06/10/25 20:14:24
戦後ほのぼのキラシンネタ
街角の花屋には、色とりどりの花々。特に今日は"母の日"ということもあり
カーネーションが店先を飾っている。
「慰霊碑に一緒に行こうか」
と、誘ったのは僕だった。
シンの場合、"母の日"はお祝いではなく、悲しみを伴う儀式のようなものなので
シンは、誰かと一緒に行くことにためらいを感じているようだ。
―気を遣わなくてもいいのにな…
シンの家族が亡くなったオーブの戦闘には僕もいたわけで、
シンから家族を奪ったのは僕、という可能性はきわめて高い。
花を石碑に供えても、なんの償いにもならないかもしれないけれども。
「何色のがいいかな…悩むなあー…」
シンは暫くうんうん唸っていたけども、結局お母さんが好きだったピンクに決めて
店員さんにカーネーションの花束を注文した。
「キラ、本当にいいの?」
シンがちら、と僕を見る。
『お花のお金は僕が持つからね』と言ってあるのに、シンには遠慮があるみたいだ。
「いいんだよ…ほら、もう済んじゃった」
実際シンが僕を振り向いた時にはもう店員さんにカードを渡した後だった。
「ほら、ラッピングしてもらっておいで…」
僕がにっこり笑って促すとようやくシンは安心したように店内に消えていった。
―親御さんにご挨拶に行くのに、割勘はできないでしょ…やっぱり。
償いの意味だけで、シンを愛してるわけじゃないけど。
―シンは、僕が幸せにしますから……
花束に添えるリボンの色を無邪気に選ぶ笑顔を見て、改めてそんな言葉が浮かぶ。
「お待たせしました…あと、これ……」
考え事から覚めて、ふと見ると店から出てきたシンの手には二つの花束。
「あげます…キラの目みたいで綺麗だったから」
渡されたのは、青紫色のカーネーションだった。
「…新種なんだって。今日誘ってくれて、嬉しかったから…お礼です」
真っ赤になってごにょごにょ言ってるシンが可愛くて
―シンは、僕が必ず幸せにしますから……
僕は、誓いの言葉をまた秘かにくり返したのだった。
END
長いし母の日過ぎてるしスマソ…その上うちのキラシンは二人共呼び捨てだし…orz