種・種死のキャラがX世界に来たらat SHAR
種・種死のキャラがX世界に来たら - 暇つぶし2ch817:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/11/06 21:18:30
第四十話『”月の魔力を借りた悪魔の兵器”だよ』(中編)

「何事だ?」
「カモメが一羽、迷い込んできたようです。」
司令室に入ってきたアイムザットに対してシャギアはそう答えた。
『ある実験』のために準備をしていたシャギアたちは、謎のMAの襲来に実験を中断。今は実験に使うはずだった『ある物』を大急ぎで格納庫へ移送しているところであった。
「おそらく、翼を休めにきたのでしょう。」
「……兄さん、このまま行くとあいつは…。」
「あれを見られるかもしれん、か。まったく、彼がいたら面倒ごとは彼に任せるのだがな…。」
「彼は今、文字通り『檻の中』だもんね。」
「最悪の場合、お前達であれを殺せ。」
笑いながら話すシャギアとオルバと対照的にアイムザットの目は笑っていなかった。


 島の中央にそびえる大きな山を迂回しながら進むエスペランサの前に、MS用のトレーラーが現れた。機銃やライトがこれだけ多く備えられていると最早ただの島でないことは明白である。
だが、目の前に現れたMS輸送用のトレーラーは荷台にカバーが掛けてあり、迎撃用に出されたものでないことは見て取れる。動く様子も無いため、無視してスピードを緩めずに通過すると、
掛けてあったカバーが風にあおられてめくれ上がり、荷台に置かれていた”MS”が姿を現した。
「あれは、ガンダム!!?」
 大戦末期に最強の装備を施されたMS『ガンダム』。彼女にとっては因縁めいたものであったが、その姿形は彼女が知っているどのガンダムとも違った。
レオパルドのようにどっしりと重量感のある大きめの上半身に威圧感を与える黒い塗装。
上腕や頭部は白で統一されているが、GXやエアマスターとはまったく違う印象をエニルに与えた。
「なんだってこんな所にガンダムが……?」
 調べてみたい気持ちも有ったが、現状では自殺行為になりかねない。後ろ髪魅かれる思いを振り切り、エニルは島を脱出したのだった。


「あいつの尋問、思うように進んでないらしいいですね。」
「ま、そう簡単に口を割るような性質じゃないとは思ってたけどな。」
 面白くないという表情のシンの言葉にウイッツはタオルとボトルを渡した。
工作員騒ぎから一夜明け、シンたちは再びマイクロウェーブ到達予想地域を捜索していた。今は一度捜索から戻り、補給を受けている。
「あのくらいの年のおじ様方ってのは頑固だからねぇ、年下のジャミルの言うことにほいほい答える気にならないんじゃないの?」
 ロアビィは飲み物の入ったボトルを傾けつつ口を開く。どういった組織でもそうであるように基本的には年上が指揮をし、年下が手足となって働く。
カトックのようにあの年で工作員をやっているほうが珍しい。
「ジャミルさんのやり方が手ぬるいんですよ! 俺が行って…!」
「まあまあ、ジャミルにはジャミルのやり方があるんだし……。」
イライラを募らせるシンをガロードはなだめる。シンはカトックと再開してから眉間にしわを寄せ続けていた。



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