06/07/20 16:33:43
一日の終わり、碇君は発電機の電源を消しに屋外に出た。
私は窓辺に折りたたんでいる赤いプラグスーツに目を移した。
そして、私はそっと窓辺に近寄りプラグスーツを手に取った。
懐かしい感触だった。
柔らかいが極めて耐久性の高い繊維のそれ。
私たちがEVAに搭乗していたころ、彼女はこれを着ていた。
彼女とともに幾度も死地を乗り越えてきた赤いプラグスーツ。
一昨日のような醜い感情はもう湧いてはこなかった。
ごめんなさいセカンド。
ごめんなさい碇君。
赤いプラグスーツにぽとり、と涙が落ちた。
一滴、二滴…。
発電機のエンジン音が聞こえなくなり、明かりがふっと消えた。
私は涙を拭うとそっとセカンドのプラグスーツをもとの窓際に戻した。
おやすみなさい。
私はそっと呟いた。