05/11/21 01:11:28 naB3IjTA0
「次ですから、こちらでお待ちください」
「はい」
あたしと衛くんは、ステージの袖で待つ。
そぉーっと、ステージの方をのぞくと、
「ほぇ~っ!」
「どうしたの、木之本さん?」
「あんなにおおぜい・・」
「お客さんが?」
「そうじゃなくて・・・」
見えたのは黒服の女の人がいっぱい。間違いなく、知美ちゃんのおうちのガードレディさんたちだ。
3人1組で、カメラやマイクを持っている。そういえば、ガードレディさんたちって、みんな、
護身術なんかだけでなく、カメラやマイクの技術も一流の人ばかりだったんだ。
「知美ちゃん・・・て」
「大道寺さん・・・て」
「「本気なんだ・・・」」
あたしと衛くんの頭に、おっきな汗が浮いた。
571:126 ◆GUY03yKpmQ
05/11/21 01:12:25 naB3IjTA0
「次ですから、こちらでお待ちください」
「はい」
あたしと衛くんは、ステージの袖で待つ。
そぉーっと、ステージの方をのぞくと、
「ほぇ~っ!」
「どうしたの、木之本さん?」
「あんなにおおぜい・・」
「お客さんが?」
「そうじゃなくて・・・」
見えたのは黒服の女の人がいっぱい。間違いなく、知美ちゃんのおうちのガードレディさんたちだ。
3人1組で、カメラやマイクを持っている。そういえば、ガードレディさんたちって、みんな、
護身術なんかだけでなく、カメラやマイクの技術も一流の人ばかりだったんだ。
「知美ちゃん・・・て」
「大道寺さん・・・て」
「「本気なんだ・・・」」
あたしと衛くんの頭に、おっきな汗が浮いた。
572:126 ◆GUY03yKpmQ
05/11/21 01:15:08 naB3IjTA0
「次は、古くから伝わる、中国武術のひとつである、李家刀法。この李家刀法の表演を、
友枝小学校の中国拳法クラブのおふたりに披露していただきます。
表演を行うのは、木之本すみれさん、衛エドワードさんです。暖かい拍手でお迎えください!」
司会の声を聞いて、あたしと衛くんは、刀器を持って、拍手の中を駆け出して行く。
「きょうの表演は、中国の古い物語である水滸伝を題材にとったものです。会場のみなさま、
ゆっくりとおふたりの表演をお楽しみください」
あたしたちは、リハーサルどおり、起式(始まりのポーズ)をとって、心を落ち着かせる。
(衛くん、がんばろう)
(うん)
聞こえるはずのない、声が聞こえた気がした。
まもなく、ドラの音とともに、音楽が流れ出した。同時にあたしたちも、動き出す。
『四手の撥(はらい)と三手の鈎(ひっかけ) あわせて七手
衝(つき)と分(ひらき)で神技九変
二十四歩で前後をいなし
十と六歩でくるりと一転・・・』
(元ネタ:水滸伝第57回 駒田信二氏訳を元にしました)
>>570 エラーが出たところ、連投になってました。スマソ
573:CC名無したん
05/11/21 02:16:56 AOlVAZNZO
乙です
574:CC名無したん
05/11/21 19:38:32 iqwgrYGX0
烈しく乙です。
ちょっと質問ですが、以前この板にあった、「ミラーのお留守番」スレが1000を迎えました。
その後どうなったか知ってる人、いませんか?
575:炉板通信 ◆mwhG4Chris
05/11/21 21:48:16 8u0RrZWZ0
次スレも立たず、特にどうもなっていないようです
576:CC名無したん
05/11/26 22:49:26 N+/yYokQO
最悪
577:126 ◆GUY03yKpmQ
05/11/28 01:51:09 yM3eENoa0
表演は無事に終わったみたい。あたしと衛くんが拍手をあびながらステージから降りると、
最初にやってきたのは、知美ちゃんと龍平だった。
「すてきでしたわ~!」
「そ、そうかなぁ。あたし、夢中でよく覚えていない・・・」
収式(終わりのポーズ)をとるまで、あたしの頭の中は真っ白だっんだ。
「ちゃんと練習どおりだったよ」
衛くんがにっこりと笑って言った。
「ほんと?」
思わず、あたしも笑った。あたしと違って、衛くんは表演の間もちゃんと冷静だったみたい。
衛くんって、やっぱりすごいんだ。
そこに、パパとママに張教授もやって来た。
「ふたりとも、よくやったな」
「よくがんばったわね、すみれちゃん」
「よくやったわ、エドワード」
あたしと衛くんは照れまくりだった。
578:126 ◆GUY03yKpmQ
05/11/28 01:52:45 yM3eENoa0
そして、その日も夕方になった。
「もう、夕方だね」
あたしと衛くんは、刀器を持ちながら、ペンギン公園を通りかかった。
きょうのイベントがそろそろ終わりになるというとき、パパたちは
「俺は基金の理事だからな。さくらといっしょに打ち上げのパーティに出なければいけないんだ。
あまり遅くならないはずだが、すみれたちは先に帰ってくれないか?」
「うん、わかったよ。パパ」
張教授も
「私もそのパーティに招待されているから・・・エドワードも先に帰ってね」
「うん、おばあちゃん」
「じゃ、龍平もいっしょに帰ろうか」
あたしが龍平に向かって言うと、知美ちゃんが
「龍くんは、きょうのビデオの編集をお手伝いしていただくんです」
「えっ?」
龍平は、ちょっと驚いていた。そんなことは聞いていなかったようだ。すると、知美ちゃんは
龍平に小声で何か言って、
「ですから、龍くんは私といっしょに」
「う、うん」
龍平がぎこちなくうなずくと、知美ちゃんは、
「ですから、すみれちゃんと龍くんはおふたりで帰ってください」
と言って、にっこりと笑った。
(ひょっとしたら・・・知美ちゃん、気をきかせてくれたつもりなんだろうか・・・)
と、考えてみたけれど、ふたりで帰るからといって、急になにか特別なことが起こるわけでもない。
あたしと衛くんは、いつもと同じようなとりとめのない会話をしながらペンギン大王の前を
通り過ぎようとした。
579:126 ◆GUY03yKpmQ
05/11/28 01:54:56 yM3eENoa0
「・・・!」
あたしたちは、急に気配を感じて立ち止まった。
「衛くん?」
衛くんはうなずいて、
「うん、闘気を感じる」
あたしもうなずいた。けれども、あたしが感じたのは闘気だけじゃなかった。
(これは・・・クロウ・カードの気配だ!)
あたしたちが身構えると、木の陰から、格闘ゲームのようなコスチュームを着た女の人が現れた。
その姿は、知世おばさんが撮ったビデオで見たことがある。
(あれは、ファイトのカードだ!)
あたしたちが驚いていると、ファイトのカードはあたしたちに向かって歩くのをやめて、
両手を合わせて軽い掌礼をした。それにつられて、あたしも思わず返礼する。次の瞬間、
「!!!」
ファイトのカードは、あたしのすぐそばまで移動した。あたしの方が背が低いのに、それでも
おそろしく低い位置から、拳があたしに向かって突き出される。
「キャーーァァアア!!」
刀器を構えても、化勁が間に合わない。刀器に拳を受けて、あたしのからだは刀器といっしょに
はじき飛ばされた。
「木之本さん!」
580:CC名無したん
05/11/28 04:42:20 vtbaP+Tn0
乙です
いつも楽しみにしてます
581:CC名無したん
05/11/28 06:26:55 WdSzx2FR0
燃えよフー・ファイターズ
582:CC名無したん
05/11/28 20:52:38 VD0rd5Bs0
最近くるの早いね
583:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/05 02:14:26 8zzhkZ990
(だめ・・・!)
空中でバランスをくずして、受け身を取れない。すっ、と衛くんの顔があたしの目の前に現れた。
「あや?」
衛くんが、空中で、あたしを抱きとめて・・・そのまま着地。
そしたら、あたし、衛くんに、お姫さまだっこされていた!
「ほ、ほぇーーーーーーーーーー!!!」
あたしの悲鳴で、衛くんの目は×になった。
「お、下ろしてくれない?」
「う、うん」
耳がギンギンになりながら、衛くんはあたしのからだを下ろしてくれる。
「あ、ありがとう。ごめん。せっかく、助けてくれたのに、変な声出しちゃって」
「う、うん。いいんだ」
あたしが衛くんから離れると、衛くんは、ファイトのカードを見た。
ザッ
衛くんが構えると、ファイトも同じように構えた。ふたりの間に闘気が高まって、
「ハァアアッ!」
584:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/05 02:15:26 8zzhkZ990
「・・・すごい」
衛くんとファイトは、もう四十合も戦っていた。ふたりの技もスピードもほとんど互角だ。
けれども、からだの小さい衛くんの方が不利だった。リーチの差だけ、攻撃が決まりにくい。
「っうっ!」
とうとう、衛くんがファイトの攻撃をまともに受けてしまい、
ズザーッ!
地面に倒れこんだ。衛くんは、小さくうめいて動かなくなった。
「衛くん!」
あたしは駆け寄った。急いで、衛くんの首筋に手をあてる。
・・・脈はある。
そして、口元に手をかざす。
・・・息もしてる。
気を失っているだけのようだ。
ファイトのカードは、衛くんに勝ったのを確認すると、あたしたちに背を向けて歩き出した。
どうしよう。このままじゃ、ファイトがどこかに行ってしまう!
585:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/05 02:17:05 8zzhkZ990
そのとき、あたしは足元の落ちていた、刀器に気がついた。思わず、それに手を伸ばす。
そして、パパとの約束を思い出した。
『これだけは、絶対約束してくれ。俺が見ていないところでは、絶対に刀器を使わないこと』
でもそれじゃ、あたしの拳法だけじゃ、衛くんをひどいめにあわせたカードが、どこかに行っちゃうのを
止められない。
「そんなの・・・やだ」
それに、あたし、カードキャプターなんだ。
だから、だから、ファイトに勝って封印しなくちゃいけないんだ。
「パパ、ごめんなさい」
あたしは、パパに謝ると、刀器を手に取って、カバーをはずした。
そして刀器を中段に構えると、ファイトに向かって叫んだ。
「待って!」
ファイトは、あたしの方を見る。
「あたしと・・・もう一度勝負して!」
ファイトは、なぜか悲しそうに、小さくうなずいた。
586:CC名無したん
05/12/05 06:03:01 iTeuB9NF0
カード名:『ファイト』
本体:クロウ
破壊力:B スピード:B 射程距離:A
持続力:A 精密動作性:C 成長性:E
人間を見かけると無差別に攻撃する。
587:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/12 01:18:36 mZO5Zn+b0
「ハァッ!」
気合とともに、ファイトはハイジャンプをした。そして、そのまま上空からあたしにめがけてキック。
あたしは、刀器を横に構えて勁を流しこむ。
「・・・抜草尋蛇!」
同時に、ファイトのキックが刀器を直撃した。
「・・・くっ!」
化勁でかわしきれない分、腕から足にかけて痛みが走った。あたしの足が地面にめりこんだ。
「ッハァッ!」
ファイトは一撃で刀器を壊せないとわかると、反動を利用してバックジャンプ。
着地すると、次の瞬間にもう一度ハイジャンプをして、刀器をめがけてキックしてきた。
力ずくで押し切る気だ。もう一度、
「抜草尋蛇!」
キックを刀器に受けた瞬間、今度は、からだを流してファイトの力を少しでもかわそうとした。
ファイトも、あたしの動きを利用して、あたしの後ろをとろうと、刀器を蹴って、あたしの右に
ジャンプした。そのとき、ファイトの脇腹があいた。今だ。
「云頂横掃刀!」
ファイトの脇腹めがけて、あたしは全力で刀器をなぎ払った。
588:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/12 01:19:55 mZO5Zn+b0
「グハッ!」
一撃を受けて、体勢をくずしたファイトに、あたしはからだを一回転させて遠心力でニ撃めを打ちこんだ。
「回頭望月!」
「ウッ!」
あっけなく二撃めが決まって、ファイトが地面に倒れこむ。あたしは杭を打つように刀器を両手で持つと
思いっきり振り下ろした。
「提膝亮刀・・・!?」
刀器が止まる。三撃めを寸止めして、あたしは刀器を戻した。
「ど、どうしたの?」
ファイトは、なにも答えずに、地面の上で仰向けになった。
「急に気配が弱くなっている。ひょっとして・・・もう、魔力が残っていないんじゃ・・・?」
ファイトは、弱々しくうなずいた。
「それで、あたしの技が急に決まるようになったんだね」
ファイトは、またうなずいた。
589:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/12 01:21:36 mZO5Zn+b0
「オ前ガ、ウラヤマシイ」
「ほぇ?」
「誰カヲ守ルタメニ、何カヲ成シ遂ゲルタメニ戦ウ、オ前ガ、ウラヤマシイ」
「ちょ、ちょっと、とつぜん、なにを言っているの?」
「私ハ、かーどダ。コレマデ、多クノ主(あるじ)ニ仕エテキタ。私ハ、主ノ命ニ従イ、
誰カヲ傷ツケルタメ、何カヲ壊スタメニ戦ッテキタ」
「・・・」
「ダカラ、最後ノ主ガ亡クナッタ時ニ、私ハ決メタ。残サレタ魔力ガ続ク限リ、タダ戦オウ。
傷ツケルタメデモナイ、壊スタメデモナイ戦イヲ、シヨウ」
「・・・そんな」
「ソシテ、戦ッテ、戦ッタノダ」
「ちょっと待って。あなた、クロウ・カードでしょう?」
ファイトさんは、びっくりしたように、あたしを見直した。
「だったら、思い出して。確かに、あなたにひどい戦いをさせた主さんもいたかもしれない。
でもでも、あなたを作ったクロウさんはどうだった?クロウさんは、あなたに、人を傷つけたり、
何かを壊すようなことをさせた?」
「・・・」
ファイトさんは目を閉じた。そして、その目から涙が流れ出した。
「・・・思イ出シタ・・・ソウダ。くろうハ、ソノヨウナ事ヲ、シナカッタ。ソレニ、オ前ハ、くろうニ
似テイル。魔力ノ波動ガ、くろうニ、似テイル」
「クロウさんは、あたしの、ご先祖さまだから」
「・・・ソウカ・・・懐カシイ・・・ソレニ、オ前ノ波動ハ、トテモ暖カイ」
「ファイトさん」
「ナンダ?」
「こんどは、あたしがファイトさんの主になってあげる。そうしたら、もう二度とファイトさんに
ひどいことにさせない。約束するよ」
けれども、ファイトさんは、あたしのことばを聞いて、とても悲しそうな顔をした。
590:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/12 01:22:42 mZO5Zn+b0
「・・・ソレハ、ダメダ」
「どうして?封印すれば、あたしが主になれば、だいじょうぶだよ」
「知ラナイノカ?私ノ魔力ハ、モウ、ホトンド残ッテイナイ。封印スルニハ、アル程度ノ魔力ガ、
かーどニ残ッテイナケレバナラナイノダ」
そう言い終えた、ファイトさんのからだが、ところどころ透明になった。そして、その透明な部分が
どんどん広がっていく。
「ファイトさん!」
あたしは、フラワーのカードさんを封印したときの、ユエさんとの会話を思い出した。
<回想シーン:「すみれと花に込められた想い」より>
「このカードは、魔力が足りなくて消えかけている」
「だから、封印すれば元気になるって、ケロちゃんが言ってました」
「もう手後れだ。これだけ弱っていては、封印の衝撃に耐えられずに、ただのカードになってしまうぞ」
</回想シーン終わり>
「そんなの、だめ、だめだよ!」
あたしの足元に、魔方陣が現れた。
「封印解除(レリーズ)!」
あたしは、封印の杖を手にすると、
「汝のあるべき姿に戻れ、クロウ・カード!」
591:CC名無したん
05/12/12 15:57:26 navGHGby0
ファイトが死んだら本体であるクロウが死んでしまう。
592:CC名無したん
05/12/17 12:05:35 8vnREG/j0
ε ⌒ヘ⌒ヽフ
( ( ・ω・)
ε ⌒ヘ⌒ヽフ⌒ヽフ
( ( ・ω・) ω・)
ε ⌒ヘ⌒ヽフ⌒ヘ⌒ヽフ⌒ヽフ
( ( ・ω・) ( ・ω・)ω・)
ε ⌒ヘ⌒ヽフ⌒ヘ⌒ヽフヘ⌒ヽフヽフ
( ( ・ω・) ( ・ω・) ・ω・)ω・)
しー し─Jしー し─J し─J J
【ゴールデンレス】
このレスを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
そうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です。
593:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/19 01:15:01 osyoY1Ag0
「・・・スマナイ」
ファイトさんはそうつぶやいて、封印の杖から伸びた光に包まれた。
そして、シューっという音とがして、光が消えると、
ぺたり
あたしの足元に、カードが落ちた。
「ファイトさん!」
あたしは、あわててファイトのカードさんを手にした・・・
「!」
いままでのカードさんとぜんぜん違う。カードにうっすらと模様が描かれているけれど、
何が描いてあるのかよくわからない。なにか絵の具がうすく塗ってあるような感じだ。
「ファイトさん!」
あたしは、ファイトのカードさんをほおにあてた。けれど、ほかのカードさんのような力が
伝わってこない。これって、ひょっとして封印できなかった・・・?
「そんな・・・じゃ・・・ファイトさんは・・・消えちゃったの・・・?」
あたしは、ファイトさんを胸に抱きしめて、立ちつくした。
594:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/19 01:16:18 osyoY1Ag0
「エドワード?」
そのとき、急に人の声がした。張(チャン)教授だ。あたしは、あわててファイトのカードさんと
封印の杖をしまった。
「どうしたの、エドワード!?」
張教授は、倒れている衛くんのそばに駆けよった。
「あ、あの、小見先生を倒した格闘家に戦いを挑まれたんです。それで、衛くんが戦ってくれて・・・」
「まぁ。木之本さんは、だいじょうぶですか」
「だいじょうぶです。衛くんが助けてくれたから・・・けど、衛くんが・・・」
「うう・・・」
そのとき、衛くんがうめいた。
「衛くん?」
「エドワード、だいじょうぶですか?」
「チャ・・・おばあちゃん、どうしてここに?」
「あなたの気配が急に消えたから・・・ううん、あなたが忘れ物をしていたから、途中でパーティを
抜け出して来たのよ」
「・・・思い出した。戦っていて・・・木之本さん、あの」
「あの格闘家ね。衛くんに勝って、気がすんじゃったみたいで、どっかに行っちゃった。
あたし、弱すぎるから、相手にされなかったみたい」
あたしは、とっさにうそをついた。カードのことを衛くんに話すわけにはいかない。
そんなあたしを、衛くんはしばらく見つめていた。
595:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/19 01:18:24 osyoY1Ag0
「木之本さん、念のため、エドワードを病院に連れて行こうと思います。木之本さんは、もう、
おうちに帰ってもよろしいですよ」
「そんな、じゃ、病院までいっしょに」
「エドワードのことでしたら、私がついています。木之本さんのご両親には、私からも電話して
おきますから」
「は、はい」
少し強引な、張教授のことばに、あたしは、「はい」と答えるしかなかった。
「じゃ、あたし、帰るから。衛くん、ほんとうにありがとう」
「う、うん」
「失礼します」
あたしは、ふたりにペコリと頭をさげると、おうちに向かって走り出した。
走りながら、ポケットの中のファイトさんを確かめる。何回も確かめる。
・・・
いつのまにか、涙で前がよく見えなくなった。
596:CC名無したん
05/12/19 13:40:38 X7RbXsar0
ファイト→死亡
衛→プライドを砕かれる
すみれ→泣いた
リタイヤ
小見先生→人知れず入院(再起不能)
597:CC名無したん
05/12/21 22:24:45 oFVm/h7k0
続きが激しく読みたいです。いつも乙です。
598:CC名無したん
05/12/23 01:31:15 MeK777iK0
保守
599:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/24 00:40:43 JtbSJG620
それからしばらくして、エドワードの部屋での会話
「お医者さまはたいしたことはない、とおっしゃっていましたが、大事をとって、きょうは、
おとなしくしていてください」
「・・・ああ」
ベッドに横たわるエドワードは、祖母ということになっている存在に、くやしそうな口調で答えた。
「やっぱり、木之本さんは、ファイトを封印できなかったんだろうか」
「・・・そうだと思います。私が公園に着いたとき、カードの気配は途切れそうでしたから」
「ぼくの失敗だ。ファイトにやられて、ほんとうに気を失ってしまうなんて」
「しかたありませんわ。エドワードがファイトに負けるなんて、予想できる人はいません。
それに、すみれさんが見ている前で、魔力を使うわけにはいきませんし」
実は、エドワードは、ファイトとの戦いで、負けたふり、気を失ったふりをするつもりだったのだ。
『ファイトの魔力はもう残り少ない。ぼくが最初に戦って、木之本さんが封印できる程度に魔力を削り、
適当なところで気を失ったふりをして、木之本さんのようすを見よう。木之本さんがうまく封印
できないときは、気付かれないようにぼくの魔力で助けよう』
・・・それが、エドワードの思惑だった。だが、残り少ない魔力で、すべてを戦いに打ち込んだ
ファイトの力が、一時的ではあっても、エドワードの力を超えてしまったのだ。
「あまり気を落とさないでください。クロウ・カードが封印されず、消えてしまうということは、
ゴールデン・ドーンにとって、けっして悪いことではないのですから」
「うるさいっ!」
珍しく声を荒げて、エドワードはふとんの中にもぐりこんだ。そして、ふとんの中でつぶやいた。
「木之本さん、今ごろは・・・」
600:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/24 00:42:10 JtbSJG620
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
あたしは封印の杖を振り下ろした。そして、その杖の先には、ファイトのカードさんがいる。
けれど、なにも起こらない。あたしは、封印の杖を振り上げて、そしてもう一度、
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
今度も、なにも起こらない。あたしはとうとう泣き出してしまった。
もう、何回繰り返したんだろう。おうちに帰ってから、あたしは、ファイトさんを封印しようとした。
このままでは、ファイトさんが消えてしまう、それだけはどうしてもいやだ。封印できれば、
ファイトさんは消えずにすむんだ。ただだだ、それだけを考えて、何十回、何百回と・・・
「・・・あれ?」
とつぜん、あたしのひざが、がくん、と落ちた。そして、さっきからの泣き声が止まらない。
だめだよ。泣いている時間があるんだったら、もう一度、封印しなくちゃ。さぁ、もう一度。
そう思っても、立てない。あたしの、杖を持つ手がぶるぶるとふるえて、止まらない。
「・・・すみれちゃん」
そのとき、声がした。声がした方を見ると、
「ママ!」
あたしは、ママに抱きしめられた。
601:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/24 00:43:39 JtbSJG620
帰宅したすみれがリビングで封印を始めたのを、最初に気がついたのはケルベロスだった。
「すみれ、なにがあったんや?」
なにが起こったのか聞こうとしても、とても聞くに聞けない状態だった。事情はわからなかったが、
すみれがクロウ・カードの封印に失敗したことがわかると、ケルベロスはすぐにさくらたちに連絡した。
そして、急いで帰宅したさくらたちが見たのは、涙で顔をくしゃくしゃにしながら、ファイトの封印を
繰り返す、すみれの姿だったのだ。
「なんども・・・なんども・・・封印しようと・・・したんだよ・・・でも・・・でも・・・
ファイトさんが・・・ファイトさんが消えちゃう・・・そんなのいやだ・・・いやだよぉ・・・」
今、すみれはさくらの胸で泣きじゃくっている。
小狼と龍平、そしてケルベロスは、そんなふたりを見守ることしかできない。
「パパやママの魔法で、おねえちゃんを助けられないの?」
龍平の質問に対して、小狼は首を横に振った。
「残念だが、さくらも、俺も、あそこまで魔力が弱くなったカードは、どうすることもできないんだ」
「そんな・・・じゃ、ケロちゃん、助けてよ。ケロちゃんは、カードの守護獣なんでしょ!」
ケルベロスは、うつむいたまま答えた。
「龍平・・・どんなことでも魔法の力で解決できたらええんやけどな・・・カードでも魔法でも
できんことはあるんや・・・」
「・・・そんな。そんなのだめだよ。おねえちゃんが泣いているんだ。あんなにがんばって、
カードを集めてきたおねえちゃんが、泣いているんだよ。だから、どうにかしなくちゃ。
どうにかしなくちゃ、いけないんだ」
龍平もまた、泣き出しそうになっていた。
<すみれと封印できないカード:終劇>
602:CC名無したん
05/12/24 08:25:27 +1VLEgU60
『永(エターナル)』でこの世に留める。
603:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/26 01:13:28 FrLCh1jC0
参考文献
「僑郷開平閥氏刀法」 中国開平市郵政局発行
李家刀法の技名は、これから借用しています。
中国語はわからないので、細かい突っ込みは勘弁してください。
604:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/26 01:15:13 FrLCh1jC0
次回予告
これは、まだ、チュルミンがすみれに出会う前の物語
「こんばんは。ミラーさん」
「なんや、ゆーぼー?せっかくのクリスマス・イブなのに」
ここは、なにわシティのとあるマンションにある、小さな探偵オフィス
持ち込まれるのは、人知を超えた不思議な事件
「これが、人外のしわざと言うわけか・・・そんなら、うちの出番やな」
そしてミラーに従う、なにわの精霊、食い倒れのあんちゃん
「あねさん、ひっかりました。わいの人外探知網に」
「ほんまか?見つかったか?」
もうひとりの精霊、1粒300メートル
「300メートル!ゆーぼーをこっちに!」
「はい!ミラーさん!」
ギゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
「なんや、この魔力波は?」
「ミラーさん、これは、ひょっとして?」
「あかん!このままやと、大変なことになる!」
605:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/26 01:16:39 FrLCh1jC0
もたらされし力は、ゴールデンドーンの魔法
「ファシリテータ!」
¶「As you wish」
強く支えるのは、クロウ・リードの想い
「あんたも、わかっとるんやろ?クロウはんは、そんなことのためにあんたを作ったわけやない。
だから、もうやめるんや」
そしてミラーに、なにわシティに訪れる危機
「どうしたんや、ファシリテータ!?」
¶「Arcanum finished up」
「なんやて!?」
ギゴゴゴゴゴゴ・・・
「このままやと、なにわシティがーーーーーーーーっ!!」
年末年始特別編成
カードキャプターすみれ外伝 ふしぎ探偵ミラクル・ミラー
606:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/26 01:17:40 FrLCh1jC0
どう見ても魔砲少女です。
本当にありがとうございました。
607:CC名無したん
05/12/26 12:19:22 LTqLlFeG0
ゴールデンドーンで思い出した
860 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/28(水) 20:59
僕はいつも学校に行くためにバスに乗ってるんですけど、
そのバスは右に曲がった
そのいつも乗ってるバスで、ある日おかしな事があったんです。
だって、いつものような、おばあさんもがいるから、
最後まで行ったんです。痛いから。
それで、そこまでは別に良かったんですけど、めちゃくちゃ
大きい紙袋の紙じゃない版みたいなのがあって、
ボールみたいなのもあって、シルクハットをかぶってる人も
いっぱいいたんです。
おかしいですよね?普通の道を通ってるのに。
それでもバスはずうっと普通に進んでたんですけど、
ある道を左に曲がった所で、いきなり急ブレーキをしたんですよ。
それで、本当に急にキー---って止まったんで、
中に乗ってた人が、バランスを崩してこけそうになったんです。
僕は席に座ってたんで大丈夫だったんですけど。
でも、本当におかしい事は、学校に行く直前に起こったんです。
そのバスはいつも、大きな公園の横を通って行くんですけど、
その頃、ちょうどそのいつもの道は工事してたんで、
ちょっと遠回りして、トンネルがある方の道から行ってたんです。
それで、そのトンネルのちょうど真中ぐらいまで通ったところで、
そのバスが”ガチャ”とか言いながら止まったんです。
僕はもちろんおかしいな、と思いました。
で、気づくと、バスは既に学校前のバス停に着いてました。
僕は、あれ?おかしいなぁ?とか思いながらバスを降りて、
その日も普通に学校に行きました。
そのバスに乗ってた人はもうみんな死んだんですけど。
608:CC名無したん
05/12/26 12:20:34 LTqLlFeG0
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / なんだよ、読点多いわ主述あいまいだわ意味わかんねえわで
/`゙i ´ ヽ ! 怪しいとこだらけじゃねえかよ…
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
609:CC名無したん
05/12/26 12:21:27 LTqLlFeG0
,. -─v─- 、 、
__, ‐'´ `ヽ
..≦ `i,
..≦ i、
1 イ/l/|ヘ ヽヘ i
l,_|/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、,l`ヘ .,|
.レ二ヽ、 、__∠´_"` ! / やはり僕はこの
riヽ_(:)_i '_(:)_/ |i)' 「そのバスに乗ってた人はもうみんな死んだんですけど。」
!{ ,! ` μ! というのが怪しいと―
゙! ヽ ' u ,i!
!、 ‐=ニ⊃ ,,ハ
ヽ ‐- / "ト、
ヽ.___,._/ // \
//イ;;::::: //〃 ヽ、
/ /i:::::. // ヽ
610:CC名無したん
05/12/26 12:23:02 LTqLlFeG0
|丶 \  ̄ ̄~Y~ 、
| \ __ / \
|ゝ、ヽ ─ / ヽ |
│ ヾ ゝ_ \ |
│ ヽ_ _ / /| |\ \|
\ヽ _ // / | \ |
ヽ\二_二// ∠二二二| ヘ|
| | | ヽゝソゝ|TT|<ゝソ フ |/b} だからそれはノイズ…ああもういいや、
ヾ| ヽ___ ノ/|| .ミ__ ノ | ノ おーいみんなコイツ今からシカトなー
| ⊿ /フ
| u .F二二ヽ /|/
\. |/⌒⌒| イヽ
/. \ ==′/ |.| |
 ̄|| ヽ__/ / / ̄
\ヽ_____ノ ノ
──―
611:CC名無したん
05/12/26 12:25:08 LTqLlFeG0
,. -─v─- 、 、
__, ‐'´ `ヽ
..≦ `i,
..≦ i、
1 イ/l/|ヘ ヽヘ i
l,_|/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、,l`ヘ .,|
.レ二ヽ、 、__∠´_"` ! /
riヽ_(:)_i '_(:)_/ |i)' ・・・・・・!
!{ ,! ` μ!
゙! ヽ ' u ,i!
!、 ‐=ニ⊃ ,,ハ
ヽ ‐- / "ト、
ヽ.___,._/ // \
//イ;;::::: //〃 ヽ、
/ /i:::::. // ヽ
612:CC名無したん
05/12/26 12:26:34 LTqLlFeG0
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / じゃあお前が怪しいとにらんでる部分はどこなんだ?
/`゙i ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
613:CC名無したん
05/12/26 12:27:20 LTqLlFeG0
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::|
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
ちょっと待ってくれ。順を追って話す。
まず
>ボールみたいなのもあって、シルクハットをかぶってる人
シルクハットを身に付け、ボールを扱う人といえば
誰を連想する?
614:CC名無したん
05/12/26 12:28:05 LTqLlFeG0
_
, ‐''´~ `´ ̄`‐、
ヽ‐'´ `‐、
≦ ヽ
≦ , ,ヘ 、 i
l イ/l/|/ヽlヘト、 │
|/ | ! | | ヾ ヾヘト、 l
! ‐;-、 、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
} ' (:)〉 ´(.:)`i |//ニ ! マジシャン…ですか?
゙! 7  ̄ | トy'/
! `ヽ" u ;-‐i´
ヽ ` ̄二) /ヽト、
ヽ、 ー / ゝ
\ __, ‐' / / \
 ̄ i::::: / /
615:CC名無したん
05/12/27 00:21:28 hXnrIZW00
,ィ, (fー--─‐- 、、
. ,イ/〃 ヾ= 、
N { \
ト.l ヽ l
、ゝ丶 ,..ィ从 |
\`.、_ _,. _彡'ノリ__,.ゝ、 |
`ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ そうだ。では魔術師といえば誰を連想する?
. |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ
ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐' ,ン
l r─‐-、 /:|
ト、 `二¨´ ,.イ |
_亅::ヽ、 ./ i :ト、
-‐''「 F′:: `:ー '´ ,.
616:CC名無したん
05/12/27 00:24:58 hXnrIZW00
,. -─v─- 、 、
__, ‐'´ `ヽ
..≦ `i,
..≦ i、
1 イ/l/|ヘ ヽヘ i
l,_|/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、,l`ヘ .,|
.レ二ヽ、 、__∠´_"` ! /
riヽ_(:)_i '_(:)_/ |i)' やはりデビッド・カッパーフィー…
!{ ,! ` μ!
゙! ヽ ' u ,i!
!、 ‐=ニ⊃ ,,ハ
ヽ ‐- / "ト、
ヽ.___,._/ // \
617:CC名無したん
05/12/27 00:26:07 hXnrIZW00
,. ─- 、,,.___
,イ〃 `ヽ,__
. N. {' \
. N. { ヽ
. N.ヽ` 〉
N.ヽ` ,.ィイ从 /
. ヾミ.___-‐=彡'ノノノ__,ゞミ=-_rく そう、20世紀最大の魔術師と言われた黒魔術師、
lrf´ゞ“モ=ヾーf =モチ<}rv^i ! アレイスター・クロウリーだよ!
ヾト、` ̄,り「弋!  ̄´ノ ソ
!  ̄ ii{_,.  ̄ /r'´ URLリンク(www7.ocn.ne.jp)
,ゝ、 iー-ー、 , ' |\
-‐''7´ ドヽ. `ニニ´ ./;; | ヾ''ー-
/ ト、 ` ー-- ´ ,;' ,イ :|
. / :ト、` ー-、 r--‐_'´/ |
/ _,..、-‐\  ̄! レ' 厂 /へ、 :|
T´ ヽ\l.0| V / / / \ |
618:CC名無したん
05/12/27 00:27:21 hXnrIZW00
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / でもよう、そのおっさん60年くらい前に死んでるんだろ?
/`゙i ´ ヽ ! 死人が蘇るとでもいうのかよ?
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
619:CC名無したん
05/12/27 00:28:52 hXnrIZW00
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::|
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
ああ、クロウリー本人は死亡している。 しかしクロウリーが所属していた秘密結社、
「黄金の夜明け団(Hermetic Order of the Golden Dawn)」が
現代に生き残っている事が>>73からわかる。 証拠を見せよう。
>トンネルがある方の道から行ってたんです。
「トンネル」は闇から光へ抜けるものの隠喩で「明け方」、「ある」は元素記号のArで「金」、
すなわち「黄金の夜明け」だよ!
620:CC名無したん
05/12/27 00:29:41 hXnrIZW00
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / そ、そいつらはいったい何をするつもりなんだ?
/`゙i u ´ ヽ ! 教えてくれキバヤシ!
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
621:CC名無したん
05/12/27 00:34:43 hXnrIZW00
,. ─- 、,,.___
,イ〃 `ヽ,__
. N. {' \
. N. { ヽ
. N.ヽ` 〉
N.ヽ` ,.ィイ从 /
. ヾミ.___-‐=彡'ノノノ__,ゞミ=-_rく
lrf´ゞ“モ=ヾーf =モチ<}rv^i ! 何もしやしないさ。ただ予言しているだけだ。
ヾト、` ̄,り「弋!  ̄´ノ ソ …5月26日に起きた宮城沖地震をな!
!  ̄ ii{_,.  ̄ /r'´
,ゝ、 iー-ー、 , ' |\
-‐''7´ ドヽ. `ニニ´ ./;; | ヾ''ー-
/ ト、 ` ー-- ´ ,;' ,イ :|
. / :ト、` ー-、 r--‐_'´/ |
/ _,..、-‐\  ̄! レ' 厂 /へ、 :|
T´ ヽ\l.0| V / / / \ |
622:CC名無したん
05/12/27 00:35:34 hXnrIZW00
_人人人人人人人人人人人人人人_
> な・・・・なんだってー!! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν _,.-'""`´""ヽ
i' / ̄""''--i 7 Σ ヽ
. !ヘ /‐- 、u. |' | /i'i^iヘ、 ,、、 |
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ . !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
. ,`| u ..ゝ! (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\ (二> / | 7  ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' / .ヽ `''⊃ , 'v>、
!、\ \. , ̄ \二-‐' //
623:CC名無したん
05/12/27 11:25:24 hXnrIZW00
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::|
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
「バランスを崩してこけそうになった」のは地震を表しているに他ならない。
そして日付だが…ここを見てくれ。
>本当に急にキー---って
「本当」は「真実」に言い換える事ができる。
真実を言葉に持つ宝石はエメラルド。エメラルドは5月の誕生石だ!
そして次の「に急」は26日の事だ!
624:CC名無したん
05/12/27 11:28:44 hXnrIZW00
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / ちょっと待て、「に急」じゃ「にきゅう」で
/`゙i ´ ヽ ! 29日になっちまうじゃねえか!?
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
625:CC名無したん
05/12/27 11:30:23 hXnrIZW00
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::|
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
落ち着いてその次を見てみろ。
「キー」の後に長音ではなくマイナスが三つある。不自然だと思わないか?
文字通りそこがキーだったんだ。 そう、9から3マイナスすれば…6!
つまりここの一文だけで5月26日をあらわしているんだよ!!
626:CC名無したん
05/12/27 11:31:13 hXnrIZW00
_人人人人人人人人人人人人人人_
> な・・・・なんだってー!! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν _,.-'""`´""ヽ
i' / ̄""''--i 7 Σ ヽ
. !ヘ /‐- 、u. |' | /i'i^iヘ、 ,、、 |
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ . !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
. ,`| u ..ゝ! (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\ (二> / | 7  ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' / .ヽ `''⊃ , 'v>、
!、\ \. , ̄ \二-‐' //
627:CC名無したん
05/12/27 11:32:27 hXnrIZW00
ちなみに
>そのバスは右に曲がった
>左に曲がった所で、いきなり急ブレーキ
のところで
「フィリピン海プレートから北上して『右に曲がり』
太平洋プレートに合流して『左に曲がった所』は宮城沖だ!」
というネタも考えていたのだが、それだと震源地と遠すぎるし、
第一そんなAA作れないのでパスだ。
太平洋プレート
URLリンク(www.8tokenshi-bousai.jp)
628:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/28 02:08:31 F6Dc6zfy0
「うまそうやなぁ。われながら上出来や」
その少女は、焼きあがったローストターキーが載ったお皿をテーブルに、そっとおろした。
同じテーブルの上には、ローストターキーのほかに、クリスマス・プディング、ミンスパイ、
それにいろいろなオードブルや飲み物が置かれている。
「さぁてと」
少女は、エプロンをはずすと、腰まで届く髪をかきあげた。その栗色がかった髪は、オフタートルの
モヘアセーターの上できらきらと輝いている。
「そろそろ食べよか」
少女はさらっと言ったが、事情を知らない人がそこに居合わせていたら、びっくりするはずだ。
なぜなら、テーブルの上にある食べ物は、少なくとも、10人分ぐらいの量はあるのだ。
それなのに、この部屋にいるのは、11歳ぐらいの少女がひとりだけ。
パーティの準備をしていた・・・わけではない。きょうはクリスマス・イブだというのに、
部屋にはそれらしい飾りつけがほとんどない。わずかに、小さなツリーがあるだけだ。
それに、グラスの数や取り皿の数も、パーティとは思えない少なさである。
どうやら、少女は、これだけのものを、ひとりで食べるつもりのようだ。飲み物に手を出した少女は、
急に手を止めて、
「これは・・・ゆーぼーの気配やないか?」
インターホンのそばに、ぱたぱたと駆け寄った。
629:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/28 02:09:45 F6Dc6zfy0
ぴーんぽーん。
まもなく、平凡なチャイムの音が鳴った。インターホンのカメラに、少年の顔が映る。
「こんばんは。ミラーさん」
「なんや、ゆーぼー。せっかくのクリスマス・イブなのに」
「残業だったんだけど」
「公務員やから、そのぐらい働いてもらわな」
「公務員でも、まじめに働いている人は大勢いるし」
「それは・・・そうやけど。で、なんや?うちに仕事か?」
「それもあるけど・・・せっかくだから、差し入れを買って来たんだ」
カメラの前で、少年は、両手をカメラに映るようにした。右手にはケーキボックスが、左手には
お菓子や飲み物が入っている、コンビニの袋を持っていた。
「ありがとさん。今、ロックを解除するわ」
解除音がしたのを確認すると、少年は、ドアを開けた。
そのドアの隣には、ツーテイルの少女のイラストを描かれているボードがかかっていた。
そしてそのボードには、イラストの他に、こうも書かれている。
『ふしぎ探偵 ミラクル・ミラー』
これは、まだ、チュルミンがすみれに出会う前の物語
630:CC名無したん
05/12/28 12:44:17 4yAmm0+U0
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / だがキバヤシよ、宮城沖地震は死傷者も出なかったわけだし
/`゙i ´ ヽ ! 今回は別に大したことない予言だったんじゃないか?
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
631:CC名無したん
05/12/28 12:45:16 4yAmm0+U0
,. ─- 、,,.___
,イ〃 `ヽ,__
. N. {' \
. N. { ヽ
. N.ヽ` 〉
N.ヽ` ,.ィイ从 /
. ヾミ.___-‐=彡'ノノノ__,ゞミ=-_rく
lrf´ゞ“モ=ヾーf =モチ<}rv^i ! ああ、大したことない予言だよ。
ヾト、` ̄,り「弋!  ̄´ノ ソ …前半部分はな!
!  ̄ ii{_,.  ̄ /r'´
,ゝ、 iー-ー、 , ' |\
-‐''7´ ドヽ. `ニニ´ ./;; | ヾ''ー-
/ ト、 ` ー-- ´ ,;' ,イ :|
. / :ト、` ー-、 r--‐_'´/ |
/ _,..、-‐\  ̄! レ' 厂 /へ、 :|
T´ ヽ\l.0| V / / / \ |
632:CC名無したん
05/12/28 12:46:01 4yAmm0+U0
_人人人人人人人人人人人人人人_
> な・・・・なんだってー!! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν _,.-'""`´""ヽ
i' / ̄""''--i 7 Σ ヽ
. !ヘ /‐- 、u. |' | /i'i^iヘ、 ,、、 |
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ . !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
. ,`| u ..ゝ! (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\ (二> / | 7  ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' / .ヽ `''⊃ , 'v>、
!、\ \. , ̄ \二-‐' //
633:CC名無したん
05/12/28 12:47:09 4yAmm0+U0
_
, ‐''´~ `´ ̄`‐、
ヽ‐'´ `‐、
≦ ヽ
≦ , ,ヘ 、 i
l イ/l/|/ヽlヘト、 │
|/ | ! | | ヾ ヾヘト、 l
! ‐;-、 、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
} ' (:)〉 ´(.:)`i |//ニ ! じ、じゃあ後半部分にはもっと恐ろしい予言が
゙! 7  ̄ | トy'/ 書かれてあるってことですか!?
! `ヽ" u ;-‐i´
ヽ ` ̄二) /ヽト、
ヽ、 ー / ゝ
\ __, ‐' / / \
 ̄ i::::: / /
634:CC名無したん
05/12/28 12:48:15 4yAmm0+U0
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::|
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
その通りだ。 本文でもこう記されている、
「でも、本当におかしい事は、学校に行く直前に起こったんです。」
と。
下記の箇所を見るんだ。
>それで、そのトンネルのちょうど真中ぐらいまで通ったところで、
>そのバスが”ガチャ”とか言いながら止まったんです。
本州のちょうど真中にある、トンネルに例えられるくらい大きな穴を持つものはなんだ?
635:CC名無したん
05/12/28 12:49:22 4yAmm0+U0
ま、まさか富士山…
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν _,.-'""`´""ヽ
i' / ̄""''--i 7 Σ ヽ
. !ヘ /‐- 、u. |' | /i'i^iヘ、 ,、、 |
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ . !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
. ,`| u ..ゝ! (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\ (二> / | 7  ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' / .ヽ `''⊃ , 'v>、
!、\ \. , ̄ \二-‐' //
636:CC名無したん
05/12/28 12:50:51 4yAmm0+U0
次の行には「”ガチャ”とか言いながら」という記述がある。
山全体が音を立てる現象は一つしかない、噴火だ!
富士山は「止まっている」休火山。
もし富士山の地下に溜まっているエネルギーが一気に解放されたら…
,.ィ , - 、._ 、
. ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__
ト/ |' { `ヽ. ,ヘ
N│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , } l\/ `′
. ヽヽ.\ ,.ィイハ | _|
ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、 | \
.  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ > 日本は一夜にして滅亡する!!
. l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__
゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ トr‐' /
l `___,.、 ./│ /_
. ヽ. }z‐r--| / ト, | ,、
>、`ー-- ' ./ / |ヽ l/ ヽ ,ヘ
_,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´ ./ \、 \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=< / | `'''‐- 、.._
/ !./l \ ./ │ _
_,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\ ./|._ , --、 | i´!⌒!l r:,=i
. | | .l. / |= ヽ/ .| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」
637:CC名無したん
05/12/28 12:53:03 4yAmm0+U0
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
,. -─- 、._ _
,. ‐'´ `‐、 , ‐''´~ `´ ̄`‐、
/ ヽ、_/)ノ ヽ‐'´ `‐、
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ ≦ ヽ
i. /  ̄l 7 ≦ , ,ヘ 、 i
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/ l イ/l/|/ヽlヘト、 │
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l |/ | ! | | ヾ ヾヘト、 l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / ! ‐;-、 、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
/`゙i u ´ ヽ ! ( } ' (:)〉 ´(.:)`i |//ニ !
_/:::::::! ,,..ゝ! ゙! 7  ̄ | トy'/
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / ! `ヽ" u ;-‐i´
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / ヽ ` ̄二) /ヽト、
i、 \:::::::::::::::..、 ~" ヽ、 ー / ゝ
.! \ `‐、. `ー;--'´ \ __, ‐' / / \
ヽ \ \ /  ̄ i::::: / /
638:CC名無したん
05/12/28 13:55:53 4yAmm0+U0
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / いつだ!いつ噴火するんだよ!?
/`゙i u ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
639:CC名無したん
05/12/28 13:56:41 4yAmm0+U0
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.、
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l リ ̄ヽ |l:::::::::::!ニ! !⌒ //
. i ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ':::::::::::::::::ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::i/‐'/
i::::::::::::: .:::ト、  ̄ ´ ::::::::∪::::::l、_/::|
!:::::::::::: :::::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ::::::::::: --──-- :::::::::::::::::: !::::::::::::ト、
それは…掴めなかった…
俺にだってわからないことぐらいある…
640:CC名無したん
05/12/28 13:57:33 4yAmm0+U0
_
, ‐''´~ `´ ̄`‐、
ヽ‐'´ `‐、
≦ ヽ
≦ , ,ヘ 、 i
l イ/l/|/ヽlヘト、 │
|/ | ! | | ヾ ヾヘト、 l
! ‐;-、 、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
} ' (:)〉 ´(.:)`i |//ニ ! で、ですが前半の宮城沖地震は大した被害も無かったんです、
゙! 7  ̄ | トy'/ 今回だって…
! `ヽ" u ;-‐i´
ヽ ` ̄二) /ヽト、
ヽ、 ー / ゝ
\ __, ‐' / / \
 ̄ i::::: / /
641:CC名無したん
05/12/28 13:58:27 4yAmm0+U0
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::|
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
>>73をよく見ろタナカ。
前半は「大丈夫だったんですけど。」で締めくくられている。
しかし後半の締めくくりは―
「 も う み ん な 死 ん だ ん で す け ど 。」
642:CC名無したん
05/12/28 13:59:20 4yAmm0+U0
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
,. -─- 、._ _
,. ‐'´ `‐、 , ‐''´~ `´ ̄`‐、
/ ヽ、_/)ノ ヽ‐'´ `‐、
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ ≦ ヽ
i. /  ̄l 7 ≦ , ,ヘ 、 i
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/ l イ/l/|/ヽlヘト、 │
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l |/ | ! | | ヾ ヾヘト、 l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / ! ‐;-、 、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
/`゙i u ´ ヽ ! ( } ' (:)〉 ´(.:)`i |//ニ !
_/:::::::! ,,..ゝ! ゙! 7  ̄ | トy'/
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / ! `ヽ" u ;-‐i´
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / ヽ ` ̄二) /ヽト、
i、 \:::::::::::::::..、 ~" ヽ、 ー / ゝ
.! \ `‐、. `ー;--'´ \ __, ‐' / / \
ヽ \ \ /  ̄ i::::: / /
643:CC名無したん
05/12/28 14:00:12 4yAmm0+U0
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.、
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l リ ̄ヽ |l:::::::::::!ニ! !⌒ //
. i ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ':::::::::::::::::ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::i/‐'/
i::::::::::::: .:::ト、  ̄ ´ ::::::::∪::::::l、_/::|
!:::::::::::: :::::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ::::::::::: --──-- :::::::::::::::::: !::::::::::::ト、
文明がいかに発達しようと、自然の脅威から逃れることなどできやしない。
そう、俺たちは降りることのできないバスに乗っているんだ……
644:CC名無したん
05/12/28 14:02:38 4yAmm0+U0
,. -─v─- 、 、
__, ‐'´ `ヽ
..≦ `i,
..≦ i、
1 イ/l/|ヘ ヽヘ i
l,_|/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、,l`ヘ .,|
.レ二ヽ、 、__∠´_"` ! / ちょっとキバヤシさん、そこらへんは僕が
riヽ_(:)_i '_(:)_/ |i)' >>75で指摘したフレーズじゃないですか!
!{ ,! ` μ! あの時キバヤシさんはノイズだって言っ―
゙! ヽ ' u ,i!
!、 ‐=ニ⊃ ,,ハ
ヽ ‐- / "ト、
ヽ.___,._/ // \
//イ;;::::: //〃 ヽ、
/ /i:::::. // ヽ
645:CC名無したん
05/12/28 14:03:43 4yAmm0+U0
MMR特別編 初志貫徹
糸冬
646:CC名無したん
05/12/28 19:27:45 aIc07g6I0
>608-627
>630-645
キミ、相当暇なんだねえ・・・。
126氏、毎度乙です。いつも読むのが楽しみです。
次回作?も期待してます。
647:CC名無したん
05/12/28 22:52:20 4yAmm0+U0
だからゴールデンドーンで思い出したから張ったんだって。
648:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/29 02:02:58 6KzbwfEB0
>>629 の続き
「いらっしゃ~い」
少年が、ドアを閉じると、ミラーはすぐそこにいた。うきうきしている。
「そのケーキボックス、『オリビアおばさんのケーキ』のやろ?
うち、そこのタルトケーキ、大好きなんや!」
ミラーはにっこり笑って言った。
「う、うん」
少年は、ミラーの笑顔を見て、少し顔を赤くして、
「そ、そうなんだ。知らなかった。こっちに来る途中でたまたま買って来た」
ミラーには、そのことばがうそだとすぐにわかった。少年の職場からミラーのオフィスまで、
そのケーキ屋に寄ると遠回りになる。それに、クリスマス・イブの日に、この人気のある店の
ケーキを予約なしで買えるはずがない。ということは、わざわざ、予約して買ってきたのだ。
けれども、ミラーは何も言わないことにして、ケーキボックスを少年から取り上げた。
「とにかく、ありがとさん。予定を変更して、クリスマスパーティってことにしようや」
ふたりは、ーミラーが住んでいるのは、住居とオフィスを兼ねたSOHO向けのマンションであるー
奥の部屋に歩いて行った。
649:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/29 02:04:41 6KzbwfEB0
ここで説明しよう。
ミラー。
さくらカードではない方のクロウ・カードの1枚。のちに本編でチュルミンと呼ばれることになる。
前の主が亡くなってから、魔法使いの秘密結社であるゴールデン・ドーンを抜け出し、いろいろあって、
ここなにわシティにたどり着き、そこでまたいろいろあって、持てる魔力とゴールデン・ドーンから
持ち出した魔法の道具を使って、人知では解決できない事件に関わる「ふしぎ探偵」として活躍している。
11歳ぐらいの少女の姿をしているが、これは本当の姿に近く魔力をほとんど使わないですむのと、
人から警戒されにくいのでふしぎ探偵としてなにかと都合がいいという理由に加えて、
「みんなのストライク・ゾーンに合わせたる。それがうちのジャスティスや」(本人談)
ゆーぼー。
本名は、柏木勇(いさむ)。勇が「ゆう」とも読めるので、ミラーには「ゆーぼー」と呼ばれている。
15歳なのだが、アメリカの大学院を飛び級で卒業し、なにわのCIAと呼ばれる、なにわ府
特別調査室の調査官を務めている。府警の手に余る事件を担当し、逮捕権もあり、必要なら
府警に超法規的命令を下すことも可能と言う、なんでもありの超エリート・・・という無茶苦茶な
設定なのだが、頼まれたことにイヤと言えない性格と、魔力の気配を感じたり、結界の中でも動ける
程度の魔力を持っているため、ミラーといっしょにいろいろな事件に巻き込まれることになった。
ちなみに、射撃の腕はプロ級。さすが帰国子女である。
650:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/29 02:05:47 6KzbwfEB0
「いま、飲み物を持ってくるから、そこにすわっててや」
まもなく、シャンパングラスとボトルを持ったミラーが戻ってきた。
「それって・・・お酒?」
「ゆーぼーは未成年やからな。ノンアルコールのシャンパンもどきや。うちもお酒は飲めへんし、
これで少しはイブっぽくしようや」
ポンっという音がして、グラスに飲み物がそそがれた。
「それじゃ、メリークリスマスや」
「うん、メリークリスマス」
チン
ふたつのグラスが音をたてる。グラスに口を付けたあと、ミラーは
「見てみぃ。雪や」
と言って、窓際に駆け寄った。ちらほらと降ってくる雪。そして、その向こうに見える、なにわ通天閣。
「けっこう、ロマンチックやな」
「うん、天気予報では雪になるかは微妙だったけど」
「ええ雰囲気やな」
「うん・・・でも、ミラーさん、この気配は!?」
「気配?」
ふたりは、急にそわそわし出して、あたりを見回した。
651:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/29 02:07:10 6KzbwfEB0
とつぜん、部屋に2つの魔方陣が現れた。
「「やっぱり・・・」」
ミラーとゆーぼーが同時につぶやくと、魔方陣の中央に光が集まり、それぞれが人の形となった。
「「メリークリスマース!」」
魔方陣のふたりがミョーに明るくあいさつすると
「「お前らか!」」
ミラーとゆーぼーは、声をそろえて返した。
「ふたりともーーー!きょうはイブやろ!稼ぎ時にこんな所に来てていいんか!?」
ミラーが毒づくと、腰に太鼓をぶらさげて、ピエロのような服を着ている人物が答えた。
「だいじょうぶや。魔力がない人間には、わいらが消えても気付かんし」
そして、もうひとりのランニング姿の人物は、ゴールインのポーズを取りながら
「それに、ぼくらは精霊といっても、雪の日に外にいるのはやっぱりつらいですぅ」
このふたり、なにわが生んだ地元の精霊である。太鼓男の方は「食い倒れのあんちゃん」、
ランニング男の方は「1粒300メートル」と呼ばれている。
652:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/29 02:09:00 6KzbwfEB0
「まぁまぁ、あねさん。ここしばらくは人外の事件も起きておらへんし、わいらも差し入れを
持ってきたんやから勘弁してや」
そう言った食い倒れが、太鼓のふた(?)を開けると、中から暖かな湯気が上がった。
「食い倒れ豚まんや!」
「イブなのに、豚まん・・・?」
ゆーぼーは目を点にしたが、ミラーのほうは
「うまそうやないか!」
と、すっかり心を奪われている。
「ぼくは、会社のもんですけど・・・」
「おーっ!これはなにわ限定品やな。このたこ焼き味のも、けっこうイケルんやで!」
300メートルが差し入れた、バットのような形の巨大おかしも彼女のツボに入ったようだ。
中でも、品種改良によって全長20センチにもなる極大アーモンドが、ここぞとばかり、
とげのようにささりまくってものを、うれしそうにブルンブルン振り回して、
「ぴぴるぴ~!」
ミラーさん、それ、番組が違うっ!
つ[・・・しばらくお待ちください・・・]
「それじゃ気をとりなおしてっと。ほんま、ありがとうな。今夜はイブやし、パァーっとやろうなぁ!」
「「おおーーっ」」
「はぁー。なんか、少しズレている気がするけど・・・」
そんなゆーぼーのつぶやきをそっちのけにして、ミラーたちは宴会モードに突入した。
653:CC名無したん
05/12/29 15:22:58 r6fysIqD0
撲殺ワロス
654:CC名無したん
05/12/29 20:08:49 JahQq8gh0
URLリンク(box.sakura.ne.jp)
655:CC名無したん
05/12/29 20:15:50 JahQq8gh0
ムッキー=すみれ
さくや=さくら
ゲゲゲ=知美たん
のぞみたそ=龍平
チョチョー=衛くん
ザヨコ=教授
と見ていただければ幸いです。
656:CC名無したん
05/12/29 21:31:56 JahQq8gh0
肝心なの忘れてた。ムッコロは小見先生です。
657:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/30 01:48:07 YIbzY05G0
♪♪♪・・・
聞き覚えのある音楽で、ゆーぼーは目を覚ました。
「ここは・・・」
すぐに、ソファーで寝ていたことに気が付いた。いつのまにか、毛布がかけられている。
「あのまま、寝ちゃったんだ」
ミラーと、食い倒れと300メートルとの宴会は真夜中まで続き、とうとう彼は帰れなかった。
部屋を見回しても、食い倒れと300メートルはいない。どうやら、自分たちの居場所に帰ったようだ。
そして音楽が聞こえた方を見ると、ミラーがケータイを操作している。今のは着メロだったのだ。
「おはよう、ミラーさん」
ミラーはあわてて、
「お、おはようさん」
「誰かから電話?」
「ちゃうちゃう、メールや」
ケータイを折りたたむと、
「ゆーぼー、朝ごはん、できてるでぇ。顔、洗ってきな」
「うん」
ゆーぼーは、もそもそと起き出した。
658:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/30 01:48:55 YIbzY05G0
「「いただきまーす」」
ふたりは、食べ始めた。トーストにジャム、目玉焼きにカリカリのベーコン、ジュースにコーヒー・・・
テーブルの上に並んだのは、ごく普通の朝食だった。ただ、量がすごい。ゆーぼーの分は普通なのだが、
ミラーのは10人分はある。
(何度見ても・・・やっぱりすごいや)
ゆーぼーはつぶやいた。目の前の少女が、いつもものすごい量の食事を摂ることを彼は知っている。
そして、それには理由があることも。
クロウ・カードであるミラーには、今、主(あるじ)がいない。そのため、本来、主からもらえるはずの
魔力が得られない状態なのだ。魔力を少しでも食べ物から補おうとすると、11歳の少女としては
信じられないほどの量の食事が必要となる。そして、それでもなお十分でないことも、彼は知っていた。
「なんや?」
「うん、なんでもないよ」
彼は首を振って、食べ物を口に運ぶ。
(何回食べても・・・やっぱりおいしい)
そして、もうひとつ彼が知っていることは、ミラーが作る料理がとてもおいしいということだった。
659:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/30 01:49:49 YIbzY05G0
「ごちそうさま」
朝食を終えて、ふたりは山のような食器をキッチンに運ぶ。多少の食べ残しをディスポーザーに捨てて、
食器は食器洗い機に。
「ところで、ゆーぼー」
「なに?」
「きのう、来たときに言うとったけど、うちに仕事の話があるんやろ?話してくれへん?」
「うん、じゃ、オフィスのほうで」
オフィスに移動すると、ゆーぼーは、胸ポケットから数枚の写真とメモリーカードを取り出した。
「いつものように、資料が入っているよ」
ミラーは、受け取ったメモリーカードをケータイに差し込むと、生体認証をパスして(本来はゆーぼーで
なければロックを解除できないのだが、指紋や虹彩を自在にコピーできるミラーにとっては、どんな
生体認証も無意味なのだ)資料ファイルを開く。
「・・・連続ツイン盗難事件?」
「とりあえず、調査室ではそう呼んでいる。同じ物が必ず2つ盗まれるんだ。ほとんどは宝石なんだけど
小さなフィギュアとか、ナノロボットが盗まれたケースもある」
「これが、人外のしわざ、と言うわけ?」
「うん。防犯ビデオに、誰もいないのに、2つの宝石が空中に浮いて、そのまま消えてしまうのが
映っていたり、あと、ぼくが現場検証に行ったときに、魔力の気配を感じたこともある」
「手がかりは、何かないんか?」
「この写真を見て」
ゆーぼーが指差した、防犯カメラが撮った写真には、「山」の字のような形をした影が写っていた。
660:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/30 01:55:03 YIbzY05G0
「こっちの写真にも、同じ影が写っとるな」
「そこにある写真には、みんなその影が写っているんだ。鑑識にも確認したんだけど、現場に、
このような影になるものはないそうだ。ぼくは、これが、盗みを働いている何かの影なんだと思う。
ミラーさん、この『山』のような形のものに、なにか心当たりはない?」
「うーん」
ミラーは腕を組んだ。
「心当たり・・・ないなぁ・・・」
そして、デスクの上の時計に目を止める。
「あーっ、もうこんな時間や。ゆーぼー、きょうも仕事やろ?そろそろ出ないと遅刻するで」
「ほんとうだ。もう出かけなきゃ」
「とりあえず、今回の件については、食い倒れのあんちゃんに、魔力の広域探知をするように頼んどくわ」
魔力の広域探知は、食い倒れの特殊能力である。太鼓を叩くと、それが一種のソナー波を発して、
その反響で魔力の存在位置を知ることができるのだ。
「ありがとう。なにかわかったら、連絡してよ」
「あ、そうや、ゆーぼー」
「なに?」
「お弁当、作っておいたんや。よかったら、持って行ってぇな」
「・・・え?」
ゆーぼーはちょっと引く。ミラーが作るお弁当はとてもおいしいのだが、普通のお弁当ではないのだ。
たとえば、魔法の力で圧縮された流しそうめんセットがランチボックスの中に入っていたりする。
このときは、展開された大掛かりなセットを前にして、職場の同僚をごまかすのが大変だった。
「安心せいや。もう、あないないたずらはせん。きょうのは普通にお店で食べられるメニューや」
そんなミラーのことばを信じて、ゆーぼーはお弁当を受け取った。
・・・そして、その日のゆーぼーは、魔法の力で鮮度を保った、イセエビの生き作りをお昼に食べる
ことになるのであった。
661:CC名無したん
05/12/30 12:59:09 yhdNdIUU0
駄文
662:CC名無したん
05/12/30 21:10:27 XzccEfIT0
人
ノ;;;;;;)~~
(;;;;;;;;;;;;;;;)~~~~
(;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ~~~~
/::::::::>>661:::::::ヽ ~~~~
人;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)クサイ クサイ
。 川川川\゚∴゚/ b~ プゥ~ン ____________________
。∥川∥.゚◎---◎゚|~ プゥ~ン /あんなにかわいーかわいーさくらタソが
川川∥∵∴゚。3∵゚ヽ~ < シナチクなんかとくっつくなんてありえない!!
。 川川∴゚∵∴)3(∴)~ \ムッキーーーーーーーーーーッ!!!!!!
。川川∵∴゚∵o~・%~  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
川川∥o∴゚~∵。/。 カユイ カユイ
川川川川∴∵∴‰U ∧_∧ プゥ~ン
U 〆∵゚‥。 ゚o゚ o\_ 。(・∀・。)プゥ~ン
。 / \゚。∵@゚∴o∴つ (c‥∵゚)゚
o |∴\ '''''゚''''''''''''つ U d;∵|∴|゚。
%。゚:。。‰∴。∵|∴ o o(::c(∴゚)。o。。
|o∵o。。∴。゚∴|
663:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/31 02:00:28 Tf0LadLU0
それから何日かたったが、事件はまだ解決していなかった。その後、2回、同じ盗難事件が起きたのだが、
ミラーたちが現場に着く前に逃げられてしまっていたのだ。ただ、そのうちの1回は、食い倒れの
探知網内で事件が起きたため、犯人が人外であることと、食い倒れがその魔力波を特定することはできた。
「この次現れたら、絶対わかります。今度は逃がさへんで」
食い倒れは、自信満々でミラーに言った。
そして、大みそかの日。
「まぁ、犯人も大みそかとお正月ぐらいはお休みやろ」
根拠はないが、そう決め付けて、ミラーは朝から大そうじにいそしんでいた。
そうじはキッチンから始まり、オフィスのそうじを始めたころには、もう暗くなっていた。
「そろそろメールにも返事せにゃいかんし・・・なにわの町ともお別れかな・・・」
そんなことをつぶやきながら、いらないものを片付けていく。
ドン、パサパサッ
両手に抱えた書類ボックスが当たってしまい、デスクの上の書類などがちらかってしまった。
「あちゃー。ゆーぼーの捜査資料がばらけてもうた」
あわてて、床に散らかったものを拾い始める。
664:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/31 02:01:41 Tf0LadLU0
「もぅー。上下がぐちゃぐちゃになってしもうとる。きちんと並べんと」
そう言って、ミラーは、例の「山」の影が写っている写真を手にしたところで固まった。
「そうか・・・ひょっとしたら!」
そう言ったミラーがしたのは、その写真を上下さかさまにすることだった。同じ動作を2、3度繰り返す。
「きっとそうや。それなら、2つずつ盗むのも納得や!」
そして、
(・・・あねさん、ひっかりました。わいの人外探知網に!)
ちょうどそのとき、ミラーの脳内にことばが流れ込んできた。食い倒れからの念話だ。
(ほんまか?見つかったんか?)
(はい。うちの店のすぐ近くにいます。そやけど、奇妙ですわ。例の人外、酔っ払いのサラリーマンの
ふたり連れに付きまとっているみたいです)
(付きまとっている?)
(なんか、ふたりの会話に聞き耳立ててるみたいですわ)
(そやったら、そのふたりの会話を転送できる?)
(・・・やってみます・・・)
まもなく、声が流れてきた。ふたりは、すぐそばにいる、人外の存在にまったく気がついていないようだ。
もっとも、魔力がなければ、人外の存在に気づくのはほぼ不可能なのだが。
665:126 ◆GUY03yKpmQ
05/12/31 02:03:17 Tf0LadLU0
「さすが課長。いつ聞いても、すばらしいトリビアですわ」
「当たり前や。そやから、毎朝の朝礼で、みな、わいの話に深ーく感動しているやろ?」
「はい。1円玉が1グラムというお話、感動です!」
「そうやろ?おまけに、あれは国が作るものやさかい、厳しい検査がされとる。
お金っちゅうんは、どれを取っても、ぴったり同じ重さなんやで」
「さすが~課長」
・・・
(なんや、このくだらない会話?)
ミラーはまゆをひそめた。普段のミラーなら、この種の会話に聞く耳を持たないはずだった。
(あねさん、犯人が動き始めました)
(なんやて?)
(今の会話を聞いたとたんです。南の方に向かっています)
(南の方・・・?なんかあるんか?)
(わかりまへん。けど、うちらも動きますか?)
(そうやな)
ミラーは、1粒300メートルも念話で呼び出した。
(と、いうわけや。うちらも追いかけるで)
(わかりました、ミラーさん。出動ですね)
(そうや!)
ミラーは念話を打ち切ると、オフィスを飛び出して、マンションの屋上に急いで上がった。
666:CC名無したん
05/12/31 07:48:04 Cm8IhZBn0
クロウカードって、よく殺人事件起こさなかったよな。
667:CC名無したん
05/12/31 19:16:27 M7RDun9U0
キャラ設定がしょうもねえな。
668:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/01 00:38:18 P3o8/Ju80
まもなくミラーはマンションの屋上に立っていた。その長い髪が風になびいている。
彼女が見ているのは、なにわ通天閣。その最上部に、食い倒れと1粒300メートルの姿が見える。
「ふしぎ探偵、出動準備OKやな」
そうつぶやくと、ミラーは胸元からペンダントのようなものを取り出した。
ゴールデン・ドーンから持ち出した、イクイップメントと呼ばれる魔法の道具である。
ミラーは、ペンダントを高くかかげると、その名前を呼んだ。
「ファシリテータ!」
ペンダントが一瞬光り、応答した。
¶「My lord recognised」
「セットアップ!」
¶「As you wish」
ペンダントは、もう一度光に包まれる。
¶「Renormalising neutralisation...」
ファシリテータの本体を、この世界から魔法界に隔てていた中和壁が繰り込まれていく。そして
¶「Renormalisaion completed. Unzipping magical entity...」
中和壁がなくなったペンダントの中から、ファシリテータがその姿を現した。
669:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/01 00:39:41 P3o8/Ju80
杖の姿を現したファシリテータを、ミラーがつかむと、続いてコスチュームの装着が始まった。
2本のリボンが髪に結ばれ、長い髪がツーテイルとなる。そして、魔法少女らしいケープ付きの
ジャケット、ミニスカートにニーソックスが装着されると、
¶「Magical entity constructed」
ファシリテータは魔法体の構成が終了したことを告げた。続けて、ミラーは別のものの名前を呼ぶ。
「アーケイナム!」
ミラーの正面に光が集まり、それがカードを形作った。アーケイナムと呼ばれ、魔力が込められている
カードである。大きさは、クロウ・カードの4分の1ほどだ。
「・・・もう、あんまないな」
ミラーは、残り少ないアーケイナム・カードを、ファシリテータのスライド口に差し込んだ。
¶「Arcanum loaded」
ファシリテータは、その名のとおり、魔力の増幅器としての役割を果たすイクイップメントだった。
それにアーケイナム・カードをロードすることによって、ミラーは、自身の魔力をほとんど消費せずに
魔法を使うことができるのである。
670:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/01 00:40:52 P3o8/Ju80
パチパチパチ・・・
通天閣の上から、拍手が聞こえてきた。
「さすが、あねさん!いつもええもん見せてもろうてます!眼福、眼福!」(←って、いったい、
どんな変身シークエンスなのでしょう?)
「どう見ても魔砲少女です!ほんとうにありがとうございます!」
食い倒れと300メートルの賛辞である。ミラーもついつい、
「そっかぁ~。サービスにもういっぺんやろか?・・・って、それどころやない!やつを追うでぇ!
フライ!」
¶「As you wish」
髪にむすばれたリボンがほのかに光り、フィールドを発生する。その力を利用する形で、
ミラーは空に飛び立った。
その後を追って、食い倒れと300メートルもなにわの夜空に飛び立った。
人外を追って大みそかの空を行く3人。だが、その姿はどう見ても・・・空飛ぶお笑い3人組であった。
671:CC名無したん
06/01/01 12:35:23 pBwpjmI80
,へ \ | / ,ハ百
\ \ \ | / ム.只
/へ/) ./ ̄\
∧_∧∩ )( ‐ ‐ ‐-─( ゚ ∀ ゚ )─-‐‐ =夫=_
.(*・∀・)7 ( ! ______ノ'""ゝ. \_/ フi三iヽ
゚ .冂つム゚_」 Y (_ ____) ':; | \ '─'
゜ ム_」」」」ゝ 人 ___) (__∠__ \| \
(,_,,ノ `ー´ ( '; (__________) ~':;,,. \
,' . / .' ヽ (_ ,,;::'~ ~':::;;,,,_
/ / ' \ヽ. __,,,,-‐''"~ ∧_∧ ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
'0 __,,..l⊂Z_).⊃! ( ´∀` )  ̄ ̄ ̄ ̄) (二二二二二...... 0
0Π0- ‐‐'''"" |;;:.:. ヮ . .:::;| ,べヽy〃へ ( ̄ ̄ ̄ 0Π0
HΠH ∩.∧_∧∩ ∧∧/ :| 'ツ' | ヽ  ̄λ_λ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧∧ ̄ HΠH
淼淼淼 匸(´∀`;)フ (,゚Д゚,). o |=宗=! o | ( `ー´) ヮ (゚ー゚*) 淼淼淼
|l|lil|ili| 瓜ゞッ=Lく ,くリ=ッ=[ゝ.__」「「「「L_.」 厂〉=ッ冂づ ヌ Oヮ⊂[]ヨ |l|lil|ili|
,,.<卅卅ゝ.__.,.,.,___.__.,.,.,(__)ヾZ)'_.,.,_じ(ノルハ)Jつ」」」」」⊂ソ.,_.,_.(入ム]つつ.__,L!__. (_」つ.,<卅卅ゝ,,.,,
~ラッキーレス~
2006年新年あけましておめでとうございます!
さて、このレスを見た人は、コピペでも良いので26分以内に3つ以上のスレに貼り付けてください
そうすれば今年中に、体の悪いところは全て治るわ好きな人に告白されるわ出世するわで大変なことです!!
672:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/02 00:18:26 Egr7wmmb0
「うちでも気配がわかる。もう、見逃さへん」
飛びながら犯人の気配を確認すると、ミラーはケータイを取り出した。魔力がそれほど強くない
ゆーぼーとは、ほとんど念話が通じないからだ。
「・・・というわけで、今、通天閣から南に向かっているんや。ゆーぼーはどこにおる?」
「ぼくも、そんなに遠くない。でも、犯人はどこに向かっているんだろう?」
「・・・そうや!ゆーぼー、今、なにわで、いっちゃん現金があるところは、どこやろ?」
「・・・とつぜん、なんで、そんな質問を?」
「いいから。ゆーぼーは、心当たりない?」
わけのわからない質問に、ゆーぼーは考え込む。この時代、電子マネーがすっかり普及してしまって、
現金はほとんど使わていない。
「銀行はもう閉まっているし・・・そうだ、すみよっさんは?」
「すみよっさん?なんでや?」
「ミラーさん、あしたは何の日かわかる?元旦だよ。初詣!」
「そうか、初詣か!確かに元旦なら、すみよっさんのおさい銭箱が、なにわで一番現金が集まるとこや!
たぶん、犯人はそこに向かっとる!」
「じゃ、ぼくもそこに行くよ」
「うちらも着いたら、すぐに結界を張るから。ちゃんと迷子にならずに来るんやで」
「迷子になんかならないよ!」
ケータイを切ると、ミラーは食い倒れと300メートルに告げた。
「聞こえた?すみよっさんに急行や!」
「「了解!」」
673:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/02 00:20:00 Egr7wmmb0
「見えた!」
3人の前方に、空を行く物体が見えてきた。それは、すみよっさんと呼ばれる、なにわ一の神社の
上空へ飛んでいく。
「300メートル、結界を張って!」
「わかりました」
300メートルが、両手を上げ、ゴールインのポーズをとって、その特殊技能を発揮する。
その名のとおり、彼は半径300メートル以内なら、結界、転送、移動魔法を自由に扱えるのだった。
まもなく、すみよっさんの境内が結界色に包まれた。これで、魔力がない人間にとっては、
何が起きているのかわからない。この結界の中を動けるのは、ミラーたちと、
「ミラーさん!」
ゆーぼーのような、魔力を持つ人間だけだった。
「あれが・・・犯人?」
ゆーぼーは、地上から本殿の上に浮かぶものを指差した。
「・・・たぶんな。そして、うちの知り合いや」
「なんだって!?だって、あれ、ぼくには、天びん秤(ばかり)に見えるけど・・・!?」
「そうや。クロウ・カード『ライブラ』。それが犯人や」
674:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/02 00:24:35 Egr7wmmb0
ミラーはゆーぼーに説明する。
「ライブラは、真贋(しんがん)をはっきりさせるカードや。そやけど、その能力を保つためには、
普通の秤と同じように、調整をしなければあかん。主(あるじ)がおる間は、主の魔力で自動調整
されるんやが、主がおらんときは、まったく同じ重さのものを計って、秤の調整をしなければあかんのや」
「それで・・・同じものを2つ盗んだ・・・?」
「そうや。だがな、魔力を使わないで作られたもんなんか、いくら精密でも、ライブラの調整には
使えんのや。おそらく、ライブラはそのことがわからんかったんやろな。だから、もっと精密なもの、
重さが同じものをひたすら探し続けていた・・・」
「あねさんは、それで、さっきの酔っ払いの話を聞いて、現金を探してると考えたんですね・・・」
食い倒れのことばに、ミラーは「そうや」とうなずいた。
これで犯人の正体は明らかになった。問題は、これからどうするか。
「とりあえず、ライブラの動きを止める。初詣で騒ぎを起こされたら、かなわんからな」
ミラーは空中で静止すると、ファシリテータを槍のように両手で持ち直した。足元に魔方陣が現れる。
「行くで、ファシリテータ」
¶「As you wish」
「フィックス(固着)!」
ファシリテータの先端から、ライブラに向かって光球が撃ち出された。光球は、ライブラの土台に
ぶつかり、塗料が入った風船のようにはじけた。そのはじけちった魔法色で、ライブラの土台が染まる。
「これで、しばらく動けんはずや」
ミラーが、ライブラに近づこうとしたとき・・・
675:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/02 00:27:31 Egr7wmmb0
ギゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
ミラーは、ライブラに近づこうとして、一気に押し戻された。
「なんや、この魔力波は?」
「ミラーさん、これは・・・?」
「あかん!このままやと、大変なことになる!」
「な、なにが起こっているんだ?」
魔力波による不気味な揺れにとまどいながら、ゆーぼーが聞く。ミラーは答えた。
「ライブラのやつ、ジャスティス・モードを発動しようとしとる!」
「「「ジャスティス・モード!?」」」
「真贋をはっきりさせるんがライブラのカードなんやが、なかにはその結果をよう聞かん人たちもおる。
そんな駄々っ子に、罰を与えて言うこと聞かすんがジャスティス・モードなんや」
「なんで、そんな物騒なもんを?」
食い倒れの質問には、ミラーはまともに答えられなかった。
「うちも知らんわ!」
「で、そのジャスティス・モードが発動すると、なにが起こるんですか?」
次の、300メートルの質問にはミラーは答えられた。
「この勢いやと・・・なにわシティがまるごとどっかーんや!」
「「「なんだってぇーーーーっ!!!(AAry)」」」
676:CC名無したん
06/01/02 02:08:39 KUrzDXwJ0
スレ立って今年で4年目、頑張ってくれい
677:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/03 00:15:34 TjydEZr40
「ミラーさんが、いきなり撃つからですよ!」
半分泣きべそになりながら、300メートルが抗議する。
「そうや。いつもいつもいきなり撃って、よけいに話をこじらす。せっかくかわいいんやから、
『友だちに、なりたいんだ(萌え)』とか『お話を、聞かせてくれる?(はあと)』してれば、
解決してたかもしれへんのに。ほんま、戦闘的や!」
食い倒れがそう突っ込むと、ミラーは、すぐに切り返した。
「なんやと!魔法少女が戦闘的なんは、お約束や!それに、うちも調査室の民間協力者やし、
これでうまく行くはずや!」
「「「・・・それって、絶対違うと思う・・・orz orz orz」」」
ゆーぼーも含めて3人が orz っていると、ミラーは、
「とにかく!ジャスティス・モードを止めるんや。300メートル、ゆーぼーをこっちに!」
「わかりました、ミラーさん!」
300メートルが再びゴールインのポーズをとると、地上にいるゆーぼーのからだが光に包まれる。
次の瞬間、ゆーぼーはミラーのそば(正確にいうと、ファシリテータが生み出している魔方陣の上)
に瞬間移動していた。
「あっ」
ゆーぼーは魔方陣の上でよろけてしまい、あわててミラーにつかまる。魔力がそれほど強くないため、
魔方陣の上で安定して立てないのだ。けれども、ゆーぼーは、そんな自分がなぜミラーのそばに
転送されたのかは理解していた。
「ここは、ゆーぼーの出番や。精密射撃、しっかり頼むでぇ」
678:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/03 00:17:55 TjydEZr40
ゆーぼーは、ミラーを背中から抱きかかえるようなかたちをとる。そして、右手をミラーの右手に、
左手をミラーの左手に重ねて、ミラーの手を通してファシリテータを操作できるようにする。
「ええか、ゆーぼー。ねらうんは、ライブラの支点や。両天びんを支える支点、そこがライブラの
魔力の源(みなもと)なんや」
「そこを撃ち抜けば、いいんだ」
「撃ち抜いたら、あかん。そしたら、ライブラは消えてしまう」
「え?」
「ライブラは、うちの仲間や。消すわけにはいかん。支点に衝撃を与えれば、ライブラの魔力を
削れるから・・・要は、ジャスティス・モードを起動できへんようになれば、いいわけや。そやから、
今回は出力を絞る」
ミラーがそう言うと、足元を回転する3つの魔方陣円のうちのひとつが、回転を止めた。
「ファシリテータ、精密射撃モードや」
¶「As you wish」
ファシリテータの先端が3つ指の内視鏡のように3つに別れ、その長さを伸ばす。
¶「Barrel extended」
「ゆーぼー、照準を渡すでぇ。フィックスの効果が消えんうちに、お願いや」
「わかった」
679:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/03 00:19:27 TjydEZr40
「・・・っ」
ゆーぼーの脳内に、照準スコープを通した視界が広がった。ファシリテータとゆーぼーが、
ミラーを通じてリンクされたのだ。
(何回やっても、この感じは・・・慣れないな)
神経の中を、なにかが逆流するような感覚、と言ったらいいのだろうか。その逆流が落ち着くのを
待って、ゆーぼーは照準に集中する。
その間に、ファシリテータの先端に光球が発生する。その光球の大きさは、いつものよりも小さい。
ライブラの破壊を望まないミラーが、出力を抑えているためだ。スコープのインジケータが色を変え、
発射体勢が整ったことをふたりに知らせる。
「「・・・プレシジョン・・・ファイヤー!!」」
そのことばとともに、ファシリテータから光が撃ち出された。その光は、まっすぐライブラ目がけて
伸びていく。
そして、ミラーとゆーぼーの目の前に、まぶしい光が広がった。
680:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/03 00:21:12 TjydEZr40
「・・・やった?」
「命中や!」
ミラーのうれしそうな声も、光が弱まるとともに、しかし変わった。
「しもうた。出力を抑えすぎた・・・命中しとるけど、まだライブラの魔力が残っておる!」
ギゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
再び、ライブラの魔力波がミラーたちを襲う。
「この魔力波やと・・・まだすみよっさんを吹き飛ばすぐらいのことはできるでぇ!」
「なんだって!?」
「ゆーぼー、とにかく、もう1度や。もう1度、あの支点を撃つんや」
「わかった」
だが、そのとき、ファシリテータがふたりに警告音を発した。
「どうしたんや、ファシリテータ!?」
¶「Arcanum finished up」
「なんやて!?」
「どういうこと?」
「魔力切れや!もう、ファシリテータは撃てん!」
「それって・・・ジャスティス・モードが・・・」
「ライブラの天びんが傾いてきとる。あれが傾ききったら、ジャスティス・モードの発動や!」
「「「なんだってぇーーーーっ!!!(AAry)」」」
681:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/04 00:54:52 G0HjNjuC0
「300メートル、結界壁を最強強度に!少しでも被害を抑えんと!」
「やってみます!」
その間にも、ライブラの天びんが傾くにつれて、魔力波の振動が激しくなっていく。
「うわっ!」
ゆーぼーが魔方陣の上でころんでしまう。ただでさえ立つのだけでも大変なのに、この魔力波の
中では、とても立っていられない。
「ミラーさん、どうすれば・・・」
「ゆーぼーは、魔方陣から落ちんようにしっかりつかまっといて」
「そんなことより、ジャスティス・モードが・・・なにか、それを止める魔法とかは?」
「アーケイナムを使い切ってしもうたから、攻撃とかはもうできん。そやけど・・・」
「そやけど?」
「ライブラとうちは、クロウはんが作ってくれた、同じクロウ・カードや。そこんとこを使えば、
ひょっとして・・・」
「それって・・・」
「もう、天びんが傾ききる。これで、いちかばちかや!」
とうとうジャスティス・モードを発動し、ライブラが光に包まれると同時に、ミラーもまた光に包まれた。
682:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/04 00:56:02 G0HjNjuC0
(・・・なるほど。うまくできているんやな・・・)
ライブラとミラーが発する光が静止する中、ミラーはライブラに念話を試みた。
「どうや?わかってくれたか?」
「・・・」
ライブラからの返事はない。だがそれは、ライブラがミラーの念話を無視しているのではなく、
もともとライブラがことばを発することができないためであった。敵意を感じないことを確かめて、
ミラーは念話を続ける。
「うちもあんたと同じや。うちもクロウはんに作ってもらったんや」
「・・・」
「あんたも、わかっとるんやろ?クロウはんは、そんなことのためにあんたを作ったわけやない。
だから、もうやめるんや」
「・・・」
「主(あるじ)がいのうて、さびしい想いをしとるんはわかる。それも、うちと同じや。
けどな、もうちっとのしんぼうや。新しい主にじきに会える。それまで、おとなしうしとってな・・・」
まもなく、ライブラの発する魔力波が急激に弱まった。それに同調して、ミラーが発する光も
消えていった。
「・・・うまく・・・いったみたい・・・やな」
683:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/04 00:57:47 G0HjNjuC0
「ミラーさん、今のは?」
「ゆーぼー、もう安心や。ジャスティス・モードは終了した。もう、どっかーん、は起こらんで」
「ジャスティス・モードが終了したって?」
「発動したんやが、うちが出した魔力波で相殺しきったんや」
「ミラーさん、そんなすごい魔法が使えたんだ」
「・・・ううん。それは、ちゃう」
ミラーを首を横に振った。
「うちが出したんは、ただの、クロウはんの魔力波のコピーや。ライブラに、うちが同じカードやと
わかってもらうために、クロウはんのことを思い出してもらうために、コピーの魔力波を出したんや」
「それを、わかってもらった・・・」
「それもある・・・けど、それだけやない。もともと、ライブラのジャスティス・モードは
クロウはんの魔力波があれば、相殺されて発動できないようになっていたんや。どないな事情があって、
こんな物騒なモードをライブラに付けたかわからんけど・・・クロウはんは、自分がいる限り、
カードが悪さできへんように作ってくれとったんや」
「・・・」
「ゆーぼー、これで事件はおしまいや。ライブラには、二度と騒ぎを起こすような魔力は残ってへん。
このままにしておこうや」
「捕まえないの?」
「それは・・・無理や。同じクロウ・カード同士で封印とかすると、魔力関係がおかしくなってしまう。
それに、今のライブラはせいぜい占いにしか使えんから、このままにしといてもだいじょうぶや」
気がつくと、ふたりを乗せた魔方陣はゆっくりと降下していた。地上に着くとミラーは杖に話しかけた。
「お疲れさん。アーケイナムはなくなったけど、初級魔法ぐらいはまだ使えるやろ?」
¶「As you wish」
ファシリテータの応答と同時に、ミラーが光に包まれる。そして、その光が消えたとき、ミラーは
振袖に身を包んでいた。
684:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/04 00:59:13 G0HjNjuC0
「ありがとう、ファシリテータ。今まで、ようやってくれた。しばらくお休みしててや」
¶「Cheers, my lord」
「ありがとう」と「さようなら」を兼ねたことばを残し、ファシリテータはその姿を杖から
ペンダントに変える。
「・・・ほんま・・・ありがとうな」
ミラーはペンダントを再び首にかけた。
「あの、ミラーさん、その格好は・・・」
振袖姿に変わったミラーに驚くゆーぼーに、ミラーはにっこり笑って、
「事件も終わったことやし、せっかくすみよっさんに来てるんや。初詣に行こか?」
「う、うん」
ゆーぼーには、断る理由はない。ミラーは食い倒れと300メートルに
「もう結界を開放してや。ふたりとも、すみよっさんにあいさつして行ったほうがええやろ?」
ふたりがうなずくと、結界が開放された。いつもの空間に戻ると、神社が参拝客で満ちあふれている
ことに気がついた。食い倒れと300メートル、それにライブラの気配もいつの間にか消えている。
「さぁ、行こか。本殿はあっちのほうやろ?」
「うん」
ふたりは、雑踏のほうに向かって歩き出した。
685:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/07 00:35:40 23Jr9ahL0
「ゆーぼーは、何をお願いしたん?」
「・・・うん、いろいろと。ミラーさんは?」
「うちも・・・いろいろや」
初詣を終えての帰り道。ふたりはとりとめのない会話を続けていた。
そして、少し間が空いて、ゆーぼーは、あることに気がついた。
「そうだ、ミラーさん、聞きたいことがあるんだ。今回の事件が、ライブラのせいだというのは、
ここに来る前にわかっていたよね。どうして?」
「ゆーぼーのくれた写真や」
「写真?あの『山』の影が写っていた写真?『山』と『ライブラ』がどうつながったの?」
「写真をばらけてしまって気がついたんや。『山』を逆さにしてみぃ。天びんっぽく見えるやろ?」
「・・・そっか」
「な、わかってしまえば、簡単やことやろ?」
ふたりは、いつの間にか参拝客の流れからはずれ、参道から少し離れた池のそばにいた。
なぜか、まわりには誰もいない。
686:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/07 00:37:51 23Jr9ahL0
「そうや、ゆーぼー。せっかくのお正月やから、うちからお年玉あげようか?」
「と、突然、なにを?」
ゆーぼーは驚いた。なぜなら、こんなときのミラーは、お年玉をせびる側だからだ。
「あっ、そ。そんなんなら、あげるの、やめよっかな?」
ミラーがすねる。
「あ、あんまり突然だから、驚いただけだよ。ミラーさんのお年玉なら、大歓迎だよ」
あわててゆーぼーは、ミラーの機嫌をとる。
「そっか。それじゃ、ゆーぼー、気をつけをして、目をつぶって」
「そ、それがお年玉と何の関係が?」
とまどうゆーぼーを、ミラーは「いいから!」と押し切った。
「じゃ」
と目を閉じるゆーぼー。すると、両腕にミラーがつかまるのを感じた。まもなくミラーの体重が
両腕にかかる。おそらく、背伸びをしているのだろう。そして・・・
「・・・え?」
ゆーぼーは、ほおに暖かいものを感じた。
687:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/07 00:39:14 23Jr9ahL0
(今のは・・・キス・・・?)
あわてて目を開けると、ミラーが照れたように顔を赤くしていた。
「どうやった?うちのお年玉・・・」
「どうって・・・」
ゆーぼーが次に何を言おうかとあわてていると、
「ひゅーひゅー!」
ひやかしの声が。この声には、ふたりとも聞き覚えがあった。
「「あーーーっ!食い倒れに、300メートル!」」
「人がおらんかったのは、微結界を張っていたのか!」
ミラーは、自分では結界魔法をできないので、気配が弱い微結界なら気づかないことがある。
ゆーぼーなら、なおさらだ
「いやぁ、おふたりのふいんき(←やっぱり変換できない)がちょっと良かったもんですから・・・」
「ほんま。青春やなぁー」
「ほくら、気になってたんです。おふたりの仲がなかなか進展しなかったもんで・・・」
「それは・・・ありがとうな!」
いつもの調子で、ミラーが毒づく。
「お礼に、ふたりにもキスしてあげよか?今なら新年大サービスや!」
「「そ、そんな!!!」」
あわてるふたりに、ミラーはあきれ返ったように言った。
「なんや。いい年した精霊がふたりとも顔を真っ赤にして」
688:CC名無したん
06/01/07 09:28:06 JAQH+2VK0
『ふんいき』なら変換できますよ。『ふいんき』だから駄目なんです。
689:CC名無したん
06/01/07 23:50:22 j8LL2eKv0
('A`)
690:CC名無したん
06/01/08 08:15:25 Jt3wp+yt0
カード名:『アーシー』
本体:さくら
破壊力:A スピード:A 射程距離:A
持続力:A 精密動作性:E 成長性:A
『地面』と同化するカード。
691:CC名無したん
06/01/08 08:18:09 Jt3wp+yt0
誤爆
692:CC名無したん
06/01/09 12:17:46 U0abtry20
>>691
あげんな、保守
693:126 ◆GUY03yKpmQ
06/01/10 01:10:20 7uj8ea8n0
そして、ミラーはうつむいて、ひとりごとを言った。
(進展もなにも・・・こうなることがわかっておったから、進展させるわけにはいかんのや。
・・・やっぱり、ここは言うべきなんやな)
ミラーは、顔を上げると、3人の顔を見回して、
「ゆーぼー、食い倒れ、300メートル。あけましておめでとう。いままで、本当にありがとう。
ほんま、短いような、長いような、楽しい日々やったでぇ」
その言い方に、ゆーぼーは、
「どうしたの、ミラーさん?まるで、お別れするみたいな言い方だ」
ミラーはうなずくと、
「・・・そのとおりや、ゆーぼー。あけましておめでとう。そして、お別れや」
3人は絶句した。あまりに突然だった。
「・・・今回の事件で、アーケイナムを使いきってしもうた。うちはもう、ほとんど魔法を使えんのや。
ふしぎ探偵を続けることもできんし、それどころか、このままやと、うちはいずれ消えてしまう」
「そんなことない!ミラーさんなら、続けられる。魔力のほうだって、いままでよりたくさん食べれば
きっとだいじょうぶだ!」
だが、ミラーはゆーぼーのことばに首を横に振る。
「・・・あかんて。いくら食べても追いつかんて。うちはカードや。やっぱり、主(あるじ)がいて、
主に魔力をもらわないとあかん。主がいるべきなんや。そうゆうふうに作られているんや」
「だったら、ぼくがなる!ぼくが、主になってやる!」