06/04/24 21:57:13
>>125>>127 >>392
ミサトは軍人としての意識を素早く覚醒させ、現在の状況を確認する。
お姫様は入浴中。シャワーの音が聞こえ始めたばかりで、出てくるまでには間がある。
自分の格好はタンクトップにホットパンツ。寝起きのままである。裸足であることは好都合。
シンジの精神状態は一応平静。笑顔は残っている物の少し不安そうにミサトの答えを待っている。
シンジ特有の困り笑い。こういう表情を見せてくれると、やはり彼なのだと確認できるようで嬉しい。
家事は、三人分の弁当の用意も終わったようでひと段落、後は洗い物だけのようだ。
軍事行動は相手の意表をつく事が理想である。とりあえずは家事に戻ってもらおう。
「うん。良く似合ってるわよん。おかしくないわ」
「そうですか。良かった……」
シンジの意識はあくまで男のままである。彼にとって女子用の制服はあくまで、女装であり、違和感の残る格好なのであろう。
あきらかに安心した声で答えると、シンジはエプロンを翻してシンクに向き直った。
さて、作戦開始。
国連軍実戦部隊出向時の動きで無音で胡坐をとき、椅子から降りるとそのまま気配も無くシンジの背後にまわる。
実戦部隊を離れてネルフに戻ってから何年も経つが、勘はニブっていないようだ。気取られること無く距離を詰めることに成功した。
このまま頚動脈を絞め、家事をしていると思い込んだまま命を奪うこともできるが、もちろんそんなことはしない。
耳元で、わざと息吹を感じるように囁きかける。
「ねえ、シンジ君……」