種・種死のキャラがX世界に来たらat SHAR
種・種死のキャラがX世界に来たら - 暇つぶし2ch786:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/10/18 22:07:08
第三十九話『皆を変える事ができる』(中編)

『大丈夫かシン!?』
「ああ、なんとかな……。でも、まだまだ大変なのは続きそうだ!」
ヴァサーゴとアシュタロンに激しく攻め立てられていたディスティニーはGXの乱入によって何とか戦況を立て直していた。ヴァサーゴとアシュタロン、
GXとディスティニーは数の上では互角だが連携のうまさでは2歩3歩先をいかれている。
 さらに、シンたちの敵はこの兄弟だけではない。クラウ・ソラスとフラッシュエッジ2を左右に持ち、攻撃に変化をつけながらバリエントを一閃し、時には貫く。
数は半分程度になってはいたが、まだまだ多いことに変わりは無かった。
「気をつけろ…! 奴らの連携は並じゃない!」
『あの2機のパイロットは双子の兄弟なんだ。』
「兄弟!? …なるほど、お互いのやることは見当がつくってことか!」
『あいつら兄弟は互いに意思の疎通ができるんだ、通信機とかそんなのに頼らずに!』
 ディバイダーを背中にマウントし追加ブースター状態にしたGXは、すれ違いざまにビームソードでバリアントをなぎ払い、さらに後から追従する敵には機体のすばやく振り向いてライフルの狙いをつけ撃ち落す。
『どんなに遠くにいても、まるで隣にいるかのようにな!!』
「通信機要らずのテレパシー兄弟か…。 なんて奴らだよっ!!」
 ライフルを回収することもままならない状況の中、フラッシュエッジ2は唯一まともに使える飛び道具となっていた。正面の1機をクラウ・ソラスで上段から一刀両断し、
剣をふり終わって止まった瞬間を狙う敵にすかさずフラッシュエッジ2を投げつける。
 ビームのように弾速は速くないので避けられてしまうが、シンは最初から”行った”ビームブーメランが当たることは期待していない。ブーメランは必ず戻ってくる。
その”戻り”を当てる事ができれば十分であった。バリエントのパイロットも投げ放たれた武器が戻ってくることは予想していなかったようで、ライフルを持っている右腕の上腕を半ばから切断される。
「はあぁぁぁぁ!!!」
 右腕を失って動きを止めたバリエントに容赦なくクラウ・ソラスを突き立てた。その瞬間、初めてディスティニーに乗ってアロンダイトを突き立てた時の後味の悪さが彼の心によみがえった。
「――こうしなきゃ、艦が沈むんだ!!」
 動かなくなった残骸から大剣を引き抜きながら必死に自分に言い聞かせる。

お前さんは他人の幸せを壊しているんだぜ?

 敵を切り倒すたび、貫くたびにカトックの言葉が彼の中でどんどんとその音量をあげていった。

 戦闘が始まって20分が経過した頃、逃げ出した工作員たちの姿を目にしたシャギアたちは落胆の表情を見せた。
『兄さん、あれは……。』
『作戦は失敗か……。これで戦闘をするも無くなった、帰るぞ。』
方向転換し、退却しようとするヴァサーゴとアシュタロンの前に1機のバリエントが立ちはだかった。退却命令が出ていないのに退却すれば敵前逃亡となり、軍人にとって極刑は免れない。
だが、立ちはだかったバリエントをシャギアたちは問答無用で撃墜した。
「なッ――!!?」
シンは絶句する。ヴァサーゴがなぜ味方を撃ったのかは知らない。だが、あそこまであっさりと味方を切り捨てることのできる人物を彼は知らない。
 さらに、アシュタロンは逃げ出した工作員たちの泳ぐ方向に立ち、彼らを回収すると思いきや、MA時の頭部に装備されているバルカン砲で彼らを人間から肉片へと変える。
戦闘を続けていたバリエントがどんどん退却をしていく中、シンは呆然とその様子を見送った。
「何で…、何であんなに簡単に仲間を撃てるんだ……? 俺は…あんなに苦しんだのに…。」
仲間を撃つことにまったく抵抗が無いフロスト兄弟の姿にシンはただただ目を丸くすることしかできなかった。



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