カードキャプターすみれ さくらと小狼の子供たち 2at SAKURA
カードキャプターすみれ さくらと小狼の子供たち 2 - 暇つぶし2ch250:CC名無したん
04/12/21 09:26:45 7zP+LPei
>>126 お疲れサマンサ & 名作age

251:CC名無したん
04/12/23 17:45:12 Vuc8UyDi
126氏キテタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
チュルミンの_| ̄|○に本当にワラタ

すみれちゃんのライバルって誰でしょう?
(それを示すような記述ってあったかなぁ…前に戻って見直してみます)
次回も楽しみです。

252:126
04/12/27 22:12:15 u3SdqiHj
「・・・うーん」
あたしの腕の中で、チュルミンはさっきから考え中だ。
「チュルミン、さっきから何考えてるの?教室を出てからずっとじゃない?」
「チュルミンさんは、新たな課題に挑戦されているのですわ」
「新たな課題ってなに?」
「・・・どやったら、うまく愛の告白できるんかなっと思ってな。作戦の練り直し中や」
「そんな作戦、練らなくていいよ」
「そやかて、強力なライバルがおるとなると・・・」
「ほぇ?」
「なかなか難しいですわね。ライバルの方は、とってもふんわりですから・・・」

そんな話をしつつ、あたしたちはペンギン公園の近くに来ていた。

すると、そのとき

ばっしーん!

「なに?」
「雷や!」

空を見上げると、雲がどんどん広がっていく。
「にわか雨でしょうか?」
「ほぇーっ!」
あたしたちは、ペンギン大王の中に駆け込んだ。

253:126
04/12/27 22:16:52 u3SdqiHj
「ここなら雨宿りも・・・」

ばっしーん!ゴロゴロ!

雷の光と音が響き渡って、まわりが一気に暗くなった。
ペンギン大王の中から、外をそっとのぞく。

「あや?降ってこないよ?」

ばっしーん!どーん!

「!」

あたしが耳をふさぐと同時に、街灯に雷が落ちた。

「ほぇ?」

見ていると、雷が公園の街灯を飛び移るように移動していった。こんな雷、見たことがない。
「こ、これは?」
「クロウ・カードや!」
「えーっ?!」
「これは、雷、サンダーのカードや!」
「と、いうことは?」
「カードキャプターの出番やで!」


254:126
04/12/27 22:18:29 u3SdqiHj
あたしは呪文を唱えだした。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」

「チュルミンは、危ないから知美ちゃんといっしょにいて」
「いやや。うちもクロウ・カードのはしくれや。すみれちゃんといっしょに行くでぇ」
チュルミンはあたしの腕の中から肩のほうに飛び移った。
「だって、チュルミンはケロちゃんの姿を映しただけだから、空を飛べないでしょ?
これからジャンプを使うから、チュルミンは振り落とされてしまうかもしれないんだよ」
「だいじょうぶや。ちゃんとハーネスを用意しておいたさかい」
チュルミンはからだに装着したハーネスの先のカラビナを、ランドセルにひっかけた。
「い、いつの間にそんなものを・・・」
けれども、これでチュルミンを振り落とすことはなさそうだ。

「じゃ、行くよ。ジャンプ!」

あたしはペンギン大王から飛び出して、サンダーの後を追っかけた。

「おふたりともりりしいですわー」
そんなすみれたちを、知美はばっちりと撮影している。撮影しながら、ふと、あることに気がついた。
「いけませんわ。このままでは、すみれちゃんが大ピンチです・・・それには・・・」
ビデオカメラを止めて、知美はケータイを取り出した。
「ここからなら、間に合うかもしれませんわ」


255:126
04/12/27 22:20:05 u3SdqiHj
ジャンプでサンダーを追っかけていると、チュルミンが聞いてきた。
「すみれちゃん、サンダーを封印するにはどうしたらいいか、わかっとるん?」
「どうするの?」
「サンダーを封印するには、元の形にするんや」
「サンダーの元の形って?」
「雷獣や。サンダーは、雷撃をくらわして雷獣の姿に戻してから封印するんや」
「そっか。ママのときもそうだったね」
あたしは、知美ちゃんのおうちで見たビデオを思い出した。
「そやから、サンダーに雷撃をくらわせれば」
「ちょっと待って。あたし、雷を操るカードなんで持っていないよ」
「なんやて!?すみれちゃんはサンダーのカードを持っておらんのか?」
「持っていないから、今、追いかけてるんでしょ?」
「そやったら、さくらさんはどないしてサンダーを封印したんや?」
「あのときは、パパが雷の魔法を使えたの!」
「とか漫才やっとるうちに、サンダーのやつ、うちらに気づいたみたいや」
「ほ、ほぇーっ!!!」

サンダーは方向を変えて、あたしたちに向かってきた。


256:126
04/12/27 22:22:27 u3SdqiHj
「ほぇーーーっ!!!」
それからのあたしたちは、逃げ回るだけだった。
フライのカードさんを使えば逃げられたかもしれないけれど、とても新しいカードさんを
呼び出す余裕なんてない。
「うぐうぐうぐ・・・」
ジャンプで方向を変えるたびに、チュルミンがハーネスごと振り回される。
「がんばって、チュルミン!」
あたしは、林の中に逃げ込んだ。
そうして、また、ジャンプ。

ブチッ!

「すみれちゃーん!」
とうとうハーネスがちぎれて、チュルミンが放り出される。
「チュルミン!」
あたしはチュルミンを助けようと手を伸ばした。
そして、地面にそのままスライディング。
「だいじょうぶ、チュルミン?」
あたしの手の中でチュルミンは、
「ああ、だいじょうぶや・・・けど、うちら、絶体絶命みたいやで」
「・・・え?」
顔を上げると、あたしたちの正面からサンダーが向かってきた。
そして、あたしたちの前に立ちはだかる黒い影。
「あれは・・・?」

257:CC名無したん
04/12/28 13:59:34 v3srDtrl
>>126 お疲れサマンサ。これから読みます。

258:126
04/12/30 09:52:40 susB8df7
「黒鋼さん?!」
あたしたちの前に立っていたのは、キタリスの黒鋼さんだった。
あたしたちを威嚇するように、サンダーは音をとどろかせる。
「黒鋼さん、あぶない!」
けれども、黒鋼さんがあたしたちをちらっと見た後、サンダーの方を向きなおしたと思うと、
あたりに強烈な光と音が響き渡った。

「なに?なにが起きたの?」
「あのリスのあんちゃん、額から雷撃を出しよった!」
「えーっ!!」

グォーッ!

サンダーは、雷獣の姿に戻っていた。そして黒鋼さんに向けて雷撃で攻撃する。
「黒鋼さん、逃げて!」
けれども、黒鋼さんも逃げずに電撃で反撃する。
サンダーと黒鋼さんの雷撃は、空中でぶつかって

バリバリ!バザーンッ!!!

反動で黒鋼さんがはじき飛ばされた。
「黒鋼さん!」
「あかん!」

259:126
04/12/30 09:53:51 susB8df7
はじき飛ばされた黒鋼さんを助けようと、チュルミンがあたしの手から飛び出した。
そして、空中で黒鋼さんを受け止める。
「もう、だいじょうぶや」
けれども、あたしは黒鋼さんが助かったことよりも別のことで驚いていた。
「チュルミン、空、飛んでいる・・・」
「ほ、ほんまや!」
チュルミンは、黒鋼さんを受け止めてそのまま宙に浮いていたのだ。
「はっ!そ、そんなことより、すみれちゃん、封印や!今なら封印できるでぇ!」
「封印って、どうすればいいの?あたし、ママのときのようにシャドーのカードさんを持ってないよ」
「グルーや。グルーのカードで封印できる」
「わかった。やってみる」
あたしは、グルーのカードさんを取り出した。
「膠よ。彼の者を包み込め。グルー!」
カードから伸びた膠がサンダーを包み込む。
サンダーはその雄たけびを残して
「今や!」
あたしは、サンダーに駆け寄った。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」

まもなくサンダーのカードがあたしの手に飛び込んできた。
「やったぁ!」
「ようやったでぇ。すみれちゃん」


260:126
04/12/30 09:55:21 susB8df7
「ありがとう、チュルミン。封印のしかたを教えてくれて」
「サンダーは電気を通さんもんで包んでしまえば封印できる。シャドーもそうなんやけど、
グルーのカードも電気を通さないんや」
「よく知ってるね」
「まぁな。うちは博識やさかい」
チュルミンがやってきて、あたしに黒鋼さんを渡す。
「ありがとう、黒鋼さん」
黒鋼さんは、ぷいっと横を向いた。なんだか照れているみたいだ。
「ほんま、おおきにな。あんたが雷撃出さんかったら、うちらはどうなってたやら。
それにしても、どうして、あんたのようなリスさんがあないな技を持ってるん?」
「ICタグですわ」
「知美ちゃん!」
そのとき、あたしたちの前に知美ちゃんが現れた。お約束どおり、手にはビデオカメラを持っている。
「みなさんの活躍、ばっちり撮影できましたわ」
「知美ちゃん、ICタグって?」
「黒ぴょんさんには、おいたをしたときに懲らしめるために電流を流すICタグが埋め込まれて
おりますの。さきほどの電撃は、わたくしがこれで操作したのですわ」
知美ちゃんは、あたしたちにケータイを見せた。
「でもでも、さっきの電撃すごかったよ。あんなの流してだいじょうぶなの?」
「だいじょうぶですわ」
「ほんとうに?」
「ええ。それが、黒みぃさんの体質なんですもの」
「なに、それ・・・」
あたしとチュルミンの頭に、おっきな汗が浮いた。

261:126
04/12/30 09:57:12 susB8df7
「それにしても、チュルミンさんはお空を飛ぶこともできたのですね」
「ほんとう、びっくりしたよ。空を飛べるなら飛べるって言ってくれたらよかったのに」
「すまん、すまん・・・って、うち、この姿で飛べるなんて知らんかったんや」
「ほんとう?」
「ほんまや。ほんまに知らんかったんや。けど」
チュルミンは、羽をぴょこぴょこ動かして言った。
「空を飛べるっちゅうことは、うちがまだまだ大活躍できるっちゅうことや。
このアニメの主人公になれる日も、近いで」
「まぁ、チュルミンさんったら」
知美ちゃんが楽しそうに笑う。それにつられてあたしも笑った。ほんとうによかった。
カードを封印できたこともそうだけど、それよりもチュルミンや黒鋼さんが無事だったから。
ほんとうにありがとう。チュルミン、黒鋼さん。そして、知美ちゃん。

「どうやら、無事に封印できたようですわね」
「ああ。ミラーが空を飛べるようにしておいてよかったよ」
「そんなことまでしたのですか、エドワード」
「ミラーのカードが、すみれさんと行動をともにするのはわかっていた。空を飛べなかったら
危険なめにあって、すみれさんが悲しい思いをすることもわかっていたから、きょう、あわてて
力を使ったんだよ」
「すみれさんにはばれなかったのですか?」
「魔力には気づいたようだけど、ぼくのせいとは気づかなかったようだよ」

ふたりは、すみれたちの封印を見届けると、その場から消えるようにいなくなった。

<×すみれとかがみの迷コンビ?→○すみれとチュルミンの迷コンビ?:終劇>

262:CC名無したん
04/12/30 16:31:15 /y6wz/7u
126氏キタ━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!!!
黒鋼さんって以前出てきたロボペですね。
そんな機能あったんですか…_〆(゚▽゚*)

何はともあれ、年末のプレゼントありがとうございました!


263:さくらと小狼の子供たち(前スレ)
04/12/31 14:25:52 O3mlNlkm
URLリンク(ruku.qp.tc)

264:126
05/01/01 00:11:26 4x1rJf1A
さくらの初夢

「だれ?わたしを呼ぶのは?」
ふと気がつくと、わたしはビルの屋上に立っていた。
そして、そばにいるのはケロちゃん。
目の前に広がるのは東京タワー。
東京タワーの展望台の屋根に人影が見える。
あたりに舞い落ちるのは
「桜の花びら・・・?」
思わず手を差し出すと、てのひらにひらりと乗った花びらはかすかな光に包まれた。
「・・・あ?」
その光が消えたとき、花びらはカードに姿を変えていた。

265:126
05/01/01 00:14:10 4x1rJf1A
すみれの初夢

「だれ?わたしを呼ぶのは?」
ふと気がつくと、あたしは丘の上にたっていた。
そして、そばにいるのはチュルミン。
目の前に広がるのはハドリアン・ウォール。
その城壁の上にふたりの人影が見える。
あたりに舞い落ちるのは
「すみれの花びら・・・?」
思わず手を差し出すと、てのひらにひらりと乗った花びらはかすかな光に包まれた。
「・・・あ?」
その光が消えたとき、花びらはカードに姿を変えていた。

266:126
05/01/01 00:15:40 4x1rJf1A
チュルミンの初夢

「だれや?うちを呼ぶのは?」
ふと気がつくと、うちはビルの屋上に立っとった。
そして、そばにおるんは黒鋼はん。
目の前に広がるんは東京タワーなんかよりごっつう高い通天閣や。
そのてっぺんには、食い倒れのあんちゃんと1粒300メートルが立っておった。
あたりに舞い落ちるのは
「鏡のかけら・・・?」
思わず手を差し出すと、てのひらに鏡のかけらが・・・グサッ!






「いたぁーーーーーーっ!!!」

267:チュルミン
05/01/01 00:32:47 4x1rJf1A
正月からからだはったんやけど、このオチ、別に初夢やなくてもええやないか orz...

268:CC名無したん
05/01/01 01:06:56 C7kIkmLn
あけましておめで㌧(´・ω・`)
>>126さんが来てますよ!

>そのてっぺんには、食い倒れのあんちゃんと1粒300メートルが立っておった。

どんな夢見てんだよチュルミン _| ̄|○ノシ

269:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/01/01 10:19:56 Ixq18JxP
126さん乙です。
激しくワラタ。

270:CC名無したん
05/01/02 03:51:12 6cUcmZG4
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
1粒300メートルワラタ

271:鏡@ミラ留守
05/01/02 10:49:52 u/cRhxLo
126氏あけおめ(´∀`)ノシ
遅レスだけど、初笑いさせて頂きますた。

272:CC名無したん
05/01/02 21:14:44 wBSWUFfY
126氏そして他のスレ住人さんあけましておめでとうございます
チュルミン三段落ちワラタ

273:CC名無したん
05/01/03 08:05:12 KCFimE+4
126さん乙&あけおめ
スレも一周年ですなあ

274:CC名無したん
05/01/03 23:30:39 QkXWqCkT
うわすげースレ見つけた。

275:126
05/01/10 21:52:22 kmzLBy+Z
次回予告
ケロちゃんといっしょに知美ちゃんのおうちに遊びに行くんだ。
でも、知美ちゃんが相談したいことってなんだろう?
またお洋服のデザインのことかな?

そして、知美ちゃんがお部屋で見せてくれたのは・・・

ほぇ~!これ、宙に浮いてるよ!?

カードキャプターすみれ さくらと小狼のこどもたち
すみれと知美と大切なもの

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!

276:CC名無したん
05/01/10 22:58:52 F7EppAsM
次回予告キタ━(゚∀゚)━!!

277:126
05/01/16 01:26:04 zsXwYhHl
「西光寺だ。次のバス停で降りるんだよね」
今、あたしは、知美ちゃんのおうちに向かうバスに乗っている。

→回想シーン
きのうのお休み時間のとき
「ほぇ?知美ちゃんのおうちに?」
「ええ。ちょっと困ったことがありまして・・・すみれちゃん、よろしければ、あすの日曜日、
うちに来ていただきませんか?」
「知美ちゃんのおうちに行くのはうれしいけど、困ったことってなに?」
「それは、あしたご説明しますわ」
←回想シーン終わり

「・・・知美ちゃん、なにがあったんだろう?」
そのとき、あたしのたまごさんリュックの中から
「・・・うぐうぐうぐ・・・苦しい!」
ケロちゃんが飛び出した。
「あ!」
あたしは、思わずリュックのジッパーを閉じる。
「!」
バスの乗客の視線があたしに集まるのがわかる。
「あ、なんでもありません」
あたしはあせってごまかした。
「・・・だめだよ。ケロちゃん」
「そやかて、中の空気が」
「もうちょっとだから、がまんして」
「もう限界や」
「もうちょっとだから、ね、ね。次だからがまんして」
「・・・すみれ、今、他の客の視線が集まっとるんやないか?さくらの時と時代は変わっとるんや。
ロボペっちゅうことにすれば、わいをカバンの外に出しても変に思われへんで」
「・・・そっか。ごめん」

278:126
05/01/16 01:27:20 zsXwYhHl
バス停を降りて、知美ちゃんのおうちに歩いて行く。
「いつ来ても、でっかいうちやなぁ」
「ケロちゃん、リュックに乗って。いくらロボペでも空を飛ぶのはおかしいから」
「わかった」
ケロちゃんがたまごさんリュックに乗るのを確かめてから、あたしはインターホンを押す。
「はい。どちらさまでしょう?」
「木之本です」
「いらっしゃいませ。今、門を開けます」
いつものように、大きな門が開いていく。
そしていつものように、大きなおうちに進んで行くと噴水を過ぎたあたりで玄関のドアが開いて
「すみれちゃん!」
「こんにちは」
「いらっしゃい!」
「よう!知美!」
「こんにちは、ケロちゃんさん」

「どうぞ。わたしの部屋へ」
あたしたちは知美ちゃんのおうちに入る。すると
「お嬢さま?」
メイドさんが、知美ちゃんに声をかける。
「お茶はどちらにお持ちしましょうか?」
「じゃ、わたしの部屋に3つ」
「3つですか?」
メイドさんが、不思議そうに聞き返す。けれども知美ちゃんは、こくんとうなずくと
「お願いしますね」
と、あたしの手を引っ張って歩き出した。

すみれたちが立ち去ったあと、そのメイドはつぶやいた。
「これが、あの大道寺家の7不思議のひとつ、『わたしの部屋に3つ』・・・」


279:126
05/01/16 01:29:19 zsXwYhHl
知美ちゃんのお部屋に入る。
まもなく、ドアがノックされて
「どうぞ」
「お嬢さま、お茶をお持ちしました」

メイドさんが部屋を出ると、
「そうだ。これ、ママが知美ちゃんにって、クッキー焼いてくれたんだよ」
あたしは、たまごさんリュックから、ママが作ったクッキーを取り出した。
「まぁ。ありがとうございます。では、ケロちゃんさんもいっしょにいかがですか?」
「わーい!クッキーや!」
ケロちゃんはごきげんだ。

あたしたちはしばらくおしゃべりを楽しんだ後、
「ところで知美ちゃん、困ったことってなに?」
「実は・・・今、お持ちしますわ。母の部屋にありますの」
知美ちゃんは部屋を出るとすぐに戻ってきた。両手で箱を持っている。
「その箱、クロウ・カードの気配がする」
「知美、その箱、見覚えあるでぇ!」
ケロちゃんは少し興奮しているようだった。
「確か、シールドのカードがとりついていた箱や」
「というと、撫子おばあちゃんの結婚式のときのブーケと、ママが知世おばさんにあげた消しゴムが
入っている箱なんだね」
「そうです。祖母と母がとても大切にしている箱ですわ」
「また、開かなくなっちゃったの?」
「それもあるのですが、わたしの手元を良く見てくださいな」
「ほぇ?」
あたしは知美ちゃんの手元を見直した。箱と知美ちゃん手の間にすきまが・・・
「ほぇ~?これ、宙に浮いてるよ!?」

280:CC名無したん
05/01/16 02:23:50 vLbM1xBK
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
「大道寺家の7不思議」ワロタ

残り6つは何だろう…と思いつつも、シールドのカードが取りついていた箱の
中に、今度は何が入っているのか。
楽しみにしたいと思います。
ありがとうございました。

281:CC名無したん
05/01/16 13:21:05 +Nk4sbIn
>「これが、あの大道寺家の7不思議のひとつ、『わたしの部屋に3つ』・・・」
禿ワラタ
あの箱が再び……ですか。
次回が待ち遠しいです

282:CC名無したん
05/01/22 20:12:16 CnUKyrZ50
李家の人たちは出る予定はないのかな。
あの姉たち結構好きなんだが…w

283:チュルミン
05/01/23 18:21:59 OcSwB81MO

なんでうちだけお留守番やねん・・・・_| ̄|○
あぁ~~~~~っっ!!
うちも行きたい逝きたいイきたい生きたいいきたぁ~~~~~いぃ!!!! ジタバタジタバタ

284:126
05/01/24 01:49:34 9X30qmZO0
「宙に浮いているのではありませんわ」
知美ちゃんは、箱をテーブルの上に置いた。テーブルと箱の間にすきまが見える。
「なにか透明なクッションのようなもので包まれているみたいですの。ほら」
そう言って、知美ちゃんが指で箱を押さえると-やっぱり、指と箱の間にはすきまができるんだけど-
箱はゆっくりと少し沈んだ。そして知美ちゃんが指を離すと箱はゆっくりとせり上がった。
「ほんとうだ。見えないクッションで包まれているみたい」
「そこがさくらさんが封印してくださったときとは違いますの。けれども、見ていてくださいね」
知美ちゃんはポケットから鍵を取り出した。その鍵で箱を開けようとすると・・・

ぽよーん!

箱に近づいた鍵は、はじかれた。
「ひさしぶりにこの箱を開けようとしたらこの調子で・・・」
「確かにこれはクロウ・カードのせいやな」
ケロちゃんが箱に近づいて、ちょん、とつつく。

ぽよーん。

「!」

「見えたか、すみれ」
「うん。なにかバリアみたいなものが」
「そうや。さくらの時とはちょっと違うが、やっぱりこれもシールドのカードや」
「というと、ママの時と同じようにソードでシールドを切ればいいのね?」
「シールドは切られたら本体表すさかい、そこをすかさず封印や!」
「すばらしいですわ。では、さっそく衣装とビデオの準備を」
「・・・」
いつの間にかしっかりバトルコスチュームとビデオカメラを用意している知美ちゃんを見て、
あたしの頭におっきな汗が浮いた・・・

285:126
05/01/24 01:51:51 9X30qmZO0
「りりしいですわ~」
バトルコスチュームに着替えたあたしを見て、知美ちゃんはご機嫌だ。
「カメラも準備OKですわ。では、すみれちゃん、こちらでどうぞ」
「う、うん」

あたしはカメラの前で呪文を唱えだした。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」

「クロウの作りしカードよ。我が鍵に力を貸せ。
カードに宿りし魔力を、この鍵に移し、我に力を!ソード!」

封印の杖がソードに変わる。あたしは箱に向かって

「ハァーッ!」

ソードを振りおろした。ソードから伸びた魔力がシールドを切り裂こうとしたとき

ばぽん!

「キャッ!」

あたしはソードごとはじき返されていた。
「すみれちゃん、だいじょうぶですか?」
「うん、だいじょうぶだよ。でも、どうして・・・?」
「シールドが柔らかすぎるんや。すみれの魔力じゃ、その柔らかさを押し切れないんや」
「そんな・・・」

286:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/01/24 19:12:25 LcgpqdU00
126さん、毎度乙カレー。

287:126
05/01/30 23:48:13 PAtLnVBJ0
ケロちゃんは話を続けた。
「シールドは大事なもんを守るためのカードや。より大事なもんを守ろうとする性質がある。
こないにクッションみたいになっとるっちゅうことは、この箱の中身はかなり壊れやすいもんなんやろな」
「それで・・・」
知美ちゃんは納得したようだった。
「知美、この箱の中身はなんや?」
「ブーケと消しゴムですわ」
「それって、ママがカードさんを封印したときとおんなじだよね」
「はい。ところが、ブーケがさくらさんが封印されたときとは違うのです」
「違うって、どんなふうに?」
「いま、とてももろくなっているのですわ。このブーケは、すみれちゃんのおばあさまが結婚されたときの

ブーケです。祖母はとても大切にしています」
「うん、それは知っているよ」
「では、すみれちゃんはご存知でしたか?このブーケが生花(せいか)だということを」
「ほぇ?それっておかしくない?なんで何十年も枯れずにいるの?シールドのカードさんを封印したとき、

ブーケがとってもきれいで香りもすてきだったって、ママが言ってたよ」
「結婚式のあと、祖母がすぐに保存処理をしてもらったのですわ。それでさくらさんが封印したときも
枯れずにいたのです。けれども・・・」
知美ちゃんは、箱の方を見た。
「当時では最新の技術だったのでしょうけれど、不完全でした。時間がたつにつれて花びらが硬く、
もろくなってきたのです。このままではだめだと思い、最新の技術で処理しなおそうとしたら、
またシールドにとりつかれてしまって・・・早くしないとブーケがぼろぼろになってしまいますのに」
「そうか、それでシールドが、中のブーケ守ろう思うてクッションみたいになってるやな」
「でも、どうしよう。このままシールドさんを封印できないと、中のブーケがだめになっちゃうよ」
「そうやなぁ・・・」

あたしたちが考え込んでいると、
「なんや、この気配は?」


288:126
05/01/30 23:49:27 PAtLnVBJ0
「チュルミンだよ。チュルミンが、実体化したがってる」
あたしは、チュルミンのカードを取り出した。カードがわずかに光っている。
「なんや、こないなときに?」
「きっと、実体化してすみれちゃんを助けたいと考えておられるのでは?」
「そっか。サンダーさんの時も、チュルミンが封印のしかたを教えてくれたんだ。チュルミンなら、
シールドさんの封印のしかたを知っているのかもしれない。ケロちゃん、また姿借りていい?」
「え~?またかいな?」
「お願い。あたしの姿に変えたら、きっとややこしいことになるから」
「ま、緊急事態やし、しゃあないな」
「ありがと」

あたしは呪文を唱えた。
「彼の者の姿を映し、もうひとりの彼となれ、チュルミン!」

・・・ぺらっ。

カードはそのまま床に落ちた。
「どうして?」
すると、チュルミンのカードから
「あほーっ!うちはあくまでもミラーのカードなんや!チュルミンと呼んでも召還できんでぇ!」
「ご、ごめん」
あたしはカードを拾うと、もう1度
「彼の者の姿を映し、もうひとりの彼となれ、ミラー!」

カードが魔力につつまれ、実体化していく。すると
「なに、この音楽は!?」
どこからか、音楽が聞こえてきた。

289:126
05/01/30 23:50:45 PAtLnVBJ0
「・・・あなたに伝えたいほんとうの想い。
言いたいの 言えないの チャンス逃してばかりのあなたに
まっすぐな想いとちょっぴりの勇気を。
愛と勇気の天使、チュルミン登場!

愛の告白はおまかせよ!」

「・・・・・・」

「なんや?みんな、そないに固まって?」
チュルミンが決めポーズを解いて、不思議そうに聞く。
「・・・チュルミン」
「なんや、すみれちゃん?」
「今のは何?」
「魔法少女のお約束や。登場シーンには決めぜりふと決めポーズはつきもんやろ?
今の曲も自分で作曲したんやで」
「・・・」
あたしが、次のことばを探していると
「すばらしいですわ~」
「ほんまか?」
「ほんとうですわ~。今の登場シーン、ばっちりビデオで撮影しましたわ~!」
「そうか、いいもんはやっぱり理解されるんやなぁ!」
チュルミンはケロちゃんを見つけると、そのそばに飛んでいって
「どうや、ケロはん。知美ちゃんもああ言うとる。あんたよりうちの方がずぅーっとイケてるでぇ!」
「なんやと!わいのほうがずぅーっとナイスで素敵なんや!」

また、ふたりの掛け合いが始まった。

290:CC名無したん
05/01/31 18:05:41 Ms2JyUST0
あなたに伝えたいほんとうの想い。
言いたいの 言えないの チャンス逃してばかりのあなたに
まっすぐな想いとちょっぴりの勇気を。
愛と勇気の天使、チュルミン登場!

愛の告白はおまかせよ!

テラワロス

291:CC名無したん
05/02/03 09:08:47 aUvuyhHp0
さくら板にしっかりした小説スレがいくつかあるけど、ここが一番原作やアニメの雰囲気を大切にしていて、見ててわくわくしますな。
ってかまとめサイトがあってもいいのに…ハハアハァ

292:炉板通信 ◆mwhG4Chris
05/02/03 23:05:55 ugy/yA6C0
さくら板SS書庫の構想はずっと立ててるけど、許可や流れ整理の関係で色々ややこしくて・・・
とか言ってみたり

293:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/04 20:17:42 UlkJ8zXl0
漏れも構想たててるんだが、時間が取れない…
とか言ってみたり

294:CC名無したん
05/02/07 12:12:47 bOPaiC6R0
保守

295:炉板通信 ◆mwhG4Chris
05/02/07 23:04:01 KRAk3ZAe0
景気の悪いことを言うもんじゃないなorz

296:126
05/02/09 00:55:37 vfc+nlr+0
「もう、ふたりともやめてよ。今はカードさんの封印が先でしょ?」
「そっか。そやったな。すまん、すまん」
チュルミンはあたしのところに飛んできた。
「チュルミン、ひょっとしてシールドさんを封印する方法を知ってるの?」
「もちろんや」
「よかったぁ。で、どうすれば封印できるの?」
「ツボや」
「ツボ?ツボって、中に何か入れたりする・・・」
「ちゃうちゃう。すみれちゃんがぼけてどうすんねん。気功で言うツボ・・・とも少し違うかな。
すみれちゃんも、テレビなんかで武道家が手刀で石を割ったりするの、見たことあるやろ?」
「うん」
「他にも、石大工さんがノミを入れる場所を入れる場所とか。うまく当たれば、きれいに石が
割れるんやけど、そこを間違えると、うまく割れないところ。ま、人によって呼び方は多少違うんやけど
シールドのカードにも、ここを攻撃すればひとたまりもないっちゅうツボがあるんや。
そこをやれば、シールドはものを守りきれなくなって封印できる」
「でも、シールドさんのツボって、どうやって見分けるの?」
「まぁ、見ててぇな」

チュルミンは、箱のそばに降りた。シールドさんを、ちょん、ちょん、とつつく。

「どう?」
「・・・わかったでぇ。ツボは、こことここの2か所や。こことここを同時に」
「そんなぁ。ソードさんじゃ、2ヵ所を同時に切れないよ」
「切る必要はない」
「ほぇ?切る必要はないって、それじゃどうするの・・・?」
チュルミンは、シールドさんに両腕を伸ばして

「くすぐるんや!」

ズザーッ(←すみれたちがコケる音)

297:126
05/02/09 00:56:38 vfc+nlr+0
こちょこちょこちょ・・・

チュルミンのくすぐりが始まった。

こちょこちょこちょ・・・

あたしたちの頭に、おっきな汗が浮いている。
「なぁ、すみれ」
「なに、ケロちゃん?」
「ほんまに、これで封印できるんやろか?」
「さぁ・・・けど、これしか方法はないみたいだし・・・」
「そうかもしれんが、こないな情けない封印方法は、初めてや」
「そ、そうだね」

あたしたちは、チュルミンのくすぐりを見ているしかなかった。そのうち、
「ほぇ?ケロちゃん、シールドさんの気配が」
「すみれも気づいたか?確かに、気配が不安定になってきとる」

こちょこちょこちょ・・・

シールドさんの中の箱が揺れてきている。チュルミンのくすぐりにがまんできなくなったみたいだ。

こちょこちょこちょ・・・

そして、シールドさんの気配が急に強くなったと思うと
「あかん!」
「きゃーっ!」
「知美ちゃん!?」

298:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/09 18:05:16 g3qn2rVl0
126氏キテター
毎度乙です。

299:CC名無したん
05/02/09 20:45:52 MfU08XXi0
「くすぐるんや!」爆ワラタ

300:CC名無したん
05/02/11 07:19:43 sER9i7mO0
300ゲットage

301:CC名無したん
05/02/13 02:06:40 /O/bbqlY0
sageとけ
126氏乙。

302:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/13 10:35:01 cQe3SU/b0
>>301
メール欄は半角英小文字で"sage"ですが何か。

303:126
05/02/13 23:34:44 fy8Ye/Ca0
チュルミンのくすぐりでシールドさんががまんしきれなくなって、今度は知美ちゃんを中に
取り込んでしまったんだ。今度は、知美ちゃんにもシールドさんが見えるみたいだ。
「どうして・・・こんなことに」
「想いの強さや」
「どういうこと、チュルミン?」
「シールドは大切にされているもんを守ろうとする性質がある」
「ほぇ?」
「あの箱の中にあったんは、撫子おばあはんのブーケと知世おばはんの消しゴムや。
今、そのふたりはここにおらへん。だから、どうしても大切にしよう想いが弱くなってしまってるんや。
すみれちゃん、すみれちゃんが一番大事に想うとるもんは、この部屋の中の何や?」
「それは知美ちゃん・・・そっか、それで」
「そうや。そやから、シールドはあの箱から知美ちゃんに守る対象を変えたんや」
「でも、どうしよう。このまま知美ちゃんがシールドさんから出られなかったら」

あたしは知美ちゃんの方を見た。

「待ってて、知美ちゃん!今、助けるから!」

「ソード!」

あたしはもう一度、ソードのカードさんを使った。

「ハァーッ!」

ばぼん!

「きゃっ!」

けれどもまた、あたしははね返されただけだった。


304:126
05/02/13 23:38:35 fy8Ye/Ca0
「だいじょうぶ、すみれちゃん?」
「だいじょうぶだよ、チュルミン。けど、ソードで切れないとなると、どうすればいいの?」
「チュルミンがさっきみたく、くすぐればええやないか?」
ケロちゃんのことばにチュルミンは首を横に振った。
「あかん。あのシールドを見てみぃ。大きくなっただけあって、ツボの数も増えとる。
こっち側から見えるだけでも、11か所はあるで。それだけのツボを同時にくすぐるなんて無理な話や」
「そんな・・・」

あたしたちは考え込んだ。

「ねぇ、チュルミン。どうすればシールドさんを封印できるのか、もう一度教えて」
「ひとつは、さくらさんのときのように、シールドを力で破った場合や。けど、いまのすみれちゃんの
魔力じゃ、シールドを破るにはまだ少し足りないようやし、ツボを攻めるには数が多すぎて
どうにもならんし・・・」
「いま、ひとつって言ったよね?他にも方法はあるの?」
「ないことはない。けど、考えにくいんやな。これが」
「それでもいいよ。教えて」
「もうひとつの場合は、シールドの守る対象が外に出てしまった場合や。そうすればシールドは力を失う。
けど、魔力のない知美ちゃんがシールドの中から外へ出るなんて無理や」
「そっか!外に出せばいいんだよね」
「なんか、思いついたんか、すみれ」
「ケロちゃん、うまくいくかどうかわからないけど、やってみる。知美ちゃん、危ないから反対側に
下がっていて!」
「はい」
知美ちゃんが反対側に下がるのを見て、あたしは知美ちゃんのお部屋の天井を見上げた。
このお部屋はメゾネットタイプで天井が吹き抜けになっている。この高さならだいじょうぶだろう。

「じゃ、行くよ!」


305:CC名無したん
05/02/14 00:57:30 NZTX0lkvO
126氏キタ━(゚∀゚≡゚∀゚)━!!

306:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/14 19:26:19 HTh7vIQu0
キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!!。
毎度良質な物語掲載乙です。

307:CC名無したん
05/02/15 01:27:23 ybEyhEkuO
Ready,3,2,1,Firing!
(M2機銃掃射)

308:126
05/02/21 02:02:46 xlxDBA1G0
あたしは両手を空けるために、封印の杖を投げ上げた。それと同時に
「ハァーッ・・・タタタタタタ!」
両手の拳を連続してシールドさんにたたきつける。シールドさんが反動であたしをはねかえそうとする。
その力を利用をしてからだを回転させ、あたしは背中から思いっきりシールドさんの中に沈みこんだ。
(きたっ!)
そこにちょうど投げ上げた封印の杖が落ちてくる。
「今だ!」
あたしは、杖と手にすると同時にカードさんを取り出した。
「空間を歪め、中と外を入れ替えよ!ループ!」

「ループか!なるほど、ループなら中にいる知美を外に出すことができる」
「ケロはん、こないな使い方、クロウはんでもしなかったでぇ」
「ああ」
ケルベロスは、すみれがウィンディを封印したときのことを思い出していた。
あの時も、とらえどころのない風の精霊をループを使って狭い空間に閉じ込めて封印したのだ。
この子は、時々、母親以上の才能をかいまみせる。クロウ・リード以上の魔力を持つ母親を超える
可能性を持っているのかもしれない。
(けど、さくらとは違うんや。どんなにカードを使うのがうまくても、すみれの場合は・・・)
だが、ケルベロスの思考はチュルミンの声によって中断された。
「シールドの魔力が弱まってきたでぇ!もうすぐや!」

まもなく、シールドの外に不思議そうな顔をした知美の姿が現れた。
「チュルミンさんにケロちゃんさん。おふたりがいるということは?」
「成功や!知美ちゃんが無事に出れたんや!」
「まぁ!」
知美がふり返ると、シールドの中にすみれがいるのが見えた。

309:126
05/02/21 02:03:46 xlxDBA1G0
「まぁ!」
知美ちゃんの声が聞こえると同時に、封印の杖に感じていた力が消えた。
シールドさんの抵抗がなくなったんだ。
「知美ちゃん、出れたんだ」
あたしがそう言うと、シールドの向こうにいる知美ちゃんがにっこりと微笑んだ。
「「今や、封印や!」」
ケロちゃんとチュルミンが、同時に叫んだ。
「うん。汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」

ピン!という音がして、封印の杖の先にカードができていく。
しばらくすると、あたしの手にシールドのカードさんがすべりこんできた。

「やったぁ!」
「ありがとうございます。すみれちゃん」
「知美ちゃん、だいじょうぶ?ケガとかなかった?」
「だいじょうぶですわ」
「よかったぁ!」
あたしは、思わず知美ちゃんに抱きついた。
「ごめんね、知美ちゃん。あたしが最初からうまく封印できてれば、こんなめにあわなくても
よかったのに」
「とんでもありません。すみれちゃんなら、きっと何とかしてくださると信じてましたわ」
「・・・知美ちゃん」
あたしが、次になんて言おうかことばを探していると
「それに、今のすみれちゃんの活躍、ばっちり撮影できましたし」
「・・・はぅ」
お約束だけど、あたしの頭におっきな汗が浮いた。


310:126
05/02/21 02:05:23 xlxDBA1G0
「では、あけますわ」
知美ちゃんが、鍵を鍵穴に差し込むと、カチャ、という音がしてふたがあいた。
「わぁー」
あたしは思わず声をあげた。
「これが、撫子おばあちゃんの結婚式のブーケ」
「ええ。残念ですが、もろくなっていますので見るだけにしてくださいな」
「うん。でもほんとうにきれいなブーケだね」
ママから話も聞いているし、知世おばさんが撮ったビデオで何回も見てるけど、ほんとうにきれいな
ブーケだった。おばあちゃんが大好きだった桜の花。それが、ママの名前になったんだ。
「わたくしも、いつかお作りしますわ。すみれちゃんの結婚式のブーケ」
「とつぜん、なにを言うの、知美ちゃん?!」
知美ちゃんのことばに、あたしは少しあわててしまう。
「うちもや。すみれちゃんの結婚式はぜひ招待してや」
「あら、チュルミンさん。実は、すみれちゃんはもう結婚式を挙げているのですわ」
「ほんまかーっ?!相手は誰や?!」
「知美ちゃん!」

そんな3人のドタバタを横目に
「女の子は、ほんま、結婚式とか夢みるんやなぁ。そないなもんより、わいは、このケーキの方が、
なんぼかええでぇ。3人とも、よろしくやっててやぁ」
と、ご機嫌でフォークを動かすケルベロスがいた。

そのころ、廊下では、チュルミンの分も入れて追加のお茶とケーキを持ってきたメイドが、
つぶやきながら歩いていた。

「これが、あの大道寺家の7不思議のひとつ、『わたしの部屋に4つ』・・・」

<すみれと知美と大切なもの:終劇>


311:6代目
05/02/21 04:27:43 Hrnljt4e0
ヽ(´ー`)ノ

312:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/21 17:09:22 xHzNDcJj0
毎度乙カレー。<<126氏

313:CC名無したん
05/02/21 21:43:49 jULRUAoo0
126氏キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
本筋からそれるんであれですけど、さくらたんのブーケは誰がゲットしたんだろう…

314:CC名無したん
05/02/22 22:18:53 Wj/evlB40
知世……じゃ、ないのかなあ

315:CC名無したん
05/02/26 23:34:59 YcaDt8/M0
age

316:CC名無したん
05/02/27 21:01:42 tx9GiKAGO

ageんなアフォ!いらん広告書かれたら(ry

317:CC名無したん
05/03/02 17:43:50 mEPLdGyE0
始めのスレで設定直ぐに決まったのがいまだに懐かしいw

318:サロメ
05/03/02 18:02:33 r9JhBDRfO
(σ_σ(σ_σ)σ_σ)

319:さくらたん
05/03/08 13:00:59 wmWWVhGB0
ある朝。
すみれは精神病で死んだ。
そのほかもみんない次元へ消えてしまった。
ここからは、変態大使館雑談スレがのっとります。
サクラ関連の叩きはここで。
リンクも待ってますよ。

320:さくらたん
05/03/08 13:37:54 wmWWVhGB0
サクラは実は、汗っかきのでぶオタ(無職・45歳・男)
なんだけど、
みんなすぐだまされるよね・・。
はにゃーんとか逝ってリャかあいいかあいいいってくれるし・・。
ま、いいんだけど。
ほどほどにしてね。
小学生に混ざってさくらのコミック立ち読みしてるおっさんキモいから

321:さくらたん
05/03/08 13:41:04 wmWWVhGB0
常にあげでお願いします。
ま、へをこくたびにあげるスレって感じ?
ところで、スレッドレイプってなに?

322:CC名無したん
05/03/08 15:00:11 g32qZRiy0
 あーっとここで>>319-321をスルー!!!
        r'::::::::i
         トーf/__
      /  イ| 、ヽ
      //_〉 l_l i_ノ、
\\ (_ニノ 〉____〉〉 〉
      /    } /             ,_-‐、
     /\/,ー 'ヾ          i"_Y 〈i
     〈  < /              ゝ^-'"
     \i"ヽ、  \\     //
     ├ i\i カ      ,、
      |_,,i ノ_ソ    )     ゝ

323:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/03/08 16:14:07 96Nj9R8G0
126たんまだ~?

324:CC名無したん
05/03/10 21:32:05 rY7zbjDYO
なんか某AA系板の〇津スレを彷彿とさせるなぁ…(・∀・)イイ!

325:CC名無したん
05/03/10 22:29:57 RGvsdMuF0
時を止めて その微笑 瞳の中消えていく幼き思い出

326:CC名無したん
05/03/15 19:45:20 8oPAyNZ+O
前スレってまだhtml化してないんでつか?

327:CC名無したん
05/03/15 19:47:27 20rI2mZI0
とっくにしてる。ほれ。
URLリンク(ruku.qp.tc)

328:炉板通信 ◆mwhG4Chris
05/03/16 00:15:05 WdC/YYWl0
そこにあるのはhtml化してるとは言わんだろう・・・

329:CC名無したん
05/03/16 01:13:15 IS9sYRYi0
過去ログ読めたからどうでもいい。
あらためて読むとやっぱウマー

330:126
05/03/17 01:53:44 iYGzRBHd0
次回予告
きょうはパパが香港から帰って来る日。
ママは空港までおむかえで遅くなるから
晩ご飯はあたしと龍平で作るんだ。

はぅー。あたしって、やっぱりお料理向いていないのかなー?

そんな時にクロウ・カードの気配が!
ほぇーっ!このカード、あたしひとりじゃ封印できないよ!?

カードキャプターすみれ さくらと小狼のこどもたち
すみれのしゃりしゃりハンバーグ

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!

331:CC名無したん
05/03/17 03:46:21 0Py2XkOp0
>しゃりしゃりハンバーグ
どんなハンバーグなんだろ( ;・∀・)

332:CC名無したん
05/03/20 13:44:37 RPGk7bZ20
フローズンハンバーグ


いえべつにとくになんでもないんだけども。

333:CCsakura
05/03/21 18:42:36 vplkwC3x0
テスト

334:CC名無したん
05/03/21 19:40:52 UE9kceep0
 いわゆるSSっていうのはこういうのを言うんだな…
 漏れはちょっと考えを改めるべきなのか。

335:CC名無したん
05/03/21 20:37:33 zdCjpPEI0
話はかわるが CCさくら→すみれ という流れはサクラ大戦に関連しているのか、

してないか・・・OTL

336:CC名無したん
05/03/21 21:19:16 NnRr/IFT0
>>335
関連はしてないと思うがそういうネタが出たことはあった

337:126
05/03/22 00:56:47 qBRs4zlq0
「龍平、いる?」
その日の放課後、あたしは5年3組の扉を開けた。
「おねえちゃん」
龍平はすぐにあたしに気がついた。
「けさの約束どおり、きょうはつきあってもらうからね」
「うん。でも、その前に、寺田先生のところまでプリントをとどけなきゃ」
「わかった。いっしょに行こう」
教壇の上に積んであるプリントを龍平が取る。高さは30センチぐらいだ。
「重くない?」
「平気だよ、このぐらい」
「よかった。あとでもっと重いものを運んでもらうんだから」
「え?」
「じょうだんだよ。晩ご飯のお買い物だから、そんなに重くならないよ」

そう、この後、あたしと龍平は晩ご飯のお買い物に行くんだ。
だって、きょうの晩ご飯はあたしたちで作るんだもの。

338:126
05/03/22 00:58:07 qBRs4zlq0
→すみれの回想モード

「ほぇ?パパ、あす帰ってくるの?」
「そうなの。予定より早くなったの」
「ママ、うれしそう」
「だって、小狼くんにまた会えるんだもん」
ママの顔が少し赤くなって、あっちの世界に入っていく・・・
少し時間がたって、ママは
「けど、飛行機が着くのが遅い時間なの。おむかえから帰ると9時過ぎになると思うわ。
だからすみれちゃんたちの晩ご飯、何にしようか?あたためるだけにしておくから」
「それだったら、あたしと龍平で作るよ」
「ほぇ?だいじょうぶ?すみれちゃんや龍くんがお食事を作ったことって」
「最初から全部作ったことはないよ。でも、あたしはママのお手伝いは何回もしてるし」
「それで、何を作るつもりなの?」
「ハンバーグ!好物だし、ハンバーグならママと一緒に作ったことあるし」
「ハンバーグかぁ・・・それならだいじょうぶそうね。じゃ、材料をメモするね」
ママは冷蔵庫を開けると、中を確認しながらメモを書き出した。
そして
「ナツメグとパン粉はあるから、買わなくてもいいわ。ソースに使う赤ワインもね。
だから、これだけ買ってくればいいわよ」
と言って、メモをわたしてくれた。あたしはそのメモを見て
「ママ、この分量って多くない?」
「それでだいじょうぶよ。ケロちゃんの分も入っているから」
「そっか。じゃ、がんばるよ。がんばって、おいしいハンバーグを作るんだ」
「龍くんといっしょにがんばってね」
「うん!」

←すみれの回想モード終わり

339:126
05/03/22 00:59:08 qBRs4zlq0
あたしたちは職員室に着いた。
「失礼します・・・寺田先生」
「あら、木之本くん?すみれちゃんもいっしょなの?」
「プリント、持って来ました」
「ありがとう、そこに置いておいてね」
「はい」
龍平がプリントを机に置く。
「先生、それって・・・?」
あたしは先生が読んでいたものを指差した。そこには龍平の字が書いてあった。
「龍平くんの作文よ」
「ほぇ?」
「とてもよく書いてあるわ」
「龍平、何について書いたんですか」
「『うちのペット』って作文よ。木之本さんのおうちには、大阪弁をしゃべるロボットペットが
いるんだよね」

ほぇ~っ!それって、ケロちゃんのことだよ!龍平ったら、何書いてんのよ!!

340:CC名無したん
05/03/22 01:45:14 ivnzDE6E0
━━━(゚∀゚)━━━!!!

341:CC名無したん
05/03/22 13:20:08 XZ8Mr7fl0
ほえ━━━(゚∀゚)━━━!!!


342:スッピー ◆SUPPII64mk
05/03/22 14:28:03 mDHfXLoK0
ほぇぇ~。
126氏GJ!

343:CC名無したん
05/03/22 21:40:19 +q0T5YIm0
>>336
情報サンクス、
確認できただけで結構スキーリ
興味でてきたから上からよんでみよう

344:CC名無したん
05/03/24 21:06:58 0HdobIsv0
キテタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!

多分原作最終回から10年以上経過しているであろうはずで、未だにばれて
いないのに、作文のネタにされるケロちゃんの存在にワロタ

345:CC名無したん
05/03/26 12:24:04 oRsD0g7K0
URLリンク(makimo.to)

346:CC名無したん
05/03/31 04:18:55 IQucPxX60
やっぱ、慣れている人なんだねw

347:126
05/03/31 23:12:13 ihVFa9Dj0
「だだいまーっ」
「ただいまじゃないでしょ、ふたりとも!もう暗くなっているのよ!」
「はーい」
母親におこられて、それでもあまり悪びれてない様子で、ふたりが家に入ってくる。
「おなかすいたぁ。晩ご飯まだぁ」
「はい、はい。もうすぐですよ」
姉に少し遅れてくつを脱ぐ弟に向かって
「龍くんもこんなに遅くまで・・・今日はどこに行ってたの?」
「桃矢おじさんのとこ」
「今日も?」
「うん」
さくらは不思議に思った。ここ数日、この姉弟の帰りが遅くなっている。
どこで遊んでいたのかと聞くと、帰ってくる答えは決まって兄の家。
心配になって、ケータイでふたりの位置を確認したことがある。確かにふたりはうそをついていなかった。
けれど・・・
(歴史が好きな龍くんがおにいちゃんの家で遊ぶのはわかるけど、お外で遊ぶのが好きなすみれちゃんが
ずーっと家の中で遊ぶなんてね・・・あ、そうだ)
「すみれちゃん!」
さくらは、部屋に戻ろうとするすみれに声をかけた。
「なーに、ママ?」
「最近、お部屋のおかたづけしてないでしょ」
「ほぇ」
「今日、ママがかたづけてあげたんだけど」
「ほぇっ」
「キーボードがなかったみたい」
「ほぇほぇほぇっ」


348:126
05/03/31 23:13:08 ihVFa9Dj0
さくらの言うキーボードは、以前、すみれにせがまれて買ってあげたものだった。
けれど、活発なすみれは部屋の中でより外で遊ぶことを好んだ。
買うときから予想はしていたが、そのキーボードは、やっぱり買ってまもなくあきられてしまったのだ。

「ど、どこにしまったのかな。今度、お部屋をおかたづけするときにちゃんとしておくよ」
ばつが悪そうに答えるすみれ。そこに龍平が
「ママ、今日の晩ご飯は?」
「今日は、エビフライよ」
「「わーい!」」
子どもたちの顔が明るくなる。エビフライはさくらだけでなく、子どもたちも好物なのだ。
「ふたりとも、手を洗いなさい。すぐに晩ご飯だから」
「「はーい!」」

もうすぐ桜の花が咲こうとする、ある日の夕方の出来事だった。

**********************************************************************************

その数日後。町中に桜の花が咲く中、さくらは誕生日を迎えた。
今年は、友枝町にある小さなレストランを借りてバースディパーティが開かれた。

「誕生日おめでとう、さくら」
「おめでとう、さくらさん」
「おめでとう、怪獣」
「さくら、怪獣じゃないもん!」

みんなの祝福をうけて、バースディパーティが始まった。

349:126
05/03/31 23:14:41 ihVFa9Dj0
さくらは、花束やプレゼントを受け取りながら、あることに気がついた。
(あれ、すみれちゃんのキーボードじゃない?なんで、ここにあるの?)

そこに、すみれと龍平が並んだ。
「ママ、お誕生日おめでとう」
「ぼくたちは、ママへのバースディプレゼントに曲を演奏しようと思います」
「曲は、桃矢おじさんに教わったんだよ」
(おにいちゃんから?)
さくらは兄の顔を見た。
(最近、ふたりの帰りが遅かったのはこのせいだったのね)
さくらに見られていることに気づいた桃矢は、こっくりとうなずいた。

ブーッ
「龍平、落ち着いて」
間違えて音を出してしまった弟に、すみれが言う。ふたりで片手ずつ弾くようだ。
「練習どおりにね。じゃ、始めるよ」

まもなく、オルガンの音がキーボードから流れ出した。その曲は・・・

(・・・この曲、おかあさんの曲だ)
(ママ、お誕生日おめでとう。あたしたち、ママのこと大好きだよ)
(ありがとう。すみれちゃん、龍くん)

ぎこちないけれども暖かい曲がふたりによって奏でられていった。


350:CC名無したん
05/04/01 00:08:20 itsv7PPO0
おめでとうさくらたん

351:CC名無したん
皇紀2665/04/01(金) 00:37:27 Nca74zzM0
さくらたん。誕生日オメ!!

352:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
さくらたん生誕暦 07/04/01(金) 11:54:24 1rvhL+6l0
126たん、乙です。
さくらたん、Happy Birthday!

353:126
05/04/04 02:18:22 HioUsICu0
あたしがあわてていると、寺田先生はクスっと笑って
「親子ねぇ」
「ほぇ?なんのことですか?」
「ほんと、親子だと思ったの。龍平くんの作文ね、さくらちゃん・・・木之本さんのおかあさんが書いた
作文がとても似ていて・・・龍平くんの作文を読んでいて、思い出したの」
「そんなことがあったんですか?」
寺田先生は、小学生の時、ママと同じクラスだったんだ。
「そう。あのとき、碧先生・・・って、そのときの国語の先生なんだけど、宿題で『動物といっしょに
暮らすこと』っていうのがあってね、木之本さんのおかあさんは『しゃべれるオレンジ色のぬいぐるみ
さんと暮らしたい』っていう作文を書いていたの」
(ケロちゃんのことだ!)
「それが、ぬいぐるみが大阪弁でしゃべったらいいなという、とてもかわいいらしい作文だったんだ。
想像で書いているはずなのに、すごく細かいところまで描写してあって、まるでほんとうにぬいぐるみ
さんと暮らしているみたいだって、碧先生が、とってもほめていたし、先生もよく覚えているのよ」
(そりゃ、想像じゃなくて実際だったんだもん)
先生はもう一度龍平の作文を見ると
「龍平くんのは想像じゃなくて、実際のロボットペットのことだけど、本当によく似てる。
まるでさくらちゃんがいっしょに暮らしたかったぬいぐるみさんが、ロボットペットになって
やってきたみたい」
(やってきたんじゃなくて、そのときのぬいぐるみさんが今もいるんだけど・・・)
けれども、あたしはそんなことは言えなくて、
「そ、そうなんですか。あは、あはははは・・・」
とごまかしていた。寺田先生は
「プリント持ってきてありがとう。ふたりとも戻っていいわよ。先生は、みんなの作文のコピーを
とらなくちゃいけないから」
「わかりました。じゃ、先生、さようなら」
「さようなら」
「!」
そのとき、あたしは気配を感じた。

354:126
05/04/04 02:20:10 HioUsICu0
「木之本さん!」
衛(ウェイ)くんの声だ。思わず、声の方を見ると

バスッ!

「おねえちゃん、だいじょうぶ!?」
「うん」
あたしは、サッカーボールを受け止めていた。窓から職員室に飛び込んで来たんだ。
「だいじょうぶ、木之本さん?」
窓からのぞきこむ、衛くんの顔は心配そうだ。あたしは、窓のところまで行って衛くんにボールを渡す。
「ありがとう。だいじょうぶだった?」
「だいじょうぶだよ。あまり強いボールじゃなかったから。でも、気をつけてよ」
「うん」

すみれからボールを受け取ったエドワードは、
(カードのこと、すみれさんたちにうまくごまかせたみたいだ)
とつぶやくと、走り出した。

そして、すみれたちが職員室を出た後、寺田はちょっとしたことに気がついた。
「あら?作文のコピーがとってあるわ。誰がコピーしてくれたのかしら?」


355:CC名無したん
05/04/05 09:29:42 swGmF5XB0
うほっ

356:CC名無したん
05/04/21 23:29:50 c3DjVZzR0
保守

357:126
05/04/24 23:25:34 YzuT9+r40
「はい、お嬢ちゃん、合い挽き肉だよ。おつかいかい?えらいねぇー」
「い、いえ、そんな、たいしたことないです」
あたしは、ちょっとはにかんでお肉を受け取る。
「サラダにするお野菜も買ったし、あとは・・・」
メモを見直していると、着メロが鳴った。おうちの電話番号だ。今日はママがいないから、これは
ケロちゃんからだ。
「もしもし、ケロちゃん?」
「すみれ、お買い物はどうや?」
「今、お肉を買ったところ」
「ということは、まだ友枝商店街におるんやな」
「うん、でもこれでお買い物は終わりだよ」
「せっかくなんやけど、まだ終わりやない。買うもんはまだあるでぇ」
「ほぇ?どういうこと」
「食後のデザートを買ってきてほしいんや」
「ほぇ?デザートって、冷蔵庫にこぐまやのプリンが」
あるよ、と言いかけて、あたしはあることに気がついた。ひょっとして・・・!
「ひょっとして、ケロちゃん、プリン、食べちゃったの?!」
「・・・」
しばしの沈黙。思わず、あたしはケータイを握りなおして
「ケロちゃん!」
「・・・まぁ、そのひょっとしてやな」
「じゃ、あたしや龍平の分まで食べちゃったの?!」
「いやぁ~。食べ出したら、つい、止まらなくなってな」
「ひどい~!」
こぐまやのプリンは、ケロちゃんもなんだけど、あたしも大好物なんだ。
「そ、そやから、こうして電話しとるやないか。晩ご飯食べ終わってから気づいても遅すぎるし、
今から買ってくればええと思うてな」
「そんな問題じゃない!!」
あたしの声は大きくなった。

358:126
05/04/24 23:27:37 YzuT9+r40
「こぐまやさんって、友枝遊園地の近くなんだよ!これから行ったら暗くなるまでにおうちに帰れないよ」
「そやったら、ぴよのチーズケーキはどうや?」
ケーキ屋さんのぴよだったら、確かにここから近い。
「すみれは、ぴよのチーズケーキも好物なんやろ?」
それはそうだけど・・・
「わかった。ぴよに寄ってから帰るよ」
「ほんまか」
「デザートがないのは、やっぱりさみしいからね」
「わーい。じゃ、わいの分も忘れんといてや」
ぴよのチーズケーキを買ってくるとわかったとたん、ケロちゃんの声が明るくなった。
ほんとにもう、と思いながら、あたしは通話を切る。そして
「龍平、次はぴよに行くよ・・・って、龍平?」
あたしの後ろで待っているはずの龍平がいなかった。

「はい、毎度あり」
見ると、龍平もお肉屋さんから何かを買っている。
「龍平、何を買ったの?」
「ステーキ用のハムだよ」
「なんでそんなの買うの?今夜はハンバーグなのに?」
「パパの夜食用に買っておいてって、ママから電話があったんだ」
「いつそんな電話があったの?」
「たった今。おねえちゃんが通話中だったから、ぼくのケータイにかかってきた」
「そっか」


359:CC名無したん
05/04/25 00:22:58 ygxZPva80
夜食にハムステーキか( ;・∀・)

360:CC名無したん
05/04/28 14:12:49 Fn2iXwnk0
ぴよって小狼が覗いてたケーキ屋なんだね
アニメ見てちょっと感動した

361:CC名無したん
05/05/03 14:36:53 7t1/a41L0
>>360
あぁっ、それか。
言われて納得
126たんは細かいなぁ(´∀`)

362:126
05/05/06 01:51:30 HllSjgd80
トン、トン、トン・・・

「あや。タマネギ、つながったままだよ。やり直さなくちゃ」
あたしは、キッチンで晩ご飯の準備を始めていた。
食材がそろったのを確認して、パン粉をミルクに浸して、タマネギをみじん切りにする。
今、てこずっているのは、そのみじん切りだ。
「やっぱり、ママみたいにきれいに切れないよぉ」
ママがハンバーグを作るのを何度かお手伝いしたことがあるけど、タマネギのみじん切りはまだ
やったことがなかったんだ。
うまく切れなくてつながったままのタマネギを、そろえて切りなおす。
いつかは、ママみたいにトントントン、って感じでみじん切りができるようになりたいな・・・
と思いながら、包丁を動かしていると

「お姉ちゃん、ケロちゃんなんだけど」
龍平だ。
「もう、いいかな?ケロちゃんも、もう反省したと思うんだけど」
「だめ。あたしがいいって言うまで、龍平はお風呂場に戻って、見張ってて!」
あたしがそう言うと
「・・・うん、わかったよ」
龍平は、お風呂場に戻っていった。


363:126
05/05/06 01:52:19 HllSjgd80
→すみれの回想モード

「ただいまぁ!」
「おかえり。思ったより早かったなぁ」
ケロちゃんが出迎える。
「ところで、ぴよに寄ってきてくれたんか?」
「うん。やっぱり、デザートがないのはいやだから、チーズケーキを買ってきたよ」
「わーい!チーズケーキやぁ!」
ケロちゃんの背景に花が咲き誇る。
「ほんまぁ、わいはしあわせやなぁ。きょうは、こぐまやのプリンも食べれて、ぴよのチーズケーキも
食べれるんやからぁ~」
最高にしあわせ~って、感じでケロちゃんが宙を舞う。
「・・・もう。あたしたちのプリンを食べちゃったくせに」
「すまん、すまん。あんまり、プリンがおいしかったせいで、つい、止まらなかったんや」
ケロちゃんが、テヘって感じで言う。あんまり、反省していないみたいだ。
「とにかく、晩ご飯の材料を冷蔵庫に入れておこう、龍平」
あたしは、龍平から晩ご飯の材料が入ったバッグを受け取ると、キッチンに向かった。

それから、しばらくして。
宿題をしていたあたしは、のどがかわいて、飲み物を取りにキッチンに降りた。
そこであたしが見たものは・・・

「あ~っ!ケロちゃん!!!」
「す、すみれっ!」


364:126
05/05/06 01:54:17 HllSjgd80
あたしが見たのは、ぴよのケーキボックスをあけようとしているケロちゃんだった。
「ケロちゃん、なにしてるのよ!」
「いやぁ、チーズケーキがどのぐらいおいしそうか、見たい思うてな」
言いながら、ケロちゃんがあとずさりした。
「ほんと?」
「ほんまや、見たい思うただけや」
ケロちゃんは、さらにあとずさりした。あたしは、そんなケロちゃんをにらみつける。
「そんなこと言って、ほんとはもうがまんできなくなって、つまみ食いするところだったんでしょ?」
「まぁ・・・そんな気持ちも・・・ちぃ~とはあったかなぁ」
ケロちゃんの顔がひきつってきた。
「ケロちゃんっ!」
あたしは、ケロちゃんのからだをつかむとお風呂場に向かった。
「なにをするつもりや?すみれ・・・いや、すみれさま」

お風呂場に入って、入り口を閉める。そして、あたしは呪文を唱えだした。

「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
あたしが封印の杖を手にすると、ケロちゃんはひきつった声で
「風呂場で杖を封印解除(レリーズ)するとは・・・ひょっとして・・・!」
「その、ひょっとしてだよ」
あたしは、カードさんを取り出した。

「バブル!」

←すみれの回想モード終わり

365:CC名無したん
05/05/06 23:07:17 23vyleUI0
126氏乙~(´∀`)
食い意地はったケロちゃんも乙(;´∀`)

366:CC名無したん
05/05/08 19:03:10 ynZ5NG+v0
126さん乙です。
すっげえ面白いです。
ケロちゃん萌えー

367:あの~。
05/05/09 16:25:02 GL5XoiWA0
あたし、すみれっていうんですけど・・・・

368:CC名無したん
05/05/14 22:37:29 TJguTkEF0
きたかな?

369:126
05/05/16 00:31:22 8LBAXXol0
・・・トン、トン、トン!

「やったぁーっ!」
やっと、みじん切りが終わった。
「じゃ、次に行く前にケロちゃんを許してあげよう」
あたしは、手を洗うとお風呂場に向かった。

「あひゃひゃひゃ~。こ、こそばゆい~っ!」

ケロちゃんの声が聞こえてくる。ケロちゃんは、あたしのバブルさんとは相性が悪くて
あたしのバブルさんで洗うと、くすぐったくてたまらないんだ。
「どう?ケロちゃんのようすは?」
あたしは入り口で見張っていた龍平に聞いた。
「さっきからずぅーっとあの調子だよ。お姉ちゃん、そろそろ許してあげようよ」
「そうね、もう懲りただろうし」
あたしはお風呂場の中に入って、バブルのカードさんを戻した。

  M
_| ̄|○ ゼイゼイゼイ・・・

「・・・ほんま、きつかったわ・・・すみれを怒らしたら、クロウより怖いわ・・・」
「誰が怖いですって?」
「だ、誰でもありません!」
「ケロちゃん、もう2度とつまみ食いしないって、誓う?」
「誓います、誓います」
「ほんと?」
「ほんまや。もう、2度としません、すみれさま」
「じゃ、もうすぐ晩ご飯だから、それまでおとなしく待ってなさい」
「はい、すみれさま」


370:126
05/05/16 00:32:37 8LBAXXol0
あたしはキッチンに戻った。
「ほぇ?タマネギが増えているよ?」
みじん切りになったタマネギが、2つの山になっていた。
「おかしいなぁ。1つにまとめておいたんだけど・・・誰かが分けたのかな?」
でも、そんなことをする人がいるわけがない。

「ま、いっか」

あたしはボールに合いびき肉を入れた。ママが教えてくれたとおりに、お肉屋さんに牛肉の赤身7、
豚肉の赤身2、豚の脂身1の割合にしてもらったものだ。お塩とナツメグを加えてこねる。

よーくこねる。100回こねる。

「そろそろかな」

次に卵、みじん切りにしたタマネギ、ミルクに浸しておいたパン粉を加えて混ぜる。

「じゃ、型を作ろう」

サラダオイルを手につけて、材料を3等分にする。そのうちの1つを手にして、両手で軽くたたいて
空気を抜く。真ん中にくぼみを作って、中まで火が通るようにする。ママが教えてくれたように。

「これでよし」

残りの2つも同じようにして、型を作る。

「龍平、そろそろサラダとスープを作って」
「うん」
サラダとスープは龍平の担当なんだ。スープはレトルトをあたためるだけだけど。


371:126
05/05/16 00:34:04 8LBAXXol0
あたしは、フライパンをあたためてから、サラダオイルをひいた。よくなじんだところで、
ハンバーグを置く。最初は強火で両面に焼け目をつけて肉汁が出ないようにする。
それから弱火にして・・・

「肉汁が透明になった。これなら、焼き上がりだね」

くぼみを軽く押して、焼き上がりを確かめた。
「龍平、サラダは?」
「もう、できてるよ」
龍平がサラダを盛り付けたお皿に、ハンバーグも載せていく。
「お姉ちゃん、じょうずに焼けた?」
「もちろん!」
あたしは、フライパンに残った肉汁に赤ワインとケチャップ、ウスターソースを加えて軽くあたためる。
「ソースもできたよ」
フライパンから、お皿に載せたハンバーグにソースをかける。
「おっ!うまそーやなぁ」
テーブルの上から、ケロちゃんの声が聞こえた。
「もう少しだから、待ってね」
あたしと龍平はテーブルにハンバーグやサラダ、スープにパンを置いていく。
それを見ているケロちゃんは、しっぽを振って、とってもうれしそうだ。
あたしはエプロンをはずして、いすにすわった。龍平もだ。
「わ~い、ハンバーグや!」
ケロちゃんがいきなり食べようとしたので、
「ケロちゃん、『いただきます』は?」
「そうや、そうや。いただきま~す」
「いただきま~す」

あたしたちは晩ご飯を食べ出した。そして、

「※#диЯ★!」

372:CC名無したん
05/05/20 20:03:31 IQGvVJnn0
さくら「私はお前の母親だ」
すみれ「うそだぁ~~~~~っ!!」

373:おい!
05/05/20 20:38:49 VVsxBrC1O
トイストーリー2?

374:CC名無したん
05/05/20 22:42:54 pQIiQt2p0
いいですねぇ。丁寧な描写、転がる物語、魅力的な新参キャラクターたち。
ネットで公開されているファンアートとは思えないクオリティです。
ゆっくりみんなで楽しんでいきましょう。

375:126
05/05/22 23:14:15 wD9HjaJL0
「※#диЯ★!」

あたしたちは、口に入れたハンバーグをお皿に戻した。
「お姉ちゃん、これ・・・」
「・・・」
あたしは、何も言えなかった。このハンバーグは・・・
「ハンバーグがしゃりしゃりしてるよ・・・」
「・・・うん、そうだね」
龍平の言うとおりだった。おいしくできたはずのハンバーグがしゃりしゃりしてる。
「すみれ・・・」
次にケロちゃんが口を開いた。
「・・・わいは思うんやが、ひょっとして、タマネギ、炒めなかったとちゃうんか?」
「あっ!」
そうだ。確かにタマネギのみじん切りを、炒めないでそのまま混ぜたんだ。
「タマネギを炒めるんは、甘みを出すというのもあるんやが、ひき肉と同じ時間で火を通すっちゅう
こともあるんや。肉にはちょうどよく火が通ってるけど、タマネギは半生や。それに、このタマネギ、
分量がミョーに多くないか?いつもの倍ぐらい入っとるし」
「そんなことないよ。タマネギを炒めなかったのは確かだけど、分量はちゃんと計ったよ」
「けどな・・・すみれがせっかく作ってくれたハンバーグやけど、これを食べるのはちょっとキツイでぇ」
「いま、焼き直すよ」
「あかん。そないことしても、タマネギに火が通るころには、肉がこげてしまうさかい」
「そっか。でも、どうしよう」

このままでは、晩ご飯にならない。そのとき、龍平がいすを立って、冷蔵庫のドアを開けた。
「龍平、何するの?」
見ると、龍平は、パパの夜食用のハムを冷蔵庫から取り出している。
「これを晩ご飯にするんだ」
「ダメだよ!それ、パパのお夜食なんだから!」
あたしは、あわてて龍平を止めた。

376:126
05/05/22 23:15:09 wD9HjaJL0
あたしは、龍平からハムステーキの包みを取り上げようとした。すると、龍平は
「お姉ちゃん、これ、実はパパの夜食じゃないんだよ」
「ほぇ?それって、どーゆーこと?」
「お肉屋さんの前で、お姉ちゃんがケロちゃんと電話してるときに、ママからケータイがかかってきて、
ハンバーグがうまくできなかった時用に、買っておいてって、言われたんだ」
「え?」
あたしが驚いていると、龍平はケータイを取り出して、音声メモを再生した。

『・・・すみれちゃん』
ママの声だ。
『すみれちゃんが、これを聞いているということは、ハンバーグ、うまくいかなかったのかな?
もしそうだとしたら、龍くんに買ってもらったハムステーキを、晩ご飯にしてね。
・・・がっかりしないで。元気を出して。すみれちゃんなら、次からはきっとじょうずにできるから。
そのときには、ママにも食べさせてね・・・』

「・・・ごめんなさい、ママ・・・」
ママの伝言を聞きながら、あたしは手で涙をぬぐっていた。
「すみれ、そないに落ち込まんでええ」
「ケロちゃん」
「誰でも最初からじょうずにできるわけやない。さくらかて、すみれぐらいのころには
さんざん料理に失敗して、わいにとんでもない食いもんを食べさせよったで」
「ほんとう?」
「ほんとうや!」
ケロちゃんが笑った。
「そやから、せっかく、さくらが気ぃきかせてくれたんや。スープがさめないうちに、ちゃっちゃと
ハムを焼いてしまおうやないか」
「うん!」


377:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/05/23 19:10:53 Tf5lsf6U0
126氏乙です。

378:CC名無したん
05/05/23 23:03:20 0nhxjxHR0
ほのぼのします

379:CC名無したん
05/05/24 14:44:22 NMk6zH1T0
ええわぁ。
たまねぎいため忘れは経験がありますw

380:CC名無したん
05/05/25 18:01:16 7dh/w/wO0
てか、ハンバーグの玉ねぎって炒めるの?
今まで炒めずにひき肉の中にぶっこんでた・・・。

381:CC名無したん
05/05/26 10:54:32 fU3V8l5/0
>>380
俺弱火でじっくりいためてから入れるけどな。
そういう調理法もあるんじゃない?

382:355 ◆MFV5elHKgs
05/05/27 02:24:19 Z4/b3oB50
ここは本当に落ちつくよ・・


383:CC名無したん
05/05/27 22:37:41 24Kwq5e50
さすがさくらたんやぁ。・゚・(ノД`)・゚・。
さくらたんの愛にほのぼのとしました。
126氏乙であります!

384:CC名無したん
05/05/28 03:02:39 EFjjhOVT0
俺も炒めず入れてたけど大丈夫だよ
まあ肉は弱火でじっくり焼いてるけど

385:CC名無したん
05/05/28 11:08:03 CEeXfEyb0
>>384
それだ!
おれ強火でがーっと焼いて中のジューシー感を味わうタイプだから。
弱く焼くと締まりすぎる気がしてだめなんだ

386:126
05/05/30 01:05:24 5AgH3I+c0
「ごちそうさまぁ」

「あ~、食った。食った」
ケロちゃんは、大きくふくらんだお腹をぽんぽんとたたく。
「きょうのハムステーキは、とくにうまかったでぇ。隠し包丁を入れるなんて、すみれもなかなかやな」
「ありがとう。ママが教えてくれたんだ」
「ほんま、さくらといい、すみれといい、うまいもんを作ってくれて、わいはしあわせやなぁ。
ところですみれ」
「なに?ケロちゃん?」
「おいしい晩ご飯も食べたことやし、食後のデザートは?」
「ちょっと待って。おかたづけをしてからね」

あたしはキッチンにトレイを取りに行った。

「・・・これは?」

ほんの少しだけど、魔力の気配を感じる。

(気のせいかな?キッチンで魔力なんて・・・?)

あたしがとまどっていると、テーブルからお皿なんかをを持ってきた龍平が
「お姉ちゃん、魔力の気配がするみたいだけど・・・」
「龍平も感じる?」
あたしたちは、精神を集中した。
「ここだ!」
「うん!」


387:126
05/05/30 01:06:59 5AgH3I+c0
ケロちゃんも飛んできた。
「魔力の気配がするんやて?」
「うん、ここ。ディスポーザーの中から」
あたしと龍平は指を指した。
「ディスポーザーの中からやて?中になんかヘンなもんが入ってんのか?」
「見てみる」
あたしは、ディスポーザーのふたを開けた。
「変なものはないよ。さっき失敗したハンバーグぐらいかな・・・でも、このハンバーグ、
確かに魔力の気配がする!」
「なんやて!」

そのとき、

キャッキャッ・・・

窓の外から笑い声が聞こえた。
「なに?」
声の方を見ると、お庭にふたりの小人さんがいた。
「あれは?」
「あれは、ツインのカードやないか!」
「クロウ・カードなの?」
「ああ、なんでも2つにしてしまうカードや!」
「なんでも2つに・・・あっ!ひょっとして?!」
「どうしたんや、すみれ?」
「うん、ハンバーグを作っているときに・・・」


388:126
05/05/30 01:12:30 5AgH3I+c0
→すみれの回想モード

あたしはキッチンに戻った。
「ほぇ?タマネギが増えているよ?」
みじん切りになったタマネギが、2つの山になっていた。
「おかしいなぁ。1つにまとめておいたんだけど・・・誰かが分けたのかな?」
でも、そんなことをする人がいるわけがない。

「ま、いっか」

←すみれの回想モード終わり

「そうか!それで、すみれのハンバーグにタマネギがいつもの倍ぐらい入ってたんや!」
「それって、ツインのカードのせい?」
「きっとそうや。でなければ、いくらタマネギが半生やとしても、あんなにしゃりしゃりにならへん!」
「・・・でも、どうして、あのとき、魔力に気づかなかったんだろう・・・」
「それは、すみれがバブルのカードを使うんで、一生懸命だったからや」
「・・・そっか」

そのとき、ツインのふたりが、とつぜん光に包まれた。

「お姉ちゃんっ!」
「龍平!」


389:CC名無したん
05/05/30 11:53:33 CxdD0geb0
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
いいすねー話がきちんと組み立てられてる。
ほかの二次制作とは一線を画してる

390:CC名無したん
05/06/01 07:44:32 4x0jrGbE0
保守

391:CC名無したん
05/06/02 20:56:08 +Ltq2Ytj0
>>389
はあ?何言ってんだおまえ。馬鹿か?
最強は最近文章が一線を越えた
スレリンク(sakura板)l50
スレリンク(sakura板)l50
これだろ。

392:CC名無したん
05/06/04 10:16:47 NHOrhe5F0
126氏キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
ハンバーグ失敗をちゃんとカードのせいにしているというところがいいですね。(´∀`)
次回も期待したいと思います(´∀`)

393:126
05/06/06 02:28:02 8Oy9qkQs0
ガッシャーン!

お皿の音が、キッチンに鳴り響いた。
龍平が、半分落とすようにして、持っていたお皿をシンクに置いたんだ。

「だいじょうぶ、龍平?」
「うん。でも、驚いたよ。急にお皿が2倍になるもんだから、重くて、落とすところだった」
「・・・もう!」
あたしは、窓の外のツインをにらみつけて、叫んだ。

「どうしてくれるのよ!おかたづけが、2倍大変になっちゃったじゃない!」

ズザーッ(←龍平とケルベロスがコケる音)

「・・・お姉ちゃん・・・こんなときにボケなくても・・・」
「龍平の言うとおりや。ツインが騒ぎを起こしたら、そんなもんやないんやで」

そして、ケロちゃんもツインをにらみつけて、叫んだ。

「どないしてくれるんや!どーせなら、皿やなくて、今日のデザートを2倍にしてくれへんか~!」

ズザーッ(←すみれと龍平とツインがコケる音)

「どうや?わいのボケの方が、強力やろ?」
「そんな問題じゃない!」
「そうか?」
「そんなこと言っているうちに、ツインのカードがどっかに飛んで行っちゃったんじゃないの!」
「あかん!すみれ、追いかけるんや!」


394:126
05/06/06 02:30:19 8Oy9qkQs0
「龍平、おうちのことはお願い」

玄関に出たあたしは、呪文を唱えだした。

「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」

封印の杖を手にすると、あたしはフライのカードさんを取り出した。

「クロウの創りしカードよ。我が鍵に力を貸せ。
カードに宿りし魔力を、この鍵に移し、我に力を!フライ!」

「行くよ、ケロちゃん」
「おう!」

あたしとケロちゃんは、友枝町の上空を飛んで行く。
「見て、ケロちゃん。あそこの郵便ポスト、2つになってるよ!」
「こりゃあ、はようツインを捕まえんと、おおごとになるでぇ」
「カードの気配を感じるよ。ペンギン公園のほう」
「ほんまや。すみれ、はよう行こう」
「うん!」


395:CC名無したん
05/06/10 23:28:30 aLvkId7m0
ハァハァ

396:CC名無したん
05/06/12 09:51:01 WqOznlam0
 ('A`) ヌルポクセ

397:CC名無したん
05/06/12 11:02:20 HvKhJjOMO
>>396
(*-_-)つ ≡ ●☆)゚3゚) ガッ!!!!

398:126
05/06/12 22:58:05 uOWezLH+0
「いたっ!」

ツインのカードは、ペンギン大王のまわりをダンスするようにして回っていた。
ちょっと、楽しそうだけど
「あいつら、ペンギン大王を2つにしようとしとるで!」
「たいへん!すぐに止めなくちゃ!」
フライのカードさんで飛んでいると、ほかのカードが使えない。あたしは、ペンギン公園に急降下した。
大急ぎで、フライさんを解く。そして

「風よ、いましめの鎖となれ!ウィンディ!」

ウィンディさんが、ツインのひとりを捕まえた!

「汝のあるべき姿に戻れ、クロウ・カード!」

「あかん、すみれ!」
「えっ!?」

ずばばーん!

「きゃっ!」

ツインのひとりは、カードの形にならずに、あたしは封印の杖ごとはじかれた。

「どうして?」
「ツインは、かたっぽだけ捕まえてもあかんのや!」
「え~っ!?」
「両方同時に動かれへんようにせなあかん!」
「同時にって!?」


399:126
05/06/12 22:59:00 uOWezLH+0
そのとき、ペンギン大王のてっぺんにいたツインが、あたしの方に飛んできた。
あたしが、2人にされちゃう!

「・・・あわわわ・・・ジャンプ!」

あたしは、ツインから逃げ回った。

「すみれ、知世のビデオ、見てなかったんか!?」

ツインの後ろから追いかけてくる、ケロちゃんの声を聞いて、あたしは思い出した。
ママのときは、パパと苺鈴おばさんが協力してツインの動きを止めたんだ。
けど、あたしは2人を同時に止められるカードなんて、持っていない。

「2人同時なんて、無理だよ~っ!」

そのとき、ツインの気配がもうれつに強くなってきた。

「あかん、やられる!」

「ほぇ~っ!!!」


400:CC名無したん
05/06/13 00:09:44 0jm6e4sV0
400糞スレげっと

401:CC名無したん
05/06/18 01:23:25 ERf8qOGz0
保守

402:CC名無したん
05/06/18 01:25:47 ERf8qOGz0
保守

403:CC名無したん
05/06/18 01:30:29 ERf8qOGz0
hosyu

404:CC名無したん
05/06/18 01:34:23 ERf8qOGz0
保守

405:CC名無したん
05/06/18 17:11:40 MCWIPOhz0
すみれはルーク・スカイウォーカー

406:CC名無したん
05/06/20 23:51:16 t7VGeXyAO

さくらタソをダークサイドに堕とす気か?www

407:126
05/07/04 01:11:59 8dcRIsmU0
「シールド!」

そのとき、あたしの目の前にシールドが現れて、ツインの魔力を防いでくれた。このシールドは

「ママっ!」
「だいじょうぶ、すみれちゃん?」
「うん。だいじょうぶだよ。ありがとう、ママ」
ママは、あたしたちのそばに降りてきた。
「さくら、来てくれたんか」
「カードの気配がしたから、フライのカードで飛んできたの。こんどは、ツインのカードみたいね」
「うん。でも、ひとりじゃうまく封印できなくて」
「じゃ、いっしょに封印しよう」
そうか、ママといっしょなら封印できるかもしれない。
「よっしゃ、わいがカードを追い込むさかい、さくらとすみれで封印や」
そう言うと、ケロちゃんのからだが羽につつまれ、まもなく、真の姿になったケロちゃんが現れた。
「よっしゃ、いくでぇ」
ケロちゃんは、羽をはばたかせると、ツインのカードに向かって行った。

「来るよ、すみれちゃん!」
「うん!」
まもなく、ケロちゃんに追い立てられたツインのカードが、こちらの方に飛んできた。
あたしとママはカードを取り出す。
あたしは、ママを見る。
そして、ママの目で合図。

「「サンダーッ!!」」


408:126
05/07/04 01:13:53 8dcRIsmU0
「・・・あっ」

タイミングがずれた。ほんの少し、サンダーさんがツインを捕まえた後、

ずばばーん!

ツインは、サンダーさんを解いてしまう。

「あかん。タイミングがずれよった」
あたしは、ママを見た。
「もう一度だよ、すみれちゃん!」
「うん、ケロちゃんもお願い!」
「よっしゃ!」

ケロちゃんが、もう一度、ツインをおいかける。

そして
「来るわ!」
「うん!」
あたしとママは、タイミングを合わせた。

「「サンダーッ!!」」


409:CC名無したん
05/07/13 00:18:30 0HN4ciuP0
(;゚∀゚)=3

410:CC名無したん
05/07/15 16:42:20 UrvSm7a60
日本人なんかと結婚しなかったから幸せそう

411:CC名無したん
05/07/15 21:56:18 dVqWBikB0
おもろい

412:126
05/07/17 00:07:01 uAEnc+yM0
ずばばーん!

「あかん、今度もタイミングがずれよった!」

今度も、サンダーさんを解かれてしまった。

「・・・そんな、もう一度やろうよ!」
あたしは、ママを見た。
「・・・」
ママは、ペンギン大王の上に降り立った、ツインを見つめている。
「すみれ、このままやと、何度やっても封印できん」
「ほぇ?」
「ツインはわいの動きに慣れてきとる。もう一度やっても、すみれたちの前にうまく追い込めるか・・・」
「そんな・・・けど、ツインをそのままにしておけないよ。だから、もう一度やろうよ。
ね、ママも」
「わかったわ。あきらめずにもう一度やりましょう」
「そうやな。すみれの言うとおりや」

ケロちゃんはそう言うと、羽を広げて、再びツインに向かって飛び立った。


413:126
05/07/17 00:08:34 uAEnc+yM0
「・・・ケロちゃん、がんばって!」

けれども、ケロちゃんの言うとおりだった。ツインのカードは、もうケロちゃんの動きを読めるみたいだ。
さっきまでと違って、ケロちゃんがツインを追いかけているというよりも、ケロちゃんのほうが
逃げることが多くなっている。

「くそっ!」

ケロちゃんの声があたしにまで聞こえてくる。

「わいをなめるなよ!」

ケロちゃんが空中で急転回して、ツインに向けて火炎を吐いた。
ツインはぎりぎりのところでその炎をかわして、ケロちゃんの上をすりぬける。
そして、そのまままっすぐあたしのところに突っこんできた。
「すみれちゃん!」
「ジャ、ジャ・・・」
あたしは、ジャンプのカードさんを使って逃げようとしたけど、サンダーさんを持っていたので
すぐにカードさんを取り出せない。

「あぶない!」

「ほぇ~っ!!!」


414:CC名無したん
05/07/17 00:11:10 WzDsl0Cb0
おもろねえ('A`)

415:CC名無したん
05/07/17 07:36:49 z71xj3ql0
保守

416:保守
05/07/24 22:21:25 M0T4u6PI0
                _                           Λ_Λ
               ̄   ̄                         <;;;)`Д。>←>>414
        . '            ヽ
       /                                    //
      /                                  //
           ,-( ヽ         i               /
    /       メ、ヽ ヽ          |               /
          /  ヽl  |        |            /
        /    // /        !          ,
       /Λ_Λ// /
     / ( ´∀/ /
    /   γ    /         /
  θ     ヘ    |        /
         )   |       ,
         /     |
         /  ヘ   |   /
        i  / |  |  /  /   , '    _/  |l
       /  /   |  |    し'   /      / ̄/
      /  /.  /  |       (   _   /  /   〃,
     (  /   /  l  と と )  て ̄          /
     し'   /__) (_(_,レ



417:CC名無したん
05/07/27 15:54:28 coAesvN70
保守

418:126
05/08/01 01:09:37 SUTUDVrD0
「風華招来!」

とつぜん、あたしのからだが、風に包まれた。

「これは・・・?」

そのまま、どこかに運ばれたかと思うと、まもなく、あたしのまわりの風が消えた。
そして、目の前に現れたのは、剣を構えた影・・・

「だいじょうぶか、すみれ?」
「パパ!」
あたしは、パパに抱きついた。
「ありがとう、パパ!もう少しで、ふたりにされちゃうとこだったよ!」
「ふたりに?じゃ、ツインのカードが現れたのか?」
「うん」
「さくらは?」

そのとき、
「小狼くーん!」
ママがあたしたちのところに飛んできた。
「さくら」
「よかったぁ。すみれちゃん、無事だったのね」
「うん。パパが助けてくれたんだ」
「ありがとう、小狼くん」
「すみれは、俺たちの子だ。助けて当然だ」

パパの顔が、ほんの少し赤くなった。


419:126
05/08/01 01:10:51 SUTUDVrD0
「すみれ、無事やったんか」

すぐにケロちゃんもやってきた。

「うん、パパが助けたくれたんだ」
「ほぉ、小僧もたまにはやるもんやな」
「誰が小僧だ?」
「小僧で十分や」

また、お約束の掛け合いが始まった。

「ふたりとも、やめて。今は、ツインの封印が先よ」
「ママの言うとおりだよ。早く封印しないと、ご町内が大変なことになっちゃう!」
「そうだな」

ママとあたしのことばに、ふたりは掛け合いをやめた。

「・・・それで、封印はうまくいかなかったのか?」
「わいの動きも読まれとるし」
「すみれちゃんとでは、どうしてもタイミングがずれてしまうの」
「だから、あたしとママよりも息がぴったり合わないと・・・そうだ!」


420:CC名無したん
05/08/01 01:39:49 IRlXVZX30
(゚∀゚ *)ホェー

421:CC名無したん
05/08/01 08:53:13 cnrYzwnm0
うぉ、ここで小狼くん登場ですか!

422:CC名無したん
05/08/01 21:37:54 KYpX3lDG0
(´・∀・`)y-~~

423:CC名無したん
05/08/06 20:14:53 4mGZJfED0
ふんふん

424:CC名無したん
05/08/06 21:03:32 bKBnsTDIO
すみれ懐かしいなぁ。今まで忘れてたよorz

>>126
相変わらずGJ!!期待してるぜ!

425:CC名無したん
05/08/09 02:16:31 zKGjEZ6p0
ここ何人ぐらいの人がみてるかな

426:CC名無したん
05/08/10 00:03:21 rdz2bdVt0
そりゃあもう世間の人は大抵見てるでしょ。

427:CC名無したん
05/08/10 00:37:38 pfknU4Pd0
ノシ
すくなくとも自分は見てます。

428:CC名無したん
05/08/10 15:46:05 7RSFKpZ10
漏れも見てますよ。ほぼ毎日見に来てます。

429:CC名無したん
05/08/12 21:24:57 wyoH3Uw30
点呼とかいらん

430:CC名無したん
05/08/14 21:06:26 Z0c+xjFH0
静熱燃とはこの事さ

431:126
05/08/15 02:28:29 Qh+FGaGO0
「ええか、すみれ。落ちんように気ぃつけや」
「うん」
ケロちゃんの背中に乗って、あたしは答えた。
「行くでぇ!」

ケロちゃんの羽がぶぁっと開いて、あたしたちは飛び立った。
地上のママとパパの姿が小さくなる。そして、目指すのは、ツインのふたり。

「いたっ!」

ツインのカードは、相変わらずペンギン大王の近くにいた。
「なんや、のんびりしとるなぁ」
「きっと、あたしたちでは封印できないと思って油断してるんだよ」
「ようし、今度こそ封印や、すみれ!」
「うん!」
あたしは、カードさんを取り出した。

「今度こそ容赦せぇへんでぇ!」
ケロちゃんは、息をためると火炎を吐き出した。
それと同時にあたしは、
「ファイアリー!」
ケロちゃんの口と、ファイアリーからの2連の火炎が、ツインのカードを追いかけた。
さっきまでと違って、大あわてだ。

「うまいよ、ケロちゃん!」

ケロちゃんがちょっとうなずくと、口からの火炎がさらに強くなった。

432:126
05/08/15 02:31:27 Qh+FGaGO0
「ケロちゃん、右の方に!」
あたしは杖をふって、ファイアリーを誘導する。

焼けそうになったツインのふたりは、夢中で逃げ出していく。そして、その先にはママとパパがいた。

「来るよ、小狼くん!」
カードを取り出したさくらを見て、小狼も護符を取り出した。

「サンダー!」
「雷帝招来!」

ふたりから伸びた雷撃が、ツインを襲う。

「やったか?」

「うん、やったよ、ケロちゃん!」

雷撃に捕まったツインのふたりが、空中でじたばたする。

「今や!」
「汝のあるべき姿に戻れ、クロウ・カード!」

ピンっ!

封印の杖を振り下ろすと、金属のような音がして、ツインのカードが封印の杖から伸びた光に包まれた。


433:126
05/08/15 02:34:40 Qh+FGaGO0
まもなく、ふたつの光がひとつになると、あたしの手にすべりこんで来た。
そして、光が消えていくと、あたしの手にツインのカードがあった。

「やったぁっ!」
「やったな、すみれ!」
「うん。やっぱり、ママとパパなら息がぴったりなんだ!」

→小狼がすみれを助けたときの回想シーン
「・・・それで、封印はうまくいかなかったのか?」
「わいの動きも読まれとるし」
「すみれちゃんとでは、どうしてもタイミングがずれてしまうの」
「だから、あたしとママよりも息がぴったり合わないと・・・そうだ!」
「何か、思いついたんか、すみれ?」
「うん。ママとパパにツインを捕まえてもらうの」
「ほぇ?」
「ママとパパなら、きっとぴったりのタイミングでツインを捕まえられるよ」
「だが、俺の護符はクロウ・カードじゃない。魔力の種類が違うから、同じタイミングで使うのは無理だ」
「けどけど、ママとパパは、あたしが生まれる前からずーっといっしょだったんでしょ。
だから、きっとあたしとママよりもタイミングが合うと思うんだ」
「・・・」
ママとパパは、お互いの顔を見た。
「・・・小狼くん」
パパは、ママの顔をしばらく見つめていた。そして、
「・・・ああ」
ほんの少し微笑むと、うなずいた。
←回想シーン終わり

434:126
05/08/15 02:40:58 Qh+FGaGO0
ケロちゃんの背中から降りたあたしは、ママたちの方に向かって走り出した。
「ママ!パパ!やったよ!」

ふっ。

「ほぇ?」
あたしの目の前から、ママが消えた。

「やったよ!小狼くぅーん!」

そのとき、ママはパパの胸に飛び込んでいた。

「おい、よせっ、さくら」
パパの顔は真っ赤だ。
「よせ、すみれが見てるじゃないか」
「やだぁ」

パパはあたしの方を気にしながら、じたばたしている。
「・・・ケロちゃん」
あたしは、カードを手に立ちつくしていた。そんなあたしに、
「まぁ、ええんやないか?
さくらも久しぶりに小僧に会えたんやし、すみれもツインを封印できたことやし」
「そ、それもそうだね」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。

<すみれのしゃりしゃりハンバーグ:終劇>


435:126
05/08/15 02:41:59 Qh+FGaGO0


















「・・・おい、さくら、やめろって・・・」
「やぁだ!」


436:CC名無したん
05/08/15 02:49:19 ObbcBp0U0
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
やっぱりCCさくらの小狼とさくらはいいな
ツバサは・・・

437:CC名無したん
05/08/15 17:59:11 ppaQTj2I0
読みながらニヤニヤしてしまった。

438:CC名無したん
05/08/16 22:31:31 cTOPwfAI0
久々に来たら更新キタ━━━≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━!!!!!
ほんまに上手いですね。
437にハゲドーな自分でした!
また二人の甘いの待ってますww

439:CC名無したん
05/08/16 22:39:01 85b3Ojm20
上手い?
ど下手だろ

440:CC名無したん
05/08/17 01:32:50 lv/qLVqn0
>>439
> 上手い?
> ど下手だろ
酷いこというね、ど下手はあんまりだと思う。まああんまりこなれてないけど、
この板の今のノリはこういうのが受け入れられるんだから、ニーズに合致している
ということなんじゃないかな。
スレリンク(sakura板)l50
スレリンク(sakura板)l50

続きを書くでもなく、自作自演で誉めそやすこの辺のスレと比べればよほどましかと思うよ。

441:CC名無したん
05/08/19 10:15:20 J+LL5lkB0
描写が下手だろ
せめてこの程度のレベルにしてみろ
スレリンク(sakura板)l50

442:CC名無したん
05/08/19 11:24:27 k8Bd2LrMP
早く夏終わんないかな

443:126
05/08/20 01:58:18 Wq15CfNG0
マジレスしますと、126 は描写のていねいな文章を「重く、めんどくさい」と感じることが多く、
たとえそれが上手であっても好きではありません。自分で好きでないタイプの文章を書き続けることが
できる人は、世の中では少数派だと思います。

それに、このSSは原作に大幅に依存しています。原作と同じセリフを書けば、その前後の描写は、
原作からの類推で脳内補完が可能なので、書く方は細かく描写しなくてもすみますし、
読む方にとっても、その補完作業がSSを読むときの楽しみだったりします。

要は、普通の文章として評価するのがもともと間違いなのでしょう。



・・・とか書いてみましたが、本音も書きますと、

「もう3年書いてるから、これ以上文章は上達しないだろうし、だからといってここでやめるとしたら
悪魔将軍や前スレ >>14 氏、そのほかたぶん実在するであろう読んでくれている人に申しわけない気も
するので、sage 進行で地味に続けさせていただきます。お気に召さなければスルーしてください」

ということです。


444:妄想 ◆GqVfLUITBY
05/08/20 02:22:24 70F+yvoD0
>マジレスしますと、126 は描写のていねいな文章を「重く、めんどくさい」と感じることが多く、
たとえそれが上手であっても好きではありません。

おい、描写を丁寧に書くことがそんなに悪いのか?

445:126
05/08/20 02:38:00 Wq15CfNG0
>>444
良し悪しでいえば、ていねいな描写は「良い」ことだと思います。
ただ「良くても嫌い」「悪いけど好き」というのもあるでしょう?

126 の中では善悪と好き嫌いは一致しておりません。独立してます。


446:CC名無したん
05/08/20 04:00:48 VLKVRiHX0
個人的に言わせてもらえばこれはこれでいいと思うよ。
個人の嗜好だし、俺は想像の余地があっていい会話劇として見させてもらってるよ。
まあ正直言えば思ってたのと違う意味で書かれたシーンが多くて迷うこともあるけど。
それはそれで十分作者の意思としてありだと思います。

447:CC名無したん
05/08/20 12:03:55 T/sCZWBv0
こういう文章だから逆に必要以上に持ち上げる奴が少なくて
アンチを生まずに長い間書き続けられた、とも思うよ。
「こっちむいてよスレ」のアレは本当に可哀相、としか言いようがない。

448:CC名無したん
05/08/20 14:11:33 Hrpys4M70
なんだってすぐ355の話にするかな
その話はそっちのスレでやってくれ
荒れるだろ

449:126
05/08/22 00:44:41 7pJGeYU20
次回予告
ほぇ~っ!
あたしと衛くんが、イベントで中国拳法の表演をすることに
なったんだ。それも、パパのお仕事の関係で・・・
それから、あたしは衛くんは、パパに教えてもらって猛特訓!
表演は無事にできたんだけど・・・

その帰りの公園で、衛くんに戦いを挑んできた人がいるの。

衛くん、負けないで!

でもでも、この相手は・・・クロウ・カード!!
どうしよう。衛くんがいるから封印できないよ!

カードキャプターすみれ さくらと小狼のこどもたち
すみれと封印できないカード

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!

450:CC名無したん
05/08/22 01:00:36 Dlfk4SJ00
くだらねえ。文書だな~

451:CC名無したん
05/08/22 16:54:33 ZoATrBAr0
次回予告キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!

ガンガってください。応援してます

452:CC名無したん
05/08/23 02:40:19 x9ETJpOS0
文句のある奴は見なければいい、それだけのこと。
それにしてももう始まってから3年も経っているのか、
126氏、あんまり気にせずこれからも頑張ってくれ。

453:CC名無したん
05/08/23 04:55:25 ys2vJdrM0
すみれたんのビジュアルってどんな感じ?

454:126
05/08/29 02:32:53 QOXrjiFN0
「おそよ~!朝だよ~!起きなさ~い!」
「むにゃ、むにゃ・・・おはよう、お姉ちゃん」

その日、あたしはいつものように龍平を起こしていた。
ほんとに、わが弟はもうれつに朝が弱い。

「早く起きないと、学校に遅れちゃうよ」

そう言いながら、龍平が起きるの待つ。

「ほぇ?」

ふと、あたしは、龍平の机の上に見慣れないものを見つけた。

「龍平、これなに?」
「本だよ」
「それくらい、わかるよ。なんの本?こんな分厚い本、龍平持ってたっけ?」
「パパが、香港から持ってきてくれたんだ。クロウさんが書いた本なんだよ」
「クロウさんの?」
香港の夜蘭(イエラン)おばあちゃんちに、クロウさんが書いた本が何冊かあるって聞いたことがある。
あたしは、本の表紙をめくった。中は見たこともない文字でいっぱいだった。
「ほぇ~!龍平、こんなの読めるの?」
「いま、パパに教えてもらってる。文字はクロウさんが作った文字だけど、中は中国語と英語だよ」
「そうなんだ」

でも、どうして、とつぜんこんな本をパパが持ってきたんだろう。


455:126
05/08/29 02:34:33 QOXrjiFN0
「おはよう、パパ」
「ああ、おはよう」
「おはよう、ママ」
「おはよう、すみれちゃん、龍くん。おばあちゃんにごあいさつは?」
そして、あたしと龍平は、撫子おばあちゃんのホログラムに
「おはようございます、おばあちゃん」

そして、テーブルにつく。テーブルの上には、おかゆと油条(ヨウテャオ。お粥といっしょに食べる
揚げパン)、中国風のオムレツなんかが並んでいる。

「おっ、きょうもうまそうやな」
すぐに飛びつきそうなケロちゃんに、ママがひとこと。
「ケロちゃん、『いただきます』は?」
「そうやったな。みんな、『いただきます』や。『いただきます』とちゃんと言うんやで!」
ケロちゃんのことばに、あたしたちは少し笑いながら

「いただきまーす」

朝ごはんを食べながら、あたしは気になっていることを、パパに聞いてみた。


456:126
05/08/29 02:36:07 QOXrjiFN0
「あのね、パパ。クロウさんの本のことなんだけど・・・」
あたしの質問が終わる前に、答えたのは龍平だった。
「前から、ぼくがパパに頼んでいたんだ。クロウさんの本を読みたいって」
「前からって、いつごろ?」
「お姉ちゃんが、カードを集めだしたころ」
「どうして?」
「うん・・・魔法のことが知りたいんだ。ママもお姉ちゃんもカードを使えるし、パパも魔法を使える。
ぼくは魔力はあるみたいだけど、みんなと違ってカードを使ったりはできない。
それなら、せめて、魔法がどんなものなのか知りたいんだ」

あたしは、ふと、龍平のことばを思い出した。あれは、あたしがサンドのカードを封印しようと
ホテルからサルベージ船まで行こうとしたときのことだ。

→回想シーンの始まり
「大丈夫だよ。カードを使えば、あのぐらいの距離なんて、すぐだよ」
「でも、ぼくは何もできない」
あたしは、龍平の顔を見た。もう少しで泣きそうな顔をしている。
「ちょ、ちょっと、どうしたの。龍平らしくないよ」
「だって、ぼくはお姉ちゃんと違って、封印の杖なんて持っていないし
カードも使えないし、ここで見てるしかできないじゃないか」
←回想シーンの終わり

・・・あたしは、龍平の顔を見つめていた。

「どうしたの、お姉ちゃん?」
「う、ううん、なんでもないよ」

457:126
05/08/29 02:47:35 QOXrjiFN0
そのあと、あたしは龍平にこう言ったんだ。

「龍平は、カードの気配がわかるんだよ。気配がわかれば、なんとかできるじゃない。
龍平は、龍平にできることを、せいいっぱいやればいいんだよ」

『龍平にできること』

カードが使えない龍平は、きっと、それをずっと探していて、そして、クロウさんの本を読むことが
それを見つけるきっかけになると思っているんだろう。

「でも、お義母さまは、クロウさんの本を香港から持ち出すのは禁止してたはずだけど?」
ママの疑問に、こんどはパパが答えた。
「ああ、そのとおりだ。これまで、龍平の頼みを何回か母上に伝えたが、だめだった。
それが、今回日本に来るときに、とつぜん、母上の方からあの本を渡されて、龍平に読ませるようにと
言われたんだ」
「ほぇ?」
「それはどういうことや?」
ケロちゃんも、食べるのをやめて聞く。
「わからない。ただ、龍平がその気なら、そろそろクロウの本を読んでもいいと思う。
俺も、龍平の年齢のころには、全部読んでいたし」
「パパはそのころからクロウさんの文字を読めたの?」
「ああ。母上や偉(ウェイ)に教えてもらった。読めるようになるまで時間がかかったけどな」
「じゃ、こんどはパパが龍平に教える番なんだね」
「そういうことだ」
そして、パパはことばを続けた。
「基金の仕事の関係で、こんどの日本滞在は長くなりそうだ。だから龍平にはしっかり教えてやるぞ」
「ほんとう?!やったーっ!!!」

パパのことばを聞いて喜んだのは、龍平よりもママだった。


458:126
05/08/29 02:48:41 QOXrjiFN0
「もうすぐ、友枝町で日中友好のイベントがあるんだ。基金が主催しているから、俺もいろいろとな」

基金っていうのは、日中親善基金のこと(注:架空の団体です)。
パパは李家の代表ということで、いろいろなお仕事をしているけど、日本にいるときのお仕事は、
そこの理事をしているんだ。

「いろいろって、たとえば、どんなお仕事?」
あたしが聞くと、
「たとえば、イベントで中国拳法の表演があるんだが、その表演者の人選とかな。
実は、お願いしていた人が、急にケガをしてしまって、きょうはその代わりを決める予定なんだ。
なんでも、早朝の鍛錬中に勝負をいどまれたらしい」
そこに、ケロちゃんが割りこんできた。
「小僧、そんなことより、イベントなんやろ?なんか、うまいもんが出るんか?出るんやろな?
飲茶トライアスロンとか、満漢全席マラソンとかあったら、わいも出るでぇ!」

ぴきーん!

緊張が走り、パパがケロちゃんをにらみつける。

「ほんと、食い意地がはってるな」
「なんやと?!もういっぺん言ってみぃ!わいは、食いもんに対していつも真剣勝負なんや!」

また、お約束の掛け合いが始まった。そして、

「「いってきまーす」」
「ふたりとも、忘れ物はないわね?」
「「はーい!」」

・・・結局、パパとケロちゃんの掛け合いは、あたしと龍平が学校に向かうまで続いていた。


459:CC名無したん
05/08/29 23:42:12 XqrGQ8pB0
126さま 乙です。そういや、以前どなたかが「すみれたちの画像」を公開してたね。
漏れのHDDにも探したらあると思うんだけど・・・_| ̄|○モハヤナニガナンダカ

460:CC名無したん
05/08/30 11:55:18 eWIgfMZ50
>>459
うpキボン

461:CC名無したん
05/08/30 19:50:14 1VXAuf8XP
126氏乙です いいっすね読んでて癒されました

462:CC名無したん
05/09/01 23:09:09 HPwrj6PV0
このスレがさくら板中一番おもしろいのは決定済み

463:CC名無したん
05/09/02 00:52:05 Fx6HZR3S0
CCさくら板がつまらんとは言わんが、ここはかなり良スレだな。
126氏カンガレ!!応援してまつ。

464:CC名無したん
05/09/02 15:16:51 7Fv4G+p50
もうわかったから他スレ荒らしに来ないでほしい

465:CC名無したん
05/09/02 19:05:42 PHD6NZG90
ここまでひどい文章を書けるなど、ある意味尊敬する。

466:CC名無したん
05/09/03 01:01:46 YRk7wUOs0
ハァ?355降臨ですか?
126さんに嫉妬するのもいい加減にしてくれないか?


467:CC名無したん
05/09/03 08:57:48 KQ1ZYk8z0
また355かよ

468:CC名無したん
05/09/03 10:58:24 dVJYIuhh0
355しつこいな。

469:CC名無したん
05/09/03 13:00:09 5Ht91JYcO
ハイハイ他の所でやってくださいねぇ~荒らしは

470:CC名無したん
05/09/03 14:40:27 YOHcEqMh0
355キテタァ♪

471:CC名無したん
05/09/03 16:28:10 h5eq0nKn0
荒らしはスルーが一番

472:CC名無したん
05/09/03 16:43:43 SOWbImYS0
126さん、カスの355なんか気にせず書いてくださいね

473:CC名無したん
05/09/07 13:54:49 BE85FWhhO
チクショー前スレが見たい~

474:CC名無したん
05/09/07 20:16:16 29IoY+v90
前スレあるんじゃないの?

475:CC名無したん
05/09/07 20:22:40 BE85FWhhO
携帯からは見れない…

476:CC名無したん
05/09/07 20:25:58 0wYoQzwH0
携帯からみれないときは、パソでみればいいじゃろ

477:CC名無したん
05/09/07 20:29:58 BE85FWhhO
壊れちゃった…

478:CC名無したん
05/09/07 22:02:05 8PFkjnvV0
残念

479:126
05/09/08 16:13:41 YmUNvO+b0
126さんがんばって

480:CC名無したん
05/09/08 16:15:05 YmUNvO+b0
126さんがんばってってかくときに間違えて名前のところにもかいてしまった

481:CC名無したん
05/09/08 19:11:04 85WvNIGJ0
>>480
自演のいいわけかw

482:CC名無したん
05/09/09 02:38:06 lylcJ8270
あーあ・・・

483:CC名無したん
05/09/09 03:12:05 8C1u+3V60
自演に見せかけた嵐

484:126 ◆wW0v52XwNw
05/09/09 11:36:11 NtcKXkQc0
トリップつくりました

485:CC名無したん
05/09/09 16:46:19 L61sf4gg0
>>484
こんな時間にですか?

486:CC名無したん
05/09/09 16:56:02 GZVIVaR/0
>>484
やっぱりそうするのが一番でつね。

487:CC名無したん
05/09/10 09:03:48 IxE0IpCS0
中華の自演まででてはねー。
126さんがんばれ

488:126
05/09/12 02:00:00 dQ1wnCrR0
「おはようございます、すみれちゃん」
「おはよう、知美ちゃん」
あたしたちは朝の教室でいつものように、ごあいさつ。すると
「はぁ~」
「ど、どうしたの、知美ちゃん?とつぜん、大きなため息なんかついて」
「しばらく、すみれちゃんの活躍を撮影できていませんわ~」
「ほぇ?」
「着ていただきたいコスチュームはまだまだありますのに・・・」
「・・・」
「ご町内の平和を守る、カードキャプター。そのすみれちゃんの活躍を余すところなく撮影するのが
私の使命・・・」
「・・・使命って・・・」
あたしの頭におっきな汗が浮く。
「なのに、なのに、この前のツインのカードのときも撮影を逃してしまうなんて、悔やんでも悔やんでも
悔やみくれませんわ」
「・・・知美ちゃん」
あたしが、知美ちゃんをどうなぐさめようかと考えていると、

「おはよう、木之本さん」
「お、おはよう!」
衛(ウェイ)くんの声だ。とつぜん、声をかけられて、あたしはドキドキしてしまう。
「きょ、きょうは衛くん、日直なんだよね」
あたしは、衛くんがプリントをかかえているのを見て、言った。
「うん。それで、さっきこのプリントを取りに職員室に行ったんだけど、そのとき、先生たちが話を
しているのを聞いたんだ」
「話って、なんの?」
「小見(おみ)先生が入院したらしい。だから、しばらくクラブは中止になるんだって」
「えーっ!?」


489:126
05/09/12 02:01:55 dQ1wnCrR0
話はさかのぼり、その日の早朝のこと。
まだ空が薄暗いころ、公園の中を走る人影があった。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・」
朝のトレーニングに励む小見であった。超人プロレス界を退き、今は友枝小学校の教師となった
小見であるが、日々の鍛錬は怠ってはいない。

「!」

小見の足が止まった。

(・・・この気配・・・この闘気・・・!)

ファイティングポーズをとり、気配を察知しようとする。

まもなく気配の方角から、ひとりの女とおぼしき人物が現れた。その気配から、かなりの腕を持つ
格闘家であることを、小見はすぐに理解した。
「何者だ?」
小見の声に、その人物の足が止まる。ゆっくりと顔を上げ、小見に冷たい視線を投げかけた。
(刺客か?)
警戒しつつ、小見は言葉を続けた。
「かつて悪魔将軍と呼ばれ、スレまで立てた俺に、何か用か?」
女は答えない。そのかわり、両手を前で合わせ、合掌礼をする。

「なに?!」

次の瞬間、その女の姿が消えた。いや、消えたのではなく、一瞬のうちに間合いを詰められ、拳を
打ち込まれたのだ。見事な縮地だった。まったく反撃できず、薄れていく意識の中で小見は思った。

(ひょっとして、俺って、やられキャラ?)



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