06/07/05 11:57:46
唐突に投下な 1/4
ユニゾン訓練中。
レイも同席しミサトが監督するその前で、シンジ・アスカのコンビは何度目かの失敗をした。
動きは終始バラバラで、傍目にも明らかな醜態にため息を漏らすミサト。
視線を巡らすと、きちんと正座をしているレイは表情を崩していない。
作戦には参加せずとも真剣に練習を見学する姿は、ミサトを喜ばせていた。
妙齢の作戦部長は視線を正面に戻し、今度は頭を抱える。
世界の未来はちょっと危険な感じだった。
「惣流が先に行き過ぎるのがいけないんだろ!?」
「アンタがトロすぎんのよ!」
強制されたパートナーとの口論の末、アスカがヘッドホンを叩きつける。
「ああもうっ! ミサトぉ! こんなの上手くいきっこないわ!」
腕を組んで仁王立ちし、ツイッと顔を背けるアスカ。完全にご機嫌ナナメだ。
シンジも文句を言っているが、技術的に劣っているのを自覚してるためトーンが低い。
巻き起こる険悪ムード。だがミサトは二人を懐柔せず、別の提案をした。
「そうかしら……レイ、シンジ君とやってみて」
確信があった。二人の呼吸が合うことの。
シンジは性格から、レイは作戦の重要性から、相手に合わせるのを厭わない。
成功例を見せて退路を断ち、プライドを刺激して成功への足がかりにする。
そう企んだミサトの期待は、意外な形で破られた。
「はい。ですがお断りします」