06/02/05 01:43:56
恐る恐る声を絞り出した。
目の前にはさっきのサラリーマンがいて、僕の腿を摩っている。
「へへ。股開いて寝るなんて、誘ってるとしか思えないなぁ」
「な…!?」
この人が何を言っているかわからなかった。
呆然として、この人が痴漢だと気付くのにしばらくかかった。
この痴漢の手が、腿から僕の股間に延びようとする。
「い、いやだ!」
間一髪、僕はその手を振り払う。
逃げなきゃ。
体が勝手に動くような感覚。
隣の車両に、早く。
ガンッ
「つぅッ」
簡単に逃げられるわけもなく、僕は痴漢によってドアに押し付けられた。
「誘ったのは君じゃないか。逃げるなんて酷いよ?」
耳元で痴漢が囁く。そしてそのまま耳を舐められる。
ゾクゾクと全身が震え上がった。
「やめろ!僕は男だ!!」
「面白いこと言うんだね。男はこんなに柔らかいおっぱい持ってんだ?」
言うが早いか、痴漢は布越しに僕の胸を掴んだ。
「小ぶりだけどこれは間違いなく女の子のおっぱいだよね?それとも君、胸に何か入れてるの?」
確認しなくちゃね。そう付け加えて、痴漢は服の中に手を入れて間探り始める。
逃げなきゃ。抵抗しなきゃ。
でも動かない。恐くて、硬直してるんだ。
誰か…助けて。