06/03/20 11:38:08
「洞木さんは…」
「うふ、ヒカリでいいわよ。」
「そうかい?ヒカリさんはいつも自分でお弁当を作っているのかい?」
「そうよ。」
「やっぱり。だってこのお弁当、とってもおいしいからさ。」
微笑ましい、少年と少女の会話。
カヲルもヒカリに対してよい感情を持ち始めていた。
このまま行けば2人はお似合いのカップルになっていただろう。
だがヒカリの心はそれだけでは満たされない。
トウジにボロ雑巾のように捨てられた事の記憶が彼女の心を蝕んでいた。
トウジをシンジに寝取られた事の記憶が彼女の心を蝕んでいた。
一度復讐の鬼へと堕ちた彼女は、かつての彼女とは別人であった。
ヒカリは愛する人を再び失うのを恐れた。
彼を自分の物にするには既成事実を作り上げてしまうしかないと考えた…。