05/09/12 02:00:00 dQ1wnCrR0
「おはようございます、すみれちゃん」
「おはよう、知美ちゃん」
あたしたちは朝の教室でいつものように、ごあいさつ。すると
「はぁ~」
「ど、どうしたの、知美ちゃん?とつぜん、大きなため息なんかついて」
「しばらく、すみれちゃんの活躍を撮影できていませんわ~」
「ほぇ?」
「着ていただきたいコスチュームはまだまだありますのに・・・」
「・・・」
「ご町内の平和を守る、カードキャプター。そのすみれちゃんの活躍を余すところなく撮影するのが
私の使命・・・」
「・・・使命って・・・」
あたしの頭におっきな汗が浮く。
「なのに、なのに、この前のツインのカードのときも撮影を逃してしまうなんて、悔やんでも悔やんでも
悔やみくれませんわ」
「・・・知美ちゃん」
あたしが、知美ちゃんをどうなぐさめようかと考えていると、
「おはよう、木之本さん」
「お、おはよう!」
衛(ウェイ)くんの声だ。とつぜん、声をかけられて、あたしはドキドキしてしまう。
「きょ、きょうは衛くん、日直なんだよね」
あたしは、衛くんがプリントをかかえているのを見て、言った。
「うん。それで、さっきこのプリントを取りに職員室に行ったんだけど、そのとき、先生たちが話を
しているのを聞いたんだ」
「話って、なんの?」
「小見(おみ)先生が入院したらしい。だから、しばらくクラブは中止になるんだって」
「えーっ!?」