種・種死のキャラがX世界に来たらat SHAR
種・種死のキャラがX世界に来たら - 暇つぶし2ch138:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/08/04 23:46:30
第二十七話『同じ思いはさせたくない!!』(中編)

 嵐の中での戦闘は謎の介入により痛みわけの結果に終わった。あの後シンが3機目のドーシートⅢを撃墜したとほぼ同時に敵が撤退を開始したのだ。
戦闘終了後の話でわかったことだが、あの時ガロードが敵潜水艦への攻撃に成功し、敵も引き上げなければならない状況に陥ったのである。
「たいしたもんだな、あのMSを掻い潜って敵艦まで近づくなんて。」
「いや、あいつら俺だけ先行させてたんだ。見事に術中にはまって皆に迷惑を掛けちまったよ。」
シンとガロードが話しながらMSデッキに機体を固定すると、ブリッジから医務室へと向かうように指示が出された。一体なんなのかパイロットの面々は疑問符を浮かべる中、医務室へと向かうのだった。

「どういうことだよ? その”ルチル”って人は一体誰なんだ?」
医務室のベッドの横たわるティファを囲み、皆は顔をつき合わせている。事のいきさつを聞いたガロードたちは疑問符を浮かべつつもジャミルが口を開くのを待った。
「ルチルは、彼女は私の元上司だ。」
「上司ってことは旧連邦の?」
シンの質問にジャミルはゆっくりとうなずきながら重い口調で続けた。
「・・・ニュータイプだ。」
ジャミルはさらに続ける。彼女は早い時期から優れたニュータイプとして覚醒し、決戦兵器”ガンダム”に搭載されている”フラッシュシステム”の操縦訓練の教官をしていたということだった。
「で? ニュータイプだからどうだと言うんだ? 大体なんでティファがその元教官の名前を語っているんだよ!?」
サンルーカス海岸につく少し前にフリーデンのクルーになったカガリはニュータイプが持つ力について少し聞いた程度でしかない。実際に目にするその力にただただ驚くばかりだ。
「ニュータイプ同士で力の共鳴を起こす事がある。今回のことはそれによって引き起こされたことだろう。」
 ジャミルの返答にカガリが頭にいくつも疑問符を浮かべる中、他のクルーは納得の表情を浮かべていた。
『ニュータイプ同士の”力”を使った会話で彼女がティファに助けを求めた』既に何度もティファの力を見てきたものからすれば簡単な公式である。
「じゃあそのルチルって人はあいつらの潜水艦の中にいるわけか…。」
「だったら話は簡単だ、そのルチルって人を助けよう!!」
「まて。」
意見の一致を見たシンとガロードにジャミルは静止をかける。その表情は重く、険しいものだった。
「彼女は戦前、精神を破壊しつくされたと聴いている…。」
「そのとおりよ。」
ジャミルの言葉を肯定したのは今の今までベッドに横になっていたティファだった。
「ティ、ティファ?」
「いや、今の彼女はティファではない。」
一種の多重人格症状だ、とテクスは説明を付け加える。この異常な状況の中、彼が一番落ち着いているように見えた。
「この少女に話をして、心と体を借りているの。本当の私はもう死んでいるのも同じ、私に残っているのは戦いに対する嫌悪だけ…。でも科学者たちは戦いを憎む私の心までも利用したの。」
その場にいる全員が静かに彼女の言葉に耳を傾ける。ティファの顔で語られるため少し違和感を覚える者もいたが口を挟むものはいなかった。
「ジャミル、”Lシステム”という言葉を聴いた事があるでしょう?」
「ま、まさか君がLシステムに・・・!?」
「あ・・・、あの・・・Lシステムって?」
ルチルとジャミルの話の腰を折るのは気が引けたが、今回の事の発端については知る必要があったのでシンは口を挟んだ。
「”Lシステム”は旧連邦が開発していると噂されていたニュータイプを生態コアとして使う兵器の事だ。」
ジャミルの口から語られた実態に皆驚きの表情を浮かべた。



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