カードキャプターすみれ さくらと小狼の子供たち 2at SAKURA
カードキャプターすみれ さくらと小狼の子供たち 2 - 暇つぶし2ch162:CC名無したん
04/08/26 19:47 TnejKWGb
別に聞く必要はないと思うが

163:CC名無したん
04/08/26 20:31 nBHnAnYq
>>162
こっち向いてよ小狼くんスレが
急なネタ投下とかから寂れてしまってるから
このスレをそんな風にしたくないんで。

自分の周りだけ時の流れが遅すぎると
泣いてる知世様に(*´Д`)ハァハァ

164:CC名無したん
04/08/26 21:44 V2RwPCBm
知世関係なら「知世ちゃんが最高」スレッド
スレリンク(sakura板)
に今すぐ落とそう。
 ~~~~~~

165:CC名無したん
04/08/26 22:23 nBHnAnYq
>>126さんの話の
番外編みたいにして書いてみたいんでつ。
知世様もさくらたんも子供を持つようになっても
知世様のさくらたんの思いは昔と変わらないことに
自分の周りだけ時の流れが遅すぎるって嘆くみたいな感じで。

166:165
04/08/26 22:24 nBHnAnYq
間違えて書き込みボタンを押してしまいました
>>165
>>164さんに対してです

167:126
04/08/26 23:29 hhG7FSfj
ケロちゃんにおまかせ!

こにゃにゃちわー!
みんな、夏休み楽しんどるかあ?
そろそろ宿題始めとかんと、今週のさくらみたいに地獄みるでぇ!

きょうは、>>161 さんのことを >>126 に聞いてきたでぇ。
メモをここにもらってきておる。なになに・・・
『今のお話が終わるのは10月になると思います』
なんやと。
てなわけで、>>161 さん、書くんやったらちゃっちゃと書いたほうがええと思うでぇ。
なにしろ、今の話はうちが主人公の大スペクタクルやから、ちょっとやそっとじゃ終わらん・・・
うあ、あ、なにをあqwせdrftgy!

「だまらんかい、大阪弁のミラー!すみれに封印してもらう前に、わいの姿になるやなんて、
ええ根性しとるやないけ!」
「うわ~、ばれたかぁ~!」
「当たり前や!お前は≒л☆㊦なんやからな!」
「か、堪忍や!それだけは言わんといて!それがばれたら、うちが主役はれんやないかぁ!」

・・・てなわけで、これからますます盛り上がる
『カードキャプターすみれ さくらと小狼のこどもたち』
みなも楽しみにしててぇな。ほななぁ~。


168:161
04/08/26 23:49 nBHnAnYq
>>126=167
10月に完結されるのですか。
それならもっと即席で作ったネタをおもしろくして
161の考える126さんの作品の私なりの解釈として126さんが新作を書かれている間の
繋ぎとして準備しておきます。
妙なところで割り込んだら、こっち向いてよ小狼くんスレみたい
になってしまいますから

169:CC名無したん
04/08/27 05:34 eZl6Ys2w
>>161=165=166=168

読者としては、投下してくれるのはありがたいがここはsage進行なんだから、sageてくれ。
良スレなのに>>65-66のようになってはかなわん。

170:161 ◆B.qU2.hSgA
04/08/27 12:02 uh+VSGht
>>169
スマソ
あとトリップつけてみた。野球実況のホークス戦のスレにも
このトリップでたまに来てるからよろしくw


171:CC名無したん
04/08/28 14:54 qECVJCLK
マジレスするが
下手に気を回すの逆効果だから
馴れ合わない方がおまえの、
それとスレのためだ

172:126
04/08/30 00:24 IIBZZxaO
「ごちそうさまぁ」

ママともうひとりのあたしは、キッチンで後片付けを始めている。
「いいのよ、そんなに手伝わなくても。あとは食器洗い機がやってくれるから」
「そやかて、うち、居候やし。あ、そやったら食後のお茶を入れましょうか?」
「じゃ、お願いしていいかしら」
なんか、昔のホームドラマみたいな会話だ。

「そうや、さくら」
「なに、ケロちゃん?」
「さっきから考えとったんやが、すみれの格好しとるミラーの名前、考えようやないか?
ミラーはミラーなんやけど、さくらのミラーとまぎらわしいさかい」
「気ぃつこうてくれて、ありがとな」
もうひとりのあたしが、ポットを持ってやってきた。
そのあとから、ママがカップやスプーンをトレイで運んでくる。
「じゃ、みんなで名前を決めててくれない?ママは、これからお洗濯だから」
あたしは窓の外を見た。きょうはとってもいい天気だ。これなら、ママじゃなくても
洗濯してみたくなる。
「うん、わかったよ」
「それじゃ、決まったら教えてね」
そう言って、ママはリビングを出て行った。


173:126
04/08/30 00:25 IIBZZxaO
「・・・さぁてと」
ケロちゃんは、スプーンをカップの中でかき混ぜながら言った。
「おまいさんの名前だが・・・ミラーじゃないとしたら、なんがいい?」
「そうやなぁ・・・うちはかわいいし、性格もいいし、おしとやかやし、アイドルデビューを
ねらえる名前がええな」
「・・・」
あたしたちの頭におっきな汗が浮いた。
「それはおいおい考えるとして・・・鏡にちなんだ名前がええやろな」
ケロちゃんがつぶやくと、もうひとりのミラーさんの顔がぱっと輝いた。
「そやったら、フランス語なんかどうや?ミラーのフランス語。
カトリーヌとか、きっとうちのイメージにぴったしや!」
「・・・今、調べてみるよ」
龍平がケータイを取り出した。こういう調べものは、龍平が得意なんだ。
「フランス語で『鏡』っていうと・・・『ミルワール(miroir)』って言うみたいだけど」
「なかなかやないか、ミルフィーユみたいで。これで、うちのアニメ化も決まりやな!」
勝ち誇ったミルワールさんのバックで花火が上がっている。
けれども、龍平はケータイの画面を見て
「・・・でも、これ m ってついている。ミルワールって、男性名詞だよ」
「なんやってぇぇぇっ!」
場面急展開だ。
「いやや、そんなん最低や!フランス語はよう知らんけど、こんなにかわいいうちに、男性名詞
なんて付けたらあかん!」
ミルワールさんは龍平に詰め寄ると
「他を探せぇ!うちにぴったりの名前を探すんや!」


174:126
04/08/30 00:27 IIBZZxaO
「じゃ・・・ドイツ語だと・・・『シュピーゲル(Spiegel)』・・・だけど・・・」
「おちょくっとんのか、おのれは!」
シュピーゲルさんの顔が10倍ぐらい大きくなった。
「そないな怪獣みたいな名前、お断りや!」
「・・・だね・・・それに・・・これも・・・男性名詞」
龍平のひとことで、シュピーゲルさんのバックで炎が燃え上がった。
次の瞬間、
「そうや!ヨーロッパがあかんなら、ラテンはどうや?ブラジルなら、きっと陽気で
みんなを幸せにするうちにぴったりな名前になるはずや!」
シュピーゲルさんって、気持ちの切り替えが早いらしい。
「うん、ブラジルだと・・・ポルトガル語だよね」
龍平がケータイを操作する。そして・・・
「鏡のことは『エスペーリョ(espelho)』って言うんだけど・・・」
「なんやとぅ!」
エスペーリョさんの顔が、また10倍ぐらい大きくなった。
「そないなへらへらした名前、付けられる身になってみぃ!うちはかわいくて、性格良くて、
おしとやかなんや!」
自分の姿で、こんなせりふを何回も言われると複雑な感じだ。
そして、エスペーリョさんの気持ちはまた切り替わった。
「じゃ、アジアの言葉はどうや?たとえば中国語なんかは?」
そう言われて、あたしと龍平は思わず顔を見合わせた。
「どうしたん?ケータイで調べんのか?」
「中国語なら調べなくてもわかるから・・・」
あたしと龍平は、もう一度顔を見合わせた。

175:126
04/08/30 00:30 IIBZZxaO
「中国語だと『ジンズ(鏡子、jing-zi)』になるけど」
「なんやて?」
ガーンって感じでジンズさんは固まった。やっぱり、気に入らないようだ。
「じゃ、お隣の韓国はどうや?」
ジンズさんがこりずに聞くと
「コウル、だね」
龍平がケータイを見ながら言った。コウルさんは脱力した。
そしてしばらくして、
「かわいいのがあったよ。チュルミン(cermin)って、インドネシア語」
「あたしもかわいいと思うけどな、チュルミン」
けれどもチュルミンさんは
「チュルミンやったら、うちよりも、このぬいぐるみの方がぴったりや。なぁ、チュルミン」
「何がチュルミンや!わいは、封印の獣、ケルベロスやで!」

こうしてあたしたちの間では、チュルミンさんの名前がなかなか決まらなかった。
決まったのは、お洗濯がひと段落ついて、ママが戻ってきてからだった。
「どう?ミラーさんの名前決まった?」
「それが・・・」
ママは、あたしたちの話を聞いて、
「それなら、『かがみさん』でどうかな?」
「それ、いただきや!」
最後はとてもあっけなかった。

こうして、もうひとりのミラーさんのことを『かがみさん』って呼ぶことになったんだ。


176:CC名無したん
04/08/30 12:01 YyCEXbly
かがみんかがみん(;´Д`)ハァハァ

177:161 ◆B.qU2.hSgA
04/08/30 12:51 mYbSMzM9
>>126さん、乙です
今日は鷹-公戦が中止なので
繋ぎとして>>127-130みたいに間が空いたときに読めるような
回想形式の話を書けます。(プロ野球関係の板見ている時間の方がさくら板より長いんで)


178:CC名無したん
04/08/30 18:48 YStZ0NVz
チュルミンワラタ
かがみさんでときメモ思い出した。
もう何年前だ…。

179:126
04/09/05 22:34 +BWfFl7E
「ほんま、いい名前付けてくれて、ありがとうな、さくらさん」
さっきまでと違って、かがみさんは上機嫌だ。
「そうや、もう10時やけど、さくらさん、きょうのお昼ご飯、メニュー決まってます?」
突然、かがみさんはママに話をふった。
「そうね、まだ考えてないけど」
「そやったら、お好み焼きはどうやろ?居候させてもらうんやし、お昼ぐらいは、うちが作ります」
「おお!ええ心がけや!」
ケロちゃんが飛びついた。
「お好み焼きやったら、モダン焼きはどうや?お好み焼きは、やっぱモダンやで!」
「モダン焼きやったら、うちの十八番(おはこ)や!うちは大阪が長かったよって、まかせてぇな!」
「おぅ!まかせたでぇ!」
ケロちゃんとかがみさんが、意気投合してる。

「モダン焼きって?」
あたしがママに聞くと、
「お好み焼きの具を、おそばにしたものよ。大阪の方では、よく作るの」
「おいしそうだね」
「そう。ケロちゃんの大好物なの。でも、モダン焼きを作るとなると、材料を買ってこないと
いけないわね。今、うちにおそばはなかったはずだし・・・」
ママがそう言うと、
「そやったら、うちが材料買うてきます!」
かがみさんが、学校の授業みたいに、手を挙げた。


180:126
04/09/05 22:35 +BWfFl7E
「だけど、かがみさん、お店わかるの?友枝町に来たばっかりでしょ?」
ママが少し心配して言うと、
「それもそうや。じゃ、すみれちゃん、うちの買いもんつきあってくれない?」
「うん、いいけど・・・」
あたしはちょっと迷った。かがみさんと一緒にいるところをクラスの子に見られたら、めんどうな
ことになる。
「そやったら、緑町のマーケットはどうや?あのへんには、クラスの子が住んでおらんって
すみれ、前に言うとったやないか」
「それはいいけど・・・あのマーケットはちょっと遠いよ。お昼までに戻って来れないよ」
あたしがケロちゃんにそう答えると、ママが
「じゃ、セグウェイで行けばいいじゃない」
あたしは、ちょっと驚いた。
「でも、かがみさんとふたりだよ。セグウェイの二人乗りはいけませんって、ママ、いつも
言ってたじゃない」
「・・・うーん」
ママの頭に小さな汗が浮いた。
「しかたないわね。今日は特別よ」
「おおきに!」
「やったぁ!じゃ、今、準備するね。リュック持ってくるから、待っててね、かがみさん」
あたしは、2階の自分の部屋に上がっていった。


181:126
04/09/05 22:36 +BWfFl7E
「「いってきまぁす!」」
「車に気をつけるのよ」
「「はぁい!」」

すみれとかがみの乗ったセグウェイが、窓の下を通っていく。
「行ったわね」
「ああ」
ケルベロスが、カップのスプーンをゆっくりとかきまぜた。
「よっぽど、すみれと一緒にいたいんやな、あのミラー」
「そうね。もう時間は、そんなにないわ」
「やっはり?ママやケロちゃんもそう思っていたの?」
龍平が身を乗り出した。
「龍平も気が付いとったか。あのカードの魔力が、もうそんなにないって」
「うん。初めての時より、ずいぶん魔力が弱っていたもん」
「初めて?龍くん、かがみさんに会っていたの?」
さくらが驚いて聞く。
「うん。スルーのカードの時・・・」

182:126
04/09/05 22:37 +BWfFl7E
→回想シーン始まり

「さくらもすみれも無事なようだ。この子が言っていた」
「では、ミラーさんがさくらさんたちをはね返すことができたのですね?」
「ううん。ミラーさんが反射したのは、ママとケロちゃんだけだ」
「「え?」」
龍平のことばに、桃矢と知美は驚いた。
「お姉ちゃんは、ぼくがはね返したみたいだけど・・・」
「はね返したみたいって?」
「よくわからないんだ」
龍平は自分の両手を見ながら、答えた。

←回想シーン終わり

「あのとき、ぼくの手に一瞬、カードが宿った感じがしたんだ。ぼくはカードを使えないから
そんなはずはないと思ったんだけど・・・今日、かがみさんの気配を感じて、それが
あのとき、ぼくの手に感じた気配と同じだということがわかったんだ。だから、あのとき、
ぼくがおねえちゃんを反射できたのは、かがみさんのおかげだったんだ」
「・・・そうやったんか」
「スルーの時に比べると、今のかがみさんの魔力、ものすごく弱くなってるよ」
「そうやな。ミラーのカードにとって、姿を変えたり、何かを反射したりするんは、ごっつう
魔力を消費する。主(あるじ)のおらん、今のミラーにとっては、ほんまにしんどかったはずや」
ケルベロスは、スプーンを口に運んだ。

183:126
04/09/05 22:39 +BWfFl7E
「あのカード、よっぽど、すみれに主(あるじ)になってもらいたいやろな。けさみたいに
『うちは逃げも隠れもせん』なんてせりふ、主(あるじ)のおらんカードが言うもんやない。
それにスルーのカードの時の行動といい、ほんまにすみれのことが好きみたいや」
「じゃ、なんで、かがみさんは封印の仕方を教えてくれなかったんだろう」
龍平の疑問に、ケルベロスは答えた。
「仕方ないんや。あのカードを封印できるんは、封印する方法を自分で見つけたもんだけなんや。
もし、誰かがすみれに封印する方法を教えたら、すみれは永久にあのカードを封印できなくなる」
「そんな!」
「そやから、やっかいなんや」
ケルベロスは、スプーンを置くと、さくらの方を見て言った。
「さくら、あのミラーの魔力、どのぐらいもつと思う?」
「・・・すみれちゃんの姿でいるままなら、1週間ぐらい・・・」
「わいと同じ見立てやな」
「なら、その間に、おねえちゃんが封印する方法を見つければいいんだね?」
「そうや、龍平。ただし、1週間ちゅうんは、すみれの姿のままでいた場合や。
なんかあって、別の姿に変わったり、何かをはね返そうもんなら、一発で魔力を使いきってしまうで」


184:CC名無したん
04/09/06 01:31 kX3tcp4r
>>126氏新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
次回にあるであろう二人のお買い物が楽しみです(´∀`)

185:デニー・ユガミダニ ◆B.qU2.hSgA
04/09/06 01:50 SMr7RPIl
>>126さん
乙です。

186:CC名無したん
04/09/11 05:02:50 gxBiN5SH
ほしゅ

187:126
04/09/12 22:58:55 /clpeZd6
「テコの使い方にコツがあるんや。こう、テコの元を持って、人差し指を支えにして、手前に
ひっくり返すんやで」
「うまくできるかな?」
「練習すれば、できる。あとでいっしょにやろうな」
「うん」

セグウェイに乗って、緑町のマーケットに行く間、かがみさんはモダン焼きの作り方について
いろいろと教えてくれた。

「気ぃつけなあかんのは、手を手前に引かんことや。生地がばらばらになってしまうんや。
あ、車や。すみれちゃん、道の隅に寄ってぇな」
後ろから車があたしたちのセグウェイを追い抜いて行く。
「ここは公園の中やろ?なのに、さっきから車がびゅんびゅん通って行く。どういうことや?」
「仕方ないよ。この道を抜けた先がマーケットの駐車場だから」
「そやかて、公園の中を通ることはないやろ。子どもたちもぎょうさん遊んでいることやし、
今に事故が起こるで」
「本当は、別に道があるんだけど、今、工事中なんだ。工事が終われば、車は減るよ」
あたしは、工事中の道を指差そうとして、公園の外の方を見た。
「あや?」
「なんや?」
「クレープ屋さんだ。あそこに見える、黄色い車、おいしいクレープ屋さんなんだよ」
あたしは、セグウェイを止めた。


188:126
04/09/12 23:00:04 /clpeZd6
「どないした?急に止まって?」
「うん、あそこのクレープ食べようかなって思って」
「ほんまか?それやったら、うちの分も買うて来てくれるんか?」
「いいよ」
「おおきに。で、何がうまいんか?」
「あたしは、バナナチョコクリームが好き。かがみさんは?」
「クレープか・・・リンゴカスタードなんて、ある?」
「うん、あるよ。あのお店、ものすごく種類が多いんだ」
「そやったら、リンゴカスタードにシナモンがいいな」
「わかった。じゃ、行こう」
その時、あたしは、セグウェイでお店まで行けないことに気がついた。
クレープ屋さんのあるところまで、芝生だし、芝生の中には飛び石しかないから、セグウェイで
走ると芝生を痛めちゃう。
「そやったら、うちがここでセグウェイを見てるわ。そんなに遠いわけじゃないし、
すみれちゃん、行ってらっしゃい」
「うん。ありがとう」

「クレープ♪クレープ♪おいしいクレープ♪ジャムにチョコにカスタード♪」

ふたり分のクレープを持って、戻って来ると、セグウェイのそばにふたりの人影があるのに、
あたしは気がついた。ひとりはもちろんかがみさんで、もうひとりは・・・
「あれは・・・衛(ウェイ)くん!」
あたしは、急いで近くの木の陰に隠れた。
(かがみさんが、衛くんとお話してる!)


189:CC名無したん
04/09/14 17:28:14 gjmPTfK+
126氏新作キテタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!

衛くんとかがみさんがどんな話をしているのかも気になりますが、

>今に事故が起こるで

このかがみさんの一言の方が気になります。
なんか起こらないか心配で心配で…(;´Д`)
無事にお使いを終えるのを祈りつつ、次回を待ちますです(;´Д`)

190:126
04/09/20 22:13:16 FbYKYLfo
ドキドキドキドキ・・・

(かがみさんと衛くん、何をお話してるんだろう・・・)

ドキドキドキドキ・・・

(かがみさん、大阪弁で話したりしないよね)

ドキドキドキドキ・・・

(もし、そうだったら、あたしのこと、へんな女の子って思われるかも)

ドキドキドキドキ・・・

(どうなんだろう・・・でもでも、出て行くわけに行かないよ!)

ドキドキドキドキ・・・

(ほぇ~。心臓が破裂しそうだよ・・・)


191:126
04/09/20 22:14:29 FbYKYLfo
「じゃあ、また」

そのとき、あたしの耳に聞こえてきた、衛くんの声。
あたしは振り返って、木の陰から、そっとふたりの方を見る。
かがみさんのそばから、衛くんの乗ったセグウェイが離れて行く。
(もう少し、もう少し・・・)
衛くんの姿が見えなくなったのを確認すると、あたしは
「かがみさん!」
かがみさんの所に、ダッシュした。
「おかえりなさい、すみれちゃん」
にっこりと笑って、なにもなかったように、かがみさんは言った。
「かがみさん、あの、今の、衛くんと・・・」
あたしがあわてて聞くと、かがみさんは
「安心してや。うまくいったで」
「うまくって、なにが?」
「もちろん、『あんたのこと、好きやねん。うちとつきおうてください』っちゅう、愛の告白や」

ほ、ほぇ~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!


192:CC名無したん
04/09/20 23:15:57 MTgYN9JO
告白キタ━━━━(゚∀゚)━━━!!
続きが気になる━━━━(゚∀゚)━━━!!

193:CC名無したん
04/09/21 00:16:31 VpfcJqEI
126氏キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

告白キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
続き楽しみです(´∀`)

194:126
04/09/27 00:37:03 HYTIEkUd
「よかったやないか。うまくいって」
「よくない!」
あたしは、思わず言った。
「どうしてや?」
かがみさんは聞き返す。
「好きなんやろ?」
「・・・うっ」
あたしは、だまりこんだ。だって、そんなこと、衛くんのことを好きだなんて、これまではっきりと
ことばにしたことがなかったから。けれど、
「そう、あたしは衛くんのことが好き」
「なら、よかったやないか」
「よくない!」
「どうしてや?」
「だって、好きなんだもん。だから『好きです』って、自分で言いたい!自分の気持ちは、
自分で言いたいんだ!だから、だから、かがみさんに言ってもらうのは、違うと思う!」
あたしがそう言うと、かがみさんは少し驚いたようだった。
そして、あたしは次に言うことばが見つからなくて、ただ、クレープを持って立ち続けていた。

かがみさんは、にっこり笑うと

「合格や」
「ほぇ?」

そのことばは、いきなりだった。

195:126
04/09/27 00:38:12 HYTIEkUd
「合格って、なにに?」
「すみれちゃんが、うちの主(あるじ)にふさわしいかどうかのテストにや」
「ほぇ?」
突然、愛の告白からテストに話が飛んだので、あたしの目は点になった。
「ミラーのカードをしとるとな、しょうもないことのために召喚されることが多いんや。
自分ではやりとうないこと、やりたいんやけど自分ではできへんことを、うちにやらすために
うちを召喚する。そないなこと、もう、うちはごめんやから、すみれちゃんがそんな連中と
違うことを確かめとうて、それでテストさせてもろうたんや」
「じゃ、愛の告白なんて・・・」
「してへん!」
;≒;#;㊦fhsれおpぎゅひj!

あたしは、思いっきりコケてしまった。

「うまそうやな。それ、うちの分やろ?」
かがみさんは、思いっきりコケたはずなのに無事だったクレープを見て言った。
「う、うん」
リンゴカスタードのクレープを渡す。かがみさんはクレープを食べて、
「おいしいなぁ。こんなおいしいクレープを食べたんは、ひさしぶりや」
「でしょ?あたし、ここのクレープ、大好きなんだ」
あたしも、バナナとチョコクリームがたっぷり入った、クレープを食べだした。


196:126
04/09/27 00:39:42 HYTIEkUd
あたしたちが乗ったセグウェイは、マーケットに向かって進んで行く。
「かがみさん」
「なんや?」
「かがみさんは、友枝町に来る前はどこにいたの?」
「いろいろやな」
「それって、かがみさんの主(あるじ)が、いろいろいたってことだよね?」
「それは、ちょっと違うな」
「違うって?」
「うちは、クロウはんに作られた。うちがこうしてすみれちゃんと話できるのも、クロウはんの
魔力のおかげや」
「じゃ、ずーっと、クロウさんの魔力で動いているの?」
「そうや。うちは、ずーっとクロウはんの魔力だけでやってきたんや。そやから、うちの主(あるじ)
はクロウはんだけやと、うちは思うとる。けどな、うちを召喚する人は大勢いたんや」
「どういうこと?」
「クロウはんかて、最初からカードを作れたわけやない。最初は魔法使いのギルドみたいなとこに
入って、魔法を勉強してたんや。そんとき、ギルドで使うためにうちを作ったわけや。
つまり、うちはクロウはんの魔力で動いてるんやけど、ギルドにいた、いろいろな魔術師に
呼ばれてたんや」
「じゃ、ママのミラーさんとは違うんだね」
あたしは、ケロちゃんが話してくれた、ミラーさんのお話を思い出した。


197:CC名無したん
04/09/27 03:51:28 q5BbUCq7
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!

>「じゃ、愛の告白なんて・・・」
>「してへん!」

工エエェ(´д`)ェエエ工
…とは言え、ちょっとほっとしたかんじ?です(*´Д`)

>あたしは衛くんのことが好き

おぉ…こんな所で告白とは…一瞬驚きました。(´∀`)

次回も楽しみにしています

198:CC名無したん
04/09/27 21:34:09 ExXLP0P9
キタ━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━!!!!
お疲れ様です。
すみれちゃんは衛くんのことが好きだったのか。
カードの試練も考えさせられました。
ほどほどにがんがってください

199:CC名無したん
04/09/30 00:01:24 xsyGCpue
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!

正直、すみれの恋愛話に発展するとわ。(いつかはあると思ってましたが)

200:126
04/10/04 00:51:31 eX3hs31q
「かがみさん、ママのミラーさんと会ったことあるの?」
「ああ、何回か会っとる」
「いっしょに遊んだりしたの?」
「まぁな。けど、うちが妹に会えるんは、魔法の儀式の時が多かったん。そやから、あんまし
遊ばせてもらへんかったけどな」
「そうなんだ」
「同じカードでも、妹はクロウはんにだけ召喚されていた。うちと違って、おとなしい性格やから、
その方がよかったんやろな。うちは、いろんな魔法使いに召喚されたけど、クロウはんほどの
魔法使いは他におらんかった」
「クロウさんって、すごい人なんだね」
「そうや。ほんまに、クロウはんは何百年にひとりっちゅうほどのすごい魔法使いやったんや。
それが友枝に来てみたらどうや。クロウはんと同じぐらいすごい魔法使いがごろごろおるやないか。
さくらさんに、龍平くんに」
「龍平が?」
あたしはちょっと驚いた。確かに龍平に魔力はあるけど、カードは使えない。それとも、あたしが
知らないなにかすごい魔力を持っているんだろうか?
そのとき、
「ボールぅ!」
と、いう声がした。セグウェイの前をボールがコロコロと転がっていく。
そのボールを追っかけて、小さな女の子が夢中で駆けてくる。
「危ないよ!」
あたしがそう声をかけるのと同時に、車のクラクションが鳴り、急ブレーキをかける音が聞こえた。
「あかん、ぶつかる!」
かがみさんが、セグウェイを飛び降りた。

201:126
04/10/04 00:53:27 eX3hs31q
「かがみさん!」
あたしもあわててセグウェイを降りた。
女の子をかばっているかがみさんの50センチぐらい手前で車が止まっている。
「だいじょうぶかい?」
その車を運転していた人も降りてきた。
「だいじょうぶです」
かがみさんはそう答えると、足元に転がっていたボールをその女の子に手渡した。
「これからは、気をつけて遊ぶんやで」
「ありがとう、おねえちゃん」

女の子と車が去るのを確かめて、あたしはかがみさんに聞いた。
「だいじょうぶ?!」
「・・・だいじょうぶや」
「だいじょうぶじゃないでしょう!」
一瞬のことだけど、あたしには見えていた。かがみさんは鏡に戻って、女の子にぶつかるはずの車を
はね返していたんだ。そして、また、あたしの姿に戻っている。だから、かがみさんはものすごく
魔力を使ったはずだ。
「・・・そうやな」
かがみさんは気を失って、あたしにもたれかかった。
「かがみさん!」
かがみさんのからだのところどころが透明になっている。衛くんとの結婚式のときのミラーさん
みたいに魔力が無くなりかけているんだ。

「かがみさん、しっかりして!」


202:CC名無したん
04/10/04 08:01:59 xTe0eHyj
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
お疲れさまです。

>>189で書いた不安が的中してしまった…_| ̄|○
すみれちゃんが一刻も早く封印してくれることを祈りつつも、次回も期待します。

203:126
04/10/11 23:41:41 cCOp5LQ8
「すみれちゃん?!すみれちゃんなの?!」
そのとき、あたしたちのそばに車が止まった。運転していたのは
「しぃ先生!どうしてここに?」
「マーケットでお買い物していたら、魔力の気配を感じて、あわてて来たの。
もしかして、となりの子は・・・カード?」
「そうなんです。かがみさん、魔力がほとんど無くなってしまって消えそうなんです」
「とにかく、その子を車に乗せてあげて。私の病院に行きましょう」
「はい!」
あたしは、かがみさんを車に乗せた。しぃ先生は、セグウェイをトランクに積んでいる。
「急ぎましょう」

先生は車を発進させた。
「かがみさん・・・」
かがみさんのからだのあちこちが透明になっている。
「もう少しで、病院だからがんばって・・・」

病院に急ぐ施の車が、衛のセグウェイを追い抜いたことを、施もすみれも気がつかなかった。
「すみれさん、早く気付いてください」
衛は、セグウェイを止めて、過ぎ去って行く車を見つめていた。


204:126
04/10/11 23:43:32 cCOp5LQ8
「先生、かがみさんの様態は?」
病院に駆けつけたママが、心配そうにしぃ先生に聞く。
「魔力が尽きかけています。このままでは、あのカードは消えてしまいます」
「そんな。魔力の回復剤とか、使えないんですか?」
しぃ先生は首を振った。
「回復剤は、魔術師に使うものです。魔術師の魔力を元に動く精霊や氏神に使う薬はないのです」
「・・・」
あたしは、ママと先生を会話を聞いて、ベッドに横たわるかがみさんの手を握りしめた。
「ごめんなさい。あたしがかがみさんを封印していれば、こんなことにはならなかったのに」
「お姉さん・・・」
あたしのとなりにすわったミラーさんが、語りかける。
ふっと、かがみさんの目が開いた。
「・・・」
「お姉さん!」
「ひさしぶりやな。元気そうやないか」
「はい」
かがみさんはベッドのまわりを弱々しく見渡して
「さくらさんに、龍平くん、すみれちゃんに、みんな、うちのことを心配して来よったんか。
それに、チュルミンまで来よって、うちはほんまに人気もんなんやな」
「あほ。そないな笑えん冗談言っとる場合か」
ケロちゃんも、さすがにこんなときは突っ込みを入れられない。
「かがみさん、しっかりして!」
あたしは、かがみさんに呼びかけた。


205:126
04/10/11 23:46:04 cCOp5LQ8
「しっかりするどころやないみたいやな」
「あたし、まだかがみさんにモダン焼きの作り方、教わってないんだよ!教えてくれるって
約束してくれたじゃない!」
「堪忍な。今度ばかりはだめみたいや。もう、からだに力が入らへん」
かがみさんのからだの透明な部分が広がっていく。
かがみさんはミラーさんを見て、
「あんたも達者でな。さくらさんに可愛がってもらい。さくらさんは素敵な人やさかい」
「はい」
ミラーさんの目から、涙がこぼれ落ちた。
「すみれちゃん、こんなことになってしもうたけど、うちはすみれちゃんに出会えて、
ほんまによかったと思うとる。元気でな」
「だめだよ、そんなこと言っちゃ!」
あたしは、かがみさんを抱きしめた。
「!」
かがみさんのからだは、ほとんど重さがなかった。本当に消えかけているんだ。

ごめんなさい、かがみさん。
あたしがしっかりしていないから、だめなんだ。
あたしが封印する方法を見つけていれば、こんなことにはならなかったんだ。
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・

「・・・かがみさん?」


206:CC名無したん
04/10/12 20:23:59 64knfaPh
126さま いつも読んでます。乙彼です。

207:CC名無したん
04/10/19 00:36:41 1/J0sJyI
126氏キテタ━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!!!

>それに、チュルミンまで来よって、うちはほんまに人気もんなんやな

こんな時でもボケるというかがみさんにはすごいものを感じますが、
やせ我慢を見せようとしつつも最期を悟っている姿に。・゚・(ノД`)・゚・。

無事すみれちゃんが封印してくれれば良いのですが…
次回も期待しています。

208:126
04/10/25 01:52:56 rDX/LETw
「・・・かがみさん?」

あたしは、おかしなことに気がついた。かがみさんは、あたしの姿を映しているはずなのに

「ピアスをつけていない?」

耳にピアスがなかった。
そのとき、病室中にまぶしい光が広がった。
「・・・ほぇ?」
目をこらすと、目の前にいるのはかがみさんの真の姿だった。
アラビアンナイトに出てくるような女の子の服を着て、両手で鏡を持っている。
「すみれちゃん、ようやっと気がついてくれたんやな」
「ど、どういうこと?」
「うちを封印する方法や」
「ほぇ?」
「うちはな、誰かの姿を映すときに、どこか1か所だけ本人と違うように映るんや。
その違うたところを見つけるんが、うちを封印する方法なんやで」
「そ、そうだったんだ」
あたしは、手で涙をぬぐった。さっきから、涙が止まらない。
「さぁ、はよううちを封印してや。おなかペコペコなんやで」
「うん!」


209:126
04/10/25 01:55:49 rDX/LETw
あたしは呪文を唱えだした。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」
あたしは、封印の杖を握りしめた。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」
ピン!という音がして、かがみさんから、封印の杖に魔力が流れていく。
「ほんまに、間におうてよかったわ。これから苦労をかけると思うけど、よろしくな、龍平くん」
かがみさんは、龍平にそう言うとカードの形になった。
「かがみさん、龍平に苦労をかけるって?」
あたしの手にすべりこんだかがみさんのカードは、
「あ、うちはクロウ・カードやから苦労をかけるって、その、寒いギャグやったな。すまん」

「すみれちゃん、がんばったわね」
「すみれ、ようやったな」
ママやケロちゃんたちがあたしのそばに来た。
「そうでもないよ。偶然だったんだよ」
あたしは、かがみさんのカードを抱きしめた。
「でも、封印できて、こんなにうれしかったことははじめてだよ。
かがみさん、もう絶対に消えたりなんかしないでね。約束だよ」
「ああ。約束と言えば、モダン焼きの作り方教えたるさかい、4時には召喚してや。
その頃にはうちも元気になってるさかい、晩ごはんはモダン焼きにしようや」
「うん!」


210:126
04/10/25 01:58:33 rDX/LETw
「今や、ひっくり返すんや」
「えい!」
かがみさんの声にあわせて、あたしは、テコをひっくり返した。
「うまい、うまい。次はおそばと生地がなじむように、テコで押さえといてな」
「すみれ、そばはカリカリにな」
ケロちゃんが注文をつける。
「ケロちゃん、もう食べちゃったの?お皿、からっぽじゃない」
「すみれの作るモダン焼きがあんまりうまいさかい、あっというまにな」
「もう、そんなに食べたら、みんなの分、なくなっちゃうよ」
すると、ママがキャベツを切る手を休めて
「だいじょうぶよ。ケロちゃんの分も考えて、おそばやキャベツ、いっぱい買ってきたから」
「さすが、さくらさまや!」
ケロちゃんはごきげんだ。
「もう作り始めてるんだ」
龍平が2階から降りてきた。かがみさんを封印したあと、急に眠いって言って今まで寝ていたんだ。
「龍くん、ミラーさんがお味噌汁を作っているから手伝ってあげて」
「うん」

「えい!」

あたしは、もう一度、モダン焼きをひっくり返した。

今日の晩ごはんは、最高においしくなりそうだ。

<すみれともうひとりのすみれ:終劇>

211:126
04/10/25 02:00:19 rDX/LETw
次回予告
いつもの時間に目が覚めた、月曜日の朝。
寝ぼけた頭でクローゼットに行くと、いつものところに制服がない。
おかしいなぁ?クリーニングに出したのかな?と思いながら
朝ごはんを食べに1階におりて行くと

ほぇ~!かがみさん、どうして!?

カードキャプターすみれ さくらと小狼のこどもたち
すみれとかがみの迷コンビ?

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!

212:CC名無したん
04/10/26 00:13:52 8Oq8yM4E
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
いつもいつもありがとうございます。

あー…それが封印する方法ですか…なるほど…

>これから苦労をかけると思うけど、よろしくな、龍平くん

>かがみさんを封印したあと、急に眠いって言って今まで寝ていたんだ。

が気になります…
(´-`).。oO(いずれは分かることでしょうけど…)

次回もかがみさんですか。かがみさんが何をしてくれるのか楽しみです(´∀`)


213:126
04/10/31 23:20:37 47b3N0q1
「あれ?」
あたしはまっしろな部屋にいる。部屋にはベッドがひとつ。
「龍平?」
ベッドに寝ているのは龍平だった。
肩で息をしている。苦しいはずなんだけど、龍平の表情は不思議に安らかだ。
「どうしたの龍平?どこか悪いの?」
龍平の口元が動く。え?聞こえないよ?
なにか言っているようだ。でも、でも・・・
「龍平、龍平ったら。ママ、このまま龍平が」
「・・・すみれちゃん」
あたしはママの顔を見た。
「・・・すみれ」
声の方を向くと、そこにはパパがいた。
「・・・すみれさん」
別の声の方を向くと、そこにいたのは、エリオルおじさんだった。

214:126
04/10/31 23:22:29 47b3N0q1
ピピピピピ・・・
「あふぅ。もう朝かぁ」
あたしは、もそもそっとベッドから起き出した。
制服に着替えようとして、クローゼットを開けると
「ほぇ?」
いつものところに制服がない。
「おかしいなあ。ママがクリーニングに出したのかな?」
あたしは別の制服に着替えると、カードさんたちにあいさつをして、おそよー君を起こしに行く。
「おそよー!ほぇ?」
ベッドの中に、龍平の姿がない。
「・・・おかしいよ。龍平がひとりで起きられるわけないし・・・『ひとりで』?!そうだ!」
あたしは、あわてて1階のダイニングに降りた。
「・・・やっぱり」

「お、おねえちゃん?」
あたしの姿を見て、龍平が少し驚いた。
「すみれ?」
ケロちゃんも驚いている。
「と、いうことは、さくらんのとなりにおるんは・・・」
「かがみさんでーす!」
キッチンで、ママといっしょに朝ごはんのしたくをしている、もうひとりのあたしが
ミョーに明るく答えた。


215:CC名無したん
04/11/01 13:45:22 62cOJcXi
   ,   _ ノ)
  γ∞γ~  \
  |  / 从从) )
  ヽ | | l  l |〃
   `从ハ~ ワノ)  ワクワク
    /\></
   ( ∪ ∪
   と__)__)

216:CC名無したん
04/11/02 18:47:01 b4dBxvwm
あげ

217:CC名無したん
04/11/02 19:02:27 HfPFI1Ym
126さま、ごくろうさまです。

218:126
04/11/07 22:25:28 c1nlsMlr
「ママは、かがみさんだと気づかなかったの?」
「うん、ぜんぜん」
「さすが、うちや。さくらさんにも気づかれないぐらい完ぺきに気配を消しとる」
たしかに、かがみさんは気配を完全に隠せるみたいだ。
「けど、ママ」
「なに?」
「あたし、かがみさんほどお料理じょうずじゃないよ。いっしょにお料理していれば、あたしか
かがみさんかすぐにわかると思うけど」
「すみれ、おとりこみ中、悪いんやけど」
そこに、ケロちゃんのツッコミが入った。
「自分のほうが料理がヘタなんて、せりふ、えらそうに言うことか?」
「そ、それもそうね」
あたしたちの頭に、おっきな汗が浮いた。

「いただきまーす」
あたしたちは食べ始めた。きのうもそうだったけど、かがみさんの作るオムレツはとってもおいしい。
「ほんとう、かがみさんが手伝ってくれて助かるわ。すみれちゃん、朝からかがみさんを召還
してくれて、ありがとう」
「あたし、かがみさんを呼び出してないよ」
「ほぇ?」
ママの手が止まる。
「なんやて?すみれが呼び出していないのに、カードが実体化したっちゅうのか?」
ケロちゃんの表情もきびしくなった。


219:126
04/11/07 22:27:27 c1nlsMlr
「ど、どういうことなの、かがみさん?」
みんなの質問に、かがみさんはソーセージをパクッと食べて
「さぁ~なぁ~。それを教えたら、番組にならないやろ」

ズザーッ(←すみれたちがコケる音)

「た、確かにそうね・・・ってわけないでしょ!」
あたしは、いつのまにかおでこについていた、ばんそうこうをはがしながら答えた。
「そうや。すみれは、おまいさんを封印しよった。封印されたカードがあるじの知らんところで
実体化するなんぞ、もってのほかや!なにがあったんや!?」
「それが、うちにもよくわからんのや」
「わからない?」
「そうや。カードに戻ってから、うちは、もういっぺん、すみれちゃんの姿になれへんのかと
考えとった。本人になりきって、トラブルを起こすっちゅうんがミラーのカードのお約束みたいな
もんやからな。そうしたら、明け方ごろにすみれちゃんの魔力がふぅーっと弱まってきて、気が
付いたら、うちは実体化していたんや」
「あたしの魔力が弱まってた?」
「そうや。弱まっていたんやなかったら、すみれちゃんがなんかに魔力を使うていて、カードを
制御する余裕がなかったのかもしれんな」
「でも、あたし、寝ていたんだよ。魔力を使ってなんていないよ」


220:126
04/11/07 22:30:23 c1nlsMlr
そこにケロちゃんが言った。
「すみれ、寝てる間でも、魔力を使うことはあるんや」
「ほぇ?」
「たとえば、正月に見た夢。予知夢を見とる時は、魔力を使うとる」
「予知夢?龍平の?」
「ぼくの?」
突然、名前が出てきて、龍平がびっくりしている。
「あ、はははは・・・」
あたしは、なんとかごまかそうとした。
「今年のお年玉、龍平の方がたくさんもらっていたでしょう?あれ、あたしが夢で見ていたんだよ。
ね、ママ」
あたしがそう言うと、ママも
「そ、そうね。あの時、すみれちゃんはとってもくやしがっていたわ」
なんとか話を合わせてくれた。あの夢のことは、龍平には言わないって、あたしはママとパパと
約束してるんだ。だって、もし、あの夢が本当だったら、龍平になにか大変なことが起こるかも
しれない。そんな夢、絶対、当たらない。当たらないんだ。


221:CC名無したん
04/11/09 21:38:01 NOq7DYM7
126さん、乙です

222:CC名無したん
04/11/10 11:29:41 Almmp4vi
このスレを見るためだけに炉板に出入りする毎日。
126様おつです。

223:デニー・ユガミダニ ◆B.qU2.hSgA
04/11/22 20:30:08 vCWp9oZv
保守します。126さんも頑張りましょう。

224:126
04/11/23 10:00:45 cbyykjf3
「ごちそうさまぁ」

朝ごはんを食べ終わったあたしたちは、食器をかたづける。
「急がないと、学校に遅れるよ」
そう言ったのは、ママでもあたしでもなくてかがみさんだった。
あたしは、すこしいやーな予感がした。
「かがみさん、ひょっとして学校に行くつもり・・・?」
「もちろんや!」
「そ、そんな、だめだよ!あたしがふたりもいたらたいへんなことになっちゃうよ」
「それやったら、すみれちゃんは、今日はお休みにしたらええやないか」
「なに、言ってるの!」
「ミラーのカードのお約束や。本人になりすまして騒ぎ起こさんとな」
あたしの頭に、おっきな汗が浮いた。
「騒ぎって・・・何考えてるの?!」
「せっかく、すみれちゃんになりきってんのや。昨日できへんかった愛の告白とか」
「そんなの、だめ、だめ、だめーーー!!!!」
あたしは、あわててかがみさんを止めていると、とつぜんケロちゃんが
「餡の紅白・・・まんじゅうやて?」
と聞いてきた。『愛の告白』がそう聞こえたらしい。
「ほぇ?・・・紅白まんじゅう?」
なんか、強引に話がヘンな方向に向かっている。


225:126
04/11/23 10:02:54 cbyykjf3
「紅白まんじゅうの何がだめなんや?」
ケロちゃんが目をパチクリさせる。そして、
「あ~、ひょ~っとして、すみれ、今日は学校でなんかめでたい行事かなんかあって、
紅白まんじゅうもらえんのやろ?」
「ど、どうしてそうなるの・・・」
あたしの頭に、またおっきな汗が浮く。
「そうや、そうに決まっとる。そんな大切なことをわいに隠して、こっそり食べようしとったんやろ。
かがみ、どないな餡の紅白かわからへんけど、紅白っちゅうことはめでたいっちゅうことや。
がんがんやったれ!わいも応援しとるでぇ!」
「おおきに、ケルベロスはん!すみれちゃんの告白、がんがんやるさかい!」
「そんなら、わいの分も忘れんといてやぁ~!」
「もちろんや!」
「ふたりともわけわかんないよ・・・」
このままだと、ほんとうにかがみさんが学校に行っちゃう。学校に行っちゃったら、騒ぎになるに
決まっている。とつぜん、同じ姿をしたふたりも現れるなんて、・・・同じ姿をしたふたり?!
そうだ!

「封印解除(レリーズ!)」

226:126
04/11/23 10:10:15 cbyykjf3
「すみれちゃん、急にどうしたの?」
「ママ、ががみさんがこのままあたしの姿で学校に行ったら、たいへんなことになっちゃうよ。
だから、かがみさんをケロちゃんの姿にするの!」
「なんやて!?」
反応したのはかがみさんだ。
「うちはこないなぬいぐるみになりとうない。すみれちゃん、お願いだからそれだけはやめてぇな」
「なんやと!わいは封印の獣、ケルベロス様や!ぬいぐるみとちゃうで!」
あたしは、ふたりにかまわず杖を振り上げた。

「彼の者を姿を映し、もうひとりの彼となれ。かがみ!」

「ほぇ?」
杖を振り下ろしたけれども、なにも起こらない。

「それじゃあかんでぇ、すみれちゃん。さくらさんが『かがみ』っちゅう名前付けてくれたけど、
うちはあくまでもミラーのカードや。『ミラー』って呼んでくれへんと発動できんさかい」
「そっか」
かがみさんのことばを聞いて、あたしはもう一度杖を振り上げた。

「彼の者を姿を映し、もうひとりの彼となれ。ミラー!」

杖を振り下ろすと、かがみさんは光に包まれた。
「こないになるってわかうとるのに教えてしまうなんて、うちはほんまにアホやーーーっ!」


227:CC名無したん
04/11/23 12:36:02 ImXrO8wQ
126さん乙かれです。
報道されたからって騒いでる阿呆な椰子いますがそれでも頑張ってください。

228:CC名無したん
04/11/23 15:01:35 /msCVF5C
126氏キタ━(゚∀゚)━!!!乙


229:CC名無したん
04/11/24 02:25:46 Y8twGs45
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!

かがみさんナイスボケ!!
思わずワラタ
次回も期待しています(´∀`)b

230:126
04/11/28 21:38:04 uv2zMpDN
やがて、かがみさんを包んだ光が消えていった。

「くすん・・・くすん・・・」

テーブルの上には、○| ̄|_になっているかがみさんがいた。

「こないな情けない姿・・・おかんに見せられへん・・・うちはカードやからおかんはおらんけど」
「なんやと!」
おこったのはケロちゃんだった。
「せっかく、わいのナイスで小粋な姿になっておいて、情けないやと!その姿、よ~く見るんや!」
そう言って、ケロちゃんはかがみさんの前に鏡を置いた。
「そんな殺生な、ケルベロスはん・・・」
かがみさんはよろよろと起き上がると、鏡を見る。

「!」


231:126
04/11/28 21:39:17 uv2zMpDN
「けっこう、かわいいやないか~~~!」
ママのミラーさんと違って、かがみさんは姿を映すときに1か所だけ違った姿になる。
ケロちゃんと違うのは、かわいらしいチョーカーを着けていることだ。
「今のかがみさんは、チュルミンって感じだよね」
あたしがそう言うと、チュルミンは目をきらきらさせて、
「ほんまや。これならアニメ化はねらえるわ。ほんま、ありがとうな、すみれちゃん」
チュルミンは、ほんとうに気持ちを切り替えるのが早い。
「どうや、ケロはん。あんたよりうちの方がずぅーっとイケてるでぇ!」
「なんやと!わいのほうがずぅーっとナイスで素敵なんや!」
ふたりの掛け合いが始まった。これなら学校に行けそうだ。

「ふたりとも、そろそろ学校に行きなさい。急がないと遅刻しちゃうわよ」
「そうだね、ママ。じゃ、龍平、行こう」
「うん」
「いってきまーす!」


232:CC名無したん
04/11/29 19:53:37 6Kyr2jbF
チュルミン立直り速っw

233:CC名無したん
04/11/29 19:54:55 6Kyr2jbF
チュルミン立直り速っ!w

234:CC名無したん
04/11/29 22:58:11 IF0mnrTv
立ち直りはやっ!(禿ワラタ

235:CC名無したん
04/11/30 13:52:00 xNLACEsq
いいっすね

236:126
04/12/06 00:41:34 q1d6eTUI
「おはよう!間に合ったぁ!」
あたしは、教室に駆けこんだ。
「おはようございます、すみれちゃん」
「おはよう、知美ちゃん」
「きょうはすみれちゃんにしては珍しく、遅刻すれすれですわね。龍くんは、もう学校に
来ていたみたいですけど」
「うん。途中で忘れ物取りに、あたしだけ一度家に戻ったんだ」
けさは、チュルミンのこともあって家を出るのが遅かったところに忘れ物。
学校に着いたのは本当に遅刻すれすれだった。ランドセルを机に置くと同時に、朝のホームルームの
チャイムが鳴った。
「みんな、おはよう」
神宮寺先生が教室に入ってきた。

あたしはノートと鉛筆だけでも出そうと、ランドセルのふたを開けると、

ぱかっ

という音とともに、花束がぴょこんと飛び出てきた。
「ほ、ほぇ?」
そして、その花束を抱えて、ランドセルの中からせり上がって来たのは
「チュ、チュルミン?!」


237:126
04/12/06 00:42:51 q1d6eTUI
チュルミンは、あたしの方をチラリと見て、にこっと笑うと、そのからだよりも大きな花束を
思いっきり差し出して、
「すみれちゃんは、あなたのことが大好きです。愛しています。どうかお付き合いしてください」
「ほ、ほぇ・・・」
突然のことで、あたしが固まっていると、チュルミンはもう一度あたしの方に振り向いて
「どうや?すみれちゃんにかわって、愛の告白してやったで」
あたしは、ますます固まった。

次の瞬間、

「ありがとう。でも、残念ね。先生は女だから」

みんながどっと笑う。自分のからだより花束が大きくて見えなかったんだろうけど、
チュルミンが花束を差し出していたのは、衛くんにではなく、あたしの席にまでやって来ていた、
神宮司先生だった。
「木之本さん、誰かさんに愛の告白をするのなら、ホームルームじゃなくて、ふたりっきりの方が
いいんじゃないかしら?」
「ほ、ほぇ」
「それに、学校にロボペ(ロボットペット)を持ってくるのはいいけれど、スイッチ入れるのは
休み時間だけにしてほしいな」


238:126
04/12/06 00:44:54 q1d6eTUI
「す、すみません。今、スイッチ切ります。芸人モードに入っちゃってて・・・」
あたしは、チュルミンを抱き上げた。そして小声で
(お願いだから、お昼休みまでランドセルの中でおとなしくしてて)
(いやや。せっかく愛の告白をしに来たのに)
(いいから、おとなしくしてて!)

「木之本さん、なにロボペと遊んでいるの?」
先生が聞くと衛くんが
「木之本さんのロボペは音声認識できるんです。今、それでスイッチを切っているんですよ」
「そうなの?」
先生が不思議がる。確かに、音声認識でスイッチを切るロボペは珍しいらしい。
「フードファイトの時もそうだったから。でも、木之本さん、きょうのはフードファイトの時の
ロボペとは違うよね」
「う、うん。あの後、パパが香港の信和中心で新型を買って来てくれたんだ。見てのとおり、
芸人モードがパワーアップしてるんだよ。あは、あははは・・・」
あたしは、なんとかごまかすと、チュルミンをランドセルにしまいこんだ。

そんなすみれの姿を見ながら、
(ミラーのカードを実体化させたら、ケルベロスの姿を映したのか・・・
すみれさんとミラーのコンビで、今度のカードは封印できるかな)
と考える衛だった。


239:CC名無したん
04/12/11 07:20:47 gAediuKo
126氏キテタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
あぁ…かがみ(チュルミン)さんナイスボケ!
思わず笑いました(笑)
(´-`).。oO(すみれちゃんはこれでドキドキしちゃって、より衛くんに対して接しづらくなるかもしれませんけど…)
(´-`).。oO(そのフォローをうまくかがみ(チュルミン)さんがしてくれれば…とは思いますが…)

いつもありがとうございます。m(_ _)m

240:126
04/12/12 18:32:13 0Ymqx5Kw
「・・・ここなら、だいじょうぶだと思いますわ」
「うん」
やっとお昼休みになって、あたしと知美ちゃんは校庭の人目の付かないところに移動した。
ランドセルを下ろして、ふたをあける。
「チュルミン、お昼だよ」
長い間狭いランドセルにいたから、早くチュルミンをランドセルから出してあげようと思っていたら
「??・・・なに、これ?!」
「どうかなさいましたの?」
「・・・むにゃむにゃ・・・うるさいなぁ。せっかく人が・・・ってうちは人やあらへん。
せっかくカードが気持ち良く寝とると言うのに・・・」
「チュルミン、あたしのランドセルにいつの間に・・・」
チュルミンは、ランドセルの中にハンモックをぶらさげて、気持ちよさそうに寝ていたのだ。
「よく寝たーーー」
「よく寝たって、あたしのランドセルの中にそんなもの付けないでよ」
「仕方あらへんやないか。授業のじゃまをせいへん思うたら、寝るのが一番やけど、このままやと
教科書がからだにあたって、痛いんや」
「だからといってハンモックなんて」
「ハンモックだけやない」
「・・・ハンモックだけじゃない?」
「朝、花束を出したときに使ったんやけど、せり上げ装置も付けたんやで」
「なんですってーーーっ!?」
「落ち着いてや。これはせり上げ装置やから、めんどいクレーン等安全規則も適用除外やし、
おかげでうちの登場シーンの演出がごっつう効果的になったやないか」
「そんな問題じゃない!」


241:126
04/12/12 18:33:30 0Ymqx5Kw
「大道具にお詳しいのですね」
知美ちゃんが聞く。知美ちゃんは演劇部だから、そのへんに興味を持ったみたいだ。
「まぁ、いろいろとな」
「ごあいさつがまだでしたわね。わたくしは、大道寺知美です。はじめまして」
「はじめまして。うちの名前は、チュルミン。このアニメの主人公や!」
「主人公って・・・」
あたしの頭におっきな汗が浮いた。けれども、知美ちゃんは
「すみれちゃんもがんばらないと、主役の座を奪われますわよ」
「知美ちゃん・・・そんなにさらっと言わなくても・・・」
「それにしても、ほんとうによくできてますわね、このロボペ」
「ロボペやない!うちは、クロウ・カードや!」
「まぁ?」
知美ちゃんは、あたしの顔を見る。
「ほんとうですの?」
「うん」
「すると、チュルミンさんは『ケロちゃんさんもどき』のカードなんですの?」

ズサーッ(←すみれとチュルミンがコケる音)

「ち、違うって。チュルミンは、ミラーのカードさんなんだよ」
あたしは、いつの間にか付いたばんそうこうをはがしながら、きのうからの出来事を話し出した。


242:126
04/12/12 18:35:37 0Ymqx5Kw
「・・・それは残念でしたわ。きのうのことをビデオに撮影できなくて」
知美ちゃんのお約束の反応に、あたしの頭に汗が浮く。
「ほんま、残念やったな。きのうは名場面の連続やったでぇ。主人公のうちが消えかけるところ
なんか、これまでの最高視聴率やったんや」
「どうして、そんなことわかるのよ。まだ日報(テレビ視聴率日報のこと)出てないのに」

・・・

一瞬の間の後、チュルミンはあたしたちの前ですわりなおした。
「いろいろあったけど、うちはすみれちゃんに封印してもらえて、ほんまよかったと思うとる。
うちも、封印された他のカードたちも、みんな、すみれちゃんのことが大好きなんや。
なにか、うちらにできることがあったら、遠慮なく呼び出してや」
「なにも、そんなこと、改まって言わなくても」
「そっか。それじゃ、いいかげん、お昼にしようか。このままやとお昼休み終わってしまうで」
チュルミンは、ランドセルからお弁当を取り出した。いつものより3倍近く大きい。
「きょうのお弁当は、うちとさくらんさんが作ったさかい、おいしいでぇ。
知美ちゃんもどうや?こないなこともあろうかと、多めに作っておいたさかい」
「いいんですの?」
「せっかくだから、食べようよ。今からカフェテリア行っても、時間ないし、チュルミンさんの料理、
とってもおいしいんだから」
「では、遠慮なくいっしょにいただきます」
「そうや。いっしょに食べたほうが、何倍もおいしくなるって」
「チュルミンの言うとおり!」


243:CC名無したん
04/12/13 02:45:19 fYO+eKGE
126氏キテタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
チュルミンさんって、自分の演出の為に短時間で機械設置したりするなど、
下手したら本物のケロちゃんの座を奪う気マンマンだなぁ…
なんて思ったりしちゃいました(^^;)
ケロちゃんもガンガレ…と思いつつ、次回も期待します(*´∀`)

244:CC名無したん
04/12/14 11:54:44 CsfVV8qe
せっかく人が増えたんだし、この機会にこの名作を読んでもらうためにageます。

245:カドキャプ
04/12/14 12:04:17 wGJIfseq
URLリンク(blog.naver.co.jp) カドキャプ放送局

246:126
04/12/20 00:49:06 2gsCs0on
そして、その日の午後の授業は無事に終わった。
「じゃ、みんな、また、あした」
神宮司先生が、教室を出て行った。
「衛くん、校庭でサッカーやろうよ」
「ごめん、きょうはおばあちゃんに頼まれたお使いがあるんだ。また、今度」
「そっか。じゃ、また、あした」

いつも、衛くんは放課後になるとクラスの男の子たちといっしょに校庭に飛び出すから、
クラブのない日は、なかなか話をすることがない。

「そうだ、木之本さん」
「な、なに?」
とつぜん、話しかけられて、あたしは少しどきどきしてしまう。
「けさのロボペ、どうしたの?」
「ラ、ランドセルの中だよ」
「そうなんだ。フードファイトの時もそうだったけど、木之本さんって、いつも変わったロボペを
持っているんだよね」
「う、うん。パパがいつも香港の信和中心で買って来てくれるから・・・日本にない変わった
モデルなんだって。きょうのは、芸人モードがパワーアップしてるんだよ」
「ちょっと、見せてくれない?」
「ほぇ?」
あたしはあわてた。今、チュルミンをランドセルから出したら、また愛の告白をするに決まってる!


247:126
04/12/20 00:50:11 2gsCs0on
「あの、今、バッテリーが切れてて動かないし、それにもし動いていても、けさみたいに芸人モードで
変なことをするかもしれないし」
あたしがあわてていると、
「メーカーを知りたいんだ。おばあちゃんが香港に行ったときに買って来てもらおうと思うから」
「ほぇ?」
それって、衛くんが、あたしと同じロボペが欲しいってこと?
「だから、ちょっとだけ」
「う、うん」
あたしは、断りきれなくてランドセルのふたをあけた。

すかー。すかー。

チュルミンは気持ちよさそうに眠っている。お昼のお弁当をたっぷり食べたからみたいだ。

「バッテリー、あまりないみたい」

あたしは、そっと、眠っているチュルミンを抱き上げた。
「羽のところを見せてくれない?たぶん、そこにメーカーの名前とか入っていると思うんだ」
あたしは、衛くんにチュルミンの背中を見せる。
衛くんが、チュルミンの羽のところに指を伸ばしたとき

(!)

あたしは、一瞬、なにかを感じた。

248:126
04/12/20 00:51:37 2gsCs0on
「どうしたの、木之本さん?何か驚いたみたいだけど?」
衛くんのことばに
「な、なんでもないよ」
あたしはごまかした。魔力を感じたなんて、衛くんに言うわけにはいかない。
「・・・おかしいな。メーカーも型番もなんにも書いてないよ」
「このロボペは特別製だって、パパが言っていた。だから、メーカーも型番も入ってないんだよ」
「そうなんだ。じゃ、同じものをおばあちゃんに買って来てもらうのは無理っぽいね」
「う、うん、たぶん」
「残念だなぁ。けど、見せてくれてありがとう。ぼく、そろそろおばあちゃんのお使いに行かないと」
「残念だったね。それじゃ、またあした」
「うん。じゃあ、またあした」

あたしは、衛くんが教室を出て行くのを見届けて、ほっとした。これで、チュルミンが騒ぎを
起こすともないだろう。

「残念でしたわね~」
「残念って・・・知美ちゃん、何が?」
「せっかく、衛くんとおそろいのロボペを持てたかもしれないのに。おふたりがおそろいの
ロボペを持って、楽しそうにお話しする・・・想像するだけでも・・・うっとりしますわ~・・・」
「知美ちゃん・・・」
あたしの頭に大きな汗が浮いた。

249:126
04/12/20 00:53:24 2gsCs0on
「むにゃ・・・むにゃ・・・なんや、背中がこそばゆいな・・・」
そのとき、チュルミンが起き出した。
「目が覚めたのね、チュルミン」
「よく、お眠りになりました?」
チュルミンは、うーん、と背伸びをすると
「はっ!そうや、愛の告白をせんと!花束はどこや、花束は?」
と言って、机の上に飛び降りた。
「もう、放課後だよ」
「なんやて?!」
「衛くんは、お帰りになってしまいましたわ」
「ということは、完全にタイミングを逃してしまったんか?」
「そうですわ」

_| ̄|○ ・・・

そんな_| ̄|○なチュルミンに、知美ちゃんがなにかをこっそりと言った。

(でも、これでよかったかもしれませんわ。すみれちゃんにはライバルがいらっしゃいますから)
(ライバル?誰や?)
(それは・・・今にわかりますわ)

知美ちゃんは、とっても楽しそうに見えた。


250:CC名無したん
04/12/21 09:26:45 7zP+LPei
>>126 お疲れサマンサ & 名作age

251:CC名無したん
04/12/23 17:45:12 Vuc8UyDi
126氏キテタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
チュルミンの_| ̄|○に本当にワラタ

すみれちゃんのライバルって誰でしょう?
(それを示すような記述ってあったかなぁ…前に戻って見直してみます)
次回も楽しみです。

252:126
04/12/27 22:12:15 u3SdqiHj
「・・・うーん」
あたしの腕の中で、チュルミンはさっきから考え中だ。
「チュルミン、さっきから何考えてるの?教室を出てからずっとじゃない?」
「チュルミンさんは、新たな課題に挑戦されているのですわ」
「新たな課題ってなに?」
「・・・どやったら、うまく愛の告白できるんかなっと思ってな。作戦の練り直し中や」
「そんな作戦、練らなくていいよ」
「そやかて、強力なライバルがおるとなると・・・」
「ほぇ?」
「なかなか難しいですわね。ライバルの方は、とってもふんわりですから・・・」

そんな話をしつつ、あたしたちはペンギン公園の近くに来ていた。

すると、そのとき

ばっしーん!

「なに?」
「雷や!」

空を見上げると、雲がどんどん広がっていく。
「にわか雨でしょうか?」
「ほぇーっ!」
あたしたちは、ペンギン大王の中に駆け込んだ。

253:126
04/12/27 22:16:52 u3SdqiHj
「ここなら雨宿りも・・・」

ばっしーん!ゴロゴロ!

雷の光と音が響き渡って、まわりが一気に暗くなった。
ペンギン大王の中から、外をそっとのぞく。

「あや?降ってこないよ?」

ばっしーん!どーん!

「!」

あたしが耳をふさぐと同時に、街灯に雷が落ちた。

「ほぇ?」

見ていると、雷が公園の街灯を飛び移るように移動していった。こんな雷、見たことがない。
「こ、これは?」
「クロウ・カードや!」
「えーっ?!」
「これは、雷、サンダーのカードや!」
「と、いうことは?」
「カードキャプターの出番やで!」


254:126
04/12/27 22:18:29 u3SdqiHj
あたしは呪文を唱えだした。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」

「チュルミンは、危ないから知美ちゃんといっしょにいて」
「いやや。うちもクロウ・カードのはしくれや。すみれちゃんといっしょに行くでぇ」
チュルミンはあたしの腕の中から肩のほうに飛び移った。
「だって、チュルミンはケロちゃんの姿を映しただけだから、空を飛べないでしょ?
これからジャンプを使うから、チュルミンは振り落とされてしまうかもしれないんだよ」
「だいじょうぶや。ちゃんとハーネスを用意しておいたさかい」
チュルミンはからだに装着したハーネスの先のカラビナを、ランドセルにひっかけた。
「い、いつの間にそんなものを・・・」
けれども、これでチュルミンを振り落とすことはなさそうだ。

「じゃ、行くよ。ジャンプ!」

あたしはペンギン大王から飛び出して、サンダーの後を追っかけた。

「おふたりともりりしいですわー」
そんなすみれたちを、知美はばっちりと撮影している。撮影しながら、ふと、あることに気がついた。
「いけませんわ。このままでは、すみれちゃんが大ピンチです・・・それには・・・」
ビデオカメラを止めて、知美はケータイを取り出した。
「ここからなら、間に合うかもしれませんわ」


255:126
04/12/27 22:20:05 u3SdqiHj
ジャンプでサンダーを追っかけていると、チュルミンが聞いてきた。
「すみれちゃん、サンダーを封印するにはどうしたらいいか、わかっとるん?」
「どうするの?」
「サンダーを封印するには、元の形にするんや」
「サンダーの元の形って?」
「雷獣や。サンダーは、雷撃をくらわして雷獣の姿に戻してから封印するんや」
「そっか。ママのときもそうだったね」
あたしは、知美ちゃんのおうちで見たビデオを思い出した。
「そやから、サンダーに雷撃をくらわせれば」
「ちょっと待って。あたし、雷を操るカードなんで持っていないよ」
「なんやて!?すみれちゃんはサンダーのカードを持っておらんのか?」
「持っていないから、今、追いかけてるんでしょ?」
「そやったら、さくらさんはどないしてサンダーを封印したんや?」
「あのときは、パパが雷の魔法を使えたの!」
「とか漫才やっとるうちに、サンダーのやつ、うちらに気づいたみたいや」
「ほ、ほぇーっ!!!」

サンダーは方向を変えて、あたしたちに向かってきた。


256:126
04/12/27 22:22:27 u3SdqiHj
「ほぇーーーっ!!!」
それからのあたしたちは、逃げ回るだけだった。
フライのカードさんを使えば逃げられたかもしれないけれど、とても新しいカードさんを
呼び出す余裕なんてない。
「うぐうぐうぐ・・・」
ジャンプで方向を変えるたびに、チュルミンがハーネスごと振り回される。
「がんばって、チュルミン!」
あたしは、林の中に逃げ込んだ。
そうして、また、ジャンプ。

ブチッ!

「すみれちゃーん!」
とうとうハーネスがちぎれて、チュルミンが放り出される。
「チュルミン!」
あたしはチュルミンを助けようと手を伸ばした。
そして、地面にそのままスライディング。
「だいじょうぶ、チュルミン?」
あたしの手の中でチュルミンは、
「ああ、だいじょうぶや・・・けど、うちら、絶体絶命みたいやで」
「・・・え?」
顔を上げると、あたしたちの正面からサンダーが向かってきた。
そして、あたしたちの前に立ちはだかる黒い影。
「あれは・・・?」

257:CC名無したん
04/12/28 13:59:34 v3srDtrl
>>126 お疲れサマンサ。これから読みます。

258:126
04/12/30 09:52:40 susB8df7
「黒鋼さん?!」
あたしたちの前に立っていたのは、キタリスの黒鋼さんだった。
あたしたちを威嚇するように、サンダーは音をとどろかせる。
「黒鋼さん、あぶない!」
けれども、黒鋼さんがあたしたちをちらっと見た後、サンダーの方を向きなおしたと思うと、
あたりに強烈な光と音が響き渡った。

「なに?なにが起きたの?」
「あのリスのあんちゃん、額から雷撃を出しよった!」
「えーっ!!」

グォーッ!

サンダーは、雷獣の姿に戻っていた。そして黒鋼さんに向けて雷撃で攻撃する。
「黒鋼さん、逃げて!」
けれども、黒鋼さんも逃げずに電撃で反撃する。
サンダーと黒鋼さんの雷撃は、空中でぶつかって

バリバリ!バザーンッ!!!

反動で黒鋼さんがはじき飛ばされた。
「黒鋼さん!」
「あかん!」

259:126
04/12/30 09:53:51 susB8df7
はじき飛ばされた黒鋼さんを助けようと、チュルミンがあたしの手から飛び出した。
そして、空中で黒鋼さんを受け止める。
「もう、だいじょうぶや」
けれども、あたしは黒鋼さんが助かったことよりも別のことで驚いていた。
「チュルミン、空、飛んでいる・・・」
「ほ、ほんまや!」
チュルミンは、黒鋼さんを受け止めてそのまま宙に浮いていたのだ。
「はっ!そ、そんなことより、すみれちゃん、封印や!今なら封印できるでぇ!」
「封印って、どうすればいいの?あたし、ママのときのようにシャドーのカードさんを持ってないよ」
「グルーや。グルーのカードで封印できる」
「わかった。やってみる」
あたしは、グルーのカードさんを取り出した。
「膠よ。彼の者を包み込め。グルー!」
カードから伸びた膠がサンダーを包み込む。
サンダーはその雄たけびを残して
「今や!」
あたしは、サンダーに駆け寄った。
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」

まもなくサンダーのカードがあたしの手に飛び込んできた。
「やったぁ!」
「ようやったでぇ。すみれちゃん」


260:126
04/12/30 09:55:21 susB8df7
「ありがとう、チュルミン。封印のしかたを教えてくれて」
「サンダーは電気を通さんもんで包んでしまえば封印できる。シャドーもそうなんやけど、
グルーのカードも電気を通さないんや」
「よく知ってるね」
「まぁな。うちは博識やさかい」
チュルミンがやってきて、あたしに黒鋼さんを渡す。
「ありがとう、黒鋼さん」
黒鋼さんは、ぷいっと横を向いた。なんだか照れているみたいだ。
「ほんま、おおきにな。あんたが雷撃出さんかったら、うちらはどうなってたやら。
それにしても、どうして、あんたのようなリスさんがあないな技を持ってるん?」
「ICタグですわ」
「知美ちゃん!」
そのとき、あたしたちの前に知美ちゃんが現れた。お約束どおり、手にはビデオカメラを持っている。
「みなさんの活躍、ばっちり撮影できましたわ」
「知美ちゃん、ICタグって?」
「黒ぴょんさんには、おいたをしたときに懲らしめるために電流を流すICタグが埋め込まれて
おりますの。さきほどの電撃は、わたくしがこれで操作したのですわ」
知美ちゃんは、あたしたちにケータイを見せた。
「でもでも、さっきの電撃すごかったよ。あんなの流してだいじょうぶなの?」
「だいじょうぶですわ」
「ほんとうに?」
「ええ。それが、黒みぃさんの体質なんですもの」
「なに、それ・・・」
あたしとチュルミンの頭に、おっきな汗が浮いた。

261:126
04/12/30 09:57:12 susB8df7
「それにしても、チュルミンさんはお空を飛ぶこともできたのですね」
「ほんとう、びっくりしたよ。空を飛べるなら飛べるって言ってくれたらよかったのに」
「すまん、すまん・・・って、うち、この姿で飛べるなんて知らんかったんや」
「ほんとう?」
「ほんまや。ほんまに知らんかったんや。けど」
チュルミンは、羽をぴょこぴょこ動かして言った。
「空を飛べるっちゅうことは、うちがまだまだ大活躍できるっちゅうことや。
このアニメの主人公になれる日も、近いで」
「まぁ、チュルミンさんったら」
知美ちゃんが楽しそうに笑う。それにつられてあたしも笑った。ほんとうによかった。
カードを封印できたこともそうだけど、それよりもチュルミンや黒鋼さんが無事だったから。
ほんとうにありがとう。チュルミン、黒鋼さん。そして、知美ちゃん。

「どうやら、無事に封印できたようですわね」
「ああ。ミラーが空を飛べるようにしておいてよかったよ」
「そんなことまでしたのですか、エドワード」
「ミラーのカードが、すみれさんと行動をともにするのはわかっていた。空を飛べなかったら
危険なめにあって、すみれさんが悲しい思いをすることもわかっていたから、きょう、あわてて
力を使ったんだよ」
「すみれさんにはばれなかったのですか?」
「魔力には気づいたようだけど、ぼくのせいとは気づかなかったようだよ」

ふたりは、すみれたちの封印を見届けると、その場から消えるようにいなくなった。

<×すみれとかがみの迷コンビ?→○すみれとチュルミンの迷コンビ?:終劇>

262:CC名無したん
04/12/30 16:31:15 /y6wz/7u
126氏キタ━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!!!
黒鋼さんって以前出てきたロボペですね。
そんな機能あったんですか…_〆(゚▽゚*)

何はともあれ、年末のプレゼントありがとうございました!


263:さくらと小狼の子供たち(前スレ)
04/12/31 14:25:52 O3mlNlkm
URLリンク(ruku.qp.tc)

264:126
05/01/01 00:11:26 4x1rJf1A
さくらの初夢

「だれ?わたしを呼ぶのは?」
ふと気がつくと、わたしはビルの屋上に立っていた。
そして、そばにいるのはケロちゃん。
目の前に広がるのは東京タワー。
東京タワーの展望台の屋根に人影が見える。
あたりに舞い落ちるのは
「桜の花びら・・・?」
思わず手を差し出すと、てのひらにひらりと乗った花びらはかすかな光に包まれた。
「・・・あ?」
その光が消えたとき、花びらはカードに姿を変えていた。

265:126
05/01/01 00:14:10 4x1rJf1A
すみれの初夢

「だれ?わたしを呼ぶのは?」
ふと気がつくと、あたしは丘の上にたっていた。
そして、そばにいるのはチュルミン。
目の前に広がるのはハドリアン・ウォール。
その城壁の上にふたりの人影が見える。
あたりに舞い落ちるのは
「すみれの花びら・・・?」
思わず手を差し出すと、てのひらにひらりと乗った花びらはかすかな光に包まれた。
「・・・あ?」
その光が消えたとき、花びらはカードに姿を変えていた。

266:126
05/01/01 00:15:40 4x1rJf1A
チュルミンの初夢

「だれや?うちを呼ぶのは?」
ふと気がつくと、うちはビルの屋上に立っとった。
そして、そばにおるんは黒鋼はん。
目の前に広がるんは東京タワーなんかよりごっつう高い通天閣や。
そのてっぺんには、食い倒れのあんちゃんと1粒300メートルが立っておった。
あたりに舞い落ちるのは
「鏡のかけら・・・?」
思わず手を差し出すと、てのひらに鏡のかけらが・・・グサッ!






「いたぁーーーーーーっ!!!」

267:チュルミン
05/01/01 00:32:47 4x1rJf1A
正月からからだはったんやけど、このオチ、別に初夢やなくてもええやないか orz...

268:CC名無したん
05/01/01 01:06:56 C7kIkmLn
あけましておめで㌧(´・ω・`)
>>126さんが来てますよ!

>そのてっぺんには、食い倒れのあんちゃんと1粒300メートルが立っておった。

どんな夢見てんだよチュルミン _| ̄|○ノシ

269:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/01/01 10:19:56 Ixq18JxP
126さん乙です。
激しくワラタ。

270:CC名無したん
05/01/02 03:51:12 6cUcmZG4
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
1粒300メートルワラタ

271:鏡@ミラ留守
05/01/02 10:49:52 u/cRhxLo
126氏あけおめ(´∀`)ノシ
遅レスだけど、初笑いさせて頂きますた。

272:CC名無したん
05/01/02 21:14:44 wBSWUFfY
126氏そして他のスレ住人さんあけましておめでとうございます
チュルミン三段落ちワラタ

273:CC名無したん
05/01/03 08:05:12 KCFimE+4
126さん乙&あけおめ
スレも一周年ですなあ

274:CC名無したん
05/01/03 23:30:39 QkXWqCkT
うわすげースレ見つけた。

275:126
05/01/10 21:52:22 kmzLBy+Z
次回予告
ケロちゃんといっしょに知美ちゃんのおうちに遊びに行くんだ。
でも、知美ちゃんが相談したいことってなんだろう?
またお洋服のデザインのことかな?

そして、知美ちゃんがお部屋で見せてくれたのは・・・

ほぇ~!これ、宙に浮いてるよ!?

カードキャプターすみれ さくらと小狼のこどもたち
すみれと知美と大切なもの

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!

276:CC名無したん
05/01/10 22:58:52 F7EppAsM
次回予告キタ━(゚∀゚)━!!

277:126
05/01/16 01:26:04 zsXwYhHl
「西光寺だ。次のバス停で降りるんだよね」
今、あたしは、知美ちゃんのおうちに向かうバスに乗っている。

→回想シーン
きのうのお休み時間のとき
「ほぇ?知美ちゃんのおうちに?」
「ええ。ちょっと困ったことがありまして・・・すみれちゃん、よろしければ、あすの日曜日、
うちに来ていただきませんか?」
「知美ちゃんのおうちに行くのはうれしいけど、困ったことってなに?」
「それは、あしたご説明しますわ」
←回想シーン終わり

「・・・知美ちゃん、なにがあったんだろう?」
そのとき、あたしのたまごさんリュックの中から
「・・・うぐうぐうぐ・・・苦しい!」
ケロちゃんが飛び出した。
「あ!」
あたしは、思わずリュックのジッパーを閉じる。
「!」
バスの乗客の視線があたしに集まるのがわかる。
「あ、なんでもありません」
あたしはあせってごまかした。
「・・・だめだよ。ケロちゃん」
「そやかて、中の空気が」
「もうちょっとだから、がまんして」
「もう限界や」
「もうちょっとだから、ね、ね。次だからがまんして」
「・・・すみれ、今、他の客の視線が集まっとるんやないか?さくらの時と時代は変わっとるんや。
ロボペっちゅうことにすれば、わいをカバンの外に出しても変に思われへんで」
「・・・そっか。ごめん」

278:126
05/01/16 01:27:20 zsXwYhHl
バス停を降りて、知美ちゃんのおうちに歩いて行く。
「いつ来ても、でっかいうちやなぁ」
「ケロちゃん、リュックに乗って。いくらロボペでも空を飛ぶのはおかしいから」
「わかった」
ケロちゃんがたまごさんリュックに乗るのを確かめてから、あたしはインターホンを押す。
「はい。どちらさまでしょう?」
「木之本です」
「いらっしゃいませ。今、門を開けます」
いつものように、大きな門が開いていく。
そしていつものように、大きなおうちに進んで行くと噴水を過ぎたあたりで玄関のドアが開いて
「すみれちゃん!」
「こんにちは」
「いらっしゃい!」
「よう!知美!」
「こんにちは、ケロちゃんさん」

「どうぞ。わたしの部屋へ」
あたしたちは知美ちゃんのおうちに入る。すると
「お嬢さま?」
メイドさんが、知美ちゃんに声をかける。
「お茶はどちらにお持ちしましょうか?」
「じゃ、わたしの部屋に3つ」
「3つですか?」
メイドさんが、不思議そうに聞き返す。けれども知美ちゃんは、こくんとうなずくと
「お願いしますね」
と、あたしの手を引っ張って歩き出した。

すみれたちが立ち去ったあと、そのメイドはつぶやいた。
「これが、あの大道寺家の7不思議のひとつ、『わたしの部屋に3つ』・・・」


279:126
05/01/16 01:29:19 zsXwYhHl
知美ちゃんのお部屋に入る。
まもなく、ドアがノックされて
「どうぞ」
「お嬢さま、お茶をお持ちしました」

メイドさんが部屋を出ると、
「そうだ。これ、ママが知美ちゃんにって、クッキー焼いてくれたんだよ」
あたしは、たまごさんリュックから、ママが作ったクッキーを取り出した。
「まぁ。ありがとうございます。では、ケロちゃんさんもいっしょにいかがですか?」
「わーい!クッキーや!」
ケロちゃんはごきげんだ。

あたしたちはしばらくおしゃべりを楽しんだ後、
「ところで知美ちゃん、困ったことってなに?」
「実は・・・今、お持ちしますわ。母の部屋にありますの」
知美ちゃんは部屋を出るとすぐに戻ってきた。両手で箱を持っている。
「その箱、クロウ・カードの気配がする」
「知美、その箱、見覚えあるでぇ!」
ケロちゃんは少し興奮しているようだった。
「確か、シールドのカードがとりついていた箱や」
「というと、撫子おばあちゃんの結婚式のときのブーケと、ママが知世おばさんにあげた消しゴムが
入っている箱なんだね」
「そうです。祖母と母がとても大切にしている箱ですわ」
「また、開かなくなっちゃったの?」
「それもあるのですが、わたしの手元を良く見てくださいな」
「ほぇ?」
あたしは知美ちゃんの手元を見直した。箱と知美ちゃん手の間にすきまが・・・
「ほぇ~?これ、宙に浮いてるよ!?」

280:CC名無したん
05/01/16 02:23:50 vLbM1xBK
126氏キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
「大道寺家の7不思議」ワロタ

残り6つは何だろう…と思いつつも、シールドのカードが取りついていた箱の
中に、今度は何が入っているのか。
楽しみにしたいと思います。
ありがとうございました。

281:CC名無したん
05/01/16 13:21:05 +Nk4sbIn
>「これが、あの大道寺家の7不思議のひとつ、『わたしの部屋に3つ』・・・」
禿ワラタ
あの箱が再び……ですか。
次回が待ち遠しいです

282:CC名無したん
05/01/22 20:12:16 CnUKyrZ50
李家の人たちは出る予定はないのかな。
あの姉たち結構好きなんだが…w

283:チュルミン
05/01/23 18:21:59 OcSwB81MO

なんでうちだけお留守番やねん・・・・_| ̄|○
あぁ~~~~~っっ!!
うちも行きたい逝きたいイきたい生きたいいきたぁ~~~~~いぃ!!!! ジタバタジタバタ

284:126
05/01/24 01:49:34 9X30qmZO0
「宙に浮いているのではありませんわ」
知美ちゃんは、箱をテーブルの上に置いた。テーブルと箱の間にすきまが見える。
「なにか透明なクッションのようなもので包まれているみたいですの。ほら」
そう言って、知美ちゃんが指で箱を押さえると-やっぱり、指と箱の間にはすきまができるんだけど-
箱はゆっくりと少し沈んだ。そして知美ちゃんが指を離すと箱はゆっくりとせり上がった。
「ほんとうだ。見えないクッションで包まれているみたい」
「そこがさくらさんが封印してくださったときとは違いますの。けれども、見ていてくださいね」
知美ちゃんはポケットから鍵を取り出した。その鍵で箱を開けようとすると・・・

ぽよーん!

箱に近づいた鍵は、はじかれた。
「ひさしぶりにこの箱を開けようとしたらこの調子で・・・」
「確かにこれはクロウ・カードのせいやな」
ケロちゃんが箱に近づいて、ちょん、とつつく。

ぽよーん。

「!」

「見えたか、すみれ」
「うん。なにかバリアみたいなものが」
「そうや。さくらの時とはちょっと違うが、やっぱりこれもシールドのカードや」
「というと、ママの時と同じようにソードでシールドを切ればいいのね?」
「シールドは切られたら本体表すさかい、そこをすかさず封印や!」
「すばらしいですわ。では、さっそく衣装とビデオの準備を」
「・・・」
いつの間にかしっかりバトルコスチュームとビデオカメラを用意している知美ちゃんを見て、
あたしの頭におっきな汗が浮いた・・・

285:126
05/01/24 01:51:51 9X30qmZO0
「りりしいですわ~」
バトルコスチュームに着替えたあたしを見て、知美ちゃんはご機嫌だ。
「カメラも準備OKですわ。では、すみれちゃん、こちらでどうぞ」
「う、うん」

あたしはカメラの前で呪文を唱えだした。
「光の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、すみれが命じる」
「封印解除(レリーズ)!」

「クロウの作りしカードよ。我が鍵に力を貸せ。
カードに宿りし魔力を、この鍵に移し、我に力を!ソード!」

封印の杖がソードに変わる。あたしは箱に向かって

「ハァーッ!」

ソードを振りおろした。ソードから伸びた魔力がシールドを切り裂こうとしたとき

ばぽん!

「キャッ!」

あたしはソードごとはじき返されていた。
「すみれちゃん、だいじょうぶですか?」
「うん、だいじょうぶだよ。でも、どうして・・・?」
「シールドが柔らかすぎるんや。すみれの魔力じゃ、その柔らかさを押し切れないんや」
「そんな・・・」

286:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/01/24 19:12:25 LcgpqdU00
126さん、毎度乙カレー。

287:126
05/01/30 23:48:13 PAtLnVBJ0
ケロちゃんは話を続けた。
「シールドは大事なもんを守るためのカードや。より大事なもんを守ろうとする性質がある。
こないにクッションみたいになっとるっちゅうことは、この箱の中身はかなり壊れやすいもんなんやろな」
「それで・・・」
知美ちゃんは納得したようだった。
「知美、この箱の中身はなんや?」
「ブーケと消しゴムですわ」
「それって、ママがカードさんを封印したときとおんなじだよね」
「はい。ところが、ブーケがさくらさんが封印されたときとは違うのです」
「違うって、どんなふうに?」
「いま、とてももろくなっているのですわ。このブーケは、すみれちゃんのおばあさまが結婚されたときの

ブーケです。祖母はとても大切にしています」
「うん、それは知っているよ」
「では、すみれちゃんはご存知でしたか?このブーケが生花(せいか)だということを」
「ほぇ?それっておかしくない?なんで何十年も枯れずにいるの?シールドのカードさんを封印したとき、

ブーケがとってもきれいで香りもすてきだったって、ママが言ってたよ」
「結婚式のあと、祖母がすぐに保存処理をしてもらったのですわ。それでさくらさんが封印したときも
枯れずにいたのです。けれども・・・」
知美ちゃんは、箱の方を見た。
「当時では最新の技術だったのでしょうけれど、不完全でした。時間がたつにつれて花びらが硬く、
もろくなってきたのです。このままではだめだと思い、最新の技術で処理しなおそうとしたら、
またシールドにとりつかれてしまって・・・早くしないとブーケがぼろぼろになってしまいますのに」
「そうか、それでシールドが、中のブーケ守ろう思うてクッションみたいになってるやな」
「でも、どうしよう。このままシールドさんを封印できないと、中のブーケがだめになっちゃうよ」
「そうやなぁ・・・」

あたしたちが考え込んでいると、
「なんや、この気配は?」


288:126
05/01/30 23:49:27 PAtLnVBJ0
「チュルミンだよ。チュルミンが、実体化したがってる」
あたしは、チュルミンのカードを取り出した。カードがわずかに光っている。
「なんや、こないなときに?」
「きっと、実体化してすみれちゃんを助けたいと考えておられるのでは?」
「そっか。サンダーさんの時も、チュルミンが封印のしかたを教えてくれたんだ。チュルミンなら、
シールドさんの封印のしかたを知っているのかもしれない。ケロちゃん、また姿借りていい?」
「え~?またかいな?」
「お願い。あたしの姿に変えたら、きっとややこしいことになるから」
「ま、緊急事態やし、しゃあないな」
「ありがと」

あたしは呪文を唱えた。
「彼の者の姿を映し、もうひとりの彼となれ、チュルミン!」

・・・ぺらっ。

カードはそのまま床に落ちた。
「どうして?」
すると、チュルミンのカードから
「あほーっ!うちはあくまでもミラーのカードなんや!チュルミンと呼んでも召還できんでぇ!」
「ご、ごめん」
あたしはカードを拾うと、もう1度
「彼の者の姿を映し、もうひとりの彼となれ、ミラー!」

カードが魔力につつまれ、実体化していく。すると
「なに、この音楽は!?」
どこからか、音楽が聞こえてきた。

289:126
05/01/30 23:50:45 PAtLnVBJ0
「・・・あなたに伝えたいほんとうの想い。
言いたいの 言えないの チャンス逃してばかりのあなたに
まっすぐな想いとちょっぴりの勇気を。
愛と勇気の天使、チュルミン登場!

愛の告白はおまかせよ!」

「・・・・・・」

「なんや?みんな、そないに固まって?」
チュルミンが決めポーズを解いて、不思議そうに聞く。
「・・・チュルミン」
「なんや、すみれちゃん?」
「今のは何?」
「魔法少女のお約束や。登場シーンには決めぜりふと決めポーズはつきもんやろ?
今の曲も自分で作曲したんやで」
「・・・」
あたしが、次のことばを探していると
「すばらしいですわ~」
「ほんまか?」
「ほんとうですわ~。今の登場シーン、ばっちりビデオで撮影しましたわ~!」
「そうか、いいもんはやっぱり理解されるんやなぁ!」
チュルミンはケロちゃんを見つけると、そのそばに飛んでいって
「どうや、ケロはん。知美ちゃんもああ言うとる。あんたよりうちの方がずぅーっとイケてるでぇ!」
「なんやと!わいのほうがずぅーっとナイスで素敵なんや!」

また、ふたりの掛け合いが始まった。

290:CC名無したん
05/01/31 18:05:41 Ms2JyUST0
あなたに伝えたいほんとうの想い。
言いたいの 言えないの チャンス逃してばかりのあなたに
まっすぐな想いとちょっぴりの勇気を。
愛と勇気の天使、チュルミン登場!

愛の告白はおまかせよ!

テラワロス

291:CC名無したん
05/02/03 09:08:47 aUvuyhHp0
さくら板にしっかりした小説スレがいくつかあるけど、ここが一番原作やアニメの雰囲気を大切にしていて、見ててわくわくしますな。
ってかまとめサイトがあってもいいのに…ハハアハァ

292:炉板通信 ◆mwhG4Chris
05/02/03 23:05:55 ugy/yA6C0
さくら板SS書庫の構想はずっと立ててるけど、許可や流れ整理の関係で色々ややこしくて・・・
とか言ってみたり

293:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/04 20:17:42 UlkJ8zXl0
漏れも構想たててるんだが、時間が取れない…
とか言ってみたり

294:CC名無したん
05/02/07 12:12:47 bOPaiC6R0
保守

295:炉板通信 ◆mwhG4Chris
05/02/07 23:04:01 KRAk3ZAe0
景気の悪いことを言うもんじゃないなorz

296:126
05/02/09 00:55:37 vfc+nlr+0
「もう、ふたりともやめてよ。今はカードさんの封印が先でしょ?」
「そっか。そやったな。すまん、すまん」
チュルミンはあたしのところに飛んできた。
「チュルミン、ひょっとしてシールドさんを封印する方法を知ってるの?」
「もちろんや」
「よかったぁ。で、どうすれば封印できるの?」
「ツボや」
「ツボ?ツボって、中に何か入れたりする・・・」
「ちゃうちゃう。すみれちゃんがぼけてどうすんねん。気功で言うツボ・・・とも少し違うかな。
すみれちゃんも、テレビなんかで武道家が手刀で石を割ったりするの、見たことあるやろ?」
「うん」
「他にも、石大工さんがノミを入れる場所を入れる場所とか。うまく当たれば、きれいに石が
割れるんやけど、そこを間違えると、うまく割れないところ。ま、人によって呼び方は多少違うんやけど
シールドのカードにも、ここを攻撃すればひとたまりもないっちゅうツボがあるんや。
そこをやれば、シールドはものを守りきれなくなって封印できる」
「でも、シールドさんのツボって、どうやって見分けるの?」
「まぁ、見ててぇな」

チュルミンは、箱のそばに降りた。シールドさんを、ちょん、ちょん、とつつく。

「どう?」
「・・・わかったでぇ。ツボは、こことここの2か所や。こことここを同時に」
「そんなぁ。ソードさんじゃ、2ヵ所を同時に切れないよ」
「切る必要はない」
「ほぇ?切る必要はないって、それじゃどうするの・・・?」
チュルミンは、シールドさんに両腕を伸ばして

「くすぐるんや!」

ズザーッ(←すみれたちがコケる音)

297:126
05/02/09 00:56:38 vfc+nlr+0
こちょこちょこちょ・・・

チュルミンのくすぐりが始まった。

こちょこちょこちょ・・・

あたしたちの頭に、おっきな汗が浮いている。
「なぁ、すみれ」
「なに、ケロちゃん?」
「ほんまに、これで封印できるんやろか?」
「さぁ・・・けど、これしか方法はないみたいだし・・・」
「そうかもしれんが、こないな情けない封印方法は、初めてや」
「そ、そうだね」

あたしたちは、チュルミンのくすぐりを見ているしかなかった。そのうち、
「ほぇ?ケロちゃん、シールドさんの気配が」
「すみれも気づいたか?確かに、気配が不安定になってきとる」

こちょこちょこちょ・・・

シールドさんの中の箱が揺れてきている。チュルミンのくすぐりにがまんできなくなったみたいだ。

こちょこちょこちょ・・・

そして、シールドさんの気配が急に強くなったと思うと
「あかん!」
「きゃーっ!」
「知美ちゃん!?」

298:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/09 18:05:16 g3qn2rVl0
126氏キテター
毎度乙です。

299:CC名無したん
05/02/09 20:45:52 MfU08XXi0
「くすぐるんや!」爆ワラタ

300:CC名無したん
05/02/11 07:19:43 sER9i7mO0
300ゲットage

301:CC名無したん
05/02/13 02:06:40 /O/bbqlY0
sageとけ
126氏乙。

302:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/13 10:35:01 cQe3SU/b0
>>301
メール欄は半角英小文字で"sage"ですが何か。

303:126
05/02/13 23:34:44 fy8Ye/Ca0
チュルミンのくすぐりでシールドさんががまんしきれなくなって、今度は知美ちゃんを中に
取り込んでしまったんだ。今度は、知美ちゃんにもシールドさんが見えるみたいだ。
「どうして・・・こんなことに」
「想いの強さや」
「どういうこと、チュルミン?」
「シールドは大切にされているもんを守ろうとする性質がある」
「ほぇ?」
「あの箱の中にあったんは、撫子おばあはんのブーケと知世おばはんの消しゴムや。
今、そのふたりはここにおらへん。だから、どうしても大切にしよう想いが弱くなってしまってるんや。
すみれちゃん、すみれちゃんが一番大事に想うとるもんは、この部屋の中の何や?」
「それは知美ちゃん・・・そっか、それで」
「そうや。そやから、シールドはあの箱から知美ちゃんに守る対象を変えたんや」
「でも、どうしよう。このまま知美ちゃんがシールドさんから出られなかったら」

あたしは知美ちゃんの方を見た。

「待ってて、知美ちゃん!今、助けるから!」

「ソード!」

あたしはもう一度、ソードのカードさんを使った。

「ハァーッ!」

ばぼん!

「きゃっ!」

けれどもまた、あたしははね返されただけだった。


304:126
05/02/13 23:38:35 fy8Ye/Ca0
「だいじょうぶ、すみれちゃん?」
「だいじょうぶだよ、チュルミン。けど、ソードで切れないとなると、どうすればいいの?」
「チュルミンがさっきみたく、くすぐればええやないか?」
ケロちゃんのことばにチュルミンは首を横に振った。
「あかん。あのシールドを見てみぃ。大きくなっただけあって、ツボの数も増えとる。
こっち側から見えるだけでも、11か所はあるで。それだけのツボを同時にくすぐるなんて無理な話や」
「そんな・・・」

あたしたちは考え込んだ。

「ねぇ、チュルミン。どうすればシールドさんを封印できるのか、もう一度教えて」
「ひとつは、さくらさんのときのように、シールドを力で破った場合や。けど、いまのすみれちゃんの
魔力じゃ、シールドを破るにはまだ少し足りないようやし、ツボを攻めるには数が多すぎて
どうにもならんし・・・」
「いま、ひとつって言ったよね?他にも方法はあるの?」
「ないことはない。けど、考えにくいんやな。これが」
「それでもいいよ。教えて」
「もうひとつの場合は、シールドの守る対象が外に出てしまった場合や。そうすればシールドは力を失う。
けど、魔力のない知美ちゃんがシールドの中から外へ出るなんて無理や」
「そっか!外に出せばいいんだよね」
「なんか、思いついたんか、すみれ」
「ケロちゃん、うまくいくかどうかわからないけど、やってみる。知美ちゃん、危ないから反対側に
下がっていて!」
「はい」
知美ちゃんが反対側に下がるのを見て、あたしは知美ちゃんのお部屋の天井を見上げた。
このお部屋はメゾネットタイプで天井が吹き抜けになっている。この高さならだいじょうぶだろう。

「じゃ、行くよ!」


305:CC名無したん
05/02/14 00:57:30 NZTX0lkvO
126氏キタ━(゚∀゚≡゚∀゚)━!!

306:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/14 19:26:19 HTh7vIQu0
キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!!。
毎度良質な物語掲載乙です。

307:CC名無したん
05/02/15 01:27:23 ybEyhEkuO
Ready,3,2,1,Firing!
(M2機銃掃射)

308:126
05/02/21 02:02:46 xlxDBA1G0
あたしは両手を空けるために、封印の杖を投げ上げた。それと同時に
「ハァーッ・・・タタタタタタ!」
両手の拳を連続してシールドさんにたたきつける。シールドさんが反動であたしをはねかえそうとする。
その力を利用をしてからだを回転させ、あたしは背中から思いっきりシールドさんの中に沈みこんだ。
(きたっ!)
そこにちょうど投げ上げた封印の杖が落ちてくる。
「今だ!」
あたしは、杖と手にすると同時にカードさんを取り出した。
「空間を歪め、中と外を入れ替えよ!ループ!」

「ループか!なるほど、ループなら中にいる知美を外に出すことができる」
「ケロはん、こないな使い方、クロウはんでもしなかったでぇ」
「ああ」
ケルベロスは、すみれがウィンディを封印したときのことを思い出していた。
あの時も、とらえどころのない風の精霊をループを使って狭い空間に閉じ込めて封印したのだ。
この子は、時々、母親以上の才能をかいまみせる。クロウ・リード以上の魔力を持つ母親を超える
可能性を持っているのかもしれない。
(けど、さくらとは違うんや。どんなにカードを使うのがうまくても、すみれの場合は・・・)
だが、ケルベロスの思考はチュルミンの声によって中断された。
「シールドの魔力が弱まってきたでぇ!もうすぐや!」

まもなく、シールドの外に不思議そうな顔をした知美の姿が現れた。
「チュルミンさんにケロちゃんさん。おふたりがいるということは?」
「成功や!知美ちゃんが無事に出れたんや!」
「まぁ!」
知美がふり返ると、シールドの中にすみれがいるのが見えた。

309:126
05/02/21 02:03:46 xlxDBA1G0
「まぁ!」
知美ちゃんの声が聞こえると同時に、封印の杖に感じていた力が消えた。
シールドさんの抵抗がなくなったんだ。
「知美ちゃん、出れたんだ」
あたしがそう言うと、シールドの向こうにいる知美ちゃんがにっこりと微笑んだ。
「「今や、封印や!」」
ケロちゃんとチュルミンが、同時に叫んだ。
「うん。汝のあるべき姿に戻れ!クロウ・カード!」

ピン!という音がして、封印の杖の先にカードができていく。
しばらくすると、あたしの手にシールドのカードさんがすべりこんできた。

「やったぁ!」
「ありがとうございます。すみれちゃん」
「知美ちゃん、だいじょうぶ?ケガとかなかった?」
「だいじょうぶですわ」
「よかったぁ!」
あたしは、思わず知美ちゃんに抱きついた。
「ごめんね、知美ちゃん。あたしが最初からうまく封印できてれば、こんなめにあわなくても
よかったのに」
「とんでもありません。すみれちゃんなら、きっと何とかしてくださると信じてましたわ」
「・・・知美ちゃん」
あたしが、次になんて言おうかことばを探していると
「それに、今のすみれちゃんの活躍、ばっちり撮影できましたし」
「・・・はぅ」
お約束だけど、あたしの頭におっきな汗が浮いた。


310:126
05/02/21 02:05:23 xlxDBA1G0
「では、あけますわ」
知美ちゃんが、鍵を鍵穴に差し込むと、カチャ、という音がしてふたがあいた。
「わぁー」
あたしは思わず声をあげた。
「これが、撫子おばあちゃんの結婚式のブーケ」
「ええ。残念ですが、もろくなっていますので見るだけにしてくださいな」
「うん。でもほんとうにきれいなブーケだね」
ママから話も聞いているし、知世おばさんが撮ったビデオで何回も見てるけど、ほんとうにきれいな
ブーケだった。おばあちゃんが大好きだった桜の花。それが、ママの名前になったんだ。
「わたくしも、いつかお作りしますわ。すみれちゃんの結婚式のブーケ」
「とつぜん、なにを言うの、知美ちゃん?!」
知美ちゃんのことばに、あたしは少しあわててしまう。
「うちもや。すみれちゃんの結婚式はぜひ招待してや」
「あら、チュルミンさん。実は、すみれちゃんはもう結婚式を挙げているのですわ」
「ほんまかーっ?!相手は誰や?!」
「知美ちゃん!」

そんな3人のドタバタを横目に
「女の子は、ほんま、結婚式とか夢みるんやなぁ。そないなもんより、わいは、このケーキの方が、
なんぼかええでぇ。3人とも、よろしくやっててやぁ」
と、ご機嫌でフォークを動かすケルベロスがいた。

そのころ、廊下では、チュルミンの分も入れて追加のお茶とケーキを持ってきたメイドが、
つぶやきながら歩いていた。

「これが、あの大道寺家の7不思議のひとつ、『わたしの部屋に4つ』・・・」

<すみれと知美と大切なもの:終劇>


311:6代目
05/02/21 04:27:43 Hrnljt4e0
ヽ(´ー`)ノ

312:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/02/21 17:09:22 xHzNDcJj0
毎度乙カレー。<<126氏

313:CC名無したん
05/02/21 21:43:49 jULRUAoo0
126氏キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
本筋からそれるんであれですけど、さくらたんのブーケは誰がゲットしたんだろう…

314:CC名無したん
05/02/22 22:18:53 Wj/evlB40
知世……じゃ、ないのかなあ

315:CC名無したん
05/02/26 23:34:59 YcaDt8/M0
age

316:CC名無したん
05/02/27 21:01:42 tx9GiKAGO

ageんなアフォ!いらん広告書かれたら(ry

317:CC名無したん
05/03/02 17:43:50 mEPLdGyE0
始めのスレで設定直ぐに決まったのがいまだに懐かしいw

318:サロメ
05/03/02 18:02:33 r9JhBDRfO
(σ_σ(σ_σ)σ_σ)

319:さくらたん
05/03/08 13:00:59 wmWWVhGB0
ある朝。
すみれは精神病で死んだ。
そのほかもみんない次元へ消えてしまった。
ここからは、変態大使館雑談スレがのっとります。
サクラ関連の叩きはここで。
リンクも待ってますよ。

320:さくらたん
05/03/08 13:37:54 wmWWVhGB0
サクラは実は、汗っかきのでぶオタ(無職・45歳・男)
なんだけど、
みんなすぐだまされるよね・・。
はにゃーんとか逝ってリャかあいいかあいいいってくれるし・・。
ま、いいんだけど。
ほどほどにしてね。
小学生に混ざってさくらのコミック立ち読みしてるおっさんキモいから

321:さくらたん
05/03/08 13:41:04 wmWWVhGB0
常にあげでお願いします。
ま、へをこくたびにあげるスレって感じ?
ところで、スレッドレイプってなに?

322:CC名無したん
05/03/08 15:00:11 g32qZRiy0
 あーっとここで>>319-321をスルー!!!
        r'::::::::i
         トーf/__
      /  イ| 、ヽ
      //_〉 l_l i_ノ、
\\ (_ニノ 〉____〉〉 〉
      /    } /             ,_-‐、
     /\/,ー 'ヾ          i"_Y 〈i
     〈  < /              ゝ^-'"
     \i"ヽ、  \\     //
     ├ i\i カ      ,、
      |_,,i ノ_ソ    )     ゝ

323:S.A Studio ◆Sastuvj1Pg
05/03/08 16:14:07 96Nj9R8G0
126たんまだ~?

324:CC名無したん
05/03/10 21:32:05 rY7zbjDYO
なんか某AA系板の〇津スレを彷彿とさせるなぁ…(・∀・)イイ!

325:CC名無したん
05/03/10 22:29:57 RGvsdMuF0
時を止めて その微笑 瞳の中消えていく幼き思い出

326:CC名無したん
05/03/15 19:45:20 8oPAyNZ+O
前スレってまだhtml化してないんでつか?

327:CC名無したん
05/03/15 19:47:27 20rI2mZI0
とっくにしてる。ほれ。
URLリンク(ruku.qp.tc)

328:炉板通信 ◆mwhG4Chris
05/03/16 00:15:05 WdC/YYWl0
そこにあるのはhtml化してるとは言わんだろう・・・

329:CC名無したん
05/03/16 01:13:15 IS9sYRYi0
過去ログ読めたからどうでもいい。
あらためて読むとやっぱウマー

330:126
05/03/17 01:53:44 iYGzRBHd0
次回予告
きょうはパパが香港から帰って来る日。
ママは空港までおむかえで遅くなるから
晩ご飯はあたしと龍平で作るんだ。

はぅー。あたしって、やっぱりお料理向いていないのかなー?

そんな時にクロウ・カードの気配が!
ほぇーっ!このカード、あたしひとりじゃ封印できないよ!?

カードキャプターすみれ さくらと小狼のこどもたち
すみれのしゃりしゃりハンバーグ

次回もすみれと一緒に
さくらと一緒に
封印解除(レリーズ)!

331:CC名無したん
05/03/17 03:46:21 0Py2XkOp0
>しゃりしゃりハンバーグ
どんなハンバーグなんだろ( ;・∀・)

332:CC名無したん
05/03/20 13:44:37 RPGk7bZ20
フローズンハンバーグ


いえべつにとくになんでもないんだけども。

333:CCsakura
05/03/21 18:42:36 vplkwC3x0
テスト

334:CC名無したん
05/03/21 19:40:52 UE9kceep0
 いわゆるSSっていうのはこういうのを言うんだな…
 漏れはちょっと考えを改めるべきなのか。

335:CC名無したん
05/03/21 20:37:33 zdCjpPEI0
話はかわるが CCさくら→すみれ という流れはサクラ大戦に関連しているのか、

してないか・・・OTL

336:CC名無したん
05/03/21 21:19:16 NnRr/IFT0
>>335
関連はしてないと思うがそういうネタが出たことはあった

337:126
05/03/22 00:56:47 qBRs4zlq0
「龍平、いる?」
その日の放課後、あたしは5年3組の扉を開けた。
「おねえちゃん」
龍平はすぐにあたしに気がついた。
「けさの約束どおり、きょうはつきあってもらうからね」
「うん。でも、その前に、寺田先生のところまでプリントをとどけなきゃ」
「わかった。いっしょに行こう」
教壇の上に積んであるプリントを龍平が取る。高さは30センチぐらいだ。
「重くない?」
「平気だよ、このぐらい」
「よかった。あとでもっと重いものを運んでもらうんだから」
「え?」
「じょうだんだよ。晩ご飯のお買い物だから、そんなに重くならないよ」

そう、この後、あたしと龍平は晩ご飯のお買い物に行くんだ。
だって、きょうの晩ご飯はあたしたちで作るんだもの。

338:126
05/03/22 00:58:07 qBRs4zlq0
→すみれの回想モード

「ほぇ?パパ、あす帰ってくるの?」
「そうなの。予定より早くなったの」
「ママ、うれしそう」
「だって、小狼くんにまた会えるんだもん」
ママの顔が少し赤くなって、あっちの世界に入っていく・・・
少し時間がたって、ママは
「けど、飛行機が着くのが遅い時間なの。おむかえから帰ると9時過ぎになると思うわ。
だからすみれちゃんたちの晩ご飯、何にしようか?あたためるだけにしておくから」
「それだったら、あたしと龍平で作るよ」
「ほぇ?だいじょうぶ?すみれちゃんや龍くんがお食事を作ったことって」
「最初から全部作ったことはないよ。でも、あたしはママのお手伝いは何回もしてるし」
「それで、何を作るつもりなの?」
「ハンバーグ!好物だし、ハンバーグならママと一緒に作ったことあるし」
「ハンバーグかぁ・・・それならだいじょうぶそうね。じゃ、材料をメモするね」
ママは冷蔵庫を開けると、中を確認しながらメモを書き出した。
そして
「ナツメグとパン粉はあるから、買わなくてもいいわ。ソースに使う赤ワインもね。
だから、これだけ買ってくればいいわよ」
と言って、メモをわたしてくれた。あたしはそのメモを見て
「ママ、この分量って多くない?」
「それでだいじょうぶよ。ケロちゃんの分も入っているから」
「そっか。じゃ、がんばるよ。がんばって、おいしいハンバーグを作るんだ」
「龍くんといっしょにがんばってね」
「うん!」

←すみれの回想モード終わり

339:126
05/03/22 00:59:08 qBRs4zlq0
あたしたちは職員室に着いた。
「失礼します・・・寺田先生」
「あら、木之本くん?すみれちゃんもいっしょなの?」
「プリント、持って来ました」
「ありがとう、そこに置いておいてね」
「はい」
龍平がプリントを机に置く。
「先生、それって・・・?」
あたしは先生が読んでいたものを指差した。そこには龍平の字が書いてあった。
「龍平くんの作文よ」
「ほぇ?」
「とてもよく書いてあるわ」
「龍平、何について書いたんですか」
「『うちのペット』って作文よ。木之本さんのおうちには、大阪弁をしゃべるロボットペットが
いるんだよね」

ほぇ~っ!それって、ケロちゃんのことだよ!龍平ったら、何書いてんのよ!!

340:CC名無したん
05/03/22 01:45:14 ivnzDE6E0
━━━(゚∀゚)━━━!!!

341:CC名無したん
05/03/22 13:20:08 XZ8Mr7fl0
ほえ━━━(゚∀゚)━━━!!!


342:スッピー ◆SUPPII64mk
05/03/22 14:28:03 mDHfXLoK0
ほぇぇ~。
126氏GJ!

343:CC名無したん
05/03/22 21:40:19 +q0T5YIm0
>>336
情報サンクス、
確認できただけで結構スキーリ
興味でてきたから上からよんでみよう

344:CC名無したん
05/03/24 21:06:58 0HdobIsv0
キテタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!

多分原作最終回から10年以上経過しているであろうはずで、未だにばれて
いないのに、作文のネタにされるケロちゃんの存在にワロタ

345:CC名無したん
05/03/26 12:24:04 oRsD0g7K0
URLリンク(makimo.to)

346:CC名無したん
05/03/31 04:18:55 IQucPxX60
やっぱ、慣れている人なんだねw

347:126
05/03/31 23:12:13 ihVFa9Dj0
「だだいまーっ」
「ただいまじゃないでしょ、ふたりとも!もう暗くなっているのよ!」
「はーい」
母親におこられて、それでもあまり悪びれてない様子で、ふたりが家に入ってくる。
「おなかすいたぁ。晩ご飯まだぁ」
「はい、はい。もうすぐですよ」
姉に少し遅れてくつを脱ぐ弟に向かって
「龍くんもこんなに遅くまで・・・今日はどこに行ってたの?」
「桃矢おじさんのとこ」
「今日も?」
「うん」
さくらは不思議に思った。ここ数日、この姉弟の帰りが遅くなっている。
どこで遊んでいたのかと聞くと、帰ってくる答えは決まって兄の家。
心配になって、ケータイでふたりの位置を確認したことがある。確かにふたりはうそをついていなかった。
けれど・・・
(歴史が好きな龍くんがおにいちゃんの家で遊ぶのはわかるけど、お外で遊ぶのが好きなすみれちゃんが
ずーっと家の中で遊ぶなんてね・・・あ、そうだ)
「すみれちゃん!」
さくらは、部屋に戻ろうとするすみれに声をかけた。
「なーに、ママ?」
「最近、お部屋のおかたづけしてないでしょ」
「ほぇ」
「今日、ママがかたづけてあげたんだけど」
「ほぇっ」
「キーボードがなかったみたい」
「ほぇほぇほぇっ」



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