06/05/02 14:33:02
だがすぐに強い力で肩を掴まれ、ひきはがされる。
普段なら萎縮してしまうところだが、感情がむきだしになった今はそう簡単にひきさがらない。
押さえ付ける力に対抗して体を前に傾ける。
だが力では敵わない、すぐ近くにトウジがいるのに一歩も前に進めない。
「どうして!いつもみたいに…いつもみたいにしてよ!」
「…シンジ、何度も言わすなや」
「いいから!トウジだってホントはしたいくせに!早くしてよ!」
「シンジ!これ以上ダダこねるんやったら!」
「何だよ!殴る!?いいよまたなグッ」
「帰って頭冷やすんやな」
胸ぐらを掴まれ、やすやすとつまみ出される。
ガチャン!
空っぽになった頭に、乱暴に閉められたドアの音がこだまする。
トウジの信じられない行動に、ドアをしばらく呆然と見つめたまま動くことができなかった。