せっせと手打ちで人数分のそばを作ってくれたし、そのあとはアムロと手分けしてわたしたちの
丼にそばをどんどん入れてくれたから。
おまけに顔中脂汗を流しながらだけど、おそばを108杯きちんと食べてたし。
しっかりしてるシャアって実はカッコいいかもね。
プルJやプルIが憧れてるのも少し分かる気がする。
でもわたしはいつもしっかりしてるアムロの方が…、ううん、なんでもない。

今年も家族全員元気に過ごせて本当に良かった。
また来年もみんなで楽しく過ごせますように。


132:アムロの日記
05/12/31 00:16:52
U.C.009X 12/31

今年も家族全員無事に過ごすことができた。
アクシズの航海も順調だし、水や食料、エネルギーの心配もなくなってきた。
年を追う毎に快適な環境になりつつあると思う。
いつもバカなことばかりしているが、実はあいつのおかげで安心して生活が送れるんだよな。
父親としての自覚もでてきたし、このアクシズはあいつにとって最高の場所なのかもな。
もちろん、オレにとってもだが。

それにしても今日は大変だった…。
あいつが「年越しそば」をプルたちに食べさせるなんて言い出したせいで。
また妙な本で変な知識を仕入れてきたようだが、「年越しそば」は本当に108杯も食べる
ものなのか?
どこかの大晦日の風習で「そば」と「108」という言葉が出てきた気はするが、その二つ
は直結してなかったはずだ。
まぁオレもうろ覚えなのではっきり否定はできないが。
そばはあいつが全て打ってくれたからいいが、それを茹でて、プルたちの丼に次々と投げ入
れるのは骨が折れたよ。
あいつが「丼が空になったらすぐにそばを投げ入れろ。丼に蓋をされたら負けなのだ!」
なんて言うし。
今改めて考えると、その食べ方はまた違う風習だと思うぞ…。
その後は小分けしたそばを入れた大量のお椀を洗わなければならなかったし、あいつが意地
で108杯食べて倒れたせいで、結局そば打ちの道具を全てオレが片付けるはめになったし。
でもプルたちも楽しんでたようだし、そばも思ったより美味かったから良しとするか。

とりあえず正月にまた妙な風習をさせられないように、あいつの本は全て没収しておこう。
全く、『世界年末年始大百科~男の喰らう蕎麦と餅~』なんてふざけたタイトルだな…。
あ、でも意外に面白いなこれ。

何だかんだで今年は楽しい一年だったと思う。
また来年も毎日みんなが笑顔でいられる一年にしたい。
来年もよろしく頼むよ、プルたち。
そして、シャア。

133:通常の名無しさんの3倍
05/12/31 00:35:27
アクシズ一家!よいお年を!

134:通常の名無しさんの3倍
05/12/31 01:06:08
シャアテラワロスw

今年も漂流お疲れ様でした、アクシズ一家の皆さん
職人さんも住人も良いお年を

135:通常の名無しさんの3倍
05/12/31 16:10:45
さすがシャアはよく物を知っている。
・・・・ちょっとまて、その本はマ様も垂涎の稀覯本、民明しょ(ry

アクシズ一家は来年も変わらず幸せそうだな。
住人の皆さんも良いお年を

136:通常の名無しさんの3倍
06/01/01 00:07:52
アクシズ一家の皆さん、スレ住人の皆さん、あけましておめでとう

137:通常の名無しさんの3倍
06/01/01 01:16:34
年越しとわんこごっちゃになってるwwwwwwww


何はともあれあけましておめでとう、生き延びたまえよアクシズ一家の諸君!

138: 【大吉】 【24円】
06/01/01 01:19:02
プルAにお年玉をあげよう。

139: 【大吉】 【1254円】
06/01/01 01:24:20
▼Д▼Aスマン。腑甲斐ない父で…
次はBだ。今年もよろしくたのむ。

140: 【大吉】 【594円】
06/01/01 01:25:51
つプルCにお年玉

141: 【小吉】   【1516円】
06/01/01 01:28:44
次はプルDにお年玉だな

142: 【中吉】 【744円】
06/01/01 01:33:21
つプルEにお年玉

143: 【中吉】   【462円】
06/01/01 01:44:19
プルFに

144: 【大吉】 【1067円】
06/01/01 01:44:20
▼Д▼つプルFに

145: 【大吉】   【1404円】
06/01/01 01:45:05
orz



んじゃ、プルGに

146: 【ぴょん吉】 【1186円】
06/01/01 01:48:27
▼Д▼>>143氏すまん
次はプルHだな

147: 【豚】 【1791円】
06/01/01 02:01:54
▼Д▼つプルIに

148: 【豚】
06/01/01 02:03:58
飛ばされてるプルBに

149: 【557円】
06/01/01 02:05:31
肝心の落とし玉を忘れてた

150: 【大吉】 【825円】
06/01/01 02:08:10
>>148>>139がプルBの分じゃないの?

▼Д▼つ今度はプルJだ

151: 【大吉】 【987円】
06/01/01 02:14:22
▼Д▼つはい、プルK

152: 【大凶】 【1625円】
06/01/01 02:31:16
▼Д▼つプルLで終わりだな。みんな、今年もよろしく頼むぞ。

153:月光蝶
06/01/01 05:31:23

URLリンク(axis2000.hp.infoseek.co.jp)

月光蝶である。
職人諸氏の努力には頭が下がるばかりであります。
・・・しかし、諸般の事情で細かい作業が出来なくなって長い。
ともかくも新年にプルズとダメ男たちの旅路を更新する事は出来た。

・・・アクシズよ、そなたの旅路は黄金の道へと続いているぞ。


154:通常の名無しさんの3倍
06/01/01 10:18:56
>>153
お疲れ様です!

155:通常の名無しさんの3倍
06/01/01 14:04:51
スレ違いなんですが、SSにも出たことだし








つ[わんこそば]

          ,.-''" ̄ ̄" ̄`ヽ,
       /゙ ノ --    --ヾヽ
      /   /  ●    ● | i  
      `ヽ,,_(  ´ ( _▼_ )` ノノ     月光蝶サマ、スレ住人の皆様、アクシズご一家の皆様
      ,.-''' 、/    ,,川 |   ''-.,
     ( ,i''゙(   __/ )|川( \ ゙'' i,)
     .| ゙-..;;_''  ''''',, '',,,._ ,,,..-'゙.|            あけおめです。
      l,     ̄ ̄ ̄ ̄     .|
       'l,             ,/
       \          /
         ゙l'-、..,,,,,,,,,,,,..,、-'l゙
         ゙'-、..,,,,,,,,,,,..、-'゙



156:通常の名無しさんの3倍
06/01/01 17:22:36
>>153
月光蝶氏お疲れ様です

アクシズ一家、住人の皆さん、あけましておめでとうございます

157:通常の名無しさんの3倍
06/01/01 20:49:55
>>153
いつもお疲れ様です
>>138-152
お年玉を貰ってもアクシズでどうやって使えばいいんだろか?


158:通常の名無しさんの3倍
06/01/01 21:02:24
フロに多めに入れるとか、シミュレーターの使用時間が延びるとか、いつもより多めにシャアが殴られるとか

159:通常の名無しさんの3倍
06/01/02 03:08:53
>>153
月光蝶氏、明けましておめでとうございます。
更新ご苦労さまです。

160:通常の名無しさんの3倍
06/01/02 14:31:14
アムロ「プルL、どうして泣いているんだい?」
プルL「シャアからもらったおみくじが『大凶』だったの…」
アムロ「う~ん、でもおみくじに書かれてたお告げに注意すれば大丈夫だから」
プルL「『大凶』としか書いてないよ…?」
アムロ「う…」
プルI「私なんて『豚』よ!?どんな運勢なのよ!?まぁおみくじなんて非論理的なものどうでもいいけど…(泣)」
アムロ「……シャアーーー!!!」
(AA略)


161:通常の名無しさんの3倍
06/01/02 14:31:17
そういや、フロとか洗濯とかはコインランドリー方式だったな。TVとか音楽とかの娯楽系もそうなんだろうか?
学生ネタなんかでよく喧嘩がはじまると「○○に食券2枚!」「じゃあ、□□に5枚!」とか賭け事が始まるが…
・・・ここでは大穴だなw

162:通常の名無しさんの3倍
06/01/03 20:23:29
アムロからお年玉は無いのか?

163:通常の名無しさんの3倍
06/01/05 22:13:07
保守

164:通常の名無しさんの3倍
06/01/06 00:56:08
シャア「ほう、1月7日は『七草粥』というものを食べるのか。ふむふむ…」
元総帥がまた怪しい本を片手に何かを考えていますよ

165:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 01:56:25
>>164
ナレーションは、滝口順平なのか、広川太一郎なのか・・・・w

166:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 14:01:26
>>165
若本規夫ですよ。

167:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 16:28:01
いや、森本レオ

168:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 18:02:49
大塚周夫ですよ

169:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 19:16:13
レスでアクシズを押し返すんだよ!

170:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 19:57:42
四十代突破したシャアはともかくとして、まだまだアムロは三十代なわけだよな。
性欲はどうやって解消しているんだろうか。
不謹慎な話だが、あれも立派な生理現象の一つだ。
なにせいくら抑えても眠ってる間に悲惨なコトになってしまう。
男は出さなきゃ勝手に出るんだからな。
多分人目につかないところで適当に処理しているんだろうが、
もしもその現場を目撃されたらどんな修羅場になるんだろうか。

171:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 20:24:54
>>170
確かにこのスレ始まった当初から気になってた。
部屋だと夜でもいつ誰かが入ってくるか分からないから、
トイレとかで一人で済ましているんじゃないかな?
もしくは極秘でそれ専用のハロがあるとかw

172:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 20:26:33
いつもララァに見られてる気がしてEDになったらしいよ

173:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 22:09:50
それ専用のハロに一票入れちゃう

174:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 22:11:28
むしろララァの幻影が処理してあげてる

175:通常の名無しさんの3倍
06/01/08 23:58:43
>>174
そこへ突っ込んでくる大佐の赤い生霊w



           『ララァ! 奴との濡れ事はやめろ~~っ!!』

176:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 00:06:33
ってか、シャア40代でいいのかw

177:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 00:06:53
それを知ればプルJは酷く傷つくだろうな(w

178:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 00:13:07
>>170
人間、耐えようと思えば普通に耐えられるものだ。
200年前あたりの日本の武士なんて普通に耐えるのが美徳だったし。耐えられない奴もいただろうがね。
後軍隊暮らしが長ければ、普通に我慢する方法くらいは弁えてるもんじゃないかな。特に戦争続きの軍隊では。

179:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 00:15:10
確かに最初みたいに1スレ=1歳なら確かに40超えてる…
まぁこち亀みたいに子供は普通に成長するけど大人は歳をとらないってことでいいんじゃない?

180:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 01:16:26
むしろ逆でプル達は子供のまま、シャア一人だけが年を取っていってるような…

181:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 02:46:43
>178
武士や軍隊の世界じゃ女色を耐えて男色に走るとかそういう話になっちゃうから
あんま上手い例えじゃないな

あと、まあ軍が駐留してるとこにはプロの女の人が集まるし
前線はともかく

182:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 03:52:39
昔、修行と称して数か月オナ禁したことがあるが、
その時夢精も無かったので病気かと思った事があった。
医者曰く、Hな夢を見なければ夢精はせず精子は
玉の中で溶けて新しい精子の元になるとの事だった。
だからアムロもそんな感じではないのか?

183:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 05:21:14
てか、別に自己処理くらいしてたっていいじゃん
家族にバれなきゃいいだけだし

SSのネタにするには、覚えたての中学生じゃあるまいし、って感じだけどな

184:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 12:20:44
うっかり夢精してそれを洗うところを見られるってのもネタになりそうではあるが。
ランドリーと手もみ洗いって水の使用量はどうなんだろう?
後者が少ないんであれば今後の多大な苦労と引き替えに簡単にごまかせるが…

185:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 16:57:15
つまらないからいいよ
それより>>164は結局書かなかったのか

186:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 18:15:39
それより総帥はいつ女を知ったんだろう
まさかララァが初めてってことはないよな…

187:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 18:26:17
>>186
もちろん初体験はアルテ(ry

188:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 18:34:53
>>186
え、ララァじゃないの?素でそう思ってた

189:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 18:37:13
密会設定なら、そもそも軍の付き合いで行った娼館でララァに出会ってるから
それ以前にもそういう息抜きに付き合ってるだろうし

オリジン設定なら…あいつなんでもしてそうだしなぁw

190:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 19:21:34
士官学校時代にガルマと二人で遊びまくったに決まってるじゃん

191:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 19:26:00
アムロはどうなの小説版ではセイラさんみたいだけど

192:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 19:49:23
小説でも密会はアムロ童貞だよ
シャイアンで玄人さんにやってもらったんだよ
以降、週に一回毎回違うお姉さんに通ってもらって…ウラヤマシステンゴクジャネ

193:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 20:16:17
選択権と拒否権があれば確かに天国だろうな

194:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 21:34:29
16やそこらでそんなセックスしか出来ないのはイヤ過ぎる
連邦はアムロの青春返せ

195:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 22:51:58
>>186
4歳ごろ、キシリア閣下に遊んで貰った。


196:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 23:12:05
士官学校時代に上官に連れられ夜の街で筆おろし

同じくガルマたちと合コンで遊びまくって女をお持ち帰り


ララァと出会い娼婦仕込みのスーパーテクを修得

そのテクでアクシズでハマーンをハニャーンに調教(被害者一号)

以後ハマーンをはじめ、女性から怨まれる(機動戦士Zガンダム)

197:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 23:19:32
#▼Д▼ノ「私のことばかり暴露するというのか?」

学生時代にネットでサルのようにエロ画像探し、ついでにガンダムの情報ゲット

マチルダやハモンといった年上の女にハァハァする日々

シャイアン時代に送り込まれる女たち仕込みのスーパーテクを修得

そのテクでじゃじゃ馬ベルトーチカ調教(被害者一号)

以後MS隊の部下、情報提供者、技師を愛人化(ロンドベル時代)

198:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 23:21:22
ララァのトラウマで炉利に走るようになったのか

199:通常の名無しさんの3倍
06/01/09 23:24:18
プルJ「大佐、不潔です…(涙)」

200:通常の名無しさんの3倍
06/01/10 00:03:44
一年戦争時代のシャアとララァのベッドでの力関係

ララァ>>>>>>>>>>>>(越えられない経験の差の壁)>>>>>>>>>>>>シャア

201:通常の名無しさんの3倍
06/01/10 00:20:05
グリプス、CCA時代のシャアとアムロの経験人数の関係

アムロ>>>>>>>>>>>>(越えられない人数の差の壁)>>>>>>>>>>>>シャア

人数だけはアムロが上なんだよな…でもやっぱりアムロカワイソス

202:通常の名無しさんの3倍
06/01/10 00:27:15
>197
皆さん通常の3倍で暴露しているだけですよ。総帥。

203:アクシズの囚人
06/01/10 01:37:39
SS投下いたします。

そこそこ長文ですのでよろしければお付き合い下さい。



204:シャア・アズナブルと賢者の石(1/12)
06/01/10 01:39:31

「僕の名前はシャア・アズナブル。君は?」
「僕は…」



「…というわけだから貴様には、て聞いているのか、シャア?」
「…ああ、そうだな。そうしよう。」
赤茶けたクセのある髪の男が神経質そうに、同席しているもうひとりの男に注意する。
「そうしようも何もまだ話の途中だぞ。」
「ああ、それでいい。」
もうひとりの男、かつて赤い彗星と呼ばれた男は相変わらずの生返事である。
「分かった、もういい。その件はオレが何とかするよ。」
話にならないと悟った神経質そうな男は、それだけ言うと部屋を後にした。
もうひとりの男は見送りもせず、何を見るともなく虚ろな表情で椅子に掛けたままだった。

205:シャア・アズナブルと賢者の石(2/12)
06/01/10 01:40:33
「全く話にならないな。何を考えている、シャア…?」
自室に戻った神経質そうな男、アムロ・レイは、ベッドに横たわるとぶつぶつと呟き始めた。
その日は明らかにもうひとりの男、シャア・アズナブルの様子がおかしかった。
いつも必要以上に雄弁なシャアが、その日は朝から口数が少なかった。
いつも割り当てられた仕事に対して不真面目なシャアが、その日は一切無駄のない仕事をした。
そして、いつもかけているサングラスをその日はかけていなかった。
その様子を見ていたプルたちは口々に、
「心を入れ替えたのかな?」
「サングラスない方が良くない?」
「真面目なシャアって何か不気味だよね。」
「アムロに何されたんだろう…?」
「大佐もやればできるんです!」
とシャアの明らかな変化に概ね好意的な印象を抱いたようだった。

しかし、シャアのそつのない態度は夕食の席までだった。
夕食を終えてすぐに食堂を後にしようとするシャアにアムロは声をかけた。
環境システムのことで相談がある旨を伝えると、
「待ってる。」
シャアはそう返事をした。
その言葉を聞いてアムロの違和感は頂点に達した。
晩酌をしながらの夜のミーティングはアムロの部屋でするのが習慣になっていたからだ。
実はアムロ自身もその日のシャアのあからさまな振る舞いの変化を好意的に受け止めていた。
シャアが以前に宣言した「ダメオヤジとしての立場」にも一定の理解を示してはいたが、
日常的に信頼できるパートナーが欲しいと思っていたのもアムロの本音なのである。
もちろんシャアの土壇場での信頼感は誰よりも大きいことを分かっているうえでの話である。
しかし、己の振る舞いを省みたとしても、夜のミーティングの場所を変える必要はない。
(シャア、何を考えている…?)

アムロはシャアの部屋で理由が明らかになることを期待した。
だが、簡単な用事を済ませて日付が替わる時刻にシャアの部屋を訪ねると、彼は予想に反して
全くの上の空だった。
何を言っても気のない返事。
何も見ていない虚ろな視線。
アムロがニュータイプと呼ばれる人間でなかったとしてもシャアの意識がこの場にないことを
感じ取るのは容易な事だった。
今なら生涯の宿敵に難なく止めを刺すことができる、そんな雰囲気さえ漂っていた。
もちろんアムロにそんなつもりは微塵もないことは言うまでもないが。


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