種・種死のキャラがX世界に来たらat SHAR
種・種死のキャラがX世界に来たら - 暇つぶし2ch137:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/08/04 23:43:09
ああ… 今日も日差しが暑い… 黒スーツも暑い・・・

第二十七話『同じ思いはさせたくない!!』(前編)

 彼はチェスが得意だった。兄と二人でよく勝負をし、何度も勝利してきた。キングを落とすためにはいろいろと策略をめぐらせなければならないが、そのためには相手の性格を熟知する必要がある。
 今回の相手は彼が”宿命のライバル”と名づけたかなりの強敵だが、所詮は15歳の少年でしかない。15年前の戦争で荒廃した世界で生活する中でいろいろなことを身に付けたという点では条件は同じ、
直情的な性格の相手を罠にはめる事は簡単なことだった。
 先制攻撃、伏兵の配置、相手の性格を考えた上で完璧な配置をした。彼は完璧にその策略にはまり、完全勝利のはずだった。

「な・・・? どうなってんだ・・・? まさか、壊れちゃったんじゃ・・・!?」
「どうした!? 動け! 動けアシュタロン!!」
先行したガロードが乗るGXがガンダムアシュタロンに乗るオルバ・フロストの策略にはまり、敗北の2文字が迫った矢先の出来事だった。GXもアシュタロンも今まで起動していたコックピット内の機器がすべて光を失い、
機器が放つ光とはまったく異質な光がコックピット内で点々と輝いている。操縦桿やペダルを操作しても全く反応が無く、まるで時が止まったかのように静寂に包まれた。
 
 海上を飛行しながら魚雷の迎撃をしていたエアマスターも、海中で無数の敵と交戦していたレオパルドもまったく動作しなくなっていた。今までに無い事態にウイッツとロアビィも驚きを隠せない。
「な・・・何がどうなってやがんだ・・・。」
フリーデンの甲板に力なく落ちたエアマスターの中でウイッツは苦悶の表情を浮かべる。今の今までいつも通りに起動していた機体が、いきなり行動不能になったのだ。海に落ちたら何もできなくなるので、落ちなかっただけ幸いというべきだろう。
 ドーシートⅢに周りを囲まれ四面楚歌の状態だったレオパルドは、ドーシートⅢともども海中で力なく漂う。その中でロアビィは歌のように響く“澄んだ音”を聞いた。
「この音・・・、まさか!? ローレライの幽霊・・・!?」
汗でべたつく髪をかき上げながら呆然と呟く。異常な状態にただただ目を丸くするばかりである。
 
 マーカスが最後の一撃としてフリーデンに発射した4発の魚雷を止めるために身を挺したシンも突然の出来事でほかのものと同じようにパニックになっていた。
「い・・・一体何が起こったって言うんだ・・・?」
ブリューナクの弾は既に尽き、ゼロ距離でフラッシュエッジ2とパルマ・フィオキーナを使うことでどうにか戦っていたシンの方向に4発の魚雷が迫る。
 これを当てさせるわけにはとまとわりつくドーシードⅢをフラッシュエッジ2をメリケンザックとして殴り倒し、魚雷を追った。
1発目は左のパルマ・フィオキーナで打ち抜き、2発目は右手に装備されているソリュゴス・ブルゴールで切り裂いた。3発目は最後の手段としてVPS装甲の強度が最も高い胴体で受け止めたが、
コックピットへのとても強い衝撃で4発目を処理する事ができなかったのだ。
 取り逃した4発目に向けて伸ばした右手がむなしく空を切り、自分の力の無さでまた大切な仲間を失う悔しさが彼を押しつぶそうとしたとき、それは起こった。
 
 コックピットを異質な光は30秒程度たって消えた。敵のドーシートⅢたちも一体何が起こったのかまったく見当がつかないようであたふたしている。
「チャンス!!」
挙動不審になっているドーシートⅢにディスティニーは襲い掛った。停止していたVPS装甲への電力供給が戻り、
枯れた花が一気に息を吹き返すように機敏にディスティニー動き始める。正面にいたドーシードⅢをひざで蹴り上げ、右の手のひらをコックピット付近に押し当て問答無用で爆砕させた。
「何があったかわかんねぇけど、敵に隙を見せるな!!」
ほかのドーシートⅢたちは撃墜された仲間の姿に逆上し、再びディスティニーに攻撃し始めた。



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