種・種死のキャラがX世界に来たらat SHAR
種・種死のキャラがX世界に来たら - 暇つぶし2ch586:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/09/25 22:15:54
第三十五話『全部持ってるわよ?』(中編)

「…違うの?」
「違います。」
「でもあたしの勘では確かに…。」
「そんな当てなら無いものを信用しないでこっちの話を聞いてください。大体あんた、誰なんですか?」
「…人に名前を聞くときはまず自分から名乗るのが筋ってもんじゃない?」
「話しかけてきたのはそっちでしょ!!」
「ま、それもそうね。私はルマーク、今この島の近くで商売をしているジャンク屋。シー・バルチャーといった方がいいかしらね。」


「つまり、あなたの考えを否定された、と?」
「まぁ、そんなとこです。その人の言ったことに対して自分なりに論破しようといろいろと考えてみたんですけど…。」
 結局、シンはルマークに悩みを打ち明けた。ディスティニープランやカトックのことは出していないためルマークには”自分の行動理念の根本を否定されて
どうしたらいいか迷っている”といった内容のことを話している。寝そべったまま話を続けるシンの横でルマークは静かに耳を傾けていた。
「どう考えても否定する材料が無いわけね。…あなたって意外と難しいこと考えてるのね。」
「今はいませんけど、この考え方で目標を達成しようとしている人もいるんです。もしこれを否定できなかったらそいつらまで否定することになりますから。」
「まぁ、そういうことをやるのは自由だけど…。それで、あなたはどうしたいの?」
「え?」
「あなたの…、この場合はあなたたちのかしら。あなたたちの考えを否定されたのはわかったわ。で? その後どうするの?
あなたたちの考え方を否定した人の意見に変わるの? それともあなたたちの考えを貫くの? それともどっちも捨てて自分の意見を生み出すの?」
「…そんなこといきなり言われても…。」
「あのねぇシン。」
 ルマークは横になっているシンの上に覆いかぶさった。二人の顔の距離は約30cm。ここまで女性と顔を近づけたのはルナマリア以来である。
頭の横に手を置かれているので逃げることもできない。
「あ、あの…?」
「私は、自分の中の考え…ポリシーを持つことはとってもいいことだと思うわ。けどそれが人から与えられたものだったらダメだと思うの。」
「と…言いますと…?」
「あなたの考えって、結局さっき言ったあなたの知り合いの人たちの物であなた自身が生み出したものじゃないでしょ?」
「ええ…、まぁ…。」
「あなたたちがどんなことを目標にしているのかは知らないわ。でも、本当に必要なのは”あなた自身が考え”よ。」
「”俺自身の考え”…。」
 先ほどまでののらりくらりと掴み所の無かった彼女の雰囲気が一変し、真剣な表情で話を続ける。そして、その言葉の一つ一つがルマークの大きさを意識させた。
「そう。別に人の意見を聞くなといっているわけじゃないわ。でも人の意見を鵜呑みにするだけじゃダメ。」
「べ、別に鵜呑みにしてなんか…。」
「いいえ、あなたは彼らの言葉をただ丸呑みにしているだけよ。自分なりにその考えを解釈しようとした?」
「っ…。」
 シンは言葉を続ける事ができなかった。自分なりにプランの中身や議長の考えを理解しようとしたかといえばノーだった。
一兵卒であったシンにとって上官の命令は絶対であったし、何より考える間もなく戦いに身をとおじていた。



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