06/03/13 03:35:41
「惣流アスカラングレーさん、僕と結婚してくれませんか?」
顔を赤面させ体を強張らせ目を閉じたシンジは、やっとの思いでその言葉を口にした。
「どぉうしよぉうかしらねぇ~♪」
対するアスカの表情は羊を差し出された狼そのもの、待ちに待ったシンジのプロポーズを前に、
どう料理するかを楽しげに思案し始めた。もちろんそ承諾する気満々だが、待たされた分多少は仕返しをしたい。
ところが、シンジの今にも涙を流しそうな顔を見た途端、アスカの余裕は吹き飛んでしまった。
「僕じゃあ・・・駄目、かな・・・」、寂しげな横顔と外された視線はそれだけでアスカの心臓をギュッと掴む。
余裕も戦略的優位も忘れ、アスカは今にも去っていきそうなシンジに慌てて承諾した。
「べ、別に断るつもりは無いのよ、っていうか全然OKだしはやく結婚したいしそのなんていうか」
アスカは知らない。それはシンジの計算通りの反応であったことを。
承諾を得る前に散々弄ばれるのを回避したシンジはホッと溜息をつき、初めて出会った時から
妻になることを運命付けられた彼女の手を取り、給料6ヶ月分の指輪をアスカの細長い薬指に嵌めた。
「手が逆よ!バカシンジ!」