06/11/07 20:47:32
「そりゃそうなるだろ」
シンは頭を抱えたくなった。というか、コイツ、司令官じゃなかったか?
『ギャー! 赤い2連星がまたやられたぁ!』
『どうして誰も助けに行かなかったんだ!』
『隊長―――!? ダメだ、もう連合はダメだぁぁぁ!』
『俺、この戦争が終わったら、結婚するんだ……』
また連合軍が大混乱におちいる
もうダメだ、こうなったら一刻も早く逃げなければ。シンは回線を開き、連合軍に呼びかける
「逃げろ連邦軍、一刻も早く遠くへ! まだ間に合う! 可能性がある限り逃げるんだ!」
声を受け、連合軍が退却を始める
ふと、シンはキラが大量破壊兵器サイクロプスの発動による人死にを避けるため
連合、ザフト両軍の兵へ退却を勧めたというエピソードを思い出した
『シン! 急げ! 連邦に構うな! 俺たちも時間がないぞ!』
ノワールがアカツキの腕を取る
「でも、艦長とガロードが! クッ!」
シンは思わず自分の膝を叩いた。なんとザフトが、基地上空より、逃げようとする連邦を遠距離狙撃で撃ち落としていた
そこはぎりぎりコロニー落としの影響を受けない範囲か。
『ナチュラルめ、生かしては返さん! 娘の仇だ!』
『ひぃ! ざ、ザフトめぇ! 無抵抗のヤツに……ぎゃー!』
『ジョン、ジョン! クソッ、コーディネイターめ! どうしてこんなことが平然とやれるんだあいつらは!』
『許すものか! おまえたちがレクイエムで撃ったコロニーには、俺の、俺の家族が……ッ!』
まただ。またこんなことをやっている。ガイアを抱えて撤退しながら、シンは歯噛みする
いつまでこんなことをやるんだ。こんなことは止められないのか
俺はなんて無力だ。エースだなんだと言われながら、バカな連中一人止められない
憎悪をぶつけ合う、ナチュラルとコーディネーター。そうやってお互いを憎みあいながら、そして死んでいくのか
いつまでそんなことを。いつまでそんなことを。いつまで