種・種死のキャラがX世界に来たらat SHAR
種・種死のキャラがX世界に来たら - 暇つぶし2ch745:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/10/12 23:22:28
第三十八話『あれも”狂戦士”か……!』(後編)

「くそっ! なんて連携の取れたコンビだ!!」
 ディスティニーに装備された固定武装のバルカンでは牽制にもならず、仕切りなおしに持ち込むことすら許されない状況でシンは打開策を模索する。
「君のその大剣は飾りかい!?」
 二対一で余裕の笑みを浮かべるオルバは、アシュタロンを操り腰のリアアーマーに収納されているビームサーベルを引き抜き切りかかった。
刃を回避できる距離ではなかったのでディスティニーは大剣でそれを受け止める。
「悪くは無い、けどこのアシュタロンを相手にするには役不足だ!」
 ビームサーベルで鍔迫り合いをしながら、アシュタロンはアトミックシザーズを繰り出しディスティニーの脚を掴む。これでアシュタロンの間合いから逃れることはできない。
同時にヴァサーゴの攻撃を回避することも。
「さあ兄さん!!」
「機体は持ち帰る。さらばだ、血涙の剣士よ。」
 ヴァサーゴもサーベルを引き抜き、後ろからディスティニーに突き刺そうと一気に加速する。アシュタロンの攻撃を受け止めているためクラウ・ソラスを使って受け止めることはできない。
「ちぃっ!!」
もともとディスティニーは重たい対艦刀を振るうために両腕のパワーは高めに設定されている。シンは機体の性能を信じ、右手のみでクラウ・ソラスを持ち左手で左肩のフラッシュエッジ2を引き抜いた。
「こんな所でむざむざと!!」
 フラッシュエッジを逆手に持ち、後から来るヴァサーゴのビームサーベルをどうにか受け止める。両足を縛られ、前門の虎に後門の狼の中シンは必死に戦った。


「開けろ!! もう逃げ場は無いぞ!!」
ジャミルはロックされた部屋のドアをガンガンと殴りつけながら中にいるカトックたちに叫んだ。
 ジャミルの通路の両側から挟み撃ちにする作戦は功を奏し、カトックたちを部屋の中に押し込むことに成功した。だが、
その部屋の中には脱出用の通用口があり、扉を爆破しカトック達は脱出を試みる。ドォオンという大きな音と共に扉は外れ、眼下には真っ青な海が広がった。
「行け!」
「ですが……。」
「まず、隊長から!」
「命令だ!!」
 カトックは脱出口に背を向け無言で彼らが飛び降りる音だけを聞いた。全員が飛び降りた事を確認すると名残惜しそうに彼らを見つめた。
「無事に逃げてくれよ……。」
無事に味方部隊に回収されることを祈りつつ彼らを見送っていると、銃声が二度、三度と響いた。扉の方に目を向けると、ジャミル達が扉のロックのある部分を撃ちぬいて強引に入ってくる。
「さて、いよいよ女房と再会か……。」
そう呟きながらカトックは両手を上に上げ、降参のポーズをとったのだった。


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