06/11/12 11:19:52
カガリもナチュラルガルマもナチュラル
カガリにできてガルマにできぬわけがない
532:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 11:47:25
GJ!
シーマが・・・イイ!!
ベテラン達が格好よすぎるぜ。
それに引き換えバルトフェルド、お前はアホかと。
ガルマが前線に出て失敗したのを見た後なのに前線にでてくるなんて・・・学習しねぇのかコーディは!
ガルマが種割れしたが>>531が言ってるみたいにカガリに出来るくらいなら
殆どのナチュは種割れできるんじゃないか?
むしろ出来ない方がおかしいような。
533:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 11:54:38
>>532
種割れは若い奴ほどできやすいらしい。
>森田繁さんに聞く20の質問
>・タネがハジける基準はある!?
>数値化しているわけではありません。極限状況に追い詰められる、要は火事場の馬鹿力状態ですね。
>コーディネイター、ナチュラルの別なく発現する、人間誰しもが持つ能力です。
>ただ、年配の人にはその描写はありませんから、若者の未来とイメージ的にはリンクしてますね。
534:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 12:31:30
51氏 GJです。
セイラさんの一喝で軍人の動きを止めるってのは生まれ持ったカリスマなんでしょうかね。
しかしナタルのコーディ=敵ってのは短絡的ですな。
パオロ艦長が居なかったらどうなっていたやら。。。
ガルマvsバルトフェルド氏 もGJです。
ロンメルは精神論、ラル+シーマは現実論、ビッターは指揮官として中立ってのは
バランスが取れてると思いました。
シーマは毒ガス作戦してないから『熱砂の蜉蝣』が通名になるんでしょうね。
種割れはNTと同じく生まれ持った才能でしょうね。
ジオン側で種割れ(ガルマ)、プラント側でNT(クルーゼ)はイイ感じに思います。
>>502氏
> グフとのコンペに負けて少数生産されているという設定だから
イフリートって何時からこんな設定になったんでしょう?
初出 : SFCクロスディメンション、外伝パート。
設定 : キャリフォルニアベースが独自に開発した試作機。
生産数 : 設定8機、ゲーム上3機。 その内1機がEXAM搭載。
で、グフとのコンペなんてしてないと思いましたが。。。
535:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 12:53:29
バクゥってホバーあったっけ?
536:534
06/11/12 12:55:07
>>502氏
>>331の設定の事でしたか。
すんませんでした。
537:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 12:59:02
>>535
無いよ
異常なくらいに高速で走れるキャタピラはあるけど
538:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 15:48:51
そういやカガリはナチュラルなのに種割ってたな
指摘されて気づいた。混乱させるようなこと書いてすまん
539:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 18:35:27
「効果はあったが、予想したほどではなかった…というわけか」
「申し訳ありません」
マ・クベの仕掛けたアフリカ共同体への工作は、
結果的にはZAFTへの補給をある程度滞らせるだけに終わった。
「いや、中佐を責めているわけではない。半分は私の責任だ」
実際は半分どころではないがな、と内心ガルマは思っていた。
明らかにアフリカ共同体はプラントとジオンを天秤にかけている。
そして、地上でのジオン公国の劣勢が、そのまま天秤をプラント側に傾けているのは明白だった。
「それで、もう一方の首尾はどうなっている?」
「順調です。複数の反政府ゲリラと接触し、こちらの味方に引き入れることに成功しました」
ガルマは、アフリカ共同体からZAFTへのパイプを断つだけではなく、アフリカ共同体からの
ZAFTへのパイプを断つことも考えていたのである。そしてアフリカ共同体がこちらへ協力しない今、
遠慮なく同時にアフリカ共同体の土台も削り倒してやるだけのことであった。
マ・クベから手渡された協力者のリストに目を通していく内、ガルマの目が一点で止まった。
「『明けの砂漠』の協力を取り付けられたのか」
「はい。ただし、ZAFTを北アフリカから排除するまで、という条件付ではありますが」
『明けの砂漠』は反ZAFTを掲げる、(レジスタンスを自称している)有力なゲリラ組織である。
地域住民の支持を得て戦えるゲリラは強い。多くのゲリラが支持者以外からは反感を持って
迎えられることが多い中で、彼らはタッシルを中心とした多く住民から積極的な支持と協力を得ていた。
無論、ジオン公国とて彼らにとっては招かれざる客ではあったが、ZAFTと違い積極的に占領地と
交流を図ってきた―上流階層のパーティーへの高級士官の出席から、エネルギー施設の設置まで―
ジオン公国は彼らにとっては「まだマシ」な交渉相手だと判断したのであろう。
「協力の代償は食料、"対MS用兵器"、医薬品の供与か」
パイロットがいない以上、MSを供与しろと言ってこないのは当然であるが、
"対MS用兵器"といった漠然とした要求を示してきたということは、別の意味を持つ。
「ただの捨石にするつもりか、友軍として扱うか、態度で示せということか」
ジオン公国は、アフリカをどうするつもりなのか。それに対する答えをよこせ、ということでもある。
「……明けの砂漠のリーダー、サイーブとか言ったな。一度会ってみるべきだろう」
「司令、それは」
危険すぎます。そう言おうとするマ・クベを遮って言葉を続ける。
「わかっている。しかし、この男が求めているのは『信用』だよ。
ランバ・ラルやデザート・ロンメルが行って交渉しても駄目だろう。ビッターなら話は別だが……」
ノイエン・ビッターは前線のキンバライト鉱山基地にいる。
「つまり、適任なのは私だけ、ということさ」
「……わかりました。ただし会談の場所はこちらの勢力圏で設定いたしますが」
「当然だ。ただ、護衛の部隊は私に選ばせてもらいたいのだが」
マ・クベは了解し、自分のデスクに向かうべく部屋を後にした。
なお、彼は後で誰を選ぶつもりか聞いておかなかったことを後悔したことを付け加えておく。
540:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 18:36:49
マ・クベが退出してから丁度20分後、シーマは呼び出しに応じてガルマの執務室に入室した。
「シーマ・ガラハウ少佐、入室いたします。
司令官殿は、小官などになんの御用でありましょうか?」
室内にマ・クベがいないことを確認し、慇懃無礼の見本の様な挨拶を上官に向けてみせる。
ラルの「修正」の一件を見て溜飲を下げはしたものの、本心からガルマを許したわけではない。
そもそもジオンでも貧困層が多く住むマハル出身の彼女にとって、
ザビ家の御曹司という立場で司令官になった若者に頭を下げてみせることが面白いはずもない。
「ガラハウ中佐、あなたの隊に私の護衛を頼みたい」
「は?」
「つまりは、こういうことなのだよ」
あっけにとられているシーマに対し、ガルマは今回の会談について説明した。
「いち早く自軍の危機を悟り、迅速に決断できるあなたが適任なのだ」
「……無礼を承知でお聞きいたしますが、私が司令を後ろから撃つとは考えないのですか」
「それはない。そのつもりがあったら、とっくに君は私を殺して部下達と連合に投降している」
「…フフ」
シーマは、笑いをこらえ切れなかった。わかっている。わかっているじゃないかこの坊やは!
「このシーマ・ガラハウ、命令を受けたことはあっても、『頼まれた』ことはございません。
司令官殿の護衛、見事頼まれてご覧に入れましょう」
一礼し、シーマは執務室を出て行った。来る時と違い、その足取りは妙に軽かった。
541:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 20:22:58
GJ!!!
スキップしてる(俺の脳内で)シーマ様に萌えた。
ガルマはアサクラを抹殺してほしい。
そうすればシーマは、半分くらいガルマに付くから。
542:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 21:23:12
とってもGJ!
なんかワンダースワン版のギレンの野望っぽいな。
人徳で海兵を動かすガルマに期待するキシリアとドズルの気持ちが判るよ。
543:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 21:49:18
これはまさか、ギレンにおけるデラーズ、ドズルにおけるラコック、キシリアにおけるマクベのような
参謀ではなくて安心して自分の権限を委任することのできる中級指揮官が、
ガルマにとってはシーマの姐さんになるフラグなのか・・・・・!?
これでガルマが死んだら、シーマの姐さん、死にものぐるいでガルマの敵を取りそうだな。
544:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 22:53:00
おいおい、ジオンの漢たち(シーマ様含むw)がカッコよすぎじゃねえか!?
御曹司に陰険な参謀にまで漢義を感じるぜ・・・・・・ザフトも頑張れよ・・・虎さんw
途中からタイトルが『激闘!青い巨星VS砂漠の虎』な感じになったがねwww
wktkして次回を待ちますよ!
545:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 22:53:09
戦争開始してから1年以上経っているのに、未だに主力が戦車とMAな連合…
どれだけ無能なんだ連合上層部は…
546:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 23:07:57
>545
一概に連合が無能とは言えない。
WWⅠのとき、イギリス軍が戦車を初めて戦場で1916年に使用したわけだが、
対するドイツ軍が戦車を本格的に戦場に投入できたのは戦争も末期の1918年の春になってから。
それまで概念がなかった新兵器が実戦に出た場合、これだけ時間差がどうしてもでてしまう。
だから、種でも連合が一年ちょいでMSを開発して実践に投入したことは、
連合の軍政家たち、オフィサーや技術屋たちの非常に優秀さが実は証明されている。
547:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 23:19:30
何気にシーマ様昇格させてるガルマGJ
シーマさまの長の苦労が若き司令官に認められているというのは萌える展開。
ジオンの戦況が変化することによってこのような展開が生まれるとは…
548:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 23:49:29
CE版V作戦が発動されての傾斜生産方式ってわけじゃなかったもんね、原作だと。
オーブっていう他国の技術を利用したとはいえ、
1年で新技術盛りだくさんの機体をロールアウトできたのは凄いと思うよ。
549:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 23:55:59
まー、ジオンはPS装甲以外全部持ってるけどな。
ビームかく乱幕なんてものまであるし。
550:通常の名無しさんの3倍
06/11/12 23:57:49
ところでザフトはミノフスキー粒子を利用してるのかな?それとも使ってないのかな。
上のガルマVS虎の人のだと、ザフト側はレーダーによる自動ロックオンを多用してるみたいなんだけど。
551:通常の名無しさんの3倍
06/11/13 00:24:35
技術はモルゲンレーテ、基本構造はサフトとジオンのMS、OSもジオンのMSから
ある程度情報は引出せただろうし、PSシフト以外はこれといって新技術使ってないのでは
と思って連合の上層部は無能と思ったんだが。
まったく新しいコンセプトの兵器開発だし時間が掛かるのは仕方ないのか。
552:ガルマvsバルトフェルド
06/11/13 01:33:36
意外に好評なようで感激しています。
ガルマ種割れとかシーマ様登場とか、やりすぎたかなあと思っていたので。
シーマ様は「ギレンの野望」でオデッサ侵攻に参加していたという話を聞いたので出してみました。
当初はバクゥのかませで終わるはずだったのは内緒w 動かしやすかったので活躍してもらいました。
>>539-540様
設定拾ってもらえたーーーーーーーー!(狂喜)
GJの3倍嬉しいです! ありがとうございます!
シーマ様、これをきっかけに出世の道がひらかれたのか? これからも楽しみです。
>>527
一番乗り&初リアルタイムおめでとうございます。
初投下の私にとっては、あなたは初GJを頂いた相手です。
時間的に感想がすぐ来るとは思ってなかったので、むっちゃ嬉しかったです、ありがとうございます。
>>532
感想ありがとうございます。
虎を弁護するなら、バルトフェルド隊でラルを抑えられるのは虎だけだと思います。アコース、コズン付きだとなおさら。
ですのでギャロップ特攻が無ければ、あの判断も間違いとは言い切れないかと。
結局、ラルを警戒しすぎたことが敗因となってしまったわけですが。
ちなみに、文中でうまく表現できませんでしたが、虎はなんだかんだでラルとの一騎討ちを楽しんでます<ダメじゃんw
>>534
ありがとうございます。
ランバ・ラルとシーマ様って、何気にいいコンビじゃね? と思ったのがシーマ様活躍のきっかけでした。
その分、ロンメルとビッターの描写が減ってしまったのが悔しいですが……
>>550
自分は、ジオンとザフトの地上戦はまだ少ないので、装備の換装が終わってないのではと考えて書きました。
連合の戦闘機相手には、やはり誘導兵器が有効だと思うので。
ちなみに、バクゥのミサイル装備タイプは登場していなかったりします。
553:ガルマvsバルトフェルドの作者
06/11/13 01:47:30
名前変えるの忘れたorz わかりやすいからいいけど
554:ガルマvsバルトフェルドの作者
06/11/13 02:16:15
連投すいません、ご挨拶忘れてた方がいたので、再カキコ。今夜はこれが最後ですので……
>51様
勝手にガルマ種割れ&シーマ参戦、申し訳ありません。
当然のことですが、私の作品は所詮3次創作であり、これらの設定を51様に押し付けるつもりはありません。
51様は51様の物語を書いてください。それを読みたいからこそ、私はこの板に来ているのです。
>>535、>>537
ホバーって書いてましたね。私の勘違いでした。すみません。
555:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 07:34:31
アフリカの反政府勢力で武闘派っていうと、青の部隊が筆頭かな?
あのグレミーすら感化させた砂漠の貴族達。
556:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 10:46:24
カガリ&キサカと「再会」w
557:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 11:39:53
キラはアスランより先に「種割れ」してるガルマに落とされたりしてねw
って言うか、NTに開花する可能性すらあるわけで・・・そう考えると
ドズル兄さんでなくても、先が楽しみだわ
558:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 12:25:38
サハリン家御一行は今なにしてるんだろう
戦況が一年戦争より余裕があるからアプサラスⅢ完成してるかな
559:51
06/11/14 15:45:09
遅くなりました・・・
ガルマ氏およびガルvsバル氏(変な名ですまぬ)
お二人ともGJです!!!
もうガルマとマは一緒でいいです!オデッサの護りはギニアスあたりに任すとしましょう!
そうなると>>558のようにオデッサ防衛のためアプサラスを造ってる可能性があるな
一つだけツッコミ
>「いや、中佐を責めているわけではない。半分は私の責任だ」
マはオリジン設定だから中将なんだよーorz
560:51
06/11/14 15:46:30
5.
パイロットスーツに着替え、格納庫に行くと、ムウとクリスが待っていた。
「似合ってるわよ」
「なんか変だぞ、そのカッコ」
「合うサイズがなかったんです」
パイロットスーツの襟を引っ張る。キラの体格が痩せ型なのでブカブカだ。
3人は簡単にブリーフィングを行い、キラはストライク、ムウはイージス、そしてクリスはゼロに乗り込む。
「では大尉のゼロ、お借りします」
「壊さんでくれよ」
「ガンバレルをシグーにぶつける大尉に言われたくありません」
「ありゃ?」
コックピットに乗り込むと、ムウは軽口を叩く。キラとクリスの緊張を解くためにだ。こうしてみて見ると彼が数々の戦場を
駆け巡った兵士である事が分かる。
「坊主、よく聞け……ストライクに乗る以上、君はこの艦を護る義務がある。それを承知でお前は乗るんだな?」
そのムウが真剣な表情でキラを見つめていた。それは、言わばムウからの最後通告であった。自分から乗ると言い出したから
には甘えは許さない。彼はそう言っているのだ。
「……はい」
やるしかない。それしか生き残る方法がない。キラは改めて覚悟を決めた。
<ローレシア級、後方90に接近!>
<中尉、タイムアウトです。発進願います>
「了解!―キラ君、後はよろしく!」
「バレルを展開する必要はないからな! そのままの状態で一斉砲火だ!」
モニターの中で、クリスはムウに敬礼をすると通信を切った。
<正しいことなんてどこにもない。でも……クリスチーナ・マッケンジー出撃します!>
ゼロがフワリ、と落ちるように艦を出た。それを見て、キラはつぶやく。
「うまく行くかな……」
「仮にも彼女は実験部隊に居たんだ。大丈夫さ、作戦はうまくいく!」
作戦―それはムウの発案だった。アークエンジェルとXナンバーで敵MSを引き付け敵の攻撃が集中している間に、クリス
がゼロでひそかに先行し、前方のナスカ級を叩く、というものだ。
当初、ゼロにはムウが乗るはずだったが、パオロが待ったをかけた。それはヘリオポリスでの戦闘中にオレンジ色のシグーが
確認されたためだ。この機体は、夕日に照らされたようなオレンジ色の塗装と、高機動性を生かした一撃必殺を身上とする戦闘
スタイルでザフトのエースになった“黄昏の魔弾”の専用機なのである。ラウ・ル・クルーゼに“黄昏の魔弾”というザフトの
エースが二人いるのでは、キラとクリスでアークエンジェルを護るのは難しかった。
そこでパオロは、クリスをゼロに、ムウをイージスに乗せる事を提案したのである。クリスは元々、MA乗りとしてある程度
の実績を作り、実験部隊に配属された経歴を持つ。ムウの方はMSでの実戦経験はないが、シミュレーションではクリス以上の
成績を叩き出しているし、イージスはMAへの変形機能を備えている。初陣となるが防衛戦なら十分に通用するはずだ。
561:51
06/11/14 15:47:51
「マードック軍曹、装備はエールをっ! 急いで!!」
「よーし、オメエらー! チャッチャと着けるぞ!!」
下ではマリューはマードック達整備班に指示を出していた。ガントリークレーンに吊り下げられたユニットが、機体の背面に
装着する。機動性を高める追加装備“エールストライカー”だ。装着中のストライクより先にイージスがカタパルトに移動する。
<大尉! イージス発進願います>
「了解だ! 坊主、先に行くぜ!」
ムウはカタパルトからイージスを射出させ出撃した。
<続いてストライク、発進だ!>
そうナタルは命じたが、キラは上の空だ。
(アスラン……戦争が嫌いなんじゃないの……)
キラは作戦会議での説明にあった“黄昏の魔弾”が気になっていたのだ。オレンジ色のシグー。まさにあの時、自分が対峙し
ていたMSだ。そしてそのパイロットは自分の親友―アスラン・ザラ。彼がザフトのエースになり、専用機まで所持している。
もちろん“黄昏の魔弾”とはヘリオポリスで戦死したミゲル・アイマンの事なのだが―
(君はそんなに人を殺したの……?)
キラはおもいっきり勘違いをしていた。
<キラッ! キラ・ヤマトッ!!>
「は、はい!」
激昂しているナタルに気づき、あわてて返事をする。
<なんだその態度はっ! この艦には貴様の大事な友達だって乗っているんだぞっ!!>
人質だと言わんばかりに、ナタルは言い放つ。自分の態度も悪かったが、激しく叱咤するナタルにキラは嫌悪感を持った。
ブリッジでは青筋を立てるナタルに誰もが声を掛けられずにいた。そんな状況を見かねたセイラが立ち上がる。
「バジルール少尉! 通信席が空いていますね!?」
スタッと席につき、インカムを身に着けるとスイッチを入れた。
「ストライクとの交信は私がしますから、少尉は指揮に専念してください」
ナタルはセイラの行動に唖然となる。
「装備の説明は聞いているわね? ビームライフルは強力だけど使いすぎないように! エネルギーがもたないから」
<分かりました……キラ・ヤマト! ガンダム、行きます!>
「……」
ナタルはセイラの行為をやめさせようと思ったが、今は非常事態である。構っている時間はない。
「後方より接近する熱源3! 距離67! MSです!」
「対モビルスーツ戦闘用意! ミサイル発射管、13番から24番“コリントス”装填! リニアカノン、バリアント、両舷起動!
目標データ入力急げ!」
「機種特定……これは! Xナンバー、デュエル、バスター、ブリッツです!」
「なに……!?」
チャンドラ伍長の言葉にクルー達が凍りつく。
「奪ったGを全て投入してきたか……」
562:51
06/11/14 15:49:38
6.
キラは鳴り響く敵機接近の警告音に、ビームライフルを身構える。オレンジ色の機体―“黄昏の魔弾”のシグーだ。
<止めろキラ、僕らは敵じゃない。そうだろ! 同じコーディネイターのおまえが、何故地球軍にいる。何故ナチュラルの味方
をするんだ!?>
通信から聞こえる声は紛れもなくアスランだった。
「僕は地球軍じゃない!」
思わずキラは言い返す。
「でも、あの艦には仲間が……友達が乗ってるんだ!」
その時、キラはアークエンジェルが2機のMSに襲われている事に気付いた。ムウのイージスが渡り合っている。キラは慌て
て戻ろうとしたが、その前にシグーが割り込んでくる。
<やめろ!>
「アスラン・・・・・・」
焦りを感じつつ、だが攻撃もできず、キラはやり場のない怒りをアスランにぶつけた。
「君こそどうして、何でザフトなんかに。戦争なんか嫌だって、君も言ってたじゃないか! なのに何でエースなんかに!!」
<エース……? 何の話だ!?>
アカデミーを卒業して4ヶ月、まだ戦果と呼べるものはない。エースと言われて、アスランには何の事か分からなかった。
「その機体……聞いたよ。“黄昏の魔弾”って呼ばれるエースのだって!」
<っ!……ち、ちがう。それは……!!>
キラの勘違いに気がづいたアスランだったが、弁明をする前に一条のビームが2機の間に割り込んだ。
<何をモタモタやっている!? アスラン!>
「X-102、デュエル! じゃあこれも!」
5機のなかで最もスタンダードなスペックを持つ機体は、離脱しようとするストライクに狙いを定める。
<手に負えないというなら俺がもらう!>
デュエルのパイロット、イザーク・ジュールは高らかに言い放った。
一方イージスはバスターとブリッツ相手に奮戦していた。
「行かせん!!」
突破を試みるバスターにビームを放ち牽制する。
「ちっ、イザークは何処に行ったんだ!?」
「イージスは僕が押さえます! その内に“足つき”をっ!!」
ブリッツに乗るニコル・アマルフィはビームサーベルを抜くとイージスに接近戦を仕掛ける。ブリッツは、本来単独で敵陣に
切り込む侵攻用の機体であり、攻盾システムなどシリーズの各機とは一線を画す試験的に製作された特殊兵装を装備している。
イージスの方も、ビームサーベルを4つ装備しており近接戦闘ではブリッツ以上であるが、ムウがナチュラルで、これが初陣で
ある事も重なり、バスターの突破を許してしまうことになる。
「クソッ! 1機そっちに行ったぞ!!」
ムウは、イージスの両手にビームサーベルを装備しブリッツと斬り合いながら、アークエンジェルに警告を発した。
「アンチビーム爆雷発射! イーゲルシュテルン、敵を艦に近づけるな! ヘルダートは自動発射にセットしろ!」
アークエンジェルの艦橋ではナタルが懸命に指示を出していた。
爆雷が撃ち出され粒子を撒き散らす。対空バルカン砲“イーゲルシュテルン”が弾幕を張り、対空防御ミサイル“ヘルダート”
がバスターを襲う。その圧倒的な火力にバスターのパイロット、ディアッカ・エルスマンは攻めあぐねいていた。
563:51
06/11/14 15:51:25
7.
「ガモフより入電! 『本艦においても確認される敵戦力はMS1機のみ』とのことです!」
「あのMAはまだ出られんということか……?」
ヴェサリウスで戦況を確認していたクルーゼは、何かが引っかかっていた。MAが出れないという事は、ムウがMSに乗って
いるという事なのだろう。先の戦闘でムウ自身が「MSに乗る」と言っていたし、何よりメビウス・ゼロはムウにしか扱えない。
目の前の戦闘で、何もおかしな点はない。
(何だこの感覚は……)
ぞわりと肌を伝うような感覚―それは重圧(プレッシャー)と表現するべきなのだろうか―をクルーゼは感じていた。
(ムウではない……何者だ……)
いつもはムウが近くにいると感じるそれだが、今感じているものは明らかに別の者だ。その重圧はムウのそれよりも大きい。
「敵戦艦、距離630に接近! まもなく本艦の有効射程圏内に入り……なっ!? これは!!」
その時、管制クルーが驚きの声を上げた。何事かとアデスは彼を見る。
「どうした? 報告は正確に言え!」
「本艦底部より接近する熱源っ! MAです!!」
その報告に、クルーゼは思わず立ち上がった。
「アタシにだってこれくらいの兵器は使いこなせるはずよ!」
クリスは最大加速でヴェサリウスに迫ると、唸りを上げるその機関部に目掛けてリニアガンとガンバレルから、ありったけの
火力をぶち込む。すれ違いざま機関部が火を噴くのを見て、クリスは「やり過ぎちゃったわね!」と舌を出す。そしてアンカー
をヴェザリウスに撃ちこみ、振り子のように慣性で向きを変え、すばやく宙域を離脱した。
「敵MA離脱!」
「撃ち落せー!」
クルーゼは、歯ぎしりしながらモニターを睨む。自分自身に怒りをあらわにしたのだ。『メビウス・ゼロはムウにしか扱えない』
その固定概念がこの悪夢の様な損害を出してしまったのである。
「お、おのれ……」
―しかし、
「艦長!! ガモフの後方! 距離100の位置に熱源反応!」
―彼らにとって、
「これは、ジオンの……っ!」
―本当の悪夢は、
「……ジオンのムサイ級です!!」
―まだ始まったばかりであった。
564:51
06/11/14 15:53:17
「それは本当か!?」
アークエンジェルでもムサイ級を確認はされていた。
「は、はい。間違いなくムサイ級巡洋艦です……! MSが射出されました!! 熱源4! でもこのスピード……1機だけ速いです!
通常の約3倍のスピードで接近中!!」
「バカな! そんなMSが……」
「……シ、シャアだ……」
ナタルの声をさえぎる様に、パオロは叫んだ。
「赤い彗星だ!」
「艦長! なにか!?」
パオロが何を言ったのかよく聞き取れず、耳を近づけるナタル。
「赤い彗星の……シャアだ!! 世界樹戦役では5隻の戦艦が、シャア一人のために撃破された……」
―赤い彗星
連合軍の末端兵士にまでその名は轟き、恐怖の対象となるエースパイロット。その男が目の前にいることに、クルー達は息を呑む。
「に、逃げろー!!」
赤く塗装された機体―シャア専用高機動型ザクのコックピットで、シャア・アズナブルは不敵な笑みを浮かべていた。
「見せてもらおうか。連合軍のMSの性能とやらを……」
――つづく
565:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 16:19:53
うおおおおおおおおおGJ!!!!!!!
続きが早く見てええええええええええ
566:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 16:34:42
連合のMSと言ってもザフト側に3機もあるもんな~
パオロ艦長の死亡フラグ回避できるかな?
567:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 16:35:03
キターーー!
シャアだーーー!
ヤベェな、ここで全部落ちかねないぞ。
激しく続きが気になるぜぇ!
GJ!!!でした。
568:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 16:38:05
しかし電池切れにならない限り、ザクマシンガンではまったくダメージ与えられないという難点が・・・
569:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 16:58:45
バーニア・関節部に攻撃を集中させて潰すだけの話だな。
570:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 17:34:12 UILlrCkk
ムゥ、クルーゼ?再会か!
571:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 17:38:28
さらにバズーカとかクラッカーだとの衝撃も中の人や精密部品にとっては洒落にならない
572:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 17:40:15
>>568
なあに、初代ガンダムでもそうだったから問題ない。ガンダムはザ区マシンガン
いくらくらっても傷ひとつつきはしない
573:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 18:11:53
マ・クベが中将だと問題が。大佐の参報に就けるのか?
他にも階級をいじった方が良さそうな
ちょいと気になった
574:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 18:18:09
マ・クベはアニメだと中佐→大佐だったな。
総合整備計画発案時が中佐で、オデッサ作戦時は既に大佐になっていたはず。
575:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 19:02:51
ヒートホークならいけるはずだ
PS装甲の設定上、高熱には弱いからな
576:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 22:32:46
ふと思ったが
51氏が本編ってことはジオン敗北なのか
ガル氏とかガルvsバル氏見てるとジオン負かすの惜しいよな絶対
スレタイからしても
577:ガルマネタ書いてるヤシ
06/11/14 22:37:11
>>576
頑張ってても負けちまうのがジオンです。
ベルセルクの8巻までみたいなもので、破滅が確定していても素晴らしいものは素晴らしいと思ってます。
などと書いてはみたけど、正直ジオンが負けることがありうるのだろうか?
Ζ最終回の時点のアクシズのように漁夫の利を得て一人勝ちになるのではと思ったりもします。
ま、それは51氏の胸のうちということで……
578:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 23:18:11
>>577
まぁ「最後のジョーカー」たるラクス・クラインが全ての陣営を滅ぼして
頂点に立っても俺は驚かないことにする。
579:通常の名無しさんの3倍
06/11/14 23:50:31
>>578
真面目に考えればギレン・キシリア対立どころでないレベルでの、ザフト分裂→ザフト自滅フラグなんだけど、
悲しいけど、それって種世界ベースだとあり得ることなのよね。
580:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 00:05:02
>579
つまり正史のままで行くと連合軍が勝者となり
スペースノイドをいじめる為の部隊を作り。
ジオン軍はオデッサから得た「ジオンはあと10年戦える」だけの物資をもって
各地に潜伏し力を蓄え。
ザフトはラクス派と議長派の内乱により歴史の表舞台から消えつつあると
581:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 07:36:55
おいおい、何だ?この素晴らしい三つ巴はw
作者GJ!!!
このスレは三次創作含めてクォリティ高すぎるwww
個人的にジョニー・ライデンとクルーゼが今後どうなるか楽しみw
582:51
06/11/15 18:57:42
タイトルと各話を振り分けてみた。
タイトル 『ガンダムSEED ジオンの栄光』
>>285~ 第0話『プロローグ』
>>285~ 第1話『その名はガンダム』
>>381~ 第2話『崩壊の大地』
>>472~ 第3話『サイレントラン』
意見求む!
583:51
06/11/15 18:59:10
1.
四つのモノアイがギラリと輝いた。シャアは、前方のガモフを見ると、部下達に攻撃命令を与える。
「ララァとデニムはローラシア級を落とせ。スレンダーは私について来い」
「少佐、お気をつけて……」
シャアとスレンダーのMSがガモフを追い抜く。それを見届けたザク改と足のない白いザクはガモフを挟むように展開した。
それを見るやいなや、ガモフの艦長は薄ら笑みを浮かべる。2機とも対艦戦闘用のバズーカを装備していないのだ。白いザク
に至っては、武装すらしていない。
「フッ、ハエを撃ち落せ!」
ガモフから対空砲が放たれる。2機のザクはそれを避けると、ララァがデニムに命じた。
「デニム曹長! 対空砲を落とします! 離れてください」
ララァは命じると、精神を集中させる。次の瞬間、白いザクの両腕が本体から切り離された。
「な、なんだ!?」
ガモフの艦長はその光景に愕然となるが、彼にはそのような事をしている暇はなかった。
五つ並んだ閃光がガモフを貫き、一撃で対空砲火を破壊する。再び別方向から閃光が走ると全ての対空砲を一掃した。
「バ、バカな!!」
その閃光は、白いザク―サイコミュ高機動試験用ザクの指先から放たれた5連装メガ粒子砲である。これはニュータイプ
の発する特殊な脳波であるNT波を利用し機体内外の装置の制御を行なうシステム『サイコ・コミュニケーター』を搭載した
NT専用機で、それを使って連合のガンバレルのように、オールレンジ攻撃を可能とした機体なのだ。
「曹長!」
「了解であります!!」
対空砲を失ったガモフは、もはやまな板の上の魚も同然だった。
「ザフトめー! ジーンの仇だ!!」
叫びながらデニムは、獲物に向かってザクを走らせた。
「“赤い彗星”だと!? おもしろい……このイザーク・ジュールが落としてやる!!」
ストライクと対峙していたイザークはキラの力量に満足していなかった。その為シャアの存在を知るとデュエルの向きを変え、
そのザク目掛けてスラスターを吹かす。
「待てイザーク! 一人じゃ危険だ!!」
アスランは飛び去るデュエルを追おうとするが、ふとキラの方を目をやる。
「……キラ、お前とは次の機会に話そう」
言うとシグーをデュエルが向かった方向へ走らした。
「アス……ラン……」
キラはその姿をただ眺めているしかなかった。
584:第4話 『赤い彗星』
06/11/15 19:00:39
2.
シャアはデュエルが近づくのを確認するとスレンダーに離れるよう指示する。
「頼むぞスレンダー」
「はっ!」
スレンダー機が離れると閃光が闇を切り裂いた。
「落ちろー!!」
これでもかと言うようにデュエルは57ミリ高エネルギービームライフルをザクに向けて撃ちつづける。シャアはそれを難なく
回避する。決してイザークの腕が悪いのではない。純粋にシャアの操縦技術が卓越しているのだ。
(フッ……素人め……)
そう、シャアは思った。戦いなれたパイロットは決して無駄弾を撃たない。彼にとってデュエルの攻撃は実に滑稽だった。
「ええーい! 何故当たらん!!」
イラつくイザークをよそに、シャアはデュエルに狙いを定めライフルを撃つ。もちろんそれはPS装甲により弾かれてしまう。
しかし、それは問題ではなかった。シャアはデュエルの機体性能を観察しているのである。
(PS装甲と言うやつか……そして火力はララァのザク並み……)
シャアはザクの姿勢を制御させると、デュエルに向かって機体を急接近させた。デュエルは必死にビームを放つがザクが近づ
けば近づくほど射角は狭くなる。これでは落とせない事を悟ったデュエルは、ライフルを捨てビームサーベルを抜こうとする。
「遅い!!」
だが、それよりも早くシャアの機体がデュエルと重なった。
「…………!?」
イザークは息を呑んだ。その瞬間、正面のモニターが一瞬消えて急激なGが彼の体をシートにめり込ませる。イザークは何が
起きたのか最初は理解できなかった。なぜなら、デュエルはザクに蹴られ、後ろに跳ね飛ばされたのだから。
「キ……キ、キサマアァァッ!!!!」
これはイザークにとって屈辱的な出来事だった。MS同士が戦闘行為をして一年しか経っていないが、MSに蹴り飛ばされた
MSはイザークのデュエルが初めてだろう。
「このイザーク・ジュールを足蹴にするとはっ!」
イザークの怒りは凄まじく、まさに“キレた”といっていいだろう。
「このままにはさせん!!」
ビームサーベルを抜き、機体をザク向けて走らす。
「MSの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを教えてやる。」
シャアは先程と一転して距離をとり、ライフルを当て続けるがザクのライフルはまったく通用していない。
「ハッ! そんなものがデュエルに効くか!!」
そんな2機の戦闘の傍らではアスランのシグーが戦況を見守っていた。
(……イザークが、あの“赤い彗星”を押している……のか?)
その姿は、逃げるザクに追うデュエル。違和感を感じながらもアスランにはそう映る。しかし―
「頃合か……」
―そう呟くと、シャアはライフルを連射させた。
「効かんと言っているだ……な、なに!?」
イザークは目の前のエネルギーゲージを見ると驚愕した。ゲージがレッドゾーンに達しているのだ。冷静さを失っていた為に、
その事に気づかなかったのである。青と白の装甲が、鋼色に変わっていく。
「自身の腕とMSの性能を過信し、敵の攻撃を避けようともしないとは……」
ヒートホークを手にすると、振りかぶった。
「うわあぁぁぁっ!!」
目の前に迫る“死”にイザークは恥も外聞もなく悲鳴を上げていた。
585:第4話 『赤い彗星』
06/11/15 19:02:27
3.
次の瞬間、シャアは後方へ飛び退けていた。
デュエルを守るように、重斬刀を持ったシグーが間に割って入ったのである。
「イザーク退け!」
「ふ、ふざけるな。俺はお前の助けなど……」
「そんな事を言っている場合か! 早く退け!!」
「……くっ!」
イザークは何とか機体を制御させるとヴェサリウスへ帰還する。
「次の相手は俺だ……赤い彗星!」
そう言ってシグーは重斬刀を構える。シャアはそれがオレンジである事に気づくと、
「“黄昏の魔弾”、ミゲル・アイマンか」
キラと同様の大きな勘違いをしていた。
「いいだろう、相手になってやる」
シャアはヒートホークへのエネルギー供給を切り、熱を失ったホークを構えた。重斬刀であるシグーに合わせた形となる。
「なめるなー!」
シグーはザクに向かって突貫し重斬刀がザクを襲う。ザクの装甲を切り裂く為にやや大振りであるが、それは的確かつ正確な
攻撃だった。シャアはその猛攻を、急旋回を繰り返す事により全て回避する。
「なるほど。一撃、一撃が正確だ……」
呟きながらシャアは、まるでそこに斬撃がくる事が分かっていたかのように、重斬刀を受け止めた。
「故に読みやすい!」
ザクが振りかぶる行動にアスランは咄嗟に身構えるが、シャアが放った攻撃はホークの一撃ではなく、素手による殴打だった。
「がっ……何!?」
「武器を振りかぶったからといって、斬撃が来るとは限らない」
コーディネイターは優秀である。故に1を聞いて10を知る事が出来る。シャアの攻撃は、まさに彼らの特徴を利用した物だ。
「この程度か……“黄昏の魔弾”の実力は?」
接触回線からアスランはシャアの言葉に驚く。
「ち、ちが……!!」
「違うのなら、本気でくる事だ!」
意味を履き違えつつも、シャアはその後も殴打と斬撃、時には蹴りもまじえアスランを追い詰めていった。
――つづく
586:51
06/11/15 19:05:40
>サイコミュ高機動試験用ザク
知らない人はプロトジオングと考えてくれればいいです。
・・・シャア強すぎる?
587:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 19:19:22
GJ!
サイコミュ高機動試験用ザク
URLリンク(gundamnetworkoperation2.hp.infoseek.co.jp)
588:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 19:20:15
GJ!
シャアまで勘違いかww
589:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 19:20:50
GJ!
この時点でタコザクがでてくるとはw
終戦の頃にはプロトキュベレイが実戦投入されても可笑しくないかもしれませんな
エースとヒヨッコの戦いなのだしシャアに関しては問題ないのでは?
590:51
06/11/15 19:22:07
スマソ!
第0話は>>285以前の部分!
591:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 19:30:44
GJ!
お禿げ様曰く迷いの無いシャアはアムロを瞬殺出来るって話だから
ララァが生きてるからシャアが鬼強くても問題無しだと思う
592:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 19:43:49
そうか、アムロがいなくてララァが生きてるシャアは、誰にも邪魔されずにラブラブ新婚生活を送れるかもしれないのか
ララァとの間に子供まで出来ちゃったりしたら、それこそハッピーハッピーウヒョーな精神状態になって、迷いも消し飛ぶのか
593:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 19:45:39
やべぇ、今からキラVSシャア(たぶんあると思うから)の戦いが気になってきた。
この設定でギレンの野望を出してくれないかなw
594:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 19:48:46
>>583-585
GJ!
ジオンは早くも種世界でいうドラグーン搭載MS(厳密には違うけど)を実戦投入してるわけですか。
原作だと空間認識能力者はナチュラルのほうが多いようだし、頭数揃えて来られたらザフトますますヤバくね?
凸ピンチ!嘗ての友か現在の仲間か・・・キラはどう動く?
595:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 20:53:20
GJ!!!
PS装甲をどうゆう風に攻略するかと思ったけど、まさにシンプルイズベストだな。
バッテリーが持たなけりゃ意味ねーわなw
MSの戦闘法にしてもレベル云々以前に立ってる場所が違うし、まさにシャアだ!!
イザークは雑魚並みの行動しか取れんし、凸はここで死ぬんじゃね?
596:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 21:16:36
この時点でサイコミュがここまで実用化されているとなると
キケロガも作られていそうだな・・・
597:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:06:36
いや、もうジオングの原型はできていてもおかしくは無い。
ビグ・ザムだって開発中だろう。
その代わり地上が今ひとつ……ケンプファーやガルバルディは原型のギャンの開発が×だからなぁ。
いっそ地上用のヅダでも(ry
598:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:13:39
このシャアは強いがゆえに覚醒しなさそうだ
599:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:22:18
>597
この世界のビグ・ザムは核融合炉を積んで洒落ならん火力
と防御力を実現した文字通り「このビク・ザムが量産の暁には」
な化け物機体になりそう
600:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:24:17
この世界にヅダがあったかは知らないけど
ドムがダメになった分ギャンの開発に力入れてるんでない?
601:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:35:03
>>599
ビグ・ザムは冷却装置が最大の問題だったから、いくら化け物になっても稼働時間が延びないと意味がなさそう。
602:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:38:11
>>601
つラミネート装甲の技術+融除剤ジェル
603:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:41:27
そうかラミネート装甲の関係で冷却技術が上がってるのか
ビグ・ザム本気でやばくなりそう
604:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:47:51
GJ!!
タコザク+ララァってこの時期なら無敵ですね。
・・・アムロの代わりにムゥが感じ合ったりしたら面白いかも。
>>596
Gジェネ、スパロボ系は出さないほうが無難じゃないか?
シュネー・ヴァイス(Rドムがないからゲルググかギャン辺り)が限界だと思う。
>>597
融合炉使えない状態であの火力と防御力を再現できるのかなぁ。
I フィールドは無理でビームコーティングになりそう。
605:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:50:18
>>604
実質無制限の戦艦の動力源を使えばいいじゃないか。
606:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:51:42
>>604
>融合炉使えない状態であの火力と防御力を再現できるのかなぁ。
>I フィールドは無理でビームコーティングになりそう。
つデストロイ
607:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 22:57:44
確か51氏が融合炉は開発されてるけど小型化に苦労してるって言ってなかったっけ?
ビグ・ザムクラスの大きさなら積めるんじゃないのかな。
608:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:03:13
>604
ジオンでは大きいものなら核融合炉が完成しているので
おそらくビクザムはそいつを積む事になると思われ。
あとこれを書いて気づいたんだがジオンのMAは核融合炉を
搭載してMSでは実現不可能な高火力を撒き散らす化け物揃いになる可能性
があるかも。
つまりこの世界だと赤くて角がついて通常の3倍早いザクレロが出てくることも
考えられるわけで。
609:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:06:28
まあ、ザクレロは冗談としてもビグロは出てきそうだなシャア専用ビグロ。
610:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:06:36
ケンプファーは出して・・・
611:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:09:36
ケンプファーは稼働時間さえなんとかなれば超高性能機だもんね。出して欲しい。
612:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:11:01
「キンバライト鉱山を落とす目処はまだ立ちません。指揮官のビッターの抵抗がしぶとくて……」
「まったくだね。もっとも、ビッターだけじゃなくジオン自体もしぶといんだと僕は思うんだけどねえ」
ノイエン・ビッター率いるキンバライト鉱山基地防衛部隊のタフさに、ザフトは手を焼いていた。
下半身を破壊されたザクやザクキャノンを改造してザクタンクを作るだの、
破壊されたマゼラトップを改造してザクの手持ち武器にするだの、
半壊したザクのシールドを改造して防具兼武器のスパイクシールドにするだの、
とにかくジオン側はコーディネイターには思いもよらない方法で粘り強く戦うのである。
コーディネイターに比べ、能力に劣るナチュラルが中心になって建国されたジオン公国の発展は、
プラントに比べて艱難辛苦の連続であった。そうした環境が、粘り強く簡単には諦めない
ジオンの国民性を作り上げたのであろうか。
「きっと連中は物資が無くても、気力が続く限り10年だって抵抗を続けるよ。
我々もその点は見習いたいものだね。僕じゃコーヒーが切れたらダメだろうけどなぁ」
バルトフェルドはキンバライト鉱山がジオンの本格的な前線基地になることさえ
防げればいいと思っているので、半ば気楽なものである。
仮に北アフリカに展開しているザフトが壊滅すれば、ジオンは地球連合を構成する
南アフリカ統一機構と直接勢力圏を接することになり、挟み撃ちの形となってしまうのである。
あの前髪をいじりたがる坊ちゃんはどうだか知らないが、ジオン本国はそれを望まないだろう。
そう考えている砂漠の虎としては、地球連合の支援を受けている南アフリカ統一機構の息の根を止め、
パナマ侵攻の準備にかかれるようにすることが最優先である。
かと言ってプラント本国の意向や指示も無視できないし、
ジオンの勢力圏を拡大されるのも癪ではあるので、前線の物資集積所や基地を襲撃して
こちらに有利な現状の維持を図る、アリバイ作り程度のことは行っているのであった。
「それにしてもねえ…」
報告書に目を通しながら苦笑するバルトフェルド。
「普通、バクゥのキャタピラをザクタンクなんかに利用するかね?
足が速くて格闘戦を挑んでくるザクキャノンタンクなんて反則じゃないか」
613:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:11:43
>>608
つかMAってさ
アッザム
アプサラスⅡ
アプサラスⅢ
ビグ・ザム
ザクレロ
ビグロ
ヴァルヴァロ
ブラウブロ
エルメス
ライノサラス(バストライナー)
グラブロ
こんなにいるじゃん
サイズ的にどれも核融合炉積めそうだしジオンすごいことになりそうだ
614:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:12:03
「司令、物資が底を尽きかけています。このペースでは一ヶ月持ちません」
「そうか。よく持ったと言うべきだろうな」
部下の報告にキンバライト鉱山基地司令、ノイエン・ビッターはうなずいた。
部品の「共食い」の結果、機体カラーがまだらになっていないザクは無く、
グフにしてもザクの部品で応急修理した部分も目立つ。
マゼラアタックはもはや大部分がザクタンクである。
ザフトが大規模な攻撃を仕掛けてこないためとはいえ、ここまで戦い抜いたビッターの手腕は、
その非凡な能力を示すものであった。
「どちらにせよ、我々の役割ももうすぐ終わる。脱出の準備を始めてくれ」
ビッターの任務の一つは、ザフトがジオン勢力圏に食い込んでくることを遅らせる、
いわば時間稼ぎである。どう頑張っても、ザフトにバクゥがある限り、ジオンは正面からの決戦に
勝利することはできない。だが、もうすぐ自分の役割を肩代わりしてくれる者たちが現れるのだ。
そうなれば、もう鉱物資源のうまみも少ないこの基地に固執する必要も無かった。
「了解です。しかし、我々がどうやって逃げ出すつもりか知れば、ザフトの連中は腰を抜かすでしょうな」
ミノフスキー粒子を高々濃度で散布してミサイルを殺し、残った兵器全てをオート動作のおとりにして、
基地に数機ある全てのHLVで一気に大気圏を突破してジオン勢力宙域まで撤退する。
その後は宇宙軍に拾ってもらい、オデッサ経由でまたアフリカへ、という算段である。
「だが、この方法は二度と使えんだろう。我々が得た戦闘データだけは、宇宙で友軍に渡さなければな」
バクゥに勝てるMSを開発するための貴重な戦闘データを得て、後の戦いに生かす。
これはジオンが勝利するのに絶対に必要なことであった。
「……戦いとは、二手三手先を考えてするもの、か」
「は?」
「赤い彗星の言葉らしい。もっとも、私もまた聞きでしか知らんがな」
ビッターは部下を下がらせ、壁に貼られた地図を見た。
二手三手先を実行するため、今はまだ目の前の一手に集中しなければならなかった。
615:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:32:42
やっぱり、プラントのコーディは肉体スペックが高いだけの駄目人間のようだな。
616:通常の名無しさんの3倍
06/11/15 23:34:41
GJ!
さすがビッターやってくれるぜ
高機動ザクタンクとか最高!
>>613
ビグ・ラングとノイエ・ジールもだぜ
開発中だった巨大MA(ノイエ・ジールの原型)にビグロつなげたのがビグ・ラング
戦況が不利になってたからこうなったけどそうじゃなきゃノイエ・ジールは完成してたはず
617:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 00:02:15
GJ!
やはり苦労している者達は違いますな。
ビッター格好よすぎるぜ!
618:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 00:22:22
>>615
うおお・・・。なんつうか、匂ってきそうな男臭さがたまりませんな。
GJ! です。
やっぱ、敵と味方が有能なもの同士ってのは燃えるなあ
619:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 12:13:48
>>613
>>616
ビグロマイヤーは無しの方向ですか?
620:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 12:48:29
>>619
しまった忘れてた
ビグロの火力強化型だったっけ?
621:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 13:07:48
>>620
そんな感じだね
ミサイル取っ払ってクローアームをメガ粒子砲内蔵型のアームに変更
その分機体が軽くなった上にスラスター推力も3倍くらいになってた気がする
622:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 13:08:55
ビグロにビグザムの足付けて地上侵攻用にしようぜ
623:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 15:07:12
その発想はなかった。
624:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 15:24:31
グラブロにも足
625:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 16:15:41
ブラウ・ブロにも足を付けるべきだな
626:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 16:39:15
ムサイにも足をつければ良い
627:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 17:00:38
そしてアースノイドを踏み潰すのだ!
628:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 17:19:34
ムサイはでっかい足で2足歩行じゃなく、ザクの足がいくつもワラワラと生えてて
ムカデのごとく歩くといいな
629:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 17:30:53
ソーラレイに手足つければ
630:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 17:34:58
ソロモンに手足を付けr
631:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 19:26:51
もうね・・・「ザクZ」で良いじゃない
632:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 20:27:54
ビグザムの頭部にビグロを被せて、接近戦に対応させた、というのを、昔ボンボンのマンガで読んだ。
633:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 20:31:39
>>582
51氏、285以前の部分はどうなるです?
むしろその部分がその後の部分の基本設定として重要と見受けられたですが?
634:51
06/11/16 21:07:10
MAは全体的に発展途上段階で、
ギニアスさんはアプサラス造ろうとしたけど上層部に却下される。
秘密裏に造ろうとしたがオデッサ防衛を任されたのでそれも出来ず。
ならばと防衛用MAライノサラス開発に力を入れている。
―という妄想をしてみた。
>>633さん
第0話『プロローグ』ということに・・・
635:第4話 『赤い彗星』
06/11/16 21:09:31
4.
ムウとニコルは、未だに互いの刃を合わせていた。シャアの参戦は戦場にいる者の意識を大きく変えている。ディアッカも、
アークエンジェルへの攻撃を止め、意識をジオンへ合わせていた。
「ニコル!」
「イザークが後退しました。先に行ってください!」
ディアッカのバスターは元々支援用のMSである。単機で性能を発揮するブリッツとは正反対の機体だ。
「僕の機体は援護に向いていない!」
「分かった!」
バスターが離脱するのを見ると、再び意識をイージスに向けた。
「赤い彗星がいるんだ! そこを退けえぇ!!」
「行かせません!!」
イージスのビームサーベルを攻盾システム“トリケロス”で防ぐと、ニコルは考え込んだ。
(とは言ったものの、シグーとバスターだけで赤い彗星を仕留められるでしょうか?)
相手はデュエルに乗ったイザークを凌駕した力の持ち主だ。対ザク用に開発されたシグーと、Xナンバーのバスターだけで、
抑えきれるとはどうしても思えなかった。
そんなニコルはある考えを実行に移すべく、グレイプニールをイージス目掛けて放つと、あるシステムを起動させた。
(ぶっつけ本番だけど……やるしかない!)
次の瞬間、ニコルの乗ったブリッツは宇宙の闇に溶けるように、その姿を消した。
「ミラージュコロイドか!」
ミラージュコロイドとは可視光線を歪曲させレーダー波を吸収する特殊なコロイド状の微粒子、及びこれを利用したステルス
機能だ。このコロイドを磁場で物体表面に定着させ、その物体に対し電磁的・光学的にほぼ完璧な迷彩を施す事ができる。
ムウは神経を研ぎ澄ませ、相手の気配を探った。こうなった以上、頼れるのは自分の第六感しかない。
「何処から来る……」
1分、2分と時間が経過してもブリッツは攻撃を仕掛けない。それが5分も経つと、ムウには嫌な考えが脳裏に浮かぶ。
「……もしかして逃げた?」
実は、ニコルは攻撃すると見せかけてアスラン達の援護に向かっていたのだ。
「………………と、とにかく! 今は赤い彗星をっ!!」
イージスをMA形態にし、ムウはシャアの元へ向けてスロットルを全開にした。
636:第4話 『赤い彗星』
06/11/16 21:10:48
5.
ザクに蹴り飛ばされてシグーが虚空を舞った。
「く……そ……っ!」
アスランの乗ったシグーはボロボロだった。ミゲル用にカスタム化された機体が見るも無残な姿を晒している。
「まだまだだな……ん?」
そんな戦場に高出力のビームが2機の間を貫いた。
「……支援MSのようだが」
見ると94ミリ高エネルギー収束火線ライフルを構えたバスターがいる。
「待たせたなアスラン……援護してやるよ」
言いながら220ミリ径6連装ミサイルを一斉に発射した。アスランは後方へ下がりながら体勢を立て直す。シグーが安全な位置
に移動するのを確認すると、ディアッカは再び収束ライフルを撃った。しかし、
「当たらなければどうと言う事はない」
ザクを旋回させそれを避けると、シャアはシグー目掛けて機体を動かす。アスランは重斬刀を構えそれを迎え撃つが、途端に
バスターからの援護射撃が途切れてしまう。シャアはバスターとシグーの対角線上になるよう自機を操作しながらシグーに迫る。
「ちぃ! アスラン退け!」
アスランも必死に引き離そうとするが、シャアの乗るザクは高起動が特徴に機体だ。おまけにシャア専用にカスタム化もされ
ている。ザクは接近するとシグーにヒートホークで斬りつける。さらには頭部を掴みメインカメラを握り潰すと、今度はシグー
を盾にバスターへ向けてスラスターを吹かした。
迫り来るシャアにディアッカは戦慄し、トリガーを引くのに躊躇する。バスターの火力だとシグーを巻き込んでしまうのだ。
引き金を引けばアスランは間違いなく死ぬ。
「戦場で迷ったら終わりだぞ!」
シャアは、シグーをバスターに叩きつけると、絡み合った2機を漆黒の宇宙に蹴り飛ばす。
「「うわああぁぁぁっ!」」
幸いな事に、彼らが蹴り飛ばされた方角はヴェサリウスの居る宙域だった。
「連合のMSはこの程度なのか?」
しかもコーディネイターが乗っているにも拘らずである。シャアはあまりの不甲斐なさに肩を落とした。その時―
『少佐! 後ろです!』
637:第4話 『赤い彗星』
06/11/16 21:12:13
6.
ヒートホークとビームサーベルがぶつかり光が飛び交う。
シャアは『声』を聴いた瞬間に、ザクを反転させヒートホークを身構えたのだ。
「そんな!!」
そう発したのはニコルだった。彼はミラージュコロイドでシャアの背後に回りこみ、一撃で勝負を決めるつもりだった。
「やってくれたな」
ブリッツを殴りつけ、最大出力のヒートホークを叩きつける。
「……くぅ!!」
「透明化はもう終わりかね?」
イージスとの戦闘に、ミラージュコロイドの使用が重なり、ブリッツのエネルギーは残りわずかであった。
「……熱光学迷彩、使えるかもしれんな……ん?」
シャアはセンサーに映った高速物体―イージスに気づいた。
「連合側の“G”か……ララァ!」
「少佐、ご無事で!?」
「君の『声』が無ければ死んでいたよ。それより、この機体を頼む」
「分かりました」
言うと、シャアはブリッツを見向きもせず、その場を離脱した。入れ替わりでサイコミュ・ザクとザク改がブリッツに迫る。
「新手!? でも……!」
「うおおぉぉぉ!!」
ブリッツに対し、デニムはザク改を急速接近させるとグレネードを放つ。ニコルはトリケロスでそれを防ごうとするが、彼の
目に映ったのは、爆炎ではなく眩い光。デニムが使ったのは閃光弾だったのである。そして、
「今です少尉!!」
そんなデニムの叫びよりも早く、ブリッツの頭部をメガ粒子砲が貫いていた。
――つづく
638:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 21:41:11
GJ!!
ブリッツ捕獲で何か開発されるかな?
639:633
06/11/16 22:34:11
まずはGj
えっと
タイトル 『ガンダムSEED ジオンの栄光』
>>285~ 第0話『プロローグ』
>>285~ 第1話『その名はガンダム』
>>381~ 第2話『崩壊の大地』
>>472~ 第3話『サイレントラン』
から
>>51~ 第0話『プロローグ』
>>285~ 第1話『プロローグ』
>>285~ 第2話『その名はガンダム』
>>381~ 第3話『崩壊の大地』
>>472~ 第4話『サイレントラン』
ということで・・・・
いかんプロローグが二つに orz ・・・・・・
640:通常の名無しさんの3倍
06/11/16 23:58:53
GJ!!
ブリッツ、ゲットだぜ!
完全に偵察専門のMSでも開発するかな?
もしくは、ドップとかに搭載するとか。
PS装甲とビーム兵器(ぶちっつのはレーザーだったか?)のデータも手に入りそうだな。
ジオンはPS装甲をMSには搭載しないだろうからMAとかに搭載するのか?
PS装甲とIフィールドを搭載したビグザム・・・やっ、やば過ぎるぜ。
641:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 00:02:25
GJ!
うおお・・・。ニコルいきなり死亡フラグかい
善人は早死にするなあ。
642:640
06/11/17 00:03:24
>>640
誤字スマソ
ぶちっつ⇒ブリッツ
ぶちっつって何だよOTZ
643:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 00:40:08 v663Qs1E
>>634-637
GJです!
やはりNT能力の前にはミラコロは無力であったか…
しかし、デニム、ナイスアシスト!目くらましでブリッツの動きを止めるとは・・・
ブリッツの頭部を吹っ飛ばされた、ニコルの運命は?
644:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 00:50:37 v663Qs1E
>>640
ブリッツのトリケロスに搭載されているのはレーザーライフル。
磁気の影響を受けないので、Ⅰフィールド・バリアに実弾以外では唯一対抗できる光学兵器。
645:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 00:55:52
ニコルはシャアと因縁でもあるんかいな
シャアスレのSSでも今日投下の作品でニコルがシャアに殺られた
646:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 16:38:08
髪型がアムロに似ているッ!
と感じたが、どうか?
647:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 18:51:24
ふと気付いたけど、エルメスのビットはジェネレーター搭載型だったのが、
この世界だと小型化出来ずに充電式になるわけだよねえ。
やっぱ弱体化しちゃう?
(まあ捕獲したザフトのMSのバッテリーからバッテリー式ビットも高出力化しそうだけど。)
648:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 19:43:41
後継武器のファンネルも充電式で稼働時間短かったから、弱体化とは言え使えないことはないんじゃないかな。
649:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 21:23:01
vsジムキャノンⅡスレでPS装甲の弱点が新たに発見されたんだがこれってどうなのかな
ホントに効果あるのか疑問なんだが
650:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 21:28:46
粘着榴弾か、微妙だな
裏面の装甲剥離が起きないことまで考察されてることを考えると有効だとは思うが
651:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 21:35:43
>>647
あのちっちゃいプロヴィデンスのドラグーンであんだけいけてるんだ、なんとかなるさ。
652:51
06/11/17 22:31:23
シャアやララァやデニムだけでなく、
スレンダー君にもコメントをやってください。
653:第4話 『赤い彗星』
06/11/17 22:32:39
7.
ムウは赤い光点が近づくのを目視すると、イージスを変形させビームサーベルを抜く。
「赤い彗星!!」
叫びながらシャアのザクに斬りかかる。シャアはヒートホークを抜いてそれを防いだ。
「月以来だな! シャア・アズナブル!!」
「何だと!?」
「隊長達の仇は取らせてもらう!!」
「“エンデュミオンの鷹”、ムウ・ラ・フラガか!」
互いの存在を確認すると、ムウは鍔迫り合いの合間に額のイーゲルシュテルンを撃った。致命傷を与えるのではなく、カメラ
の一つでも潰せればいいのだ。シャアはムウの狙いを読み取り、後ろに下がると相手が先程のザフト兵と違う事を理解した。
「さすがに戦いなれている……何!?」
そのシャアを追い、ムウはサーベルを斬り上げる。もちろんシャアは避ける。だが、イージスはその勢いのまま一回転すると、
ザクを蹴り上げようとした。次の瞬間目に飛び込んできたのは光の刃だった。それがイージスの脚部から伸びている短いビーム
サーベルである事が分かるとシャアは戦慄した。
「隠し武器とは……」
ヒートホークはビームサーベルを受け止める事はできるが、出力の問題で競り負けてしまう。それに加えて隠し武器となると、
接近戦ではイージスに軍配が上がった。シャアは距離をとるとライフルを構える。今度はムウも無理にシャアを追おうとはせず、
相手の出方を見ていた。
どうするか―シャアは思考する。接近戦はこちらに不利だし、PS装甲がある以上、手持ちの装備でダメージを与える事は
難しい。ならばデュエルの時と同様にエネルギー切れを狙う。照準を合わせ、最大戦速で機体を直進させると手にしたライフル
を一斉射する。だが……
「まさか!」
イージスはそれを避けたのである。シャアは今の戦法で、多くの敵に損害を与えてきた。一、二発は当たったようだがシャア
の動きが読まれたのである。過去に自分の射撃を回避したのは、模擬戦でのララァ・スン少尉だけであった。
「もしや、ニュータイプ?」
言って、その考えを振り払った。少なくとも、ニュータイプの概念は、連合軍のどの部分でも考慮されていないはずなのだ。
それに彼自身もその能力を持っている。シャアは自身よりも強い力を持つララァと接触する事により、覚醒する事ができたのだ。
まだその力は弱いが、もしムウがニュータイプなら、自分はおろかララァが気付くはずである。
「……あり得んことだ」
その後もシャアはライフルを連射するが、それは星々の間に消えていった。
654:第4話 『赤い彗星』
06/11/17 22:34:26
幾許かの射撃後、シャアはイージスの動きを見るうちに、あることに気がつく。
「これは……やってみるか」
ライフルを放つと、即座に別方向へ射撃する。するとイージスは、弾丸が飛ぶ方向へ吸い込まれるように動いていた。
「フフフッ……」
笑みを浮かべると、同様の射撃を幾度も行なう。それらは全てイージスに命中していった。
「クソッ! なんでこうも!!」
「どうやらザクのOSを使っているようだな!」
シャアはイージスの動きを観察するうちに、それがジオンの開発したOSであることに気がついたのだ。
連合は捕獲したザクからナチュラル用OSを得ていたのだ。ジオンは今日の戦争の為、2年近くの時間を掛けて製作している。
その完成度は高く、少しの改良でXナンバーを動かす事が出来た。だがそれは、ザクに乗り続けているシャアにとって次の行動
を全て読まれる事を意味している。
「次は右……今度は左……」
「何でだ!? 回避プログラムはランダムの筈なのに!!」
「ランダムに見えるが、いくつかのパターンがあるのだよ」
次第に追い詰められるイージス。ここでムウは勝負に出た。
「こうなったら一か八かだ!!」
ムウはMAに変形させるとザク目掛けて特攻したのだ。
「正気か!?」
シャアはムウの行動に目を疑う。さらに畳まれていた両腕脚部が展開し鉤爪と化したのである。
「冗談ではない!」
バーニアを吹かして、距離を取ろうとするシャア。だが一直線に進む加速力においてはザクを上回っており、ジワジワとその
差は埋められつつあった。
「クッ! これならどうだ!!」
ムウは腹部にエネルギーを回すと、戦艦を一撃で沈めるほどの威力を持つ580ミリ複列位相エネルギー砲“スキュラ”を放った。
「なんとっ!」
シャアもギリギリでそれを回避すると、続けてライフルを連射する。このスキュラで大半のエネルギーを使用したイージスは、
ついに動きが止まりPS装甲がダウンした。だが、シャアの乗るザクもバッテリが尽きかけていた。
「……さすがに5機を相手にするとバッテリが持たんな……!!」
その時、シャアの目にとんでもないものが飛び込んだ。GAT-X105ストライクガンダムである。
655:第4話 『赤い彗星』
06/11/17 22:36:22
8.
その頃、ヴェサリウスの艦橋ではクルーゼとアデスが言い争っていた。
「私も出る!!」
「隊長、落ち着いてください!」
クルーゼが半壊したシグーで出撃しようとしたのだ。シャアの乱入後はアスラン達の不甲斐ない光景に激怒するだけだったが、
ムウのイージスがシャアと接戦を演じているのを見るなり、自分も出撃するといきり立った。
「無茶です!」
「黙れアデス!!」
「黙りません!! 冷静になるのです隊長! ガモフが落ち、アスラン達が破れた今、もはや勝機はありません!」
アデスの必死の説得にクルーゼは歯をかみ締めた。そして徐々に冷静さを取り戻していく。
「ジオン側には、まだMSが3機もいます! 撤退を!!」
それはニコルを見捨てる事を意味する。だが彼らにブリッツを助ける手立てなど無かった。
「……シグーとバスターを回収後、この宙域を離脱する」
ニコルは自分の置かれている立場を考えた。
エネルギー残量はほぼゼロ。仲間達は損傷し帰還中。ガモフが落ち、援軍もない。
「チェックメイト……か……」
自分は死ぬ、それが結論。優秀なコーディネイターの頭脳をフル回転しても打開策など浮ばない。ブリッツは頭が吹っ飛び、
右腕も捥げている。PS装甲が落ち、残量が0を表示すると生命維持装置すら切れた。薄れ行く意識の中で、彼の瞳には近づく
2機のザクが写し出されていた。
656:第4話 『赤い彗星』
06/11/17 22:37:54
9.
「坊主っ!? 何やってんだ! 逃げろー!」
ムウは通信を送るが、キラは返事をしない。
「うぅ……あぁぁ……」
キラは怯えていた。ムウが、アスランが、他のザフト兵達が、ことごとく目の前のザクに敗れたのである。
民間人である彼にとって、今起こった戦闘は常軌を逸していた。レベルが違うのだ。自分は元より“エンデュミオンの鷹”や
“黄昏の魔弾”よりも“赤い彗星”の実力は上だった。
「怯えているのか、このMSは……」
シャアにとってはそれは好都合だった。戦えば勝てるだろうが、バッテリ残量がわずかの状況では戦闘は行なえない。
ピクリとも動かないストライクを威圧するようにライフルを構えると、キラは思わず後退りしてしまう。
「フッ……命拾いしたな、ストライクのパイロット……スレンダー聞こえるか!?」
「感度良好であります」
「首尾の方はどうか?」
「はっ! 少佐と連合製MSとの戦闘データ、全て記録しました」
言いながらスレンダーの強行偵察型ザクは手にしたガンカメラを叩いた。
「壊すなよスレンダー……ララァ! デニム!」
「Gを一機、確保しました」
「ローラシア級は既に落しております」
「よし……全機、ファルメルに帰還する」
シャアは戦果に満足し、大胆にも全方位チャンネルで通信を送った。
「では諸君、機会があればまた会おう」
そして赤い彗星はその場を去った。後に残されたムウとキラは、その後姿をただ眺めるだけだった。
――第05話へつづく
657:第4話 『赤い彗星』
06/11/17 22:41:28
シャアの相手はキラでは無いので戦いませんでした。
さりげなくスレンダーを偵察要員にしてみた。
658:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 22:42:59
うおおぉっ!!
燃え尽きる程GJ!
ニコルはどうなる!
次回に激しく期待してます!
659:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 22:47:16
おおGJ!
シャアの本来の任務である強行偵察がちゃんと成功してるよ。
しかもブリッツまで捕獲できてるし。データも取れたってことは追撃戦は無しかな。
ムウと戦ってヒヤッとされる場面もあったが、ララァが生きてるシャアは粘り強いな。
660:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 23:01:20
>>652
スレンダー、お前はここに残れ。
661:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 23:23:40
スレンダーは最前線君になったのか。
662:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 23:28:50
GJ
話は変わるが、MAは大型のままの核融合炉でMS開発がMAにって感じで開発されないかね?
663:通常の名無しさんの3倍
06/11/17 23:56:19
>>662
すまん、もっと分かりやすく言ってくれ。
664:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 00:07:15
GJ!!!
シャア、実にスマートに任務完了だ。
それにしても・・・ムウ!回避ぐらいマニュアルでやれと小一時間(ry
クルーゼも考えて行動しろと。
この件でジオンかなり得したな。
政治的な非難をザフトに押し付ける形で新型のデータを入手し、実物もゲットしたんだからな。
このメリットは図りしれんだろう。
665:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 01:58:28
>>652-656
う~む、結局シャア部隊の一人勝ちか。
ガモフが沈み、子飼いのアスラン達はボロボロ。挙句にブリッツお持ち帰り。
生き延びれたから良いものの、クルーゼ下手したら更迭させられるぞ?
666:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 02:09:29
>>665
まあ、うまいこと先制攻撃できたしな。
ザフトにゃ連携はないし。
667:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 08:27:27
GJ!
なんだけど、ヒート系の武器でビームサーベルを受け止めるのはグフがやっちまってるけど
アレ長さが変るから試作型のビームサーベルだったって説もあるし基本的には×だった気がす
ビームサーベル同士なら形成してるIフィールドが反発しあうとかで斬り合いができるらしいけど
CEのビームサーベルは形成してる技術の関係で斬り合いは×って聞いた覚えがあるんだけど
ビームをビームサーベルで切り払うなんてことやってるの居るしワケ分らんね
668:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 09:10:02
>>667
それはビームサーベル同士の場合だけだ。
669:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 09:10:52
>667
ザク改とアレックスがつばぜり合いしてるし深く考えなくておk
ヒート兵器の高熱で発生したプラズマが云々て設定が何かに載ってたし
670:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 11:51:11
>665
それプラス中立国にいきなり攻撃を仕掛ける
下手したら銃殺刑物
なんかこの世界のクルーゼは後半になったら世界を滅ぼすことをあきらめてまで
シャア打倒に執念を燃やしそう。
671:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 12:57:11
スレンダーの撮った映像はデータ収集のほかにも、政治的プロパガンダとしても結構使えそうな気がする。
『赤い彗星』が『黄昏の魔弾』(中身が違うが)や連合のMSを叩きのめしたのだから。
672:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 13:10:04
で、それを見たガルマ閣下が発奮すると。
673:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 17:50:30
今思ったんだがこのシャアはドズルの部下なのかね?
674:662
06/11/18 18:54:22
出来るだけ小さい核融合炉(だが大型のまま)を使用しMSを開発
↓
頓挫するもののMA開発の雛型に
↓
巨大MA開発へ
という感じにならないかなと思ったまでの事
675:通常の名無しさんの3倍
06/11/18 20:14:30
サイコガンダム
676:ガルマネタ書いてるヤシ
06/11/18 23:44:53
ちょっと核融合炉について桃色電波が届きましたので、ちょっと思い付きを。
UCの核融合炉はヘリウム3を核燃料とした核融合技術です。
これは重水素を用いた核融合炉が中性子を発するのに対し、中性子の代わりに陽子を発生させます。
この陽子の運動エネルギーを高い変換率で電気エネルギーに直接変換できるわけですな。
(現在の原子力発電は熱エネルギーで水を蒸気にし、タービンを回すので効率はとてつもなく悪いです。
フリーダムやジャスティスはどうやって電気エネルギーに変えてたのか不明ですけど)
で、ミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉はミノフスキー粒子を用いた常温で小型の核融合炉、
という前提が健在として考えますと、ジオンの核融合炉の小型ができないのは
・核融合炉そのものを今以上に小型化することが難しい
・陽子の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムの小型化が難しい
・両方
という理由が考えられるわけであります。
どっちにしろ、しくじったらF91やVガンダム時代のエンジンみたいに爆発したら破壊力抜群なので、
なかなか完成しないでしょうねえ……
677:51
06/11/19 21:04:42
ダを抜かしただけです。
678:第05話 『それぞれの状況』
06/11/19 21:05:39
1.
アルテミス―この基地は光波防御壁に守られている連合軍唯一の宇宙要塞である。
この基地は辺境の小惑星に造られた小規模なもので、再建当時は戦略的に重要なものではなかった。しかし、開戦と同時に月
基地が陥落し、その後もL1、L4の軍事基地も落とされた事により、その重要性が一気に高まった。
現在では、再建された地球軍第8艦隊によって護られている。
アルテミスに入港したアークエンジェルであったが、クルー及び避難民がアルテミスに降りる事は許されなかった。
「これはどういうことです!?」
「我々は民間人を50人以上連れているんですよ! それに怪我人も居るのです!!」
マリュ―とナタルが抗議しているが、相手の士官は困ったように言う。
「私らだって降ろせるもんなら降ろしてやりたいよ。けどな、アルテミスだって緊急事態の連続なんだ」
「味方の基地に着いたというのに休むこともできないなんて、そんなことがありますか?」
「申し訳ないが識別コードが無いのでこの様な形を取らせてもらったぞ」
そう言って現れた男は、第8艦隊司令官を務める地球連合軍スティン・ホフマン准将であった。
「ホフマン准将!?」
「久しぶりだなラミアス中尉……いや、今は大尉か。君達の質問には私が答えよう」
その言葉にナタルが問う。
「避難民達はとても疲れています。基地で落ち着ける場所を探していただきたい」
「民間人を収容しておく余地はない」
「そんな」
「とにかく、マリュー・ラミアス、ナタル・バジルール、ムウ・ラ・フラガの3人は司令室に来てくれ」
679:第05話 『それぞれの状況』
06/11/19 21:09:01
ムウ達が基地司令の元へと連れて行かれ、残された者は不安げにひそひそと話していた。
「俺達、どうなるのかな……」
「さあ……」
今まで自分達が住んでいたヘリオポリスが、僅かな時間で崩壊したのだ。外の世界の現実に、彼らは俯くしかなかった。
「ところで大西洋とユーラシアって仲が悪いんじゃなかったけ?」
「半分正解だけど半分不正解ね」
「どういうことです?」
サイの疑問にクリスが説明し始めた。
現在、地球軍内部の派閥は二つに分かれていた。対ジオンを主張するハルバートン派と対ザフトを主張するブルーコスモス派
である。ハルバートンが地球に戻った後、どちらを先に攻めるかで意見が分かれた。互いに相手の主張を認めず、結局上層部は
2方面作戦を決定する。この時に、対ジオン派と対ザフト派に分かれたのだが、いざ分かれてみると大西洋軍の大半が対ザフト
に偏ってしまったのだ。これは世界樹戦役でブルーコスモスに反抗していた軍人が大量に戦死した結果であった。ハルバートン
は「ジオンに兵なし」と叫んだが、自身の兵もいなくなってしまったのである。
この事態にハルバートンは、ユーラシア連邦との関係を強くしていった。戦争が始まってから同盟を結んだ大西洋とユーラシ
アであったが、それはうわべだけのものである。しかし、ユーラシアがジオンの地球侵攻作戦で国土の大半を奪われると事情が
変わった。戦うには兵の無いハルバートンとジオン相手に劣勢のユーラシア。対ジオンという部分で彼らの利害が一致する。
その後、ハルバートンはMS開発計画を実行に移し、量産が整えばユーラシアにも供給するという約束で強固な同盟を得た。
「一応、私達は対ジオン派だからね」
「問題があるのは識別コードが無いってことか」
クリスの説明の間で、キラはぐっすりと眠っていた。MS戦に限らず、戦闘機動は疲労が溜まる。生死を賭けた極限状態では
パイロットの神経を削り取るからだ。
「ねえ、この子、コーディネイターだったの?」
フレイの問いにサイは小さく頷いた。フレイはそんなキラに薄気味悪がっているような目で見ている。
「……この状況で寝られちゃうってのもすごいよな」
「疲れているのよ。キラ、本当に大変だったんだから」
カズィの不安そうな言葉にミリアリアが返す。
「『大変だった』か、キラにはあんな事も『大変だった』ですんじゃうもんなんだな」
「何が言いたいんだカズィ」
トールがとがめるような視線を向ける。
「別に……」
彼らはキラがコディネイターである事を知っていた。それでも自分達ナチュラルとの能力の差に複雑な思いを抱いていた。
680:第05話 『それぞれの状況』
06/11/19 21:10:19
2.
アルテミスの司令官室にムウ達を招きいれ、各自に名乗りとIDの提出させられた。
「―なるほど。君らのIDは確かに大西洋連合のもののようだな。私がアルテミスの司令官ジェラード・ガルシアだ」
「お手間をとらせて申し訳ありません」
「いや、なに。君の輝かしい経歴は私も耳にしているよ“エンデュミオンの鷹”殿。月基地攻防戦には私も参加していた」
「おや、ではビラード准将の部隊に?」
おっとりと返すムウに向かって、ガルシアは目を細める。
「そうだ。戦局では敗退したが、ザクを5機落とした君の活躍には、我々も随分励まされたものだ」
「ありがとうございます」
本当は4機なんだがな、思いつつ話は本題に入った。
「我々としては、できるだけ早く補給をお願いしたいのです。我々は一刻も早くアラスカへと向かわ―」
「報告はホフマン准将から聞いておるよ。補給に関しては早急に行おう。しかし物資だけだ。人員や護衛艦は無いと思ってくれ」
「なっ!?」
3人は驚きの声を上げる。
「待ってください! 我々はザフト及びジオンの攻撃を受けました。ザフト艦は撤退した模様ですが、ジオン艦は―」
「だからこそ護衛は着けられないのだよ」
強い口調でガルシアは言う。
「先程の戦闘はこちらでも確認している。中に“赤い彗星”がいる事もな! 相手が、ジオンの“赤い彗星”となると第8艦隊だけで
アルテミスを防衛する事は難しくなる」
アルテミスは“傘”と呼ばれる光波防御壁で護られているが、ミノフスキー粒子の登場によりそれは強固な物ではなくなって
いた。昔は敵が近づくのを察知すると“傘”を開き、その侵入を阻止していたのだが、ミノフスキー粒子を撒かれるとレーダー
類が死んでしまう。“傘”を展開し続けるには膨大なエネルギーが必要な為、常に開いておく事も出来ない。
「アルテミスを統括するものとして、諸君らの行動にはいささか問題があったのだ」
ガルシアは更に言う。
「このアルテミスがいかに生き延びているか。ここでの緊張を持続する事が、連合全体にとっても戦略的にどれほど重要な事か」
「……」
ナタルは何か言いたげにしているが口に出せない。マリューやムウも同様だった。
「理解したかね? ならば補給後、直ぐに出て行きたまえ!」
要するにガルシアは、厄介な存在であるアークエンジェルを追い出したいのだ。ジオン艦が離脱したかどうかは分からない。
だからこそ、その恐怖は計り知れない。
「宜しいですかな?」
重苦しい空気の中、今度はホフマンが発した。
――つづく
681:51
06/11/19 21:12:49
ユーラシアとの同盟は強くなってます。
ただそれはハルバートン派のみです。
682:通常の名無しさんの3倍
06/11/19 21:15:04
GJ!
ガルシア、ある意味まともだな。
それにしてもハルバートンが、ユーラシアと結びついてるとは・・・
683:通常の名無しさんの3倍
06/11/19 22:07:41
か、ガルシア閣下がまともだwww
某赤いニ〇ン〇イに出る閣下は狡猾でしぶといが、こっちの閣下は「普通」に
「人の上に立つ者」だなあ。ホフマン大佐も将官になっていることから、ハルバートン提督は
少将か中将?レビル閣下というよりブレックス准将みたいな立場だな。
(子飼いの戦力が乏しく、外部の援助を得るトコとか)
連投GJ
684:通常の名無しさんの3倍
06/11/19 22:30:40
なんかジオン側はナチュラルもコーディネイターも関係なく戦ってるのに、
連合もプラントも(プラントは当たり前なんだけど)そこらへんぐだぐだですなぁ。
685:通常の名無しさんの3倍
06/11/19 22:51:12
連合:ジオン?プラント?両方ともうちらの下僕の癖に反抗するなんてふざけてる
プラント:連合の採取は気に入らんが、ジオンのした事はもっと気に入らん!
ジオン:連合の植民地じゃねーよ!生意気なプラントも気にいらねーしやっとくか!
という感じじゃないか?
686:通常の名無しさんの3倍
06/11/19 22:59:35
ジオンからは実害なかった上に、なんのメリットもないのに気に入らないというだけで宣戦布告するプラントすげえ!
687:通常の名無しさんの3倍
06/11/19 23:33:18
ジオンのコロニーって、自分達で資金を投入して作ったんじゃなったけ?
プラントはプラント理事国が金出して作ったんだから、下僕で間違いないんだろうけどジオンは違うんじゃないか。
688:通常の名無しさんの3倍
06/11/19 23:56:09
しかし、本当に宇宙ではジオン強いな。
地上にドムやギャンが無いのがこんだけ差を生むのか…ドワッジもトローペンも開発されず、
フライトタイプのグフすらねーし、最強は得物がショットガンのイフリートか
ガトリングシールド装備のグフ・カスタム、それもどっちもバクゥに勝てねえ以上はラゴゥにも勝てるはずは無い。
ドム(特にホバー技術)やギャン系列のMSって結構多いからなぁ。ゲルググができるまでジオン地上軍はジリ貧か。
ストライクダガーが出たら本当に負けてしまいかねんぞ。
689:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 00:27:31
>>686
ジオンはプラントからユニウス7を譲渡して、それをブリティッシュ作戦に投入したから
プラント側からしたら、おまいら何しやがります?!って感じだろう。
>>687
史実だとジオン公国の住民は、宇宙移民政策(地球環境保全のため人類の生活圏を宇宙にシフトさせる)
により上がってきた連中だが、結果とし第一期移民が終了した段階で政策は中止になり、高官等は地球
での生活を続けている。さらに、連邦はコロニー公社等を通じて採取を行っていた。
ジオン側からしたら地球で位している連中の植民地と変わらん。
連邦の部分を連合と置きかえる必要はあるが。
690:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 00:31:45
譲渡じゃなくて、受領だよ…orz
691:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 03:05:10
>>688
ドムが無くても、グフ&ドダイYSがある。
爆撃機としての真価を発揮出来れば、バクゥには勝てる。
…ディンと戦うのに忙しくて、手が回らないみたいだけど。
692:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 06:59:45
ドムのプロトタイプってOEM生産したグフの改良型だし
グフを元にドム通り越してギャンの原型機に手を出すってのもw
対空戦はまとまった数のザクキャノン辺りに焼夷榴散弾用意させとけば何とかならんかね?
戦闘機は元よりアストレイよりも軽いディンの装甲もかなり薄いと思うんだが
693:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 18:40:27
空戦より陸戦のほうが被害が大きく、対空戦に戦力を割けられないのかもしれん。
ドダイYSグフ・グフ・ザクIIJ対バクゥ
ザクキャノン対ディン
をやると、ドダイとキャノンがディンを狩りきる前にグフとザクがディンに突破されかねない、とか。
694:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 19:54:52
最終決戦は、
初代仮面男 ジオング(時期的に完全体かも)
ザフトの仮面男 天帝
後の仮面男 ストライク
……ムウ、大丈夫か?
695:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 20:00:29
この世界にもBガンダムはあるんだろうか?
無かったらジオングはもっと普通サイズのMSになったはずだw
696:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 23:10:18
完全体ジオングは、全身をバラバラにして攻撃するっていう、ターンXのような事をする予定だったらしいな
というかターンXがジオングを参考にしてるみたいだけど
697:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 23:14:29
ジョングなんてのもありますぜ
698:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 23:32:21
>>697
勿論知っているさ
だが、長谷川作品を毛嫌いしてる人もいるらしいんでね
そう、そうだとも! 俺の脳内ではターンXとはジョングを参考にジュドーの子孫達が復活した血塗られた巨神を倒すために(ry
ぶっちゃけた話、ただの惑星間移動の為に作られたMSとかも言われてるよな
699:通常の名無しさんの3倍
06/11/20 23:49:01
まあ巨神はともかくV外伝はオフィシャルだから
700:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 04:06:50
ムゥにはコアブースターにでも乗ってもらって
ムゥ「かなしいけd(ry」
701:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 04:46:59
元々ムゥは1stのスレッガーさんをモチーフにしたキャラだろうからなあ。
702:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 08:27:22
>>701
それじゃノイマンに粉かけてくれないと
703:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 15:51:38
>>702
アッー!!
704:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 16:53:15
>>694
つーかシャアはノイエ・ジールII じゃね?
一応専用機だし。
ララァはプロトキュベレイでってことになると……この二人に誰が勝てるんだよwww
705:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 16:57:06
イザークinフリーダムwithミーティア
アスランinジャスティスwithミーティア
ラウinプロヴィデンス
の3機でどうだ
706:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 17:10:54
すべて紙一重でよけてくシャアとララァが目に浮かぶw
書き方次第でバランスは取れるんだろうけど……やっぱ鷹さんがきついな。
こう、GAT-RX105 通称 スレックス(ry
707:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 17:12:19
キラはGIIIストライクか
708:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 17:13:30
開発早まってストライクGP03とかね
709:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 17:15:21
>>706
ちゃうやん GAT-105NT-1 ね。
いや、鷹さんNTかどうかしらんけど。
710:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 17:16:42
鷹はダガージャグラーとか
711:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 17:17:42
>>705
アッシュinリジェネレイト、コトーニinテスタメントも加えてください
712:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 18:54:25
>687、689
本質的に棄民政策として行われたのが各サイドへの植民であるから、棄民対象に
コロニーの如き巨大建造物をものす財力があろう筈がない。
逆シャアでも、「連邦政府はコロニーを作って人を詰め込むだけで放り出した」
とスイートウォーターで「宇宙人」側から一席ぶっておったが、連邦政府にして
みれば戦災からの復旧なぞ基盤(コロニー)だけは直してやるがあとは自己責任
でやれだろう。
あと「採取」とあちこちでいってるが、「地球」が「宇宙人」から経済的利益
を得る事象についての表現はこの場合は「搾取」だろう。採取のレベルならば
わざわざ戦争してその状況を逃れるような手間をかける筈が無い。
713:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 19:58:04
鷹さんにはストライク+ガンバレルストライカーで良いんじゃない?
714:第05話 『それぞれの状況』
06/11/21 23:07:38
3.
「補給に関しては閣下の申し上げるとおりです。ですが、護衛艦を付けないのは些か問題があると思われます」
ホフマンはガルシアの意見に同意しつつ、自論を述べ始めた。
「護衛を付けないとなると、彼らがアラスカに辿り着けなかった場合、事は責任問題になりますでしょうな……」
「な、なに!?」
責任という言葉にガルシアは顔色を変えると、大きく目を見開いた。
「どうです? ここはあの哨戒任務中の部隊を護衛に付けるという事で……」
ガルシアはホフマンの言葉に動揺していた。
「し、しかし……」
「彼らはユーラシアに所属し、かつ第8艦隊にも籍を置いている。我々にとって有益になると思いますが?」
ガルシアはしばし考え込んだ。
(何だぁ? 厄介者の押し付けは勘弁してくれよ……)
ムウはそんな事を思いながら、ガルシアを注視すると、
「…………いいだろう。私から伝える」
そう言って立ち上がり、部屋を後にしてしまった。
ホフマンはガルシアの態度に溜め息を吐くと、ムウ達を気遣った。
「すまんな」
「いえ、我々は嫌われているようです」
「奴は病人なのだ。精神面のな」
「はぁ?」
ジェラード・ガルシアは、元々アルテミスに左遷されて来た。その為にガルシアは功績を上げることに執着していた。そして、
アルテミスの重要性が高まると彼は一層躍起になる。だが戦争が長引いて故郷のユーラシアがジオンに侵略されてゆき、ジオン
の強さを目にすると、ガルシアは日に日に圧し掛かる重圧に耐え切れず、心身を病んでいった。
「昔は出世欲に執着した男だったが、この一年で事なかれ主義の小心者になってしまった。戦争は人を変える、と言うが……
寒い時代になったものだな、まったく」
ガルシアも戦争の被害者なのだろう。
「ところで、護衛の部隊ですが……」
「失礼します!」
突然、憲兵が入ってくるとホフマンに耳打ちをする。それを聞いたホフマンは沈痛な面持ちでムウ達に向かった。
「君達に残念な事を伝えなければならん」
715:第05話 『それぞれの状況』
06/11/21 23:08:48
4.
クルーゼは自室で酒を飲んでいた。グラスにワインを注ぐと背後に誰かの気配があることに気づく。
「私に何か用かギル?」
「君を笑いに来た。そう言えば君の気が済むのだろう?」
そう言ったのはギルバート・デュランダル。クルーゼの数少ない友人で、気の許せる相手でもある。
「好きでこうなったのではない。それは君にだって分かるハズだ」
「しかし同情が欲しいワケでもないのだろ。ならば、レイの期待にも応えるラウ・ル・クルーゼであって欲しい。それが私に言える
最大の言葉だ」
現在クルーゼは本国にいる。ヘリオポリス崩壊の査問に呼び出されたのだ。そこで彼が待っていたのは批判の嵐であった。
『―しかしクルーゼ隊長。その地球軍のMS。果たしてこれほどの犠牲を払ってでも手に入れる価値のあったものなのかね?』
『MS開発を理由に襲撃するのはいい。だが、せっかく奪ったMSをジオンに奪われるのはな』
『結局手元には5機中2機しかない』
『しかも、君はジオン艦が現れると取り乱したというではないか!』
パトリックはクルーゼを擁護したが、評議会議員の息子であるニコル・アマルフィが行方不明になった事が決定的になり、
クルーゼは隊長職を失う事となる。そして今や謹慎中の身であった。
「……私の隊はどうなった?」
「解散は免れた。今は君の副官が……いや、かつての副官が指揮をとっている」
「アデスか……」
あの男なら旨くやるだろう。アデスは冷静かつ客観的に戦況を見れる本物の軍人だった。
「これから君はどうなると思う?」
「さあな」
「辺境の守備隊、もしくはテストパイロットかな?」
「はっきりと言ったらどうだ。君は私を励ます為に、ここに来たのではあるまい?」
図星だったのか、デュランダルは肩をすくめて見せた。
「このままだと君は決して前線に出られんだろう。君の更迭は議長の命によるものだから、ザラ国防委員長も手が出せない。しかし……」
目を細めるとクルーゼの耳元でささやいた。
「それは議長の命で撤回が可能を意味する」
「私にクライン派へ下れと言うのか!?」
デュランダルの真意を察したクルーゼは、思わず彼を睨む。
「このままでは君の目的はもちろん、“赤い彗星”と戦う事も出来ない」
「……」
「首を縦に振るのなら、私から議長に進言しよう。ああ、当然今すぐ答えを出せとは言わない」
「私はあの男が嫌いだ」
「だが、考える余地はあるだろう?」
言いながら部屋を出ようとするデュランダルだが、立ち止まり振り向くと、何かを確かめるように問いた。
「“赤い彗星”……君は彼をどう思う?」
「忌々しい男だ。奴は一年前よりも実力が上がっていた」
「……聞いた話だが彼はナチュラルらしい」
「馬鹿な!?」
「なんでも“ニュータイプ”と、ジオン本国では噂されているようだ」
「人類の革新か? 笑える話だ!」
「ラウ、私は君も赤い彗星と同じなのではないかと考えているのだよ……」
デュランダルが部屋を出るとクルーゼは高らかに笑いだした。
「出来損ないの私が? あり得んよギル……」
クルーゼは残っていた酒を飲み干した。今はただ、酒に酔っていたかった。
716:第05話 『それぞれの状況』
06/11/21 23:11:15
5.
アルテミスの医務室で、ムウ達はパオロの最後を見取っていた。パオロはアルテミスに着き次第緊急手術を行なったが、間に
合わなかったのだ。そのパオロは横になり安静にしている。痛め止めが効いているのか辛そうな表情はしていない。
「何故、君を庇ったのかを話そう」
傍らにいたナタルに、パオロは静かに話し始めた。
「私が昔、士官学校の教官をしていた頃、教えた生徒の中に君のお父上……バジルール提督がいた」
「父を艦長が……」
「優秀な男だった……鍛えがいがあった……ただ、提督には一つだけ欠点があった。なんだか分かるかね?」
その問いに、ナタルは首を振る。
「理論・実習共に申し分なし、ただし時として思考に柔軟性を欠く……」
ナタルはハッと顔を上げた。
「覚えがあるかね? そうだろう、君の総合評価の項にも書かれてある」
笑いながら、パオロは続ける。
「私が敢えて艦を君に委ねたのは、それを学んでほしかった。教科書には載っていない、危機的状況をいかに打破するかを……」
「……」
「今思えば、私が戦術は常に変わりゆく事をしっかり教えておけば、提督は世界樹で死なずにすんだかもしれん……」
「そんな! 父の死は艦長の責任ではありません!」
「それだけではない! 私はあの時、世界樹にいたのだ。提督の指揮する第1艦隊に! ……目の前で提督の乗るアガメムノン
が落とされた時、私は何も出来なかった! 盾になる事すら出来なかった!!」
「艦長……」
「分かっている。私が今言っているのは老人の戯言にすぎん……だが、謝らせてほしい……すまない少尉」
「勿体ないお言葉です」
「フラガ大尉、ラミアス大尉……これからも少尉を支えてやってくれ……」
力強くうなずく二人に、パオロは安心したように目を閉じる。
「私はね、しばしば考える事がある……私の様な老人はキラ君の様な若者達に……何を残したのだろうと……」
「……」
「争いと死と独善と傲慢……天から与えられた大自然の荒廃……私は退場する時なのかもしれん……新しい訪れを……
妨げない為……にも……」
「!?」
「艦長!!」
こうして、パオロ・カシアス中佐(後に准将)は、アークエンジェルに残された全ての人達を案じながら息を引き取った。
717:第05話 『それぞれの状況』
06/11/21 23:14:52
6.
L3宙域へ向かう1隻の宇宙母艦に、アルテミスからの通信が入っていた。
「―が次の任務だ!」
「哨戒の次は護衛か。もう少し面白い仕事はないのか」
「うるさい! 貴様は私の命令を聞いていればいいのだ!!」
「……チッ!」
「まったく、コーディネイターという奴は……」
モニターの中でガルシアは頭を抱えていた。その姿が気にいらないのか、黒髪の長髪の青年はいやらしい口調で言った。
「そうそう、途中でザフトの武装シャトルを発見したから落しておいたぞ」
「貴様! 勝手の事をするな!! いらん挑発……」
ガルシアが言い終える前に通信を消す。一種の嫌がらせである。
「カナード・パルス特務兵、武装シャトルではなく民間シャトルですが」
「フンッ! ジンが護衛に付いていて、何が民間だ」
副官のメリオル・ピスティス大尉が指摘を一蹴すると、乱暴に座席に座り呟いた。
「キラ・ヤマト……貴様は一体何所にいる」
――つづく
718:51
06/11/21 23:18:20
シャア出せなかった。スマソ・・・
719:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 23:19:52
うお!カナードとキラがニアミスしてるw
720:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 23:21:47
GJ
うあ、すげー状況。デュランダルにシャアの生霊が憑依しとるww
カナードとキラがこの段階で接触する→カナードジンVSキラストライクなわけで…護衛どころじゃないやんww
次回を待ってます。
721:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 23:22:37
51氏乙!
クルーゼがクライン派行きにカナードがキラと鉢合わせ!?
それにカナードがラクスの乗ったシャトルを打ち落としているんだが
なんか物凄く先が読めないんですけど。
722:51
06/11/21 23:25:25
そうそう、パオロとナタルを無理やり絡ませたが問題ないかな?
一応、AA艦長はナタルにしたいからこんな形になったのだが・・・
723:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 23:28:40
>722
いや、こっちが読んだ限りでは特に問題はないです。
724:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 23:39:59
>>714-717
クルーゼ、やはり更迭されてしまったのね・・・ということは、白服取り上げられたわけか。
AAサイドはパオロ艦長が殉死。しかし、艦長のナタルよりフラガが階級が上(マリューは技術士官なので位置づけが違う)なのは問題になりそうな気が・・・
で、運命の出会いの時が刻々と・・・ラクスはセイラ(=アルテイシア・ダイクン)と面識あるのか?
725:ガルマネタ書いてるヤシ
06/11/21 23:40:47
GJ!シャアはニュータイプだと認識されているみたいですね。するとシャア専用の赤いエルメスとか…w
で、ちょっと質問です。
今、私はまだ「ヘリオポリスが襲撃されるずっと前」の状況を書いているつもりですが、カガリは開戦時期がずれたり
ジオン公国が参戦した結果、どちらにいるんでしょう?
もしも砂漠にいないなら、登場させるわけにはいかないですし。セーフティーシャッターも使えないしw
726:通常の名無しさんの3倍
06/11/21 23:46:22
GJ!!
ニヤリとさせられるパロディも多くてワロタ
なんかものすごく歴史が混線起こしてるし、これからどうなるか想像つかん。
727:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 00:06:05
GJ!!
もしかしたらクルーゼが、シャアの相手になる芽が出てきたかも。
それにしても、自分のことを出来損ないと言うとは・・・死者に囚われているな・・・
728:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 01:08:53
もしもさ、シャアがララァとラブラブして、一緒にNTの未来の事を考え始めたら
クルーゼも救われる対象になるんだろうか
クルーゼが、自分が人の革新だって知ったらどう思うんだろう
出来損ないの自分が人の革新だって知ったら
729:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 01:16:35
できそこないったってテロメア短いだけじゃなかったっけ?
人生短くなってるCE世界でそんなにすねることでもないような。
730:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 03:46:24
皮肉にも被クローンのアルダ・フラガが超優秀だったんでクルーゼもレイも優秀なんだよな。
これでテロメアが短いだけで出来損ない認定食らったら、そりゃクルーゼだってキレるわ。
出来れば人類の革新NTとして存在意義を持つことで救われてほしいな。
731:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 03:47:59
>>724
フラガはパイロットとして出撃しないといけないからナタルが艦長で問題無いんじゃない?
いざとなったら名目上の艦長をフラガにして、ナタルは艦長代理でもいいし。
732:51
06/11/22 06:12:38
>>725
どちらにというのは宇宙か地上かでしょうか?
カガリについては原作と(ガルマと知り合いってだけで)あまり変わりません。
733:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 09:56:20
>716
>パオロ・カシアス中佐
普通、AAのような明らかな大型新鋭艦は一所轄なので所轄長=キャプテン=大佐
を当てます。日本には身の回りに退役軍人とかが殆どいない所為かガンダムはじめ
大概のアニメはこの辺りの階級感覚がおかしい。
それから高級士官の場合、戦死しても常に2階級特進とは限りません。戦死時階級
に叙任されてからの年限や特段の戦功などが加味されての総合評価になります。
>724
「殉死」はないだろう。殉死とは追い腹を切る事であり意味が全く違う。
また、「艦長」のナタルより「飛行隊長」のフラガの方が階級が上なのに艦の
指揮をとらないというのは、「母艦」と「艦載航空隊」の指揮権が別である等
の場合でかつ上級士官が戦死する等の非常時の現象としてはあり得ない事では
ないが、軍令系統の原則的には階級が上の者が指揮をとるべきだから、やはり
問題がある行為になる罠。
>731
その案は指揮系統を混乱させるだけ。
普段指揮を執るナタルが「面舵」を命じたのに、たまさかフラガが「取舵」と
思いつきで言ったとしたら、大原則はフラガに従うべきだから実際問題として
兵は混乱せざるをえない。
734:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 10:02:26
軍オタって知識あってもアホだな・・・
735:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 10:10:44
ナタルが艦長、フラガが司令官、で駄目?
736:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 10:12:52
そうすると司令官が毎回出撃してまずいだろ。
かといってフラガ出さなかったら戦力的にまずいし。
737:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 10:15:07
いや名目上だけ
最高意思決定権はフラガにあるけど、フラガが艦を動かすにはナタルに命令しなければならない、
という形にすれば混乱はしないだろう
738:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 11:11:21
ファルメルでいえば、シャアとドレンみたいなもの?
739:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 11:19:52
そうそう、そんな感じ
ガーティー・ルーのネオとイアンでもいいけど
740:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 11:25:55
「司令官」は「戦隊」等の艦など所轄の上位の指揮系統に属して、艦に対する
指揮命令権は持たないもの。だから司令官が座乗する艦本体の指揮については
直接に「取舵いっぱい」なぞと言えば上からの越権行為となる(リアルでも時
に起こってしまう事で、コレが多い司令官司令長官は艦から嫌われる)。
ただし司令官が「戦隊」を動かす為に指揮下にある艦が付随して「戦隊全艦は
左一斉回頭」などの命令で艦長が艦に「取舵」という事ならば当然の行為だ罠。
741:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 12:45:40
ヒント:世界樹戦(1stだと1週間戦争)で佐官クラスの士官は軒並み戦死して人手不足。
742:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 12:46:29
>>741は>>733へのレスね。
743:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 12:49:24
銀河英雄伝説での、ヤンやラインハルトと各々の艦長のやりとりみたいなもの?
744:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 13:04:42
戦いは数だよ兄貴w
745:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 13:10:44
種だとジェネシスだのレクイエムだの出てくる上に、
政治的な理由での戦争ではなく殲滅戦だから
数が多ければ勝てるってもんでもなくなってるが
746:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 14:34:39
>>745
どいつもこいつも嫌な意味で死狂ってるからなぁ、CE世界。
747:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 14:39:38
>741
そういう時は昇進を早めたり、予備士官を待命状態から現役復帰させたり
フネ戦のものならば商船士官から編入したりして体裁を整える。こういう
促成栽培士官が過半を占め、正規の教育を受けた士官の方が少数派になる
事は珍しくない(さすがに将官はまた違うが)
軍隊も国家機関である以上「お役所」なので、この辺りの原則的事項を曲
げる事はまずあり得ない。
>743
そういう事。
具体例としてバーミリオン会戦でヤンが旗艦艦長シャルチアンに艦レベル
の指揮を委ねて、砲撃等に対する艦の回避運動などの指揮をまかせたが、
その結果として艦が後方に下がりすぎた為に、再度艦隊司令官として前進
を命じたのであって、艦を直接指揮したのではない。
www.youtube.com/watch?v=SFClNa0M0FE
748:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 17:14:45
軍ヲタきめぇwwwwwwwww
749:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 17:38:43
こうなるから階級は再考の余地有りと言ったんだ
750:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 18:40:29
シェイクスピアが残した言葉を、このスレに合わせ、一言だけ変えて>>747に送ろう
>~はまずありえない
「創作ですから」
751:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 19:32:54
>>747
うざいです。
752:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 19:58:38
「ありえない事」ではないこと(パオロ艦長2階級特進とかナタル<フラガの階級とか)にまでケチつけてるあたり、
自分の知識をひけらかしたいだけの典型的な軍ヲタに見える。
753:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 20:44:09
別に道理にあってなくてもいいんじゃないか
種 な ん だ か ら
754:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 20:44:47
ザフトなんて階級ないっす。
755:通常の名無しさんの3倍
06/11/22 21:03:50
>>747
創作物は、一般人の知識に合わせて作るもんだって
しらねーのか馬鹿