06/11/05 00:47:19
5.
「ちっ! 新兵か!?」
ミゲルはそのザク改のパイロットは戦いなれていないことに気づいていた。ミゲルにとってその
戦い方は不愉快であり早々に片をつけたかったが、アスランが脱出する時間を稼がなくてはならない。
「こいつは問題ないが向こうにいるもう一機は厄介だな」
デニムの乗る機体は無駄弾を撃たずに狙いを定めて撃ってきている。ナチュラルではあるが熟練兵で
あるのは一目瞭然だ。
そもそもザクとジンでは機体性能に大きな差がある。Nジャマーのおかげでザクの出力はジンと
同レベルにまで落ちたが火力と装甲においてはザクのほうが幾分か上だ。ジンにはコーディネイター
が乗ることで性能差は埋められているのが現状である。その為、ザクのパイロットがコーディネイター
だったり、熟練兵になると厄介な相手になってしまう。
ミゲルはザクとの距離を取ってアスランへ呼びかける。
「まだかアスラン!」
<もう少し……よし! 工場を出た>
「待たせやがって……それじゃあ遠慮はいらんな!!」
ミゲルは重斬刀を抜くと、スロットルを全開にして不愉快なザク改に接近する。ジーンは敵機がいきなり
攻勢に回ったことに動揺した。
「うわあ!」
闇雲にマシンガンを発砲するがそれが当たるはずもなく、ザク改は頭部を重斬刀で斬られてしまう。
メインカメラをやられパニックを起こしたジーンは恥も外聞もなくデニムに助けを求めていた。
「曹長殿! 曹長殿ぉ!!」
「目障りだ!」
重斬刀を引き抜き、ミゲルはそのままザクの胴体を横に斬った。パイロットを失ったザクは動きを止め
そのまま地面に倒れこみ二度と動くことは無かった。
「よくもジーンを!!」
部下の死に激昂したデニムは今にもジンに飛び掛ろうとするその時、そのMSは現れた。