06/08/23 14:13:44
「ご機嫌はいかがかな?」
今日も彼は来た。
描き上げた絵を渡した。すると彼は淋しそうな目をして、絵を眺めていた。
「前はこんな顔だったのか?あんたって。」
アウルが聞いても返事をしない。少しだけ、体を震わせていたように見えた。
「いや、僕はこんないい笑顔を見せたことは無い。これは受け取れないな。」
そう言って、部屋を去っていった。しかし、アウルはまだ部屋にいた。
何かもじもじとしながら、恐る恐る聞いてきた。
「僕の絵は…無いのかな?」
私はくすっと笑って、彼の絵を渡すと、アウルは満足気に部屋を去っていった。
部屋に残ったのは、ピアノを楽しそうに弾く少年の絵。貰われていったのは、お母さんに甘える少年の絵。
ガロード…この世界にも哀しみが多いようです…
私達にも哀しみが訪れるのでしょうか?
ううん…貴方なら、きっと哀しみから救ってくれる、私達だけじゃなくて、この世界も…
~つづく?~