種・種死の世界にXキャラがいたら-コーヒー三杯目-at SHAR
種・種死の世界にXキャラがいたら-コーヒー三杯目- - 暇つぶし2ch200:通常の名無しさんの3倍
06/04/29 23:02:27
そういやゲームの画像をPCに取り込む方法を知らない俺ガイル。
…orz

201:通常の名無しさんの3倍
06/04/29 23:47:57
そこにゲームの画像をPCに取り込む方法を知る俺登場

URLリンク(upload.fam.cx)

202:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 00:04:10
>>196
大神かい?

203:G1/144
06/04/30 00:33:07
Xはもう飽きたので、次はVネタにします

204:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 00:36:53
保守は、もういいよ。

205:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 00:37:25
偽物とはこのスレも成長したな

206:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 01:06:19
>>192
何者だ、おっさん

207:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 01:12:53
GX9999999999999999

208:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 01:50:22
カプ厨少しは臭いを隠したらどうだ?
つーか種でウザイのは萌描写だけでなく不自然なほど露骨なカプ描写とカプ厨なんだから。


209:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 02:16:00
>>208
言ってることは尤もなんだが、
Xの半分、少なく見積もっても3,4割はガロティファで出来てるわけで・・・
要はこっちもあまり強く言える立場じゃないような気が・・・

210:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 02:49:09
え、>>208ってさりげない誤爆じゃなかったの?

211:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 03:01:25
え、そうなの?
思わずマジレスしちまったいw

212:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 10:46:11
いや誤爆じゃないだろ…それにXのカプ的描写はそんなに多くないような気がするんだけど…
さらにいうと種死の場合、それに加えて頭トチ狂ったカプ厨が他のカプスレのみならず
ネタスレまで荒らしだす始末だからタチが悪い。

213:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 13:10:11
           __   , ---- 、
         /   `rイ       ヽ、_.ィ
      ト、___{    ト、{        <
      >-     }┼⌒ヽ \  \ ヽ
     //  / | / {{   _}_|≧、   \i
    / /{  / /├‐--、___r'´  ......::ヾ    |
    l/ ! { /.ヽ!..:::::::::j⌒ヽ....::::::::::::H l  }
      ∨l/|....::::::::/j   \::::::::ノ | i__ /
         トr─'  〈 -`   ̄}N ̄ レ┤
         { レ!   __...._    _」  |) }
         ヽ !  '´ -- ``  \   j丿
         \ハ          メ「
             ~ヽ       //レ!
             | ヽ、  _. '"/  |
      , -─‐ァァソ''"~´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄} ̄ ̄\
     /     |_| |            〈  /|  \
   /       | | |            |//\   \
  //〉      / | |               / / \\  丶

よし、この私ジャミル・>>2ートが213GETだ。 フリーデン、発進する!

214:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 13:25:49
うんこはいつもここにある

215:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 13:58:20
素でカプ厨の意味が分からない俺ガイル。

レオパルドのプラモのS-1パーツが欲しす。
昔、何気にパーツだけ出てたらしいね。

216:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 14:38:00
>>186

「コーヒーなんて飲まないよ。母さんあれを飲むと体が痒くなってくるんだよ。」


えーと、ウィッツがショーラにコーヒーを淹れてくれと頼んだ後の母のセリフは
こんなでしたっけ?

この作品では、人気の「天国なんてあるのかな」と「…また会えたわね」が
好きですなぁ。

217:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 14:54:55
↑黙れ氏ね

218:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 15:03:24
しかし、テクスって要所要所でフリーデンクルーに言いこと言ってるな。
俺の中で人生相談したい架空人物No1だ。
逆に最も人生相談したくないのはラクス。
気が付いたら宗教法人ラクシズの一員にされるからねw


219:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 15:14:56
>>218
確かにw
テクスの場合は一度相手の身になって考えてから
自分の考えを言うけれどラクスの場合はまず答えありき=自分の考えが正しい、で
相手の考えをそっちに持って行こうとしているようにすら見える。
ひょっとして相手の言い分は二の次?

220:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 15:16:39
>>218
あっそ、氏ね

221:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 16:37:01
テクスはアドバイスするとき、他キャラと違って少し距離を置いているに見える。
だから的確なんだと思う。
ラクシズは自分達に不利な証言はとりあえずスルーして「理屈→一歩引く→反論をちゃぶ台返し→洗脳」がガチだからね。
大人であるラクシズの虎といいムウといいマリューといい、人を引き付ける魅力を感じないしね。
洗脳主義のラクスといいキラといい、福田はあれを「今の子だから」って理由でありにしちゃってるもんな。
 テ ロ 行 為 さ え も w

222:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 16:46:40
福田、本出さないかな?

 テ ロ る 子 供 た ち

とか言うタイトルで

223:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 17:03:38
>>222
バロスwww
どんな偏見が書かれているのか興味ある。
「今時の子なんてすぐ体売ったりしちゃうでしょ?(不例についての視聴者(の親御さん)からの反感後の発言から抜擢)」
「障害者とか見て、偏見持たないなんて無理(アニメ製作者・福田の迷言)」
ここらへんについて詳細が…

224:GX1/144
06/04/30 18:22:39
>>203
G1/144って誰だテメェは!

勝手な事されちゃ困りますよ… こんな中途半端なとこで切ってたまるかい!!

ア、ちなみに明日ネタ投下予定です。明日は就活で遠方まで行くのでそのときに書きます

225:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 18:25:38
>>224
とりあえず本人か分からんから鳥でもつけたら?

226:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/04/30 18:40:08
>>225
んじゃ、以後名前を変更しますね

227:GX1/144鳥
06/04/30 18:41:29
鳥つけました

228:GX1/144鳥
06/04/30 18:42:15
orz

229:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 18:52:11
>>227-228
出口は東口となっております。
気をつけてお帰り下さい。

230:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 18:54:36
ウィッツの方にも種死のキャラが迷い込んでいるんだろうか?

231:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 19:02:17
なんでだろう…>>224-229にひどく和んだ俺がいる…
疲れてるのかな

232:GX1/144鳥
06/04/30 20:04:41
明日は、Vの小説を投下しますので、期待していて下さい
ちなみに、第1話は「白い液体です」

見てください!

233:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 20:54:32
>>231
鬱病

234:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 21:12:01
連休ってのはどうしてこう厨が集まるかな?
連休明けて虫が残ってたら掃除しなきゃいけないな。

235:キラ肯定派 ◆nXwXn/NoVY
06/04/30 21:14:00
ジェバンニが一晩でやってくれました

236:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 21:17:35
>>224が本物だとして、
次回投稿時にトリップつけつつ書き込めばいいと思う
ただし、トリップのキーはURLリンク(tripsage.hp.infoseek.co.jp)で見つけるか
他人に想定されにくいものにすること

237:通常の名無しさんの3倍
06/04/30 21:30:00
キャラネタ板のガンダムXスレから行ける避難所でも
トリップキー検索依頼が出来ますよん。

238:通常の名無しさんの3倍
06/05/01 18:45:13
今更だが、ドータップって1stで言うところのボールなんだね(´・ω・`)
宇宙作業用を改装してサルベージ用にしてたのに驚き。

…まぁ、種ならザフト脅威の技術があるから宇宙作業用メカを拠点防衛用巨大モビルアーマーにでも改造しかねないけどね。
冗談が冗談にならないな。

239:通常の名無しさんの3倍
06/05/01 18:55:32
すでにマスコットを戦闘兵器にしちゃってるしなw>GジェネSEEDのハロシリーズ

240:通常の名無しさんの3倍
06/05/01 20:16:04
>>239
志村ー!!それ無印Gジェネからー!!

241:通常の名無しさんの3倍
06/05/01 21:11:25
>238
そういやRPGマガジンに載ってたガンダムRPGのシナリオにも
「水中用ボール」なんてMAが出てたな。
形状だけなら、ジオンのいかなる水陸両用MSよりも説得力あるフォルムだった(w

242:通常の名無しさんの3倍
06/05/01 21:23:58
>>239
無知は罪也!・・・語る前に調べてみま笑wwwwww

243:240
06/05/01 21:36:09
>>242
いやさ、知らないことをさらけ出した事で、失敗した事で得られる物もあるさ。




自慢げに言った所をコテンパンにされてからだが。痛みを恐れるな、と言いたい。
人生(無駄に)長いんだしさ。

244:通常の名無しさんの3倍
06/05/01 22:07:06
>>239>>242
いや、知ってる。
というかNEOとPSのGジェネは3作ともプロフィールモード埋めたし。
(なぜか0だけ妙なのがあって99だか98%で断念したが)

>>238がザフト脅威の科学力って言ったから、
「ならあのカラーバリエーション豊かな新ハロたちもザフト製だろう」
という独断と偏見から>>239になったわけで・・・

まあなんにしても紛らわしいこと書いてスマソ。


245:242
06/05/01 22:22:06
>>244
いや・・・こっちこそスマソ。つか、
>NEOとPSのGジェネは3作
ってオイ!


メチャメチャ猛者じゃん!wしかも!
>『プロフィールモード埋めた』

・・・俺よりやり込んでるよorz←Fは91%で断念した香具師

246:通常の名無しさんの3倍
06/05/01 22:30:41
>241
ちなみにMS IGLOOで水中用ボールの雄姿が見れたりする。
しかもフルCGだからとにかく動きまくり。

247:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/02 12:13:57
遅れてすいません…。 昨日は帰ったのも遅くてネットを開く気力すらありませんでした…。

第11話『ここが俺の自慢の故郷だ』

「久しぶりだな…親父、パステル。」
ひっそりとした森の奥にある墓地の一画にウイッツは立っていた。日は頂点よりも少し傾き、春にしては少し強い光であたりを放っている。宗教上の関係で棺は土の中に埋まり死者は静かな眠りについていた。ウイッツの前にはわりときれいな二つの墓が並んでいる。
「馬鹿だよお前は…、コロニー風邪なんぞにやられて。それでなくても末っ子ってのは親といる時間が一番短いんだぜ? あわてて天国に行かなくても良いのによ…。」
 ウイッツは答えがくるはずもない相手に話しかける。ここに眠っているのは彼の父と、彼の一番年の離れた弟である。父はMS乗りに殺され、弟は疫病で死んだ。何もできなかった悔しさ、家族の苦しい生活を良くするために彼は家を飛び出しMS乗りになったのである。
「土産を受け取ってくれよ。お袋たちにはもっとすげぇ土産があるんだぜ。」
それぞれの墓に父が好きだった酒と弟が好きだったチョコレートを置く。そして彼が持っていた大きなスポーツバッグから”家族への土産”を見せた。
「こいつをしこたま持ってきた、これでみんな楽ができるだろう。」
見せたものは俗に言う”金塊”であった。彼が2年間必死に働いてためた金塊の量はすさまじいく、金額に換算すると億は軽く超える額になるだろう。だがそれを語るウイッツの表情は暗い。
「こいつを稼ぐために俺…、MS乗りになったんだ。お袋が世界で一番嫌いなMS乗りに…。」
MS乗りの仕事はとても実の入りがよく、仕事を一つこなすたびに金塊の一つや二つは楽に稼げてしまうのである。しかし、彼にとってMS乗りという仕事は一つの禁忌であった。
父を殺したMS乗りになった息子を母は認めるだろうか、そんな不安が頭をよぎる。
「お兄…ちゃん?」
後ろから声がかかった。戦争で秩序が崩壊しているこの世界では信じることのできるものは本当に信頼できる仲間と自分の力だけ、無意識に荷物をわきに抱え懐のリボルバーに手を伸ばす。だが、彼が振り返って相手の顔を見るとリボルバーのグリップを握る手の力が一気に抜けた。
「やっぱりお兄ちゃんだ!!」
「帰ってきてくれたんだ!!」
「コルトル!? サエリア!!?」
声の主は彼の妹たちであった。二人ともウイッツと同じ短めの金髪を二つに結び、ウイッツと同じ碧色の目をしている。この二人は一卵性双生児で見た目も行動パターンもとてもよく似ている。
ウイッツは長男として昔はよく彼女たちの面倒を見ていたのであった。三人は喜びの抱擁を交わした。
「大きくなったな二人とも…!」
「だってもう9歳だもん。」
「そうか…、もう2年だもんなぁ。」
ウイッツは家を飛び出す前の二人の姿を思い出した。あの頃はまだまだ背が低く、本当に二人は本当に子供だった。
「コルトル、久しぶりにあれ、やってみる?」
「うん! お兄ちゃん、あっち向いてて。」
「お? おう…。」
ウイッツは妹たちに背を向ける。後ろからは妹たちの楽しげな声が響く
「もう良いよ~♪」
「何がしたいんだ?」
『どっちがど~ちだ!?』
二人は位置を入れ替わっている。だがこの一卵性双生児たちは顔のパーツや位置がほとんど変わらないため、どっちがコルトルでどっちがサエリアなのかぱっと見ではわからない。彼女たちは昔から良くこうやって遊んでいたのだ。
判断するにはそれぞれの髪の生え際を見る必要がある。コルトルは右寄り、サエリアは左寄りなのだが…。
「う~ん、久しぶりだからさすがに見分けがつかないか…。おねしょの癖は直ったか?」
「!? もうしないよ!!」
「わぁかった!! お前がサエリアだ!!」
ウイッツの質問に思わずサエリアが声を出す。2年間はなれて生活をしていてもやはり兄妹、一緒に過ごした時間は早々忘れることはなかった。
 ずるいとかレディーに対して失礼だとかいろいろ文句を言う二人の表情にもウイッツは再開の喜びを感じていた。


248:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/02 12:15:55
第11話『ここが俺の自慢の故郷だ』(中編)

「おし! 親父たちの墓参りも住んだことだし、家に帰るとするか。」
『さんせ~い!』
二人の妹とどうやってここまで来たんだと話しながら自分が乗ってきたジープに向かう。だが、その途中で思わぬ出来事が起こった。
ドサッ
何者かが森の中から道へ倒れこんできたのである。ワインレッドの長ズボンと同じ色の上着、袖やエリからは白いブラウスが見えている。金色の髪がかかって半分以上隠れているその顔はすすだらけであった。
「おい!? 大丈夫か!!?」
ウイッツは駆け寄り倒れた人物を抱き起こすがその人物の反応はない。その人物の膨らんだ胸の上下運動は確認できるので息をしているのは間違いなかった。ウイッツは試しにその人物の頬をぺしぺしと叩く。
「う…、う~ん…。」
「おい! しっかりしろ!?」
「…こ、ここは…?」
まぶたを重たげに上げ、少女は周りを見和す。だが、そこは彼女の知る世界ではなかった。
「ここは俺の実家の町の共同墓地だ。あんた一体どうしたんだよ?」
「私は…。」
グ~…
彼女がなにか言いかけたとき、空腹のときになるあの音が響いた。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
その場にいた全員が動きを止める。ウイッツは呆けた顔をし、コルトルとサエリアはお互いに首を振り合い、目の前の少女は顔を赤くしてた。
「…とりあえず、なんか食うか?」
少女は目を合わせずに小さくうなずくだけだった。

森の中にある静かな街道をまともに整備されていないジープがひた走る。ウイッツが運転し、
コルトルとサエリアは先ほどであった少女と話をしている。少女はものすごい勢いでウイッツが非常用にためておいた缶詰やらを口の中に押し込んでいた。
「本当にすまない、ここ数日ろくなものを食べてなかったから…。」
そういいながら少女はビンに入った水を口に運ぶ。食料はほぼ全部彼女の胃袋の中に納まり、水は食後のお茶代わりとなっていた。
「ッたく、何かと思えばただの文無しかよ。」
「なんだとぉ!?」
「反論したかったら、まずは食った分の飯の代金払ってからにしろ。人が非常用に買って置いた物全部食いやがって。」
「人が飢えて死にそうになっているときが非常時じゃないというのかお前は!!」
後部座席に座っている少女は運転しているウイッツの横に顔を乗り出してくる。空腹が収まった性か先ほどとは見違えるほど元気になっていた。
 ジープは森の街道をひた走る。街道を走っていくうちに徐々に両側の木の密度が減っていった。街道自体も広くなり、もう10~20分も走ったら森を抜けることになるだろう。
「一体どこまで行くつもりなんだ?」
少女は運転手であるウイッツに後部座席から質問した。彼女は倒れていたところを救助されただけで、これからどこに行くかを聞いていないのである。
「俺たちは今、俺の実家に向かってる。」
「お前の家に?」
「ああ。行く所ないからって居候しようなんて考えんじゃねぇぞ?」
「そ!? そんなこと、こっちから願い下げだ!」
ウイッツの憎まれ口に少女は負けじと言い返す。助手席で並んで座っているコルトルとサエリアは顔を見合わせた。
「ねぇねぇ、お兄ちゃんとこの人、意外に気が合うんじゃない?」
「コルトルもそう思う? じつはわたしもそうおもうんだ。」
「どっちも血の気が多いよね。」
「このお姉ちゃんもケンカとかしたら絶対相手が折れるまで続けるタイプだよ。」
『こんなのと一緒にするな!!』
コルトルとサエリアに反論する二人の声がほぼ同時に発せられる。言った後に二人とも同じようにバツの悪そうな顔をしていた。


249:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/02 12:18:19
第11話『ここが俺の自慢の故郷だ』(後編)

 延々と続いていた森の眺めもようやく終わりが見えはじめた。道の先になにやら黄色い風景が広がり始めたのだ。街道を走り終わり、
あたりを埋め尽くしたのは春の風にそよぐ黄金色に染まった麦の穂であった。それが道を挟んであたり一面を埋め尽くす姿はまさに金色のじゅうたんを思わせる。
「おお! これこれ!! これをみると帰ってきたーって気になるぜ!」
ウイッツは喜びの声を上げた。故郷の姿で一番美しいのはこの季節のこの姿だと彼は思っている。道の両側に熟した麦の穂が揺れ、ところどころに収穫作業を行っている家族の姿がある。ウイッツは小さい頃から良くやっていたその作業を見て帰郷したことをしみじみと感じていた。
 後部座席に乗っている少女も身を乗り出しこの黄金色の景色にただただ見とれるだけであった。
「すごい…。こんな風景はじめて見た…。」
「どうだ? これが俺の自慢の故郷だ、こんないい景色はめったにねぇぜ。」
「確かに、こんな良い所はオーブにはないな…。」
「おーぶ? それがお前の家のある町か?」
「あ、ああ…。」
聞き覚えのない名前にウイッツが反応する。一方少女はなにか言いづらそうな顔をしていた。
「ま、町の名前なんて今じゃ当てになる物でもねぇしな。戦争で地球がめちゃめちゃになったおかげで、町の境界線なんかも有耶無耶になっちまってるし。」
「戦争って、3年前のか?」
「なに言ってやがる。戦争って言ったら15年前の物に決まってるだろう? ここの被害はそうでもないが、コロニー落としのおかげで国一つ消し飛んじまった所だってあるのは知ってるだろ?」
ウイッツは当たり前のように話す。だが、それを聞く少女の表情はどんどん青ざめていった。
「そんな…。」
「ッたく、見識がせめぇな。」
ウイッツのあおり言葉に少女は反論しなかった。呆然としており話は右から左へ素通りしていく。
「そういえば、まだあんたの名前聞いてなかったな。」
重くなった空気を振り払うようにウイッツは別の話題をふる。ずっと聞く側に徹していたコルトルたちもそれに乗ってきた。
「ねぇねぇ、お姉ちゃんなんて名前? 私はコルトル、こっちはサエリア。んで、お兄ちゃんがウイッツって言うの。」
「私たち双子なんだよ。」
妹組み二人が少女の袖を引っ張り会話に引き込んで行く、少女もとりあえずさっきのことは忘れることにしたらしく、見え見えの空元気で答えた。
「私はカガリ。カガリ・ユラ・アスハだ。」


250:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 12:39:48
カガリも来ちゃったのかっ!!

251:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 14:45:25
>250
まぁ、そう言うなよ
ラクスの洗脳電波から開放される可能性を信じようじゃないか

252:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 14:50:56
カガリはウイッツについてフリーダムに行きシンと衝突する、と大胆予想。

253:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 15:06:48
>>247
× パ(PA)ステル
○ バ(BA)ステル

254:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 15:13:31
>252
>フリーダムに行き
それは釣りか?釣りなんだな?!

255:252
06/05/02 15:24:48
>>254
気付くのはえぇよw

256:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 16:47:04
乙。
まぁ、カガリとシンが衝突するのは目に見えてる。
ステラ死後にワープしてるから、ぶつかり具合はファーストコンタクトの非じゃないだろうね。
とりあえず、ラクス電波に毒されてる状態だろうからその状態でのカガリとAWの世界との絡みに期待。

257:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 19:15:20
>>249
GJ!
しかしなんだかんだいって責任感は強くなったと思うんで、
フリーデンに行けば自分がシンのために出来ることをやろうとするんじゃないだろうか。>カガリ

258:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 21:36:32
うーん、「毒花・ラクシズ」ご一行はまだしもカガリはフリーデンに行きそう。
でもそれだけだとガチすぎなんだよなー。
「フリーデン行き→シンと遭遇→今まではシンにさえ口喧嘩に勝てなかったが毒電波のおかげで合い打ち→一時フリーデン脱退→D.O.M.Eに接触→改心」
ぐらいはして欲しいと勝手に妄想してみる俺ガイル。
ま、ラクシズの「その場の勢いで戦い、その場の思い込みを正論化」っていうのをなんとかせんとね。
D.O.M.Eは全ての答えを提示してくれそうだけど、種の電波は人の力で解決して欲しいな。

259:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 21:49:42
エスタルド編でリー将軍と意気投合しそうな気がするのは俺だけですか?

260:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 22:01:51
>>259
カガリはエスタルドに行くべきだというのは賛成だ

261:通常の名無しさんの3倍
06/05/02 22:13:12
>>250
とりあえずシン以外のキャラが出んことには文章化する意味が無い話だからな>>天国なんて
出さないでまんまで文章出すならそれこそXの小説になるし

で? 後出てないのはミネルバクルー全般と凸か?

262:通常の名無しさんの3倍
06/05/03 01:44:03
多分、この勢いだと種シリーズのメインキャラは総出かもなぁ…
勝手に凸・遺作・痔の三人はクラウド9、ホーク姉妹はセインズアイランドに居る(しかもブティック経営w)んじゃないかと予想してみる。

263:通常の名無しさんの3倍
06/05/03 17:34:33
>>262
ポークことホーク姉妹ならありかも。
案外、トニアとエニルが出会ったブティックの雑用やってるところで遭遇とかw

264:通常の名無しさんの3倍
06/05/03 19:14:15
あまり人数を増やすとグダグダになりそうな気が


265:通常の名無しさんの3倍
06/05/03 21:38:37
ほかのミネルバクルーはエスタルドス辺りでいいんじゃないのかね

変態兄弟マダー???

266:通常の名無しさんの3倍
06/05/03 22:03:02
>>264
はげどう
アレもコレもソレもってチャンポンにするとロクでもないことになりかねん
出しすぎは本当に良くない
やりすぎると負債のやってる事と変わらなくなるよ

267:通常の名無しさんの3倍
06/05/03 22:21:24
確かにね。
現在の種キャラってキラ(ノート)、虎、魔乳、電波、姫だよね。
これ以上追加となると、行き場に迷ったアスラン&同行した冥鱗ポーク(いらない悪寒)、狂うぜの怨念とギルの洗脳に囚われたレイってとこ?


268:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 02:09:14
いいよ。
カゴリ筆頭に、こっちの世界にきた連中が皆殺しになればスッキリ。

269:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 02:26:48
>>268
かわいそうな奴だな

270:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 02:47:20
もと「シンがカガリに何でも突っかかるスレ」住人としては逆に期待してしまいますwktk

271:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 04:30:08
>>268
そんなの月並みすぎてつまんない。

272:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 05:40:07
>>265
エスタルドス:MS名
エスタルド:国名

273:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 07:14:44 1Fc2vJR7
>>270
ナカーマハケーン

274:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 09:19:10
皆殺しは更生前の、ガンダム嫌いの富野か、
T○Sのせいにして殺戮描写を過激にして視聴率を伸ばそうとした負債で十分。
生きて自分達の過ちを後悔して欲しいでつ><

275:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 09:54:10
ふと思ったんだが・・・スレタイ通りに種の世界にXキャラが行っていたら・・・

ウィッツ「なんでこいつ等戦闘中に静止するんだ?カモじゃねぇか」
ロアビィ「まぁ楽で良いじゃないの」

普通に考えれば、こんなモノか・・・当たり前すぎて面白みは少ないな


276:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 11:53:54
Xの良いところはさ、
最終話の段階で生きていたキャラ全員に救われる余地が残されてたことだと思うんだ。
まあブラッドマンやザイデルはそれを受け入れなかったし、
フロスト兄弟に至っては耳も貸そうとしなかったけど。

だから種キャラにも何らかの余地は残されてても良いと思うんだが・・・

277:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 13:00:22
>>276
連中の狂った価値観が話の根底になってるんだから、改心したら話自体が成り立たなくなっちまうよ。

278:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 13:45:39
>>276
シンならともかく、ラクシズはなあ……こいつらまさに他人の言葉に耳を貸そうともしないで好き勝手暴れるだけの基地外集団だからな
あえて可能性があるとすれば原作でも微妙に奴らと距離が開いたカガリくらいかね、今度こそ真面目に成長して欲しい

ところでこのスレにはまとめサイトとか無いの?
このスレ以前のが読めない……

279:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 14:01:04
>>278
URLリンク(aw0015.hp.infoseek.co.jp)

280:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 16:27:16
種MS→静止
XMS→スロー

281:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 21:54:51
>>279
thx
いやー続きが待ち遠しいやね

282:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 23:15:35
>>280
ほぉ。それは量産機にボコられたウィッツさんへの挑戦状ですな。

283:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 23:35:24
>282
考えて見りゃ、いくらガンダムとはいえ
15年前の機体に乗っててあんなレベルで済むだけでも凄いもんだが。

UCで例えてみれば、RX-78-2ガンダムでギラ・ドーガとやり合うようなもんだし。

284:通常の名無しさんの3倍
06/05/04 23:55:36
>>283
いや、あんだけ世界中壊滅してたんだしせいぜい平時の4,5年分くらいの進歩だろ。

285:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 01:17:47
それすらも怪しいもんだ。
せいぜい一年以内じゃないのか?

286:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 03:20:39
ナイスガイ共のカスタマイズで技術進歩はしております^^

287:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 04:49:20
ふとキッドの過去を知りたかったなーと思った

288:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 10:59:44
AWの世界の技術は15年前と比べて大して進歩してないと思われ。
新型のヴァサーゴやアシュタロンもGXと性能に大差ないみたいだし。
技術よりも新連邦のための人員調整や資金調達に力をいれ、その合間に新技術の開拓しのでは?
確か新連邦の重役の一部は戦後の企業も関わっていたはずだから、アルタネイティブみたいに革命軍の技術を研究した節もある。
第8次戦争でまともに革命軍のMSと戦えたのってフロスト親衛隊のドートレス・ネオくらいじゃない?
後はガンダムの連邦のガチ戦法「数」で戦ってる感じ?

289:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 14:37:20
ガンダムXのゴミMSは全て雑魚

290:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 15:13:24
シンを筆頭に種キャラは全員フロスト兄弟の操り人形になってあぼんして欲しい。
つーか、それ以前にシンをこう…軍人としてもっと矯正というか、修正というか…


ランスローさん、よろしくお願い致します。

291:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 17:54:58
フロスト兄弟はあくまでカテゴリーFが支配する世界を望んでいるから、破滅色が濃厚な彼らにシンすら釣られないと思う。
あぼんは種のお家芸で、何も生まないから個人的にはあんまりねー。
種の馬鹿者達は不殺で正義を見せているつもりだけど、殺すものは殺すっていう行き当たりばったりだから力を持つ責任を追及してほしい。
そういう意味ではキラとフロスト兄弟って…

「ジャミル・ニートは引き金を引いてトラウマとなり、ガロード・ランは引こうともしなかった」
「しかし僕達にはためらいも後悔もない」(うろ覚え)

のごとく強い力を平気でポンポン使うから、力を振り回す愚かさを死ぬまで背負って苦しんで生きて欲しい。

292:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 21:40:03
つかフロスト兄弟みたいに明らかに戦争面白がってる奴らをシンは信用しないだろ……
議長とラクスのどっちを信用するかって言ったら、考えるまでもないし
種世界ではシンはわりかしまともな判断力してる方だよ

293:通常の名無しさんの3倍
06/05/05 22:26:51
>292
>フロスト兄弟みたいに明らかに戦争面白がってる奴ら
軍人として戦争を面白がってることは表にはしてないと思う
そういう面は兄弟間のみでしかだしてないんじゃないかな
>種世界ではシンはわりかしまともな判断力してる方だよ
種世界ではね
シンも真顔で崇高っぽいことを言われたらわりとホイホイついていきそうなイメージがある
そのときの立ち位置と考え方にもよるが、ZAFTにいたときのような状態じゃきっと丸め込まれると思う

294:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 09:03:49
まあシンとカガリは更正の余地があるだろう
キラもラクスから離れて、さらにAWに来てから凹まされる一方で自信を喪失してるみたいだし、意外と何とかなるかも
問題は諸悪の根源であるラクスと、何処に所属してても自分の都合しか考えないで心に棚を作りまくる蝙蝠凸だな
この二人だけはマジでどうやって更正させたものだか分からん

295:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 09:33:10
>>294
同感だな。とはいえ、ラクスは「自分」は確立しているから、フロスト兄弟同様
更正せずに上手く退場させても気にならんが、「自分の信念」が皆無なアスランは
AW世界では一番不適格な人間だよな・・・つかコイツ矯正出来るのって
フリーデンクルーとランスローとカトックぐらいなんじゃ・・・

ちとアスランがAW世界に転移した時の展開を想像してみる
ランスロー(クラウド9)→保護させるのは良しとして、ガンダム保有+種割れ戦闘力を
            ザイデルにヨイショされて良い様にこき使われる
            (「宇宙の民こそが・・・」とか言いくるめられて。
            「自称親友」も居ないんだし。流されまくり)

カトック(ゾンダーエプタ)→アイムザットにインジャス持ってかれるか、兄弟に
             「イレギュラー」として抹殺(どーせ戸籍ないんだからどうにでもなる)
             カトック出てないしw

フリーデン→成長したシンのクラウ・ソラスの一撃受けて、落とされ、シンにこき下ろされ
(「アンタ、一体何を目指して戦ってんだ!?」とか問い詰められw)
キャプテンとドクターに「自分で考えても結論が出ないようなら生きていく意味が
無い」とか言われ自暴自棄になりかねない・・・

・・・・・・想像してなんだが、どれも救いようが無いようなwww

296:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 18:38:08
うんこガンダムXのキャラに流されるわけ無いでしょ
うんこXのキャラは全員アスランが皆殺しで終わり

297:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 20:22:53
>>295
>AW世界では一番不適格な人間だよな・・・つかコイツ矯正出来るのって
>フリーデンクルーとランスローとカトックぐらいなんじゃ・・・

 いや、荒廃したAWの世界は権力者達のエゴの押し付け合いの結果によるものであり、「押し付け合い」はガンダム系の宝刀。
 それがいつまでもブランド思考を追求した結果がAW。ターンエーでもGXの映像を頻繁に使われたのは「一部のエゴイスト(つまりは粘着ガノタ)
みたいなのが居るから世界が崩壊」っていう富野が言いたかった事を直接すぎる手法で表現したことでエゴイストに黙殺された追悼と聞いたことがある
(証拠のテンプレが用意できなくてスマソ)
 で、崩壊した文明と秩序の中で懸命に生きている人間がAW。
 小娘のその場しのぎの説得や親の七光りを良いことに感情に流されっぱなしのフェイスが我が物顔で世界を操れるくらい悲惨な世界がCE。
 CEの世界は「皆が立ち上がらなくては世界は変わらない」ってことを知らない、他人任せな世界だから電波が通用する。
 まぁ、生まれながらに有能なコーディーやらティターンズ以上に後先考えないナチュラルじゃあ仕方がないね。
 AWは全てが良いとは言わない。
 だけど、「時には一人で、時には皆で生きていこうとしないと生きられない」っていう戦争というより人間としてのリアリティを感じる。
 それが大事な事であり、良くも(例えばウィッツの村みたく「村人全員の募金」でMSを購入して防衛力を持つ)悪くも(バルチャー、オルク)
人としての生存力にはCEの連中には学ぶ事が多い。
 AWはいざとなれば猫の手も借りたいのごとく子供が砲弾を運んだり、戦闘中にも関わらずMSのパーツを取り合ったりと「人間だから」生き
るために戦っている。
 「戦争物なんて所詮フィクション」という監督のつっくたCEの住民は、AWの世界を一週間生活するだけで十分更生材料になる。
 エリート軍人(の、割には射撃は日本観光客レベル)な種死の若者じゃあ、自給自足すらできないんじゃない?
 個人的には種とXを見るなら「生きる力」の差ってものを見て欲しい。
 「努力・根性・勝利がダサイ」と言われるようになったのは何年位前からだろうか?
 それを聞くたびにXを思い出す。
 その「ダサイ」だ生きている証拠だし、「勝者は限られている」とはいえ敗者になっても得られるものはある。
 僕は生きてるから、生きている作品が好きだ。
 ま、アニメだけじゃなくて映画なり小説なり、身の回りに居る人間なり、ね。

298:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 20:50:07
>>296
保守乙!

何となく内容予想♪

キラ ⇒革命軍側に憑く。最後辺りでシンの手によってアボ~ン。
ラクス⇒革命軍側に憑く。サテライトランチャーを受け、ブラッド
    マンやザイデルと一緒にアボ~ン。
 凸 ⇒色々あって、途中までフリーデン。しかし、キララク毒電波を
    受けた後、革命軍側に憑く。ラクスと共にアボ~ン。
カガリ⇒ウィッツに付いてフリーデンへ。シンと鉢合せして色々揉める
    も、色々あった後に蟠りが解ける。以後、フリーデンに憑く。
魔乳 ⇒新連邦側に憑く。終盤にヘマをしてアボ~ン。AA轟沈!
虎  ⇒新連邦側に憑く(魔乳目当て)。最後は自機を中破させつつも生
    き延びる・・・が、元の世界に戻れない。

と大胆予想をして見るw

299:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 21:19:29
Xキャラ→ザフトの一般兵の駆る一機のジンを落とせずに、全員殺られる

300:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 21:49:07
>>299
保守乙!
でも世界観が逆ですから不正解!!(´c_,` )

さておいてジャミルとラクスって出合ったらかなり衝突しそう。

電波:力があるから正しく使うための力が必要なのです。
   人が共に歩む道を選ぶのならば、私達は道を外さないために道を作らなくてはならないのです!
ジャ:なら、その過ぎた力でどれだけの命を奪い、自己主張を押し付ける権利がある!
   かつて私には未来が見えた。だが、それは世界を掌中に治めるための力ではない。
   ましてや世界を操ろうとする者の道具でもない!

見たいな。
ラクスってなんだかんだとデュランダルとの違いが分からないんだよね。
まぁ、「ラクスというキャラは私と両澤さんにしか分からないキャラですから」と福田が公言してるからね。

301:295
06/05/06 22:11:06
>>298
ちょっとちょっと・・・流石にそりゃ種の面々がかわいそうでしょ?
あんなの書いた漏れが言う台詞じゃないけどww

GⅩ1/144さんのキラはとりあえず一回共闘してくれたんだから、シンとカリス
で説得して生き残って欲しいと思うのだがw
ラクスにマリューと虎はな・・・ロアビィとの接点じゃ弱いし・・・いっそ
サテライトランチャーでアボンでも良いか!

>>297
それが高松監督と負債の「戦争観」の違いなんだな・・・どちらが「リアル」かは
一目瞭然だ。
というか、ザフトの赤って本来なら「トップガン」の証(技量・度量・判断に優れる)
 
なのに
何?あの軍人不適格な顔ぶれは・・・まあ、「パイロット」としての状況判断なら
種後半のイザーク・ディアッカと殉職したニコルは良しとしても、種死の面々は
全員Ⅹのガンダムパイロット以下だろう?状況判断もしない突撃野郎、全く当たらない
射撃専門機に乗る、序盤はともかく結局目ぼしい撃墜がないモーホー、前後不注意
狂信者・・・外伝加えてしまえば、まだ救いようはあるか(というか外伝の方が
明らかに優秀な「軍人」が揃ってる)尤も種死の「赤」もレベル落ちてるし。
式典で使用するのに何故か実弾装填していたガンダム(暴発の可能性考えないのか?)
そんであっさり強奪・・・の割りには基本装備のライフルすら装備させていないザク・・・
ガロードのGXは戦中だったので、実装済みなのは当然。

オイコラ、猿〇似するくらいなら、もう少し考えてシナリオ書けよ・・・種死



302: ◆hfGQ1C/H02
06/05/06 22:16:14
>>301
外観ばかり真似することしか考えていない人には、考えるという言葉は高尚過ぎますからね。
その程度ということでしょう。
シロートの俺でも考えることは捨ててないのに……。

303:295
06/05/06 22:26:52
>>302
おお!これは「真紅の瞳~」のhfGQ1C/H02さんじゃありませんか!
毎回楽しみに読んでます。あちらのシン君(良い意味で「君」付けたくなりますw
も人間として確実に強くなってますね。

葛藤あっての戦争モノです。それすら書けない奴が戦争を語るな!と声を大に
して言いたいですね!全く持って・・・

304:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 22:30:45
>>301
種は負債の「ガンダム=高級ブランド(専門学校のセミナーにて公言…だっけ?)」に自惚れた趣味を固めたものだからね。
おかげで「美形は生きろ。不細工は氏ね」の理論を成立させた。
これって果たしてクリエーターとしてよいものかと。
さらには種ってはコーディネーターの有能性って大して表現されてない。
むしろ種死で無能さを見せ付けてくれた。
新型MS強奪にしてもセキュリティが甘いにも程がある。
最低でも0083やF91見習えよな。特にF91は種ラスト猿真○してんだからw

ちなみにGXはたしか実戦配備されそこなった(原因・ジャミル)ガンダムXの2号機。
故に標準装備は整ったまま15年間保管されてた。
この場合は「最強のガンダム」を守るためのセキュリティは用意されていただろうけど、コロニー落としの影響で壊れたと思われ。
ま、勇者シリーズの高松は「アニメである」ことを重視してたからね。
DVDで、DXのコントロールユニットも互換性が同じっていうのは後付みたいなこと言ってたし。
ま、そこら辺はDX強奪にいたるまでのカトックとの共闘が忘れさせてくれる。
「塩味が効いててうまいぜ!」
ふと、塩分の大切さを語った1stを思い出させてくれる。

種と種死って1stを意識している割に、スカスカだね。
カワイソス(´・ω・`)

305:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 22:51:05
>新型MS強奪にしてもセキュリティが甘いにも程がある。
「Z」は試験稼動中のMkⅡを強奪(矛盾なし)
「ZZ」は迎撃前のZを盗む(非常にジュド-らしいw)
「0083」は核弾頭の装備確認後、強奪
(いや、あそこで弾頭入れるのはどうかと思うのだが。通常ならアルビオン艦内で保管
・・・まあ、混沌・深淵・大地よか違和感は無いwww)
そして「SEED」では予備パーツもしっかり確保
(といっても小説版・DVDによる後付だけど)

>最低でも0083やF91見習えよな。特にF91は種ラスト猿真○してんだからw
あれには噴きましたよ・・・そこまでやるくらいなら分身くらいしてみろよ。
そうなったらファンから更に非難轟々だ・・・

>この場合は「最強のガンダム」を守るためのセキュリティは用意されていただろうけど
DⅩの時も含めてそれこそがGコンだったのですよ!!
改めてみるとGコンの使い方が本当に上手い
(GⅩ初搭乗・ガンダム売るよ!・氷の湖・ときた漫画版ガロードからジャミルへ・DⅩ起動)
小道具一つでココまで盛り上げられるⅩに対して種ではただの記号にすらならなかった・・・
携帯・ハンカチ・桜貝・指輪・データディスク・・・・・・こんだけ意味深なグッズ
目白押しなのに・・・

>後付
だが、負債との違いは「ハッキリと認め、逃げに走っていない!」
コレこそがガロード・ラン!!(我が道を行く)・・・・・・とは言いすぎですか?w



306:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 22:57:48
「戦争」の実感を持たないのは世代として仕方ない
しかし、「MSという兵器」が空想のものだとしても
「国家」や「戦争」が実在する以上、
それを尊重しないでまるきり空想の存在として
処理してしまうのはイクナイ
その「事実のエッセンス」と「空想」の比率のとり方、
特のその「空想」の大部分を「妄想」で占めてしまうのが
種、種死の問題だよなぁ
本来、公にする作品なら
「多くの人で共通の認識を期待できる
理屈、事実に基づいた創作」=「空想」
であるべきだが、
負債の場合
「二人の個人的嗜好がすべてを決定する」=「妄想」
になってるからなぁ

307:通常の名無しさんの3倍
06/05/06 23:48:32
>>305
いや、概ね同意。

まぁさらに言えば負債は『作品と登場人物たちへの愛』が足りない。
ここでいう『愛』ってのはただ単にちやほやすることだけじゃなくて谷底に突き落とすことも含む。

簡単に言えば挫折、苦渋を味わってそれを乗り越えてこそ確かな立脚点ができる。
種キャラには致命的なほどそれがない。

308:通常の名無しさんの3倍
06/05/07 02:27:27
>>305
ごめん、保管するためとか言いつつ
引き金引くだけでおkな状態にしてたってだけで
俺の中で0083は種並だわ。
そこさえどうにかなれば問題ないんだけどな。

どうでもいいが、砂漠の虎ってケリィさんのパクリっぽいよな。

309:通常の名無しさんの3倍
06/05/07 05:05:07
>>308
ランバ・ラルのほうが先に思い浮かばないか?

310:通常の名無しさんの3倍
06/05/07 06:04:14
俺は思うんだ。
種の連中は肝っ玉母ちゃんの所に行けば、ほとんどは更生できると。

311:295
06/05/07 10:43:57
>>306-307
賛同多謝。「商品」だからって愛着を注がなきゃ「良質」にはなれん。
この場合「愛着」とは「試練」(機械ならテストアタック、シェイクダウン、バグ取りete
人間なら課題、目標設定による技能向上など)を経験して初めて「商品」として
組成・成立するのは「プ〇ジェ〇トⅩ」や「いつみても波〇万〇」を見る間でもなく常識。
甘やかすだけじゃ何時まで経っても半人前。最初から何でも出来たらそれこそ
デスティニープラン・・・そうか!あれは負債の理想なのだな!!いや~納得納得ww

>>308
いや、俺は気にしてないよ。むしろ話題落としてくれてサンクス。
確かに隻腕でMA乗り(バクゥは「MS」だけどなW)で愛人持ちだが、
単なる記号の付与にしか見えん虎ってどうなんだろう・・・微妙に厭味なインテリ・・・
戦死しているならそれはそれでカッコよかったと思う。
(ラトーラさんに対する葛藤に匹敵する面見れないし)

>>309
こちらも部下に慕われる・愛人持ち・砂漠での戦いとかで共通項あるよね。
こちらはもろサルマネだーおまけに後の主人公の成長云々では雲泥(アムロ>キラ)
だ。
>>307 さんの言うとおり立脚点が出来なかった時点
(種死のアイツ見るととてもそう見えんw)でダメダメだ。

>>310
全面的に同意。つかああいう味のある人が居ない時点で種って人間ドラマとしても
致命的。サンライズのアニメにはどの作品(一部のガンダムや短編では流石にいないが)
にもあの手の人物はいた。

312:通常の名無しさんの3倍
06/05/07 17:02:45
>>310
アスランだけは無理。
あいつは「決断した後でさらに迷う」のが個性になっちまったキャラだから。
ラクスは洗脳や自己啓発によくある、
「自分の信じているものの崩壊→新しい視点の提供」コンボで改心可能だが、
アスランは同じプロセスで改心しても三日後にはまた悩みだすのが予定調和になっちまってる。

アスランをイイ奴にするには正義と悪が絶対的に分離している世界に放り込むか、
きわめて健全な常識を持つパートナー(外付け良心回路ともいう)にくくりつけるしかないと思う。
……あ、悩んでも支障の出ない平和な世界に送るのもありか。でもそれだとイイ奴にはなれないが。

まあ、変態兄弟が最期まで変体兄弟だったように、アスランも最後までアスランで医院でない?

313:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/05/07 21:46:17
ネタの投下が遅れて本当に申し訳ない。 今回の話がリアル生活と多少かぶる点があって、
かなり書いてて鬱だったもんで…。ようやくできたネタ投下

第十二話『お互いなにも言わなきゃ何もわからないだろ?』(前編)

 久しぶりに会った家族はみな変わっていた。コルトルとサエリアはもちろん、オニミムやドラッソは成長期の今大きく大人への変化を続けている。
母はやはり少し年老いた感じが否めなかった。4人の子供を1人で世話しながら農家の仕事を続けてきたのだから当然のことかもしれない。
 夕方家族と再会し、墓地の近くで出会ったカガリをとりあえず一泊させることを決めた後、ウイッツは久しぶりに自分の部屋へと入った。
置かれている机、ベッドは昔のまま。物置にしてあったにはずいぶんと普段からきちんと掃除がなされていたようである。久しぶりの自分のベッドにウイッツは仰向けに倒れこんだ。
「やっぱ、家は最高だ。帰ってきてよかったぜ…。」
2年ぶりに帰ってきた自分の部屋の天井を見上げながらつぶやく。MS乗りとしての普段の生活とはかけ離れた世界だった。
「兄ちゃん、そろそろめしだって。」
「おう、今行く。」
ドラッソの呼びかけに答え、部屋を出て食堂へと向かう。食堂では母のショーラが食事の支度をし、妹のオニミムがその手伝いをしていた。カガリはコルトル、サエリアと話をしている。
「なんだ、客人のくせしてしっかり妹組みとは打ち解けてるじゃねぇか。」
ウイッツは自分の席に着くとカガリたちに話しかけた。カガリは実に楽しそうに話をしているので、ウイッツも内容が少し気になったのである。
「ああ、こうやって本当に何も気にせずに会話をするのはとても久しぶりだからな。」
「へぇ。んじゃ、お前はどっかのお偉いさんか? 何気ない一言がとんでもないスキャンダルとか政治問題になるような?」
ウイッツのおどけた発言にカガリはさっきまでの陽気な顔から一変、暗い表情を浮かべた。
いきなりの豹変にウイッツや周りの家族たちも戸惑ってしまう。
「お…、おい?」
「…そんなわけ、ないだろ? ただ・・・。」
顔を上げ何かやりきれない様な雰囲気でブラウスのポケットから紅い石のはまった指輪を取り出し見つめた。
「ただ、私は私の仕事を終えるまでは弱音を吐いたり、誰かにすがったりするようなことをしたくないだけだ。」
「それどういう意味?」
カガリの右側に座っているサエリアが興味深げにたずねた。コルトルも同じようにカガリの顔を見上げる。
「この指輪にはまっている石はな、私がある人に送った物なんだ。そしたらそいつ、数年後にこんな立派な指輪にして私の左薬指にはめてきた。」
「それってまさか…?」
出来上がった料理をお盆に乗せ配膳するオニミムはもちろん、その行為の意味を知る者は驚きの表情を浮かべる。指輪を左薬指にはめる、それは婚約を意味している。
「ああ、私もそいつが好きだった。そしてあいつも私のことを…。だけど私は一度そいつを裏切ってしまった…。」
「んじゃなんでそんな物を持っているんだよ? 裏切ったならもう必要ないだろ?」
頬杖をつき、めんどくさそうに話を聞くウイッツをショーラとオニミムはにらみつけた。顔は”デリカシーがない! ”と告げている。
「けどあいつは私の気持ちをわかってくれてた、そうしなきゃならない状況だったってことも…。だから別にそいつと別れたわけじゃない。ただ、今はお互いやるべきことをやらなくちゃいけないから距離を置いているだけだ。これをはずしているのはその決意の証だ。」
「…強いのね。」
「え?」
ぼそりと呟いたのは彼女の話を聞いていたショーラだった。
「…私は強くなどない。ただあいつの足枷となりたくないだけだ。」
「私には無理だわ。今の世の中1人で家族を守っていく自信なんか…。」
「お、おいお袋・・・?」
いつも気丈に振舞っていたショーラが急にしおらしくなったのでウイッツは戸惑ってしまう。ショーラはハッとし、取り繕うようにまたいつもの表情を浮かべた。
「さ、さぁ料理ができたわよ。冷めないうちにみんなで食べてしまいましょう。」
ウイッツは不在だった2年の間に大変な何かあったのかもしれない、と不安な気持ちになってしまった。


314:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/07 21:49:29
第十二話『お互いなにも言わなきゃ何もわからないだろ?』(中編)

「あー食った食った! お袋、コーヒー入れてくれよ。」
「そんな物飲まないよ。母さんあれ飲むと、このあたりが痒くなるから。」
ウイッツの要求を拒否し、ショーラは肩のあたりを押さえた。ショーラはコーヒーを好きではないようである。
「ふ~ん…、じゃああれは何だよ?」
「ッ!!」
そういうとウイッツは台所横にあるからのコーヒーメーカーを指差した。飲む人がいないコーヒーを作るコーヒーメーカー。それが何で自分の家の台所にあるのか。
「あ、ああそうだったね。母さん飲むようになったんだっけ…。おいしいの作ってあげるよ。」
ショーラは席を立ちコーヒーメーカーをとって水を入れに蛇口へと向かう。
そのショーラの言葉を聴いて、オニミムとドラッソは一瞬ほっとしたような顔を見せた。
「どうした? コーヒーを作るだけだろう?」
二人の様子のほっとした様子が気になったカガリが口を出す。二人は即座にギクッと一瞬肩を振るわせた。
「な、なんでもないの。」
「そうそう! なんでもないよ。」
「?」
「しっかし、2年も家にいねぇと家ん中変わるもんだな、あれとか。」
ウイッツは部屋の隅に陣取っているオルガンに目を向けた。家の中に弾く人間がいないのならこんなものがあるはずないのである。
「おめぇが弾くんだろ? 一曲聞かせてくれよ。」
オニミムに目をむけ、オルガン弾くように促した。そのオニミムは顔を背け何かおどおどとした様子を見せる。まるで”私は弾けません”というかのように。
「きょ、今日は調子が悪いから…。」
「別にいいんだよ。調子が悪かろうが悪くなかろうが、ほら。」
席を立ったウイッツはオニミムの肩を掴むと、グイグイとオルガンの椅子の方へ通してゆく。
オルガンの椅子へと押されて行くオニミムのほうは身じろぎをして抵抗を試みるが、血の気の多い兄を前にその抵抗もささやかなものであった。
 オルガンの前に座ったオニミムはとうとう観念してか並んだ白い鍵盤の上に指を置く。しかしそこから指は動かず、ただ指を震わせるだけだった。
「どうした?」
いつまでも旋律を奏で始めないオニミムにウイッツは急かす。だがオニミムの指は動かず、彼女も顔をしかめる。
ガシャァン!!
突然台所からガラスが割れるような音が響く。 台所に目を向けるとショーラがコーヒーメーカーを割ってしまったらしく、手で破片を集めているところであった。
「おいおい大丈夫か?」
カガリが席を立ちショーラの破片拾いの手伝いを始める。すまないね、気にするなという二人の会話だけが重たい空気の中リビングに響く。
「…なぁ、なんかおかしくねえか? なんか隠してねぇか? お袋!」
ウイッツは我慢の限界だった。誰も弾かないはずのオルガン、誰も飲まないはずのコーヒーを作るコーヒーメーカー、さらに自分以外の家族の変な反応。家族相手に彼は大声を出し、彼らをにらみつけた。
重たい沈黙が再度リビングを覆う。誰も何も語ろうとしない中、口を開いたのは弟のドラッソだった。
「…兄ちゃん、俺たち新しい父さんいるんだ…。」
「何だと?」
「オルガンもコーヒーメーカーも、みんなあいつのなんだ!!」


315:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/07 21:51:22
第十二話『お互いなにも言わなきゃ何もわからないだろ?』(後編)

ドラッソはショーラの再婚のことはきちんとウイッツに言うべきだと主張していた。それが今回の行動につながったのだろう。衝撃の事実を知ったウイッツは一度困惑の表情を浮かべたが、すぐに怒りの炎が表面化する。
「…なるほどな、結局みんなで俺をペテンにかけたってわけか!! 親父を裏切ってよ!!」
「あんただって嘘をついてるじゃないか!!」
今まで口を開かなかったショーラがついに口を開いた。その表情はウイッツ同様怒りに満ちている。
「俺がいつウソをついたってんだ!!?」
「じゃあ言わせてもらうけどね、あんたMS乗りになったんだろ!? 父さんを殺したMS乗りに!!?」
「それとこれとは話が別だろう!!」
「別なものかい!! あんただって知ってるだろう!? お父さんがMS乗りにどんな目に合わされたか!!?」
2年間の空白の間にできた家族の溝は想像以上に深かった。息子はMS乗りになり、母は別の男性と再婚。それぞれの考え方があるにせよ、そのどちらの意見も互いに認め合う余裕はなかった。
家の中は殺伐とした雰囲気に包まれてしまっている。コルトルとサエリアは二人でカガリにしがみつき、オニミムとドラッソはそれぞれの場所で硬直したままだ。
「俺はただみんなに楽をさせようと思って…! そっちこそなんだよ!! 親父が死んだからって別な奴と」
バシィッ!!
ウイッツの言葉をさえぎるようにショーラの平手が飛ぶ。さすがにまずいと思ったのかカガリが席を立ち仲裁に入ってきた。
「ふ、二人とも落ち着いて・・・!」
「…バカヤロォウ!!!」
ウイッツはカガリの仲裁を聞かず家をリビングから飛び出して言ってしまう。追おうとするカガリを引き止めたのは背をお向けすすり泣く息子を叩いてしまった悲しい母の泣き声だった。

 カガリはウイッツを追って家を出る。もちろん彼女はウイッツを連れ戻し、ショーラときちんと話をさせるつもりでいた。日が完全に沈み街頭だけが夜道を照らす静かな商店街の中をウイッツは歩いていた。
「こんなところに居た。」
彼を見つけたカガリは肩を叩いた。
「戻ってお母さんとちゃんと話をした方が良いんじゃないのか? ショーラさん…、泣いてたぞ。」
「うるせぇ、あんなの母親でもなんでもねぇよ!!」
返す言葉がかなり荒っぽくなっている。イラついているようにも見えるがカガリからはいじけているように見えた。
「お互いなにも言わなきゃ何もわからないだろ?」
「けっ!! やってらんねぇよ。」
ウイッツはカガリの静止を聞かずにずんずんと商店街を奥へ奥へと進んで行く。止めても無駄だと悟ったカガリはただウイッツを見送ることしかできなかった。


316:通常の名無しさんの3倍
06/05/07 23:14:29
乙。
やはりカガリは口調さえ押さえれば精神年齢が近い分、確かに子供には好かれそう。
にしてもやっぱり、電波食らってるせいで種の時みたいに暴走発言とかできないね。
「言葉で言わなきゃ通じない」っていう福田の種(種死ではない)のコンセプトの塊なのに、言いたい事も言えずにオロオロするだけのカガリにバロス。

感想は置いといてちょっと真面目に突っ込むか…。
今回は会話の間(つまりはト書き)にスー家の皆さんのリアクションを書き込んでその場の空気を表現しているのは良い。
でも、それだけでは物書きとしては常識すぎだから、何気ない「間」ってのを大切にした方が良い。
ウィッツの母ちゃんの喧嘩も「」の連呼だけじゃあその場の気まずさってのが伝わらないから気をつけたほうが良いよ?
後、鈍感ウィッツでも流石に「家族の妙な反応」「ピアノ弾けない長女」「慣れない手つきでコーヒーメーカー壊した」で、カガリが母ちゃんの手伝いに行く途中で「なんかおかしく(ry)」のセリフが出る方が自然では?
んで、カガリが立ち尽くしているところでようやく仲裁→失敗のほうが流れがまとまったと思う。

とりあえず眠いので突っ込みは以上。
書き込むたびに良いところが芽生えてよい感だね、GX氏。
まぁ、就活のほうも(ほうが)大変だろうけど、無理せずガンガレ~(^^ノシ

317:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 01:12:12
投下、乙華麗賛!

個人的にツッコミたい所は幾つか在るが、・・・なんかGX氏が凹み鬱状態の
様だし、前レスで指摘されてる部分と被ってたりするので控える。
・・・次回も楽しみにしているよ Σd(・ω・)





べ、別に気なんて・・・遣ってないんだからねッ!(;///)
ほ、本当だからねッ!!本当に気遣ってなんて・・・

無いんだからぁぁぁぁぁぁッ!!!ε=ε=ε=ε=ε┏(;///)┛

注)上3行は、不快だと思われた方にはスルーを推奨します。其処の所ヨロシクw

318:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 12:41:40
虎にピンクだけでなく魔乳もX世界に来ているってことは永遠ンだけでなくアークエンジェルも来てるってこと、だよな?
永遠の乗組員はどうせラクソ電波に感染した廃人ばっかりだからどうでもいいけど、
AAに載っていたはずのミリアリア、チャンドラ、ノイマン、マードックあたりはどうなってるんだろう…
こいつらならX世界に辛うじて順応できそうな気がするんだけど…
ミリアリアなら情報屋とかジャーナリスト、チャンドラならブリッジクルー、マードックならメカニックの腕があるし、
ノイマンはシンゴと超回避対決できる操舵士だし…
こいつらがⅩ世界に順応した場合、いざ、ラクシズが武装蜂起したときに戻ってくるのかはかなり疑問。
まあ魔乳は永遠に乗っけておいて、永遠しか物語に出さない、という選択肢も十分ありえるけどね。

319:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 13:00:58 wLhf+kf+
やっと追いついた。
この世界のヘタレキラは何か成長の余地があるように感じる。
「過ちは繰り返させない!」はキラがやっても良いかもとか思ってる俺ガイル


なんて言うか、ココのカガリ大好きだ


320:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 13:03:02
失礼sage忘れ

321:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/08 13:26:36
>>GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
超つまんない
お前才能無いよ
いい加減止めれば?

322:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 14:48:08
保守乙

323:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 17:06:56
>>321
定期保守イツモエライエライ(棒読み)

324:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 20:45:12 gpDTX2tc
なかなかGJですよ!

まぁカガリは有能ではないけど、根は善良だから
このまま良い方向に成長してもらいたいものです。

アスランは・・・・・・まぁ、どうでも良いや

325:GX1/144
06/05/08 22:08:48
ここでは俺様は神だ!
虫けら共、これからも俺様の最高の小説を網膜に焼き付けて、感動の涙を流すが良い!!


326:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 22:10:24
>>144
了解した

327:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 22:29:49
>>326
な・・・なにぃ?

>>325
定期(ていき)保守(ほしゅ)いつもえらいえらい(棒読み(ぼうよみ))

328:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 22:58:18
GXよ・・・

+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・) ワクワク テカテカ
 (0゚つ旦O +
 と__)__) +

しながら待っとるぞ!

329:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 23:00:32
そろそろ削除以来候補が上がってきたな。
保守システムも修理が必要だし、GWも終わったところでもうちょっと貯めて提出するか…

>>319
いや、それは無いと思う。
キラは所詮、「最高のコーディネーター」っていうだけでそれ以上でもそれ以下でもない、力を持つだけのニート。
「過ちは繰り返さない」っていうのは次の時代を背負うのが昔の時代を知らずに柵から解放であり、特殊な力に頼らず人間として人間の世代を生きることを宣言したセリフだよ。
キラのような「才能だけならパーフェクト。でも、それ以上のことを出来ない人間でもなければコーディネーターでもない」っていう屑じゃあフロスト兄弟と同じ。
コマした女と力で服従させた面子で世界平和なんて冗談にもならない。
だから、「俺はお前たちを認めない!」と種への反感が生まれる。
でも、負債は自分達の世界(妄想)を作るために「最強の主人公」に執着しすぎて中身のない戦闘狂いを生み出した。
そう考えるとキラも被害者かもしれないと同情する俺は優しいのだろうか(´・ω・`)?

330:329
06/05/08 23:04:58
一番酷い誤字修正。
>「過ちは繰り返さない」っていうのは次の時代を背負うのが昔の時代を知らずに柵から解放であり、特殊な力に頼らず人間として人間の世代
                   ↓
「過ちは繰り返さない」っていうのは昔の世代の過ちを知って柵を振り払える子供であり、特殊な力に頼らず人間として人間の世代
                   ↓

スマン、睡眠薬でちょっと眠い(´・ω・`)

331:通常の名無しさんの3倍
06/05/08 23:08:27
>>329
そもそも>>319はキラが「AW世界で成長」する事を前提に話していると思うが。
それとも種キャラは成長したらいかんのか?
ぶっ飛んだ言い方すれば、種キャラには罪はないだろ。
最大の戦犯はあの負債なんだから。

332:通常の名無しさんの3倍
06/05/09 00:08:28
>>331
>種キャラには罪はないだろ。
横から悪いんだが・・・言わせて貰う。

キラ=福田の自己投影キャラ
ラクス=両澤の自己投影キャラ
アスラン=両澤の自己妄想キャラ

は、既に周知の事実。だから『罪は無い』・・・なんて事は無い。
てか、存在そのものが罪です(特に、ピンク電波と不殺ニート)。

333:通常の名無しさんの3倍
06/05/09 00:21:26 IyYpydCU
>種キャラには罪はないだろ。
「罪は無い(あっても軽い)けどひどい目にあわされた」
キャラから救ってやろうと思うのはごく自然な心理だと思うんだ。

ホラ・・・「判官びいき」って言葉もあるじゃないか♪

334:通常の名無しさんの3倍
06/05/09 07:58:43
別に種キャラが成長するのは悪くないけど、
どう成長してもキラに「過ちは(ry)」は似合わない。
何のためらいも無く、ただ「コクピットは撃ち抜かない」っていうだけでハイマットフルバーストでMS殲滅。
人を殺せとは言わない。
でも、不殺をモットーにしても狂ったクルーゼやら目が覚めそうになったステラといい、殺すところはちゃっかり殺す
この男に「戦争の過ちってなに?」って質問しても永遠に答えは返ってこない。
キラの成長すでにラクスの「力があるなら~」の電波と「気持ちだけで何が守れる」っていう事で止まっている。
AWの世界での彼の成長と言えば、そういったしがらみを取り払って本当の意味で「優しいやつ」になることくらい。
キラは「優しくて良いやつ」が初期設定なんだよね?
こいつは女を覚えてから「人に使われるやつ」に変わった。なら、初心に返すことがせめてもの救いという成長だと思う。

335:通常の名無しさんの3倍
06/05/09 08:48:03
>>334
っつーかキラは不殺でもなんでもない。
確かにMSのコックピットは(滅多に)狙わないが、ミーティアで戦艦は叩き斬るわ、
要塞は切裂くわ、あげくに要塞内でフルバーストって、あれで何百人の人間が死んだんだ?
被害者面した単なる加害者でしかない。
ついでに言えば、ラクソ洗脳後のキラは電波でしかないから、AWで修正する余地があったとしても、
種の時の、ストライクに乗っていた頃のキラ以外は修正・成長の余地なし。
ラクソ(≒嫁)に洗脳された時点で、奴の人間としての成長は終わった。

336:通常の名無しさんの3倍
06/05/09 08:49:02
>>334
同感。つか俺も無印種の砂漠編まではキラ好きだったのだよ。ところが、
あの後の流されッぷりと引きこもり(主に友人関係)で株ががた落ち。
不殺決意するなら、「俺は人は殺さない、その怨念を殺す!!」の座〇翔バリの
台詞を言って欲しかった(つーかパクリならこれぐらい持ってこんかいww)

まあ、ガロードの「過ちは~」は無理だろうけど、カリスの「希望の~」なら許す。

あのニートと電波が暴走して、シンとガロードの純粋な思いにケチつけるなら、
いっそツインサテライトキャノンのチリになるか
『俺はお前たちみたいな身勝手を許さない!!
誰だって皆苦しみながら、この世界で生きているんだ!そんな独りよがりの
理屈、わかってたまるかあああ』とかw

クラウ・ソラスの錆になってもらってFAするのが理想(これは俺の願望)
『奇麗事ばかり言い張ったって、自分の意思で動かなきゃ何にもならないだろ!!
その言葉で、その力で、一体どれだけの人が死んだ!?どれだけの「希望」が
喪われたか、あんた達解ってんのか!!!』

ガロードはともかく、シンはもう少し成長しないと言えないかな↑の台詞・・・
まあ、欺瞞議長と誘導HGがいないからジャミルの過去とドクターの独白を
聞けばしっかり考えて、行動できるでしょGX1/144さんのシンなら(^^;

337:通常の名無しさんの3倍
06/05/09 08:53:18
誘導HGワロスwwwwwww

338:通常の名無しさんの3倍
06/05/09 16:48:48
あれか、交通整理の赤い光る奴持ったレイザーバレルHGが
バッチコーイとか言いながら誘導しているわけだなW

…もう負債をAWに放り込んでしぃまぁえぇー

339:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 00:45:30
食らう反らすって新武器?

340:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 01:03:43
>>339
URLリンク(aw0015.hp.infoseek.co.jp)
ココで・・・自分の目で確認汁!

341:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 01:17:51
キラの正義っておせっかいな正義だよな

342:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 06:43:30
アレはただの「大義名分」w

おまけにサガミオリジナルよりも薄っぺらいと、来たもんだw

343:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 18:17:33
アレはただの「わがまま」でしょう


344:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 18:54:16
まあそれを言ったら程度の差こそあれステラを助けようとしたシンの行動もまた「わがまま」なわけで・・・
・・・もしあそこでシンがステラを助けていたらそれはそれで非難されたんだろうな。

345:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 20:54:27
>>336
>>無印種の砂漠編まではキラ好きだったのだよ。
実際、二次創作でも大体、やめてよね以降でストーリーが原作から変わってくるんだよな。
多くの場合がサイの活躍&友情回復か、キラがひたすらダークサイドに落ちるか。
とりあえずフレイの救済は滅多に無い。
あるいは、フリーダム乗り換え前後。


346:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 21:46:06
福田曰く
「フレイのララァ化はキラがNT的な感覚を得たわけではない。
 死ぬ間際のフレイの本心であってキラには伝わらなかった思い」
らしい。
伝わってないなら表現の意味があるのかどうか悩む。
視聴者に伝えても「俺、キラじゃねーし」で終わり。
で、発送を逆転すると「フレイは届かない想いをキラに抱いていた→キラはフレイのことなんて実は本気で想ってない」
というスケコマシにあるまじき鈍感ぶりを発揮していることにならないかな?
キラの戦う理由ってのを無理矢理探すと、夜勤でのフレイ死亡から「無駄な死者を出さない」ことになると思う。
でも、キラはフレイの想いを本気で考えては居ない。
そんなヤツが人の命が云々と語るにはお世辞にも説得力に欠ける。
負債は種死でこの「伝わらなかった想い」を別ルートからキラに気付かせるべきでは?

AWでキラを更生させるなら、「自分が救えなかった人の命を背負う」っていう偽善を捨てさせて「救えなかった人が何を願ったか」を求めるべきだろう。
まぁ、ラクス電波でそんなことより上空からカッコよく搭乗して戦場を荒らしまわることしか考えちゃいないだろうけどね。

347:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/05/10 22:43:56
う~ん、今回はカガリ劇場になってしまいました…。ウイッツの活躍を期待した方々すいません…

第十三話『幸せのおっそわけです。』

「あの、兄さんは…?」
オニミムの質問にカガリはただ首をふった。ウイッツを連れ戻すと言って出て行ったカガリであったが、彼女に彼を見つけることはできても説得することはできなかった。リビングに戻るとドラッソが憂鬱な顔を浮かべて椅子に腰掛けている。
「コルトルたちは?」
「もう寝ちゃったよ。」
ドラッソはそういって時計を指差す。時刻は10時を回っていた。
「…あんなことがあった後なのに、よく眠れるな。」
「…多分、寝てないと思います。」
席に着いたカガリにオニミムは水の入ったグラスと差し出す。彼女たちも兄のことが心配で気が気でないようであった。
のどを潤したカガリは深いため息をついく。
「…お母さんの様子は?」
「ベランダでずっとぼんやりしてます。」
「ショックだよなぁ…、あらかじめ予想していたとおりの反応だったとはいえ…。」
ドラッソはぼやいた。再婚のことでショックを与えたことと息子がMS乗りになったという事実、この二つがショーラの心を痛めているのだろう。
「兄さんにとってどっちがショックだったのかな? 母さんの再婚と、そのことを家族みんなが黙っていたことと…。」
オニミムは天井を見上げながら考えた。家を飛び出して2年、ウイッツの激しい気性は変わっていない。母の再婚という事実を受け入れる余裕があったならばあの時あんな反応はなかったであろう。
逆に家族に対する思いは大きくなっていたこその反応だったのかもしれないが、当の本人がいなければそのことに答えが返ってくるわけではなかった。
「父親が死んだのはずっと前のことだろう? だったら再婚という選択肢がないわけではないことは前からずっと認識していたはずだ。」
カガリは空になったグラスを見つめる。そのグラスに映る自分がかつてどうしようもない理由で似たようなことをやったことを思い出していた。
「それでもどっちもショックなことには変わりなかっただろうな。”再婚”という火種に”全員が口をつぐむ”という油を注いだ結果があの反応だ。」
「兄ちゃん・・・、もう戻ってこないかもしんないね。」
もっともなことをドラッソは言った。働くために家を出て行ったウイッツが家族に裏切られたとしたら…、容易に想像できることであった。
「…私はもう寝る。お前たちも寝たほうがいいんじゃないか? 明日もあるんだろ? 麦の刈り取り。」
カガリは席を立った。できることは何もないことはわかっている。だったら今のうちに休んで英気を養う、それが彼女の出した結論だった。
「でも兄さんが・・・。」
「あれだけ怒ってたあいつが早々戻ってくるとも思えない。それにこれに関してはお母さんとあいつの二人の問題だ。あいつら自身がそれぞれに各々の事実に気持ちの折り合いをつけていくしかないさ。」
そういってリビングを後にした。
「ホント強いよね、カガリさん。」
「う~ん、強いって言うよりもすでにこういうことを体験してきたような口ぶりだとは思うけど…。」

 あてがわれた部屋に入るとカガリは上着を椅子に引っ掛けベッドに頭から突っ伏した。
彼女にとっては数日振りのやわらかいベッドである。
「各々が折り合いをつけていくしかない・・・か。つけたくても簡単につけられないのが問題なんだよなぁ。」
体を動かしうつ伏せから仰向けへと向きを変えると、胸ポケットからハウメアの守り石を加工して作られた指輪を取り出し顔の前にかざした。西向きの窓から入るわずかな月明かりでもそれは紅く優しい色を保っている。
「自分なりにけじめをつけるとは言っても、私もきちんとけじめをつけているわけじゃないか。けじめをつけるのであれば持ち歩くことだってやっちゃダメだもんな…。」
連邦もプラントもない、自分がまったく知る物のない別な世界にいることは彼女の心に大きな影を落としていた。もし、今この指輪をくれたまじめで、頭でっかちで、人の意見に流されてばかりで、
それでもすべての事柄を吟味して自分なりの答えを出そうとするあの馬鹿がそばにいればどれだけ安心できるだろうか…。
「アスラン…。」
上限の月が静かに照らす部屋の中で、カガリは誰に言うわけでもなく呟いた。


348:GX1/144  ◆zNJaUmQ9go
06/05/10 22:46:52
第十三話『幸せのおっそわけです。』(中編)

ドゴオォォン!!!
カガリはこの爆音で目を覚ました。ベッドに横になっていろいろと考えているうちに寝てしまっていたようである。寝癖の頭のまま乱暴にドアを開け、ドタドタと階段を駆け下りていく。家の中にはすでにショーラたちの姿はない。
「一体何があったんだ!!?」
ようやく玄関で立ち尽くしているショーラとオニミムを見つけ状況を説明させようとして、カガリは動きを止めた。
「こ…、これは…!?」
玄関前にはドラッソやコルトル、サエリアが尻餅をついている。その彼らの前には大量の金塊の入った小型のコンテナが置かれていた。地面にめり込んでるところを見るとこれが上から落ちてきたのだろう。
「母さん…!」
オニミムの言葉にショーラは大きく頷いた。これをもってきたのが誰であるか見当がついているのだろう。
「ウイッツ…。」
ショーラは東の地平線へと飛び去っていく一機の戦闘機を見送りながら呟く。一日だけ戻ってきた息子は2年間この荒廃した世界に揉まれながらも、出て行ったときと変わらない孝行息子であったことが彼女は純粋にうれしかった。
「良い奴じゃないか、あいつ。」
朝焼けまぶしい東の地平線を見ながらカガリは笑う。激しく言い合って距離の開いた息子と母。だが息子の方から少しだけ母に近づき、母は受け止めた。
見方によっては息子の方が勝手に押し付けたようにしか見えないかもしれない。だが”家族”というものはやはり心のどこかでつながっているものなんだろう。少なくとも、カガリはこの息子と母にそれを感じていた。

「悪いな、なんかいろいろ気を使わせてしまって…。」
そういいながらカガリは頭をかいた。ウイッツがおいて言った大量の金塊をどうにかこうにか家に押し込んだあと、カガリはしばらく旅に出ると言い出したのである。
土地勘も物資もない状態で旅をするなんて馬鹿げた事を言い出したカガリに対してしょうがないわね、とショーラはいろいろ必要な備品をそろえてやったのだ。
「別に良いよ、どうせ家に有ったもので適当に見繕っただけなんだし。」
「でも…。」
「気にしなさんな。金ならたんまりあるんだしね。」
そういって金塊で埋め尽くされたウイッツの部屋の方を見上げる。いまやウイッツの部屋は金庫と化していた。
「母さん、終わったわよ。」
「こっちもできたぜ。」
オニミムとドラッソがそれぞれ手提げバッグを持って2階から降りてきた。今から麦の収穫作業があるので手提げバッグなどは不要なのではないか? カガリが考えを身えぐらせていると、二人は彼女の前に立ちバッグを彼女に差し出す。
「これは?」
「幸せのおっそわけです。」
「どうせ家にあっても全部は使い切ることないだろうしね。」
二人が差し出したバッグはずっしりと重く、中からなにやら金属のこすれる音が聞こえている。
「い、いくらなんでもこんなものまで…。」
「はいはい、文無しは黙って受け取る! これから旅をするってんなら、持ってて損はないだろ?」
バッグを返そうとするカガリをショーラは押しつけた。カガリはこの世界で通用する通貨を持っていない。ショーラなりのいろいろ彼女への気遣いでもあった。
「…わ、わかった。ありがたく受け取っておくよ。」
「カガリおねえちゃん!!」
声に振り向くとコルトルとサエリアが何か後ろに隠しながら近寄ってくる。
「何か用か?」
カガリは中腰になって彼女たちの目線に顔を持っていく。二人はお互いの顔を見合わせ、頷いた。
『これ、私達からのプレゼント!!』
二人が差し出したのは小さなビーズで彩られた細長い紐だった。長さは30~40cmほどだろうか、装飾に使われているビーズは黄色やオレンジといったものがほとんどで決してきらびやかなものではなかった。
「これは?」
「お姉ちゃんの指輪を、これで吊ってネックレスにしたら無くさないと思って。」
「大事なんでしょ? その指輪。」
コルトルとサエリアからの思いがけない贈り物にカガリは返す言葉が無かった。自分はまだ彼女たちと知り合って1日しかたっていないと言うのに…。カガリは二人をそっと抱きしめながら瞳に涙を浮かべた。
「……ありがとう……。」


349:GX1/144  ◆zNJaUmQ9go
06/05/10 22:48:33
第十三話『幸せのおっそわけです。』(後編)

「いい家族だったな…。」
ショーラたちからもらったおんぼろ車を転がしながら、カガリはつぶやく。国家主席の娘として育てられた彼女にはあんな家族はいなかった。
そんな家族を持つウイッツをうらやましくも思うし、仲直りして欲しいとも思うのだった。
車が走る先には草や小さな木が転々とした荒野が広がっている。豊かなオーブとはぜんぜん違った景色、逆に砂しかない砂漠ともまったく違った景色であった。
「これからどうするかなぁ…、通信機なんて持ってないし。あってもここじゃそんなものは役に立たないか。」
孤立無援という大きな不安を抱えながらもカガリはただ荒野の中をひたすら進むしかなかった。
「ま、行く当ても無く彷徨うもありか。」
これから先彼女を待っているのは秩序崩壊した世界の厳しい現実である。彼女がそれを知ってどう行動するかは今の段階で
わかる者はいない。だが、その苦難を乗り越えたときに彼女が人間として成長することは間違いないことであった。


350:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 23:19:10
お疲れ様です。あれ、なんだか涙が・・・人の優しさが身に染みますねw
いや~たった三日間(でしたっけ?ウイッツに保護された時に「まともな食事が
三日ぶり」とかなんか・・・;)で随分前向きで漢らしいな!(褒めてますよ^^;)
これから大変だろうけど、頑張れカガリ!!

いよいよローレライ編でしょうか?いやはや、良い意味で先が読めませんよ!
次回も期待してマターリと待ちますねwww

351:GX1/144  ◆zNJaUmQ9go
06/05/10 23:30:40
ローレライ編に行く前にもう一話やっておきたい話が有るのですが…

まぁあくまで゛余談゛なので省いてもいいのですけどね
やっちゃっていいのかな?

352:通常の名無しさんの3倍
06/05/10 23:46:51
やっておしまいw

353:GX1/144 ◆nru729E2n2
06/05/11 00:05:10
>>352
了解

あとがき
といっても書くことあんまり無いのですが、今回のカガリ出演は
゛ささやかな幸せ゛に触れて欲しかったので出しました。

種世界じゃ世界の平和だなんだかんだでかいこと言ってますけど、
゛一般市民からすればこんな事でも幸せを感じるものなんだ゛ってことを感じて欲しかったんです。
国の理念や威信も国の長としては大事かもしれない。けど、そんなことは一般市民からすれば
たいしたことじゃないんですよ。ただ平和に静かな暮らしができればそれでいいんです。
シンなんかは種時代のウズミさんがやった゛国の理念を尊重した結果゛の典型的な例な訳で。
゛国の礎は理念でも威信でもなく、国民なんだ゛ということを後々わかって欲しいもんです。
そうすればオーブの未来も少しは明るくなるかな? まぁ今のまんまじゃ他の面子が邪魔しかねんけど

354:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 00:06:38
>彼女が人間として成長することは間違いないことであった。
コレだけは間違いなくガチ!!!

355:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 00:27:26
>>349
あ~何かすっげぇXっぽい。良い意味で地味な話だ。
戦闘はないけど中身はあるっつーか…穿った言い方になるがガンダムでは要らない話
ではあるんだけどXだと違和感がないっていうか…とにかく『らしい』話だと思った。
カガリも邪魔にならない立ち位置で見守ってるのがいい。いつ突っかかってくのかとヒヤヒヤしたがw

まぁ言いたいことはシンプルにひとつだ、GJ!

356:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 01:59:36
>GX1/144神
相変わらずのGodJobです。
チと気になったんですが、ひょっとしてGX1/144さん、カガリ好きだったりします?
やたらと良く描かれてるし、一番救われそうな展開だし…

357:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 02:02:33
さすらいは実にGXらしいな…

358:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 08:56:43
乙。
「天国なんて」のウィッツシナリオをスー家視点でやり遂げ、かつ違和感無くカガリ導入は正直うまい。
>>353のコメント、それこそ種に足りずにXにある大切な事なんだろう。
だから僕はXが好きなんだと改めて実感できた。
有難う^^

359:GX1/144
06/05/11 18:39:38
次のお話は、『うんこのおっそわけです。』(番外編)

見て下さい!

360:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 18:42:39
>>359
保守、乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙
乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙・・・乙!

361:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/11 18:53:19
>>356
前スレの引用をすれば(実はこれ私が書いたんだけど)
作家の立場としてさ、主人公が好きなのはわからんでもないが
物語の中に出てくる全部のキャラを好きにならんとその物語は破綻する。
まさしくこれです。 まぁ扱いやすいキャラではありましたね。ウイッツがガーって当たっていってもカガリは当たり負けしないし

>>358
>違和感無くカガリ導入は正直うまい

お褒めいただきありがとうございます。ただ違和感感じなかったのは話の主だった視点が゛カガリ゛の視点だったからだと思います。
読んでもらうとわかりますけど、今回彼女は大事なところで関わっているわけではなくあくまで傍観者の立場を保ちつづけました。
ですから今回違和感が無かったのは『天国なんて~』と言う話の幹に『カガリ』と言う蔓を巻きつけただけだったからでしょう。
正直あんまり話の中身をごちゃごちゃ替えると原作のイメージが壊れてしまいますし

つうか、オリジナルでいい話を作れるとはまだ自分じゃ思ってません。

362:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 20:25:28
とりあえず、保守メカの故障から住人の対応も乱れが出てきたので修理依頼を出してきました。
特に偽もののGX氏には特に修理が必要そうですからね。

>>361
それは説明されなくても分かってるよ(笑)
僕が言いたいのはその
>話の主だった視点が゛カガリ゛の視点だったからだと
っていう手法を上手につかったことを賛美している。
手法自体は良く使われるものだけどね、それを「ありきたり」というのは簡単だけど「うまく使う」というのは話が別。
ガチとして「Xキャラがダメな種キャラを導く」という思い込みに反して「ダメな種キャラが自然にダメに見えない」ことに驚いた。
んで
>正直あんまり話の中身をごちゃごちゃ替えると原作のイメージが壊れてしまいますし
は禿げ同。
分かっていながら僕もちょっと茶々入れるような発言をしたの、正直スマンと思っている。

>つうか、オリジナルでいい話を作れるとはまだ自分じゃ思ってません。
よく分かってらっしゃる。
その謙虚さは重要だよ。

とりあえず、就活のほうもガンガレ~ノシ

363:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 23:00:01
>>362
「Xキャラがダメな種キャラを導く」という思い込みに反して
「ダメな種キャラが自然にダメに見えない」ことに驚いた。

Ⅹと比べてはどうかと思うが、種キャラは駄目ではないと思うよ。
悪いのは・・・・・・言わなくて解るだろうから割愛w

種キャラが駄目だった一つとして「視点が曖昧」だったのがある。
以前も言われていたが、種は物語のスケールがマクロなくせに、やたらと
ミクロの描写(有り体に言えば、主役しか話を描いてないそれすら禄にだが)
しかしない上に伏線すら張ってないので、いきなり世界規模の組織や思想を云々言われても「はぁ?」
としか言いようが無いのが顕然と存在する。

もう少し世界の情勢とかきちんと語らせるか、さもなくばⅩと同様、各キャラの
人物描写を丁寧に描けば、あそこまで非難されることなかったじゃないかな?
それでも総集編状態になってお終いだろうけどさw

364:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 23:18:33
>>363
 確かに種キャラは「初期」設定や「初期」の人物感は良質なのはみとめるよ。
 で、>>363の指摘どおり……が悪いためにカガリかキラのどちらかの年齢設定コソーリ変えて姉弟にしたり、
方向性を見失ったノリでキャラの主張性がなかったりするから「ダメキャラ」の烙印を押されても、それは
仕方がないと思う。
 例え、厳選された高級&良質な素材を集めても料理人がダメなら素材にも「もしかしてマズイ?」って思
われても仕方がない。ブランド志向ってのは嫌いだけど、……こと負債はガンダムをブランドとして発表し
ているわけだから素材の1つであり、かつ料理人(負債)の代表すべき1つ・キャラクターが非難されるの
は哀しいけど自然なながれじゃないかな?
 まぁ、X非難の多くは「ニュータイプがうんぬん」「ガンダムとはうんぬん」っていうブランド志向の取
れずに「作品」をしらない連中の圧力が中心って聞いた事がある。
 そこまで考えると禿げこと富野監督のガンダム嫌いと、ターンAの黒歴史ビジョンでXの映像が頻繁に搭
乗したのかなんとなく納得。

365:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 23:53:49
>>361
GX早く次の小説書け
てめー総評してる暇あったら小説書け
毎日書け
休むな
睡眠時間削って書け
オナニーしながらでも書け
書け
書け
書け

366:通常の名無しさんの3倍
06/05/11 23:58:24
>>365
期待してるのは分かったから寝て待てよ。

それと保守乙。おかげで探しやすくなった。

367:通常の名無しさんの3倍
06/05/12 23:56:22
>>361sageぐらい半角で書け
てめー保守してる暇あったら半角で書け
半角で書け
ageるな
半角かどうか確認して書け
オナニーしながらでも確認して書け
書け
sage
書け

368:通常の名無しさんの3倍
06/05/12 23:57:17
>>361じゃなくて>>365だった…俺なんて氏ねばいいのに

369:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 00:16:51
>>368
突っ込み入れようと思ったが気が変わった。



生きて続きを一緒に待とうぜ。

370:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 00:36:36
>>368
ドンマイ!気にするな
悪いのは、さっさと続きを書かない>>361さ!
あんなレベルの小説なら、1話書くのに40分もあれば書けるのにな!
なめた真似しやがって!


371:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 00:41:34
>>370
じゃあ書いてくれ。
幸い種とXはネタに満ちている。

さぁ書いてくれ。大目に見て50分は待ってやろう。


372:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 02:43:53
>>370はカキコだけのヘタレ決定

373:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 07:35:31
そういやクラウ・ソラスにサテキャの砲身使ったって事は
GXDVのサーベルはどこに付いてるの?
DX同様腰?

374:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 07:56:39
>>373
お前には、

 『 500 回 位 GXDV を 見 る 』

という宿題を与えるッ!
拒否権は無い!・・・いいなッ!!!!

375:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 09:29:27
保守メカに釣られすぎ。
もう少し落ち着こうよ。

376:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 09:58:51
>>373
サテキャ外したバックパックにソードのホルダーと可変式スラスターを増設
して二本装備しているよ。所謂ファースト持ち。

ディバイダーを装着した状態でスラスター全開にした勇姿は必見!!

377:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 11:35:34
そういえばDVのビーム砲の正式名称って「ハモニカ砲」だっけ?ボンボンで見た気ガス

378:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 11:55:21
>>377
「ハモニカ砲」の正式名称は
「対モビルスーツ用多連装ビーム砲」か「19発多連装ビーム砲」のどっちか

379:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 14:53:30
へぇ

380:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/13 15:58:34
書くペースが遅くてすいません。 今回は試験結果のおかげでテンションがダウンしてました…。

第十四話『神様ってのはホントに気まぐれだな・・・』(前編)

 荒野を駆けるレオパルドの中でロアビィは憂鬱な気分だった。ジャミル・ニートから休暇をもらって
昔の彼女たちが生きているかを確認していたところ、一番会いたかったレオパルドを彼に与えた女性だけが悲しいことにすでにこの世を去っていたのである。
「…ホント、やってられないなぁ・・・。」
彼女に渡すはずだった黄色いバラは彼女の墓に供え、一緒に飲むはずだったいい酒は彼女の墓にかけてきた。故郷に帰る理由も無くなり
本当の意味でさすらい人になった彼の心は何かぽっかりと穴が開いてしまって、むなしさだけが残っている。
「あ~あ、神様って意地悪だよなぁ。なんだってあんな良い女を助けなかったんだか…、どうしようもない馬鹿なんてほかにもたくさんいるだろうに。」
口から出る愚痴にもいつもの飄々とした陽気さはない。普段の様子を知るものであれば今の彼の様子を想像する事は不可能であろう。
ビビー!ビビー!
 MS乗りの彼には悲しみにくれる時間は与えられなかった。彼が乗るMS”ガンダム”は15年前の戦争の際に地球連邦の切り札として投入された最高のMSのであり、
15年たった今であってもその性能、火力、装甲は最高クラスのものだ。戦争の遺品を集め売買するバルチャーや、彼のようにMSに乗って生計を立てているMS乗りにとっては彼のMSはかなりのお宝なのだ。
「今は戦う気分じゃないんだけどなぁ。」
そういって手元の電子パネルを操作し索敵画面をメインディスプレイに出す。どんな状況であれど、生き残らなければ意味がない。とりあえず沈んだ気持ちを追いやり戦闘に集中する。
「はぁ? Unknownが5? 大きさからするとMSが4機と戦艦か。」
戦争の最後に登場したガンダムには宇宙革命軍のMSデータと地球連邦軍のMSデータはすべて記録されている。15年たって多少の改造などされていても基本のデータと照らしあわされて機体の原型の照合が今まではされていた。
「戦艦の方もデータが無いな…、戦艦もMSも完全なオリジナルか。」
どのみち、向こうから撃ってくるのであれば彼は容赦なく撃ち返す。それが彼の戦闘スタイルであり、そうしなければ生き残る事ができない世界の中での摂理であった。

「艦長、敵がこちらに向かってきます!」
「ッ! 気づかれたか・・・。」
「だからいったでしょ? 下手に攻めると向こうもそれに応じて戦わなきゃならなくなるって。」
艦橋ではすでに臨戦態勢に入った面々が席に着き、作業をしていた。それぞれのシートに座る彼らは白い軍服に袖を通しており、バルチャーとしては規律が厳しいようにも見える。
「ムラサメ隊、今回の戦闘はあくまで敵を追い払うことが目的です。敵を撃墜する必要はありません!」
『了解!!』
艦長席に座る女性が4機のMSのうち3機が指示に返事を出す。別の1機に乗る金髪の男は艦長席に座る女性の指示に口を挟んでくる。
「でも、向こうが引かないってなら話は別だぜ? 俺たちだって命が惜しいんだ、そんときゃ問答無用で落とさせてもらう。」
「ええ、そのときは任せるわ。…ごめんなさいね、こんな役回りばかり…。」
「なに言ってやがる、これが俺の仕事だ。」
通信が切られ、正面の巨大ディスプレイにはこちらに向かってはしってくるレオパルドの姿が映し出された。艦橋の面々の顔に驚きの表情が浮かぶ。
「あ、あれって…!」
「ああ、どうやらこっちの世界にもあの手のMSが存在するようだな。」
通信関係を扱うシートに座る茶髪の女性の驚きの声にうなずく隻眼の男。レオパルドのフェイス部分が彼らの知る数々の機体と告示していたのだ。
「火器管制システム機動、バリアント始動、スレッジハマー発射管1番から6番まで装填!」
次々と戦艦に装備されている武装が起動されていった、ガンダムレオパルドを落とすために。


381:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/13 16:01:20
第十四話『神様ってのはホントに気まぐれだな・・・』(中編)

 肉眼で敵のMSを確認したロアビィは襲ってきた機体の色に目を丸くしていた。
「おいおい、赤とか青とかだったまだ良いけど金色ってのは無いんじゃいの?」
エアマスター同様変形して飛行してくる機体が3機、そしてこの金色が1機。飛行能力が無いレオパルドにとっては厳しい相手である。
「けどまぁ、四の五の言ってる場合じゃないか!」
レオパルドの左腕をバックパックに直結させてある大型ガトリング砲”インナーアームガトリング”とドッキングさせ、砲門を飛来する4機のMSに向ける。だが敵も馬鹿ではない、
散開して各々が別々の方向から攻撃を開始した。飛来するビームの雨をかいくぐり、レオパルドは大地を駆ける。
「ッたく、嫌な攻撃ばっかしやがって!」
4機のうち形状が同じ3機は連携を組んでレオパルドを追い詰める。連携としては決して悪い物じゃ無いが、いかんせん今回は相手が悪かった。3機がそれぞれ戦闘機形態に変形し、特攻をかける。
「突っ込んでくるだけじゃ、勝てないんだよね!!」
後ろから迫る3機の可変型MSに対し、レオパルドは大地を蹴って空中に飛ぶ。そして相手のほうに向き直り両胸に装備されたブレストガトリングを開放、インナーアームガトリングと同時に火を噴き始めた。
ドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・・
戦闘機形態になった可変型の3機は吹き荒れるビーム弾の嵐の中に突っ込み翼を砕かれ、その形状のまま墜落してしまう。
幸い地面すれすれを飛行していたためパイロットは生きていたが、機体の方は被弾し、墜落の際に地面を抉り、パーツをばら撒きながら完全に停止してしまった。

「ムラサメ隊、全機中破! パイロットは無事なようですけど…。」
「一度に3機か・・・。なかなかやるじゃないか、あのパイロット。」
艦橋でディスプレイを眺めながら相手の腕を素直に認める隻眼の男。逆に艦長の女性の方には戦況が押されている状況のせいが顔に焦りが見られた。
「そのようね。それよりも何なの、あの機体のあの武装は?」
「おそらく、もともとは中距離支援用の機体だったんだろう。ほかにも右腕に砲門が6個、膝にもミサイルが2機積んである。あの火力は馬鹿にはできんさ。」
「バスターなどと同じ設計思想、ということかしら?」
女性は自分の知る高火力の機体を例にあげる。バスター、それは2丁の連結式ライフルを持ち、連結の仕方によって射撃が4タイプ存在するガンダムである。
「んにゃ、あれは完全な後方支援型だ。けどこっちのは中距離、仲間の支援もできるし自分で前線に出てやりあうこともできる。」
男は空中のアカツキと戦う緑色のガンダム見据えながら続けた。
「大火力が無い代わりに、手数で勝負ってタイプだ。」

 ロアビィは3機の可変型MSを落とした後、残る金色の1機に手を焼いていた。空を飛べないレオパルドが不利になることは仕方が無い。だがそれ以上に困った事があった。
「ビームをはじき返すとは恐れ入ったな…。しかも正確にこっちにむかって反射してくるなんて、またとんでもないMSが出てきたもんだ。」
金色のMS、ORB-01”アカツキ”には全身に『ヤタノカガミ』と呼ばれる特殊なミラー装甲が取り付けられておる。この装甲はビームによる攻撃を逆に相手に対してはじき返すと言うAW世界には存在しないとんでもない装甲なのだ。
 メイン武装であるインナーアームガトリングはビーム兵器なので、攻撃してもはじかれてしまうのだ。
「クソ! こうなったら!!」
ロアビィは襲い来るアカツキを無視し、一気に戦艦へと向かい始めた。MSよりも先に母艦をつぶす魂胆である。
「させるか!!」
後ろからアカツキがビームライフルを乱射させレオパルドの動きを止めにかかってきた。
レオパルドは急加速、減速、右、左とめまぐるしい勢いで進む方向を変え、攻撃を回避していく。
「それじゃ、とっとと終わらせるとしますか!!」
コックピット内のロアビィの目は空中に浮かぶ白い戦艦を見据えた。


382:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/13 16:03:55
第十四話『神様ってのはホントに気まぐれだな・・・』(後編)

「敵MS、距離400!!」
「ゴットフリート、てーッ!!」
敵MSの接近に起動しておいた火器を使用し接近を阻止しようとする。だがミサイルは打ち落とされ、主砲は避けらる。空も飛んでいないMSでここまで見事な回避、迎撃をするのはフリーダムでも無理かもしれない。
「敵MS、艦下方に入りました! 艦長!!」
「クゥ!?」
「俺が何とかする!!」
アカツキに乗るネオ・ロアノークは地面すれすれを飛び、真後ろからビームライフルを乱射する。
今まで上空から攻撃をしていたために使えた加速、減速の回避行動ができなくなりロアビィの顔にも多少あせりの色が浮かんだ。
「なかなかやるねぇ。でも、それじゃこっちの思う壺なんだよな!!」
レオパルドは回避行動のさなか、いきなり後ろを向いて右肩に装備された11発のミサイルをアカツキに向けて発射する。
敵の武装をすべて把握していなかったとはいえ、いきなりの近距離からのミサイル攻撃はネオにも避けられない。だが、盾で防ぐことはできた。
「クソォ! なめたまねしやがって!!」
ミサイルの爆発で発生した煙がアカツキのカメラを煙で覆う。
「どこに行きやがった!!?」
煙のせいで視界はほぼゼロ。とにかくこの状況から脱出するために背中に装備されたオオワシユニットのスラスターを吹かし前へと進む。だが次の瞬間、煙を割ってレオパルドが 
強烈な右ストレートを繰り出す。
バゴォォン!!
「ウオオアアァァ…」
レオパルドの必殺の右パンチによりアカツキは大地に倒れ、動きを止めた。

「まったく、手間を取らせてくれちゃって…。」
コックピットでロアビィははぁと息を吐いた。 戦艦下に逃げ込んで相手の”空を飛ぶ事ができる”という利点を消し、なおかつ煙幕代わりのミサイル。すべて計算済みでこのような芸当をやってのけたのだ。
「さて、もう一仕事!」
そういうとロアビィは操縦桿を操り、レオパルドを戦艦の艦橋と思しきところまで跳躍させた。着地すると艦橋部分にインナーアームガトリングの砲門を向けた。

「敵MSより通信です、全周波数でこちらに呼びかけています!」
「降伏を迫る気だろうね。」
「…いいわ、つないで。」
通信用の受話器を取り、ディスプレイに相手の顔が表示される。艦長らしき女性は目をつぶったまま、あきらめた様子で口を開いた。
「…アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスです。」
『あれ? 何でマリューさんがこんなもんに乗ってんの?』
「え?」
正面の大型ディスプレイに映し出されていたのは先日花屋であったあのナンパ男であった。
「あ、あなたは…。」
「ハハハッ! なんだ君だったのか、今回の相手は。見事だったよ、ロアビィ・ロイ君。」
『あんたもいるの? てことはあのピンクの髪の子いるわけ?』
「彼女なら、まだあの花屋にいるよ。どうかね、今回の再開を祝してコーヒーでも一杯?」
『…今まで戦ってた相手によくそんなこといえるな。』
隻眼の男、アンドリュー・バルドフェルドの提案にロアビィはあきれ果てた。まともな神経してないな、ロアビィは心の中では思ったが口には出さなかった。
「終わったことはいまさら言っても仕方がないからね。で、どうする?」
「…生憎そんな気分じゃないんだ。俺は引き上げるから、追ってこないでくれ。」
そういってロアビィは強制的に通信を切り、アークエンジェルから離れていった。

 アークエンジェルが後方に見えなくなったことを確認すると、ロアビィは機体を自動操縦に切り替えた。
「ッたく、神様ってのはホントに気まぐれだな・・・」


383:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 16:25:58
GJ!!
元ぬこ仮面とAA何処に居たんだ?
しかし超ヘビー級の種MSに10分の1の重量のレオパルドの右ストレートが効くもんかね?
右腕グレネードランチャーならともかく。

384:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 16:37:30
>>382
GJ!
ついにAAが動き出したか!

>>383
レオパルドに使われてるルナ・チタニウムが恐ろしく硬くて、
加えて暁が突っ込んでくる勢いを利用してカウンターの要領で・・・
と、こんなとこじゃないか?
まあそれだとどんだけA.WのMSは化け物なんだ?って話になるがw


385:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 16:49:45
>>384
DXとヴァサーゴの格闘戦(同程度の重量相手のDXパンチ)はまだわかるとしてもガブルにマニュピレーター握りつぶされてたじゃん。

この時点のロアビィがまだ敵が居る様な状況でマニュピレーター壊して手数減らすような事するかな?と。
ナイフ持てなくなるし。

386:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 16:54:05
乙。
毒花家で2代目変態仮面は何してんだろう(´・ω・`)?
パンチについては戦術としては理解したけど、どうも「仕事なんて~」の今のロアビィにはちょっと似合わないかな?
とりあえずパンチが効いたのは馬力の差だと思われ。暁は所詮、オーブのプロトタイプMSに過ぎないからね(妙に強いのは負債の怨念が原因)。
後、流石のロアビィでも女好きだからって「ついさっき、命なんてあっという間に燃え尽きてしまう」っていうエスタルド編に繋がる心情描写が軽すぎて減点。
皮肉の1つも言うべきだったかもね。

387:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 17:53:31 /5inSmBb
ロアビィには
「誰彼構わずケンカ売りつけるのかい?事の次第によっちゃアンタたちでも容赦しないぜ」
くらいの事は言ってくれても良かったような希ガス

388:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 18:03:56
>>387
概ね同意だが先ずsageろ

389:387
06/05/13 18:37:23
うお!!sage忘れた!!
>388よ、ご指摘サンクス

390:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/13 18:43:02
そうだった…機体の質量が違いすぎることを忘れてました…。
>>64.8t(パックなし)
レオパルド>>8.5t
何だこの重さの違い…、いくら試験に失敗したとはいえこれを忘れるのは致命的だ…

ロアビィが皮肉の1つも言うべきだったとありますが、最後の一言は皮肉のつもりでした。
『俺が会いたいのかあれじゃないんだよ、神様さんよぉ』って感じな
戦闘中は戦闘に集中→戦闘後にマリューとの再会→マリューとの再会はうれしいけど、ほんとに会いたいのはこの人じゃない
と言う気持ちの変化のつもりでした。 

やっぱ1日で書くとボロが出ますので、毎回二、三日は考える時間をもらいます。
できるだけきちんとした奴皆さんに呼んでいただきたいし。

391:GX1/144 ◆zNJaUmQ9go
06/05/13 18:44:16
うはsage忘れた…

392:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 18:51:25
俺的には、重量差の問題よりも種MSの性能の方が疑問。

・・・重量以外の性能はかなり低いハズなんだが・・・<種MS

393:通常の名無しさんの3倍
06/05/13 19:43:35
       l、    ,. -―- 、,.... _
       ヽ、_ ,_‐'´-イ lハ    `ヽ、
      , -‐ 二ー   ′ ! ヽ     ヽ
   /´,. ‐ ニ  〃   ヽ 、ヽ、_  ,.└‐ ''' ヽ' ⌒丶、
    /フ',´'´_ / ,イ ヽ   ヽミヽ‐/       `丶、 \
    // /  // j lト ヘ !    ン′  ヽ  ミ 、     ヽ\
    /' i // /7Tト、! { l _lハ_  /     ヽ、、 ヽミヽ、    ヽ
.     l/ ! ,l NTjヽ!l l ´7ニ∀ イ トハヽ ヽ、_≧=-ヽ ミ、    ヽ
      l ハ ハ lゞ'‐l トヽ 'ヒJタ l l !l ヾミメ´_,ムィ `ヽ、  ヽ    ',
       | l l l   メ、ヽ、  ̄|!  ト、ヽ ``,ヘノJレ`  ヽ      ',
       ヽヽハ  ヽ ' ヽ  !ハ lミ、ィ_ー  '^´     ',    ヽ '、
        / /.ヽ  ヽ=‐   ト,、ヽヽYjハ i           ', ヽ   ヽ'、
         //_,.. -ヽ      ,.ィlヽ_ヽヘゞ'く  _,      ヽ. ヽ   ヾ、
       i ハ   ` ┬ '´_,イ !‐ ´ヾ ヽ   くノ       lヽ ヽ   ヽ
     , -リハ!    _/∠   !|   |  ヽ、 ´         !. ヽ. ヽ   ヽ
    / 〃 -|l ,. ィ/!l l ll  !! / !l   ヽヽ、   ,ィ     !  \ヽ、 ヽヽ
.     ハ ´  // l〈 ヽ ゝ! !!  ヽ/ ヘll  ヽ、  ̄ヽ      !   ヽヽ、 ',.ヘ
    { ! / ヽ!ハl.ヽ_ ノイ ハ, ///ハト、  ヽ、  j     ヽ_, - ..ヽト、 '、ハ
   l´、!'  /' ! !ー if´/-‐ / / / ヽ、  ,. -_ノ   _,. - ' ´    `ヾl   ! !
.   ! /  /イ 、ヽ l! ´     , ' ,. --,ィ ´ヽ_,. -‐ '´      ,. '´イ`ヽ l l
   / /  ,' ハ!  ̄/   l i  , ' / ! / , - ^ヽ       / ./    ',l !
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