06/04/24 20:42:17
>>125>>127 せっかくだから、もうちょっと続けてみましょう
ネルフ作戦部長、葛城ミサト3佐は、同居人が手際よく朝の家事を片付けていくのをぼーっと眺めながら朝食をとっていた。
戦う相手も理由も手段ももはや何も無いミサトにとって気がかりは、同居人のことだけである。
朝のえびちゅは、今日は一本だけにしておいて味噌汁を啜る。なにせ、今日は色々と予定があるのだ。
施設の解体許可や権限の再移譲の書類に判を押すのとはわけが違う。しらふでいる必要がある。
少々のズレはあるものの、人より鋭敏な味覚中枢が味の変化を感じ取る。
「あれ?シンちゃん、味噌汁のお出汁変わった?」
「ええ、前にミサトさんが気に入ってたのに戻したんです。カツオ出汁」
笑顔でシンジが振り返る。料理人は自分の仕事が認められると嬉しい物なのだろう。
スカートにエプロンが良く似合う、まぶしい笑顔、食卓にはバランスのとれたメニューにえびちゅ……顔が自然にほころんでしまう。
彼にとっても自分にとっても本来あるべき状況ではないことは良く理解しているのはあるが……
「シンちゃん、今日から女子用の制服なのね。一人で着れた?」
汁椀をテーブルに戻すと、さも、今、制服の変化に気がついたかの用に聞いてみる。
「はい。ちょっと手間取りましたけど……おかしくないですか?」
シンジは答えると、家事の手を止めてくるりと回って見せた。スカートとエプロンの裾がふわりと舞う。
「うっ……」
思わずミサトはうめき声をあげる。可愛いらしい、いかにも女の子的な仕草が、あまりに自然にでてくる事に驚愕したのだ。
……とりあえずは、心配することも無いのかも……
そうなってくると、持ち前のいたずら心がうずいてくるのが葛城ミサトという人物なのである。