06/09/27 22:24:47
「そ、それじゃ……これやってみようかな」
とりあえず目についた台を指さす。
「フライトシムか、シブいなぁ。さぁ、どうぞ、どうぞ」
男の子たちの一人がわざわざコインを入れてくれる。
えへへ、得しちゃった。
ゲーム自体は超簡単。
トライデントはもちろんのことジェット練習機と比べても、
レスポンスはリニアだし震動はないしで楽勝って感じ。
ただし、敵の数はやたらに多い。
しばらくの間ゲームに興じ、気がつくと
周囲はちょっとした人だかりになっている。
中高生や大学生やフリーターやオジさんたちの注目を一身に浴びながら
黙々と画面の中の敵機を撃破していく私。
「うぉ~、すげ~」
歓声が上がり、急に恥ずかしくなって手元が狂ってしまった。
―ゲーム・オーバー。
「惜しかったねー、でも女の子で14面まで行ったの初めて見たよ」
「本当に初めて? 実はゲーセン荒らしなんじゃないの?」
男の子達がむやみにちやほやしてくれる。
「えっと、私、連れが待ってるからもう行くね」
急いで立ち去りながら、アスカの姿を探す。