06/07/06 01:43:47
賑わってきたな。
宣言どおり、SSを考えたけど自信がないので序章だけ。
―あれ?この辺にレイの家があるはずなんだけど
このレンガ造りの家の角を曲がったのは何回目だろうか。どうやら同じ場所をぐるぐる
回っているようだ。確かレイの家はこの辺のはずなのに見えてこない。
「この角を右かしら?こんなことなら大人しくタクシーでくれば良かったわ」
そう言って、アスカは車のハンドルを切った。
「あちゃ~、ここ一通じゃない!ケチらないでカーナビ付けるんだった」
ふぅ、と溜息をついて道路の端に車を寄せる。家でプリントアウトした地図は何度も
見たせいでぼろぼろになっていた。人に聞けば済む話ではあるが、アスカは自分の力で
見つけるんだとムキになってしまった。まあ、アスカらしいといえばアスカらしい。
「地図ではこの辺のはずなのになあ。やっぱり人に聞こうかな。ふぅ」
再び溜息をつくとシートを倒し、両手を頭の下に交差して仰向けになった。
―レイに会うのは5年ぶりか…まさかこんな形で再び会うなんて思いもしなかったけど
5年前、サードインパクトが起こった・・・と私は思っている。
確信できないのは、まるで夢のような出来事だったからだ。
私が覚えているのは、ロンギヌスの槍が目に刺さってエヴァシリーズに食い尽くされそう
になったところまで。思い出したくも無いけど、なぜかあのときの記憶は強く残っている。
そのあと目を覚ましたとき、私はLCLらしき液体の中にいた。うっすらとしか覚えていない
けど、そのときレイが問いかけてきた言葉は今でも忘れない。
「あなたは何を願うの?」
私は何を願ったのか思い出せない。いや、あのこと自体が夢だったのかも知れない。
もしくは、死ぬ前に最後にレイに会いたいと思うばかりに見た幻だったのかも知れない。