種・種死のキャラがX世界に来たらat SHAR
種・種死のキャラがX世界に来たら - 暇つぶし2ch375:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/08/31 09:52:00
第三十一話『”悲劇のヒロイン”なんて思ってない』

「うおおおォォ!!」
ディスティニーは、サーベルで切り込んできたドートレスのメインカメラを頭部のバルカンで割り、さらに一蹴し海に叩きつける。ようやく3機目を撃墜した。
「くそ! このままじゃ!!」
 シンは焦らずにはいられなかった。一向に縮まらない敵艦との距離、錬度が高く精確な連携をしてくる敵、さらに連携のミスをつこうとするとすかさず嫌な位置から嫌な攻撃をしてくるフリーダム。状況は悪くなる一方だ。
フリーデンの進撃のおかげで今までの均衡は破れたものの、それもこの状況を一変させるほど大きな物ではなかった。
「ライフルの弾は残り10発、ブリューナクはバズーカの弾が丸々1パックとビームランチャーは残り4発! クソッ!」
 砲身が長く乱戦では使い勝手のよくないブリューナクを持ってきたことに舌打ちしながらも左側から迫る敵に対して左肩のフラッシュエッジ2で切りつける。引き抜かれたビームの刃はドートレスの頭頂部から胴体へとまっすぐに切り裂き見事に真っ二つにしてしまう。
「このまま…このままあいつらを行かせるわけには…!」
 シンは大きく目を見開き敵を見据える。不意に頭の中で何かがはじけ、戦闘中に起こることのあった”著しく頭の中がクリアになる状態”が訪れた。敵の動きが手に取るようにわかるようになり、前と後ろからドートレスが突撃してくる姿がはっきりと見えた。
「いかないんだぁぁっ!!」
腰に付けていたブリューナクを左手に持ち、前後ほぼ同時に攻撃を仕掛けてくるドートレスを急上昇することで回避する。正面衝突をして動きが止まったドートレス2機をビームランチャーで撃ち落した。
「次は!! ・・・ッ!? なんだあれは!!?」
 シンが見たのは、敵の潜水艦から12機のMSらしき物が飛び出してくる光景だった。普通MSは艦にあるMS専用のデッキから発進するが、艦の装甲をまるで卵の殻を割るかのように出てくる姿は異様な光景だ。
12機のMSがGXを中心に円を書くように展開するその様子は、主君を守る大太刀を背負った騎士のようだった。


「兄さん! Gビットが!!」
「バカな!!? ジャミル・ニートは能力を失っているはずだ!!」
オルバとシャギアは自分の目を疑った。
Gビットを操作するにはニュータイプ能力を必要とする。GX用のGビットが起動したということはGXにニュータイプが乗っていることになるが、
フリーデンにいるニュータイプはティファ・アディールと力を失ったジャミル・ニートだけである。MSの操縦できないティファが乗っているとは思えないし、何より今日のGXはいつもとは一味違った。
Gビットがドートレスたちに対して攻撃を開始する。一発で落ちる者、回避しても追い込まれて蜂の巣にされる者、ドートレスはあっという間にその数を減らしてゆく。
「兄さん・・・!」
「この戦闘の勝敗は決したな…。」

「もうやめろぉぉぉ!!」
キラはストライクフリーダムに装備されているすべての武装を使ってGビットの武装を撃ち落そうとするが、その攻撃はかすりもしない。その間にも次々に味方は被弾していく。
「やめろと言っているだろう!!」
 今まで敵の武器を撃ち落すことで敵の戦闘意欲をそいでいたキラの中で何かがはじける。止める手段が破壊する以外にないと確信したキラはためらわずGビットの胸部めがけてトリガーを引いた。
だが、そこに割って入ってくるものがいた。
「どうして邪魔をするんだ!!?」
手の甲に装備されているビームシールドを展開し攻撃を防いだディスティニーを、キラはにらみつけた。

「あれが”フラッシュシステム”って奴か…、敵に回すと勝てる気がしないや…。」
後ろでなおも攻撃を続けるGビットたちにシンは畏怖の目を向ける。カリスのときもそうだが、ニュータイプの力とは恐ろしさを改めて噛み締めた。
「いらないかもしれないけど、こいつの相手は俺がするんだ!!」
Gビットが後ろで戦っている姿から正面にいるフリーダムに目を向け、あらためて深呼吸をする。元々実力的な面では勝てる相手ではない。以前分析したデータで覚えた事がどれだけ役に立つかわからないが”足止め”が目的なのだから無理に撃墜する必要は無い。
「でも…! できることならこの場で落とす!!」
『何で君たちは僕たちの邪魔をするんだ!!?』



次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch