ジオン公国が種・種死世界にきたらat SHAR
ジオン公国が種・種死世界にきたら - 暇つぶし2ch349:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 22:39:01
「さて、次は北アフリカのZAFTか。目だった動きは無いが、最近小規模な攻撃が頻発しているな。
あちらも、こちらとの大規模な会戦は避けるつもりではあるようだが……解せんな」
「それについては、挑発の意図は無いと見てよろしいかと」
プラントにとっても、まず叩くべきは連合である。
感情的な反発から開戦に至ったものの、プラントの立場はジオン公国に近い。
また、経済的に自立しているジオン公国が、ある程度妥協して連合と手打ちを行えるのとは対照的に、
連合の経済植民地から脱却するためには、連合を完膚無きまでに討っておかなければならないのだ。
中途半端な勝利では、条件無しでの完全な独立を果たすことが不可能だからである。
「ガルマ様同様、アンドリュー・バルトフェルドはそれが見えている男です。
しかし、ガルマ様ほど彼の権限は大きくは無い。それが彼の不幸でしょう。
彼はラウ・ル・クルーゼとは違い、プラントの中枢からは疎まれておりますからな」
「よせ、そう人を持ち上げるものではない。だが、それならばここ最近のZAFTの動きに説明はつくな」
ガルマやマ・クベには信じられないことだが、プラント上層部は連合とジオン相手の二正面作戦を
勝利するつもりでいるとしか思えないのである。
おそらく、バルトフェルドも後ろから突付かれ、形ばかりの攻撃を仕掛けている、といった
ところなのだろう。とは言え、砂漠の虎の二つ名を持つバルトフェルドの攻撃による被害は、
決して無視できるものではなかった。
「バクゥ相手に奇襲されては、グフでも厳しいからな。とはいえ、ルッグンやフリッパーで
戦線全体をカバーするというわけにも行くまい」
正面から戦えば、ジオンの混成部隊とてザフトに劣るものではない。
バクゥは確かに陸の王者だが、濃密な空爆に耐えられるわけではない。
ドップとルッグン、そしてザクの乗ったドダイによってディンを駆逐し、
その後遠距離からの砲撃で足止めされたバクゥをドダイやガウ攻撃空母で破壊する、という
戦闘教義は、実際に勝利を収めていた。虎が正面からの戦闘を回避する理由は、ここにもあった。
「ここは干戈を交えずして、相手に勝つことが上策でしょうな」
「ふむ。何か策があるようだな」
ガルマは、マ・クベを信頼している。彼の忠誠が自分ではなく、その先のキシリアに向けられた
ものであることは十分承知しているが、彼の忠告や提案はどれも傾聴に値した。
己と全く異なる思考法をする、有能な人物は貴重な存在でなのである。
「彼らの補給を切り崩すのです。カーペンタリアは北アフリカからあまりにも遠い。
彼らはアフリカ連合を通して補給を受けていると見て間違いありますまい」
ならば、アフリカ連合を味方につけ、逆にサボタージュさせれば良い。
そうすれば、さしもの砂漠の虎も音を上げることになるだろう。それがマ・クベの案だった。
「なるほど、面白いな。早速実行してくれ。すでにアフリカ連合とパイプを作っているのだろう?」
「ご存知だったのですか」
ガルマの答えにマ・クベは驚いた。
自分の行動は腹心のウラガン以外には知られていないと思っていたからである。
「私も兄上だけでなく、姉上から学ぶこともある。問題が無いから放置した、それでは不十分かな?」
「いえ…敬服いたしました」
本心からの台詞である。虎という名将との戦いが、ガルマを成長させたのであろうか。
キシリア、ドズルという相反する2人の将が、彼の将来を嘱望する理由を垣間見たマ・クベであった。
「それでは、すぐに工作を始めることに致します。吉報をお待ちください」
「少し待ってくれ。さっきの提案に加えて、もう一つ策がある。骨を折ってもらえないだろうか」
執務室から退出しようとするところを呼び止め、指示を与える。
この指示が後に与える小さな、だが重要な影響について、まだ誰も知ることは無かった。


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