落ち着いてLRS小説を投下するスレ3at EVA
落ち着いてLRS小説を投下するスレ3 - 暇つぶし2ch226:角
06/07/11 12:58:06
少年は瓦礫の中、歩を進めた。
未だ各地から無数の黒煙が立ち上り、鼻腔を刺激する。
巨大なクレーター、巨大な顔が浮かぶ湖、から逃れるように移動してはいたが三日目に入っても様子は殆ど変わりはしていない。
丘は削られ、天を突くようなビル群は強烈な熱線で溶解し、無数のヒトが居を構える住宅地は瞬間的に蒸発していた。
セカンドインパクトの混沌から再び未来へと歩を進めるべく立ち上がった人類の努力は無に帰したのだ。

かつて知恵の実を所持し、栄華を極めた使徒リリンの文明の末路。
知恵を得た彼らは生命の本質を考える力を得た。それは彼らの権利であり使命。
だが与えられた無限の知恵は自らへの不甲斐無さから来る憎しみと変わり、ついには文字通り自らの存在を消し去ろうとした。
他の使徒達の可能性を奪っておきながら、最後に殲滅すべきは己とは余りに皮肉ではあるまいか。

壊れた住居で夜露をしのぎ、比較的破損の少ない地域を見つけると半壊したコンビニやスーパーなどから食料を調達した。
そしてその都度、何も知らないまま形を失ったヒトの残骸、無数の衣服が散乱しているのを目撃するのだ。
そしてその都度、少年はほぼ無感動にその場を立ち去るのだ。



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