06/08/02 02:33:10
ようやく、リニアの駅に着いた。
既にリニアは駅に停車している。
「シンジ。送ってくれてありがとう。」
女の子は無表情にそう言って、硬直している僕の前を通り過ぎた。
駄目だ、やっぱり恥ずかしい。
が、今となってはもはや訂正は不可能だろう…そんな気がする。
俗に言う手遅れってやつだ。
リニアが小さな空気が抜けるような音を立てて、ゆっくりと発車した。
そしてゆっくりと高度を上げてゆく。
下界がどんどん小さくなってゆく。
オンナの…もとい、レイはリニアの座席にもたれて、静かに文庫本を読み出した。
暗黒の中に色とりどり宝石を散りばめたような下界の景色にも全く頓着していない。
もしかして、レイは物凄い大人物か、変人なのかもしれないな。
ふと、そう思った。
それにしてもレイは何故、たった一人で人工進化研究所にいたのだろう…
#今日はこれくらいで。
#お休みなさい。