06/10/31 23:21:50
3.
L4では、ソロモンの防衛を指揮しているキシリアの突撃機動軍艦隊とザフト艦隊が戦いを繰り
広げていた。元々ソロモンはドズルの支配下に置かれるはずなのだが、緒戦から戦い続けていた為に
疲労も大きく、今は本国へ引いていた。
「このタイミングで攻めてくるとはな」
「以外でした。しかし敵艦隊の規模それほど大きくはありません」
「だが先遣隊はどうなった?」
報告されたザフト艦隊の数の少なかったが、迎撃に当たらせた先遣隊は敗退していた。
生き残った者の話を聞くと、突如としてMSが動作不能になったらしい。
艦艇数からザフトが本気で攻めていないことは分かっていたが、この報告はキシリアにとって
気になるものであった。
「奴らは先遣隊に何かしたのか」
キシリアは言い様のない不安を感じていた。
=============================================
同じ頃、南極ではジオンと連合の条約締結のための会合が開かれていた。
ジオン側の代表はジオン一と言われる地球通のマ・クベ中将で、彼は会合を終始コントロールした。
連合側は何とか譲歩できないかと様々な案を提示していたがマ・クベは全て拒絶する。
いよいよ全面降伏しか道は無いと高官達があきらめたまさにその時、奇跡は起こったのである。
『私はこの目で、ジオンの内情をつぶさに見てきた。
我が軍以上にジオンも疲れている。
月での戦い、世界樹での戦い、そしてコロニー落とし……
すべてジオンにとってはギリギリの勝利でしかなかったのだ。
我々も苦しいが、ジオンも苦しい。
彼らに残された兵はあまりにも少ない』
ハルバートン提督がジオン本国からの脱出に成功し、全地球規模の演説を行なったのだ。
演説の内容は連合以上にジオン軍も疲弊していることであった。
結局、この「ジオンに兵無し」演説により連合軍首脳部は抗戦継続を決意する。
251:51
06/10/31 23:26:18
4.
南極での会合が終わりを迎える中、ソロモンでの戦いも終局に向かいつつあった。
「くっ! パワー負けだとっ!!」
クルーゼは重斬刀とザクとの鍔迫り合いによって、ザクの出力がジンを上回っているのを感じた。
先程から押し切ろうとしても押し返せないのだ。
元々ジンとザクは同スペックと思われていたのだが、実際には火力も装甲も出力さえもジンを
上回っている。クルーゼは持ち前の技量の高さで難なくザクを撃墜していたが他のパイロット達
は苦戦を強いられていた。そして自身も目の前の真紅のザクに押されている。
「しまった!!」
一瞬の隙を見逃さなかった真紅の機体がジンをはじき返すと、そのまま体当たりを行なう。
ザクの肩にはタックルの為のショルダーアーマーが付いているためジンへのダメージは計り知れない。
クルーゼは必死で体勢を立て直すが時すでに遅く、目の前にはザクが銃口を突きつけていた。
(バカな……私がこんな所で……望みもかなえられぬまま死ぬというのか……)
信じられないという疑念と絶望の中クルーゼは死を覚悟した。その刹那、ザフト艦隊から
信号弾が上がる。それは撤退の合図であった。だが、クルーゼには関係なかった。自分はこれから
撃たれるのだ。思っていたその時―
『聞こえるかザフトのパイロット』
真紅のザクが通信を入れてきたのだ。
『さっさと行きな』
252:51
06/10/31 23:27:36
信じられない言葉にクルーゼは思わず答える。
「見逃すというのか!?」
『そっちが撤退信号が出したってことは俺達の勝ちだ』
たしかにソロモンを攻めきれていない以上ジオンの勝利である。
『大尉ッ!』
『おう、今行く……じゃ、そういうことだから』
言うと、真紅のザクは銃を下げ身を翻してソロモンのある方向へ去ってしまう。
クルーゼはその光景を唖然と見ていたが、次第に怒りがこみ上げてきた。
(殺す価値すらないというのか……)
屈辱に身を震わせ真紅のMSが去っていった方向を見る。
(赤い彗星……私を生かしたことを後悔させてやる)
こうして「ソロモン攻防戦」はザフトの敗退で幕を閉じた。
だがこの戦闘でジオンは、ザフトの脅威の科学力を知ることになる。
253:51
06/10/31 23:28:40
5.
ギレンは報告書に目を通し終えると独り考え込んだ。何故なら、この日はジオンにとっては
厄日とも言えたのだから。
「ハルバートンのことはいい、奴が戻ったところで大勢は変わらん」
ハルバートンの脱走は想定外だったが、MSがあるジオンの有利は変わらない。むしろ、
以前計画していた地球侵攻作戦を実行にうつし、徹底的に連合を叩いてやろうと考えたのだ。
しかしソロモン攻防戦での報告書を読むと、作戦を根本から練り直さなければならなくなる。
―ニュートロンジャマー
この装置は、全ての核分裂を抑制させてしまう。つまり核ミサイルをはじめとする核兵器、
核分裂炉などは使用不可能となってしまうのだ。ザフトはこの装置を、先の攻防戦で使用した。
先遣隊のザクの動力源である核分裂炉が使用不能となってしまったのである。
ジオン公国のMSは全て核分裂炉を動力源としている。今回は試験的に投入したのだろうが、
もしザフトが本格的に使用するとジオンのMSは只の鉄くずになってしまう。
「致し方あるまい……」
ギレンは現状のMSを分裂炉からバッテリー駆動への変更を決断をした。之により侵攻作戦は
1ヶ月近くも遅れてしまうことになる。
ジオンがMSの改良に躍起になってる間に、ザフトは「オペレーション・ウロボロス」を決行。
地球上にニュートロンジャマーの散布を行なった。これは後に「エイプリル・フール・クライシス」
と呼ばれ、多数の餓死者、凍死者を出す事態となる。
そしてC.E.0070年4月2日、前日のエイプリル・フール・クライシスの混乱に乗じ、オーストラリア
地区のカーペンタリア湾を占領、48時間でカーペンタリア基地を建設し地球侵攻の足がかりとする。
ジオンも4月27日に月面からのマスドライバーでオデッサ基地の対空防衛を弱体化し、5月4日に
資源発掘隊を天然資源の多いカスピ海及び黒海沿岸部、コーカサス地方のオデッサに降下し占領する。
その後はロシア全域と中東へ侵攻し占領する。更にアフリカ大陸へと進むがそこは既にザフトの
領域であった。結局アフリカ北部において、地球方面軍司令ガルマ・ザビ大佐率いる機動部隊と
「砂漠の虎」の異名を持つザフト軍北アフリカ駐留軍司令官アンドリュー・バルトフェルドのバクゥ部隊
が睨み合う形となる。
この三つ巴の戦いは開戦から1年が経っても決着は付くことはなかった。
254:51
06/10/31 23:34:16
つづく・・・
設定変更、ザクの動力を変えました。
ちなみにジオンで融合炉自体は出来てます。
ただ小型化が出来てません。
それと地球侵攻作戦が遅れた為に、オデッサ制圧段階でザクJ型が出来上がってます。
一部のエースにはグフ(先行量産型)も与えられています。
そうなるとヘリオポリス崩壊の段階では・・・
ではまた。
255:通常の名無しさんの3倍
06/10/31 23:47:36
プラント落しの被害から日が浅いのに、ザフトはNJ投下やっちまいやがったか…
原作以上に死者が出るな、南米はもう人口は10分の一以下になっちまっただろう。
NJによる無線通信の麻痺で、経済も運輸も大混乱。
256:通常の名無しさんの3倍
06/10/31 23:50:03
乙・ジオン!
ハルバートンをレビルにしたのか・・・
停戦条約はつぶれたみたいだけど、ジオンと連合の間に交戦規定くらいは結ばれたと考えていいのかな?
プラントがこの段階でNJ投下か。
コレは拙い手だろう。
ジオンの攻撃を受けて、弱ってる所にさらに攻撃を仕掛けて連合の恨みを買い
ジオンとの同盟を周りから見れば理不尽極まりない理由で破棄し、攻撃を仕掛けてジオンの恨みを買う。
下手すると恨みは全部プラントに向きかねん。
ジオンが連合と和解する、もしくは停戦・一時共闘する確率って実はありそうなんだよね。
破滅への道の一歩かな・・・
もしかして、赤い人がコーディ?
ちょっと口調が違ったみたいだが、赤い人じゃなくてジョニー・ライデン?
クルーゼがまともに生きそうなフラグが立ったように思えるのは俺だけか。
今回一押し
>ザフトの脅威の科学力
ギャグですなwww
257:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 00:10:29
キシリア…真紅の稲妻
ドズル…赤い彗星
クルーゼ見間違えてる
258:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 00:31:15
>>256
感情によって、たった一ヶ月で一方的にジオンとの同盟破棄してジオンに宣戦布告、
ユニウス7落しの被害が覚めやらぬこの時期のNJ無差別投下、
これではプラントがユニウス7落しの黒幕だと思われても仕方がないぞ。
259:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 07:51:18
下手なコロニーへの攻撃はその残骸によるコロニー落しを誘発する
この考えが根付けばコロニーそのものへ攻撃することに対する抑止になりそうだね
前例があるわけだしNJの投下なんぞよりも有効なプランだと思う
防御の時にのみ使い攻撃する時には停止して核使い放題、ミノ粉との差別のためにもこんなNJの使い方はどうだろう?
260:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 19:50:15
>>254今回も乙
ザクの動力は核分裂炉に変えましたか(私もその方が良いと思います)。
後にザフトは自ら核分裂の封印を解くことになるのだろうけど、そのときギレンはどういう感想をもつだろうかな。
ところでクルーゼ君、そいつは人違い。
まあ、彼は間違われるのになれてるはずだが。
261:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 20:17:28
「地球の肺」たる、南米の大森林を消失させるって、地球生命の寿命を縮めてると思うんですがんですが(汗
ガンダム本編より、地球環境に対して大打撃じゃないですか!?(滝汗
普通にブルコス穏健派も敵に回したんじゃないでしょうか?
262:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 21:14:11
ガルマVSバルドフェルドの戦いか。無能同士が指揮官というのがなんともいえんな。
263:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 21:26:25
だからこそ、睨み合いが成立するんだな。
だが無能の度合いで言うと、虎の方に軍配が上がりそうだ。
なにせ戦争は、殲滅戦争以外存在しないと考えてる奴だから。
264:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 21:47:56
無能無能言うけど一応ガルマは士官学校主席なんだぞ…多分
265:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 21:53:19
ガルマは無能ではないぞ。相手がアムロが乗ったガンダム、それも敵の情報はほとんど無い状態だったから
あれだけ酷く負けたわけで、特段に無能扱いされるようなことはない。
自分の失敗を正面から受け止め、忠告を素直に聞くことが出来る、種世界にはいない男だ。
266:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 21:56:53
>265
あとホワイトベースに不意打ちを食らったのは
シャアのせいだしなあ。
オリジンだとガウがキルゾーンに飛び込んできてブライトが慌てて
攻撃目標を変更するシーンもあるし。
267:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 22:21:45
つまり、戦況が膠着してるということは、ガルマが学習し成長していることの証拠か。
考えてみりゃ砂漠でバクゥにザクやグフで戦うのは辛すぎる。ドムがいれば楽勝だろうが……
268:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 22:33:44
種世界のキャラは一律補正かけないと話にならんぞ。
種世界では名将といわれてる春や虎があのていたらくだし。
269:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 22:35:14
トラが勝ってたのはバクゥの性能のお陰じゃね?
270:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 23:34:58
>ザフトの脅威の科学力
言い回しはまあギャグだが、まともに考えたら技術水準は
ザフト>「地球連合」>ジオン>「地球連邦」
だろうCE世界のMSは、電池駆動で大電力を要するビーム兵器を景気良く
使いまくる事から、機器の小型化省力化省電力化という方向に対しての格段
のアドバンテージがあると考えられ、最後の最後まで有効な戦力としてMS
にビーム砲を装備できなかったジオンとの差はかなり大きい(MS14系は
機体のハード面はともかく、搭乗員の練成がおいつかずソフト面が駄目だ)
俄かに電池駆動にしても、MSの使用機器が核動力前提の「大食い」なのが
変わらないのだから(電気技術なんてのは、基礎的な技術力工業力が端的に
出るからギレンの決定一つで一朝一夕にどうこうなるレベルの問題ではない)
すぐに腹をすかせるジオンのMSはUC世界でのそれ程のアドバンテージは
なくなる。何より貧乏国家のジオンにはすぐに腹が減るMSへの補給維持
がすぐにも戦略レベルで耐え難いレベルの兵站への負担になってくる筈だ。
一方連合は技術の基礎的な水準は高く戦力化のテンポが少し遅いだけでミラ
コロや光波防御システムなど有益かつUC世界にない独自技術も多い。
これらはザフトもコピったりしたが、戦時に早急にコピーを作りあまつさえ
独自改良まで加えるのは、それだけの技術力だけでなく「製品」にできる
大工業力が必要でこの点ではザフトも決して弱い訳ではない事を実証して
いる(例えばWW2において米のB29をソ連ががコピって戦後すぐ実戦
配備した例があるが、技術力はともかく工業力の弱い日本では到底同じ事
はできなかった)。
だからこそNJ、NJC、ジェネシス、Nスタンピーダーとともかく使える
「超兵器」を次々と連合の先手をうって投入できたのだろうが。
271:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 23:36:19
ガルマの敗因は信頼する最も信頼する軍師の裏切り。
学生時代から素性隠して接近されたらいつでも落とされますよ…
272:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 23:37:13
ジンレベルのバッテリーは一般レベルで流通だろ。
273:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 23:38:06
独自改良なんてあったか?
274:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 23:40:58
アクタイオン社はどこへでも売ってくれるぞ。
275:通常の名無しさんの3倍
06/11/01 23:46:24
スルー汁!
276:通常の名無しさんの3倍
06/11/02 04:08:17
ガルマは才能はあったと思うぞ。
士官学校でも次席だったわけだし(主席はシャアだが、ワザとガルマに主席を譲った)。
ドズルみたいな実力主義者が可愛がっていたことから見ても、
親類の情を差し引いても将来性があったんだろう。
大体シャアが凄すぎるから忘れられてるが、シャアもガルマも若干20歳だぞ?
これから経験を積む事が必要な段階で、いきなり指揮官として活躍できるわけないだろう。
お坊ちゃん育ち故の甘ささえ取れれば、かなりいい将軍になりそうだ。
277:通常の名無しさんの3倍
06/11/02 09:50:12
ガルマの本質は才能うんぬんより、あの人の良さだと思われ。
才能、実力があっても兵がついてこなければ将軍として失格だが、
ガルマなら性格的に悪くはないし、兵を無駄にいじめないので兵に好かれるだろう。
実力不足のところは、優秀な参謀、現場指揮官を部下に与えてやって、
彼らに実務をとらせ、最終的な裁量と責任のみをとらせる形の将軍を目指せばガルマはかなりやれるんじゃない?
278:通常の名無しさんの3倍
06/11/02 09:54:55
「あいつこそは俺をも使いこなす将軍となれたであろうものを…」
ってドズル中将も言ってたしね
279:通常の名無しさんの3倍
06/11/02 10:00:08
デギン→隠居
ギレン→国家元首(軍事には関わらず)
ドズル→現場司令官
キシリア→軍政家
ガルマ→軍総司令官
になったらジオン軍はかなりいけるんじゃね?
30倍の国力の差なんてなんのその!・・・・は無理としても。
280:通常の名無しさんの3倍
06/11/02 11:22:10
>>279
全員が団結できたら、という仮定の条件が付くが。
281:通常の名無しさんの3倍
06/11/02 11:44:19
ドズルとガルマは問題ないんだが、ギレンとキシリアに問題有りだな。
デギンをやらなきゃキシリアも、最終手段に訴えんだろうが・・・
282:通常の名無しさんの3倍
06/11/02 12:39:32
≫279
いやいや、ジオンの場合は上の対立が収まってもその下の取り巻き連中(マ・クベやガルシアあたり)のいがみ合いは継続するんじゃないか?
283:通常の名無しさんの3倍
06/11/02 16:05:24
マクベが折角の兵糧を確保しても、
サビ家の内ゲバで敗戦じゃトホホだな。
ネオジオンもグレミーが反乱起こしたり散々だ。
連合が立ち上がれなくなってから、政権潰しに動いラクスのが賢い。
284:51
06/11/03 20:56:54
とりあえず第1話・・・
285:51
06/11/03 20:58:01
1.
「大尉ー!」
MSのコックピットから呼びかけられ、マリュー・ラミアスは振り返る。テストパイロットである
友人が長い髪をなびかせ怒鳴っている。
「X303のOSチェック行ないますー!」
「お願いね!」
周囲が騒がしいのでマリューも怒鳴った。
ここは“ヘリオポリス”。地球の衛星軌道上、L3宙域にあるスペースコロニーである。
ヘリオポリスはオーブ首長国に属している。この国は連合、プラント、ジオンの三つ巴の戦争に
一切関わらないと中立宣言をした国家だ。
「X105の方はどうしますー!」
「時間がないから搬出後にやるわー!」
このヘリオポリスでは連合が極秘裏に行なっている“G”計画が実行されていた。この計画は
相次ぐ敗戦に危機感を持ったハルバートン提督が責任者となったものである。
その内容はジオンおよびプラントのMSに対抗できるMSとそれを運用する新造艦の開発、製造
であった。この新型兵器は“G”と呼ばれ、これからの戦局において重要な価値を持つものである。
その“G”が完成し、搬出も目の前という段階でマリューは安堵していた。しかし彼女はそれが
まだ早すぎることを知らなかった。
286:51
06/11/03 20:58:56
2.
「状況は?」
「強力な電波干渉がザフト艦から発信されています」
パオロ・カシアス中佐はその報告に眉をひそめた。その言葉を意味するのは戦闘行為であることが
明らかな為である。
「中立コロニーに攻め込むとはな……」
「外には護衛の巡洋艦がいます。そう簡単には入れないでしょう」
重苦しい空気の中ナタル・バジルール少尉が言葉を発するがそれは単なる気休めにすぎない。
「アークエンジェルの発進準備に取り掛かれ! “G”の搬入を急がせろ!!」
「了解しました!」
「それから、逃げ遅れた住民がいれば収容するように」
「それはオーブ側がすべきでは?」
パオロの命令にナタルが疑問を投げかける。通常、コロニーには退避シェルターがある。
何かあった場合は住民はそこに避難するはずだからだ。
「それにこの艦は軍の機密……」
「民間人を見殺しにするわけにはいかん」
「……」
「あくまで事情が許すかぎりだよ」
その直後、爆発が起きその爆風によりナタルは吹き飛ばされてしまう。
「少尉ーっ!!」
パオロの叫び声を最後にナタルは意識を失った。
287:51
06/11/03 20:59:50
3.
工場区では激しい戦闘が繰り広げられていた。連合軍は応戦しているがザフトのジンによって
潰されていく。この間にザフトはある部隊を潜入させていた。搬出口に近づくと三台のトレーラーが
止まっている。荷台にはそれぞれ1体ずつ、MSとわかる機体が積まれている。
「運べない部品と工場施設は全て破壊だ! 報告では5機あるはずだが、あとの2機はまだ中か?」
「俺とラスティの班で行く。イザーク達はそっちの3機を先に!」
潜入部隊のひとりアスラン・ザラが叫び、ラスティ達に合図する。
「任せよう。各自搭乗したら、すぐに自爆装置を解除!」
イザーク達は、それぞれコックピットに入る。アスランはそれを確認すると工場の搬出口を目指した。
=============================================
4.
同じ時間、ヘリオポリスの住人キラ・ヤマトは金髪の少女と共に格納庫のような空間にたどり着いた。
階下では銃撃戦を繰り広げているようだが、二人はそれよりも目の前にあるものに気をとられていた。
「これ……って……」
巨大な人型のロボット。一目でそれがMSであると分かった。しかしそのMSはジオンやザフトの
MSとは明らかに違う形状である。
「やっぱり地球軍の新型機動兵器……お父様の裏切り者ー!」
隣で少女がなにやら叫んでいたが、キラは退避シェルターを探すことに意識を向けていた。
なんとかシェルターの入り口にたどり着く。
<まだ誰かいるのか?>
「はい。僕と友達もお願いします。開けて下さい」
<二人!?>
「はい」
<もうここはいっぱいなんだ! 左ブロックに37シェルターがあるからそこまでは行けんか?>
キラは左ブロックを見る。そこは銃撃戦の真っ只中であった。しかし考えているヒマはない。
「なら一人だけでもお願いします、女の子なんです」
<分かった。すまん>
「なにを!? 私は!」
「いいから入れ! 僕は向こうへ行く。大丈夫だから。早く!」
キラは少女を無理やりシェルターに入れると扉を閉めた。
288:51
06/11/03 21:00:59
5.
「クリス! X303を起動させて!」
キラはその声を聞き階下に目をやると、MSの陰に身を隠しながらライフルを撃つ女性に気づく。
そしてザフト兵が彼女を背後から狙っていることも―
「あ!? 危ない後ろ!」
その声に反応して彼女―マリューは敵兵を撃ち殺す。彼女はキラを見ると目を見開き怒鳴った。
「来い!」
「左ブロックのシェルターに行きます! おかまいなく!」
「あそこはもうドアしかない!」
その言葉に足を止めると、キラはキャットウォークから飛び降りてマリューに駆け寄った。
キラの行動に驚く彼女の背後で連合の兵士がザフト兵を打ち倒す。
「ラスティー! うおおおお!!」
もう一人のザフト兵は叫ぶと、仲間を撃った兵士を撃つ。
「ハマナ!」
マリューがその名を叫んだ瞬間、ザフト兵は振り向きざまに彼女を撃つ。銃弾が彼女の肩に当たった。
ザフト兵はさらに撃とうとするが弾詰まりを起こす。仕方なくナイフを抜き彼女に駆け寄ったその時―
「キラ?」
ザフト兵は思わず声を上げた。キラは驚いてその顔を見る。
「……アスラン?」
それはかつて月で別れた親友のアスラン・ザラであった。
289:51
06/11/03 21:02:58
ここまでです
風邪のおかげでシャア登場まで書けなかった・・・
290:通常の名無しさんの3倍
06/11/03 21:30:41
乙!
大体本編どおりの展開ですな。
ここにシャアが絡んだら・・・
GTXシリーズをザフトごと破壊しかねんぞ。
291:通常の名無しさんの3倍
06/11/03 21:41:57
おお、パオロ艦長きましたか
あの名台詞の出番があるのなら種世界の即死じゃなければ死なないの法則で生き残るのか?w
何気にクリスって名前も気になるなぁ
292:通常の名無しさんの3倍
06/11/03 21:45:14
マッケンジー繋がり
293:通常の名無しさんの3倍
06/11/03 22:04:21
これで漫画版ガンダムの展開になったら神
294:通常の名無しさんの3倍
06/11/03 23:31:01
オリジン降臨か!
295:通常の名無しさんの3倍
06/11/03 23:32:39
職人、乙。お体をお大事に。
シャアが来る!なら勘違いしてるクルーゼが目の敵にすると思われ…どうなってしまうのか!(ガチンコ風)w
296:通常の名無しさんの3倍
06/11/03 23:41:56
>>294
ヘリオポリスにミサイル発射
シャア「ヘリオポリスの最後だ!」
297:通常の名無しさんの3倍
06/11/04 03:24:43
>>296
アムロ「くそっ!しようがねぇな!!」
298:通常の名無しさんの3倍
06/11/04 18:36:50
「我々にはZAFTと正面から戦って勝つだけの戦力は無い。ならば正面から戦わずにいれば良い」
地球方面軍指令である、ガルマ・ザビの考えは明快である。
本来、ジオン公国が戦うべき相手は連合であり、プラントは横槍を入れてきただけの相手である。
互いに独立を望むスペースノイド同士が殺しあうことほど馬鹿げたことは無い、と
ガルマは考えていたのであった。
しかしながら、実際に武器を構えて対峙している以上、そんな理想論が通ると思うほど
ガルマは楽天的ではなかった。何より、彼は地球に降下したジオン軍人の命を預かる立場である。
己の理想にこだわり、いたずらに兵を殺すこともまたガルマの望むところではなかった。
それにしても、とガルマは思う。
かつてジオン・ダイクンが唱えたジオニズムは、同じく宇宙に出た人類であるコーディネイターにも
当てはまるのだろう。彼らもまた、宇宙に上がったことで得たものがあるはずだ。
だが、今やジオン公国とプラントは不幸なことに戦いを始めてしまっている。
彼もまたブリティッシュ作戦に関わった者として、戦争の勃発と無関係ではない。
ガルマにとって―と言うよりもジオン国民にとって―、ユニウス7を地球に落としたことにより、
プラントの市民があれほど激昂するとは思っていなかった。
ジオンでは、死者は宇宙葬されるのが普通であり、血のバレンタインの犠牲者もまた、
宇宙葬にふされたと考えられていた。
破壊されたコロニーを墓標に見立てるような行為など、思いもよらなかったことなのである。
「……やはり、互いを理解しあうというのは難しいことなのだろうな」
そう考えたところでガルマは思索を打ち切り、今後の戦略を考えることにした。
今の時点では戦い、殺しあうしか互いを理解する手段がないことが、皮肉に思えてならなかった。
勝手に書いてみた。黙殺してくれてかまわない。
299:通常の名無しさんの3倍
06/11/04 20:33:30
これはこれで!
乙だ。
300:通常の名無しさんの3倍
06/11/04 21:44:07
>298‥GJです
そこで虎とは阿吽の呼吸で睨み合い。
とかだとガルマ大物‥。
301:また書いてみた
06/11/04 22:53:22
現在、ユーラシア方面軍は順調に侵攻を続けている。
皮肉なことに、ZAFTの投下したニュートロンジャマーがジオンの侵攻を容易なものとしたのである。
予定よりも少ない被害と短い時間で、ジオン軍はユーラシア大陸北部を占拠しつつあった。
長大な補給線を維持しなければならないが、これについては当面宇宙からの投下で補うしかない。
幸い、穀倉地帯であるウクライナを押さえたことで食料については不安は無くなり、
レアメタル等の金属資源についても、オデッサの鉱山からの採掘は安定している。
「問題はエネルギーか」
大都市ならば核融合発電所を建設すれば事足りる。だが、今必要なのはそれとは比較にならない
小型の(小型とはいえAD世紀の原子力発電所並みの発電量が必要だが)もの、それも多数である。
「それなら、火力発電所を建設すればよろしいでしょう」
ガルマに相談を受けたマ・クベはそう答えた。キシリアがガルマの補佐として送り込んだ男である。
もともとシベリアやウクライナは石炭や石油、天然ガスが豊富である。
石油資源こそ枯渇したが、石炭資源はまだ十分な量が埋蔵されているはずであった。
だが、コロニー国家であるジオンは火力発電所の建造技術のノウハウを持たない。
占領した地域から技術者を徴用して建設するにしろ、公害が発生することは明らかだった。
そんな発電所を大量に建設しなければならないのだ。
「背に腹は変えられないとはいえ、地球をまた痛めつけることになるな」
「ジオンの勝利のためです。致し方ありますまい。
MSのバッテリーの補給だけを目的になさるのでしたら、宇宙から投下すれば十分ですが…」
「その案は却下すると前に言った。それでは占領地の住民にエネルギーを供給できない」
シベリアの冬は過酷だと聞いている。放っておけば多くの住民が凍死してしまうことは明白であり、
それを見過ごすことなど、ガルマには出来なかった。
マ・クベに言わせれば甘い考えではあったが、結局は彼もガルマの考えに賛成した。
もっとも、それはガルマのように人道からではなく、冷徹な思考の道筋の帰結である。
ジオン公国の兵士の数はプラントよりは多いが、連合に比較すれば遥かに少ない。
発電所の建設とエネルギーの供給によって親ジオン住民を増やすことで、
マンパワーをある程度増強できると、彼は踏んだのだ。
いずれにせよ、こうして建設された発電所は、多くの住民の命を救うことになったのである。
302:また書いてみた
06/11/04 23:11:42
あー、全然虎相手の話にならないよー。
次はアフリカが舞台になるとは思うけど、やっぱり虎は出ないかと…
303:51
06/11/05 00:40:36
この前は第1話前編
今回は中編・・・
304:51
06/11/05 00:42:33
1.
『―父はたぶん、深刻に考えすぎなんだと思う』
『プラントと地球で、戦争になんてならないよ』
『でも、避難しろと言われたら、行かないわけにはいかないし』
『キラもそのうちプラントに来るんだろ?』
―きっとまた会える。そう信じて分かれた二人は思ってもみなかった形で再会した。
言葉もなく立ちつくす二人の隙を突いて、マリューが銃を構える。それに気づいたアスランは
飛びのき、間一髪のところで弾丸を避けた。驚いて振り向いたキラはマリューに体当たりされ、
MSのコックピットに転げ落ちる。
「シートの後ろに!」
言うとシステムを立ち上げる。
「私にだって、動かすぐらい」
キラの意識は外にいるアスランに向けられていた。
(アスラン……いや、そんなまさか)
呆然とするキラを尻目に、マリューはシステムを起動させた。目の前のモニターには文字列が浮かび上がる。
―General
―Unilateral
―Neuro-Link
―Dispersive
―Autonomic
―Maneuver
とっさにキラはその頭文字を拾い上げていた。
「ガ……ン・ダ・ム……?」
305:51
06/11/05 00:44:16
2.
シャフトの中でナタルは意識を取り戻した。あたりには血まみれの死体が浮んでいる。ナタルは
何とか冷静さを取り戻すと周囲に注意を払うと自分の後ろに誰かいることに気がつく。振り向くと
彼女の目に写ったのはパオロ艦長であった。
「艦長!」
腕を取り脈を計る。何とか生きているようだが全身を強打しているようだ。
「私を庇ったのか……くっ!!」
パオロを抱きかかえるとナタルは辺りを見回す。
「艦はどうなったんだ……アークエンジェルは!?」
散らばる瓦礫の中に兵士や士官の死体が見える。
「バジルール少尉!?」
ふいに声が上がりナタルは振り向くと数人の兵士がブースを覗き込んでいた。
「ノイマン曹長! 無事だったか!!」
「はい……艦長!!」
「まだ生きている。誰か衛生兵を呼べ。それから艦内に生き残っている者を探し出すんだ」
とにかく今は人手が必要だ。テキパキと兵に指示を出し始めるとパオロが目を開ける。
「艦長!」
「少尉……無事だったか」
「何故……」
私を庇ったのか、ナタルは不思議に思っていた。この艦に配属されて始めて会ったというのに。
「君に何かあったらお父上に申し訳が立たんからな……」
「父が!?」
亡き父のことをパオロが口にしナタルは驚いた。
「それより、艦はどうなった?」
ノイマンの方を振り向くと、彼はスクリーンが起動するのを確認する。
「さすがアークエンジェルだ。これしきのことでは沈まんか」
「しかし港口側の隔壁周辺には瓦礫が密集しています」
完全に閉じ込められた状況にナタルは暗然たる気分になった。
306:51
06/11/05 00:45:14
3.
アスランは混乱していた。月で別れた幼なじみが目の前にいたのだ。
(キラ・ヤマト……)
そんなはずはない―首を振りその可能性を振り払おうとした。まさか彼が連合の新型兵器
に関わっているはずがない。
アスランはX303と呼ばれた機体に走り出そうとするが味方のジンから通信が入る。
<アスラン無事か!?>
「ああ、これから機体を奪取する」
<いや、作戦は中止だ!!>
「なんだって!?」
そしてアスランは次の言葉に耳を疑った。
<ザクだ! ジオンのザクが現れたんだ!!>
307:51
06/11/05 00:46:16
4.
工場区ではジンとは別のMSがマシンガンを至るところに乱射していた。それはジオン公国の
次期主力機であるMS-06FZ、通称“ザク改”である。
「ジーン退がれ! 強行偵察の限度だ!! これ以上損耗するわけにはいかん!」
そのザク改のパイロットであるデニム曹長は焦っていた。部下のジーン兵長が功を焦り暴走したのだ。
「シャア少佐だって戦場で手柄をたてて出世したんだ!」
「貴様、命令を無視するのか!!」
「敵を叩くには早いほどいいってね!」
言ってジンに銃口を向け発砲する。
「ザフトが何だってんだ!! 手柄立ててやる! あの女を見下してやる!!」
「おい! 少尉に対してその言いようは何だ!」
「なにが少尉だ! 大方少佐に取り入ったんだろうよ!」
「貴様なんてことを……」
やり取りの間もジーンのザク改はジン目掛けて撃ちつづける。しかしどんなに撃っても90mmの
弾丸はそのジンを捕らえることができない。
「畜生! 何で当たらねえ!!」
このジンのパイロットこそ“黄昏の魔弾”の名で知られるミゲル・アイマンであるのを
ジーンは知らなかった。
308:51
06/11/05 00:47:19
5.
「ちっ! 新兵か!?」
ミゲルはそのザク改のパイロットは戦いなれていないことに気づいていた。ミゲルにとってその
戦い方は不愉快であり早々に片をつけたかったが、アスランが脱出する時間を稼がなくてはならない。
「こいつは問題ないが向こうにいるもう一機は厄介だな」
デニムの乗る機体は無駄弾を撃たずに狙いを定めて撃ってきている。ナチュラルではあるが熟練兵で
あるのは一目瞭然だ。
そもそもザクとジンでは機体性能に大きな差がある。Nジャマーのおかげでザクの出力はジンと
同レベルにまで落ちたが火力と装甲においてはザクのほうが幾分か上だ。ジンにはコーディネイター
が乗ることで性能差は埋められているのが現状である。その為、ザクのパイロットがコーディネイター
だったり、熟練兵になると厄介な相手になってしまう。
ミゲルはザクとの距離を取ってアスランへ呼びかける。
「まだかアスラン!」
<もう少し……よし! 工場を出た>
「待たせやがって……それじゃあ遠慮はいらんな!!」
ミゲルは重斬刀を抜くと、スロットルを全開にして不愉快なザク改に接近する。ジーンは敵機がいきなり
攻勢に回ったことに動揺した。
「うわあ!」
闇雲にマシンガンを発砲するがそれが当たるはずもなく、ザク改は頭部を重斬刀で斬られてしまう。
メインカメラをやられパニックを起こしたジーンは恥も外聞もなくデニムに助けを求めていた。
「曹長殿! 曹長殿ぉ!!」
「目障りだ!」
重斬刀を引き抜き、ミゲルはそのままザクの胴体を横に斬った。パイロットを失ったザクは動きを止め
そのまま地面に倒れこみ二度と動くことは無かった。
「よくもジーンを!!」
部下の死に激昂したデニムは今にもジンに飛び掛ろうとするその時、そのMSは現れた。
309:51
06/11/05 00:50:25
つづく・・・
一応開戦から1年以上経ってるので統合整備計画は実行済みです。
310:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 03:19:01
となるともうザクはザク改がほとんどでもうゲルググもでてくる直前くらい?
……連合やばいよ連合、ゲルググ=ガンダムくらいの性能だし
311:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 03:32:01
というか、原作と一番の違いはジオン、ザフト共に対MS戦に慣れているってことだと思う。
連邦にしても、連合にしても、対MS戦に不慣れな敵をMSの性能で駆逐していたから、
MS導入と運用ノウハウの遅れは非常に不利な状況だろうな。
312:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 03:35:11
つか、統合整備計画はゲルググの初期型が完成した後に始まってるから
どう考えてもすでにゲルググは量産されてるぞ、下手すりゃマリーネや高機動型もな
適応されてるMSは俺の知ってる限りだと
ザク改
リック・ドムⅡ
ゲルググイェーガー
ハイゴッグ
ズゴックエクスペリメント
くらいだったと思う
で、一般兵がもうザク改に乗ってるってことは、連合とザフト束になっても勝てない気が……
資料によっても違うけどだいたいゲルググ≧ガンダムなわけだし
313:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 03:43:53
>ゲルググ≧ガンダム
マジで!?
314:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 03:50:35
うん、マジで
若干上回る程度だったらしいけどね
ちっと調べてみたら統合整備計画はゲルググ量産後っぽいな
ゲルググイェーガーってベースがゲルググAタイプだし
315:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 03:51:37
高機動ザクⅡに連なる内部機構と、ドムを参考にした分厚い装甲を持つゲルググは存外高い性能を持っている。
運動性は機体構造が流体パルス構造なんで、連邦のフィールドモーター構造に多少遅れを取っていたかもしれないが、
総合整備計画の実施により、フィールドモーターが取り入れられているかもしれない。実際ギャンの時点で導入されていたし。
装甲材の影響で頑強さこそガンダムに劣るものの、あの性能を維持しつつ量産が出来たのは、ジオンのMS技術が優れていた為。
316:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 03:55:29
連合とザフト御愁傷様
ゲルググ量産後ならPS装甲のアドバンテージなんてないし
むしろタダのデッドウェイトでしかないし
317:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:02:41
>>312
ザク改って、稼働時間は短いけど確かゲルググ並の性能を持ってるんだよね?
ザク改に稼動時間延長用のプロペラントタンクを増設し、ビーム兵器使用可能にした
ザク・ハイマニューバとか、リック・ドムⅡに対艦用ビームバズーカくっつけて、
ビームサーベル装備させたリック・ドムⅢとかがあったりしたらと妄想が膨らむ。
318:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:04:50
GJ!!
なんて続きが気になる終わり方ですかもう
統合整備計画後ってことはしばらくしたらガルバルディαが控えてるじゃないですか
あのゲルググ+ギャンのいいとこ取りのMSがでてくるかもしれないなんて連合ザフトにとっては悪夢ですね
319:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:14:01
>>317
そんなことしなくてもゲルググだけで事足りるぞ
>>318が書いてるようにまだガルバルディαがいるしな
あれまだ一年戦争中なのにNT-1がベースになったジムカスタム並みの性能あるし
320:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:19:20
まちがえたジムクウェルだっけ
軽量化してリニアシート加えただけの改修機ガルバルディβが
Zの時代でもかなりの高性能機だったことを考えると、GPシリーズなみのオーパーツな性能を持ってるともいえるな
321:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:27:30
ガルバルディはそこまでオーパーツって訳じゃないと思うぞ。
ぶっちゃけギャンにゲルググの装備持たせて調節したのがガルバルディなわけだし。
ガルバルディの最大の功績だったものは、
フィールド・モーター駆動、セミ・モノコック構造、チタン系装甲、学習型コンピュータ搭載だったこと。
連邦の規格に変えるのに対した改修を必要とせず、それ故ガルバルディβとして採用されてた。
そういった意味で、ガルバルディはジオン版ジムと言える。
322:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:28:22
>>315
ゲルググはまだ流体パルス構造だよ
ザクの動力パイプが格闘戦時に破壊されることが多かったんで内装式にしたってだけ
フィールドモーター構造なのはギャンでこの2機の技術のいいとこ取りをしたのが、上で書いてあるガルバルディα
323:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:31:31
>>321
>フィールド・モーター駆動、セミ・モノコック構造、チタン系装甲、学習型コンピュータ搭載
……とんでもない気がするんだが
ジムどころかそれらを採用してないゲルググと同格なガンダムじゃ足元にも及ばないような
324:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:33:40
まぁ、一言で言うならジオン脅威の科学力ってこった
325:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:36:24
>>323
まあ、それら全てをジムは持ってるんだがな。
326:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 04:48:31
>>307
「女で少尉」て娼婦から転職したと言われる
アノ女(ひと)ですね?
327:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 05:05:55
ここは敢えてカジノ詐欺の片棒からの転職といってみる。
328:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 07:42:33
ドムやリックドム、推進器に熱核ジェットエンジンに熱核ロケットエンジン積んでるんだよな
動作原理からすると両足に1機ずつ動力炉よりさらに小型の核エンジンを積んでることになるんだろうか?
329:51
06/11/05 10:18:23
現段階での設定みたいなの書いたほうがいいかな?
MS設定だけだが・・・
330:51
06/11/05 10:45:19
今日投下できんかもしれない
スルーしてもいいですので・・・
ザフト
地上では優勢、宇宙では劣勢
ジン
ザク以下の性能
コーディが乗って性能差を何とかしてる。
シグー
ザクの一歩先をいく機体
装備はジンと変わりないが機動力はザクを大きく上回る
バグゥ
陸戦の鬼。グフでもコイツに勝つは難しい
ディン
どうやって飛んでるんだ?
ともあれ空戦の主力。最近、ガルマのドップに撃ち落されて・・・
331:51
06/11/05 10:47:51
ジオン
宇宙では優勢、地上ではザフト相手に攻めあぐねてる
旧ザク
ジオンで始めて造られたMS。核分裂炉が動力。出力だけなら自由なみ
ザクC
旧ザクの改良型で核分裂炉が動力。エースなら正義とそこそこ格闘戦ができる(あくまでそこそこ)
ザクF
ジオンの主力!
バッテリー駆動方式で後はC型と変わらず
ザクJ
陸戦型でオデッサ制圧時に投入された
ザク改
統合整備計画によって製造された
配備はまだ一部の部隊のみ
グフ
地上の主力
グフ・カスタム
指揮官機
イフリート
グフとのコンペに敗れる・・・
それでも史実より配備されてます
ドム
開発不可能!!
Nジャマーの所為で熱核ジェットエンジン使用不能!
融合炉ができれば造れるかもしれんが・・・
ゲルググ
現在開発中
ゴック
初の水陸両用MS
こいつのおかげで黒海、地中海の制海権をとれた
アッガイ
偵察・隠密などなど
ズゴック&ハイゴック
開発中
ジオニック社は儲かってます
ツィマッド社はちょっとヤバイです。
332:51
06/11/05 10:53:01
水中MSに関しては太平洋に進出してないので開発が遅れてます。
とりあえずこれだけです。皆さんご意見ご感想を!!
333:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 10:53:17
種世界には電磁推進があるじゃないか。
334:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 11:53:11
統合整備計画が実施されている、ということはだ。
―もういるわけですな、「あの」ザク頭が。
戦場が限定されているから、アフリカ~ユーラシア戦線にはジオンの名だたるエースが揃っているわけですな。
宇宙ではジオン海兵隊が……
335:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 12:57:23
ドムが開発不可能だってぇー!?
ジオンは早急に融合炉の小型化を進めるべきだな。
ドムさえいればバクゥなんぞにでかい顔させずに済むのに・・・
ディンは「羽があるから飛べる推進」というシステムで飛行しています。
ディンに限らず大抵の種MSは羽があれば飛べます。
おそらく邪神の加護でしょう。
336:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 13:01:28
アプサラスを開発し、焼き払えばいいんです!
337:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 13:17:38
Wikiの情報どこまで信用して良いのか分からないけど
ジンの本体重量、78.5tもあるってことはC型のザクⅡよりも重いんだね・・・
空飛ぶディンは37.33t、飛ぶために何を削ってるのか想像したくも無い
338:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 13:19:29
GにはまともなOSが積まれているのかな?
連合に鹵獲されたジオンMSもあるだろうし、まともなOSが出来てても不思議じゃないな。
339:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 13:20:16
>>337
装甲削って、フレームも肉抜きして…あー、ミニ四駆のホネシャーシ思い出しちまった。
格闘戦をまったく考慮していないのは確実だな。合理的な発想だけど。
あー、でも劇中MSをぶら下げて飛行してたような気がするんだが……
340:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 13:32:26
あ~、達磨になったデュエルを持って飛んでたりもしてたね
アレだけでも何tあるかスタッフは考えて無かったな
341:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 13:37:52
ツィマッド社の主力商品って
ドムとゴック以外無いよね?
ギャンとヅタと言う
強力なネタはあるけど。
342:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 13:46:28
ゴックの推進器に使われている熱核水流ジェットって同じツィマッド社製なだけに
ドムの熱核ジェットエンジンの転用らしいので元の設定だと拙いかも
もともと推進装置の開発が得意な会社みたいだしジオン脅威の科学力で頑張って欲しいところです
ちなみに他の水陸両用型MSも熱核ロケットや熱核ジェット、熱核水流ジェットを使ってるみたい
343:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 14:08:19
ミノフスキー物理学を使った推進機関って一部の例外にしか使われていないし
戦前の民生技術は大差ないだろうから一般的な推進器はCEのものと一緒と考えても良いんじゃないかな?
344:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 16:51:19
しかし、改めて解かることだがCE 以外のMSがものすごく核融合に頼ってたわけか
やっぱり小型融合炉を早めに開発したほうが
345:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 18:14:36
ここでザクスピードを。
346:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 18:56:15
>>344
と言うよりは、あって当然のレベルまで普及してたっつーわけでそ。
347:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 20:20:24
下がり杉
348:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 21:57:57
上げるな!
349:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 22:39:01
「さて、次は北アフリカのZAFTか。目だった動きは無いが、最近小規模な攻撃が頻発しているな。
あちらも、こちらとの大規模な会戦は避けるつもりではあるようだが……解せんな」
「それについては、挑発の意図は無いと見てよろしいかと」
プラントにとっても、まず叩くべきは連合である。
感情的な反発から開戦に至ったものの、プラントの立場はジオン公国に近い。
また、経済的に自立しているジオン公国が、ある程度妥協して連合と手打ちを行えるのとは対照的に、
連合の経済植民地から脱却するためには、連合を完膚無きまでに討っておかなければならないのだ。
中途半端な勝利では、条件無しでの完全な独立を果たすことが不可能だからである。
「ガルマ様同様、アンドリュー・バルトフェルドはそれが見えている男です。
しかし、ガルマ様ほど彼の権限は大きくは無い。それが彼の不幸でしょう。
彼はラウ・ル・クルーゼとは違い、プラントの中枢からは疎まれておりますからな」
「よせ、そう人を持ち上げるものではない。だが、それならばここ最近のZAFTの動きに説明はつくな」
ガルマやマ・クベには信じられないことだが、プラント上層部は連合とジオン相手の二正面作戦を
勝利するつもりでいるとしか思えないのである。
おそらく、バルトフェルドも後ろから突付かれ、形ばかりの攻撃を仕掛けている、といった
ところなのだろう。とは言え、砂漠の虎の二つ名を持つバルトフェルドの攻撃による被害は、
決して無視できるものではなかった。
「バクゥ相手に奇襲されては、グフでも厳しいからな。とはいえ、ルッグンやフリッパーで
戦線全体をカバーするというわけにも行くまい」
正面から戦えば、ジオンの混成部隊とてザフトに劣るものではない。
バクゥは確かに陸の王者だが、濃密な空爆に耐えられるわけではない。
ドップとルッグン、そしてザクの乗ったドダイによってディンを駆逐し、
その後遠距離からの砲撃で足止めされたバクゥをドダイやガウ攻撃空母で破壊する、という
戦闘教義は、実際に勝利を収めていた。虎が正面からの戦闘を回避する理由は、ここにもあった。
「ここは干戈を交えずして、相手に勝つことが上策でしょうな」
「ふむ。何か策があるようだな」
ガルマは、マ・クベを信頼している。彼の忠誠が自分ではなく、その先のキシリアに向けられた
ものであることは十分承知しているが、彼の忠告や提案はどれも傾聴に値した。
己と全く異なる思考法をする、有能な人物は貴重な存在でなのである。
「彼らの補給を切り崩すのです。カーペンタリアは北アフリカからあまりにも遠い。
彼らはアフリカ連合を通して補給を受けていると見て間違いありますまい」
ならば、アフリカ連合を味方につけ、逆にサボタージュさせれば良い。
そうすれば、さしもの砂漠の虎も音を上げることになるだろう。それがマ・クベの案だった。
「なるほど、面白いな。早速実行してくれ。すでにアフリカ連合とパイプを作っているのだろう?」
「ご存知だったのですか」
ガルマの答えにマ・クベは驚いた。
自分の行動は腹心のウラガン以外には知られていないと思っていたからである。
「私も兄上だけでなく、姉上から学ぶこともある。問題が無いから放置した、それでは不十分かな?」
「いえ…敬服いたしました」
本心からの台詞である。虎という名将との戦いが、ガルマを成長させたのであろうか。
キシリア、ドズルという相反する2人の将が、彼の将来を嘱望する理由を垣間見たマ・クベであった。
「それでは、すぐに工作を始めることに致します。吉報をお待ちください」
「少し待ってくれ。さっきの提案に加えて、もう一つ策がある。骨を折ってもらえないだろうか」
執務室から退出しようとするところを呼び止め、指示を与える。
この指示が後に与える小さな、だが重要な影響について、まだ誰も知ることは無かった。
350:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 23:25:14
ここのガルマ、士官学校主席卒業は伊達じゃないですな
351:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 23:28:05
乙!
ガルマ編も面白いな。
マ・クベも有能だ。(塩沢ボイスが蘇ってくるぜ)
テキストかなんかに溜めて、纏めて投下してもらえるとボリュームがあって良いです。
352:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 23:31:41
オーベルシュタインを思い出した。
353:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 23:42:52
テキストでまとめて書こうとすると、51さんの設定と齟齬が出るのです。
ドップはディンに勝てるとわかったから上の話ができたわけでして……
あと、上で書いた作戦は、数がジオン>ZAFTでないと実行できないので、
虎さんが本気で全戦力かき集めてやってきたらとても実行できない…という脳内妄想で書いてます。
(だからジオン側も攻めあぐねてる、と)
354:353
06/11/05 23:48:27
ちなみに、ガルマのイメージはこのガルマのイメージです。
URLリンク(www.youtube.com)
355:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 23:53:34
>>353
了解!
356:通常の名無しさんの3倍
06/11/05 23:59:44
誰だ こんなところでラインハルトとオーベルシュタインの会話を書いているやつは
いや本当にそのうち ガルマがマ・クベに対して「卿」と呼びそうなところが怖い・・・
357:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 11:48:57
結局、赤いのは彗星の人なのか?
それともわざと目立って撃墜されようとする人なのか?
前者なら父親がブルコスなんだからコーディーなのはおかしいような気がするけど
358:51
06/11/06 20:49:27
1.
「ご無事ですか大尉!」
X303“イージス”に乗ったクリスチーナ・マッケンジー中尉から通信が入る。
「ええ……クリス、ストライクは戦闘ができないわ。そっちは?」
「OSはインストール済みです。いけます」
ヨタヨタとぎこちない動きをするX105“ストライク”に比べ、紅いMSはスムーズに動いていた。
そんな2機を遠くからみていたデニムは冷静さを取り戻し考える。
(単機ではジンと連合の新型2機を相手にするのは無理だ。それに本来の目的は偵察であり戦果ではない)
デニムはザクの残骸をチラリと見ると―
「すまん、ジーン」
ヘリオポリスから脱出すべく自機を動かした。
一方のミゲルは自分の腕に自信があるのか、単機での捕獲を試みる。
「アレが残りの機体か……おもしろい!」
「く、来る!」
ジンは突撃機銃を発砲し、放たれた76mm弾がイージスを襲う。
「……アウッ!!」
「所詮テストパイロットか!」
重斬刀がイージスに振り下ろされた。
そんな光景を見ていたキラは、たまらずマリューに噛み付く。
「何してるんですか、やられちゃいますよ!」
「大丈夫、ジンのサーベルなどXナンバーには通用しない!」
XナンバーであるイージスとストライクにはPS(フェイズシフト)装甲が導入されている。
この装甲は一定の電流を流して位相転移を起こすことによってあらゆる物理攻撃を無効化するものである。
実際にイージスのPS装甲は重斬刀を弾き返しているが、事情を知らないキラは気が気ではない。
「こんなものに乗ってるんだったら何とかして下さいよ!」
「この機体はまだOSが出来てないの! 仕方ないでしょう!」
キラはマリューの言葉に頭に来たが、モニターに目をやると深呼吸をし決断した。
「……どいてください! はやく!!」
359:51
06/11/06 20:50:13
2.
二人が口論している間も戦闘は続く。
クリスは初の実戦で最初は焦ったが、今は冷静にジンの動きを追っていた。
(焦っちゃダメ。落ち着くのよクリス)
イージスの武装は75mm対空自動バルカン砲「イーゲルシュテルン」とビームサーベルしかない。
本来は60mm高エネルギービームライフルを装備しているはずなのだが搬入作業のため取り外されていたのだ。
そうなるとビームサーベルで勝負を決めなければならない。
「一撃で決めなきゃ……」
相手は経験豊富なコーディネイターである。
初めて実戦を経験するナチュラルのクリスでは困難な戦いだ。
クリスは防御に徹し、相手が隙を見せるのを待った。そして―
「いい加減に落ちろっ」
「いま!!」
苛立ちはじめたミゲルの一瞬の隙を狙って、ビームサーベルを抜き放つ。
その一撃はジンを捕らえたはずだった。
「はずした!?」
その瞬間、ミゲルは反射的に重斬刀を構えビームサーベルを受け止めようとしたのだ。
もちろん重斬刀は切断されてしまうが、その所為でビームサーベルがジンに届くのにコンマ数秒遅れた。
それは超人的な反射神経を持つコーディネイターが機体を動かすには十分な時間だった。
「貴様ー! ナチュラルの分際でっ!!」
激昂したミゲルはイージスを踏みつけ、至近距離で突撃機銃を乱射する。
「キャァッ!! こ、このままじゃ!!」
PS装甲があるとはいえ、エネルギーは永久ではない。
数十発の弾丸をうけたイージスは装甲から色が抜け落ち、みるみる暗い鋼の色になってしまう。
「死ねぇ!!」
止めを刺されるまさにその時、もう一つの新型MSストライクがジンに迫った。
「やめろおぉぉっ!」
「なに!? さっきと動きが!!」
勝負は一瞬で決まった。
キラが操るストライクはアーマーシュナイダーをジンに突き刺した。
機能を停止させたジンは糸を切られた人形の様に地面に倒れこんだ。
360:51
06/11/06 20:53:20
3.
「デニム曹長が突出した?」
『はい! コロニー内部にジンが侵入し、破壊活動を始めたのです』
ヘリオポリスからほど近い宙域にある小惑星の陰に1隻の軍艦がその身を隠していた。
ジオン公国のムサイ級巡洋艦“ファルメル”である。
『その後ジンと抗戦になり、非常事態とみて自分は脱出したのであります』
「よくやった、スレンダー伍長」
仮面で顔を隠した長身の男。
彼こそが、全世界にその名をとどろかせている赤い彗星ことシャア・アズナブルである。
「連合軍の新型MSは存在するのだな?」
『ハッ!』
「もういい、帰還しろ! 詳しい報告は後で聞く!」
通信を切ると副官のドレン中尉が言う。
「意外でしたな、デニムに兵が押さえられんとは……」
重苦しい空気が漂う。
そんな中、一人の女性士官がブリッジに入ってきた。
「少佐、私の言った通りになりましたね」
シャアに話しかけた女性は、まだ少女のようなあどけなさを残していた。
「あの二人には新型を与えたのだがな」
「あの人は腕が悪かったから」
「手厳しいな、ララァは……」
「でも曹長は生き残りました。少佐のおかげです」
シャアは笑うと、スクリーンに映ったヘリオポリスを眺めた。
「若さゆえのあやまち……か……」
361:51
06/11/06 20:55:01
つづく・・・
すみません、3連休中に投下しようと思っていたのに時間がかかりました。
ちょいと補足説明
クリスについて
初めはリュウでした。
でも連邦軍人がパオロにリュウじゃ、死亡キャラを選んでるみたいだったので変更しました。
テストパイロットだし、コンピュータの調整もできるし、バーニィ出したいし・・・
ララァについて
何度も書きますが戦争は1年以上経過しているので・・・
362:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 20:59:29
>>361
お疲れ様です。
勝手にガルマネタを書いている者ですが、1年以上戦闘が継続しているということは、
ペズンのMSやEXAM、アプサラスやアシュタロスについてもある程度完成しているということでしょうか?
その他、書いた内容におかしな内容はあるでしょうか。
勝手に三次創作している立場で申し訳ないんですが、教えていただけると幸いです。
363:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 21:05:26
GJ!
ララァがこの段階で出てくるとは・・・
しかも、結構毒舌ですな。
AAはイージス・ストライクを守りきりましたか。
戦力に少し余裕が出来た、と思いたいところですが、ザフトはともかくシャア・ララァがいるからなぁ。
やばい気がする。
アーマーシュナイダーがジンの何処に突き刺さったのかが、ちょっとわかりません。
ミゲルが脱出した描写もありませんし、コクピットと解釈してもいいんですかね?
それにしてもミゲル・・・
>「貴様ー! ナチュラルの分際でっ!!」
そんなに簡単に頭に血が上っちゃ底が知れたもんだな。
ジーン二号だな。
364:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 21:53:52
投下乙っ!
イージスが残った。
このイージスはまともなOSなのか、クリスだからスムーズに動くのか。
単にストライクが調整未了の様にも読めるけど。
365:51
06/11/06 22:50:11
>>362
ありがとうございます。ぜひ続けてください。
ただガルマとアンディは殺さんでください。
設定について考えついたものですが、
イージスについて
ストライクだけではシャアに対抗できないと思いました。
イージスいてもできるとは思えないけど・・・
ペズン計画
劣勢じゃないので提案すらされていない。
マグネット・コーティング技術は無いし、ギャンは出来てないし、ドムは開発不可だし・・・
アプサラス
同上
EXAM、アシュタロスなど
両方ともゲームですよね。
ブルーはやりましたが、コロニーはやってないんですよ。
だからゲーム関係はあまり考えてません・・・
ガルマ関係
まず最初に、ディン>ドタイ+MS>ドップ、です。
だからドップでディンを落したのは凄いことなんですよ!
ちなみにこのディンは捕獲してます。
そのため、とあるグフの発展型に影響を与えてまして・・・(ここまで書けば分かるでしょう?)
ガルマとアンディの戦い
1)ガルマ率いるマゼラアタック大隊とダコスタ率いるザウート部隊がリビア砂漠で戦闘。
2)ザウートは火力はあるが機動性が低いためマゼラアタック大隊の的にされてしまう。
3)アンディのバクゥ部隊到着。機動力を生かした戦術にマゼラアタックはおろかザクでも対抗できず。
4)ジオン軍後退。ザフト軍は追撃するがノイエン・ビッター、ランバ・ラル、デザート・ロンメルらがゲリラ戦を展開し足止めをする。
5)ガルマ本隊はカイロまで後退。リビア砂漠をはさんで膠着状態。
こんな流れですが、バナディーヤが何処なのか分からないので変わるかも・・・
ちなみにラルは毒ガス(オリジン設定)使ってないので普通にいます。
こんなところですね。
366:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 22:58:23
あー、するとアッザムやザメルは無いのですな。
デザートザクやザクキャノンはあっていいようですね。
367:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 23:10:11
>>366
アッザムは存在するんじゃないか?
あれは元々空中要塞で、
ミノクラで浮いているわけだから。
ミノクラは普通に使っているっしょ?
368:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 23:12:47
ディン捕獲できてるなら、それを元にドム作れないかな?
MSを浮かせる浮力が得られるんだから、それを簡略化してホバーにすればいいんだし。
369:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 23:26:36
グフフライトタイプかー。
イフリート改も存在してたりして……
370:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 23:27:46
ジオンにだってコーディいるしな。
371:通常の名無しさんの3倍
06/11/06 23:54:08
ミノクラはエネルギー(たぶん電力)とかの消費はどんな感じだろう。
消費が大きいとしても、大きい融合炉がアッザムに積めるなら問題ないけどね。
(まあ、逆にアッザムが融合炉を積むサイズで作れれば良いって発想もあり)
これをさらに妄想すると空中給油的発想でアッザムからコード引っ張って電源供給で例のグフが……
372:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 00:30:13
> 「所詮テストパイロットか!」
テストパイロットとはペズン教導団と並ぶパイロットのトップエリート集団なんだけど・・・
何故かでは二次創作では訓練兵として扱われる事が多い。 他にはナデシコとか。
まぁガンダムでクリスやコウ、キースなんかの新兵が所属してるからそう思われるんだろうけどね。
373:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 00:43:38
テストパイロットってのは試作機の不良部分を事細かに洗い出すのが仕事だから、ベテランの腕利きが選ばれる。
又、試作機は総じて扱い難いんで、そういった意味でも操縦に慣れていないと無理。
>まぁガンダムでクリスやコウ、キースなんかの新兵が所属してるからそう思われるんだろうけどね。
クリスは正確には、テストパイロットではなくMS操縦ができる技術者に過ぎない。開発後間もないMSに基本動作を仕込むのが仕事。
ガンダムNT-1のテストパイロットをやっていたのは、人手不足等による飽くまでも緊急の措置。
コウやキースにしても、実際にテスト機に乗っていたのはバニングやアレンであって、彼ら2人はザクに乗って模擬敵の役目をするのが仕事。
もし、ガトーの襲撃が無くそのままテストが続けられていたらアレン辺りがGP-01に乗っていたと思われる。
374:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 01:04:41
実戦でのテストパイロット部隊は外伝のブルーディスティニーを参考にして頂きたい
ユウの部隊はモルモット部隊と言われ損耗率がエラい事になっていた
375:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 01:30:43
>ノイエン・ビッター、ランバ・ラル、デザート・ロンメルらがゲリラ戦を展開し足止めをする。
うあああああ想像するだけで無茶苦茶燃えるぅぅぅぅぅぅぅ!
>>362氏書いてくれませんか? 自分で書ければいいんだけど、ちょいと荷が重い……
>>368
そ れ だ !
376:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 01:49:06
監督繋がりでいうと、サイバーフォーミュラSINの凰呀はテストドライバーが2名死亡している。
試作機を操縦するってのはこういう事が有りえるので熟練者がテストするんだよね。
ブルーのパイロットもEXAMシステムが起動して生きてるのはユウだけだし。
377:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 03:45:16
試作機というより実験機というべきではないかと・・・・
378:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 05:29:30
EXAMに関しては、あれは逆に熟練者っていうより使い捨てのコマ探しだからなあ……。
379:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 08:43:06
俺が思い浮かぶテストパイロットってセンチネルの教導団、AOZのマーフィー小隊、ザクシリーズのレムおじさんくらいかな
380:51
06/11/07 20:25:50
テストパイロットに関しては認識不足でした。
一応、
>前線で戦うミゲルは後方の安全な所でMSを動かしている奴らが嫌い
と考えてみた。
381:51
06/11/07 20:27:32
1.
新造艦アークエンジェルのブリッジではナタルとノイマンが口論をしていた。
「艦を発進させるなど! この人員では無理です!」
「そんなことを言っている間に、やるにはどうしたらいいかを考えろ!
モルゲンレーテはまだ戦闘中かもしれんのだぞ!」
起動作業を行ないながらノイマンを叱責する。
「それをこのままここに籠もって、見過ごせとでも言うのか!」
そんな中トノムラ伍長が数名の人員を連れて戻ってきた。
「ご命令どおり、動ける者を連れて参りました!」
「シートに着け! コンピュータの指示通りにやればいい」
ナタルは手を止めると、横になっているパオロに駆け寄った。
「艦長。準備が整いました。次の指示を……」
「少尉……君が艦の指揮を執りたまえ……」
「私がですか!?」
「そうだ……君がやるのだ」
パオロの命令に戸惑うナタル。
「私は……満足に動けん……それに……」
苦しそうな表情で語りかける。
「君の操鑑実習の成績は優秀だ」
「で、ですが……」
「ナタル・バジルール少尉……艦長代行を命じる……」
「……了解しました」
敬礼で答えたナタルは、意を決して艦長席に腰を下ろした。
382:51
06/11/07 20:29:12
>「君の操鑑実習の成績は優秀だ」
「君の操艦実習の成績は優秀だ」
ミスった・・・
383:51
06/11/07 20:30:05
2.
ジンを倒してホッとしたのも束の間、凄まじい轟音が鳴り響く。
岩盤が崩れ落ちると、土煙の中から白く輝く戦艦アークエンジェルが姿を現す。
「戦艦……コロニーの中に……!?」
キラが戦艦に見とれているその頭上で、白いMS“シグー”がシャフトを破壊し降りてくる。
その後には連合のMA“メビウス・ゼロ”も続いた。
「私がお前を感じるように、お前も私を感じるのか? 不幸な宿縁だな。ムウ・ラ・フラガ」
「貴様! ラウ・ル・クルーゼ!」
ゼロはガンバレルを展開し、四方から発砲する。
シグーはかわしつつガンバレルを落とそうとするが、ムウはそれより早くガンバレルを収納させる。
一進一退の攻防とはこのことだろう。決着がつく気配がない。
「こっちはシャアを落とすために腕を高めてんだ! お前なんかに!!」
「シャア……だと?」
「シャア」という言葉に反応するクルーゼ。
「ふざけるな!! 奴は私の獲物だ!」
「なんだと!?」
「第一、そんなもの(メビウス・ゼロ)で奴を落とせると思うのか! 身の程知らずめ!!」
シャアに恨みでもあるのか、いきなり激昂したクルーゼを尻目にムウは切り返す。
「あいにくだな! こちとらMSに機種転換するんだ! だから―」
言いながらガンバレルを、
「―こんなこともできる!!」
そのままシグーにぶつけた。
「な、なに!?」
あまりに意表をついた攻撃をシグーはまともに食らってしまう。
その隙をついてゼロはリニアガンを放った。
それに気づいたシグーはあわてて避けようとするが弾は左腕を吹き飛ばす。
「ちっ……被弾した。帰投する」
クルーゼは自分の失態に腹が煮えくり返る思いだった。
384:51
06/11/07 20:36:46
3.
「つまり巻き込まれちゃったわけね」
場所を近くの公園に移し、キラはクリスに経緯を説明していた。
なぜクリスに話しているかというと、マリューが気絶してしまったのだ。
OSを変えたストライクの動きにより、強いGがかかったのである。
「事情は分かったわ。でもこの機体は軍の最重要機密なの。
申し訳ないけど、しばらくは私達と一緒に行動することになるわね」
「そんな……」
「大丈夫よ! 私が上に掛け合ってみるから、そんなに落ち込まない!」
クリスは、バシッ! とキラの背中を叩く。
「でもさっきのメビウスとシグーの戦闘見た? すごかったわねー! さすがエンデュミオンの鷹っ!!
私が乗ってたこの機体も彼が乗ることになるのよ! すごいでしょ!?」
「はぁ……」
元気付けようと、大げさに話すがキラは落ち込んだままだった。
ただキラは拘束されることに落ち込んでいるわけではない。
(アスラン、だったのかな? でも君が軍人になんて……)
アスランのことを気にしていたのだ。
そんなことを知らずにクリスは、
(ま、まずい! 気まずい……)
385:51
06/11/07 20:38:22
微妙な雰囲気の中、一台の車がこちらに近づいてくる。
「トラック?」
荷台には数人の人達が乗っている。
「やっぱりキラだよ!」
「おーい!」
「キラー!」
それはゼミの友人達だった。
「サイ!? トール! ミリアリア! カズィ!」
荷台から降りると皆がキラに駆け寄ってきた。
「よく生きてたな、このヤロー!」
「皆、どうして?」
「退避シェルターに入れなくてさ」
「困ってたところをあの人に拾われたんだ」
「あの人?」
振り向くと、トラックの運転席から女性が降りている。
美しい金髪を肩まで伸ばし、どこか気品の感じられる女性だ。
「お友達?」
「ええ、同じゼミに所属してるキラです」
「キ、キラ・ヤマトです」
突然紹介されたキラは照れながら言った。
「セイラ・マスよ」
386:51
06/11/07 20:40:10
第2話前編終了
WBクルーはセイラだけを考えてる
387:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 21:05:06
>>380
安全に兵器を使えるのはテストパイロットたちのお陰なのに…
388:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 21:16:49
おー、GJ
互いにシャア(クルーゼは誤解ぽいが)に因縁持つムウとクルーゼのこれからの戦いにwktk
そしてセイラさんキター!!
そうだよなぁ。シャアがいるんだからセイラさんもいるよなぁ。
389:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 21:41:32
GJ!
セイラさんまで!・・・当然いるわな。
この分じゃアムロもいそうだな。
いないと、シャアがかわいそうだ・・・
390:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 21:51:33
投下乙。
セイラさんご登場、そしてイージスはフラガの乗機と判明、と。
変形機体だし、たしかにメビウスになれてるフラガ向きかもしれぬ。
391:今度は日常編
06/11/07 22:28:37
マ・クベに指示を出した後も、ガルマの仕事は終わらない。
運ばれる書類に目を通し、指示を与え、説明を求める。軍隊とは巨大な官僚機構である。
無論、最終決裁権者のガルマまで上がってくる案件は限られたものではあるが、
逆に言えばそれは全て今後を左右するものばかりである。
「ヒルドルブ……ほう、これはいい。バクゥよりも速いのか」
試作モビルタンク、ヒルドルブ。最高走行速度110km、最大射程32kmの30サンチ砲を備えた
巨大戦車である。地球降下作戦前にザクとのコンペに敗れたが、プラントの参戦に伴う情勢の変化から
再度性能試験が―地球で―行われることになった兵器であり、
ZAFTのザウート同様可変機構を持ち(こちらは戦車から半MS形体への変形だが)、
ザクやグフの装備も同時に使用できることも強みであった。
「これがあれば、あの大敗も無かったかもしれないな」
砂漠の虎に挑み、返り討ちにあった記憶が脳裏に蘇る。
積極的に戦いを挑む気は無いが、次に戦う時は負けはしない。
ガルマは知らず拳を握り、決意を新たにした。
「さて、これで今日の予定も終わりか。ようやく一息つけるな」
仕事が終われば、司令官の顔から、少し疲れが目立つものの、年相応の顔に戻る。
彼は地球方面軍の司令官ではあるが、同時に弱冠20歳の青年にすぎない。
だが、最上位者であるガルマには私的な話をする相手すらいないのだ。
そこからくる重圧は、並みのものではなかった。
「せめて、シャアがいてくれればな」
ため息とともに、今は宇宙にいるだろう親友を思い浮かべた。
ただ一人、ザビ家の御曹司であるガルマと対等に付き合ってくれたシャアがいれば、
公私共に頼りになることには疑いは無かった。
しかし、「話し相手が欲しい」といった理由で派遣を要請することが出来るはずも無い。
「話し相手か……イセリナはどうしているだろう」
イセリナ・エッシェンバッハは大西洋連合の大都市、ニューヤーク市長の娘であり、
数年前にオーブで開かれたパーティーで出会って以来、ガルマとは恋中であった。
地球とジオン公国は遠いため、お互い家族に隠れて、
ビデオメールのやり取りを交わす程度の間柄ではあったが……
(もっとも、キシリアはそのことを知っていて、逆に便宜を図っていたのであるが)
戦争が終われば、また会える。だが戦争終結のためには連合の中核、大西洋連合を落とす必要がある。
身勝手な考えとは自覚しているが、彼女がいるニューヤークを火の海にすることはしたくなかった。
「そういえば、あの少女は元気だろうか」
カガリ・ユラ・アスハ。彼女のおせっかいな空回りが無ければ、
自分はイセリナと恋仲どころか、話しかけることすら出来なかったのではないか。
戦火と関わりが無くとも、コロニー落としとニュートロンジャマー投下は
オーブにも様々な影響を与えているだろう。せめて息災でいるといいが……
そう思っている相手が、まさか自分のすぐ近くにいるとは、ガルマの考えの及ばないところであった。
392:通常の名無しさんの3倍
06/11/07 22:51:53
乙!
キシリア・・・ガルマに甘すぎだろ!?
不覚にも萌えてしまったじゃないか・・・
393:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 00:13:38
ヒルドルブ!ヒルドルブ!
もしかして、ソンネンとゲリラ屋オッサンズ夢の共演が・・・!ワクワクテカテカ
394:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 00:18:46
確かに、こいつならバクゥにも勝てる…つーかザメルの最高時速220km/hかよ。速すぎるぞ。
しかし、バクゥの最高時速っていくらだっけ?110km/hなら出せそうな気もするんだが。
395:今度は日常編
06/11/08 00:32:50
ちなみに、ヒルドルブ → ザメルでなく、ヒルドルブ → ライノサラスになります。
問題はバストライナー砲の代わりが見つからんことです。
あー、でも完成する頃はガルマもバルトフェルドも死んじゃうのかー。
396:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 08:16:11
>>395
>バストライナー砲の代わり
ローエングリンとか
397:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 08:32:12
>>394
あれ、ドムって300km/h位出なかったけ?
あれ~? 記憶があやふやだから間違ってたらごめん。
398:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 09:51:56
>>397
この話の中ではドムは技術的な問題で作られて無いんだよ
399:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 13:37:02
熱核ホバーが今のところは駄目だしね
400:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 14:16:59
あのグフがモノになるのであれば装甲はともかく機動性ならドム以上の機体に仕上がりそう
宇宙用なら推進器いろいろありそうだしGジェネに出てきた足無しのドム作ってみるとかw
401:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 18:50:33
これってアムロは出ないのかな?
コーディネイターとは別にニュータイプがいるというのがここのジオンの思想だが、そうなら元祖ニュータイプのアムロは必要な気もする
でもそうするとアムロvsシャアに他のキャラが呑み込まれて目立たなくなりそうな悪寒
402:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 21:02:16
>>401
何をいう。元祖ニュータイプはシャリア=ブルだ。
403:51
06/11/08 21:31:31
1.
「ミゲルとの交信が途絶えた!?」
その報告を受けたアデスは、思わず聞き返した。
「間違いないのか!?」
彼はザフトのナスカ級高速戦闘艦“ヴェサリウス”の艦長である。
ヴェサリウスとローラシア級MS搭載艦“ガモフ”の2隻がヘリオポリスを襲撃したのだ。
「“黄昏の魔弾”を失うとはな……」
アデスは俯きながらつぶやいた。
クルーゼ隊には赤服と呼ばれる優秀なパイロットがそろっている。
しかし彼らはいずれもアカデミーを出たばかりで実戦経験に乏しかった。
ミゲルは赤服ではないが、戦場で武勲を立て、パーソナルカラーを許された歴戦の戦士である。
彼を失った意味は大きい。
<アデス聞こえるか>
帰還途中のクルーゼから通信が入る。
<全MSにD装備をさせろ>
「D装備ですか?」
アデスは驚いた。D装備は要塞攻略用の最重装備だからだ。
クルーゼの命令に不満を擁きながらも、彼は部下に命令する。
「分かりました。すぐにジンへD装備を!」
「フレドリック艦長」
その時、ブリッジにアスランが入ってくる。
「自分を出撃させてください」
「なんだと? しかし、機体が無いだろう」
「ミゲルのシグーを使わせてください!
自分が“G”が奪取していれば彼は死ななかったかもしれません。仇をとらせてください」
アデスは一瞬迷ったが、アスランの赤服を見て承諾した。
「分かった。許可しよう」
「ありがとうございます」
言うなりブリッジを飛び出す。
(あれは……キラなのか?)
404:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 21:34:17
何気にジョージ・グレンも木星帰りだったりするんだが、
この世界だと奴こそファーストニュータイプってことになったりしないよな?
脳だけで生きてるあたり怖いんだけど
405:51
06/11/08 21:34:18
2.
自己紹介をすました少年達の心は連合のMSに移っていた。
「しかしすげーなー。キラが動かしてたのか?」
「『ガンダム』? なにそれ?」
「ちょっとー! 見るだけで、乗っちゃダメよ!!」
ストライクのコックピットに入り込もうとしている彼らをクリスが必死に制止する。
「軍人さんも大変ね」
「ええ、まあ……」
和気藹々といったなかでマリューが目を覚ました。
彼女は身を起こし現状を確認すると、慌てて腰にある拳銃を抜きキラ達につきつける。
「その機体から離れなさい!」
「何をするんです! 止めて下さい!」
「助けてもらったことは感謝します。でもあれは軍の重要機密よ。民間人が無闇に触れていいものではないわ」
「た、大尉落ち着いてください」
クリスの制止も聞かず、彼女は断固とした口調で続ける。
「私はマリュー・ラミアス。地球連合軍の将校です。申し訳ないけど、あなた達をこのまま解散させるわけにはいかなくなりました」
「一緒に行動するんだろ。クリスさんに聞いたよ」
「なら話は早いわ。こっちにきなさい……クリス、貴女がいながらこれはなに?」
「すみません、でも!」
「言い訳はいいわ!」
そんな二人の間にセイラが割ってはいった。
「銃をおろしなさい―」
銃をつきつけたマリューにセイラは静かに言う。
「―相手は子供よ」
「関係ないわ。私は開発責任者としてこの機体を任されてるの」
「エリートでいらっしゃるのね」
「!?」
その一言にマリューは眉間にしわを寄せた。
「それは皮肉かしら?」
「別に……でも、もう少し肩の力を抜いてもいいのではない? 大尉さん」
406:51
06/11/08 21:35:38
3.
「ラミアス大尉!!」
マリュー達がアークエンジェルに到着すると、アーノルド・ノイマン曹長が駆け寄ってきた。
「ご無事で何よりです」
「あなた達こそ、よくアークエンジェルを守ってくれました」
「その子達は?」
ノイマンはマリューの後ろにいた少年達について尋ねる。
「ヘリオポリスの民間人よ。Xナンバーを目撃してしまった為に一時的に拘束しました。学生と医療ボランティアの方が……」
「医者がいるのですか!? どなたが!?」
ノイマンは慌てて少年達に問いかける。
中からセイラが手を上げて前に出る。
「私です。まだ医者の卵ですが……」
「構いません! すぐブリッジまで来てください!」
「怪我人ですか?」
「艦長が重態なのです」
「待って、衛生兵はどうしたの?」
「それは……とにかくいらしてください」
407:51
06/11/08 21:40:53
セイラ達がブリッジに着くとナタルが賢明に指示を出していた。
「大尉! ご無事でしたか」
「ナタル、貴方も……カシアス艦長!」
艦長席の傍らには簡易ベッドがあり、艦長のパオロが横になっていた。
セイラはノイマンに案内され診察に入る。
「何をしている……私のことはいい……」
パオロは軍医の治療を拒否していたのである。
自分に構うよりも、他の怪我人を治療するように命令したのだ。
ただでさえ人員が不足していることもあり、パオロは簡単な応急処置しか行なわれていなかった。
「彼女は兵ではありませんから、その命令は無効です」
ノイマンは屁理屈を言う。
皆が見守る中でセイラは診察を終えた。
「ここでは無理。早くちゃんとした施設でないと」
その言葉は時間が無いことを意味していた。
(やはり早急にアルテミスまで行かなくては)
408:51
06/11/08 21:43:27
思考の海に潜ろうとするナタルだったが、横からパイロットスーツ姿の男が声をかけた。
「地球軍第7機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉だ、よろしく」
「第2宙域、第5特務師団所属、ナタル・バジルール少尉であります」
互いに敬礼して名乗ると、ムウが切り出す。
「こんな時になんだが乗艦許可をもらいたい」
「あ……乗艦を許可します、大尉」
「俺はパイロットになるヒヨっ子達の護衛で来たんだが、連中は?」
ナタルは沈痛な面持ちで首を振る。
「……そうか。だったら、ストライクとイージスは誰が?」
「それは……」
マリューが口を開こうとした時、クルーの一人が声を上げる。
「少尉! またMSです!」
情報分析をしていたトノムラ伍長はさらに続ける。
「ジンの編隊です。シグーもいます」
「ちぃっ! ゼロで出る!」
言ってムウはブリッジを飛び出す。
マリューとナタルは互いの顔を見合わした。
「―ストライクとイージスはまだ外ですか!?」
「ええ、回収している余裕はないわ。自力で合流させましょう」
頷き、ナタルは艦長席に座る。
「アークエンジェル発進準備! 総員、第一戦闘配備!」
409:51
06/11/08 21:45:56
つづく
セイラとマリューの会話がなんか微妙だ
アスランの機体はミゲル専用シグーに決定
もちろん色はオレンジです
ちなみシグーはザクに対抗するため史実より量産されてます。
アムロについて
>>386
410:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 21:58:38
>>409
乙です!
411:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 22:05:39
高機動型ザクはシグーには対抗できそうな気がするですが、どうなんでしょ。
もっとも、勝てたとしても、ザクレロやビグロに勝つのは難しいだろうなぁ。
水中でもグラブロがあるし、ジオンは大型MAに結構シフトしていきそうな気が。
……あー、ララァがいるということはサイコミュザクがいるのか。
エクステンデットの技術をゲットしてジオンで強化人間の量産ですね!
412:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 22:14:03
高機動型ザクの中身は半分くらいザクとは別物だからシグーには勝てると思う。
初期型は足周りが複雑すぎて整備性、生産性が悪かったんで生産数も少なかったけど、
改良型のR-1タイプは足のブースターの燃料をカートリッジ式にして改善している。
原作だとリック・ドムの方が手軽な上に火力も高かったけど、種世界だとドムが実用化
されていない現在、高機動型ザクは宇宙戦のメインになりそうだ。
413:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 22:22:57
つ リックアッガイ
414:通常の名無しさんの3倍
06/11/08 22:48:30
>>412
改良型はR-1Aだ
初期型がR-1でシン・マツナガが乗ってたのがこれ
R-1Aで有名なのが三連星の乗ってた機体
415:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 00:57:40
ディスティニーから出せそうなキャラも少数ながら居るな
ヒルダ、マーズ、ヘルベルトの新三連星vsマッシュ、オルテガ、ガイアの本家三連星対決とか
ハイネvsラルの新旧ザクとは違うのだよ対決等
個人的には見てみたいな
416:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 03:30:48
R-2ってほとんどプロトゲルググなんだっけ?
417:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 05:49:12
R-2は性能的にはビーム兵器が使えないゲルググみたいなもんじゃないか?
R-3なんかになると外見からしてまるっきりゲルググだし
>>395
バストライナー入手前ならバストライナーじゃなく
200mmキャノン砲を装備しているライノサラスA型で良くないか?
418:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 08:12:34
>ゲルググ
Sugeeeeeeeee!!!!!!!!
高機動型ザクってかなり強いんじゃん
419:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 08:42:37
フルバレットザク
420:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 08:56:04
元々はゲルググの開発が滞っている為の繋ぎのMSとして造られたからね。
ゲルググ開発の過渡期のMSだから似ているのは当たり前としては当たり前かな。
コンペではリック・ドムに負けたけど性能は高いよ。
421:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 09:09:50
R型ザクの問題になったのはコストと整備効率が悪化したことだからね
R-2なんか4機しか作られなかったくらいだし
まあドムとリックドム、生産ラインの大半を共用できたのも強みなんだろうけど
422:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 10:32:37
種死のドムもどきはどうやって浮いてるんだろ?
やっぱり、負債の過誤を受けて腐力で浮いているだろうか?
423:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 12:52:47
R型のザクって、レムのおっちゃんが体を張って作ったんでしたっけ?
424:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 14:38:06
ドムが作れなかったらギャンの開発速まらないか
量産されたギャン見てー
425:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 16:58:16
>>422
誰が上手い事を言えと(ry
426:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 17:43:21
>>421
種のスラスターがなんなのかまだわかってないからなぁ
エールストライクは超伝導推進らしいけど、それじゃ宇宙は動けないはずだし
適当に決めて細かいところ考えてないのが良くわかるぜ
427:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 19:44:13
超伝導推進がどうのってのは水中戦やるときに出たんだっけ?
あの時は何もつけないかソードだった気がするんだか
428:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 19:53:33
>>427
そう、そんときエールは水中でも使えるっていう設定がでた
たしかプラモの箱んとこに説明があったはず
設定上ではXナンバーのスラスターは全部超伝導推進ってことになるんだが、宇宙で動けねえよそれじゃww
429:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 19:54:31
いっそのことドムを超電磁推進にしてしまえ
430:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 19:58:36
種はアレだ
ノリと勢いと厨くさいカッコよさで設定がなりたってるからw
431:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 21:11:24
>>428
プラズマジェット推進にしとけばなぁ
宇宙でも地上でも使えてバッテリー駆動、しかも地上では推進剤の水素いらず
水素は海水から精製できるから世界観にぴったりだったのに
432:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 21:15:34
そんな夢のような推進システム本当に存在するの?
433:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 21:19:25
>>432
存在する
種世界は核パルス発電に失敗してるけどこれなら簡単に作れる
燃料(液体水素)にX線レーザーぶち当ててプラズマ化させ推進力にする
地上では燃料の代わりに空気や海水でもいけるというこのすばらしさ
434:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 21:22:38
それなら地上はバッテリーだけでいけるな
435:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 21:24:03
>>433
ガンダムグリープが使ってたのだな。
436:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 21:27:03
>>433
そうなんだ、知らなかった
でも核融合炉が完成してるんなら、これ使わなくてもいいはずなんだがな
プラズマジェット推進ってレーザー核融合の出来損ないみたいなもんだし
437:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 21:32:33
まちがえた>>435ね
438:51
06/11/09 21:34:12
今回は短いけど・・・・・・投下します。
439:51
06/11/09 21:35:05
1.
キラはクリスと共に、MSを使い破壊されたモルゲンレーテから物資を搬入していた。
その二人にジンが突入することを知らされ、迎撃を行なうよう命ぜられる。
「なんでですか!? ここは中立なんですよ!」
「さあな。ザフト兵の考えてることなんざ、俺は知らんよ」
キラの問いかけにムウは肩をすくめる。
「俺のゼロと中尉のイージスがオフェンスだ。キラ、だったな。君はアークエンジェルを守れ」
しかしキラは俯いたまま黙っている。
「……自分と同じコーディネイターを撃つことが気になるのか」
「!!」
「安心しな。俺も中尉も、君の素性を話すつもりはないぜ」
連合は基本的にナチュラルが中心の国家である。
それがコーディネイター中心国家のプラントと戦争をしているのだ。
キラの素性が知られたら、拘束される可能性もある。
「君が戦うのは今回だけでいい。後は俺がイージスに乗って、余ったストライクには中尉が乗ってもらうようにする」
クリスもムウの言葉に頷いているが、キラは首を振って叫んだ。
「ぼ、僕は戦争が嫌で、中立のヘリオポリスに来たんです。戦うなんて……」
「いいかキラ! 怖いのは分かる。コーディネイターとはいえ民間人なんだからな。でもザフトはコロニーを破壊するつもりだ。
そうなったら軍人、民間人なんて立場は関係ない! 今ヘリオポリスを守れるのは俺達だけなんだぞ」
「でも、僕は……」
声を震わせるキラに、ムウは語りかけた。
「君はできるだけの力を持ってるだろ? なら、できることをやれよ」
はっとキラは顔を上げると、モニターには優しい表情のムウが写っていた。
440:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 21:35:30
核融合炉の莫大な電力を使えば効率とかすごくよくなるからじゃね
レーザーの出力がスラスター推力に直結してるから
441:51
06/11/09 21:38:01
2.
上空では進入してきたジンにゼロとイージスが戦っていた。
基本的にゼロのオールレンジ攻撃でジンを釘付けにし、その隙をイージスが撃ち落す戦法だ。
しかしゼロとイージスだけでは全てのジンを落とすことはできず、2機のジンが抜け出した。
それはアークエンジェルを発見すると、艦に向けて大型ミサイルを発射する。
「くっ! 対空砲火!!」
ナタルの指示で弾幕を張るが、ミサイルは次々と迫っていた。
「やめろおぉぉ!」
キラは迫り来るミサイルを57ミリ高エネルギービームライフルで撃ち落す。
そして銃口をジンに向けると、迷わず引き金を引いた。
その一撃はジンの胴体を貫き爆発する。
「なに!?」
僚機を一撃でやられたことに動揺するザフト兵。
その隙を、キラは見逃さなかった。
「うわあぁぁぁっ!」
442:51
06/11/09 21:40:14
声を上げながら、アサルトナイフを抜くとジンの頭部に突き刺し、離れ際にライフルを一発撃ってもう1機のジンを撃破する。
息衝ぐ暇もなく、別のMSがストライクに迫る。
そのMSは先刻ゼロと戦っていたMSとは違い、オレンジに塗装されたものだった。
<キラ! キラ・ヤマト!>
「アスラン! アスラン・ザラ!」
<やはりキラ? キラなのか?>
しばし呆然となるキラであったが、爆発音が鳴り、辺りを見渡すと他のジンがミサイルをヘリオポリス中に撃っている。
コロニーを攻撃するザフトのMSと目の前にいるかつての親友に怒りがこみ上がる。
「なぜ……なぜ君が!?」
<お前こそ! どうしてそんなものに乗っている!?>
アスランの方も真意を問いただそうとするが、
「キラ君!!」
クリスの叫び声と共に轟音が鳴り響きコロニーのシャフトが折り曲がる。
地面に亀裂が入り、空気の流出にが始まる。
そしてそれはストライクの足元にも―
「うあぁぁっ―!」
キラのストライク、そしてアスランのシグーは宇宙に放り出された。
―C.E.0071年1月25日、クルーゼ隊が潜入して約6時間後、ヘリオポリスは崩壊した。
443:51
06/11/09 21:42:49
つづく・・・
とりあえずシャアは高機動型ザクに乗ることでFA?
それとシャアの相手誰にするかな・・・
444:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:01:19
ザフトだと相手になりそうな相手が居ない気がする
ザフト最高部類に入るクルーゼがジョニーらしき人物に抑えこまれているしな
連合製MSのOSがジオンMSのOSをベースで作成されているとしても、こっちも相手が居ないような…
445:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:07:00
ルース・カッセル&フォルド・ロムフェラーなんかどうだろ
446:51
06/11/09 22:07:24
ちなみにシャアを相手にする=ジオンNT部隊を相手にする。
ですので・・・
447:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:20:50
51氏GJ!
NT部隊って、シャア、ララァ、シャリア・ブル、小説版を含むならクスコ・アル、ルロイ・ギリアム位か?
∩( ´Α`)< 先生、勝てそうな部隊いないっすよ?
448:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:23:53
マリオンはー?
449:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:28:13
小説版て…シャリア・ブルはシャアより強かった気が…
450:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:30:11
>>445の2人に加えてユウ・カジマ、シロー・アマダ、
ジェームス・A・アーノルド、チャールズ・S・サインツ
で、実験機試作機部隊とか
451:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:35:10
マリオンは51氏がゲームの事は考えてないらしいから除外してた
連合は連邦から梃入れできるが、ザフトは梃入れできる連中が少ない
サーペントテイルをザフトが雇っても焼け石に水か?
452:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:39:12
ニュータイプ部隊がいる → シャアの目的は復讐から人の確信を見ることへ → ガルマ死なない?
453:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:39:39
ザフトには自分の所属する部隊は必ず自分以外全滅し、自分だけは必ず生き残る男ドクターがいる!
しかもコンピュータを外科手術できる凄腕だ。
454:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:48:13
ザフトと連合が同盟でも組まない限りジオンに太刀打ちできんぞこれは
455:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:50:10
地球侵攻ちょっと遅らせて制宙圏を掌握してザフトの部隊を地上に降ろさないようにすれば
地上のザフトは干上がったも同然になるから虎もあっさりやれるんじゃなかろうか
456:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:50:31
ザフトは一般兵が全員コーディで平均的に強いからバランスはとれるだろう。
457:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 22:52:17
ジオン兵の方が兵士としてのの錬度は高いんじゃないか?
操縦うまくてもコーディって連携しないしさ
458:通常の名無しさんの3倍
06/11/09 23:03:20
>>308
の作中にて地の文で説明あるから
性能が同じ機体ならコーディネーターが有利
459:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 00:02:18
しかし問題は宇宙ではジオンのMSの方が性能が高いって所だな
460:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 00:08:20
さて、ガルマがナイーブな青年の悩みを抱える一方、マ・クベの方も悩みを抱えていた。
―こちらの悩みは実に殺風景で、しかも血と鉄の香りが溢れかえるものであったが。
「また捕虜への暴行事件か。とは言え、ナチュラルの兵士にやらせるわけにもいかんからな……」
戦闘が起きれば、敵味方に捕虜は発生する。ZAFTが相手でも、それは同様である。
問題は、捕虜を収容した後の扱いであった。コーディネイターの身体能力はナチュラルを凌駕する。
ナチュラルの兵士を看守にあてたのでは、暴動が起こった際に対処しきれない可能性がある。
従って、コーディネイターを収容している施設に配属されているのは、ハーフ、クォーターも含めた
コーディネイターであったが、それが最大の問題なのだった。
ブルーコスモスが母体であるジオン公国は、コーディネイター化を認めない。
従ってジオン公国のコーディネイターは、当然のことではあるが、移住してきた者がほとんどである。
―そして、大部分はプラントからの亡命者でもあった。
『コーディネイターは強い同胞愛を持つ』
プラントの市民が好んで使う言葉である、それは確かに正しかった。
だが、全てのコーディネイターを同胞と認めるわけではない、という言葉が欠けていた。
ナチュラルの配偶者を持つ者やハーフコーディネイターは、プラントにとっての同胞ではなかったのだ。
そして、婚姻統制によって結ばれることを許されない者たちも同様に白眼視された。
こうしたプラントの『非国民』たちは、新天地としてジオンへと移住して行ったのである。
また、ジオンとプラントの関係が少なくとも険悪ではなかった時期には、ジオン公国に住む
子供が出来ない第二世代コーディネイターのカップルが、コーディネイトの失敗を理由に
親権を放棄された哀れな子供たちを養子に迎えることも多かった。
こうした背景から、ことジオン公国のコーディネイターやハーフ、クォーターたちの
プラントへの悪感情は、深く根深いものがあった。バレンタインの虐殺に喝采を叫んだ者もいた、
その事実だけでどれだけの憎しみがあったか想像できるであろう。
皮肉なことに、ジオン公国で最もプラントを憎むのは、コーディネイターに連なる者たちなのであった。
そのため、ジオンのコーディネイターたちは最も勇猛果敢に戦う集団であり、味方からは敬意を、
敵からは恐怖と「裏切り者」のレッテルを与えられたのである。
しかし、それは捕虜の監視や管理という職務においては、有害でしかなかった。
「お前らに同胞愛は無いのか」という捕虜の言葉から凄惨なリンチが発生した、
自分の「遺伝上の」親を目の前にして逆上して射殺してしまった…という事件がたびたび発生することに
マ・クベは頭を抱えていたのであった。
「……捕虜交換を具申してみるか」
シノワズリーの壺のコレクション―本当は模倣ではなく本物の北宋の壺が欲しいのだが―を眺めながら、
マ・クベは机の上で一人つぶやいた。
落ち着いてコレクションを鑑賞できる日は、当分先のことになりそうであった。
461:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 00:10:46
今回はジオン公国のコーディネイターについて妄想してみたり。
ゲリラ戦は書きたいけど、資料が…
462:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 00:17:53
こう言う事情は絶対あったと思うが、種じゃ全然描かれてないからな。
特にハーフはスポットが当ってない。
463:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 01:29:53
種はコーディ側に偏ってるからなあ。
464:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 02:04:37
なぁ なんでオーベルシュタインが居るんだ? 教えてくれまいか
465:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 02:10:20
マ・クベがオーベルシュタインでも全然違和感が無いな。
466:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 04:33:01
>>464
勘違いしてはいけない。
オーベルシュタインがここにいるのではなく、ここのマさんが銀英伝に出てるんだ。
467:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 07:36:16
あ、納得
468:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 08:35:29
>>444
長谷川裕一の外伝漫画の内容が公式に認められた物とすれば、
赤い稲妻は忠誠心こそシャアより低めだけど、
こと任務に関してはシャアより遙かに実直だから。
469:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 11:05:39
それを言うならガンダムパイロット列伝を忘れてもらっては困る
アレのジョニーのキシリアへの忠誠心は相当なもんだぞ?
470:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 19:53:49
キシリアが別嬪さんだからな
471:51
06/11/10 22:12:38
ちょっと書き方を変えてみた。
472:51
06/11/10 22:14:28
1.
「よくやったな坊主」
ムウは格納庫に行くと、真っ先にキラに声をかけた。
「ム、ムウさん……」
声はまだ震えていたが、幾分か落ち着きを取り戻している。
ヘリオポリスが崩壊した後、宇宙に押し流されたストライクは自力でアークエンジェルへ帰還した。
その途中、推進部が壊れた救命ポッドを見つけたキラはそれを抱えていた。本来はオーブの救援艇が
保護しに来るのだが、“住民を見殺しにするな”とパオロが命じていた為ナタルはそれを受け入れていた。
「もう怖い思いをしなくていいぞ。後は俺と中尉にまかせろ」
「は、はい」
そう返事をしたものの、キラには複雑な思いがあった。
これでキラはMSに乗らなくていいだろう。機密を見たこともクリスとムウが何とかしてくれそうだし、
自分がコーディネイターであることも黙っていてくれるようだ。しかし、
―やはりキラ? キラなのか?
アスランの声を思い出す。
―どうしてそんなものに乗っている!?
確かにMSに乗り戦うのは嫌だ。しかしここでMSを降りたら、二度とアスランと会えないような気がした。
(アスラン……僕は……)
「キラッ!」
「無事だったんだな!」
友人達が駆寄ってくる。トールは抱きつき、サイは頭を掻き毟ってキラは目を白黒させる。
ほほえましい光景の中、救命ポッドから声が上がった。
「サイーッ!」
紅い髪を束ねた少女はキラ達に近寄る。
(知り合いか……ここはもういいな……)
ムウはその光景を見ると、そっと場を離れた。
473:51
06/11/10 22:15:53
2.
その頃ブリッジではナタル達が情報の分析を行なっていた。
「ザフト艦の動きは分かるか?」
「無理です。残骸の中には熱を持つものも多く、これでレーダーも熱探知も……」
「それはザフトも同条件では?」
クリスがナタルは考え込む。
「私としては、ヘリオポリスにいたザクが気になるのですが……周囲にジオン艦は?」
クリスの問いに皆がパル伍長を見るが、彼は首を振った。
「とにかく現状では、あると想定して動くべきでしょう」
「そうね。私もナタルの意見に賛成だわ」
「遅れてスマン」
「大尉、何所へ行っておられたのですか」
「ちょっと格納庫にね……今はどんな状況だ」
ナタルはこれまでの経緯を話した。
「なるほどな。こっちの戦力はストライクにイージス、そしてゼロか
……まあ、パイロットは俺とクリスしかいないからな」
「?……ストライクに乗っていたパイロットはどうしたのですか?」
ナタルの疑問にムウとクリスはぎくりと目を見開く。
(しまった! 説明してなかった!)
とりあえずムウは場を誤魔化し始める。
「降りてもらったよ。オーブの民間人だしな」
「民間人が……しかし普通の人間がGに乗れるものなのですか?」
しかし痛いところをつかれる。
「(やべえな)そ、それはだな……」
「ストライクのOSは初心者用に設定していたのです!!」
傍らのクリスが助け舟に入った。
「殆どがOSのオート任せで、サルでも乗れる状態だったんです!
その名も“マリューおねえさんのMSにのってみよう”ッ!!!」
その言葉に固まるムウ。ナタルは唖然とし、マリューにしてみれば何を言っているのか理解できない。
静寂が辺りを包み、その場にいる全員がマリューの方を向く。
(ちょっ! おまっ! なんつー言い訳をっ!)
(ふええぇぇぇっ! しまったあぁぁぁっ!!)
ムウは頭を抱え、クリスは動揺しまくっていた。
「た、大尉……そんなOSがあるのですか?」
突然、訳の分からない話を振られたマリューは思考がついていかない。ムウはナタルの背後で
気づかれないようにアイコンタクトをとる。それに気ついたマリューは何とか話を合わせようとした。
「あ……え、えっと……!」
とは言っても、“マリューおねえさんのMSにのってみよう”等と言われれば返答に困ってしまう。
『YES』と答えたら、まるで自分がバカみたいだ。それでもムウの必死のジェスチャーによっては観念した。
「……あるわ」
「…………そうですか」
皆の白い視線を受け、マリューは後でクリスをシメることを心に誓った。
474:51
06/11/10 22:17:23
「と、とにかくだ! これからどうするかを考えようぜ!」
まずい空気にムウは話をそらす。ナタルは腑に落ちないといった表情だ。
「現状で考えられるのは戦闘、逃走、そして投降だ」
投降、という言葉に皆ぎょっとする。
「それも一つの手ではあるだろ?」
「戦闘は避難民がいる以上避けた方がいいわ」
「逃走するにしても、向こうには高速艦のナスカ級がいます。振り切れるかどうか……」
「投降はありえません。我々の目的は、何としてもMSとこの艦をアラスカへ持ち帰ることです。
そこで、私はアルテミスへの入港を具申致します」
「傘のアルテミスか……」
―アルテミス
ヘリオポリスから近い宙域にある軍事衛星である。所属はユーラシア連邦になるのだが、
制宙権を失った連合にとって唯一の宇宙基地であり、大西洋の艦艇も入港している。
「それに―」
ナタルはチラリとパオロの方を見ると、
「―時間がありません」
パオロはセイラに痛み止めを打たれ、静かに眠っていた。
「そうだな。アルテミスまではおよそ2時間ってとこか。戦闘になるかは運だな」
その一言で議論は終わり、各々が配置に着く。
「デコイ用意。発射と同時に、アルテミスへの航路修正の為、メインエンジンの噴射を行う。
後は艦が発見されるのを防ぐため、慣性航行に移行。第二戦闘配備。艦の制御は最短時間内に留めよ!」
――つづく
475:51
06/11/10 22:19:44
クリスの発言は無視していい
それとこのままだと(対ジオンに関しての)主役はムウになりそうだ・・・
476:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 22:23:02
乙です!
477:ガルマネタ書いてるヤシ
06/11/10 22:37:26
なんだか不評みたいですねえ…マがオーベルシュタインみたいだとか色々言われてますし。
自分は設定の辻褄あわせをやるのは得意なのですが、文章書くと地の文過多の銀英伝風になってしまうのです。
もうちょっとなんとかならんか頑張ってみるですよ。
ところで、51様、ジオンのコーディネイターについては、私の書いた内容でよろしいでしょうか。
こういったしょうもないことへの妄想に血道をあげてしまうのが悪い癖なもので…不都合なら指摘していただけると幸いです。
478:通常の名無しさんの3倍
06/11/10 22:48:33
>>477
いやいや、マがオーベルシュタインでもまったく構わんです
自分はこういうの大好きですし、銀英伝風でも味があっていいですよ
479:51
06/11/10 22:49:47
問題ありませんが個人差はありますので・・・。
ただ、そうなるとイライジャはジオンに居る可能性も・・・?
私の脳内ではマがオデッサ、ガルマがアフリカと考えてましたが、この際細かい事は気にしません!
480:ガルマネタ書いてるヤシ
06/11/10 22:57:39
>>479
どもです。遅ればせながら、いつも楽しみにさせていただいてます。
ニュータイプ部隊については
プラントのコーディネイター:コーディネイターこそが新たな人類である。まがい物が抹殺すべしということで優先的に狙われる
ジオンのコーディネイター:ジョージ・グレンの理想をかなえる時が来た! 我々が彼らニュータイプとオールドタイプの架け橋となるのだ!
という考え方の違いがあるのではないかと考えてみました。
で、シャア(NT部隊があるということは中佐?)についてはジオンのコーディネイターでも意見がわかれていて
「あいつはニュータイプでもコーディネイターでもないのになんで隊長なんだ!」
「シャア中佐も優れたニュータイプだ。我々は彼を助けるべきなんだ!」
の二派が存在すると妄想したり(シャアの覚醒がララァ死後か以前かで変わるわけですが)。
あと、EXAM開発は「ジオンでは」ない、と考えても良いのでしょうか?